194 花籠遊里
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[夜が耀るころに蝶は黎明の中に消え。 まるで、夢幻のように陽下を知らず、朝日が差す。
翅を削いで、成り代わるは花の知らぬ外世界の住人。
明々とした眩しい世界で、男は今日も、夜の帳を待っていた。]
(28) 2014/09/17(Wed) 19時半頃
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― 花籠遊里 ―
[そしてまた、夜が訪れる。
遊楽街に明りが灯る頃、ふらりと光に誘われる夜蛾。 昼の世界で剥離していた翅を備えて、 今宵も花の引力に辿り着いたのは、昨夜と同じ花籠。
悪い人相に、着崩しただらしない服装。 武骨な耳飾りも、きらりと輝いて妖しい。
門扉を潜ると酔狂な花主は、今日も謳うよう蝶を出迎える。 おうやおうやと奏でる音色は、今日もまた夢の蓋を開いた。*]
(29) 2014/09/17(Wed) 19時半頃
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[廓を巡る廊下は長い。
男が花籠を訪れるのは決して宵の口ばかりではない。 寧ろ、夜も暮れた頃、ふらりと姿を見せて花を購っていく。
今宵もそんな日常と同じように、 男が楼へ脚を踏み入れたときには既に蝶の気配がちらほら。 逡巡めいて乾いた唇へと指先を添え、 数度擦れば、罅割れてしまいそうな口唇を癒す。
不意と窓に視線を投じれば、秋月に照らされる庭が広がる。 整然と並べられた花は、色とりどり。 何処か、皮肉げなものを察したのは男の気のせいか。
美麗ばかりを並べた末で、季節はずれの櫻色も揺れていた。 狭い狭い、区切られた箱庭の片隅で。]
(31) 2014/09/17(Wed) 20時頃
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―――盛況哉、盛況哉。
芽吹けば育つ以外を知らず、育てば枯れる必然。 落果としても、越冬に難……、
[独り言を漏らして、半分だけ瞼を下ろすように嗤う。 脚は止めず、廊下の板張りを細く鳴かせ、歩を刻む。
今日も悪辣な夜蛾が花を求めて、羽ばたいた。]
(32) 2014/09/17(Wed) 20時頃
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[脚を進める先などこの館では余り多くない。 地下に降りる以外は、花の選定に彷徨うばかりだ。
さて、今宵も色めくまでは暫し時間があると見る。 余暇を自覚すれば、喉が煙を求めたが、 生憎喫煙具は持ち合わせていない。 常より紫煙を嗜む手合ではなく、 精々シーシャより、一本、また一本とくすねる程度の愛好。
その女衒の姿は今宵、まだ見ていない。 唇を弄っていた指先で顎を撫で、渋みを飲み干し気を紛らわす。]
(36) 2014/09/17(Wed) 20時半頃
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─ →書斎 ─
[そうして、無意識の内、歩みは昨夜と同じ順路を辿った。 目の前に迫り立つは硬質な木製扉。 花を仕舞う箱にしては聊か墨の匂いが強い。
短い無精髭を掌で掻き、数秒の逡巡を挟んで双眸撓め。
それでも、月明かりに誘われる夜蛾は、 キィと物音を立て、書斎の扉から身を滑り込ませたのだった。]
(37) 2014/09/17(Wed) 20時半頃
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[人の気配に誘われ、微かな好奇心を満たすべく箱を開いた男。 その双眸に映るのは銀の色、夜に馴染んで淡く輝く月の色。]
―――…花隠れの次は、月隠れねぇ。
[夜も更け、籠の蓋は開いたと言うのに、 こんな人目につかぬ場所で茫と意識を泳がす彼に零す独り言。
寝起きを思わせる彼の面差しは普段の清冽さ以上に、 華胥の国より抜け出した色が濃い。>>46 月光を背負う花精へ、片手で夜を掻き、不正解の所作を向け。]
花の香に誘われるは蝶の本質よ。 ……王子様で無くて悪りぃな。
[音階だけは揃えるも、混じる揶揄の色は常調子。 彼の休息の邪魔をした癖、何ら悪びれぬままに大股で距離を稼げば、指先で再度の着席を促した。
地下に降りずとも、この花籠では明確な上下関係が存在する。 それを教えつけるような傲慢な態度で以って。]
(50) 2014/09/17(Wed) 21時半頃
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そっちは飽いちまってる。 せめて、色めいて月輝と喩えて見せろや。
[彼の仕草は露骨であったが、取り繕うには綻びが大きく。 つい、喉を震わせて彼の態度を茶化した。>>57 媚を売ることもなく、直裁に打ち返してくる言葉を混ぜ返し。
彼が花らしく取り繕わず、眉間に渓谷刻めば、指摘の一瞥。 眼差し同士がぶつかって、刹那触れ合う蝶と花の視線。]
相も変わらず生真面目が服着て歩いんな。 ―――…花籠で其れを言うかい?亀吉よ。
[唇を歪めて彼に問う正道。 真実照らす昼は過ぎて、今は欺艶の夜。
素直に腰を落ち着ける彼の膝に腕を伸ばし、重いばかりの蔵書を事も無げに払った。勝手気まま、傍若無人は蝶の本懐。
暴挙めいた振舞いへ新たな文句をつけられる前に、男はごろりとソファに懐く。 当然頭部は彼の膝へ落ち、書物と同じだけ―――あるいはそれ以上に外の世界が詰まった頭蓋を乗せた。]
(63) 2014/09/17(Wed) 22時頃
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今宵、そろそろ花を刈る悪くねぇ。が、 ちと辛気臭いもんを見ちまってな。
ほとぼり冷めるまで借りるぜ。
[彼の否応を聞かず、長い脚はソファの肘掛に投げ出され、 足首を重ねるように組んで、生欠伸を一つ。]
(64) 2014/09/17(Wed) 22時頃
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ヘクターは、櫻子に話の続きを促した。
2014/09/17(Wed) 22時半頃
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[彼の答えに夜蛾は笑みを噛み殺した。>>73 昨夜、彼を購ったのは美しい蝶であった。 確かに天球すら明かす一片の月下蝶であった。]
サボタージュしていたのはお前さんだろう。 仕方ねぇやな、お前さんの迂闊さを恨みな。
[乗せた頭はずしりと重い。 堕ちた知識の代わりに、生きた体温を教え、 僅かに後頭部を彼の足に押し付ければ、身体の筋を伸ばす。
ほんの少しだけ、瞳を細めて下方より彼を覗き。 細められた双眸は、彼の妙悦な瞳色をさかしまに映して。]
(82) 2014/09/17(Wed) 23時頃
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……面倒事なんざ好いちゃいねぇ。 俺が欲しいのは甘露ばかりよ。
[鸚鵡返しへ返答する声は、自身が聞いても何処か胡散臭い。 現と乖離する感覚に、幽かな布擦れの音を漏らし、 伸ばした指先で彼の頬に触れ、顔の輪郭を確かめていく。
美しいものも、一夜の夢も、全てを否定したがるように、 濃密に溺れて常夜を舞う夜蛾は今宵も飢えていた。>>74]
――――……亀吉よ、
[そうして、彼の指先に視線を置いて漏らす語。 僅かに顎を持ち上げれば、ちくりと彼の指先苛めて掠め。
たっぷりとした一拍を挟み、今宵の贄を瞬きで捕らえ口を開く。]
無聊を慰める妙案を今、閃いたぜ。
[音もなく円弧に撓む唇は、彼に更なる驚愕を齎して、現実が彼の理解を振り切っていく。]
(85) 2014/09/17(Wed) 23時半頃
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――― 今宵はお前さんを買い上げる。
[宣下した声が、朗と響く。 光に眩む夜蛾は、銀月に、そっと、留まった。]
(86) 2014/09/17(Wed) 23時半頃
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人様を嘘吐きと詰れるほど、 お前さんが素直に生きているなら聞いてやるよ。
[彼には抗う術がない。その癖、彼を摘みあげる。 彼には否が唱えられない。その癖、望まれぬ一夜を求める。
唇から覗く紅い舌を閃かせ、彼の大切な一夜を穢す悪趣味。 身体を開いたことなど幾らもあるだろうが、 心を拓いた夜は、彼にどれだけあっただろうか。>>91]
―――…悦かったんだろう? 花籠で夢でも見たかね、甘い蜜が毒と知らず?
ハ、―――…思い上がっちゃいけねぇ。
[彼に届けて流し込む毒は苛烈で、悪質な暴と変わる。 喉を一瞬揺らした彼の顔まで見届けて、充足の呼気ひとつ。]
(96) 2014/09/18(Thu) 00時頃
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――…ああ、昨夜の香を確りと流してこいよ。 [更に重ねる言葉は、彼に立場を教えた。 己などより、ずっと身に染みて理解しているだろう摂理を。
払う為に掛けられた彼の掌を緩慢に掬い、 掌中を口元に引き寄せ、リップノイズを彼に与える。
そうして教えつけるのだ。 何もかも、月来光を拓かせた熱と違う。と。>>92
彼の表情を鑑賞して後、身を起こすと、ソファを降りて起立。 何処か押し殺したように、声を紡ぐ銀月を愛でて、瞳を細めた。]
(98) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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[*今宵も、奈落へ続く扉が解き放たれる。*]
(99) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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[地下へ降りる前に寄り道をした。 花主へ目通り願い、今宵の注文は一輪。
淡藤の銀月。
暮銀色を垂らす髪間から、視線が合えば、呼気ひとつ。 通いは浅いが、今宵も今宵とて、趣味悪さが見え隠れ。 しかし、花主に悪戯を咎められた事は無い。
花は咲くだけ、買われるだけ。 差し伸べた指先は掬う為でなく、夢ごと摘む為。]
(140) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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― 地下牢 ―
[男が腰を預けるのは入り口に程近い牢獄。 牀榻に浅く掛けて、東の空に上った月が己に下るのを待つ。
揺らめくように現れた銀月の顔色は優れない。 夜半と言う事実を除いても、胸に拡がる靄を晴らせぬ為か。 彼に逆らう術などありはしないと知りながら、 緩慢に片手を持ち上げ、彼を誘う。>>115>>126]
(142) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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[彼に情人の真似事をさせるよう、痩躯に腕を回し、 すぅと細める人の悪い笑みと双眸。 撓んだ視界に、映る今宵の隣人達。>>125
彼らに見せつける悪趣味は銀月への抱擁と変わる。 殊更芝居がかって大切そうに抱きしめた月。 耳朶にかかるほど傍で囁くは、偽りばかりの甘い色。]
――…昨日はさぞかし、大事にされたんだろう? お前さんも単純よな、ほら見やれ。
あの男は、別の花を購った。
[心に流し込む毒は、今日も花を傷付けていく。]
(143) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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[吐息で彼の蟀谷を擽れば、一度鼻先寄せて香を確かめ。 誰の香りも落ちてしまった月に充足の呼気をひとつ。 含み笑いを噛む一時は実に性質悪く体温を共有。]
……それでも、お前さんは夢を見るかい。 覚めない胡蝶の夢とは世知辛いねぇ。
―――…亀吉よ。 蝶の遊びだ、付き合いな。
月下蝶の名を囀るを許そう。
[許可の体裁取るが、其れは強制であった。 知らぬと偽らせぬ、強い瞳が、彼を蝕んでいく。]
(144) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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[花の綻ぶ微笑が記憶の縁に掛かり、体温求めて月を抱いた。
気付かぬ内に蕾をつけて、知らぬ間に花弁舞わせ、 散花を知らず、四季を巡らせ年輪刻む。
そんな生き方を己は知らない。
自身は紛れもなく外の住人、境界線の向こう側に立つ。 夜な夜な翅を休めるは、飢餓を癒す為。
人の心を食い荒らす夜蛾は、やはり、蝶と似て非なる。 されどまた、―――彼も花とは似て非なる、>>151*]
(159) 2014/09/18(Thu) 22時半頃
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[存外軽い。>>160
彼を抱いた最初の感想は、そんな他愛無いものだった。 寄り添う彼は玲瓏とした月光が人の形を得たよう。
彼の双眸に映る睦まじい宵仲、花籠では極当たり前の光景。 しかし、揺れた瞳を見逃さず、白衣に包まれた背をあやす掌。]
枯花を抱かせていると俺の腕の中で言うかね。 ―――…良いさ、多少の気鬱は加糖よ。
その顔は嫌いじゃねぇ。
[移り変わる自重を支え、己の膝の上へと招き。 両の体躯は密着を成して、互いの鼓動が布地越しに接近。]
(167) 2014/09/18(Thu) 23時頃
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そう見えるかね、お前さんも捻くれたもんよ。
[彼の憂いを肌で知りながら、花の宿命に小さく鼻を鳴らした。もしも、月下に閃く蝶を知らなければ、これほどに傷付き、美しい顔貌を拝む事は終ぞなかっただろう。>>161
乾いた笑い声は、とても愉快に聞こえなかったが、咎める事はなく、そっと首筋に唇を押し当てた。 肌理を楽しみ、皮膚下に走る血管から鮮血を集めて穿つ刻印。]
………良い子だ。
[幽閉した衛星は、別の男の名を慕い、情を余所に明け渡す。 そうして幾度も切り売りしてきたのだろう心を抱いて、片手を閃かせると指先に携えるは細い帯。懐より取り出した幅の広い漆黒の一巻。]
なぁに、やがて、誰も分からなくなろうよ。 誰の手かも、誰の匂いかも、誰の唇かも。
―――解からなくなろうや。
[呪文のように唱えて、拡げた帯は彼の瞼の上へと掛かる。 視界を閉ざす黒は光を遮断し、視覚を奪う本日の趣向。 ――――――彼を一層深い夜の闇へと誘うように。]
(168) 2014/09/18(Thu) 23時頃
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[臍を曲げてしまった面持ちと皮肉は悪くない。>>173 幼子のような素直さを、長々と鑑賞していたかったが、今宵の余興に天秤は傾いて、彼の視界を黒で塗り潰す。
閉ざすための漆黒も、彼にとっては夜の色ではなく、 五指を隠す色なのかもしれないが。
捺した鬱血の色が白皙に艶やかに映え。 戯れの口付けは一度に終わらず、二度三度。 軽やかな音を態と混ぜ込み、鋭利になった聴覚すらも刺激。
膝に抱えた腰を探る指は立て圧掛け、 彼の体温に懐きながら、脇腹に繊維の一条が刻まれていく。]
―――これは、
[そうして、喜色を孕んだ声が牢に響かせ。 悪質なる低音は、彼に屈折を科す。]
(185) 2014/09/19(Fri) 00時半頃
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彼の指先。
[武骨なばかりの指は、典雅な掌とは違う。 視界を奪っても、触覚に否定させ、意識へ雑を介入させる。 忘れえぬ、真新しい夜の記憶と言う雑を。
体温は白布の袷に進入果たし、胸の尖りを掌底で轢いた。 じとりと染みる温度にも雲泥の差。夜蛾と蝶の差。>>174
更にと、指腹を躍らせ詰る乳嘴。 暗闇の向こう側に彼が何を見るかなど知りもせず、気にもせず。 空の左手は艶声に唆される風を装い、裾内へと潜入。 丸い臀部の柔さを確かめ、尻朶を掴むと、「声を」と命じた。]
……ほら、啼けよ。 鳴いて、泣いて、声も嗄れたら―――許してやらぁ。
[傲慢な声に合わせ、揺ら、と彼の股座に通した逞しい腿が前後。 縋るしか出来ぬ憐れな花を、今宵も悪趣味が染めていく。]
(186) 2014/09/19(Fri) 00時半頃
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何処が? 翅があって、花を買い、朝と共に消える。
―――…何処が違うってんだ、同じだろう。 お前の身体を過ぎていった、万人と皆同じよ。
[反芻する言葉は刃で返した。>>191 彼が苦悶に声を震わせるたび、男の笑みは深くなる。 見知らぬ男の方が体温高いという事実、肌に迫るという現実。 革越しの掌より、余程近いと言う、悲運。
彼の肌を愛でる度、心ごと抉るような言葉を吐く暴挙。 何一つ己と誰かが重ならずとも、素直な彼はきっと思い出す。 夜の向こうに揺らめく、夜蛾でない蝶の影を。
その様に、ちりりと蟀谷が焦げ付き、男は酷く興奮した。]
(198) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[熟れた身体を有するのに、彼の心は気高く真情を護ろうとする。 己の甘言から、たった一つ、庇おうとするのは、 花の勤めではなく、月の気紛れでなく、人の心なのだろう。
乾いた唇を舐めて濡らすと、ささやかな抵抗を封じるように、 手首に手を掛け、艶に誘われる侭、牀榻へと押し倒した。>>192 ギシ、と鳴る木製の悲鳴が、静かな牢に零れ落ちる。]
何が違う。お前さんは花よ、花。 好きよう買われ、夜を明かせば放られる花よ。
[笑う口元は彼から伺えまい。 彼の頭上に纏めて捕まえた両手に加圧を掛け、 拒絶を―――、耳を塞ぐ事すら許さない。]
(199) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[視界を奪い、自由を奪い、金子で購った月。 偽りの優しさと持ち前の毒で彼の心を暴いた後は、 まるで強姦染みた所作に切り替える。]
勘違いするんじゃねぇぞ、
[怯懦めいた色は、己の鼓膜を喜ばせ、また一時に慰撫を覚る。 泣きそうな声を撒き散らす彼に、熱くなる身体を自覚し、 とうとう、裾を払い、白い足を覗かせると開脚を強い。]
―――――お前さんじゃあ、花籠は壊せない。
[視界閉ざす帯ひとつ解けぬ無力を詰り、 男は密やかに咲いた淡月色を、灼けた楔で貫いた。*]
(200) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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