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メモを貼った。
メモを貼った。
[今回の文化祭で駿が一番楽しみにしていたもの。
それは文芸部が発行している部誌、"珠玉"。]
[忍崎のマンションで
駿は"珠玉"と出会った。]
[中学で陸上部に入ったのに、特に理由はない。
なんとなく惹かれた。そんなものだったと思う。
だが、走れば走るほど陸上というものが
自分の一部となり、切り離せなくなった。]
[駿が専門としている長距離には
スピードで魅せ
一瞬で決着がつく短距離のような華やかさはない。
自分の心音を、前を後ろを隣を走るランナーの
息遣いを感じ取り、地を蹴る。
他者のいい流れを封じて自分の身体を風にのせ、前に。
一番、前に。その繰り返しだ。
それが苦しくて、でも楽しかった。]
『お前も、好きだなー。』
[と同じ陸上部員の奴にも言われたくらい
ただただ、日々走った。
長距離と短距離、種目は違えど同じように
たんたんと練習をこなす忍崎も
きっと陸上に対する気持ちは同じだと思っていた。]
[だから高校生になってしばらくして
ようやく入部ができるようになった頃。]
もう入部届け書いただろ?出しに行こう。
[と声をかけに行った忍崎に断られた時は驚いた。]
陸上、嫌いになったのか?
[とショックを受けつつも
食い下がる自分を仕事部屋であるマンションに連行し
少女漫画家であることを話してくれた時も、驚いた。
そして驚く駿の手に、締め切りが近いと
有無を言わさないようにカッターを握らされた時も。
当然NOと言えずに動かした自身の手がトーンというらしい
シールのようなものを綺麗に切り取った時も。
驚きの連続の末、忍崎の手伝いをするようになった。]
[そうして陸上部の練習がない時には
手伝いでなくとも、たびたび上り込むようになっていた駿が
彼の部屋でふと見つけたのが"珠玉"である。
その日も何故か白銀に追いかけられていて
ストレスを部活で発散させようと放課後が待ち遠しかった。
だが、生憎の天気模様で部活が休みになったので
なんとはなしに忍崎の部屋に寄ったのだった。
はやくこんな色の下で走りたい。
そう思って綺麗な空色の表紙に手をのばし、
家主の断りなくぱらり、と開いた事はよく覚えている。]
[ぱらぱらとめくった駿の目にその作品が止まったのは
難解な漢字や表現が紙面を踊る他の作品とは趣向が異なり
ひらがなが多い童話だったから。ただそれだけであった。
が読み進めるうちに、駿でも理解できる簡素な表現であるのに
どこかじんわりと暖かく描かれる情景。
感情豊かに生き生きと動く登場人物たち。
ちょっぴり切なくてちょっぴり不思議でとても優しい物語。
そんな"星"を集める子どもたちの話に夢中になった。
読み終える頃には感じていたストレスも
走り終えた後の様にどこかに吹き飛んでいたのである。]
[作者の名前はすぐに確認し、覚えた。
"早乙女スピカ"先生。
名前と作風からしておそらく女性だろうか。
忍崎にも作品を読んで聞かせてこの素晴らしさを伝えたが、
何故か女子に怖いと大評判の真顔で
何やら唸っていたように駿には見えた。]
[忍崎やその他クラスメイトなどから
聞いた"珠玉"の入手方法は非常に難易度が高かった。
基本的に、1年に1回の文化祭での
定期発行を除けば、発行は不定期。
作者たちのやる気次第、部誌が発行できるほどの作品が
集まり次第に発行するのだという。
発行部数もページ数や
前回の配布状況に左右されるらしくまちまち。
配布場所――これが一番厄介で、
図書室の本棚の間や美術室の隅。
人目につかないところに
『ご自由に』という張り紙だけ貼られて置いてあるのだという。]
何でこんな手に入れにくいんだ?
読んでほしくて書いてるんじゃないのか?
[とあまりの難易度に思わず呟いた駿に]
『自分の書いた物語を読んでほしい。
でも感想は怖いし恥ずかしい!
って複雑な作家心なんじゃないか。』
[なんて言ったのは誰だったか。
作家とは顕示欲が強い生き物だと思っていたので目から鱗。
なるほど、と納得して日々"珠玉"入手を試みたが
未だ自力で手に入れることはできていないのである。]
[何故か、毎号手に入れている忍崎のおかげで
"早乙女スピカ"先生の作品はすべて
読むことはできているのが幸いである。
それにしてもどうして毎号手にできているのだろう。
日々ネタ探しの為に学校の至る所に
出没したりしているからだろうか。
忍崎に直接聞いても、
何やら慌てた様子を見せて教えてはくれなかった。
彼の文芸部に対する態度は度々首を傾げるものもあったが
忍崎のおかげで"早乙女"先生と出会え、
心穏やかな時間を貰えているのである。
些細なことは気にしないことにしている。]
[そして本日、文化祭。
1年でこの日だけはどこで
何部発行しているか判明している"珠玉"。
それを手に入れようと密かに気合を入れていたのだが
運動部である駿に与えられたお化け屋敷の出番は多かった。
もちろん文化祭の主役、
文化部の忙しさを見ればNOと言えるわけがない。
朝一番からお化け役をこなしていたが
正直いつ売り切れになるかと気もそぞろだったのである。
気になりつつも、代役をしてもらってる身で
まさか自分の用事を済ませることもできない。
今現在も未だ部誌は手にできておらず。
――その結果、つい色々配慮を欠いてしまった伝言>>2:*3になってしまったのは、そう。しょうがないのだ。*]
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【人】 対面販売 クリスマス[つまり自分は解っているアピールか。やるなタモツ。>>97 (102) 2014/11/15(Sat) 22時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマス
(103) 2014/11/15(Sat) 22時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマスおっ空いてる〜 (105) 2014/11/15(Sat) 23時頃 |
【人】 対面販売 クリスマスじゃ、まずはそこに向かってみるかァ (107) 2014/11/15(Sat) 23時頃 |
【人】 対面販売 クリスマスやっぱりかよ (109) 2014/11/15(Sat) 23時頃 |
【人】 対面販売 クリスマスこいつ… (111) 2014/11/15(Sat) 23時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマス
(112) 2014/11/15(Sat) 23時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマス舎弟みたいなモン? (114) 2014/11/15(Sat) 23時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマス
(115) 2014/11/15(Sat) 23時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマス!!!!!!!!!!????!!? (116) 2014/11/15(Sat) 23時半頃 |
【人】 対面販売 クリスマス
(117) 2014/11/15(Sat) 23時半頃 |
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―お化け屋敷前廊下・少し前―
違います。
[デート中?と言う花園
普段から追い回されて迷惑しているのは
同級生である花園ならば知らないはずないだろう。
まさか彼女が白銀側についてこっそり
手助けしたりしているつもりなんて知らない駿は首を傾げる。]
………?!
[『知り合いだったけど、知り合いになった』と言う氷見山先輩
『私のことを知られていたの』と言う花園
駿の顔には疑問符が浮かんでいた。]
あ、あー………。なるほど……?
おめでとうございます?
[要するに氷見山先輩が一方的に花園の事をずっと見ていた。
たぶんそういう意味で。
そしてそれが伝わり知り合いに、今日なったと。
そう解釈し、お祝いの言葉を贈る。
まだ"知り合い"であるから遠い道のりになりそうだな
とかふらりと視線
そうか。嬉しいけど、……花園の出番はもっと後だったか?
後になればなるほどリピーターを
驚かすのは大変になるだろうな。…頑張れ?
[嬉々として語る花園
いいよと頷く氷見山先輩
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