251 【誰歓RP】鬼渡し
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――捕まって?
[くすくすくすと笑いながら駆ける 舌を噛もうが、息が切れようがどうでも良い 今は、実代子を捕まえる、そのためだけに走る]*
(39) 2016/07/21(Thu) 22時頃
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[どのくらいの時間が経ったろうか。
あたりは静かなまま、他の人間……──自分が鬼を渡した櫻子がここに戻る気配はない。
一度家に戻らないと。
櫻子や智花、七尾の家のものも心配しているだろう。
そう思うと、明日香に目線を合わせてこう打診した。]
なあ、俺は七尾辰次。おめさん綾瀬明日香……だろ?
俺の“知り合い”がおめさんのこと知ってんらけど……
行くとこねんなら、俺と一緒に来ねっか?
いや、来てくれ。
[そう告げて、彼女が頷くのを見ると頭に大きな掌をのせて
よかった、と穏やかに微笑んだ。]
─七尾家─
[辰次は知らない。彼女が一度ここに訪れていることを。
家には村の人間が何人か集まっているようで。
己の姿を認めた若衆は辰っちゃん!と声を挙げて出迎える。
心細そうに腰のあたりにしがみつく明日香の背中を押し出すように優しく手を添えて。ぎゅっと裾を掴む手があれば、大丈夫と言葉を掛けて。]
皆は?!やっぱけぇってねんだろっか?!
[先に戻ったのは自分だけ、そう悟と苦虫をかみ潰したように苦悶の表情を浮かべて告げる。
神隠しにあったこと、櫻子を始めとする村の人間、それから村長宅に滞在していた刑部が共にいた事。自分と傍らの少女だけがあの不思議な世界から戻ってこれたこと。
傍らの少女は随分前に村で失踪したと言われる綾瀬明日香だ、ということ。]
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[付かず離れず実代子を追う 鬼面で表情を隠さずとも、このウツワが傷付こうがどうでも良いこと]
帰る?どこへ?
[心の臓が張り裂けようが、砂利を、土を踏んで寝巻から覗く足が傷付こうがどうでも良い事 それよりも]
――また、置いていくの? ねぇ?
[逃がさぬとばかりに声は追う]
(46) 2016/07/21(Thu) 22時半頃
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――あ。
[転けた。転げた! その動作の滑稽さにくすくすと笑う その声が実代子に近付き]
どこに帰りたいの? みょんちゃんを待っていてくれる世界?
それって、どこ?
[鬼面から口元だけを覗かせる 目の前の実代子に見せつけるように、にたりと三日月の様に口角をあげて笑む]
(48) 2016/07/21(Thu) 23時頃
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村?自分から捨てたのに 誰がみょんちゃんを歓迎してくれるの?
[くすくすくすと笑う 今更帰りたいなんて、ちゃんちゃらおかしい]
もう辰っちゃんもいないのよ? 辰っちゃん以外、優しく出迎えてくれる人なんているの?
[思い出せ、思い出せ、思い出せ この村に帰ってきて感じた居心地の悪さを]
(51) 2016/07/21(Thu) 23時頃
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[されるがままになりながら、ひたすらに嗚咽を漏らしていた。
ただ、掛けてもらえる言葉が嬉しくて、温もりが心地良くて。
辰次の服がぐちょぐちょになる、なんてこと気にする余裕もなかったから、不安が溶けきるまで泣き続け。
やがて泣き止めば、覗いてきた瞳を不安そうに、でも真っ直ぐ見て。]
……行く
[自分の名前を知ってる相手なら、この辰次とかいう大人の知り合いは、自分の知り合いなのだろうと安易に考え。
大人しく頭を撫でられた。*]
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ここなら、もうそんな思いはしなくていいから
[そして、ぽつりと落とす救済 口元に浮かべるのは慈愛の微笑み
さあ、おいで この世界ならば誰もいないが故に、傷付く事もなかろうて さあ、おいで 楽にしてやろう
櫻子は実代子に手を伸ばす]
(52) 2016/07/21(Thu) 23時頃
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[ ――代わりに、孤独を得るがな
くすくすくすと心のうちで笑う
ああ、楽しや]*
(53) 2016/07/21(Thu) 23時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/07/21(Thu) 23時頃
―七尾家―
[連れて行かれたのは善一の家だったはずの場所。
前へ押し出されれば不安そうに顔を見上げて裾を握る。大丈夫だと言われても、一度奇異な目で見られた恐怖は中々拭い去ることはできず、不安そうにキョロキョロと辺りを見渡すだけだった。
辰次のする話は、自分が会ったときと同じような、覚えのない内容。
オニのウツワになっていた間の記憶は何となくしかないから、朧気に思い出せる程度で。]
ぇ……ぁ、
[「随分前に失踪した」?
自分の耳を疑う。]
なァ、兄ちゃ
あっちがいなくなってどのぐれェ経ったんだ……?
[恐る恐る、小さな声で尋ねてみたが果たして聞こえたか。*]
「 てめぇッ…辰!!
子どもらを……櫻子を置いて
よぐけぇって来れたもんらけ!!! 」
[そう言うのは、北館の村長の息子、櫻子の父。]
「 場所はわかるのか?子どもたちの消えた場所は。 」
[智花の父は、冷静な言葉だが顔色は真っ青で優れない。]
ほんに、勘弁……。
それが、神社らろも、神社でねぇ変な場所だすけ……。
この世でねぇような。
[そこまで言うと、気まずい空気を遮るのは
残酷な現実を突きつけるその瞬間。]
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――捕まえた
[鬼面から覗く口が再び三日月のように歪んだ]
くすくすくすくすくす
(63) 2016/07/21(Thu) 23時半頃
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くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす
(64) 2016/07/21(Thu) 23時半頃
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[堪えられない笑みが口から零れる 櫻子の手を取った実代子の手>>58を、ぎゅうううううっと強く強く強く握る]
なんて愚かな!
[その声は歓喜に溢れていた]
(65) 2016/07/21(Thu) 23時半頃
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オニの手を取るなんて、なんて愚かなんだろう
[オニに救いを求めるなんて、なんて悲しいんだろう]
その手を他の誰かに伸ばしていれば、違った道もあったろうに
[その手は自らの道を切り開く大切な手であったろうに]
お前は自ら選んだのだ 修羅の道を
[私とあなたに違いがあるのだろうか それでも、道は違たれた]
(66) 2016/07/21(Thu) 23時半頃
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[櫻子の笑い声は異界に響くだろう その鬼面が剥がれ落ち、櫻子の姿が薄らいでいく]
お前はまた逃げたのだ
[くすくすくすと声を残して]
だけどもう逃げられまい 今度はお前がオニなのだから…
[そして、消えた]*
(67) 2016/07/21(Thu) 23時半頃
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[その場に残されたのは鬼面、そして実代子と呼ばれた女のみ 鬼面に残されたのは鬼渡しの禁忌>>1:41
一つ、境内の外へは出ぬ事 一つ、他者に大怪我を相手に負わせぬ事 ただし、転んだ時の擦り傷、掠り傷はその限りではない 一つ、捕まえる際に物は使わぬ事
櫻子の慟哭は実代子には届かない]
(68) 2016/07/21(Thu) 23時半頃
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[何と言おうか、言葉を探るがうまい言い方が浮かばない。どんな言葉も、この事実を前に彼女をきっと傷つけてしまう。
嘘は言いたくないけど、本当のことなんてもっと言えない。]
……。
これから言うことは受け入れがたいかもしれない。すぐに全部をわかる必要はない。
ここは……、おめが神隠しにあってから
うんと経った隠村だ。
おめを置いて帰った善一が
大きくなって、結婚して、子どもを三人産んで
孫までこさえて、病気して死んだ。
そんくらいうんと経っちまった隠村だ。
[明日香の目を見つめて言おうと思った気持ちが
その悲観そうな表情がどんどん歪むのを前に
何度揺らいだことか。
言い切った後、彼女をまだ見つめられただろうか。]
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/07/22(Fri) 00時頃
[怒鳴る声にビクッと体を震わせる。]
あ、あん場所、あっちらじゃ行けね
オニに手引きしてもらえねェと……
[小声でボソボソと呟くように、辰次の援助をしようと。]
[語られる事実。
自分が生きていた時代より、遙か未来の村だなんて信じたくない信じられない。]
嘘
[駄々捏ねるように辰次の服の裾を引っ張る。]
んなこと言って、善ちゃんいるんっけさ?
会わせれよ 会わせれ お願ェだ……
[私の目を見て嘘だと言って。]
[集まった村の男たちが子どもらを探そうと懐中電灯を取り出す。]
神社だ。きっと子どもたちが戻ってくるとしたら…。
隠神社。
でも…、鬼は言ってた…。一人は帰ってこれないって。
[その言葉にどよめきが走る。
居てもたってもいられない者から車に乗り込み神社へと向かう。]
俺…、村長のとこに報告に行く。
すまねぇけど皆後のコトは任せた。
[昔から何かあれば、当事者は村長の元へと報告に行く。
そういう凝り固まったしきたりの中で生きてきた彼ら。
反論する者はいなかった。]
えっと…。明日香ちゃん?
難儀かったら俺の部屋に布団敷くけど…
俺は今から村長…──北館の家に行くんだけど
一緒に来るか?
[辛い話をした後は、神社から七尾家に来るのとはわけが違う。
同行してくれれば村長に説明もしやすいが…、彼女の意志を
村長したいとおそるおそる確かめてみる。*]
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