73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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…………もう、痛いのは、やだ……
[指先の些細な痛みにでさえ膝から崩れ落ちる。 薔薇の匂いは酷く濃く。 その中で、何度も、何度も首を横に振った。 御伽噺が伝える出来事を 己に匂いが運び込まぬよう。 他者とフィリップの関わりが生まれないよう 拒絶するように何度も。 抱える鮮やかなフィリップ以外の温もりを拒絶するように 雪の上に座り込んだ。]
(27) 2011/12/27(Tue) 02時頃
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フィリップは、ブランケットは使わず掴んだまま。
2011/12/27(Tue) 02時頃
フィリップは、寒さに震える手でぎゅっと鮮やかなほうを抱きしめる*
2011/12/27(Tue) 02時半頃
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― 中庭 ― [時折息の残像を手に吐きかけて暖めながら 涙は既に止まっている。 雫が凍るを恐れた身体の防衛反応か? 夜が明ければ休暇とはいえ日々の生活が始まり その隙に部屋に戻って篭ろうか。 未だ、時計の挙動がおかしくなったことも知らず。]
――………寒い……
[一人なのも痛いといっていたオスカーに 寒いだけ、痛くなんてない、と 鮮やかな方のフィリップを抱きしめながら思う。 薔薇の匂いでくらくらとするが、 凛とした冷えがフィリップの意識を 匂いに飲まれぬものに無意識のうちに保つ。]
(73) 2011/12/27(Tue) 21時半頃
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……音楽……?
[夜中なのに、ヴァイオリンの音が聞こえる。 防音室ではなく音楽室だからこそ届いたそれは 夕方に聞いた音だったか?に似ている気がした。 曲の種類が違うと、 同じ人間が引いているとわかるほど 音楽に関する造詣が深くなかった。]
…………あ……
[夜明けまで過ごす慰めになりそうな、音色は 本来切れるべきところとは、違うニュアンスの箇所で切れた。 鮮やかな方のフィリップと目を合わせ 残念そうな声ひとつこぼす。
少しだけ茂みから姿を出し、音のした窓を見上げた]
(74) 2011/12/27(Tue) 21時半頃
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― 中庭 ― [名残惜しげに音がした窓を見上げていた。 きっと、眠りにつくためもうお仕舞い、なのかな、と。 外から声をかける、と言う、 行動選択もなく見ていた窓が開く。 眠るためにお仕舞いと思っていた フィリップはそれに目を丸くした。]
[まだ、吹雪がやむ前だったと思う。 鮮やかな方のフィリップがロバートの眼鏡に 好奇心を示したとき、後から来た姿。]
あ………曲……終わり……?
[聞こえた曲が途切れたことが とても名残惜しかったから、つい口をついて出た。 その後、さっきまで泣いていたから、 散々な顔だろうことを思い出し 慌てて手をかざし目元あたりを隠して。]
(81) 2011/12/27(Tue) 22時半頃
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― 中庭 ― [弾き終わったと言われれば、 短い返事と共に茂みに消えただろう。 何がと問われれば、 居た堪れなく走り逃げただろう。 けれど。]
…………痛く、ない曲。
[距離が有り暗い。 だから気づかれていないのかと、 フィリップは勘違いしながら少し手を降ろす。 曲名は詳しくなかったため、 ぼんやりとしたリクエストを口にする。 具体的にそれがどんな音か、 まったく想像がつかなかったが。]
…………あ……
(86) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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[舞い落ちる黒に、翠を瞬かせた。 とっさに、下ろしかけていた手でそれを受け止める 少しひんやりした皮の黒い手袋 そういえば、夕方もそれを身につけていた気がする。 奏者故に、指に傷がつかぬためだろうか? ……人との関わりの象徴のように思え、 関わることへの怖さが勝り、 使えないで握っていたブランケット。 同様に、ここで受け止め嵌めれば関わることになる、黒い手袋。]
[曲をリクエストしていながら、関わりを恐れている。 ただ、黒く舞い降りるそれ、その先の白い手。 距離がありそれが確かかわからないけれど]
…………ありが……とう
[そう、口にして、そっと指を通した。 指先が刺すような外気から遮断される。 ……………暖かい。]
(87) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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フィリップは、人の気配に身を竦めたが、曲が聞きたくて鮮やかを抱きしめて立ち尽くす
2011/12/27(Tue) 23時頃
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[棘で痛んだ指先ごと黒で包んだ。 その手で鮮やかな方を抱えながら窓を見上げる。 静かで人の気配なかった中庭に もうひとつ人の気配があり、そのことが怖かったが。]
………うん…… えっと……さっきの、音も、痛くなかったよ……
[ヴァイオリン弾きの言葉に、少し目を丸くした。 さっきの音はとても痛くなかった。 そのことを口にしながら思う。 あの音を奏でられるのに…… それとも、あれだけを奏でられて、なお こう前置く心のだからなのだろうか?]
(99) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[黒手袋は痛んだ様子はないのに。 少し、戸惑う言葉だったけれど、この手袋を持って、 彼を探す勇気が自分にあるかどうかわからなかった。 だからその言葉に甘えた。 それに……先程見たものが寒さのせいではないのなら……
黒い手袋は完全にフィットはしないが、 それは彼と自分の手の形の違いなのだろう。] [ヴァイオリンを構える姿を見上げる。 その前に告げられた言葉にはゆるく首を振った。
弦の音が優しく奏でる曲は、フィリップも知っていた。 いつの頃だろう?まだ鮮やかな姿も 空高く飛べなかった頃聴いたことがある。 あの頃思っていた願いは、今はなく。 今あるのは…………
鮮やかなほうがフィリップの頬に身を寄せる。 その身体が少し湿る事で、 フィリップは、また自分が涙を零しているのに気づいた]
(100) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[誰かの願いが叶うこと、を願う音は優しかった。 ゆっくりと、目に見えないけれど降り積もる。 ……この音を聞いていると錯覚を起こしそうになる。 優しくて暖かいものしかないんじゃないかと。
弦の音が終わりの音を紡ぐ。 フィリップは、凛とした冷たい空気を 一度深く吸って吐き出した。 むせ返るような薔薇の匂いさえ、 その中にあるのは 優しさだけだと錯覚したくなるように。]
…………もっと?
[黒皮で包んだ指先でブランケットをもち 奏者を見上げながらゆるく首をかしげる。 続いた言葉には翠は丸くなり一度首を振った。 こちらに向いていない視線に 届いたかはわからないけれど。 ……ただ、さらに続いた言葉をじっと見上げながら聴く。]
(110) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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[叶わない願いが叶った。 それは一体どんな願いだろう? とてもそれを聞く勇気はフィリップにはもてなかったが。 ただ、何度も何度も繰り返す。 叶わないことを明日も明後日も見たとしても。 相手のためについてくれた優しい嘘。 嘘か本当か、考えるより。] [こくり、と一つ頷いて。それから、酷く迷う。]
……………あ、あの…… また……また、聞きに、きても良い?此処から、でいいから。
[関わるのはすごく怖い。 この言葉とて、拒否されたらどうしていいかわからない。 ただ、願うと言う言葉に、躊躇の末、口に出した。 ぎゅっと、黒につつまった手を握りながら。]
……聞いていると、優しくて、暖かいものしか ないんじゃないかって、少し思えるから……
(111) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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[謝罪の言葉には、また一つ首を横に振る。 ちゃんと、相手を思っての言葉だと伝わっている。 ……それをフィリップが言語化してはっきり受け取れているわけではないが、 先程の音色ほど雄弁ではないが、 あの音の奏者だとははっきりわかる言葉。 そうでなければ、 きっと口にする勇気はもてなかった。]
…………うん、わかった。
[迷い見せず条件と共に告げられた言葉。 迷いが見えなかったのが嬉しかった。 あの音色の奏者らしい条件に 寒さで強張っているのに、 自然に笑みが浮かんだ。]
…………本当にありがとう……えっと……
[まだ一歩も近づけないままではあるけど、 お礼と……名を呼ぼうとして詰まった。]
(115) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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[名も知らぬヴァイオリン奏者の言葉を じっと聞いていたが、 その言葉が途切れて翠が瞬いた。
誰か来る。
その言葉に、さっと表情が強張る。 ぎゅっと、鮮やかな姿とブランケットを 黒に包んだ両手で抱きしめて一つ頷いた。]
(116) 2011/12/28(Wed) 01時頃
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…………セシル……
[その名前を覚えるように、一度呟いて。 頭を下げられれば逆に恐縮したけれど。
相手の名を聞けば、当然こちらも訪ねられる。 あ、そうかと納得して、 ただ、そのとき”誰か”の話になれば 顔はこわばったが。]
あ………フィリップ……!!
[それでも、窓を閉めるセシルに咄嗟に名を告げた。 セシル同様、いやそれ以上にまず人付き合いをしないのがあり 自己紹介もただ名を告げるだけの短いものだった。 窓越し姿が見えなくなる。カーテンも引かれれば 向こうから”誰か”に見られることはない、し なにより…………]
………………
(121) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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[また、音が聞こえ始めれば、 鮮やかな方のフィリップと目を合わせ 小さく笑んだ。 ”条件”を早速破ることになってしまったけれど]
(122) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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― 中庭 ― [気分的に錯覚を起こしているせいか、 むせ返るはずの薔薇の匂いも、 今は本来開花時の穏やかな香りにも感じる。 相変わらず寒くはあったが、先程よりは暖かかった。]
…………?
[ただ、曲が止んだ後、微か、聞こえた声に 鮮やかなほうと目を合わせる。 一瞬過ぎて確信は持てない。 別の人だったらと思うと……怖い。
音のした方には鐘楼があった。
耳を済ませながら向かう。 ほかの音で認識違いとわかったら すぐに逃げれるようにしながら。]
(124) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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フィリップは、階段を上がる音が石壁に響くを聞きながら。
2011/12/28(Wed) 02時頃
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[夜闇よりも暗いのは 月光受け淡い光発する雪がないから。 鮮やかなほうは夜目が聞かないのもあり、肩で大人しく。 フィリップ自身は、むしろ闇に切り抜かれた、闇よりは淡い青に緊張する。 ……間違っていたら、すぐに駆け下りられるよう、足場を確認してから、踏み出す。]
……カル……ヴィン?
[闇よりは淡い青の先で、 振り返るようにこちらを見る姿は 微かに聞こえた声音と一致していて 名前で呼んだのははじめて。 安堵しながら鐘楼、風が吹き抜けるそこに立つ]
(127) 2011/12/28(Wed) 02時頃
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― 鐘楼 ― [ほんの短い間でも、風を受けていなかったからか いやに風が冷たく感じる。 驚く気配に、一つ、二つ翠を瞬かせる。 フィリップは名前を名乗らなくても 知られていることがあったため、 その理由で驚かれて驚いた。 ただ、名を呼ばれれば……何か違和感も、一つ。]
オスカーに聞いた。 これ…………
[一歩近づくカルヴィンに ロバートかカルヴィンか持ち主が 二択になったブランケットを差し出す。]
(129) 2011/12/28(Wed) 02時頃
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[黒い手袋越し、握る手が冷たい。 カルヴィンがここにいた時間は短くないように感じる。 確かにフィリップも寒かった。 けど、一人で使って関わりが 濃くなるような気配も怖かった。]
………カルヴィンも。寒い。
[そして、疑問が先立って登ってきたけれど、 先程も、その前も随分泣いて、 酷い顔になっている自信があった。 だから、カルヴィンの視界を覆うように 一度ブランケットを風になびかせてから 彼を包むように頭からかけようと]
(131) 2011/12/28(Wed) 02時半頃
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[熱のことどころか、3人も昏倒者が出たことさえ知らない。 だから、別に、と言われても フィリップにはやせ我慢としか思えなかった。 ただ、こぼれる苦笑には、ブランケット越し、 別口の理由もあるので黙殺したいところだった、が]
………わっ
[黒に包まれた指先から外れたブランケットが また風に翻る越しに笑顔を見た。そう言われれば、 抗弁できそうな理由が思いつけるわけもなく。]
………うん……
[頷いた後、翻ったブランケットを捕まえて。 自分とカルヴィンを包む。ブランケットだけじゃなく、 カルヴィンの暖かさも加わって思う以上に暖かくて少し笑った。 鮮やかなほうのフィリップが、 羽毛があっても寒いものは寒いと、 二人の間の一番温かそうな位置に収まりながら。]
(133) 2011/12/28(Wed) 03時頃
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[風が吹くたびに、中庭の薔薇の匂いも届く。 ただ、音楽の影響が続いているのか、 ただ、寒いけれど緩やかなまま。
フィリップは、謝罪の言葉に目を瞬かせる。 ……頬に傷があるのは知ってはいたが、 噛み痕だとは認識していなかったから。 だから、噛み付いた、と言われれば、 同じようにフィリップが 噛み付いた部分へ、手を伸ばす。]
……俺も、噛み付いてるから、お相子。
[カルヴィンからすれば、 噛みついたから噛み付かれたと 思っていただろうか? フィリップは偶然の一致が 痛み以外に同じ箇所があるようで、小さく笑う]
(135) 2011/12/28(Wed) 03時半頃
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[触れた瞬間震えるカルヴィンに 軽く指先をひいて翠を瞬かせる。 ……自分の手が邪魔で見えないが、 今も、月光受けて淡く光っているのだろうか?]
[短い言葉のやり取り。 お相子にしたことがありがとう名なのか? それほど気にしていたのだろうか?と 前後の会話から カルヴィンの思惑からずれたところを考える。 それでも、感謝されれば、暖かさを感じた。]
……ううん……あ、 えっと……”さぃあ”って、どんな人か、聞いても、いいかな?
[だから、また自分が代用品になるとき、 カルヴィンが満足できる代用品であるように まったく知らない”さぃあ”がどんな人かを尋ねた*]
(137) 2011/12/28(Wed) 04時頃
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― 夜空の下 鐘楼の中で>>3:138 ― [早送りで赤い果実が熟すようにカルヴィンが赤くなっていく。 肩が震えていないところから 苦しくて顔を伏せたんじゃなくて 恥ずかしさで顔を伏せていると、 耳まで赤くなる様子に思う。
一枚のブランケットを共有しているので、 膝を抱え込むのに合わせて フィリップもしゃがみこみ翠で見やる。 あれほど泣きじゃくる相手、 今、こうして真っ赤になる相手。]
………え… けど、 それだと、俺、代用品になれないよ。
[ただ、サイラスと言う見知らぬ少年の 情報を聞きながら彼からこぼれた言葉に フィリップは、困ったようにそうこぼした。 ……それは本当に困惑した声色だった。]
(196) 2011/12/28(Wed) 21時頃
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フィリップは、困惑しながらも聞こえ始めた音に、黒に包んだ手を握って息を吐く。
2011/12/28(Wed) 21時頃
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― 鐘楼 ― [真っ直ぐに刺さる視線に、耐え切れず翠をそらす。 二人の間にいる鮮やかなほうは交互に見上げて。]
……そっか、そう、だよね。 俺なんかじゃ、つとまらないよね……
[代用品として寂しくて痛い間だけ、暖かかった。>>2:54 代用品であるならば、いつか、拒否されて捨てられても それは役目が終わっただけだと、 ひどく痛まないで自分で納得できそうな気がした けれど、代用品でないならば……]
……代用品でよかった。
代用品 が よかった。
[ブランケットから出るように立ち上がる。 腕に鮮やかなほうを抱えて。聞こえる音は歓喜の歌……]
(200) 2011/12/28(Wed) 21時半頃
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[先ほど、初めて名前を呼ばれた時 何故違和感を感じたかを朧げながらフィリップは理解する。]
なんで……て、 君は、捨てる 人なんでしょ?
[今は捉えてくる手が、 いつかフィリップを突き飛ばし、 たとえば鐘楼の階段を転げ落ちてしまうような。 そんなことを想像して恐れながらも 拒絶を否と言う風のカルヴィン、 その手を払いのけることもできず捕まる。]
[けれど、怖い……伸ばされた腕も誠実さも、優しさも 真っ直ぐフィリップ自身に伸ばされれば いつかそれが翻ることが脆弱な心には無性に怖く。]
[歩み寄ることも、逃げ出すこともできず硬直し立ち尽くす。 棘が刺さった手を黒が覆っていて その分は逃げ出さずにすんだ]
(207) 2011/12/28(Wed) 22時頃
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[捨てる、よ。と言う言葉が、 今、捨てられたようで怖い。
握られる手、手袋越しに暖かさが伝わる。 手を振り払えば、 すぐに消えてしまいそうな強さになっていく。]
主を信じぬは見捨てられる……? けど……信じ方なんて、知らない。 わからない、怖いっ……怖い……よ
[今にも消えそうな暖かさが本当に消える予兆に感じて 下から立ち上るバラの匂いも今は怖い。 一晩、今までだけで何度も緩んだ涙腺は 締りが悪くなたのか、また緩んで]
(216) 2011/12/28(Wed) 22時半頃
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捨てるの…が………怖い……?
[自分の怖さが何か? 問われて思案する前に、 次いだ言葉、歪む視界のまま瞬く] [捨てられる怖さだけ思っていた。 捨てる側の怖さを考えたことは一度もなかった。 捨てるほうは、好き勝手に 捨てるだけだと思っていた。]
[そんなに痛くない。その言葉に 口を閉ざすカルヴィンから逃げたい気持ちが募る。 ただ、先ほどの疑問が頭に残って ぎゅと、鮮やかなほうを抱きしめながら耐える。]
………俺が、君を…………?
[捨てられたら、捨てればいい、とは 雪がやんだ直後ぐらいに言われていた。 ただ、捨てる前から、選択肢が自分にある、ことは考えなかった。]
(223) 2011/12/28(Wed) 23時頃
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捕まえても、いいの……?逃げたい時に。 ……カルヴィンが、いやになっても……?
[おず、とおそる、おそる口にする。 涙声でところどころ詰まりながら。 握られた手がブランケットの端をそっとつかむ]
(224) 2011/12/28(Wed) 23時頃
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[頷く姿をブランケットの端、掴みながらじっと見る。 捨てる、追い出す。渡された選択肢は 次いだ言葉に結ばれて。
それまで、掴まれていてあった、暖かさが離れた。 だから、宣言と一緒覗き込まれて。 なれない、自分で選択し、行うことを考えた。]
……………あったかい……
[ブランケットの端を掴んでいた手を おずと、カルヴィンの背に回して引き寄せる。 離れていて冷えた分、取り戻すように抱きしめ小さく呟いた。 ブランケットに包まれた肩口に、水滴を吸わせながら。]
(235) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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[鮮やかなほうが、挟まれて、もぞもぞと肩によじ登る。
それ以外に、背側、上着が引かれる感触に気づく。 鮮やかなほうを抱きしめていた手もカルヴィンに回して そっと、自分より下の位置にある頭を抱いた。]
…………ううん……
[かすかに聞こえた言葉に、 肩口に顔を埋めたまま緩く振る。 カルヴィンの内心を知るすべなく ただ、妄執に染まっていない新たな選択を提示してくれた 暖かさをフィリップは抱きしめた。
鐘楼の下、一騒ぎあったことも気づかないまま。 しばらく抱きしめた後、くしゃみひとつこぼした]
(247) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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ん………
[どれ位外にいただろうか? けれど夜が明けぬのだから そうでもないのだろうか? カルヴィンの言葉に、 カルヴィンを抱きしめていはいても まだ温度が足りずフィリップはこくりと頷く]
……シャワー浴びたい。
[さっきっシャワーを浴びてから何度泣いたことか。 いい加減顔の一つも洗いたく思い。 抱きしめていた腕を緩ませればまた寒くて 鮮やかを乗せていないほうの手でカルヴィンの手を握る。 少しはあったかいだろうか?と]
(262) 2011/12/29(Thu) 00時半頃
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