267 【突発誰歓】蔵書点検の狭間に【5発言RP】
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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が1人、王子様が9人、黙狼が1人いるようだ。
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皆さまお集まりありがとうございます。えー、ごほん。 この催し物、しっかりと楽しんでくださいませ。
…何があっても、文句は言いませんよう、ご了承くださいませ。
(0) 2017/07/16(Sun) 23時頃
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[蔵書点検をしていた日などは既に遠く。 がらがらの本棚に囲まれた館長は、静かにカウンターの椅子に腰掛けていた。]
…いっぱい、詰まっていたのにねえ。
[あの時でも既に閉館することは決まっていた。 本を手放すことも決まっていた。 けれど実感が持てたのは、今、ようやっと。 全ての本が消え去った時。]
(1) 2017/07/16(Sun) 23時頃
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……。
[手元にて回すのは、一枚の栞。 点検の際に、間に挟まっていたのだと聞いた。 今は、これだけがここに本があったという数少ない名残だ。]
結構貴重な本もあったと思うんだがね。 …本当にW全員W旅立つとはね…
[声音に寂寥は滲めと、どこか嬉しそうに呟く。]
(2) 2017/07/16(Sun) 23時頃
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[様々な所に行ったはずだ。 一般家庭はもちろん数多く。それから、博物館や美術館。 奇特なコレクターなんかも居ただろうか? 何冊かは学校へ贈ったかもしれない。行き先は本当に様々だ。]
[一冊一冊の旅立ちを、館長は全てを見送った。 一緒に過ごしていた彼らだったから。 彼らの行く先にまた、様々な出会いがあらんことと 祈りながら。]
(3) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
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さようなら君達。 私の本は終ぞ、共に並ぶことは無かったけれども――
いつか何処かで、W本の私Wと再会しよう。
(4) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
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……なんてね。 彼らが私を覚えていてくれてるかは、定かではないんだけれど。
[返事はない。 一切の者も、一切の物も。 彼へ応えるものは、既に無いのだった]*
(5) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
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・1dは”現在”本を引き取られた家での貴方の様子を描きます。5発言以内でRPしてください。 本日も完全ソロルになります。まだ縁故はお控えください。
・2dより縁故振りが始まります。
メモで[[1d7 ]][[1d7 ]](←スペースを抜く)を振り、出た目、
もしくは逆さまに引っくり返した数字で、縁故一覧表から選択します。
(「2」と「3」が出たら、縁故表の「23」か「32」のどちらか)
(#0) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
11★自由選択|31 恋敵_____|51 相談相手
12親類___|32 憐憫_____|52 共犯者
13相棒___|33 ★自由選択__|53 兄/姉貴分
14隣人___|34 嫉妬_____|54 保護者
15兄弟姉妹_|35 コンプレックス|55 ★自由選択
16腐れ縁__|36 元恋人____|56 主従関係
17幼馴染__|37 恋人_____|57 師弟
(#1) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
21ライバル_|41殺伐___|61敵対視
22★自由選択|42憧れ___|62嫌悪
23喧嘩友達_|43崇拝___|63憎悪
24親友___|44★自由選択|64相似
25趣味仲間_|45尊敬___|65反発
26茶飲み友達|46片思い__|66★自由選択
27心の友__|47畏怖___|67信頼
(#2) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
71 恩人
72 恋慕
73 友人の友人
74 悪友
75 庇護
76 殺し合う仲
77 ★自由選択
以上が縁故表となります。
(#3) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
2d縁故先(振る→振られる)
モンド→トレイル
トレイル→デメテル
デメテル→ヤニク
ヤニク→朝顔
朝顔→アシモフ
アシモフ→ロビン
ロビン→ディーン
ディーン→ホレーショー
ホレーショー→モンド
(#4) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
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俺は図書館で、《現代》を知った。
ここは自由だ。どんな人も、貴族や農民の区別なく、 好きな職につき、好きな物を食べ、教育を受け、生きている。
っはは、俺の元(ベース)が聞いたら、どう思うかな。
お前の求めた自由は、何百年も先の時代で、手に入れられた。 きっとお前のやった事も、無駄ではなかったんだろうさ。
・・・だが、何故だ。心にぽっかり、風穴が。 俺、ではなく、彼は、何か思うところがあるのか。
違う・・・これは・・・
(6) 2017/07/16(Sun) 23時半頃
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革命家 モンドは、メモを貼った。
2017/07/17(Mon) 00時頃
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皆さまは、いかがお過ごしでしょうか……。
[出会いは鮮やかで、また別れに通じていました。
朝顔は、ただいま外国におります。 気候の変化が少ない国で四季を偲ぶ縁として、 時おり頁を繰られる毎日です。
夏の趣を伝えるべき『わたし』が、自分の過ごした日々を 思い返しているというのも、なんだか面白うございますね]
(7) 2017/07/17(Mon) 00時頃
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この国では、西瓜は食べるのでしょうか。
[切なさは後引けど、朝顔は今を見つめようと思います。 またこっそり夜の西瓜割り大会をしたいものですが、 ビジネス書の類は結構お堅いようです。 困りましたね。
水気厳禁!とお裾分けの西瓜に苦笑いの館長も 経てきた時間や経験、役割もバラバラの馴れた本達も 今となっては遥か遠く、まったくの0からのスタートです]
どんなお洋服を着て、どんなものを楽しむのか。 まずは暮らしを知るところから、ですね!
(8) 2017/07/17(Mon) 00時頃
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[せんせいの価値観、美意識から生まれ 四季のなか少しずつ記されていった朝顔にとって 図書館での日々は、皆さまは、 とても鮮やかに目覚ましいものでありました。
――朝顔は秋の季語、ですって……! 『わたし』の心は夏だと叫ぶから良いのです。 現代では夏の花です。ですったら。
目覚ましい、とは良い意味も悪い意味も あるそうでございますね。ええ、お互い 相性というものもありましたから、色々と。
けれど、全てが全て思い通りでないからこそ かけがえのない時間だったと、朝顔は思います]
(9) 2017/07/17(Mon) 00時頃
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……朝顔は、忘れません。 ずっと、ずっと、『わたし』の大切な思い出です。
季節は過ぎても、また良き夏が巡ってきますように。
[どうか皆さまにとってのこれからが そのような鮮やかな日々でありますように]
(10) 2017/07/17(Mon) 00時頃
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朝顔は水輪のごとく次ぎ次ぎに。
[*『わたし』も、此処で頑張って咲きましょう*]
(11) 2017/07/17(Mon) 00時頃
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双子 朝顔は、メモを貼った。
2017/07/17(Mon) 00時頃
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─ とある田舎の民家にて ─
「なーんか、この本。あまり子供には人気が無かったみたいだけどね?」
[そんな声がしたので、ふわあと欠伸をして外界の出来事に注意を向けてみれば。誰かが俺が潜む本を抱えて話していた。
どうやら、爺ちゃんの様だ。
近くには、孫らしき女の子がいたが…ぱっと見あまり“女の子”らしい様には見えなかった。ムスッとした表情で、「可愛さ」よりも「気むずかしさ」を漂わせていたものだから余計]
(12) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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「私、図書館から貰ってくるなら。絵本が良かったのにー?」
[不満を漏らす孫を前にしても爺ちゃんは、たじろがない]
「これは、絵本さ。…絵が無いけどね?」
「なにそれー?絵が無いのに絵本?どういう事??」
[女の子は、爺ちゃんから俺が潜む本を受け取ると。その表紙を見て目を丸くする
そこには確かにそう書いてあったからだ。そう、「月の化身」である俺が潜んでいる本の題名は
──【絵のない絵本】──]
(13) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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[女の子が本を開けば、作者である画家の「まえがき」が目に留まった事だろう]
“この本は「絵のない絵本」です。私は、これらを、屋根裏で独り寂しくいた時に…“おつきさま”から毎晩聞きました。
世界のあらゆる場所をそっと見守る“おつきさま”が語る、おはなしは、宝石の様に輝き、私の寂しい心に光を灯してくれました。
おつきさまは、「これらのものがたりを君が描いてくれたなら、きっと素敵な絵本になるんじゃないかな」と言ってくれましたが…”
(14) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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“悲しい事に私にはとても、おつきさまのものがたりを絵にする力が無かったのです。それでわたしは、決めました。これを「絵のない絵本」として皆さんにお伝えしようと
きっとみなさんなら、おつきさまのものがたりを読めば、絵のない絵本の“絵”が見えてくるはずだと信じています。私の心にも見えたそれを、みなさんもぜひ見て下さい。
それは、時に美しく、悲しく、切なく、温かく、非情に見えつつも、永遠に続く何かを映している事でしょう。そう、あなたが夜空で見るおつきさまの光の様に”
(15) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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[女の子は、そこまで読むと。
瞳をキラキラと輝かせ、嬉しそうに爺ちゃんに礼を言うといそいそと本を持って自分の部屋へと移動していった]
(あー、なるほど?)
[女の子が表情を一転させた理由が、部屋に入った瞬間分かった気がした。この子は、この本を綴った画家と同じだ。
心の目で見えるんだ。絵が描かれていない、この絵本の“絵”が
何故なら、そこには。沢山の画材と共に、女の子の描いた絵が山の様にあったのだから]**
(16) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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[ とたたたたんっ。 ] [ ボクは今、 すこぅしばかり新しい手元で、 物語の中をお散歩していた。 今日は"ボクたち"の本を手にした、 優しい小さな女の子の元で、 勇ましい相棒と冒険をしているんだ。 まさに女の子が、 ボクたちを手にしてくれた瞬間のような、 ( ひとめぼれだったんだって!照れちゃうなあ。 ) ── わくわくで、どきどき! そんなお話さ。 ]
(17) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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[ でも、でも。 先生の物語に全て出ていようとも、 たとえインクで描かれた相棒の呼びかけや、 ボクたちをなぞる女の子の声が理解できようとも、 ボク自身に出来ないことは当然あって、 ( ── そもそもねずみだもんね。 ) それは、例えば。 何時か図書館でボクが体験した、 色々な出来事を残すこと、伝えることがそれなんだ。 ボクのちぃさな頭にいっぱいつまった、 新しい思い出。 ]
(18) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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「ちゅう!」
[ ちょろちょろと背をのぼり、 ちょこんと相棒の肩に乗ったボクが、 ひとつ、小さく鳴いてみせる。 女の子の目に映るのは、そんなシーン。
ねえ、きみには、どう見えるのかな。 勇ましい相棒の真似っこ? 新しい世界への興味? 長い尻尾がゆらゆら揺れているから、 案外何も考えてなかったりして! そう思っても、それは君の自由だ。 ]
(19) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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[ …でも、やっぱり、 ちゃぁんときみに伝えたいなあ。 ボクが感じた、物語以上の体験を。 だって、もし知ったのなら、 きっときみも笑ってくれるでしょう? もしかしたら他の表情だって見せてくれるかも。 不安そうになっても、泣いてしまっても大丈夫。 ボクはハンカチを差し出す物語も "お散歩"してるからね。 ]
(20) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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「ちゅう!」
[ とたたん、 ]
[ インク以上の重みを持って、 ボクはまた、ひとつ*鳴いた* ]
(21) 2017/07/17(Mon) 00時半頃
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いいかい。 旅立ちというものはいつだって孤独さ 誇らしさや晴れやかさばかりじゃない。 時には自分は望んでもいなくても そうしなきゃいけないこともある。
絶対に成し遂げられるなんて そんな無責任なことは言いたくない、言えない。 けれど、変わることなら 変えることならば出来るんじゃないかな。
……大丈夫だよ。 だって、君はもう一度旅に出ているだろう 広い世界にやって来ただろう?
寂しさと不安に思いっきり泣きじゃくって それでも君を愛する大人に守られ 色んな人達に出会って今まで生きてきた筈さ。
(22) 2017/07/17(Mon) 01時頃
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[ 開かれる度に繰り返す場面 乳兄弟である主人公へ、旅立ちの前に向けた言葉 けれど、図書館からとある学校の図書室へ贈られてからは まるで自分自身に向けているように感じることがある。
児童書の並ぶコーナーで 休み時間を告げる軽やかな音と近付く足音を聞いていた。
少なくとも、個人に引き取られたものよりは あの頃に近い生活をしていると思う。 それでも同じではない。明確な違いがあった。 今も残る喪失感が証明していた。
……先生の元で綴られていた頃は 自分は見送るばかりなのだと思っていたのに。 ]
(23) 2017/07/17(Mon) 01時頃
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おやおや、まあまあ 全く、仕方ない子たちだ。
手を洗ってから触っておくれよ。 可愛らしくても許されないこともあるのだからね。 本を泥だらけにするのは紛れもない罪さ。
[ この学校で僕を認める人間はいない 誰もこの声を、姿を見つけられない。 いつしか本の外に出ることは少なくなった。 開かれるのを待つ、あるべき形で日々を過ごす。
けれどついつい呟いてしまうのは 存外出番の割にお喋りに作られてしまったからだろう。 自覚したのはそう、図書館に寄贈されてからかな。 ]
(24) 2017/07/17(Mon) 01時頃
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そうだね、 君だからという以外の理由を付けるのなら 僕も何かを変えてみたかったんだろうね。
孤独は恐ろしいものさ。 その痛みを誰もが知っていて 誰もが味わいたくないと思っている。
豪華な調度品と綺麗な衣服、それに安全な城 どれも贅沢で、皆が手に出来るものではない。 けれどそれじゃ満たせないものもあるものさ。
痛みの中で手に入れられるものもあるものさ。
(25) 2017/07/17(Mon) 01時頃
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[ これは物語の最後の台詞 獣の王を討って国へ帰って来た主人公と再会し 彼の問いへ答えた時のものだ。
主人公にとって兄のような存在 大事な剣を彼に託す、それだけの役割。 勇者の仲間でもない旅立ちの国の王子へ 何かを思う子供は、きっととても少ない。
だけど僕はあの日々を 出会った人間を、本たちを今でも覚えている。 これは確かな特別だ。 ]
おやおや、まあまあ。 走ってきて本棚に激突だなんて 流石に生まれて初めて見たな。
驚きを通り越して逆に感心するよ そんなに急ぐ用事が図書室にあるのは君くらいさ*
(26) 2017/07/17(Mon) 01時頃
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『おばあちゃんの最期の作品を……多くの子供達へ。 私のように、色んな生き物を知る楽しさを ホレーショーに教えてほしいから。』
[ばあさんの孫はおっきくなった後。 そう言って、おれを図書館へと寄贈した。]
『祖母もきっと…それを望んでいると思うんです。』
[孫が寄贈するときにちょっと泣いてた理由だとか 最近ばあさんに会えなくなった理由だとか その時のおれには、まだわからなくてさ。]
……おれは、ヒトの笑顔が好きだからよ。 他の子供達もきっと笑顔にするから。 だから、泣くなって。
[元気が出るようにってな。 おれは、綺麗に成長した孫の足元へ 白犬の体を寄せたのを、今でも覚えている。]
(27) 2017/07/17(Mon) 04時頃
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[図書館でも色んなこどもの顔をみてきたが、なぁ。
やっぱり─── 楽しそうなこどもの顔を見るのが、おれは好きだ]
……おまえさん、そのページが好きだなぁ。
[そんな呆れた声を出すのはもう何度目か。 図書館にいたときから数えると、 おれの両手じゃ数え切れない程になる。
……というのも。 今、夢中になっておれを読んでいる少年は おれがまだ図書館にいたときも、 何度も何度もおれを借りては、 飽きもせず全部の頁をじっくり見て。 いつも最後に、その頁に戻るのが常だったからな。]
(28) 2017/07/17(Mon) 04時頃
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……そんなに、おれのことが好きか?
[子供部屋の床の上に本を広げて 夢中になって読む、小さな少年の前で。 おれは顔を覗き込む位置に陣取り、問いかける。
視線の先。開かれた本の頁は「いぬ」。 何度目になるかわからないが。 飽きもせず読むこいつもこいつなら。 その度に説明してやるおれもおれだろう。]
ったく。しょうがないな。良く聞けよ。 案内役、サモエドのホレーショーが教えてやる。
[おれには、いぬが好きって目で見られれば おれが好きって言われているみたいで、 とても嬉しくなっちまうもんでな。]
(29) 2017/07/17(Mon) 04時頃
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……あぁ。 サモエドっていうのはいぬの種類でな……
[得意げに、嬉しげに尻尾は揺れて。 おれはいつものように、そいつに図鑑の解説をし始めたんだ。
学校に引き取られるという話もあったらしいが。 一番、おれをよく読んでくれていた子の元に来れて。 おれはとても、幸せなんだと思う。
ばあさんの孫とした"子供を笑顔にする"という約束も 叶え続けることができそうだとは、思うけれど。]
(30) 2017/07/17(Mon) 04時頃
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[────たまに、思い返すんだ。
ばあさんの家で、孫に読まれていた時のこと。 図書館で子供達に囲まれて読まれてた時のこと。 そして、図書館の、木と紙の匂い。 閉館後に色んなところからざわめき、飛び出す。 他のみんなとの、思い出。 おれたちの声が聞こえる館長と話すのも、 楽しかったなぁって。]
……わぅ。
[そんなことを考えていたら。だ。 大柄な躰に似合わねえことに…… ちょっとだけ、懐かしくなってしまってな。
寂しそうな声をだして、窓の方を見上げた後。 ふと、そんな自分がカッコ悪く思えてしまってさ。 誰にも見えてねえっていうのに、首をぶるりと振って、 慌てて少年の方を見直したんだ。]**
(31) 2017/07/17(Mon) 04時半頃
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[錆びるばかりの物語を拾い上げたのは、一人の女だった。 女は様々な奇書の研究をしているのだという。 ああ、何も大掛かりなモンじゃあない。 ごくごく個人的な研究なのだろう。 事実、目を通したのは最初の内ばかり。
けれど、その時の彼女の表情と言ったら!]
…………女性のする顔じゃありませんよ。
["うげ"だとか"げぇ"だとか、 大凡そんな呻き声をあげる女に、呆れ顔。
本の内容に顔を顰められた事実にではなく、 (だって、そんなの慣れっこだ)。 子も居る様な女が、そんな所作をしてはならない と。 (なにせ頭の硬い、古い"人間"なので)]
(32) 2017/07/17(Mon) 07時半頃
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[例えどんな反応だろうと、構わないと思った。 かつて、一番長居しただろう図書館に居た時も 男の宿る本を開く人間は、そうは居なかったが故に。
……良い、と。思うのだ。 読んで、反応がもらえれば、それで。 少なくとも、以前はそう思っていた 筈だ]
そうそう、ぼくが一番辛かったのは、 何を隠そう、そのシーンなんですよ。
ぼくは彼の事を、随分と信用していましたからねえ。 絶望の為に生まれた、この胸が 張り裂けそうになったのは、この一回きりでした。
思えばこの裏切りで、 ぼくのこの心は、凍りついてしまったのやも。 酷い話でしょう? ねえ。
(33) 2017/07/17(Mon) 07時半頃
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[ゆたりと頁の捲られる、その横で。 連なる悪趣味な演説を聞く者は、居ない。 あの場所では、この声が届くものが居た。 "彼"や"彼女"に語るのは、物語では無かったけれど。
寂しいとかそういう感情は、男には無縁のものだ。 あればきっと、永い物語の中で、 気が狂ってしまっただろうから。 最初から、何処か鈍い風に作られている。 ……だからこれは、"寂しい"ではないのだろう]
お嬢さん、解ります? ぼくの心臓が止まるのは、これで二度目。 嗚呼、ご心配無く。ただの仮死状態ですよ。 ────……痛苦の旅は、続くんです。
[ただ素直に、届けば良いとそう思った。 語りかけるこの声が、彼女にも届けば]
(34) 2017/07/17(Mon) 07時半頃
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……これもまるで、その旅の続きの様だ。
[独り誰かの元を渡り歩く、己の性。 そういえば、物語の中の男自身も、 一処で安らげる事など、そう無かった。
その中の一度が、ある家族の家に匿われた日々の事。 そしてそれは、先に語った裏切りに繋がる]
ぼくの作り主は、ええ、本当に。 趣味も意地も悪いんですから。まったく。 ま、ぼくも良い勝負してますけれど。
[永久なる痛苦を齎す根源。 だとしても、嫌いにはなれぬその人物。 もしかしたら、かのジョン・ドゥは 男のモデルになっているのかもしれない。 でなければ、意地の悪い所ばかり似ないだろう]
(35) 2017/07/17(Mon) 07時半頃
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こんな糞ったれな物語を描く人非人ですけれど その本を好きなだけ研究して、 どうぞ世に知らしめてやって下さいよ。ねえ。
でなければ、ぼくがあまりに報われない。
[仕舞い込まれた本棚の端、口を尖らせてぼやく。 そんな男のすぐそばで、 女は呑気に子供に読み聞かせをしている様だ。
────嗚呼、まったく。 此方の気も知らないで、無邪気な事で*]
(36) 2017/07/17(Mon) 07時半頃
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双子 朝顔は、メモを貼った。
2017/07/17(Mon) 08時頃
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抗え!抗え!抗え! この世界に叛逆せよ!この社会を打ち壊せ!
そうだ・・・これが俺の本質。 抗えば俺は自由になれる。自由になった後も抗い続ける。
俺には自由なんてない。 俺に出来ることは、この抗う心を伝えることだけ。
一人の少年が、俺を手に取る。 俺の生き様を見て、何を思う。
(37) 2017/07/17(Mon) 11時頃
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ぼくが手に取った一冊の伝記。 ある偉い人の、嘘のような本当の話。
今みたいに学校に行くなんてことが出来なかった時代、 自分より偉い人からいじめられていた人達の、 戦いの話。
自由がないなら奪い取れ。 自由になるため戦え。
この世界に革命を。
ぼくは・・・今、ぼくは本当に自由だろうか?
(38) 2017/07/17(Mon) 11時半頃
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["僕"は、絵本やらとは違い、 そう気軽に手にとって、楽しんで貰えるようなものじゃない。 勉強のお供。堅っ苦しく分厚い、読み物にならない本。 僕が作られている頃には、周りにも辞書ばかりだったものだから むしろ楽しむだけの本の存在の方を、僕は知らなかったのだけれど。]
…図書館も、なかなか悪く無かったです。
[そんな僕が今居る場所は、学校。教室の片隅で、子ども達と授業を一緒に聞いている。]
(39) 2017/07/17(Mon) 13時半頃
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あー、そこの答えは違いますったら… さっき先生が言ってましたでしょうが、それ…
[ぶつぶつ独り言を言いながら、後ろの席の生徒に茶々を入れる。 学びの場。 僕が使われる機会が少なくないここは、中々に退屈しない楽しい場所だ。]
(40) 2017/07/17(Mon) 13時半頃
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[小さな町にある、小学校の図書室。 わたしが今いる場所。
ここの柔らかい陽射しが入る窓辺が好きだ。 懐かしい図書館を思い起こしてくれるから。
それだけじゃない。 穏やかに流れる時間や 微かに聞こえる笑い声も。
図書館でみんなと作った、楽しかった空間 あの時のしあわせに似てるから 気に入っている。]
(41) 2017/07/17(Mon) 16時半頃
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[まだ10歳にも満たない女の子が わたしに触れた。]
はじめまして。 わたしを見つけてくれて ありがとう。
[作者が作った物語を 味わっていく女の子。
いま 目の前の彼女は頭の中 物語をどのように描いているだろう。
そして、辿り付けるだろうか。 鳥籠の青い鳥、に込められた メッセージの意味に。]
(42) 2017/07/17(Mon) 16時半頃
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[本を読み終え、 表紙のイラストを指でなぞる女の子。 くすぐったい、と笑って。 わたしは声をかけた。]
ながい旅から戻ったふたり。 さいごに、おうちの鳥籠にすむ鳥が 探していた青い鳥だときづくの。
あなたの目には、その鳥籠の青い鳥は なにをしめすメッセージだと映った? 解釈はひとそれぞれ。
(43) 2017/07/17(Mon) 16時半頃
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だけど、いつかわかって。 「幸せは、すぐそばにある。」 そのことに。
[ポケットから、青い羽根に触った手を抜いて。 女の子の指に、わたしの手を重ねた。 やがてゆっくりと目を閉じる。
彼女はわたしの手に気づかないだろうけど。]
(44) 2017/07/17(Mon) 16時半頃
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[しあわせの尊さを噛みしめて あの図書館での楽しかった時間を 後悔ないよう、過ごせたと思っている。 作者のこの教えがあったからこそだ。
だからわたしは、今日も伝えるの。 身近なしあわせの大切さを。*]
(45) 2017/07/17(Mon) 16時半頃
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この世には不条理、理不尽、自由じゃないものは幾らでもある。
規律、制度、法則。 とびきり訳の分からないものも沢山ある。
ぼくには、友達と呼べる存在がいない。 友達と思っていた者は、ぼくを馬鹿にしていた。 あまりにも理不尽だ。 他人を傷つけることは、そんなに楽しいか。
・・・理不尽を変えるため戦った者の、本。 ふと、手に取った本から、微かな声が・・・
抗うの…。理不…を…せ。…条理…正せ。 たたか…。た…か…。……かえ!
(46) 2017/07/17(Mon) 19時頃
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「酷くやられたな、坊主」
誰だよおっさん、今ちょっと機嫌悪いんだ。 って、おっさんどこにいるんだ?
「んなことどうでもいいがよ、坊主。流石に1人で10人相手は無理だぜ。 味方は多いに越したことはない。自分の味方を増やせ。 大丈夫だ。味方になってくれる人はいるさ。 なに、俺も元々一人だったよ。 お前は一歩踏み出せた。上出来じゃないか。」
ああ、ぼくも抗ってやるさ。理不尽に立ち向かってやる。
少年は、借りた本を、卒業するまで滞納したというのは、後の話。
(47) 2017/07/17(Mon) 19時半頃
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[教室の後ろから生徒達の背を見据える。 授業の内容を聴きながら、僕が先生と呼んでいた彼の事を思い出す。 先生も、いつかはこの小さな背のひとつだった。 ここからまた、未来に僕らの仲間を作りだす人が出来るのだろう。 ひとが育つとは、なんと楽しい事か。
…多分、先生も僕を作りながら、そう思っていたんじゃないか。 ぼんやりと、思い浮かべた。]
(48) 2017/07/17(Mon) 22時頃
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[語彙が増える楽しさを。 言葉の世界が無限に広がる楽しさを。 彼らはこれから知っていく。そのはずだ。]
[授業のチャイムが鳴る。 先ほど茶々を入れていた生徒が、こちらを振り向いた。 次の時間に国語辞典を使うのだろうか。その予想は、あっさり裏切られて]
(49) 2017/07/17(Mon) 22時頃
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「……あなたは、誰…?」
["僕"に、話しかけた。この僕にだ!
人間と話すのは図書館の館長以来だった。 歓喜と期待に胸を膨らませながら、 僕はその子ににっこり笑ってみせた。
思い出は再び、作られ始める。]*
(50) 2017/07/17(Mon) 22時頃
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