25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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―高嶺の部屋―
[常であれば、ロビンに感じた違和――それは前とは違う表情の移り代わり、他人(乾)の傍にあったこと、をそれとなく尋ねるなりなんなりしたのかもしれない。 それをしなかったのは、嗚呼、やはり思うより常ではいられてない証。]
ほな、見苦しいもん、見せますけど……。
[くるりと背を向ける。 常ではないとは謂えど、手妻で慣れた手は震えることなく、自らの帯をとり、着物を床に落とした。 晒される背には、消えることのない幾多の傷痕。 それは切り傷であり、鞭打たれたあとであり、火傷のように爛れた個所もあった。]
……見目にも問題ありますやろけど、問題はそやないんです。
[ポツリ―――懺悔のように呟く。]
(338) 2010/08/05(Thu) 23時半頃
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もしも、花として求められる中に、色ごとが含まれるんやったら。 わての性は、この背のままです。
抱かれる方は、まだえぇんです。 優しゅうにされたら、感じんだけの話やから。 せやけど、抱く方は……、前の主さんは3ヵ月で死にかけてん。 最初の刷り込みやろか、どうしても優しゅうできへんねん。
[2人に背を向けたまま、肩を震わせた。]
(339) 2010/08/05(Thu) 23時半頃
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―高嶺の部屋―
[鵠が息を呑む音に、我知れず唇を噛んだ。 華月にとって、選ぶことは、もう遠い昔にすんでしまったこと。 貧困街で、両親が死んだ後、最初の花主の手を取ったその時に。]
………っ
[高嶺の言葉が聴こえ、背にかかる温もりに、肩を軽く叩かれることに、また震える。 痛めつけられるより、優しく触れられる方が痛い。]
……はい
[名を呼ばれれば、息を一つ吐いてから、振りかえろうと。 肩に着物がかかれば、前を合わせた。]
[沈黙は、高嶺の真意を知るための間。 苔色は、相手が言の葉を紡ぐ口元を見遣った。]
(352) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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手妻師 華月斎は、懐刀 朧の理由を、鵠との間が狭まったことを意識しながら待つ。
2010/08/06(Fri) 00時頃
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[背の秘密を明かして尚、求められるのであれば。 元より、高嶺を主とすることに、華月はなんの異存もない。]
[静かに、主と定めた人と鵠のやり取りを聴く。 檳榔子染を馴染みが、黒檀の色彩強い人に差し出せば、刹那瞼を伏せた。]
……了解や。主様。
[かかる言葉に、身を繕いながら返した言葉が答え。 高嶺様でなく、主さんでなく、主様と。
花として、花主の傍につき、少し遅くなった宴へと、もう一つの花と共に向かった。]
(382) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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―大広間―
人狼病……
[そこに辿り着くや否や、告げられた文言に苔色は瞬く。 次にその眼差しは、ヨアヒムから流れ出る紅を見る。]
『 』
[唇が微かに動く。読みとれた者は居たか居ないか。 気持ちよさそうやな――と、羨むような言葉は、流石に音には出しはしない。
ふと我に返って、頭を振った。 と、何処かで椅子の鳴る音が聴こえた。]
(413) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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―大広間―
虎鉄、どないしたん。 確かに、胸糞はわるぅなる話やけど……。
[我に返った華月は、様子の弟分の傍に寄ろうとする。 そうしながらも、意識の端では常に、黒檀と紫苑色の2色を気にして。]
(446) 2010/08/06(Fri) 02時頃
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手妻師 華月斎は、2つの色と、眼差し合うことがあれば、今はただ冷静さを保とうとする苔色を見せる。
2010/08/06(Fri) 02時頃
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お気遣い、感謝しますわ。
[弟弟子を気にせずにはいれない心情を汲んでくれたのか。 花主の言葉に、礼を述べる。
憂う表情を気にしながらも、場と先程の主の言葉を思い出せば、問うことは難しい。]
虎鉄っ!!!
[崩れ落ちる身体、支えるのは本郷の方が先だった。 どうするか一寸迷うも、主の命もあり、虎鉄の介抱には*手を出すつもりで*]
(474) 2010/08/06(Fri) 03時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 03時頃
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―大広間→高嶺の部屋―
[本郷から虎鉄の身体を譲り受け抱え、命じられたまま主の部屋へ運ぼうと。 去り際気にかかることは多々あれど、今は抱き上げた弟弟子のことが一番で、他には反応をしめせぬまま。
その間、何度、紫苑色と視線を合わせたか。 抱きかかえた者のあまりの冷たさに、その身は死体のように重くも感じられ、逆に魂のように軽くも感じられた。]
[しかし、まるでこの詮無い現状に花を一つ添えるよう。 華月の唇が微かに綻んだ瞬間があった。
その表情は、主様といいなれぬ鵠へか。 それとも、朧と名を呼ぶことを許した花主へか。 どちらもだったか。]
(594) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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[運ぶ途中、問いが掛かる。]
[恐れはあると高嶺の一つの花は言を持って答えた。 片割れの花は、言葉なく微笑む――逆に恐れはないと示す態。 伏せられる紫苑色を見、真っ直ぐに憂う黒檀を見つめる。
やがて部屋に辿り着けば、冷たく重く、矛盾して軽い、虎鉄の身を褥へ寝かしつけた。]
[まるで鏡写しの逆しまに、鵠が言の葉を紡ぐ時は沈黙を保つことの多い華月は、始まる話にこの時も口を鎖していた。一瞬、ぴくりと動いたのは、白鳥の伝承を聞いた時。
もし、その話が真実になるのならば、己が裡に眠るものと少しばかり似ているのだと思う。鏡写しであればこそ、似ている部分がなければ、逆しまにもならぬか。 ただ、鳥と蝶が違うのは……――。
ふと、それこそ鏡写しのような、己が主人と霞月の君を思い出す。]
(597) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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……茶、いれましょか? 話とったら、喉かわかへんですか。
[黒檀と紫苑色と2つの視線を受けて、思い立ったように提案をした。高嶺の部屋には丁度、宴となるはずだった場所に向かう前、華月が運んだ茶器一式が澄みに置かれて在った。]
(598) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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―高嶺の部屋―
[2人の言葉を受けて、ゆるりと座から立ち上がる。 立ち上がる途中の視界に、常より狭まったように思う相手の、名のように白くなった握られた手を見る。 口を開きかけて、閉じ、立ち上がる手助けに借りる形とりながら、背にポンと触れた。]
ほな、淹れますわ。
[茶碗は一応と2碗用意してあった。 手妻以外は凡才と云えど、ほぼ全てにおいて他のことも均等にしてのける腕は、茶にも振るわれる。その器用貧乏的な部分が、ある意味手妻の才に生かされているのだろう。
程なくして、薫り高い茶が2人の手元に運ばれる。]
(610) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 14時頃
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[茶を二人の前に置けば、主の手は片割れの花から、華月へも伸びる。]
[鵠と同じく、少し見開く苔色。そして、拒むこともない。 そして、主の名を呼びつけたすは]
どないしはりました?
[尋ねても良いのだろうかと、やや躊躇った声音で告げる言。]
(620) 2010/08/06(Fri) 14時頃
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[戸惑いを微かに滲ませた苔色は、触れた人の挙動を追う。 問いに返ってきた言葉に、一瞬、紫苑色に視線を向けた。 なんとなく――その言に何を思うか?と問うように。 そのタイミングが合い、面食らったように微か破顔する。]
それが朧様の命やったら。 ……御意。
[表情を改めて、頷く。 鈴の音のような潔さとは違う、裡に個を押しこめた答え。
どちらかといえば、主の贄になれと謂われた方が気が楽だったとは、滲んでいたか否か。 ただ、花であればこそ。苔色は、茶を飲む2人を映しながら、常の微笑を湛えてそこに在る。]
(634) 2010/08/06(Fri) 14時半頃
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[顔は笑っている、けれど黒檀には憂い。 それに気がつけたのは、華月自身も笑みの下に隠すものがあるからか。]
虎鉄とやったらともかく、鵠さんとは漫才は出来へんですけど。
[唐突に告げられた、剪定の理由。 楽しいの意味合いは、そういうことではないだろう。 そう薄々知りつつも、紫苑色の視線を受けて茶化すように云う言の葉。]
……それ。気がついてくださっとったんやね。
[紙細工の蓮の花の存在に、連想されるのは本郷の。]
行きはるなら気ぃつけて。今宵は満月やさかい。 噂が真実ならば、獣が活気つきますよって。
[本当はついて行くべきだと思えども。 先の大広間の会話と蓮の花からの連想に、控えた。]
(648) 2010/08/06(Fri) 15時頃
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仕掛け明かしかどうか判らへんけど…… 蓮の花は、すき見て引っ掛けただけっすよ。
[主の言葉にカラリと笑って、逆らう気はないと示す風、種を一つ明かした振りをした。そして、鵠にかかる言葉と、それを受けての反応に肩を細かく震わせる。 笑いを耐えながら、主が去るを見送った。]
朧様、短期間に、よぅ鵠さんの性格くんではるわ。
[悔しそうな顔をする鵠を見、揶揄う言葉を向けた唇は、はたっと止まる。真剣に考える様子に、悪いと思ったからかそれとも……。]
(664) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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[ぎこちなく、苔色は紫苑色から逸れ、独り語を呟く。]
蓮の花いったら、本郷様の茶、蓮茶であっとんかなぁ。 間違うたら、わての問題だけやのうなったし。
[茶器を片しながら窓を見やると、望月。 ふと、主と会いたいようなことを云っていたのは、本郷でなくて霞月夜だっただろうかと、月が切欠となり思い。頼りない記憶を漁った。]
(666) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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手妻師 華月斎は、呉服問屋 藤之助がどうするにしても、虎鉄が目覚めない以上は、此処より動く気はなく……。
2010/08/06(Fri) 16時頃
手妻師 華月斎は、執事見習い ロビンが見せた違和なども、頭の端で考えているか。
2010/08/06(Fri) 16時頃
手妻師 華月斎は、記者 イアンの言葉を思い起こしたりと、いつになく頭は回転させているようだ。
2010/08/06(Fri) 16時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 16時頃
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……せやったら、間違っとうたら、連帯責任な。
[逸らした視線は、蓮茶への応えに、惑いながら戻る。 茶化した風な言葉。紡いだ口は、次の言葉を探し、何度か開閉した。]
鵠さんは、この後どないするん? わては、虎鉄、目覚めるまでは此処に居る気やけど。
なんや、酷い身体冷たいさかい。 湯たんぽ代わりに添い寝もええかもしらん。
[ほんの僅か、苔色の裡が色を変える。 言葉の真意を、相手は識ることが出来るだろうか。
――鵠の性格を想い、微かに煽った。
けれど、次の瞬間裡の色を消したのは、 見せた背に負った業故に。]
(690) 2010/08/06(Fri) 17時頃
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手妻師 華月斎は、呉服問屋 藤之助の拙い接吻けに苔色を見開き、細め、そして……――
2010/08/06(Fri) 17時半頃
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―高嶺の部屋―
[りん――鳴る音に近寄りを知ると同時。 伸ばされる手。拙く触れる、唇の端に唇。
苔色は、見開かれ、細まり、そして……―――。
宴の前とは違い、遮るものの無い手が鵠の腰を引き寄せる。 拙い接吻けを、深いものへと変えてしまう。 ここで虎鉄が起きたなら、とんだ見世物だと思いながら止められぬ。]
……贄に、白いままやったらなるなら、染めたい思うた。
[やがてあいた、唇と唇の間で、言の葉を紡ぐ。]
賢い鳥やったら、贄にされんなら、自ら火には飛びこまんやろ。
[蝶は違うと暗に告げる。 ――夏の夜、虫は、業火に自らの身を投げいれるもの。]
(700) 2010/08/06(Fri) 18時頃
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殺されるな、いうのが朧様の命やから 贄にされにくするために鵠さんを染めるんは、 赦されるやろか……。
[鵠の性格と、花主の言葉を逆手に取るは、卑怯か。 つっと身を離し、そして、差し出す手。]
……ええ、思うんやったら、きてや。
[流石に虎鉄の居る場で事に及ぼうとは思えず。 花主の部屋ならば、小間使いが詰める小部屋もあろう。 手をとってもらえるならば、そこに誘おうと。]
(701) 2010/08/06(Fri) 18時頃
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―高嶺の部屋―
[取られた手、合わさる視線に、淡く儚く微笑んで見せる。]
できるだけ、優しゅうにする。
[白鳥の様な手に、誓うように接吻を落とした。
誘いなだれ込んだ花主の部屋にある一室で、 言葉に違わぬよう、傷つけないという意味合いでは優しく。 けれど、その優しさが酷い情となる交わりを交わせば、白の鳥を啼かしてしまうのだろうか。
――……それはきっと、空に在る月だけが、今は識っている*]
(705) 2010/08/06(Fri) 18時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 18時半頃
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―高嶺の部屋・小部屋―
[花主が使う部屋の裡と謂えど、使用人用にあてられた褥は、そう大きなものではない。]
……鵠。
[寝台に、ぎしりと音をたて、その身を押し倒せば、敬称なく名を呼んだ。手妻を行うより丁寧に、名のごとく白い肌に着衣を乱しながら触れる。]
泣かんといて、ひど、しとなるやん。
[何かに耐えるように苦笑し、紫苑色に滲む雫を舌先でねぶった。]
(731) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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[りん――進む行為の間に間に、甘く啼く鳥の声に混じり、涼やかな音が聴こえる。もしかすれば、それが、傷つけたくなる衝動を抑えてくれたのかもしれない。
りぃん――また一つ大きく鳴る音。 重なるように呼ばれる名。]
くぐ い
[同じく名を呼んで、重ねたのは……―――。 白ではない何かに染めようとしたのに、気を遣る瞬間に見えるのは白。
―――そのことが、愛しいのに哀しい。]
(732) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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なんや、こういうのも悪、ないわ。
[行為の後のまどろみ。鵠は起きていたか否か。 起きていたとしても気がつかずに、華月は独り語ちる。 その言葉は、何色かに染まったかどうかを確かめるのを恐れることを、まるで取り繕うように響く。 みどりの黒髪に指先を絡ませて、寝物語のように後を続ける。]
(733) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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もし、唯の鳥と蝶になれる日がくることがあったら わての両親みたいに、色々な土地渡り歩くんもいいかもなぁ。 手妻もな、1人より、2人ほうが、出来ること増えるねんで。
[その話は、虎鉄には話したことはあるかもしれない。 手妻を得意とする和国の血を引く片親と、それの手伝いをしていた独国の片親。花として学んだ訳でもない2人。
その生活は豊かでもなかったけれど、 愛し合うが故に子供を欲した。 センターを通していない違法な手段ではあったが、和国の血を引く親が死ぬまでは、親子3人それなりに幸せだった。]
……なんてな
[照れ隠しのように呟いて、ふと別所に寝かせたままの弟弟子がどうしているか気になった。
耳を欹てれば物音は聴こえるだろうか。 それとも聴こえないのだろうか。]
(734) 2010/08/06(Fri) 21時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 21時半頃
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[耳を欹てるも、音はない。 虎鉄が倒れてから随分と時間が経った気もする。 流石に心配は強くなり、褥から身を滑り出した。]
ちぃと、様子見てくるわ。 ついでに茶器も返してくるさかい、辛いんやったら、もう少し寝とき。
[鵠が起きているようなら、そう声かけて。 寝ているようならば、書き置きを置いて、身を整えれば小部屋から出る。]
虎鉄?
[そこには虎鉄の姿はなく。蛻のとこがあるばかり。 それが示すことに思い至り、華月は頭を掻く。 茶器を抱えると、本邸の方へ向かおうと廊下へ。]
(745) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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―B棟廊下―
[盆に茶器を乗せたまま、歩む速度は普通かやや早い。 苔色の眸は、虎鉄の姿を探し、せわしなく動いて]
虎鉄!お前、靴も履かんと……。
[影を背負ったようなその姿、見止めれば足早に間を詰める。]
(756) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 23時頃
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―B棟廊下―
つか、前も肌蹴たままで、なんしよるん。
[盆は持ってくる時よりも、返す時の方が使った湯の分軽い。 その状態であれば、片手で盆を支え、もう片方を伸ばすのは容易い。
せめて前を合わそうと伸ばす手は、受け入れられるか否か。 拒否されたとしても、その時に触れるだろう肌に眉を潜める。]
やっぱ、虎鉄、異様に体温低い思うわ。
(765) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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―B棟廊下―
此処んところ手弾かれてばっかりや。
[片手が盆でふさがっていれば擦れず。 ロビンにそうされた時と同じよう、チロリと舌で赤に染まった場所を舐めた。情事の後なれば、その仕草は艶めいてしまう。]
……びっくり、しただけやろか?
[常はスキンシップを拒まない虎鉄の言葉に、その仕草に見える色が原因ではないか?と、答えを求める訳でなく言葉裏で問いかけて]
添い寝したろか、思う程、冷たいん。 自分じゃ気がつかん?
[困った風な色を苔色に乗せて、苔色は傾ぐ顔色を伺った。]
(776) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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―B棟廊下―
わてがやましい想いあるから、意地悪な聴き方したわ。 ……虎鉄寝とるんに、薄情ってな。 あやまるん、わての方やわ。すまへん。
[素直な弟分の言葉に、眉尻が下がった。]
[そして、未だ体温に関して否定を返す様を、じぃと無言で見詰め]
わての手と比べてみい。 汗かいた後は、わても一緒やで。
[今度は言い置いて、シャツを止め終えた人の前に手を差し出した。]
(784) 2010/08/07(Sat) 00時頃
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―B棟廊下―
[高嶺に礼の部分にだけ、微笑を持って頷いておく。 差し出した手に、触れる温もりは、矢張り冷水につけたかのようなもの。]
なぁ、随分体温ちゃうと、おもわへん?
[見上げられた時捉えていた琥珀の上で、眉が寄っているのが見える。その表情の意味を知ることは、読心術なければ無理で。]
ほんまに、気持ち悪いとか、どっか痛いとかあらへんのん?
[温もりを伝えながら、重ねる問い。]
(801) 2010/08/07(Sat) 00時半頃
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