204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[居間を見回す。視界に入るのは、仲の良い大人と子供の姿たち。 そうして見せられる、ゼロ距離に>>384 は、と小さな笑いがひとつ。 鼻から漏れて、地面に落ちて砕けた]
――ずるい。
[なんでディーンは。ノックスみたいに、口先だけでも、ダメと言ってくれなかったんだろう。 その純潔の唇が紡いだのは、欲しい、一緒になりたいと、そればっかりで。 僕は嬉しかった。
けど、なんでディーンは、食べられたかったんだろう。 どこにも行かないでと口にしたくせに、どこかに行ったディーンは。
なんで一緒に生きなかったんだろう。なんで間違いを一緒にしたんだろう]
……わかんない。
[懐の中。大事な卵をぎゅっと握って。 ため息を吐く足元で、鍋はまだがらんがらんと回っていた]
(397) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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[フランシスが庇うように動くは>>386 ずっとずっと見てきていたけど 庇われてばかりの己が不甲斐なくも思えた。
大事にされている。 それはいやというほど伝わるから いつか庇われるだけでなくなれば、とも思いながら
目覚めた獣を、怒りを、憎しみを、持て余す。]
(398) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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ん……?
[>>386名前を呼ばれて。 ゆる、と顔を向ける。 優しい瞳の色が、こちらを見ていた。
首をかしげる。 笑おうとしたけど、口元がひきつっただけだった。
だから、首を振って。 うるさい鍋を黙らせるために踏みつける。
があん、と音がした]
(399) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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[ノックスとフィリップに取り合われているように見えるトレイルを見る]
……
[もともと、ノックスの連れだ。
フィリップが、衝動を感じた相手だ。
けれど、フィリップがトレイルに向けているのは――]
そんなことしたら、ノックスさんが悲しむだけ……
[それを望んでいるフィリップにため息をこぼす。
自分が死んだせいかと思う。
それで、衝動ではなく、人殺しをするのは、悲しい。
そんなことをせずに生きていてほしいと思うのに。
そこまで思ってくれていることが、どこか嬉しい]
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― 居間 ― [握りこんで手のひらの傷を隠したのは ドナルドに見せては、きっとよくないと思ったからだった。 舐めておけば、治る程度だろうけれど。
ドナルドの心の内秘めるを知らず、>>389 まだ、守らなければという保護者としての動きに彼がどう思っているかは――分かっていても、まだ、心配で>>398
ニコラが引き攣った笑みを浮かべ――その歪みに眉を寄せた刹那]
…… !!
[>>399 大きくなった音が居間を切り裂く。 ぎくり、一歩下がった。]
(400) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[握りあう手を強引に解くように、手の甲で払う。 フィリップの微笑み、優しい声は猫を撫でるよう。
よく知る表情は、まるで鏡のよう。]
……何のつもりかい? フィリップ。
トレイルを殴った手で、首を絞めた手で! 今更のように気遣って。
[初めて聞く冷えた声。]
……君に、言われる謂れは ない。
(401) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[再び響く音>>399。 フランシスの傍らでその音を聞き光景を見る。]
――…二コラ。
[ノックスの大事な養い子。 下がるフランシス>>403とは反対にドナルドが前へと出る。]
(402) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[フィリップがトレイルに牙向けるなら 己の牙は二コラに向けようか。
二人同時に失えばよりノックスを――。 澱む心がそう囁く。
ひととしての殺意は考えぬままに。]
(403) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[寂しがっている、とディーンにはすぐに分かった。
しかし、いくら手を伸ばしても彼には届かない。
鍋を踏む様子はまさに癇癪と呼ぶに相応しい動作だ。
もし、自分が傍にいないことが、彼にそうさせているなら
――それは何と嬉しくて、悲しい事だろう。]
――……ニコラ。
[ディーンはニコラの腕にそっと触れる。
指を滑らせてなぞり、ニコラの指先に自分の指先を絡めた。
もし衝動が無かったとしたら。
食べられることを望むことが無かったとしたら。]
…………君が好きだ、ニコラ。僕は、ずっと君の傍にいたい。
[衝動などなくとも、願いは変わらない。]
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……ーー
[凪ぐ手 トレイルの手を軽く引く 確かにノックスの手は当たる ーーートレイルの傷ついた腕に]
なんのつもりってーーー人聞き悪いーーー
そんな俺より あなたの方が 嫌ーーーーと言うことでしょう?
[違いますか?] [ふふっ と笑って首を傾げる ナイフを持った手は 持ちながら そっと トレイルの頭を撫でる
少し間違ったら ナイフがそのまま傷つけそうな]
(404) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[衝動を覚えたばかりで、それは一人だけに向けてのもの。 目が合ったドナルドが、何を思うか知る由もない>>389。
抱き締めてきたバーナバス>>380の服を掴み、音の方を向く。 また聞こえた音>>399に、また肩が震える。]
……何があった?
[バーナバスを見上げ、心配そうな顔をする。]
(405) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[悪い声だ。
トレイルを何処かへ誘おうとする。
だから。]
トレイル!
[行くなと声をあげ、羽ばたく鳥の、赤羽根に。 目を奪われないよう、フィリップの両肩を掴むように腕を伸ばした。
1歩、踏み出す。]
(406) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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……フィリップ、ノックスさん……
[二人のやり取りを、傍らでただ聞いている。
トレイルは、みたくない。
彼が、何を思っていたのかは知らないけれど。
彼は、フィリップに衝動を向けられていたし。
彼は、ノックスにとても大事にされているし。
にくいわけじゃないけれど、
平気で相対できる相手でもない。
フィリップが殺意を秘めていることには気づきながら。
止める手立てなどなく、ただ見ている]
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やだ こわいーーー襲われちゃう だれかーーーたすけてくださーーーい ノックスに襲われるーーー
[ころころと 珍しい笑い声 だって心底楽しかった それだけ必死な 必死なノックスの その腕が 届かないところへ
トレイルの撫でていた 頭 此方へと 抱きかかえながら 彼は大きな声を上げながら
軽いステップをきって 後ろへ 後ろへと その手から逃げようと]
(407) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[響く音は不快で耳障り>>399。 腕の中でびくりと震えたプリシラや>>405、動きを固めたフランシス>>400が可哀そうだと思いながら。
駄々っ子のようなニコラの振る舞いだけ>>399端々から垣間見る。
ドナルドが庇うように進みでる姿に>>402そちらの心配は忘れ。 男自身はプリシラを庇うような体勢をとった。]
分かんねえよ。でも。お前は心配すんな。
[不安そうな表情を浮かべるプリシラの頬を撫でて。 不愉快な音源を注視する。
歪な子ども。 そうとしか表現できない相手を前にじわりと警戒が湧く。]
(408) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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……トレイルの話じゃないよ。
フィリップ。―――君が、何をするかという話だ。
[払う手をずらされた。栗色の髪に触れて。 ナイフを持って。背に落ちる汗の一筋。>>404
こんな笑い方をする子だったか。こんな喋り方をする子だったか。>>407]
もう一度だけ言うよ、フィリップ。
[背に庇っていたトレイルは、今は彼の傍。]
(409) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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トレイルは、フィリップよりノックスより、鍋の音から逃れたい気持ちでいっぱいだ**
2014/11/23(Sun) 22時半頃
[ニコラの前に、ベネットの同行者が立ち塞がる。
ディーンはその隻眼をじっと見つめた。
彼もまたラルフのいう先祖がえりであったとは知る由もなく。]
――……もう、終わらせて やってくれ。
[ディーンの呟きは、ニコラの死を願うものだった。
今、生者の世界に彼を救う者は誰もいない。
今、死者の世界に自分を救ってくれる者は誰もいない。
欲に溺れた選択を間違っていたとは今も思わない。
だが、それでニコラが苦しむならば――。]
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ーーーーーさぁ? それでもーーートレイルは あなたより 俺がいいって
[わからないふりして 小首をかしげる トレイルを惨殺するを思いながら にっこりと無邪気に笑って]
正当防衛で 切りつけますよーーー これ以上追うなら ーーー人を守りながらは不得手です 間違って トレイルを傷つけたくない
[叩かれ解かれた腕を トレイルの肩にまわして ぐっと 此方へと抱き寄せる ああ この温度は本当 胸糞悪い そうして ナイフの切っ先を 向ける 近づくならーートレイルに刺すよ という脅し]
(410) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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[ディーンは、絡めた指先を強く握る。
彼が死んだとして、同じように欠片が残るとは限らない。
会うことすら叶わないかもしれない。
それでも、生者の世界が彼を傷つけ、苦しめ、孤独にさせるなら、
そこから逃がしてやりたいと、ディーンは願う。]
――――……ニコラ。
[声が届かないことがもどかしい。]
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[ドナルドがこちらを睨むのも、べネットが一歩下がるのも。 警戒を滲ませるバーナバスも見ないで、じっと俯く]
ずるい……。
[好きな人と一緒にいたいだけ。 なんにもいらないから、愛されたいだけ。 そんな人の願いを叶えてあげたかっただけ。
それがなんでこんなに難しいの]
……ずるい、ずるい、ずるい!! ずるいんだよみんなっ!!
[鍋を蹴っ飛ばしたら、壁にぶつかった。 それを自分でもびっくりした目で見たあと、へたりと踞って、膝と額をくっつける]
(411) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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……大人も子供も、みんなキライ……。
[愛されてる人、バツ。 愛されて当然みたいな人、バツ、バツ。 あいつもこいつもみんなバツ。
キライ]
……。
[だだっ子みたいに、叫んだあと。 卵を指が白くなるくらい握って、黙りこんだ。
ただ、思うのは。 みんな、不幸になってくれたらいいのにって。 世界の破滅を願う魔法の言葉]
(412) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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僕から、トレイルを拐おうと するな!
[掴めたと思ったのに、服の裾すら逃げていく。 おどけた声とは反対に、ぐっと唇を噛む。]
フィリップ、君がそのナイフを突き付けたいのは、僕だろう!!
[己の胸に手を当てる。ラルフのナイフが至ったところ。>>410 さわるな、ふれるなと睨み、1歩、また寄る。]
(413) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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……フィリップ
[フィリップの様子に、ゆるく瞬く。
どうして、そこまで、と思う。
トレイルなんて、ほうっておいていいのに。
俺のために、人として手を汚す必要なんてないのに]
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[睨む意識はなかったが 目つきの悪さから二コラにはそう見えたかもしれない。]
何がずるいンだよ。
[だだっこのような彼>>412にぽつと言葉を向ける。]
(414) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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―居間― ……っ 、ドナルド
[庇うように立つドナルドの背に 爪を立てていた 手を伸ばして。>>403 ]
……―― 眼 笑って ない……?
[ぞ、とするのは、本能的に怖れたからか。 ノックスの一行が、気づけば拗れて、 捻れていることなど知る由もないゆえ 不信感を募らせるばかりだ。 ノックスを呼んでくるなんて―――そんなこと、する義理も、ないと思ってしまって。]
(415) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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……ラルフもトレイルも あなたのモノ じゃない
[はっ と笑って吐き捨てた ああ やはりこの人は
嫌いだ]
ーーーーまさか?俺が?貴方を いえいえ あなたには 生きて欲しい
[むしろ ナイフを向けたいのは ゆるり 切っ先は トレイルに向いて 一歩 また一歩 階段の死角から逃れて 一階へ続く方へ]
(416) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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[彼に惹かれた理由は明白だ。
彼に愛された理由も明白だ。
ただ、お互いしかいなかった。
歪んだもの同士だからこそ、その形がぴったりと触れあった。
他の誰にも触れられない歪みに、触れられた。
ニコラの言葉はそのまま、ディーンの言葉でもある。
口を噤み続けたディーンの内にある、汚い感情の一つだ。
だからこそ、吐き出さずにおれない苦しさも、痛いほど分かる。
この胸に刺さった棘を抜けるのはニコラだけだ。
ニコラにとっても、それは同じであるに違いない。]
――……愛している、ニコラ。
僕の唯一。僕の太陽。僕の、かみさま。
[ニコラの横に屈みこんで、柔い色をした金の髪を撫でる。
ほんのひとかけらでも届けばいいと願いながら、卵を握る手に自分の掌を重ねた。]
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[>>411ニコラがずるいずるいと喚くのに、 瞬き、呆気にとられる。]
……な、
[>>414 心を代弁するような、ドナルドの呟き。 そ、とドナルドの背に近づき、ニコラのほうを見遣る。]
(417) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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[当たり前のように庇われる。 心配するなというのならしない>>408。 頬を撫でてくれた手に懐くように、目を閉じ頬をすり寄せた。 目を開けて、駄々をこねるようなニコラの声を聞く。
居間の外からもまた何か声が聞こえる。 はっきりとは聞こえないが、もめているような。
バーナバスの服を握りしめる。]
(418) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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