79 This is a MURDER GAME
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―回想―
[生まれた時からずっと傍らにあった自分の分身。 恋愛感情こそ抱いてはいなかったが、特別な存在だった。
誰よりも近く、かけがえのない存在。
そんな彼女は、結婚が決まっていた。]
『あたしはこの家を出るけど、 あたしたち、ずっとずっと一緒よ…。』
[普段自分に荷物持ちをさせたり、あれこれとコキ使ったり。 そんな彼女から思いもよらない言葉をもらい、危うく泣きそうになった記憶がある。]
(27) 2012/02/13(Mon) 23時頃
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『ノックスは右利き、あたしは左利き。 あたしは体が弱い代わりに頭を使うことが得意。 ノックスは勉強は出来ないけど、丈夫な体を持ってる。
あたしたち、二人で補い合ってる気がしない? んふふ、こんな事もう二度と言わないから、…よく聞いて。
ノックスと双子に生まれられてよかった。 これからもずっと、そうだと思う――。
―――ずっと、一緒よ。』
(28) 2012/02/13(Mon) 23時頃
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[結婚式の準備に追われる彼女は、本当に幸せそうだった。 自分も双子の兄として恥ずかしくないよう、結婚式に合わせてスーツを新調したり。
彼女が生涯の中でも一、二を争うほどの輝きを放つだろうその日を、心待ちにしていた。
事件は結婚式の3日前に起きた。
全てがブチ壊された。 婚約はこちらの家から解消を申し入れた。]
『結婚相手の男性もまだ若い。』
[そう言って両親が頭を下げ、聞き入れてもらった。]
(この手で執行出来ない)死刑なんて望まない。 (この手で殺せないのなら)生きて苦しめ。
(だって、俺は妹の分身なんだから…、俺が…。
俺たちはずっと一緒だから。)
(29) 2012/02/13(Mon) 23時頃
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[無意識に、そんな心理が根をはっていた。 そしてニュースや新聞で知る犯罪者、特に殺人犯に対する憎悪が徐々に心を蝕んでいった。
そして鬱屈とした日常の全てがあの夜、人を殺した瞬間に浄化されたような気がした。]
ざまぁみろ。生命を奪われる恐怖を思い知れ。 ざまぁみろ。生命を奪う恐怖を思い知れ。
[けれどどうしたことだろう。 浄化されたハズの憎しみは、本人にとっては無意識のものではあったが、死んでもなお…全てが消えることはなかった。
天国と聞いて、もしかしたら彼女に会えるかもしれないと思った。 …すぐに、有り得ないと自分に言い聞かせたのだけれど。
万が一行けたとしても、妹に合わせる顔が無い。]
(30) 2012/02/13(Mon) 23時頃
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―目抜き通り―
苦しそうだね…。俺が、ラクにしてあげるよ。
[半分しか見えない視界。 左利きの妹。 妹の世界は、また終りを告げた。
そんな半分の世界で、立っているのもやっとという女をドンッと突き飛ばそうと手を出す。 距離感がつかめているか危うい。 もしかしたらその手は空振ったかもしれない。
もしも上手く突き飛ばすことが出来たなら、馬乗りになって細い首に右手を掛けただろう。]
(31) 2012/02/13(Mon) 23時頃
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さて天国の門が開かれるか、
それとも“悪夢”が訪れるか。
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(もしも俺が殺されそうになっても大丈夫。
…道連れにしてあげる、よ…。)
[胸中でだけそう囁き、にっこりと女に微笑んだ。]
(32) 2012/02/13(Mon) 23時半頃
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しあわせに死ねるに定評のあるワタシです。今晩和。
ついだだあまえたくなるのは仕様です。
さいもんにちゅうしたくなるのも仕様です。
/*
逃げらりた!(゚Д゚)
こんばんにゃー。
幸せに死ねるは、いいね。悪役は末期だいじ。
ヒューが見た時照れるくらいに、デレを撒いておくといい……(により
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私ばっかり…?…ははっ!!
なに?自分ばかり苦しい思いをしてる、とか思ってるの?
キミみたいな人間には……他人の痛み、なんて…分かるもんか…。
…でもそうだね。…ハァ、苦しいなら…かわいそうだから… もう、終わりにして…あげるよ…。
[血が通わなくなっているせいか、女の首から上が赤黒く変色し始めていた。ギリリ、と更に右手に力をこめる。
「痛い」と叫ぶ女>>35を見下ろして微笑み、右目からは涙が、左目からは血の涙が頬を伝う。]
あぁ、俺も…いたい…よ…。
(39) 2012/02/14(Tue) 00時半頃
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[それを口にするが早いか、女の顔が歪むのが早いか。 女の右手が男の血だらけの顔を覆い、掴んだ>>36]
―――ッぁ゛ぁ!!
…い、たい…。痛い、よ…。あは、は…。
[痛みは感じた、顔面に何かが刺さり、皮膚を裂き、肉に食い込み…。
一瞬、女の首を握りつぶそうとしていた力が緩んでしまったかもしれない。 その隙に女は逃れただろうか、それとも逃れるほどの体力は無かっただろうか。]
(40) 2012/02/14(Tue) 00時半頃
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同情?…同情しかでて来ないんだ、ね…。 可哀想な子…。
いいよ、分かり合う必要なんて…もう、…ッ な、無いんだ…から、さぁ!!
[グリグリと押し付けられる掌に、どんどん傷は大きなものになってゆく。 女の腕を、自分の血が流れていく。
痛みは増してゆくのに、痛みを恐れる心はどんどん失われていく。
痛い。痛い。歯を食いしばっていなければ歯がガチガチと鳴りそうなほど。
右腕に力をこめるのに、全身に力を入れる。 左肩の傷から流れる大量の血は止まらない。]
(48) 2012/02/14(Tue) 01時頃
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