24 明日の夜明け
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―― 回想 伝説の樹 ――
[メアリーが、倒れる人影に向かって走る。 ただ頷いて、ニセモノたちに相対した。 近づいて、実に手を伸ばすものたちを蹴って、体当たりして]
………っそ
[でも、だんだん本当に体が重くなってきて。 徐々に、徐々に、自分の体がこげているのが分かる。 火傷、なんてものではなくて。 こげて、いる]
………っ
[ぼろぼろだった右腕が、ふるってもいないのに、折れた。 もうだめだ。立てない、と、思う]
(1) khaldun 2010/08/13(Fri) 01時頃
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[――どくん]
.
(2) khaldun 2010/08/13(Fri) 01時頃
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[サボタージュをはじめていた心臓に、何かが芽生えたのはそんな時]
く ぁ が、う。ぅああわああああっ うごぅわっ
[体内を、何かが走る。灼熱の、緑の、何かが。 肉をかきわけ、血の間を走り、触れた箇所を溶かそうとする何か]
うぇほっ
[けれど、それは、とてもゆっくりで。 体が徐々に緑に溶け落ちていくのに、途中で止まってしまう。 緑に変化した内臓の一部を、吐き出した]
(3) khaldun 2010/08/13(Fri) 01時頃
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[ぽしゃん、と、爛れていて、こげていた右腕が落ちた]
[ぽろぽろと緑の涙を流す。 けれど、まだ、生きている。 全身の痛みが、生きていることを教えてくれる]
め ぁ り ー
[ゆっくりと言葉を吐いて、立ち上がる。 緑にふさがりかけた目で見えるのは、大きな渦巻き。 彼女の方まで、ふらり、ふらりと歩き出す]
め ぁ り
[彼女は、どう見るだろう。 懸命に、彼女の手をとろうと、溶けかけた左手差し出した*]
(4) khaldun 2010/08/13(Fri) 01時頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/13(Fri) 01時半頃
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―― 渦巻きの迫る真ん中で ――
[メアリーが振り向いた。見開かれる目。 こんな風に、異形に変わりつつある自分に申し訳ない]
[それでも、伸ばした手を引っ込めることは出来なくて。 くちゃり、と彼女の手に触れる。 抱きしめられた。彼女を汚してしまうのが、悲しい]
……めあ、りー
[名前を呼ぶ。 ゆっくりゆっくり、変化した身体になじんでいく。 変わりきってしまえば楽になれるのだろうが、何かがどこかで詰まっているようで]
(7) khaldun 2010/08/13(Fri) 07時半頃
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[メアリーの言葉に、カルヴィナの言葉を思い出した。 ああ、これは、彼女がやったことなのか]
めあり、これ……めあり、が?
[力をこめる。どこに行けっていうんだろ]
いる、よ。ここ、いる。
[緑の肌で、彼女の体温を感じる。 心臓の鼓動は、よく分からない。 けれど、触れている箇所から温かいものが流れ込んできた]
[それは、おそらくはこの身体にならないと分からなかったもの。 思いきり自分が否定して、失ってしまっていたもの。 欠けてしまったもの]
[じんわりと、体が、いや、胸の奥が熱くなる]
(8) khaldun 2010/08/13(Fri) 07時半頃
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めありー、ありが…と
[目を閉じて、抱きしめながら呟いた。 全身の痛みが、生きてることを教えてくれる。 溶けてるけど、緑だけど、焦げ臭い匂いはもうしない**]
(9) khaldun 2010/08/13(Fri) 07時半頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/13(Fri) 07時半頃
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―― 渦巻きの中心で ――
[緑に、メアリーの涙を感じた。 はっきりと告げられた別れの言葉]
[首を振る。首を振って、拒否をする]
[彼女の腕に力がこもった。 やっぱり何か知っていて、この緑色はメアリーなんだと思った。 構わない。だって、大事なものが、ゆっくり戻る]
(12) khaldun 2010/08/13(Fri) 16時頃
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……しな、ねぇよ 俺は、しなない。あきらめない。
ちかう、よ。メアリー。
[ずっとずっと口に出来なかった言葉。 ようやく、彼女の思いに答えられる。 どういう原理かなんて知らない。神なんて信じない。 けれど、メアリーを、信じてる]
ちかう。諦め、ない。
(13) khaldun 2010/08/13(Fri) 16時頃
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[身体はこんなに緑で、溶けてて、動かないけど。 でもだからどうだって言うんだろう。
目を上げて、一度身体をはがした。 命の実を見上げて、閉じかけた目を細めた]
[ゆっくりと、手を伸ばす。
まだ完全には熟していないけど。 でも、このままだと渦巻きに飲み込まれるのは確実で]
[―― 命の実を、もいだ]
[半分溶けて崩れた顔面でにっこり笑って、メアリーに差し出す]
……ここ、危ない。めありー、かえろう? いっしょに。
[もし実を受け取ってもらえるなら、そのまま手を取って。 そうして、一緒に渦巻きの中歩いて行こう。 ―― そう、誘う**]
(14) khaldun 2010/08/13(Fri) 16時頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/13(Fri) 16時頃
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―― 渦巻きの真ん中で ――
[メアリーは命の実を受け取って それでも無理だと笑って言った。 泣きながら、笑って言った]
[ぽふぽふ ―― 実際はぺちゃぺちゃだったが――と、彼女の頭を撫でた。片方しかない手で、彼女の頬に流れる涙をそっとすくう]
[顔を近づけて、目を合わせた。 こういうとき、身長がそう変わらないのは、素敵だ]
……しんじ、ないよ。 どーせ、それ、あの、銀のくそやろーに言われた、だろ? うそかもしんないじゃん。 やって見なきゃ、分かんねぇ。
帰る、ぞ。父さん母さんと、叔父さん叔母さんが、待ってる。 1人帰ったら、ころされる
(16) khaldun 2010/08/13(Fri) 17時半頃
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[迫る渦巻き。 実を抱きしめる彼女の手をとり、もう一度、誘う。 もし聞き入れてもらえないなら、実ごとかついで行くつもりで]
[この身体で、どうやるかなんて知らないけど]
いっしょだよ。今までずっといっしょだった。 雨の日も晴れの日も、雪の日も、いっしょ。 ここまで来たら、最後までいっしょに生きたい――**
(17) khaldun 2010/08/13(Fri) 17時半頃
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―― 月の明滅する世界 ――
[メアリーが笑う。 ぎゅっと握り返された手の力が嬉しい。 溶けかけている自分のせいでそれが離れないように、握り返した]
……馬鹿なのは、今にはじまったことじゃない、っしょ?
[そうして、紡がれるメアリーの言葉。 目を、悪戯っぽく輝かせた]
―― 病めるときも、健やかなるときも?
……もちろん、誓うよ
[にやりと笑いながら断言して、渦の中へと走り出す。 何があっても彼女の手は離さない。きっと最後まで]
(20) khaldun 2010/08/13(Fri) 19時頃
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(………あぁ)
.
(21) khaldun 2010/08/13(Fri) 19時頃
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[この渦を抜けたら、何をしよう?]
[イアンたちを呼び出し、自手練に誘おう。 そうして、このもやもやに決着をつけよう]
[全て書き上げていたあの書類。 空軍航空学生の願書を、投函しよう]
[溜め込んでいた七転PARROTSの録画を整理しよう]
(22) khaldun 2010/08/13(Fri) 19時頃
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[―― メアリーを迎えに行って、学校に行こう。 自転車で、朝早くから、まぶしい朝陽に文句つけながら]
(23) khaldun 2010/08/13(Fri) 19時頃
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[この渦を抜けたら]
[―― 明日の夜明けに、たどりついたなら**]
(24) khaldun 2010/08/13(Fri) 19時頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/13(Fri) 19時頃
鳥使い フィリップは、花売り メアリーを慰めた。
khaldun 2010/08/13(Fri) 19時半頃
鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/13(Fri) 21時半頃
鳥使い フィリップは、双生児 ホリーに手を振った。
khaldun 2010/08/14(Sat) 08時半頃
鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/14(Sat) 11時頃
鳥使い フィリップは、アイリス、おはよう。ズリエルいてら〜
khaldun 2010/08/14(Sat) 16時半頃
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―― if・20数年後 ――
[カンカン照りの空の下。 そろそろボロボロになってきた学生服。 最大限きちっと見せかけられるよう、止めていたそれの第一ボタンを外した。ちょっと体感気温が下がる]
……あっち
[背中に背負ったリュックは資料で一杯。 肩に食い込んで、ちょっと痛い。 汗が、つうっと落ちたて、短い金髪ふりふり振った。 今出てきたばかりの昇降口を最後にちょろっと見上げる。 陽炎ゆらぐグラウンドに足を踏み出した]
(96) khaldun 2010/08/14(Sat) 17時半頃
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[今まで電源切ってた携帯電話。取り出した。 緑の鸚鵡のストラップが揺れる]
……もしもし、母ちゃん? うん、おれー。うん、うんそう。今終わったトコ。 これからバス乗って帰るから。
……え? ふつーにいいとこだったよ。 通知表見せたら、専願ならまず受かるって。うん。 もっかい父ちゃんと話して、頼んでみる。
………はいはい、分かった。 隣に寄って、タッパー貰ってくればいいのね。分ぁかったって。はいはい、はーい。じゃねー。
[歩きながら通話して、ぷちっと切った。 ふと目を上げる。グラウンドの端、正門の横。 大きな御影石の慰霊碑が立っていた]
(97) khaldun 2010/08/14(Sat) 17時半頃
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[この学校の象徴みたいな、綺麗に磨かれた大きな石。 そこ彫られた大きな桜の絵と、幾人かの名前]
[立ち尽くした]
………父ちゃんがいいって言って、受かりますよーに
[そういうもんじゃないって、何となく分かるけど。 なんでか知らないけど、願いたくなったんだ]
あ、やべ、バス
[ふと腕時計を見ると、あいつと約束してたバスの時間5分前。 ぎりぎり間に合うか、間に合わないか。 これを逃がせば次のバスは20分後。 ばたばた足音高く走ってく]
[暑い、暑い夏の日。 キーンと伸びる飛行機雲の下で**]
(98) khaldun 2010/08/14(Sat) 17時半頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/14(Sat) 17時半頃
鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/14(Sat) 20時頃
鳥使い フィリップは、花売り メアリーを受け取った。ぎゅむぎゅむ
khaldun 2010/08/14(Sat) 22時頃
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―― if 別離 ――
[自分の人生がガラリと変わった日から、2年]
[未だにあの渦巻きの夢を見る。 ぐるりぐぅるり迫る渦巻きの中、彼女は泣きそうな顔で笑った。 自分はどろどろに溶けて、さよならの言葉を聞いた]
……笑えるよ、なぁ
[薄暗い自室で、姿身に手をついて独りごちる。 彼女は自分の半分だった。 鏡を覗けば欠けた半身が見える気がして、 でも一度も見つけられていないのだ]
(127) khaldun 2010/08/14(Sat) 22時半頃
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[この世界に彼女がいない ―― それでも空は青くって。 隣にあの笑い声がない ―― それでも毎日朝が来る。
いつか別れる日が来ることは、知っていたというのに]
……………。
[携帯電話を引っ張り出して、電話をかける。 彼女の番号にかけるのは、とうにやめた。 新しい契約者に出られてしまったことがあるから]
――ラルフ。……今から、行ってくる。
[かけるのは、友人に。 こんな朝早い時間だから、もしかしたら出ないかもしれない。 起こしてしまって迷惑かもしれない。
けれど、一言だけ伝えたかった。 別離になるかもしれない、裏切りになるかもしれない言葉。 もし彼が出ないなら、一言だけ留守電に残した]
(128) khaldun 2010/08/14(Sat) 22時半頃
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[携帯の電源切って、目を上げる。 鏡に映るのは、醜くケロイドに覆われた姿。 右の顔面から体にかけて、右手は酷く爛れの痕。 一目で何がおきたのか、分かる。 何を思ったのか物好きなマスコミに写されたこともあるから、分かる人には自分の立場が瞭然だ]
[シュッと音を立てて、スーツに手を通した。 書類を確認した]
(129) khaldun 2010/08/14(Sat) 22時半頃
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[今日は、空軍航空学生の試験日。 身長は入院していたのもあって基準に足りるかどうか。 右目の視力も、パスするかなんて分からない。 落ちきった体力と握力、肺活量は、地獄のリハビリで戻した。 2年かかった]
……「あんたにあんなことした軍に、どうして?」 か
[両親には反対されているから、そっと家を抜け出した。 道は、まだ薄暗い]
知りたいんだ。あの日、何が起きたのか。 何で俺らは巻き込まれ、何で皆は死ななきゃいけなかったのか
[空軍の事故調査資料は納得がいかないものが多い。 知りたい。だから、行く。一番知れる場所へ。 それが、被害者から加害者への転身であっても]
(130) khaldun 2010/08/14(Sat) 22時半頃
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[ガレージから、自転車を引っ張り出す。 後ろの荷台に据え付けてある座布団は、今でも綺麗に洗濯済みで。 片手でそっと撫でた]
行くよ
[まるでそこに誰かが座っているかのように声をかけて、自転車を漕ぎ出した。大通りを、駅に向かって走る]
[通りの先、坂道の下。 うっすらと太陽の光が世界にさしこみはじめている**]
(131) khaldun 2010/08/14(Sat) 22時半頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/14(Sat) 22時半頃
鳥使い フィリップは、花売り メアリーに手を振った。おはようおはよう
khaldun 2010/08/15(Sun) 07時頃
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―― if 20数年後 ――
待った待ったぁ〜、そのバス、待ったッ!!
[今にも発進しそうなバスに大声かけてとめおくこと30秒。 動き始めたバスの中、ぜぇはぁぜぇはぁ汗を拭った]
『エリック。おっま、はずかしーよ!』
[そんな自分の頭をはたいてくるのは、同じ中学の同級生。 うっせーうっせーなんてちょっと騒ぎながら、集団に混じる。 がやがやと、もちろん話題は今見てきた学校のこと]
(175) khaldun 2010/08/15(Sun) 10時頃
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……んー? あれ、ジャン、どしたん。 ここ来るまでは一番はしゃいでたくせにさー。
[集団の中、ぽつんと浮かない顔していた友人見つけた。 黒髪の彼は、泣きそうな顔で呟く]
『僕……ここ、受験するのやめる……』 『は、ぁ? おま、何いってんの。 あんだけ「議事高は写真部の機材が充実してる〜」とか 行く気満々だったじゃん』 『だって、だって、ここ、【出る】って聞いたんだぁ〜』
[黒髪の友人は半泣きで聞いた七不思議の噂を流す。 夜中の教室に忘れ物を取りに行くと、 巨大なガラスの目が窓からのぞきこまれる、とか。 校舎1Fの公衆電話はたまに勝手に鳴り出して、 取ってみると死んだ女生徒が助けを求める声が聞こえる、とか。 1人の時に鏡をのぞくと、飛行機事故の死者が見える、とか]
(176) khaldun 2010/08/15(Sun) 10時頃
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……くっだらねぇ〜。 確かに議事高っていえば大事故あったっていうけどさ。 お坊さんとか来てちゃんとやったんでしょ。ありえなっ
[事故のこと、親はしょっちゅう口に出すけど。 何だかイマイチ現実感がない。 だって、自分が生まれる前の話だよ?]
[……飛行機、格好いいじゃん。空飛びたい]
[一笑にふして、それから話題は変わってく。 楽しみにしているバスケ部の話とか。 彼女ほしーって言って、お前が言うなって皆にはたかれたりとか。ふふん、と得意げになってみた]
(177) khaldun 2010/08/15(Sun) 10時頃
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―― if 20数年後 隣の家 ――
[弾んだ歩調、ぴんぽんぴんぽん乱打したチャイム。 インターホンじゃなくて、彼女の部屋の窓に向かってぶんぶん両腕振った]
おーい。
[学年が違うのが、ちょっともどかしい。 でも、議事高なら中学のちょっと先だし]
[彼女とは、物心ついたときからずっと一緒。 たまに「あんた達産まれる前から一緒だったみたい」って言われる。そうかもしれない、とか、ちょっと思う。馬鹿にされるから、誰にも言わないけど]
[自分の心の中の、半分。 好き、とか、大好き、とか、そんな言葉じゃ足りない。 でもそれ以上の言葉を知らないし、そんな言葉の重さも知らない。まだ、それでいいんじゃないかと思う]
[だから、出迎えてくれた彼女を見て、ぱっと頬をほころばせて。 マシンガンみたいに今日の体験話し出した**]
(178) khaldun 2010/08/15(Sun) 10時頃
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鳥使い フィリップは、メモを貼った。
khaldun 2010/08/15(Sun) 10時半頃
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―― if 自転車 ――
[「それ」が起こったのは学校にたどり着く直前の信号。 バス停から来る生徒と合流するような場所]
……ん?
[いきなり近寄ってきて、自身の拳を握るように言う男子生徒]
……………っ
[眉が寄る。面白くない。 振り向いて、むっと口尖らせた]
あらやだ、お兄さんてば積極的ー
[反射的に、カマ言葉で茶化すような声を上げた。 だって、面白くない。何コイツ]
(210) khaldun 2010/08/15(Sun) 17時半頃
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残念だけど、あてくし、そんな趣味はないんですの。 好みは可愛い女の子だから、あなたはお呼びでなくってよ。 一昨日いらして?
[自分じゃなくて、彼女にかけられた言葉ってのは知ってる。 だけど、あえてズレたことを言って、挑発的にふふんと笑って見せた]
[彼女が「彼女」じゃないって知ってるけど。 いつか彼女に彼氏が出来るって知ってるけど。 でも、ハンパな奴だったら殴ってやるんだ。 ……そして、俺がいるのにいきなり手順を踏まずに来るなんて、ハンパな奴に決まってるんだ。だから良いんだ]
[自己正当化完了。 後ろで彼女はどんな反応するんだろ。 ちょっと怖い。だから、あんま振り返っていられない。 ぷん、と前を向いた]
[……あー、早く、信号変わらないかな**]
(211) khaldun 2010/08/15(Sun) 17時半頃
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―― if 自転車 ――
……〜〜〜っ!!
[いらいらする。ほん、っといらいらする。 お義兄さん、って強調されたときは思い切り舌打ちして。 俺が兄で、そんなんされて許すと思うの、とか。 初対面で何ずうずうしいこといってんの、とか]
[でも後ろではアドレス交換とか始めてて。 ……信号無視して発進してやろうかなとか。 やんないけど。マリーに怪我させたら大変だから]
……手、離せよ。あぶねぇだろ。何考えてんの 行くよ
[マリーの手、握ってる手だけ叩き落として。 信号が変わるや否や、すっとばした。 一応、彼女が怪我しないようにだけ気をつけたけど]
(233) khaldun 2010/08/15(Sun) 20時半頃
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[むしゃくしゃする。何か知らないけど、むしゃくしゃする]
……マリーさ。 あんなナンパ野郎と友達とかになるの、やめなよ。
[思わず唇尖らせて、言った。 がしがしこぐ足は、ちょっと乱暴で。 それは、これから到来する激しい嵐の序章――**]
(234) khaldun 2010/08/15(Sun) 20時半頃
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