204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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―居間―
[>>263フィリップの視線に、視線を合わせ。 トレイルがラルフを足蹴にしていた時にはまだ居間に居なかったフランシスは、ただ、警戒を向けるだけだ。いまは。 前に出、じ、と警戒したまま、トレイルとニコラが ペチカの向こう側に行くまで眼で追った。]
……ごはん。使うと、いいんじゃないかな
[>>267ニコラにはそう答えた。ディーンを食べた子。 でも、あれは双方合意の上、だったのだろう。 金色。過ぎるのは彼の同行者たるシメオンの顔、だが。 もう2人とも、いない。 (――手を出してくるなら容赦しない ――そうでないなら、耐えて) そう、胸中で呟きながら在って。]
(283) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[トレイルの背が見えた。 鍋なんて、そんな重たいものを持たせたこと、ないだろう?
危なっかしい。]
……トレイル。
[もう一度、名を呼んで。栗色が揺れる。ノックスを見る。あぁ、それだけで泣きそうな、安らぐ表情を見せた。]
っ!
[乾いた音が響く。伸ばした方とは別に、腕はあった。 振り払われたのだと、漸く気付く。]
あ、 困った……な。
[痛む程の強い力ではなかったのに。 とても、痛んだ。]
(284) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[片手でいつまでも持っていられるわけもなく トレイルは早々に諦めて鍋を火の上に置きざりにする。 兎肉の二の舞
名を呼ぶ音がする。 別の名を、幾度も呼んだ声。 唇を噛む。 かさぶたが出来かかっていた所だったのに またじわりと赤くなった]
(285) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[>>269 ドナルドから小さく声が返ったとき 一度、二度瞬いてから眼を伏せて]
…… なんでも、かは、……分からないけどね
[小さな声。心配なのだ、とても。 撫でる手に、そっと、力が篭った。]
(286) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[>>279見せられて、うん 頷く。 お塩はどれかなって二人で探して、それっぽいのを見つけて。
鍋に乗せた肉とお塩は、不慣れな手で調理されていく。 もたもたと用意する耳に、入った音]
……ノックス。
[彼の呼ぶ名前。 それはやはり、僕じゃない。
伸ばした手、それに逆らうことなんてない。 のに、やはり、呼ばれるのは、トレイル]
(287) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[ニコラが、彼の名を呼んだようだ。 >>287眉を下げて、どうしようと彼を見る。
唯一の味方だから 彼だけは 助けてくれるのではないかと、
期待]
(288) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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―居間― [顔を洗ってくるというフィリップには]
……気をつけて
[と、――彼自身へも、含めて声をかけた。>>271 >>273 服の裾を引かれて、顔をドナルドの方へ向けた。]
……――無茶は、…しないよ
[そ、と引く腕に手を乗せた。 ドナルドの眼に宿るは獣の色が濃く、見えて。酷く不安げに、心配げに、表情をふと、曇らせる]
(289) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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……ニコラ。
僕は、本当に嫌われた みたいだ。
[胃の上を抑える。 嫌いにならないと、彼が言ってくれたから。
ニコラに向けた視線は柔らかく。]
(290) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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―居間―
[入れ違いか、入ってきたのはノックスで>>278 フランシスも唇が白くなるほどに、噛むが]
…… 、――
[ドナルドが、怒りに任せて飛び掛ったりしないよう、 祈って、触れた腕を、掴んで。 また、心配性だといわれるだろうか。 でも、背後のソファにはラルフが眠って、いるのもあるから。]
(291) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[>>290彼は何を言っているんだろう。 トレイルは眉を顰めたまま、彼をちらと見る。 ただ 諦めて 汚いものとして、蓋をしてしまっただけだ。
脂が鍋の中でとけだして 特有の臭いを出し始めた]
(292) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[警戒しつつ、ぽつりと零すのは]
……、さっきの肉、……何処で……?
[――フィリップのように狩猟ができる風でもない2人が 干し肉でもない肉を、 何処で、調達したのか。>>267
――干草の中に隠したシメオンの遺体? ――食べ残したディーンの、身体? ――それとも**]
(293) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[開いた扉。 入ってきた二人>>259。 出て行くフィリップ>>271。 座って眺める。 そこに流れる空気に、触れられない。
親指の付け根を更に噛む。]
(294) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[余所の音も、トレイルの耳には届いている。 ただ、それを言葉として認識するのに時間がかかるだけ。
フランシス達がいることも プリシラ達がいることも
耳で感じてはいる。 ただ、視線はニコラへ そして僅かに、トレイルの名を呼んだ彼へ]
(295) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[ニコラの腕に触れた手を1度離し。>>287
自分が入ってきたことで向けられた視線の幾つか。 分かってる。
フランシスに、ドナルドに……バーナバスに。 言わなくてはいけないことが。]
(296) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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トレイルは、プリシラに渡した指輪の行方は、諦めの彼方で絶望の欠片に変わっている。
2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[鍋の中へ、視線を戻す。 火の上で、肉は 底が焦げ始めていた。
しかし、表面はまだ赤い部分が残っている。 ひっくり返すという発想が出ず トレイルは肉の表面まで火が通るのを待った。
ひとの脂の臭いの次は 焦げたにおい。 異臭に、トレイルは眉を顰めたままだ]
(297) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[ペチカの鍋の向こう、ソファの傍に見えた脚に、顔を強張らせた。
そうして、視界にフランシスとドナルドを見付け。 苦しげな表情に変わる。
バーナバスに投げた視線は助けを求めるものではない。少年の頃とは違うから。様子を窺うだけ。]
フランシス、ドナ……。
………ラルフの、ことは。
(298) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[トレイルとニコラと。 二人を見遣ってから、体はフランシスとドナルドの正面に向ける。]
結果的に僕のしたことは、………君達から、大事なラルフを奪って しまったことに、 変わりが、ない。
今でも、もっと別の方法があったんじゃないかって――思う。
―――…申し訳、なかった。
[頭を下げた。ぽたりと血が垂れ落ちたが、それでも下げたまま。]
(299) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[何か、声はあっただろうか。
殴られるぐらいの覚悟は、ある。]
………
[部屋に漂う焦げた――…香りに、頭を上げたのとどちらが先だったか。>>297]
(300) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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――な、べ!
[ペチカの方へと振り返った。 もくもくと煙が上がっている。
あれは悪い煙。]
トレイル、ニコラ! 離れるんだ!
[鍋の持ち手を掴むとペチカの上からどかした。 覗き込んだ鍋のなかには、―――肉が。]
(301) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[どうするの、とニコラを見る。 彼も料理については知らないようだから 二人で熱した平鍋をじっと見ていた。
声がする。 大きな音だ。
平鍋が横から浚われてしまって トレイルは不満げにその鍋を追う。 初日に僅かな食事をした後、何も食べていないのだから]
(302) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[目視した肉の幅は、湯殿で見掛けたものとほぼ、一致している。その事実を口外するつもりはないが。
隠してしまいたかった。]
――…落ち着いて、トレイル。 焦げてるから、……これは、もう……
(303) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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[食べられないことはない筈だ。 漸く表面も、やけた所。
トレイルは、彼の制止も構わず 鍋の上の肉に傷む利き手を伸ばす。
熱を感じて、びくりと離して 反対の手で腹を押さえてニコラを見た。
おなかが空いたね。 ニコラは、ディーンを食べたから そうでもない?
少し力のない微笑みを向けて、そんな風に**]
(304) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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[ドナルドの声に>>213眉を寄せ、しばし考えこむ。 思い思われているのならば、それゆえに生まれた悲劇だと捉えることもできるが。
ノックス以外の思惑――掴みどころのない彼の連れ二人を思い浮かべたところで、その姿が見えてゆっくりと警戒したまま距離を保つ。 プリシラが部屋の隅で座るのが見えて、傍らへと立つ。]
(305) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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[プリシラが指の付け根を噛む仕草に、ぎくりとした。>>294]
こら、噛むな。痕が残る。
[衝動の先触れではないかと、疑念を抱く。 昨夜男が残した噛み痕を服の上から撫で、今は我慢しろとだけ囁いた。]
(306) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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[ノックスから投げられた視線をただ受け止める。 僅かに表情を歪ませていただろう。
幼馴染の中でどんな葛藤があったのかは知らない。
ただ、引き起こしてしまった惨劇の謝罪を受け止めるのは男ではないから。 ただ、黙って見ていた。**]
(307) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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[トレイルはノックスを見ていなかった。
危ないと言う前の鍋に、肉に。 そしてニコラに。注ぐ。]
……二人とも、料理が出来るなんて、 ――えらいね。
けど、 これは……
[留めさせる為に、ニコラを見た。**]
(308) 2014/11/23(Sun) 05時頃
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[血のにおい。肉が焼ける臭い。 気持ちが悪い。
知らない人と話すのが楽しいと思ったのは、つい最近のことだったはずなのに。
服のポケットに入れたままの指輪。 磨いておこうと思ったのに、道具は部屋においたままだ。
親指の付け根を噛む。 囁きと撫でる手に>>306、小さく首を振った。 噛み痕に血が滲み始めていた。**]
(309) 2014/11/23(Sun) 06時頃
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博徒 プリシラは、メモを貼った。
2014/11/23(Sun) 06時頃
それは、そうだけど……
でも、俺たちと、友人は、別じゃないかな……
[シメオンを傷つけてばかりだというディーンに、眉を下げる。
彼らのことは、居間で少し見ただけだから、何も言えずに]
ディーンさんは、生きているのが、辛かったの?
[首をかしげる。
普通のことをしていたのに、うらやましがられて。
仮定の話がまともであるのなら、今まではどれほど生き辛かったのだろうか。
会いたい、と囁く声に小さく頷く]
死んでしまったら、会えない。
俺を見ることを、彼らはできないから。
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