22 共犯者
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ランタン職人 ヴェスパタイン に 1人が投票した。
若者 テッド に 4人が投票した。
若者 テッド は村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
靴磨き トニー が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、記者 イアン、ランタン職人 ヴェスパタイン、飾り職 ミッシェルの3名。
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―昏い森、満月に近い月明かりの下―
[ガサリ、ガサリと騒々しい音を立て、テッドの元に近づく。]
テッドさん……
[左の肩に手を置き、そっと俯き、呟く。]
……いけませんよ。 かの方の薫りが、見目形が、いかに麗しいからといって……
[テッドの耳元に唇を近づけ、囁く。]
私の目の前で、そんな風に見せつけられてしまっては、私の立つ瀬がございません。
(0) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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[ 不意にイアンからトニーに視線を移す。]
ねえ、トニー。
もしあなたの生命と引き換えに契約を解除すると言ったら、どうしますか…?
[ そうトニーに問う声は、いつもと変わらぬヴェスパタイン・エーレのものである筈だったが]
(1) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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……冗談です。
[ くすりと笑い、トニーが口を開く前に自分自身で否定した。 ゆっくりとテッドの側から離れ、トニーに歩み寄る。]
私にはそんなことは出来ませんから。
(2) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[腰に巻き付けていた蔦をそっと抜き取る。 巨木から切り離されたそれは既に生命を失っており、イアンに掴まれた箇所とは反対の端は力無く大地へと垂れ落ちた。]
ねえ……テッドさん。 月に呼ばれている気がしませんか?
月による一時的な精神錯乱…… それは、「御使い様」殺しに血道を上げる貴方にも、そして……
[テッドの首元に蔦を絡めて、静かに微笑む。]
……月に魅せられた私にも、同様に言えるのです。
(3) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[ 自分の手より一回り小さいトニーの手を取る。 そうして手を繋いで歩き出そうとしたところで、
背後で何事か起こりつつある気配に二人とも振り返った。]
(4) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[テッドの首に掛けた蔦を握る手に、力が入る。 彼は今どんな顔をしているのだろうか。それはテッドの背後に立つイアンには分からない。]
……よろしいですか? このまま、力をこめてしまっても。
[首を絞められ、抵抗するテッドの左肩に腕を乗せ、蔦をさらに幾重にも巻く。そしてさらにギリギリと音が鳴るくらいに力を込め、イアンはテッドの息を塞いでゆく。]
申し訳ありません。 私、なにぶん人殺しは初めてなものでして、たいへん不慣れなのです……
(5) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[それから数分の時が過ぎた頃。 首を絞められたテッドの動きが完全に止まったのを確認し、イアンは蔦の端から手を離した。]
すみません、テッドさん。 貴方は「御使い様」を殺すことに、血道を上げられていた。 ですがそれは……私にとっては極めて不都合だったのです。
[テッドの肉体が音を立てて大地に崩れ落ちる音がした。]
どうも失礼いたしました。 せめて安らかに眠られますよう、お祈りいたしております。
[がさり、がさりと音を立て、足先で草を掻き分ける。 イアンの視線の先には、トニーの手を取るヴェスパタインの姿を見つけた。]
(6) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 01時頃
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[ 傍観者であった筈の新聞記者がテッドを縊り殺した。 状況の異常さに、振り返ったトニーが驚きに打たれている間に、彼は素早く少年の身体を腕の中に抱き取った。 やわらかい吐息が少年の首筋に掛かった次の瞬間、開いた顎門がトニーの頚椎を噛み砕いた。]
(7) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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[テッドの倒れる音で我に返る。 今日若しかしたらという考えは頭の片隅にはあった。 でもそれはこんな形ではなかったはず…。]
御使い様に不都合…? どういうことなの…?
[以前、冗談で御使いを見たことがあるのかと聞いたことがあった。無論、冗談で… やけに慌てる彼が可笑しかったのだけど。]
御使いが誰だか知っていたの…?
(8) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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[呟くと同時に聞こえる水気のあるものが砕ける音と咀嚼音。
今日2人のどちらかで終わるはずだった儀式は2人を失ってなお続くようだ。]
御使い様… なわけ…? あなたが…?
[ほんの十数分前にイメージに最も合うのは彼だなどと考えたばかり。 まさか本当になどとは思いもしなかった。 だって彼は…。]
(9) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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[ 骨の砕ける鈍い音がやけに大きく響く。 彼はそのまま首を喰い千切ることはせず、一度顎を開いた。 吹き出す血がトニーと彼の身体の両方を鮮やかな赤に染める。 頚椎の損傷で呼吸が止まらなくとも、失血でまもなく死に至るだろう。 彼は力の抜けたトニーの身体を抱え、息絶えるまで優しく撫で続けた。]
(10) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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>>8 ……ええ、存じておりました。
[森の中を駆け抜ける風が、イアンの頬をくすぐる。]
それでありながら、私は皆さんの前でそれを告発することを、よしとはしませんでした。
何故でしょうね? それはおそらく、私が「余所者」だからです。 誰かが亡くなっても、直接的に私の心が痛む訳では無い分、少し感覚が鈍っていたのかもしれません。
勿論、私が「かれ」のことを告発すれば、貴女がたは楽になれることも、私は知っておりました。ですが……この村の祭が、決して「御使い様」を探し出して殺すものではないということ、そして……
[ミッシェルの方を振り向き、彼女の碧色の目をじっと見つめる。]
「御使い様」としての「かれ」の姿が、あまりにも美しかったからなのです。
(11) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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何時から…?何時から知っていたの…?
[「月が綺麗だから」とは彼のことだったのだろうか? イアンの気持ちは十分すぎるほど今理解している。 ヒトを殺しているというのに… 彼から目を離すことができていないからだ。]
村の人じゃないから、知らない人だから死んでもいいっていうのはわかります…。 御使い様を見ていたい。それも今わかった気はしました。
[それでもひとつわからない。 テッドも彼には何かを感じていたようだったけれど。]
でも… 国で待ってる恋人よりも… 自分の身よりも彼が大事…? これも御使い様の魔力なの? あなた自身、彼を放っておけば無事で済まないのはわかっていたでしょう?
(12) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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[ ここまで彼は一言も声を発しなかった。 彼は一度トニーを草地に横たえてから立ち上がり、改めてイアンとミッシェルに向き直った。
僅かに欠けた月を頭上に光輪のように戴き、『それ』はそこに存在していた。 口元から胸を血の赤で濡らし、僅かに開いた唇から真白い牙を覗かせて。 双眸に淡い黄金が炎となって煌く。]
(13) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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私がそれを知ったのは、ここ1日や2日のことではございません。もっと犠牲者の少なかった……「御徴」が出た頃の話です。
さすがに私もこたえましたよ。 目の前で「婚約者のいる娘」が殺されたことは。 でも、何故でしょうね。それすらも一瞬だけ「他人事」にしてしまったことこそが、あの御方の魔力なのでしょう。
――…それは「御使い様」の魔力なのか。 それとも、「かれ」の魔力なのか。 それが未だに分からないままです。
(14) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 01時半頃
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――無垢なる童子を捧げん。
生贄は一夜にひとり。
逃げたくば逃げればいい。 俺は追わぬ。 明日また月が昇るまでは。
[ 「ヴェスパタイン・エーレ」と完全に同一でありながら全く異質な声が、冷厳とミッシェルに告げた。*]
(15) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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[ヴェスパタインが立ちあがると気圧されたように無意識のうちに数歩の距離を下がる。 月の光の下の彼は正に神の使いのように見える。
神話には必ずある子が親を殺すエピソード。 神の子たるヒトが神を超えるために必要な儀式。 御使いを殺すとはそういうことなのかもしれない。]
(16) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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>>12 おそらく、本国に置き去りにしてきた恋人とは、別次元の話です。
彼女に渡すものは「愛情」の類。 永久(とこしえ)に幸せであれと願う心に由来するものです。
ですが…… 「これ」はそれとは全く異なる場所で燃え上がるものなのです。 もっと原始的で、本能的で、悩ましく、狂おしく……己の肉体にある闇と血をぐらぐらと煮立たせる業火のようであり、戦慄と死への誘いをもたらす冷たい手のようであり……「ヒト」として生きる私の本能を、揺さぶってあまりあるものなのです。
だから私は、生だの死だのを考えるには至らない。 その前の段階で、私の魂は本能の牢獄に囚われてしまったのですよ。
(17) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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ああ……「あなた」。
[淡い金色に揺れる瞳を、血に濡れた膚を、僅かに酒に酔った時と同じような視線で見つめる。]
今宵も月が綺麗ですね。
月は満ちる。 あの時、「あなた」がそう告げたように。
――…私の心を蝕み、支配しながら。
ああ。私はそれが、堪らなく心地良いのです。
(18) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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>>14 [「御徴」。婚約者の居る娘。 それが示すことはひとつしかない。]
――… 最初からということね。
ずっと貴方は傍観者を装って本当は全て知っていた。 右往左往する他人は見てて愉しかった?
それは本当に「魔力」なの? 貴方がただ単に彼に興味を覚えただけではなく? 他人を、依頼人を、婚約者を見捨てる口実なのじゃない?
(19) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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>>15 [生贄は一夜にひとり… そうか、だから彼は助かったんだ。
何度も聞いたことのあるヴェスパタインの声。 でもヒトのものとは思えない何かが籠っていた。]
そうやって見逃してもらったのですか、彼も…。 そのルールには何の意味があるの?
それで貴方は何を得るの…?
(20) 2010/08/10(Tue) 02時頃
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>>19 「いいえ、私の心は常に揺れておりました」。 ――…そう告げたところで、貴女は果たして私の言葉を額面通りに信じてくださるでしょうか?
困ったことに私は、故郷も愛する人も有る、ただの人間です。 苦しみもすれば、哀しみもします。人の死体を見たら驚きますし、恐怖も覚えます。それが明日は我が身かもしれないと思うこともありました。
いっそ私が人間を超越する程の精神を持ち合わせていたら、どれほど楽だったでしょうか。
ですが、貴女の言う通り、「興味」というのはまことに真実かもしれません。私という人間は、人間の力を超越する「何か」を見つけて、恐れを抱きながらも強烈に引き寄せられたのです。
私は、「他人」の存在――…婚約者のことさえも排除してしまう程に鮮烈な、「私」と「あなた」しか居ないような幻想に囚われてしまったのです。
――…そして、私はそれを受け入れる決意をしたのです。
(21) 2010/08/10(Tue) 02時頃
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貴女に依頼したものは、私の本心そのものです。 それに対して、私は一切の偽りをも持ち合わせておりませんし、私にとって彼女が大切であることもまた事実です。
ですが、私はもうあの場所には戻れません。 誰もそれを赦してはくれない。おそらく、永遠に。
「御使い様」に惹かれ、その正体を知ることを望む者は、ヒトの世界に立っていてはいけない。当たり前ですよね。私は人間でありながら、人間を裏切ったのですから。
(22) 2010/08/10(Tue) 02時頃
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揺れていたのは何となくはわかります…。 完全に最初から振り切っていたのなら、わたしに依頼を持ってきたりしなかったと思うから。
でも、ある意味、あれでふっ切っちゃったのかなと思わなくもないの。 若しかしたら最後のひと押しをしてしまったのは、わたしなのかな? それとも… 今日のこと?
[とうとう自ら儀式へと参加したことは何かの転機ではあったと思う。]
月の光で狂ったのだとしても、まだ戻れますよ。 此処は迷信深い田舎の村です。 ほんの一時の幻想と淡い思い出にすることはできる…。 貴方はこの村の人間ではないのだもの。
(23) 2010/08/10(Tue) 02時頃
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わたしはね… わたしにそんな権利があるかはわからないけど、貴方を赦してあげてもいい…。
ずっと思っていた疑問に答えを得るチャンスをくれたから。
[そこまで言ってため息をひとつ。 わたしも月の光で狂ったのかもしれないですね。]
そろそろ… 帰ります。 そうだ。ひとつだけ聞かせてくれない?
理由があったのか偶然かは知らないけど。 どうしてわたしを残したの?
[返答があってもなくても。そのまま森の外へと立ち去ります**]
(24) 2010/08/10(Tue) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 02時半頃
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……そうですね。 「私はこの村の人間ではない」。
[ふと表情を緩めるように、或いは自嘲的に笑う。]
だから、この場所を……貴女のおっしゃる通り「思い出」にすれば、全てを私の記憶ひとつに押し込めることも可能でしょう。
赦してくださるかもしれないという貴女の心は、ありがたく頂戴いたします。
(25) 2010/08/10(Tue) 02時半頃
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私が貴女を「殺さなかった」理由――…
[森の中を、血に濡れた風が駆け抜ける。]
それはね、貴女の目が、彼女と同じ色をしているからですよ。 私があれを送ろうとしている、あの宛名の人と同じ目の色をしているからです。
完全に「月」が満ちていない今宵、私は貴女を殺せなかった。 「月」が満ちたら――精神錯乱を呼び覚ます光が私の脳を支配したら――もしかしたら私は、貴女を殺すことを厭わなくなるかもしれません。
――…彼女と同じ目の色をしている、貴女のことを。
(26) 2010/08/10(Tue) 02時半頃
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無事に広場に戻れることをお祈りしております、ミッシェルさん。
[森から去るミッシェルの背中を見送ると、テッドの亡骸を見下ろし、口許に浮かんだ笑みを消した。]
――…テッドさん。 私は本当に人を殺したのが初めてなのですよ。 不慣れな手管で殺されたのは、さぞや苦しかったでしょう。辛かったでしょう。
その点に関しましては、深くお詫び申し上げます。
(27) 2010/08/10(Tue) 02時半頃
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―或る男の遺品のノートより―
「あの若者を自らの手で殺したことは、もしかしたら私にとって、イニシエイションのひとつだったのかもしれない。
『ヒト』の世界から『かれ』の支配する世界に『還る』為の。
燃えさかる、揺らめく、躍動する肉体と本能が支配する世界へと『還る』為の。
その為に捧げたのは、未来ある若者の命ひとつ。
私が『生贄』としたのは、彼の命ではなく、私の人間としての『純潔』。
或いは、理性に雁字搦めにされた、獣としての私の『穢れ』。
そして私は、真の『巡礼者』になったのだ。
私が背負った罪を悔い、理性によって蹂躙された本能を取り戻す為の、『贖罪の巡礼者』に――」
(#0) 2010/08/10(Tue) 02時半頃
記者 イアンは、まだ満ちぬ月を、そっと見上げた**
2010/08/10(Tue) 02時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 02時半頃
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>>20
この儀式の真の巡礼は我らだ。 一夜ごとに聖なる森に生贄を捧げ、時に自らの生命をも捧ぐ。 我らこそが神々の、「巡礼にして生贄」なのだ。
[ 気丈な娘の問いに答えると、『それ』は髪を束ねる革紐を解いた。 ふるりと首を振れば、編んでいた髪が解け、月光を弾きながら広がる、肩に背に滝のように流れ落ちる。]
(28) 2010/08/10(Tue) 07時半頃
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>>18 [ そうして身に纏った偽装の、残った欠片のひとつを振り落とすと、陶然と見詰める信奉者に薄い笑みを送る。 ぞくりと背が粟立つような――それは恐怖ゆえか、それとも。]
(29) 2010/08/10(Tue) 08時頃
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>>24 [ 『それ』は、説明はこれで充分、とでも言うようにふたりの対話の間沈黙を守った。 村へと帰っていくミッシェルの背を、『それ』は賛嘆の眼差しで見送った。]
――さらば、月の満ちるまで。 勇気ある娘よ。 お前の帰途を妨げるものはないだろう。
[ 暫しの別れの言葉。それはまるで賛辞のように聞こえた。*]
(30) 2010/08/10(Tue) 08時頃
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[ ――ミッシェルの姿が消え。
樹の間から清(さや)けき月光の降り注ぐ薄闇のなか、『それ』が人間の衣服を脱ぎ落とす様は羽化するが如く。 生まれたての蝉のように白い膚を夜気にさらし、身体を伸ばす。翅脈に似て、血管が膚の下仄青く見える。
『それ』はイアンの目の前、悠然とトニーの死骸に近付き屈み込むと、衣服を引き裂き、熱を失いつつある肉を喰らい始めた。]
(31) 2010/08/10(Tue) 08時半頃
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[ 小さなトニーの身体は瞬く間に喰らい尽くされた。 死肉である所為か、生きた獲物を貪る時のような激烈な快楽のいろはなく、双瞳に浮かんだ熱は緩やかな陶酔に留まっている。 『それ』は、関節を繋ぐ腱や軟骨を牙と舌で丁寧にそぎ落とし、トニーの頭部と四肢を分断した。 そして、小さな頭部を両手で挟んで高く掲げると、愛おしげに口接けを与え、母獣が仔にするように血の汚れを舐め取った。]
(32) 2010/08/10(Tue) 10時頃
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−夜の森−
[月明かりに照らされた「かれ」の膚の色、そして質感。 それらは全て猛々しく、また天上の女神でさえも敵わぬ程に純潔なものであった。
「かれ」がトニーの肉を喰らうのを、ただじっと見つめる。 少年の身は、肉は、自分と同じ人間のものであるというのに、不思議と恐怖感の類は起こらなかった。 それはヘクターがマーゴの肉を喰らう時のような距離感とは、おおよそ異なるものである。]
……もうすぐ、満月ですね。 全てが満ちる満月の刻。
何故でしょう。トニー、私は貴方が「かれ」に食べられる様を見ても、哀しいとは思わないのです。そう、貴方は「死んだ」のではなく、「かれ」と一体となり、「還った」のですね……
……私は貴方が羨ましい。
[雲の狭間で揺れる月光の下、首だけになったトニーと、聖母のような眼差しでそれを抱く「かれ」を見て、微笑んだ**]
(33) 2010/08/10(Tue) 13時頃
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飾り職 ミッシェルは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/10(Tue) 16時半頃
飾り職 ミッシェルは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/10(Tue) 16時半頃
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― 早朝・自宅 ― [天井をぼんやり眺めながらベッドに転がっている。]
冷静なつもりだったけど、わたしも変になっていたのかな。 2人を置いてきちゃうなんてどうかしてます。
[月の光のせいか、御使い様にアテられたのか。]
アレが… 本物の御使い様…。 ヘクターも本当はあんな感じだったんですかね…?
[御使い様のヘクターを見たのは血みどろになって戦っているところだけ。]
御使いのヘクターも見てみたかったような。 でも、わざと人間やってた感じもしましたね。
(34) 2010/08/10(Tue) 20時頃
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― 早朝・自宅 ― [寝ても起きても昨日の光景が消えてくれない。 端正な容姿に月光を弾くような髪。そして何より身に纏うヒトではありえない…。]
ソフィア、パピヨンさん、ノックス、ホリー、ピッパ、 マーゴ、ニールさん、オスカー、ヘクター、トニーと…テッド。 今日までで11人。
―― まだ御使い様はひとり残ってる。
[今夜、何がどうなろうと12人の生贄が還ることには変わりない。]
じじばば達は喜んでいるのかな。
(35) 2010/08/10(Tue) 20時頃
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[昨日の話から考えてソフィアを殺したのはヴェスパタイン。 そして、そこを目撃したまま黙っていた…。]
傍観者、他所者だってまったく関係ないと思ってた2人が主犯だなんてね…。
むしろ傍観者はわたしの方…。
[結局のところ、わたし1人だけが誰も殺さず殺されず。 護る力も何の役にもたってはいない。 そもそも武器を持っていったことすらないのだから。]
そのうえ結末を見たいと思ってしまっている…。
[そのためにイアンを赦してしまっても良いとすら考えた。 彼はテッドの仇なのに。]
(36) 2010/08/10(Tue) 20時頃
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トニーは死者を見る力があったというけど、もしもわたしの力がそれだったら。 どんな顔が見えるんでしょうね。
[怒ってる? 悲しんでる? それとも呆れてる?]
あんまり誉めてはもらえなそう。 それどころか…。
[殺されてしまうかもしれない。 彼らが生きていたらの話ではあるけれど。 とりとめのない考えは暫くは纏まりそうにない。 当分の間、家のベッドに転がっていることになるでしょう**]
(37) 2010/08/10(Tue) 20時半頃
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―深夜の森― [ 時と場所を移し、村の周囲に点在する一本の巨木の下。 『それ』は巨木の根方に、運んだトニーのバラバラの遺骸を恭しい手付きで並べた。 その配置はこれまで発見された生贄たちと殆ど変わらず。 備え終えた後はその前に暫しの間瞑目し、何かに祈りを捧げているようでもあった。]
(38) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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―深夜の森― [ 月が群雲に面を隠す。 闇の帳の中、ゆっくりと立ち上がった『それ』の肢体は仄白く、膚それ自体が発光するかのよう。乾いた血の黒紅が斑を作る。
今や月の信徒となったイアンを見返り、腕を広げる。誘(いざな)う。 凄艶の微笑――ここへ、と。*]
(39) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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― 早朝・村 ― [祭壇へ捧げられた葉は3枚。 また2人が戻って来なかったことを村中の人間が知ったことだろう。]
まだ… 同じ場所…? それとも移された後?
[最初の場所も次の場所ももうわかっている。 見つけるのは難しくない。まずは昨日の場所へ。]
(40) 2010/08/10(Tue) 22時半頃
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― 早朝・森 ―
たしか… このあたり…。
[月光の中では夢の中のようだった場所も太陽の下では現実の光景―― 惨劇の現場にすぎない。 御使いの姿はすでになく、陶酔した信奉者も何処かへ消えている。]
ごめんね、テッド。放りだしちゃって。 夜の森は寒かったでしょう…?
不慣れだからって、アレはちょっとね。 ナイフでも銃でも手に入れる方法はあったのに。
[だけど簡単にさっとすんでしまうモノでは“殺した”という実感がないのかもしれない。]
(41) 2010/08/10(Tue) 23時頃
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頭の中、子供のくせに体ばっかり大きくなって。 運ぶ方の身にもなってほしいですね。
[軽口を叩いて体を持ち上げようとしてみる。 勿論無理なのだけど。どうにかこうにか何とかひとりで祭壇まで運んでからトニーを探しに行く。
ソフィアが彼の仕業なら、ホリーもオスカーも彼の手にかかったのだと見ていいだろう。なら場所は限られている。 村を囲む大樹の根元に転がる遺骸を集めて村まで運びます。]
(42) 2010/08/10(Tue) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 23時頃
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― 広場 ― [もう誰が居るわけでもないこの場所へ何とはなしに顔を出し 祭壇の周りに佇んでいる。 御使いのことは、じじばば達には勿論言ってはいない。 工房の周りで集団で祈りをあげられたりすれば、流石に彼も困るかなとも思うのですが。]
この先に支障が出そうで嫌です。
[13人の生贄を彼が森に還すことで何が起こるのか。 彼自身が12人目となった時どうなるのか。
・・・・・どちらも見てはみたい。]
片方しか選べないのですけどね。
(43) 2010/08/10(Tue) 23時頃
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―朝― [ 日が昇り、朝となっても「ヴェスパタイン」は森から戻らなかった。
彼の住んでいた工房にも立ち寄った形跡はない。 工房も二階の住居部分も綺麗に片付けられ、「ヴェスパタイン・エーレ」がそこに住んでいた形跡は殆ど残っていなかった。
にもかかわらず、供物台の上には、いつの間にか三枚の柊の葉が並んでいた。]
(44) 2010/08/10(Tue) 23時頃
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―深夜の森 >>38―
……それがあなたの「巡礼」なのですね。
[「かれ」が巨木の下に、トニーの遺体を並べてゆく。 それは初めて「かれ」を見た後に、森の中に「転がっていた」遺体――即ちソフィアのことであるが――とまるで同じ様式で並べられてゆく。]
無理に教えていただきたいとは思いません。 ですが、興味を抱いているのも確かなことです。
ここが何処で、この森が何の役割を持ち、そしてあなたが何者であるか。 あなたの巡礼者となった今、私は知ることも可能でしょう。
[仄白い膚に赤黒い染みを纏うだけの「かれ」が、手を広げる。 そこには月の光が届いていないというのに、先ほどよりもずっと強い光を浴びているような心地を、イアンは感じていた。
一歩、また一歩と、「かれ」――そして「月」の信望者となったイアンは、ヒトならざる美をたたえる笑みを浮かべる「かれ」の元へ、迷うことなく近づいてゆく。]
(45) 2010/08/10(Tue) 23時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 23時半頃
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―翌朝のこと:教会―
[物言わぬステンドグラスの光を浴び、青年記者は神像に祈りを捧げている。近づいてきた司祭の気配に顔を上げ、そちらの方に振り向いた。]
いいえ、司祭様。 これは別離の祈りです。 ……何に別れを告げるのかは、「神」と私の間の秘密ですよ。
[神像を背にして、歩き出す。]
きっと私は職務怠慢で新聞社を解雇されてしまうかもしれません。一応、それらしい記事は書いたのですけれども。
原稿と資料の全ては、アレクサンデル家の客室に置いてあります。アレクサンデル家の方々にもお伝えしましたが……もしものことがありましたら、その時はよろしくお願いします。
[そう言って微笑むと、イアンは教会を後にした。]
(46) 2010/08/10(Tue) 23時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 23時半頃
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―深夜の森>>45― [ く、と『それ』の笑みが、苦味を帯びた揶揄の嗤いに変化する。]
本当にお前はお喋りだ―― こんな時にも口を動かすのを止めないのか。
[ 近付いてくるイアンを抱き締めんと広げた腕を差し延べ]
ここは我らが聖地、はじまりの地。 我らは太古の昔より、聖なる森で祭祀を行ってきた。 森の神々に生贄を捧げて。
(47) 2010/08/10(Tue) 23時半頃
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―深夜の森 >>47―
あなたが私におっしゃった通りのことです。 「心に何かを秘めている時の私は饒舌である」…と。
[己の肉体に絡む腕を、拒むことなく受け入れる。 「かれ」の腕に、胸に刻まれた筋肉のかたちが服越しに伝わるのを感じ、イアンは目を細めて熱い息を吐いた。]
あなた達の……聖地。 この森は、あなた達の領域であると…… 森の神々への信仰の地であると…… そういうことだったのですね。
(48) 2010/08/11(Wed) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 00時頃
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[村の人間からの最後の生き残りとなった今、村の中では他人の視線が鬱陶しいことこの上ない。 他所者ふたりも同じような条件であるだろう。 工房まで様子を見に行ってみたら、まるでもぬけの殻。]
どちらにしろ、もう村には居られないと… 聞きましたけどね。 親方は本当に普通に死んだのかちょっと気になります。
[此処にいないとなれば、あとは森しか考えられない。]
― →朝・森 ―
(49) 2010/08/11(Wed) 00時頃
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― 朝・森 ― [次の月が昇るまで… そう彼自身が言ったのだから…。]
昼間に会ってもいきなり『がぶ』ってことはないですよね。
[誰に言うとでもなく呟いて。 深い森は太陽の上った後も幾つもの影を作り視界を妨げる。 それでなくても広い森で人間1人を探すのは容易ではない。]
御使い様なら、森で喋ったことが全て聞こえているくらいのことはやってくれてもいいと思うんですよ。
(50) 2010/08/11(Wed) 00時頃
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―朝・森―
――……聞こえてはいる。
[ 殆ど音も気配らしい気配も無いまま、その声は横合いから聞こえてきた。 『それ』は樹の幹に寄り掛かるようにして立ち、ミッシェルをじっと見ている。]
何の用があって来た。 狩りの刻にはまだ早い。
(51) 2010/08/11(Wed) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 00時頃
記者 イアンは、太陽の光が降り注ぐ森を、音を立てて歩いてゆく。
2010/08/11(Wed) 00時頃
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―深夜の森>>48― [ 答えは言葉ではなく、熱い息を吐くイアンの口唇を自らのそれで塞ぐことで為された。 人とは異なるざらつきのある舌、滑らかに尖った牙の感触。 回された手は、イアンの身体、その質量が確かにそこにあるのを確認するかのように背を滑り降り、幾度も形をなぞった。]
(52) 2010/08/11(Wed) 00時頃
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― 朝・森 ― [一応、心の準備はしていたつもり。 頭の中で警鐘がなっている。此処へ踏み込んではいけないって。 もう“ヴェスパタイン・エーレ”は彼の中から消えてしまったのだろうか? すでにヒトの面影がないように見える。]
本当に聞こえるんだ? 便利ですね。御使い様。 折角本物と話す機会があるのだもの。 色々聞いてみたかったんです。
アレクサンデルの家の本も見せてもらったけど、記述はてんでバラバラ… どれが本当の姿なのか良く分からない…。 ヘクターも貴方とは随分と印象が違ったし。
[僅かに声に震えがあるかもしれない。 怖いのは彼自身なのか、それとも触れてはいけないモノに触れてしまっていることへの自覚症状か。 誤魔化すように一度に捲し立てるように疑問をぶつけてみます。]
(53) 2010/08/11(Wed) 00時半頃
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―朝・森>>53― [ 眉根が僅かに寄った。]
……何が知りたい。
[ 多少ウンザリした口調なのは、ひょっとしたら誰かに質問されたり説明したりが連続しているのかも知れない。そんな感じだ。]
(54) 2010/08/11(Wed) 00時半頃
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― 朝・森 ― [安堵と共に驚きが顔に出たかもしれません。 あっさり拒絶されることも考えていたのです。]
聞きたいのは… 幾つかありますけど…。
貴方はこの森にずっといたの…? それとも、本当に他所から来たの?
ソフィアを狙ったのは何故? わたしは、貴方… ヴェスパタインは彼女と仲が良かったと思ってた。
[彼が御使いと知った時に沸いた素朴な疑問。 意味など特にないかもしれない。でも少々気になったのだ。]
それと… これからも… この先も… 「祭」を続けるつもりなの?
(55) 2010/08/11(Wed) 01時頃
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―朝の森>>55―
答えてどうなる。
[ スッと目を細める。 冷たい声が不興を示しているようでもあり、]
(56) 2010/08/11(Wed) 01時頃
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― 朝の森 ― [冷たい声には無意識に身体が竦む。 元々、仲良く喋ったことがあるわけでもないけれど。 やはり以前の彼とは違う。]
わたしが知りたいの。 御使い様… 「祭」… そして契約のこと。
わたしが探せていないだけかもしれないけど、本には載っていませんでした。 契約を破棄するためには内容を知らないといけないし…
――…再度契約を結ぶとしても前のがわからないといけないでしょう?
(57) 2010/08/11(Wed) 01時頃
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―朝の森>>57―
ミッシェル・エクルンド。 お前は賢い。 今回の生贄たちの誰よりも冷静で、手強いお前は、「戦士」の称号に値する。
はっきり言おう。 だからこそ、俺は、お前が若い娘であろうと、戦いの訓練を積んでいなかろうと侮りはしない。
[ 鋭い眼差し。口の端が挑むように吊り上がる。]
(58) 2010/08/11(Wed) 01時半頃
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我らが過去にお前たちの祖先と結んだ契約を知ったとして。 それをどのように使う。 破棄した末に望むものは何だ。
我らを廃した先の未来に何を望む。
(59) 2010/08/11(Wed) 01時半頃
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−夜の森:>>52−
[唇が塞がり、背中の探るような感覚が走る。もはやそれを嫌がる理由などなく、イアンはそれを全身で受け止めた。
己が纏う布の存在がもどかしい。そう思いながら、イアンは「かれ」に擦り寄った。]
(60) 2010/08/11(Wed) 01時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 01時半頃
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―深夜の森>>60― [ 離した唇から、ハ、と熱い吐息を零す。 向き合う月の双瞳は黄金いろの燠火。 枷を外すように、イアンの衣服を一枚ずつゆっくり剥ぎ取り、地面に落としていく。]
(61) 2010/08/11(Wed) 01時半頃
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― 朝の森 ― [向けられた眼差しで意識できる程度に身体が震えてくるのがわかる。 此処で襲われることはないとはわかっているし、月光の加護のない今、昨晩よりは神性が薄れている。 それでもやっぱり… 理屈抜きで彼は怖い。]
御使い様にお褒めに預かって光栄です。 それが此処までわたしを残してくれた理由… と考えていいのかな?
[少しでも軽口を叩いていないと心が折れそう。 でも、わたしは記者さんのように信奉者になることはないし…テッドやオスカーのように御使いを憎むこともきっとない。
一定のルールにのっとったゲームにすぎないのだから。 負けたヒトに何も言う権利はない。 勝利条件はそれぞれだけど、わたしに取っては残ること。 知ることがそれになる。]
少しはハンデをくれてもいいと思うんですけど、か弱い女の子相手なんですし。
・・・でも、いいです。 わたしも、そう簡単に負けませんよ。御使い様?
(62) 2010/08/11(Wed) 01時半頃
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−深夜の森:>>61−
[己の殻、或いは薄膜のように巻き付く衣服を剥がされる感覚に抵抗する理由など、何ひとつ存在しない。]
……あなた。
[鍛えられていない、理性の枷に飼い馴らされた膚を曝して、「御使い様」たる彼の肉体の中でびくりと身を動かした。脳が痺れる心地と、全身の血が皮膚を熔かして己の肉をぐちゃぐちゃに崩しそうな錯覚が襲ってきて、イアンは思わず「かれ」の肉体に縋り付いた。]
(63) 2010/08/11(Wed) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 02時頃
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>>59 内容がわからないからハッキリ答えられないけど…。
御使い様は寿命で死なないのかもしれない。 でも人間はドンドン変わるものです。 昔に価値があっても今はなくなっていることだってあります。
だから古いもの、用のないものは破棄したい… 廃するとも限ったわけでもないです。 わたしはイアンさんと別の意味で御使い様に興味があるから。
反対した人も賛成した人ももういません。 村のご老人達も跡継ぎを失って右往左往してることでしょう。 わたしが自分で自分の好きな未来を作っても誰も文句は言わないと思いますよ。
(64) 2010/08/11(Wed) 02時頃
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−朝の森−
[「かれ」とミッシェルが対峙するその場に、イアンもまた姿を現した。
ひとりは、イアンを狂わせる者。 ひとりは、イアンに正気の世界を思い出させる者。
ふたりの姿に、声に、彼は目を凝らし、耳を傾けることにした。]
(65) 2010/08/11(Wed) 02時頃
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―朝の森>>62>>64― [ ミッシェルの「宣戦布告」を耳にした途端、笑みが深くなった。 つい先程までの不快が滲んだものではなく、自然に綻ぶような、喜ばしい笑いだ。]
なるほど。 それがお前の答えか。
であれば、先の質問にふたつだけ答えよう。 ハンデという訳ではないが、憎悪と敵意に目を曇らせず道を探し出そうとする意欲に敬意を表して。
(66) 2010/08/11(Wed) 02時頃
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俺はこの森に「還って来た」。 おそらくはこれが我らにとって最後の儀式となろう。
――これで満足か?**
(67) 2010/08/11(Wed) 02時頃
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― 朝の森 ― [笑いが変わった…? 村に居た時を含め始めて見た表情だ。 敵意が薄れた気はするのに怖さは深くなったように思える。]
還ってきた… これが最後…。
ええ、ありがとうございます。それで十分です。 何とか期待に添えるように頑張ってみますね。
[あまりもらえると思っていない回答をもらえてしまったのだから、彼に聞けるのは此処まで。 それ以上を望むのは我儘がすぎるだろう。これは対等のゲームなんだから。]
(68) 2010/08/11(Wed) 02時半頃
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―深夜の森>>63― [ 縋りつくイアンの身体はのっぺりと平らかで、同じく細(ほそ)やかでありながら野生の、引き絞られた弓の如き『それ』の肢体とはまるで異なる。 けれども『それ』は厭わず受け止め、身体のくぼみにすっぽりと包み込む。 そして、下生えの草叢の上にイアンを横たえると、彼の狂熱を受け取るように膚を重ね合わせた。**]
(69) 2010/08/11(Wed) 02時半頃
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−深夜の森>>69−
[隆起と陥没のある肉体が、己の肉体の上に重なった。 背中に草の感覚がちくりと刺さる。それはまるで彼に与えられた性的な刺激の如く感じられていた。]
ああ……あなた。
[息を吐き、何かを解放するかのように微笑むと、黄金色の炎を帯びたような「かれ」の双眸を見つめた。
脚の付け根にある茂みの奥から、肉塊がその身を大きく乗り出し、無遠慮に唾液を垂れ流している。]
……すみません。酷い状態で。 悦楽というものに、私はおおよそ不慣れなのです。
[イアンは自嘲的に息を吐き出して笑った**]
(70) 2010/08/11(Wed) 03時頃
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―深夜の森>>70― [ 『それ』は軽く啄ばむ口接けで再びイアンの口を塞ぐと、ヒトのするようにシーと歯擦音を出して沈黙を求めた。 それから軽やかな笑い声を立てながら、彼の硬く張り詰めた肉塊に自分の下腹を摺り寄せた。
時間を掛け、『それ』は――刺激を待ち侘びる欲望の中心には触れず――イアンの全身を丁寧に探った。 手足の指を一本ずつ口に含み、猫に似たざらざらの舌が大きな水音を立てて股の間まで舐(ねぶ)る。 うつ伏せの背に滑る、垂らした髪の毛の先が、何本もの筆で撫でたような感覚を皮膚に呼び起こす。 太腿を掴んだ手を、指先に軽い力を込めながら付け根へと擦り上げる。 まるで、彼の形を己が記憶に刻み付けんとするように。 舐め、摩り、掴み、しゃぶり、イアンの身体で『それ』の舌と唇と指先の触れないところは殆ど無くなっていった。
イアンの血肉は喰らわぬままに、『それ』は彼を貪った。]
(71) 2010/08/11(Wed) 07時半頃
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―深夜の森 >>71―
[「かれ」がイアンに迫るのは沈黙。 制御を失いそうになる口許は、歯を強く噛むことで無理矢理にねじ伏せた。
悦楽と、それを外に漏らしてはならぬという、一見せめぎ合いのようにも見えるその一連の作業は、徐々にその遂行が困難になってゆく。
指先に、腕に、胸に、腰に、生温くざらついた舌の感覚が走り、気まぐれに髪がそれをなぞって遊ぶのだ――熱く強張った下肢の辺りには触れられることのないままに。
イアンの足が藻掻き、がさがさと下草やそれを支える土をかき混ぜる。夜露に濡れた草の匂いが鼻の中に侵入するのを、「ヒトならざる者」に制圧された男は静かに受け止めた。]
(72) 2010/08/11(Wed) 07時半頃
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―朝の森―
[「還ってきた」と告げる「かれ」の横顔を黙って見つめる。そして、「かれ」の言葉に臆することなく立ち向かってみせるミッシェルの横顔も。]
これが最後の儀式――… 全ての命を捧げて終わりになるか、或いは旧い歌にあるように、「夜明けは誰もいない」となるのか。
道を選ぶべきは誰でしょう? ミッシェルさん。貴女が「かれ」の信奉者になれば、物事は全て無事に解決するでしょうけれど……貴女はそうではない。
[ミッシェルの碧色の目を見つめて、首を傾げる。]
……ですよね?**
(73) 2010/08/11(Wed) 08時頃
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―深夜の森>>72― [ 長い長い探索の終わりに、『それ』は胸に腹に紅い花弁を散らしながら徐々に頭を下へと降ろしてゆく。 餓え切って、喘ぐように開いた口から際限なく涎を垂らすそれを見つけると、愉楽に顔を輝かせながら口腔に導き入れた。
熱く濡れたものに自分の身体が包まれていると知った時、イアンはどんな反応を示しただろうか? 柔らかい口唇が吸い、ざらりとした舌が最も敏感な部分に絡みつく。エナメル質の硬くなめらかな感触が触れる。 だが、それは剃刀よりも鋭い牙を具えた、肉を容易に喰い千切り皮膚を裂く顎(あぎと)、なのだ。]
(74) 2010/08/11(Wed) 10時頃
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―朝の森>>73― [ 草を踏み繁みをかき分ける物音から、イアンが自分を追ってきたのには気付いていた筈だが、『それ』はわざわざ振り返るようなことはしなかった。 彼が声を発してはじめて、横目でチラリと見遣る。
――月光の下での一夜の間に、彼は変わったのか。変わらなかったのか。これからどう変わっていくのか。 それは、彼自身もまだ解かってはおらぬことに違いない。]
(75) 2010/08/11(Wed) 10時半頃
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― 朝の森 ― [横からの声ではじめてイアンが来ていたことに気付く。 何時から聞いていたんだろう? 彼の存在が大きすぎて他のものは簡単に紛れてしまう。]
道を選ぶべきは勿論… 貴方です。イアンさん。 勘違いしないで。わたしも彼も選択肢は持っていない。 儀式の結末は決まっている。 彼の信奉者になって解決するものなんかありません。 これは御使い様を森に還すための儀式なんだから。
最後の御使い様を還して契約は満了。再契約も破棄も関係ない話よ。
わたしが選べって言っているのは… 貴方の手で御使い様を還して全てを丸く収めるのか。 それとも、全てを台無しにしても自分の欲求に従うのか 好きな方を選ぶといいって言っているの。 **
(76) 2010/08/11(Wed) 12時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 12時半頃
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−夜の森>>74−
[逞しさとも神秘性とも程遠いイアンの膚に、小さな赤が丁寧に刻み込まれる。何かに縋るように、ヴェスパタインの闇色の髪を指で梳き、宵の空を見上げた。
月がぼんやりと滲み、イアンの視界の中で徐々に大きなものとなってゆく。そしてそれは、彼の中で熱く蠢く悦楽の価値とほぼ同じものであった。]
………っ………は
[「かれ」の顎が、自分の下肢で暴れる肉塊の食らっているのは、すぐに分かった。噛み切られるのは一瞬であろうという恐怖感が背筋を駆け抜けるが、それ以上に快楽に己の身が押し潰されてゆくのを、彼自身が止められる筈も無かった。
それから。 程無くして、イアンの視界の中にある月は元の大きさに戻ってしまった。 荒い息を吐き、彼が信奉する男の手管により吐き出されたものを思い、言いようのない羞恥と悦びの狭間で震えながら、草むらの上で膚を晒したまま、ただじっと横たわっていたのだった**]
(77) 2010/08/11(Wed) 12時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 12時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 13時頃
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−朝の森:>>76−
これは「御使い様」を森に還す儀式……
[言われて、ふと言葉を止める。 そして、ミッシェルのことを見て、朧げに郷里の婚約者のことを思い出していた。脳が何かに焼かれ焼かれるように、仄かな熱cを帯びてくるのを、イアンは感じていた。]
……「そうなの」? うん、伝承というのは、時代の流れと共にいつの間にか変わるものだともいうし。その時代に合わせて皆勝手なことを言うんだよね。
まったく、皆はその言語の変遷を研究するなんて馬鹿げていてくだらないって言うけれど。 どうして君は皆と一緒になって否定したりはしないの? 相変わらず不思議だね、君は。
[木に凭れて、安らいだような笑みを見せる。だがその目は、ミッシェルの向こう側にある何かを見つめていた。]
(78) 2010/08/11(Wed) 13時頃
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−朝の森−
……ああ、そうだ。 君に渡さなくてはいけないものがあるんだ。
私の帰りが遅くなってしまうかもしれないから、送って貰うように頼んだんだ。君を護ってくれる力を、君にあげるよ。
……今いる場所はね、不思議な力に満ちているんだ。ヒトならざる者の力が未だに生きている森なんだよ。君が幼い頃に一緒に読んだ絵本のような話だろう?
お伽話のように幸せなことばかりではなくて、夜の森は昏くて恐ろしい顔をも持っているけれども。
ああ、いつか君にその写真を見せなくちゃね。 君は私の書く記事にいつも手厳しいから、写真じゃなくちゃ納得してくれないでしょう?
……ちゃんと、届けるから……ね……
[木に凭れていたイアンの身体が、ずるずると崩れ落ちていった**]
(79) 2010/08/11(Wed) 13時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 17時半頃
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―深夜の森>>77― [ イアンの放った生命の雫を、喉鳴らし甘露と飲み下す。 羞恥と快楽の余韻に震える肉体を見下ろし、『それ』は満足げに赤い舌を閃かせて口唇にこびりついた汚れを舐め取った。]
お前の味、だ。
[ 囁き膝裏を掬い、イアンの下肢を大きく割り開いて、もう一度からだを重ねる。 『それ』は最後に残された、肉の狭間の唯一触れていない部分にも舌先を捻じ込み、開口部を押し開いて内臓を暴いた。]
(80) 2010/08/11(Wed) 18時頃
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―深夜の森 >>80―
[身体を「かれ」の思うがままに動かされ、脚を大きく開く恰好となる。さすがに羞恥が先立ったのか、沈黙を守れと言われていた筈なのに、小さな声を上げてしまう。
肉を穿つ舌の感覚が、神経を刺激する。 本人は身を捩って抵抗しているつもりなのに、第三者から見ればもはやただ悶えているようにしか見えないだろう。
小さくなったはずの欠けた月が、滲んで揺らぐ。 その景色はイアンの脳裏にしっかりと焼き付いていくのだった――]
(81) 2010/08/11(Wed) 18時半頃
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―朝の森― [木に凭れ、誰にともなく語りかける。]
ねえ…眩しいよ。君は、とても。 清廉な白い光は、時に闇色を貫き、穿つ――…
私は……
[シャツの胸元を強く握りしめ、くつくつと笑う。]
――…自分の「欲求」、か。 そうだね、それで私は私の全てを台無しにした。 これから起こることじゃない。もう既に起きてしまったことなんだ。
だから私はもう戻れないんだ、「ヒト」の世界には。たとえ君が赦そうと言ってくれても、誰が赦してくれたとしても、私の中に僅かに残る「理性」がそれを拒むんだ。
(82) 2010/08/11(Wed) 19時頃
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―深夜の森>>81― [ 『それ』は灼熱の槍でもって、イアンの身体とこころの両方を貫いた。 遠い海の波濤のように、嵐にざわめく樹々のように、それは幾度となく激しく打ち寄せ、イアンを揺さぶり、高波の頂点に押し上げては打ち砕いて夜の底に引き攫った。 それだけでなく、夜ひらく花となって彼の上で揺蕩い、燃え立つ花莟のうちに迎え入れ、イアンの生命の蜜を取り込んだ。 繋いだ身体の境界も判らなくなるほどに蕩けあい――
――けれども草叢の中、失神したイアンの汗みずくの身体を抱いて眠る時。 彼の目の縁に溜まった涙を舌先で拭い取りながら、『それ』の双瞳は寂寞たるいろを湛えていた。*]
(83) 2010/08/11(Wed) 19時頃
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―朝の森―
だって私は――… こんなにも、「月」の引力に頭のてっぺんから足の先まで侵食され、支配されてしまった……
そして、それは何より、自ら選んだことなんだよ。 他でもない私が。 私が「それ」に支配されようと望んだんだ。
だから神の声なんて聞こえなくなっても構わない。 欲しいものは、ヒトの世界の安住ではない。
肉体と精神の脈動――生命の証と、それと引き替えに暴かれる血と肉。私の肉体の中で眠っていたそれが呼び覚まされていくのは、たまらなく快感なんだ。
[目と口許に浮かべるのは、ひどく穏やかで緩やかな笑み。]
ああ、だから…… 私は「かれ」の声が聞こえれば、それで十分なんだ――**
(84) 2010/08/11(Wed) 19時頃
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記者 イアンは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/11(Wed) 19時頃
記者 イアンは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/11(Wed) 19時頃
記者 イアンは、飾り職 ミッシェルに話の続きを促した。
2010/08/11(Wed) 19時頃
記者 イアンは、飾り職 ミッシェルに話の続きを促した。
2010/08/11(Wed) 19時頃
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―朝の森― [ 木に凭れたイアンの身体がずるずると滑り落ちる。 その視線の先にある筈のミッシェルの姿を、彼は見ていない。彼の目に映っているのは、ここではないどこかの、ここにはいない誰かなのであろう。
『それ』の眼から一切の感情が消えた。 宵月いろの鏡となって、不在の誰かに向かって饒舌に語り続けるイアンの姿をただ映した。]
(85) 2010/08/11(Wed) 19時頃
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―朝の森―
イアン。
……イアン。
[ 『それ』はイアンの名を呼ばう。]
(86) 2010/08/11(Wed) 19時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 20時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 20時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 21時頃
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―朝の森 >>86―
……何ですか?
[ぼんやりとした視線で、宵闇の色を下ろす影を見やる。 そこには、イアンが信奉する「かれ」の姿があった。]
ああ……すみません。 少しだけ、朝の光が眩しすぎて……軽く目眩を起こしていたようです。
もう、平気です。
[ふと緩やかな笑みを浮かべる。]
(87) 2010/08/11(Wed) 21時頃
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―朝の森>>87― [ 穏やかな笑みを浮かべるイアンはもう平静に戻っているようであった。が。]
――…… そうか。
[ 素っ気無く答える表情は変わらねど、瞳の底ひっそりと、哀しみに似たいろが過ぎった。]
(88) 2010/08/11(Wed) 22時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 22時半頃
――それから。
昼の光は彼ら巡礼者に安らぎを一通り与えた後、
その役割を終えて森の奥へと帰って行く。
そして、夜――…彼らは最後の巡礼の刻を迎える。
(#1) 2010/08/11(Wed) 22時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 22時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 22時半頃
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―少し刻は流れて、2枚の葉が摘まれた頃―
……満月。
[ぽつりと呟き、空を見上げる。]
あなたの言った通り、月は満ちました。 そして私の身も心も、完全にあなたに支配されてしまった。
――あなたは一体何者なのです?
「ヒトではない獣」。 私にはそれしか分かりません。
この森があなた達の聖地ということは分かりました。 ですが、その芯の部分――…「あなたが何者か」が分からない。 そして、私はそれを知りたいのです。
(89) 2010/08/11(Wed) 22時半頃
|
|
―満月の夜― [ ――血塗れた手はそのままに。
降り注ぐ月光の下、森にぽっかりと開いた空き地に二人は立っている。 全き円の形を取り戻した月は、黄金の円盤が夜空に嵌め込まれているとさえ。]
何者かを知れば、答えが出ると言うのか。 それで理由がつくと言うのか。
[ クッと薄い口唇の片端が歪む。] 「ヒトではない獣」。 お前自身がそう理解しているではないか。
(90) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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お前は俺が、お前の全てを捨てるに足る神であって欲しいのか。 お前が繰り返す、信仰告白どおりの存在であって欲しいのか。
[ 嘲りに似て――けれどもそれは、怒りにも似ていた。]
(91) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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―満月の夜―
それ以上のお答えは、下さらないのですか?
……いいえ。 その必要は無いのかもしれません。
「ヒトではない獣」を目の前にして、今の今まで殺されなかったという「それ」だけで、私にとっては十分なのだと思います。
[血に濡れた風が渦巻き、月の方へと昇ってゆく。]
ああ――…「あなた」。 私は、もはやヒトではなくなりました。 私はヒトの身をしておきながら、ヒトの事を裏切り、そしてたくさんのヒトを死に追いやりました。
――そこで、ひとつお伺いしたいのですが。
(92) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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[月明かりを頭上に浴び、「かれ」の目を真っ直ぐに見て告げる。]
私は、あなたがあなたの神に捧ぐ生贄にはなれませんか?
精神は「獣」でありながら、肉体は「ヒト」の態(なり)をしている私は、果たして「ヒト」なのでしょうか?それとも「獣」なのでしょうか?
――…私はそれが知りたいのです。
(93) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 23時頃
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[ 長い沈黙の後。]
――お前は俺に喰われたいのか。
[ 尋ねるのではなく、それは確認。]
(94) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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……そういうことになると思います。
[ふと緩い笑みを浮かべ、風の流れる方を見つめる。]
私には、帰る場所もありません。もしこの取材を終えて本国に帰ったとしても、私の心はここにあらずでしょう。
それに、あなたは私をどこかに連れて行くことなどできないでしょう?たとえ私があなたの信奉者となったとしても、私の身はヒトのまま――…ヘクターのように、私はあなたの横を歩き、「同胞」と呼ばれることは、未来永劫ないでしょう。
――…いいえ、私は誤魔化してはならない。
この血と肉を。 沸騰しそうなくらいに熱く煮えたぎるそれを。 月が満ちているうちに、あなたの中に取り入れて欲しいのです。
あの時ヘクターが、マーゴさんにしていたように。 ――…余計な感情は、要りませんけどね。
[すっと右手を差し出し、ヴェスパタインの双眸を見つめた。]
(95) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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[ すう、とひとつ大きく息を吸った。
『それ』は暫し瞑目し――再び目を開けた時には、月の黄金に輝く瞳は蠱惑を湛えて煌いていた。]
(96) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ 口唇が艶冶な微笑の形を刻む。 差し出された手に合わせ、重ねるように手を伸ばし、招く。 言葉は無い。 ただ、誘(いざな)う――ここへ来い――と。]
(97) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[一歩、また一歩、イアンは「かれ」の方へと近づく。 それが「死」への旅路であることは分かっていても、なお。]
あなた。
月が、綺麗ですね。
――…今宵は、いちばん、綺麗です。
[深い深い金色の目を見つめ、肺のあたりから熱い溜息を吐き出した。]
(98) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[かつて彼は言った。 彼が本当のことを言っている時は、いちばん嘘をついている――…と。
では、今こうして、満月の下で無言劇を繰り広げている時はどうなのだろう?かれは嘘をついているのか、或いは――]
(そんなことは――…どうでもいいことです。)
[そして、「かれ」のヒトならざる逞しい肉体に、己の胸が合わさる程までに近づき、イアンは目で告げる。
時は満ちた、と。]
(99) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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記者 イアンは、「かれ」の手を、ぐっと握った。
2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ かつて「ヘクター」と呼ばれた同胞にしたように。 ほんの一夜前、彼を差し招いたように。
腕を広げ、イアンを待つ。 自らの内に招き入れるために。
『それ』もまた、うっすらと開いた唇から欲望に濡れた熱い息を吐いた。]
(100) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ 彼の手を握り返し、腕を引いて抱き取る。]
イアン、お前が欲しい。
お前を、喰らいたい。 お前を、丸ごと、くれ。
[ 待ちかねたように、擦れた声で囁いた。]
(101) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ 胸を合わせ――深い、深い口接けを。]
(102) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[首を仰け反らせ、完全に満ちた月を見上げる。 逞しくもなく、神秘的なものでもなく――ただ人間の形をしているだけの肉を、「かれ」の御許に差し出す為に。
月が滲み、視界の中で大きくなる。 そう――昨晩かれに侵入された、あの時のように。]
(103) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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(願わくば、この痛みを、この恐怖を――書き留めておきたい。けれどそれは叶わぬ希望でしょう。
今こうして、私の身ひとつに刻んで、私個人の「痛み」に昇華して、それで全てを終わりにしよう。)
[深い深い口接け。 それは、この世で最後に刻まれるであろう、柔らかな悦楽。 これから与えられる、痛みを伴う快楽の前に味わう、甘い甘い美酒なのだ。]
(村に残る人々は、私が「遺した」記事を読む人々は、きっと私のことを「狂人」と呼び、後の世まで揶揄することでしょう。
けれど私は――…それでいいのです。 この悦楽を、この熱を、私の身ひとつで独占できる。 それは誰にも与えずにいよう。 そう――…これは私だけのもの――…)
(104) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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[ ――……そうして彼は、自らを灼き尽くす情欲と食欲の軛を解き放った。
イアンを組み敷き、下肢を押し開き、肉の剣で貫き、抉り、打ちつけ、掻き乱し、逃れることも許さず徹底的に蹂躙する。 愛撫する口唇と肉を噛み裂く牙は手を携え、彼の全身を朱で染めた。
『それ』はイアンの肉を二つながら貪る――生贄たちにそうしたように、だが、もっと時間を掛けて、快楽と苦痛の時を引き伸ばすように。]
(105) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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