64 色取月の神隠し
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……呼び戻す? 先も言ったが、隠世に行った人の子が現世に戻ることはありえないよ。
祈っただけで去った者が戻るなら、 だぁれも神隠しなぞ恐れないだろうに。
[気恥ずかしげに枝先で地面を叩く様子に 結局は子供の戯言かと鵺の口の端が上がる。
日向が此方と里を繋ぐ道や、あやかしたちの様子を ぼんやりと知る程度の異能があることは否定しないが 隠世に攫われた人の子を呼び戻すなど、人間の力の領域を越えている]
(60) 2011/09/19(Mon) 02時頃
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…はい。
[手を握られ、応える様に握り返す]
はい。沢山、沢山お聞かせ下さい。ふふ、知らないことばかりだと思うとわくわくします。婆様と辰次様は、どんな戦いをされたのかしら…。
[可笑しそうに、くすくすと笑うが、続く言葉には目を見張って]
え、志乃様もあやかしだったのですか…! 驚きました…。ああ、辰次様と志乃様の合わせ、とても楽しみです。きっと美しいのでしょうね…
[うっとりとそう言いながら、辰次に導かれ歩いていく。聞こえてきた虫の声や木々のざわめきがだんだん遠くなり空気が静寂に包まれるのを感じれば、目を閉じる。
辰次の手の感触だけを頼りに、彼の世界へと**]
(61) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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“ありえない ”
………。
[語尾を上げるよう首を傾げ、すうと瞳を細める。 それでは祖父の手記と食い違う。 藤之助の言葉も尤もではあるけれど、戻らぬという確信めいた口調には、視線も自然、問うように。]
“まだ試したことが無いからね。 言うだけなら減らないよ”
[端正な顔に不敵な笑みが浮かぶのを見詰めながら、 対照的に柔らかな微笑を湛え、櫛を元ある場所へと戻した。]
(62) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 02時半頃
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……祭りも、もうすぐ終わりだなぁ。
[最後に一度だけ、ちらりと人の世を…青葉村を振り返って。
そして後は振り返らずに、あやかしの世へと。 現世と隠世の間を歩いていく。
力強く、ゆりの手を*握って*]
(63) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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[そうして、たまこへと視線を移した。 余りにも唐突な話に、友人はどんな顔をしていただろうか。 ごめんねと言うように、両手を合わせて口元に留め。]
“たまこちゃんも 何か言いかけてたけど 聞いても大丈夫、かな”
[何かあったのか、という問いの続き。 此処で問うて良いのかどうか、覗き込むように窺い見ながらそっとたまこの前に文字を刻む。]
(64) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 02時半頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 02時半頃
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確かに言うだけなら減らないけどなぁ……。
[>>62鵺の挑発にも関わらず 日向の唇に浮かぶのは穏やかな微笑。 そして確信の色を湛え、問い掛ける眼差し。
――娘の言葉は、戯言や虚勢ではないのかも知れない]
ふむん。……万に一つ。 日向ちゃんの言葉通り、攫われた人の子が 戻る方法があるとして、だ。
そんなことを、拐かしをした神さんなり、あやかしなりが 黙って見ている法はないよなぁ。
[日向の視線がたまこに移れば、鵺もまた、其方に視線を移し>>64 地に刻まれた文字への反応を窺う]
(65) 2011/09/19(Mon) 02時半頃
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“もし叶うとしても、 神様の思惑に反することだから…そうかもしれない”
[異界の道を神や妖の方法以外で開いたとして、 何が起きるかまでは教えてくれなかった。 静かな声を返し、少しの沈黙。]
“藤之助さんの話し方 …… 何だか、自分のことみたいに聞こえる ”
[たまこに向けられていた視線は再び藤之助へと。 是までの会話を指折りながら覗き込む瞳は、底知れぬ黒。]
(66) 2011/09/19(Mon) 03時頃
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たまこは、日向の枝の先を真剣な面持ちでじっと見ている
2011/09/19(Mon) 03時頃
たまこは、藤之助の言葉に、ごく、とつばを飲み込んだ
2011/09/19(Mon) 03時頃
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自分のことみたい?
つまり、己が神さんみたようなもので、日向ちゃんの邪魔をする? ……どうだろうね。 [人の子に隠世への道を開く力があるのなら むしろ、それを見てみたいとさえ思う。
男は眸に闇を湛えたまま、日向に視線を合わせる。 底知れぬ黒を覗き込む彼女の瞳には、どのような色が浮かぶだろうか]
(67) 2011/09/19(Mon) 03時半頃
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>>17 [揚羽は、言葉の意味を探るようにじっと芙蓉の顔を見つめた]
『…心に留めておきましょうや、芙蓉さま。』
[そこにはどんな表情が乗ったのか 言葉を投げると同時に気配はすっと消え あとはただ、見事な細工の簪がたまこの髪にあるばかり]
(68) 2011/09/19(Mon) 03時半頃
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>>21>>22>>23 ………
[あやかしたちの囁きなど露知らず たまこは伸ばされる手にも気づかぬようであった 消えてゆく気配、神隠しの瞬間、髪に離れぬ九十九の神 自分はもう、関わりすぎているのであると、俯いたまま唇をぎゅっとかみ締める]
[ちり、]
[藤之助のたまこを襲う指が目に見えぬ力で跳ね返される 微かに鳴った鈴の音、持ち主が最後に振り絞った思念が その小さな鈴の力を残したのか、それともその思念そのものであったのか]
[消えゆく力はわずかに今一度、たまこを護ったのだろうか それは知る由もないことである]
(69) 2011/09/19(Mon) 03時半頃
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―菊屋傍― >>28 [日向が指し示す休憩椅子に腰掛け、芙蓉と藤之助を待った 顔は少し強張っていたが、日向が来てくれたことが随分力になり 傾げられた首に眉を下げて笑みを見せる それから、焦る心を落ち着けるように、ゆっくり、息を吐いた]
……。 >>31>>35 [こく、こくり、と頷きながら日向の話を聞く 言葉を差し挟むのは憚られ、ひととおり話を聞くまでは 黙って、ただ、息を呑んだり、肩を震わせながら 時折芙蓉と藤之助の顔を見回しりした]
四回。
[そればかりは、思わず口から零れ出るように繰り返す]
(70) 2011/09/19(Mon) 03時半頃
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“邪魔をしよう、とか そんな風には取らなかったけど。 そうじゃなくて…… 愉しそう、かな。 ん 上手く言い表せないけど ”
[人の力を超えた処に居る者が、持たぬ者を眺めるような気配。]
………
[合わせた瞳、その黒の中に飲み込まれて仕舞わぬよう、ひたりと据えたまま覗き込む。 感情を読み取らせぬ声が、表情が、其処に潜む何かの気配を覆い隠しているよう。]
“ふしぎなひと。 本当の藤之助さんは、何処に居るの ”
[随分と長く押し黙った後、 問いとも付かぬ言葉をぽつりと零した。]
(71) 2011/09/19(Mon) 04時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 04時頃
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[芙蓉は藤之助やたまこが繰り返す日向の言葉を聞いていたろうか その訝しげな顔や、藤之助の難しい表情をたまこは時折見ながら やはり信じられない、という心持なのだろうか、と考える 親友の言の続きを読み進み、ひとつの言葉のところで視線はぴたりととまる]
>>41>>42 …神隠し。 [幻だと思うかと問う、文字は小さく書き添えられて それまで淡々と書き連ねていた日向の表情が焦りに曇る]
ううん。ううん。思わない。 日向ちゃん。
[大きくかぶりを振って、それから慌てて目尻を擦る なにか、じわりと泣きたいような気持ちであった 幼く見える小さな友の、心持ちの自分よりなんとしっかりしていることか]
(72) 2011/09/19(Mon) 04時頃
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>>43>>44 芙蓉さん、藤之助さん、でも。 わたしも見たんです。
日向ちゃん、そうだよ。神隠し、なんだよ。 だけど…雷門さまじゃない。あやかしたちが、人を…連れてゆくの。
[芙蓉と藤之助の反応を、不安そうに伺いながら それでも、きっぱりと、言を切って]
(73) 2011/09/19(Mon) 04時頃
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>>45 [芙蓉の言葉には、こくり、頷いた 全く疑問符だらけである どうなるんだろう、どこへいくんだろう、どうして聞こえるのだろう わからぬことは、恐ろしいことなのだ]
(74) 2011/09/19(Mon) 04時頃
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団子屋 たまこは、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 04時頃
藤之助は、たまこの不安げな様子に納得するように頷いた**
2011/09/19(Mon) 04時頃
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>>46>>47 [日向の言葉を見つめ、ああ、と得心したように呟く 消えていく人の本意――あの、まっすぐ消えて戻ってこない気配の感覚は きっとそれであったのかもしれないと でも]
[日向の文字に、”信じる”と書き添えて まだ知り合ったばかりのふたりをまっすぐ見る]
芙蓉さん、藤之助さん。 日向ちゃんは、こんなことで嘘は言わない子です。 ほんとのことです。
(75) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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[自分の不安を払拭するかのように大きくたまこがかぶりを振る。 目尻を擦る仕草を見れば、案じるように友を見詰めた。>>72]
“見た――― たまこちゃん も ”
?
"雷門様では、なかったんだ。"
[思わぬ言葉に双眸を見開く。>>73 たまこは何を見たのだろうか。神でないものを見極められるのだろうか。 あやかし、その単語を唇の形だけで繰り返して、たまこの言葉に聞き入った。]
(76) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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>>48>>51 [藤之助と芙蓉が同じように日向へと向ける問いを 日向とともに、黙って聞いた 眉は寄せられ、ぎゅっと引いた口元は、なにか言いたそうに開きかけて 閉じられた]
[膝に置いた手を、知らず、きゅうと握り締め 日向の言葉を、それに答える藤之助の言葉を、じっと聞いている]
(藤之助さん…?)
[薄く口の端を上げる様子に、ふいに浮んだ違和感は、なんだろうか まるで隠世を知っているような――― けれど、それ、は日向の言葉に気をとられ瞬の間であった]
(77) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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(……あ)
[信じる。そう書き添えられた文字。>>75 たまこの傍に一歩近付いたのは無意識。 非日常な出来事の中で、彼女の存在がどれほど心強かったか。]
“ありがと… たまこちゃん。”
[新しく書き添える言葉は、 何時でも味方になってくれた友達に向けて。]
(78) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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…隠世から戻す。心残りがあるのなら…
日向ちゃん、わたしの話も、聞いてくれる。 おふたりも、聞いてください。
[真剣な表情で、息を詰め、着物の襟を直し、とん、と座りなおした]
(79) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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[次に話すのはたまこの番だ 祭りが始まってから、もうずいぶん長い時間が経ったような気がしていた この長い長い2日の出来事を、伝えようと、思い出す]
[揚羽が現れた満月の次の日 逢魔時が訪れた日 九十九神の霊力が移ったらしいこと、 それから、あやかしと人が消える気配を感じるようになったこと]
これが、その簪だよ。どうしても、抜けないの。 揚羽が自分で出てくるとき以外はね。
(80) 2011/09/19(Mon) 04時半頃
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日向は、たまこに“勿論”と頷いて、話に聞き入っている。
2011/09/19(Mon) 05時頃
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日向ちゃんが見える道、わたしには見えない。 けど、同じことが、おきているんだと思う。 わたしは、ただ、気配を感じるの。 夕ちゃんと朝ちゃんのときも。 秋月先生のときも、志乃さんが…沙耶さまが、消えたのも。
[あやかしと、人が、ともに消えたのだと伝える 日向は、芙蓉や藤之助は、どんな風に聞いたか、表情を伺うこともせず たまこはじっと自分の膝に置いた手を見つめ、話し続けた]
(81) 2011/09/19(Mon) 05時頃
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あのね、秋月先生が消えたとき。 すこしだけ、違ったの。先生はひとりなのに、ふたつの気配があった。 あやかしと、人。
…どうしてかは、わからない。 でも、先生の家にはあやかしについての本がたくさんあった。 …… …日向ちゃん、昔…行った事あるでしょう。
[少しの間言いよどんだのは、その頃は日向の声を知っていたから 膝から目を離し顔を上げると、日向の顔を見て、目を細めた]
(82) 2011/09/19(Mon) 05時頃
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あやかし達は仲間同士、念を通して会話が出来るんだって そんなことが書いてある書物もあったな>>3:38
たぶん、最後に日向ちゃんが聞いた声… 一平太ちゃんだと、思う。
[秋月邸で、一平太が明之進に連れ去られたときのことを話す 記憶は徐々にはっきりとしてきていた 最後に一平太はなんと言っただろうか]
(83) 2011/09/19(Mon) 05時頃
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一平太ちゃんは、わたしを…護ってくれようとしたんだと、思う。 それに、もしかしたら、一平太ちゃんは、向こうへ 隠世へ行くことを望んだかもしれない。
あやかしたちの話も、雷門さまのはなしも… 前から、会いたがってたし、ずいぶん興味を持っていたから。
明ちゃんのことが、載っている書もあったの。 けい…へいさる… へいさるばさら、だったかな。おしろいを、食べるの。 悪いあやかしじゃ、ないんだよ。
悪戯だって、そう言ってた。ほんとに、もしかしたら。 そんなにこわいことじゃないのかもしれない。
(84) 2011/09/19(Mon) 05時頃
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だけど… わたし、一平太ちゃんに、戻ってきてほしい。
その人が望むなら、とは思えない。 自分勝手なんだけど、わかっているんだけど。
[再び膝に目を落として、ぎゅ、と着物の前を掴んだ**]
(85) 2011/09/19(Mon) 05時頃
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団子屋 たまこは、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 05時頃
たまこは、日向に、先生に、戻ってきてほしいと思う?と*尋ねた*
2011/09/19(Mon) 05時半頃
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“つくもがみ…… 付喪神、九十九神。 揚羽さん 霊力”
[たまこの言葉を整理するよう、紡がれた単語を 音も立てずゆっくりと足元に並べてゆく。
たまこは簪、自分は櫛。 似た物が霊力を宿すのは、偶然なのだろうか。 たまこの力が気配を感じる物だと知れば、なるほどと得心したように小さく頷いた。]
(86) 2011/09/19(Mon) 06時頃
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[たまこが消えた者たちの名を挙げてゆく。 ひとりめ、ふたりめ、さんにんめ、よにんめ、ごにん……徐々に瞳は細くなり、仕舞いには伏せられた。]
“うん。 やっと分かった 私が聞いた声は、確かに皆のもの だったって。”
[一人一人を思い浮かべて、たまこへと向き直る。 仁右衛門に感じた気配が他の者と違ったことには、首を振る。 暫し過去に思いを馳せるよう宙を眺めるけれど、自信がない。]
“先生が、ひとりで、ふたつ…… どういうことかな。 うん あの頃は難しくて分からなかったけど、何となく覚えがあるよ。色んな本が並んでた。 先生は あやかしの何を研究していたんだろう、ね”
[たまこの視線を受けたなら、言わんとしていることを察し、大丈夫だよと微笑する。>>82]
(87) 2011/09/19(Mon) 06時頃
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“一平ちゃん―――”
[最後に消えた者の名に、思わず息を呑んだ。 菊屋の屋台を訪ねた時のたまこの表情の理由はこれであったのかと。 へいさらばさら。幾度か土をなぞって]
“明之 進さん、かな その人のことは私、知らないのだけど。 おしろい、か。何だか可愛いあやかしだね。 そう あれ、一平ちゃん、だったんだ……”
[広い好奇心と知識を持つ一平太のこと、たまこの言う通り興味の赴くままに向かったかも知れない。 しかし、奏でる声音が他のものと違って感じられたのは、たまこを護ろうという意志の残滓か―――とも。]
(88) 2011/09/19(Mon) 06時頃
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[暫くの間、たまこを見詰めていた。 着物を握る手の強さからその胸中を推し量る。 ならば、友としてすべきことはひとつ。] “自分勝手なんて、思わないよ”
………。
“たまこちゃん。 どれだけ出来るかは分からない、けど。 その気持ちと力、貸してくれるかな。声、掛けてみる”
[取り出した柘植の櫛は、飴色から白色へと転じている。 すう、と息を吸って瞳を閉じた。 声を掛ける、自らの表現が可笑しいが、文字通り。 現世と隠世を繋ぐ道の上では、この喉は音を取り戻しているのだから**]
(89) 2011/09/19(Mon) 06時半頃
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日向は、直前の問いには“名前を思い出したことは伝えないと勿体無いかもね”と、少し笑った**
2011/09/19(Mon) 06時半頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 06時半頃
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