156 カイレミネ島の雪
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[一瞬、ぎくり、と固まる。 まるで最悪の想像を読まれた気がして。
>>1:164興味を持ったらしい声色に、スープに落としていた視線を上げると。見開かれた翠の瞳が、どことなく輝いて見えた気がした。 ゆっくり、首を横に振り。]
……さあな。 俺に話してくれたばーさんは、そこんとこぼかしたからなぁ。
[軽く肩を竦め、スープを一口飲む。あったかさが、胃にしみる。]
仮に死んだりするかもしれねぇモンだとしたら、 俺はできることなら眠らせたくないって思うよ。 誰、一人として…な。
[ぽつり、と願うように呟いた。]
(0) 2013/12/18(Wed) 00時頃
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…かもなぁ。 もしも眠るのを妨害とかしたら、冬将軍も怒ったりすんのかねぇ。
[冬将軍がどう思うかとか、考えていなかったなと。実際の冬将軍がどんなものかわからないから、怒ったところとか想像できない。 >>4なぜか落ち込んだ様子の頭を、わしゃりと撫で。小さく苦笑する。]
目覚めなかったらどうなるかは知んねぇけど。 眠ったまま、こうして喋ったりできなくなるのは寂しいからなぁ。 お前だって、その一人だぞ。 わかってんのか?
[わしゃわしゃ。今度は黙り込んでしまった髪を、優しく撫でる。>>6 答えがあろうとなかろうと。子供に言い聞かせるような口調で。]
(11) 2013/12/18(Wed) 00時半頃
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――げほっ。
[むせた。]
んなの見りゃわかるだろうが。 彼女がいりゃ、毎度のんびりお前の相手とかしてねぇっつーの!
[痛いところをついてくるのが、また憎らしい。]
(12) 2013/12/18(Wed) 00時半頃
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― 診療所 ―
[昨日と同じ島民が、息せき切って飛び込んできたのはその時か。]
ぁあ? どうした、またぎっくり腰か? ………へ。ヨーランダが、起きない?
[昨日まで元気にしていた墓守の少女が、眠りに落ちたまま起きないと。 島民が口早に状況を説明し、ばーさんにも伝えなきゃと慌ただしく診療所から出ていくのを呆然と見送った。]
(13) 2013/12/18(Wed) 01時頃
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マジかよ。 これって、冬将軍に取り込まれて…ってことだよな……?
[誰に問いかけるでもなく、呟く。 軽く頬を抓れば、痛い。現実だ。 椅子に腰かけたトレイルも、突然のことに呆然としているようで。何か呟いていたがこちらの気もそぞろなせいか、よく聞こえなかった。>>15>>18]
…………トレイル?
[名前を呼ぶが、応えず出ていく背中に手を伸ばす。 あとちょっと、のところでその手は宙を掴み。あとはするりとすり抜けるように青年が扉の向こうに消えるのを、ただ見つめた。]
(19) 2013/12/18(Wed) 01時半頃
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ミナカタは、マユミとヒューとブローリンの来訪にはまだ気づいていない。**
2013/12/18(Wed) 11時頃
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『島の外ってどんなですか?』
[墓守の少女に、そんなことを訊かれたのはいつの話だったか。
一度は、島の外に出たこともあるが。戻ってくると決めていて。戻ってきたくて、こうしてここにいる自分に島の外を魅力的に話すことは難しかった。
噂に聞く、待ち望む幼馴染がそこにいる少女にとって。島の外はきっと、自分とは別の光景に映るのだろう。 少女はいつか出ていくかもしれない。 それは、ここに残る身として寂しく思う。 けれど少女は笑顔で希望に満ちていて。その時がきたら、笑って送り出してやろうと思ったのを、覚えている。]
(37) 2013/12/18(Wed) 21時頃
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[トレイルの出て行った後。乱暴に、仕事用の椅子に腰を下ろす。 がしがしと頭をかき、息をついた。]
寂しいっつーのか? 誰かがいなくなることが。
[寂しい、その気持ちはわかる。けれど、頷くことはできない。 次は、誰を取り込むつもりか。一人、また一人。そうして島全体を取り込めば、満足するのか。]
…………クソ。
[悪態をついて仕事机を蹴る。ガンッと鈍い音が一人きりになった部屋に重く響いた。]
(38) 2013/12/18(Wed) 21時頃
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[冬将軍に取り込まれたら、眠りについてしまう。 眠ってしまった者は、冬将軍を眠らせてから。目覚めるのをただ、祈るしかないのだろう。
ああでも、いっそのこと。 どうにか取り込もうとする、邪魔ができたりすれば――。]
(39) 2013/12/18(Wed) 21時頃
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― 診療所 ―
[>>31呼ぶ声に、ハッとして顔を上げる。 診療所の扉から覗くヒューの姿に、手を上げて応え。]
お、おう。どうした。 猿? って、お前のことじゃねぇよな?
[常日頃。屋根に軽々と上り、仕事をする姿は猿っぽく見えなくもない。 そんなことを考えて、ヒューの後ろから入ってきたマユミとブローリンの姿を見つけ。マフラーから顔を覗かせる小猿のシーに、本物の猿の方かと一人納得しつつ。]
あのなぁ、ここは動物病院じゃねぇぞ。 猿用の薬とかは出せねぇからな。 とりま、診せてみろ。
[とはいえ、この雪じゃ動物病院のある街まで行くのは困難だということは、言われずともわかる。 ブローリンごと手招きし、診療用の椅子に掛けさせる。肩から手の中に降りてきたシーを診やすいように抱えさせ、診察をしようと手を伸ばした。]
(40) 2013/12/18(Wed) 21時頃
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[ブローリンは、前にクラゲに刺された時以来か。>>1:109 どっかの海流に乗ってきた大量クラゲに、ブローリン以外にも何人か海に入った島民が刺され、一時期クラゲ注意の張り紙が出回ったのを懐かしく思い出しながら。 注意深く、シーの診療を終え。]
んー…ざっと診たところ、悪そうなとこねぇけどな。 吐いたり、食欲なかったり、調子が悪いのか? 眠そう…てだけか。寒いから体力温存に入ってんのかねぇ。
[それとも冬将軍が、と出かかった言葉はさすがに飲みこんだ。冗談でも、今は笑えない。]
……ん。ヨーランダの話なら、さっきな。 話聞いた奴が、血相変えて駆け込んできたぜ。
雪雫草…冬将軍を眠らせる薬か。 誰に冬将軍が入り込んでるかわかんねぇけど、薬作らなきゃ飲ませることもできねぇし。 ……こうなったら、できるだけ早く作った方がいいな。
[>>41ヒューの言葉に頷き。 取りに行くのに人手が必要なら、雪靴はじーさんの物置を漁ればあるだろうと。]
(46) 2013/12/18(Wed) 22時頃
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っつーか、やめとけっつっても行く気だろ。 お前の場合、足は無事だしな。 体力もあり余ってそうだからちょうどいいんじゃね。
[>>47いいかと伺いを立てられて、肩を竦める。 モニカと言うのは、雑貨屋のじーさんのとこでたまに見かける少女か。遠目にも見たことはあるが、いつも元気に跳ね回ってる印象だ。 難所でもなければ、大丈夫だろう。]
んじゃ。 午前中の診療で一度切り上げて、カフェに向かえばいいか。 今んとこ、俺も行ければ四人……マユミはどうだ? ってその足じゃ、雪靴あっても山登りは……うん。やめとけ。
[あまり言うと意地っ張りなマユミのことだ。逆効果かもしれない。 中途半端に言葉を濁して立ち上がると、傷の増えているマユミの足の手当てをしようと消毒液と絆創膏を用意した。]
(50) 2013/12/18(Wed) 22時半頃
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ほい、おしまい。 一応女なんだから、あんま傷作るもんじゃねーぞ。
[いつになく大人しい、黙り込んだままのマユミの手当を終えて顔を上げる。 >>52ヒューの笑顔に、つられて小さく笑い。この能天気なほどの明るさには、何もなくても元気を分けてもらった気持ちになる。 けれど、続く言葉には口元を歪め。]
あー…誰に飲ませりゃいいのか、か。困るな。 冬将軍の見分け方は、俺もわからん……って、マユミ?
[>>57突然、口を開いた少女に目を丸くする。ヒューの驚く声に、うるせぇよ、とその頭をぺしんとはたき。>>59]
ほんとか、それ?
(60) 2013/12/18(Wed) 23時頃
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……あー。 でも分かるのは薬で眠ったヤツ限定、なんだな? 結局、薬を飲ませてみなきゃわからんっつーことか…。
気づいてないだけで…この中の誰かってこともあり得るしなぁ。
[>>57マユミの言葉を反芻し、冷静に考えながら。]
寂しい、っつーのはなんだろうな。 理屈じゃねぇから、なぁ。 んー。居て欲しい時に、そいつが傍に居ないことかねぇ。
喋りたくても、喋れない。 顔を見たくても、見れない。 抱きしめて欲しいのに、してもらえない。とか。
[>>53ヒューの声にちらりと、窓の外に目を向ける。でこぼこと並んだ雪だるま。 居て欲しいと思わない雪だるまがいくらいても、永遠に埋まらない穴。どんなに雪が積もっても、きっとそこだけぽかりと空いたまま。]
(64) 2013/12/18(Wed) 23時半頃
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ミナカタは、マユミにぐりぐりされるヒューをにやにや眺めている。
2013/12/18(Wed) 23時半頃
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[>>67マユミのばーさんというと、先代のじーさんから聞いたことがある。遠い、東洋の島国の出身だったか。]
信じねぇなんて、言ってねぇよ。 冬将軍の手がかりは、まだなんもないんだ。
[>>69ヒューの言葉に全面同意と頷き。 じゃれる様子に、一応怪我人だからその辺にしとけよーと声をかけつつ。]
…………。眠る人数は、少ない方がいいしな。
[口の中でそっと、呟く。 薬を飲んだ者も、全員目覚めるのだろうか。もしわからないようなら尚更のこと。]
(73) 2013/12/19(Thu) 00時頃
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冬将軍って、何人もいたりすんのか? 寂しがりやっつーから、てっきり独りなのかと。
[そう言われれば、思いこんでしまっていたかもしれない。 >>74よくそんなこと思いつくな、ということを言い出すヒューに雪でも降るんじゃないかと。いやもう降っていた。]
図書館、行くのか。 冬将軍眠らせられねぇと、ずっとヨーランダみたいなのも増えるんだよな。 ……それを邪魔する方法も、なんかねぇかな。
[>>79マユミがもう一度本を読み直すようなら。そういった記載もないかと、ダメ元で聞いてみた。 思いつきでしかない。方法があったとしても、冬将軍が知ったら邪魔されたことを怒って自分が取り込まれるかもしれないが。]
(81) 2013/12/19(Thu) 00時半頃
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………ん? 誰か抱きしめたい奴でもいんのか、こいつめ。
[>>75ヒューが途中でやめた言葉に、意味深ににやりと笑い。 >>78その後、妙に後ろ向きな声に、もう一度その頭を軽くはたいた。]
らしくねぇこと言うなって。 寂しさが何かーなんて聞くようなの相手じゃ、冬将軍も逃げてくんじゃねぇの。
……むしろ、寂しがりやが冬将軍なら。 案外、俺なのかもしんねぇな。
[小さく肩を竦めながら。その言葉にどれくらい本気が混ざっているかは、自分でもよくわからない。 ただ、冬将軍はとても自分と似ていると思うから。 もし自分が冬将軍だとするなら――誰かを眠らせる前に、自分ごと眠ってしまいたいと。一瞬、そんな考えが過った。それだけのこと。]
(88) 2013/12/19(Thu) 00時半頃
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よろしくな。 おい、走るなよ。また怪我増えるぞ。
[>>82立ち上がって早速出て行こうとするマユミが、くるりと向き直った。 二日続けて、先生、と呼ぶなんて。やっぱり雪が降るのではとかヒューの時と同じことを繰り返しつつ。 昨日と同じことを訊かれ。]
…………トレイル?
[即座に応えられず。中途半端に、間を開けて。]
表の大量の雪だるま、見ただろ。 あれを元気に作ってたぞー。
[するり、とすり抜けるように出て行った背中を思い出したが。あの感覚を表現する言葉が、見つからなかった。]
(89) 2013/12/19(Thu) 00時半頃
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いんや。 …トレイルの奴も、隅におけねぇなぁ。
[>>95ほんの少し柔らかくなったマユミの表情の変化に、口元を綻ばせて呟く。 診療所を出ていくマユミの背中は、凛としていて眩しく見えた。 まさかその横でヒューが、あらぬ誤解を継続しているとは思いもせずに。>>100]
んぁ? そりゃあ、抱きしめてくれんならお前より綺麗所のがいいけどなぁ。 ほら、お前のねーちゃんとか。
[そんな軽口を叩きつつ。朝に詰めていた、薬の入った紙袋に目を止め、思い出した。]
(101) 2013/12/19(Thu) 01時半頃
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山に行く前に、まだ時間あるか? ちょっとジリヤのとこ寄ってきたいんだよな。 たぶん今日あたり、熱出してんじゃねぇかと思う。
[昨夜、夜道をあれだけ歩いたのだ。 別れ際は笑っていたが、たぶん顔色は相当悪かったはずで。]
そういや、お前幼馴染だったよなぁ。 代わりに届けてくれるか?
[いつもの薬だから、服用方法は本人が知っている。 もし体力があり余っているなら預けてしまおうと。]
(102) 2013/12/19(Thu) 01時半頃
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んじゃ、これな。 疲れたら大人しく寝とけって言っとけ。 もしいつもと様子が違うようだったら、呼べよ。 あいつ、そういうとこばっか隠そうとするからなぁ。
[>>104ヒューの内心など知らないまま。 ぼやきながら紙袋を渡す。頼んだぞ、とその肩をぽんと叩き。]
ブローリンも行くのか? そんじゃ、いったん解散か。また後でなー。
[二人が出ていくようなら、その背中を見送り。 常連に頼まれていた薬類だけまとめる仕事を片づけると、雪靴を探しに自宅の物置へ向かった。]*
(105) 2013/12/19(Thu) 02時頃
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― とある子供の話 ―
[――二十数年程前。
まだ年端もいかない子供が、海辺に打ち上げられた。
拾ったのは、島の年老いた医者。娘夫婦を亡くしてから独りだった医者は。その子供を引き取り、孫のように育てた。
周囲の住民も、娘夫婦がいなくなった後の医者の気落ちした様子を知っていたため。自ずと、その子供を医者の孫のように扱った。
子供も、自分が本当は孫でないことを知りながら。孫のように、ずっと振る舞った。
最初はただ、居場所が欲しくて。 そうしてそれは次第に、居場所を与えてくれる島を。人を。ありふれた生活を。護りたい気持ちへ変化して。
少年から青年へ、そして男性へと成長した子供は。天寿を全うした年老いた医者の後を継ぎ。 その島の、医者になった――。]
(109) 2013/12/19(Thu) 03時頃
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― 自宅・物置 ―
[――――くらり。
視界が、急激に霞む感覚。 咄嗟に物置の壁に手をつき、目を閉じてやりすごす。]
……なんなんだ?
[深呼吸して目を開ければ、いつも通り。首を傾げつつ、仕舞いこまれた雪靴の捜索を再開する。 冬将軍を見分ける知識を持つ少女との会話を聞かれていたことなど、知らないまま。]**
(110) 2013/12/19(Thu) 03時半頃
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― 自宅 ―
ふぃー…つっかれた。 ボロボロだが、まァ使えんだろ。
[捜索の結果。発掘した雪靴の埃を払いながら、煙草で一服する。もう少ししたら、カフェに集合する頃合か。
少し迷ってから。先代の部屋の押し入れに足を向けた。 たぶんもう、ぐずぐずしている時間はない。 ダンボールの一番上、開きっぱなしになっていた日記帳に少しだけ眉間に皺を寄せ。静かに、閉じる。 そうして、再び70年前の日記を探しにかかった。]
……お。これか? うわぁ。こりゃページがくっついてんな。
[ぺりぺり、と長年圧縮されたせいかくっついてしまったページを、慎重に剥がしながら読む。 70年前の冬将軍の到来。概ね、ぎっくり腰のばーさんが語った内容と同じだった。それとやはり、眠ってしまったら医者としてできることはないという。 後は、じーさん自身が眠りの中で起きたこと等々。]
(146) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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……雪解香? 冬将軍が、嫌いな香りねぇ。
[読み進めていくうちに出てきた言葉に、目を止める。それは図書館で調べているマユミと同じもの。>>112 70年前、じーさんが研究していたらしい。制限は多いが、見つけた唯一の冬将軍の眠りを防ぐことができる手段なのだと。
更に読み進めようとして、次のページを開き。う、と口元を歪めた。くっついたページのインク移りが激しく、解読できなくはなさそうだが明らかに時間がかかりそうだった。 頭をがしがしかいて、日記帳を閉じる。]
マユミが言ってた本にも、これ載ってるんかなぁ。
[また後で会う予定だ。 時計を見て、そろそろカフェに移動しようと立ち上がった。]*
(147) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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ミナカタは、診療所前で妙な泣き声がした気がした。
2013/12/19(Thu) 23時頃
ミナカタは、ヒュー達もそろそろカフェにいるだろうかと思いつつ移動。
2013/12/19(Thu) 23時頃
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― 回想 ―
[今でこそ、悪戯をしにくる少年は。 その昔はあんなクソ生意気じゃなかった。 両親は勿論、兄弟のいない自分にとって。お兄ちゃん、と呼んで懐かれれば、ひどく温かく感じ。敬語で話さない姿すら許容してしまうほど、可愛いと思った。
お兄ちゃん、と最後に呼ばれたのはいつだったか。 それは確か、少年の父が亡くなった時。]
『お兄ちゃん、死んだ人は何処に行くのかな』>>115
[泣きながら笑っているのは、独りぼっちになってしまった子供。白衣を引っ張る一回り小さな手取って、ゆるく握ったことを今も覚えている。 上手い言い回しの持ち合わせなどなく。]
……どこだろうなぁ。 空の上、天国ってヤツかねぇ。
[わかるなら、こちらが教えて欲しいと。脳裏に看取った時のじーさんの顔が浮かんで、消えた。]
(155) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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『俺も、父さんと母さんと同じ場所に行きたいな』>>116
[続く言葉に、黙って握る手に力を込める。 消えてしまった温もりを求める少年の声に。掛ける言葉を自分は持ち合わせていなかった。
心に空いてしまった穴を、埋める術など知らない。 もうずっと、自分の中にも大きな穴がぽっかり開いていて。 それはこれから先も、埋まることはないのだと、わかっている。受け入れるしかないと。
けれどそんな状態でも生きていけるのだと、なまじ知っていたからか。 この手を繋いでいる少年も。空いてしまった穴をそのままに、生きてけるものなのだと、思ってしまったのかもしれなかった。]
(157) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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― → カフェ ―
[厚着をして、毛糸の帽子をかぶり。雪靴を履いた完全装備でカフェに向かった。 カラン、とカフェの扉を開け。ぐるりと店内を見回せば隅の席にちょこんと座っている、少女の姿を見つけた。>>150 確か、一緒に雪雫草を取りに行く一人だ。]
……えーと、モニカだよな? ヒューとブローリンはまだなのか。
[ポケットに手を突っ込み、近づいて声をかける。 ジリヤが行方不明になっていることなど、知らずに。]
(158) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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怖そうな顔で悪かったなぁ。
[>>160思わず眉間の皺を深めるが、無邪気に笑う顔に毒気を抜かれ。]
これから寒い山ん中行くんだから、厚着くらいするっつーの。
お前は、変わらず元気そうで何よりだ。 ヒュー達すぐ来るかもしんねぇけど、何かあったかいモン頼んどくか?
[一番上に着てたジャケットを脱いで、向かいの席に腰を下ろして待とうかと。]
(164) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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