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あきのしん……
あ、その子なら、知ってる……!
[志乃
色白で身形の良い――と、特徴も合致した]
けさらんぱさらん……あの子、そう、だったんだ。
[思い出すのは、外見の割に幼い言動のことで、あやかしとまでは気付いていなかった。
夢で聞いた会話を注意深く思い出していれば、察しがついたのかもしれないが]
門弟……一平太さん?
でも、あの二人の事は……仲がいいな、としか。
[役に立つようなことは記憶にない。
力無く首を振る。
そして志乃が、隠世に箏の音を送るのを聞いた]
[火が揺らめくたび、己が意思も燃えてゆく。
一つ、また一つ、記憶も燃える。
祭りの記憶、友ができたという記憶。
そして忘れていた、と思いこんでいた記憶も。]
ゆりの声には、一瞬振り向くだけしか出来ず。
メモを貼った。
[沙耶が一瞬振り返れば、驚いた表情のままこちらを見る巫女の姿
傍らに龍の笛も見えただろうか?]
……!
[二人には離れ行く火を指さし示し、手を招いてみたけれど、その意図は届いただろうか?]
【人】 門下生 一平太[そのまま手は、自分を何かに連れて行くように引っ張っていく。] (23) 2011/09/19(Mon) 23時頃 |
[
辰次様、追いかけましょう!
[辰次の手を握りなおすと、志乃達が飛んでいく方向へ駆け出した]
知っている? それは良かった。
[彼女が彼とどういう出会いを成して言葉を紡いだかは知る由もなし。
ましてや、明之進が彼女にナニカを重ねて見ていたこともわかろうはずがない
けれど……]
妖しというても、齢もあるし
妖しと成りも異なるんよ
人と交わり、何かがあの子の歯車を狂わせたのなら
それを戻すのもヒト言う存在が必要かもしれへん
[それか辰次のような気心知った同胞か……]
沙耶、沙耶も呼びかけてあげてや。
うちは、あの子としっかりとは話したことなぃから。
まだ縁の深い沙耶なら、言の葉も届くかも知れへん
[月夜に響く笛の音
──己を外に誘った、こちら側へ誘った音色
自分と同じ年頃の少女
──ずっと傍に。それを裏切り、消えた娘
閉ざされた部屋
──暗く、外に出ることも叶わぬ寂しい部屋]
[青白い火はより一層激しく燃える。]
[隠世の皆が必死に明之進の火を追いかけているのを遠めに見つつも、特段走る気はない様子の半妖眼鏡。]
―――…
[その内に思うことは在るが。]
味噌茄子が食べたいなぁ…
[焦る彼らを余所にそんなことを言っていた。]
う、ん……。
私でも、何か出来る、なら……。
[志乃
明之進、さん……!
あき、あ、あの、私……!
[燃える火に向け伸ばした手。
その指が再び、ぶれて見えた]
ずっと……あなたを、探して……!
[思わず口から飛び出した言葉に、またも娘ははっとした顔をする。
己と重なり合う何か――それはあやかしの会話を夢に見た時のように、分かたれたと思えばまた溶け込んで]
さよ……?
[そうして娘は、その名を思い出すのだった]
[伸ばされる手を拒絶するように火が激しく揺らめいた]
ヨルナ
オマエノ 顔ハ 嫌イダ
[求めていた姿によく似たその人も
負の炎に支配された今では憎悪を感じる。]
[火の勢いが激しくなる。
聞こえてくるのは、拒絶の声。
娘は一瞬、息を呑むが]
ううん。
それでも……きらいって言われても、私は追い掛ける、よ。
[燃え盛る火に向かい、更に手を伸ばした。
その火に触れたなら肌を焼くだろうか?
痛みを感じれば顔を顰めるだろうが、手を引くことはない]
[何分必死だったのはあった。
手がぶれたかどうかを目にしたかは定かではない。けれど期せずして沙耶の身体の二重の影を見つけることは叶ったか?
はっとしたような表情を浮かべ、次いでその名を零すのならば、彼女に降りかかる黒き情念と化した火の粉を一度払い軽く目配せをし、彼女の少し後に佇んだ]
輪廻の轍か?
[現で叶わぬ時の逢瀬が、隠世で紡がれる
委細は異なれど、今彼女は何かを掴み、そしてたぐり寄せようとしている
自らが主と定めた娘が、今刻の欠片を拾い成すべきを成さんとしているのだ]
……
[ならば、成さんとする事の顛末を見届ける責は我に有り
ヒトの手を焼かんとする黒き情念に、それでも手を翳したぐり寄せようとする様を、女は横目で見つめ、背を預ける。
無粋の介入を心良しとせず、且つあの妖しの炎が主を包むのならばもろともに焼かれるべく]**
メモを貼った。
ヤメロ
ヤメテ コナイデ
[火は一瞬激しく燃えて、手を引かせようとその肌を焼いた。
モウ 嫌 ダ
【人】 門下生 一平太 明之進君と友達になれて、それでアヤカシだって聞いて本当に嬉しかった。アヤカシと行けるというのは、嬉しかった。 (47) 2011/09/20(Tue) 00時頃 |
[手を伸ばしている人。その人を見て
変わった己の姿を見て、恐怖した少女の姿を思い出した。
そして、消えた。
どれだけ探しても、もう見つけられない。
己に残されたのは、少女の笑顔と怯えた表情の記憶。
あの笑顔を求めて、怯えていた表情は嘘だったと思いたくて
ずっと探していた。]
【人】 門下生 一平太 僕の勝手な推量だけど。明之進君は前に、同じような―似たような別れをしたんだと思う。 (51) 2011/09/20(Tue) 00時半頃 |
[そして、一平太。
友達だと思っていた彼が、本当は友達ではなかったのだろうかと
あやかしなど、友と思っていなかったのではないかと
少女の記憶が、一平太の消えた事実をそう思い込ませる。]
[そして青い火は、悲しみと寂しさを強い憎悪へ変えながら燃える。]
メモを貼った。
[激しく燃える火が、傷ひとつない白い手を焼く]
…………っ
[痛みに慣れぬ娘は、歯を食い縛る。
表情が崩れ多量の汗が滲んでも、構う事はなく]
明之進……。聞いて。
嫌ならすぐに忘れてしまっていいから、今だけは聞いて欲しいの。
[我知らず呼称を変えながら、明之進に呼び掛ける]
私、明之進に謝らなきゃ、って……。
あの時、姿が変わっても、同じ明之進だと信じられなかったこと。
ごめん、って、言いたかった。
だからずっと……探してて……。
[重なる記憶。
"さよ"は丈夫でない身体を引き摺るように、明之進の姿を探していた。
家人に頼る訳にもゆかず、慣れぬ表を駆けずり回って三日三晩。
"さよ"は家に帰り着く間もなく力尽き――]
私、どうすればいいのかわからなかったの。
ごめんね、っていうための体もなくして……。
それでも、諦めずに探してたら、こんな風になる前に届いていたかもしれないのに……。
でも、ね。
私のことを許してとは言わないから、このことだけは、忘れないで。
からだが近くにいなくたって、それは嫌いになったってことじゃないの。
心は近くに在りたいって、願ってることだってあるの。
[自身の事は取り返しが付かなくとも、もうひとつの繋がりを断たぬようにと。
必死の思いで訴えかける]
メモを貼った。
そうだな、志乃さんたちを探そうか。
[消えた気配が何なのか、正体に心当たりはないか尋ねてみようと思いながら、ゆりに手を引かれ]
――!
[通り過ぎる炎に、すがり付いてくるゆりを庇うように支えて
……あいつ!
[炎の飛び去った方角を、鋭く睨み。]
『………志乃さん、何があった!?』
[自分を呼ぶ筝へと問いかけ、ゆりに誘われるまま後を追う。
志乃……。
[背に志乃
ごめん、ね。
でも、"さよ"は私の半分だから。
"さよ"の想い、私もわかるから……こうしなきゃ、って、思うの。
[このまま居れば志乃をも傷付けてしまうかもしれない。
けれど、半身が死した後まで抱き続けた想いを、ここで途切れさせるわけにはいかなかった]
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