147 書架の鳥籠
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……ああ。
[砕けて、散って 魔女の死と、最後の亡霊の終わりを知る]
(1) krampus 2013/10/09(Wed) 02時半頃
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[ずずず、ずず――]
[浸蝕が腕へ、肩へ広がっていくのを感じながら 罪深い亡霊は意識を――手放した]
(2) krampus 2013/10/09(Wed) 02時半頃
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[目覚めた黒い影が起き上がった 床にぺたんと座ったまま、大時計があった場所を見上げている]
――……。
[それには口も何も無いから、何を思ったのか誰にも分からない。 その影の形は、意地っ張りの少年によく似ていた**]
(3) krampus 2013/10/09(Wed) 09時頃
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―― サロン ―― [そこに誰か目覚めた者はいただろうか、少年の輪郭を持つ影を見ただろうか だとしても影は何の反応もせず、並べられている人形のほうへと向かう。 そして真っ黒い手を、少年の人形へと伸ばすが ……指先が触れる前、人形は光の粒と化しこの図書館を照らす蛍火の一つとなってしまった。]
――……
…………。
[影は手を伸ばしたまま動作を止める。 何を思ったのか、顔が無いから誰も分からない。けれど
――影の心がかつての少年のままなら、人形の最後はまるで自分を拒絶したように見えただろう。]
(4) krampus 2013/10/09(Wed) 12時頃
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教え子 シメオンは、メモを貼った。
krampus 2013/10/10(Thu) 00時頃
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[影は探偵>>25に視線を向けられてもやはり無反応 人形が在った場所に目があるならば視線を向けているのであろう頭の角度で、ただ佇んでいると思われたが]
…………。
[――"ひとりにはしないと、そう言ったというのに。"]
――……。
[影が振り向いた。 ……輪郭は少年を保てど、顔面であろう場所だけが靄が掛かったように何も見えない。]
(32) krampus 2013/10/10(Thu) 19時半頃
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[影が緩く首を横に振り微か揺れる短い髪は 探偵の傍ら、自らが殺めた少女と同じ色をしていたそれは今は夜の闇より深い黒で]
[仕草も、蛍火照らす図書館で浮いたその色も 彼らと、探偵と共にあることを否定しているかのように]
(33) krampus 2013/10/10(Thu) 20時頃
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[眉を下げる探偵>>42に影は何を思ったか、再び首を横に振る 彼の言葉から少し間を置いて、その傍らの少女を指差した]
――……。
[そうして一歩、二人から離れて]
(43) krampus 2013/10/10(Thu) 22時半頃
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[同罪だなんて>>44、そんなことは無い。 影は何度でも首を横に振る、声無き否定を見せる 仲間でありながら自分と違い狂気に逃げることは無く最後まで生きようとし、散っていった探偵へと]
(58) krampus 2013/10/11(Fri) 00時頃
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[影は探偵から返ってきた言葉に、少女と彼の会話に安堵したのに この二人は互いが在れば、大丈夫だろうと思っているのに これで自分は一人ぼっちで堕ちていける、そう思っているのに]
[――どうして?>>50>>54]
(59) krampus 2013/10/11(Fri) 00時頃
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――……。
[それでも影が躊躇しながら手を少女に伸ばしてしまったのは、 悪魔を、影を、何も無かった頃のように「シメオン」そう呼んでくれたから。 狂気の中殺めた彼女は、クラリス同様にシメオンの心の拠り所だったから――]
(63) krampus 2013/10/11(Fri) 00時半頃
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[そうして少女の白い手と、影の黒い指先が触れた時]
(64) krampus 2013/10/11(Fri) 00時半頃
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[少女の手は] [影のそれのように]
[触れた部分が] [黒く、黒く] [――浸蝕されて]
(65) krampus 2013/10/11(Fri) 00時半頃
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――……ッ!!
[ばっと影が手を離せば、少女の手は元通りへ]
(66) krampus 2013/10/11(Fri) 00時半頃
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[それも影が選んだこと。 優しい人々を意地を張って突き放して 弟を重ねていた少女を身勝手な理由で殺め、楽しげに狂った笑いを浮かべ 大嫌いだと吐き出して、仲間を見捨て逃げ出して
幼い弟が魔女に縋る程、痛々しい姿を兄でありながら晒して
――そして、人形となった彼を何年も見つけられず、そこから解放することも叶わないまま亡霊となって]
[この黒はきっと後悔と絶望 自分の意思で纏ったのだ]
(67) krampus 2013/10/11(Fri) 00時半頃
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[驚く少女と探偵の様子、これで諦めてくれればいい。 ――しかし、彼女は]
――……!!
[構わないと影に手を伸ばし>>87語り掛けてくる>>89 一体どこが汚れているというのか、少女は、レティーシャはその腕を少しづつ黒く染められていってもあまりにも清らかで]
(92) krampus 2013/10/11(Fri) 22時半頃
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[影は手をほどいた。 少女の腕は元通りに、そして……影の手もまたそこだけ色を取り戻して]
て ぃ … し ゃ
(93) krampus 2013/10/11(Fri) 22時半頃
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だ め だ
(94) krampus 2013/10/11(Fri) 22時半頃
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[じゃらり]
[人のものへ戻った腕は、代わりに黒い黒い鎖で縛られて それの先は何処かずっとずっと下に繋がっているように、図書館の床から突き出ている しかし影が笑っている気配が彼らに伝わるだろう]
[赦されていないことを表す黒、それは誰に
……自分だ、影が自身を赦せていないからだ。]
(95) krampus 2013/10/11(Fri) 22時半頃
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…… まだ行けない。
僕は、僕を赦せる自分に もう逃げない自分に、ならなきゃいけない。
(96) krampus 2013/10/11(Fri) 22時半頃
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……ありがとう
[レティーシャを止め、応援すると言ってくれたオズワルド>>99 きっとその選択をすることは優しい亡霊にとって少なからず心苦しいことだったのだろう。 逃げていた自分の狂気に覆われた声を聞かせ続け、今も尚こんな風にしか接することが出来ない。 だから今の自分では、駄目なのだ]
(103) krampus 2013/10/11(Fri) 23時半頃
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他の奴を起用してたら今度は"オズワルド"も連れて行ってやるから。
[影は鎖の重みも構わず探偵のポーズを真似する ……ちょっとやってみたいなんて、何もかも忘れていた頃は思ったこともあった]
うん……
[じゃらり]
……またいつか、会おうね
[――じゃらり、じゃらり]
(107) krampus 2013/10/12(Sat) 00時頃
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["シメオン"は鎖で四肢を繋がれ、それでも笑っていた。 レティーシャと同じ色の髪も、ピッパと同じ色のシャツも、オズワルドと同じ色の瞳も 全て、剥がれ落ちた黒の中から取り戻して]
(108) krampus 2013/10/12(Sat) 00時頃
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[笑って、名前を呼んで、好きだと言ってくれたレティーシャ>>123 とても自分には勿体無いものばかりで照れ臭くて、けれど最後ぐらいそういうものも突っ撥ねないでいよう。]
さようなら、ティーシャ。
僕も君のこと……、ううん
――…君達のこと、好きだったよ。
[最後の言葉はきっとお節介で母のような女性にも届いたことだろう だってここは、そういう場所なのだから――]
(133) krampus 2013/10/12(Sat) 01時頃
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[オズワルドに抱き付くレティーシャを目を細めて眺めるシメオンの背後に、黒い大きな扉が現れる]
[――ぎい――]
[鈍い音と共に開かれた先は何も見えない闇、その中に鎖は続いていて。]
きっとまた、会えるよ……
[引き寄せられるようにその中へ、シメオンは消えて行った――]
(135) krampus 2013/10/12(Sat) 01時頃
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[――ぎい――]
(137) krampus 2013/10/12(Sat) 01時頃
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[蛍火の一つが後を追うように闇の中へ飛び込んでいったのを最後に、扉は閉じられ]
[――消えた*]
(138) krampus 2013/10/12(Sat) 01時頃
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