22 共犯者
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長老達とリンドクヴィスト夫人の会議の結果を受けて、
村では「生贄」を差し出す準備が始まった。
ざわめく村の中で、その真の意味を知るのは年寄りだけ。
それを知らぬ彼らの子や孫、ひ孫達は、年寄りの皺だらけの手を顔を見つめながら、陶酔しきった「年寄りの長話」に耳を傾けることになるだろう。
「今日は『祭』の日だ。
村は『生贄』――『贖罪の巡礼者』を探しているんだ。
祭で『生贄』となった者は、『エデンの園』をぐるりと巡り、森の神の力を与えられ、『浄化』されて還ってくるんだ。
そう――『生贄』に選ばれることは、我らこの村に生まれ育った者にとっては、この上ない栄誉なのだよ。久しき間……何十年もその『刻』は来なかったが、今年の『祭』はそれにふさわしいという御徴があったのだ。
さあお行き。
我らの家の『栄誉』の為に。
誇り高き『生贄』となり、『巡礼』の輪をくぐり抜け、『浄化』されて還っておいで。」
(#0) 2010/07/31(Sat) 08時頃
時が刻まれる度に、人が生まれて死ぬ度に、村の伝承は人々によって解釈され、そしてそのたび書き換えられる。
この村の真の成り立ちと刻んできた歴史を誰が知っているだろうか?
口伝のみによって支えられてきた伝承は、
その源流を辿ることなど誰にもできないのだ。
だから、伝承の由来と理由など、考えても仕方が無い。
己の父母も祖父母も、その前の世代も、
その伝承を見えない細い糸で繋げ、村の歴史を紡いできたのだ。
村の歴史を否定することは、
己の祖先を否定するにも似た脅迫感があるのかもしれない。
たとえどんな理不尽を要求されようとも。
だからこそ「これは伝統なのだ」と、
無意識のうちに「諦める」ことを年寄り達は知っている。
(#1) 2010/07/31(Sat) 08時頃
「そうか、行ってくれるかい。
それでは『咎の牒』を用意しておこうね。
これは次の祭で巡礼を出すことになった家に、
その祭りまで掛けておく慣わしだったものだよ。
『罪を犯した印』と言われているのだが、
この村ではこれを大切にしない者などいやしない。
ああ、もう二度とこれを見ることはないと思っていた。
大丈夫。やり方は、お前達にはもう伝えてある。
長い長い時をかけて。
今まで『御徴』が無かった頃にしていた時と同じように、
広場に集まって森をくぐり抜ければいいのだよ。
さあ行っておいで。我らの家の為に。我らの村の為に。」
(#2) 2010/07/31(Sat) 08時頃
「御徴」があった時の「祭」で一体何が起こるかを、
この村の年寄り達は知っている。
誇りと諦めをもって。
だからこそ、己の子や孫、ひ孫がそれに志願するというのなら、
この上ない喜びと、この上ない哀しみと共に、
「生贄」となり「浄化」の旅へと向かう
「贖罪の巡礼者」達の列を見送ることになるだろう。**
(#3) 2010/07/31(Sat) 08時頃
人々を、村を、大地を覆う天球に在る太陽は、
鮮やかな橙色の尾を引き摺りながら、
今日の役割を終えて、己の寝床へと帰る。
人々は夜の足音を聞き、広場に松明を灯し、
宵闇を迎え入れる準備を整える。
今宵は「祭」の最初の日。
人々の熱気と誇りと恐怖と畏敬の念は、
宵闇と松明の炎の狭間で、
すべて綯い交ぜになって高い高い天に昇る。
(#4) 2010/08/01(Sun) 12時半頃
そして祭の「巡礼者」――或いは「生贄」と呼ばれる――ものになることを「選んだ」人々が、広場に設置されたエデンの園(ラムドゥイーデン)へと集められたのだった。
その表情には、不安の色が浮かぶのか。
誇りの笑みが浮かぶのか。
或いは、別の何かか――…
それぞれの思惑を知ってか知らぬか、
宵闇に昇る月は、彼らを見下ろし、悠然と微笑んでいる。
「死」を伴うやもしれぬ「祭」の夜が、幕を開ける――…
(#5) 2010/08/01(Sun) 12時半頃
広場に設置された鐘の音が鳴る。
「巡礼者」達を森の中へと送る鐘の音が。
ひとつ、森の御使いの為に。
ふたつ、村の大地の為に。
みっつ、巡礼を見送る月の為に。
よっつ、森の御使いに捧げられた命の為に。
いつつ、巡礼の旅に出る者達の為に。
(#6) 2010/08/01(Sun) 21時半頃
そして祈りの鐘の余韻が消えた頃、
ひとりの長老が「巡礼者」達に号令を出す。
「『エデンの園』に集いし『生贄』達よ。
我らの罪を『浄化』するための旅に出よ。
そして『巡礼』の試練の輪をくぐり、
我らが再び森に生きる赦しを得るのだ。』
(#7) 2010/08/01(Sun) 21時半頃
―或る男の遺品のノートより―
「その時に、私は思ってしまったのだ。
『月が昇る頃に、また会えるのだろうか』――と。
獣とも人ともつかぬ、絶対的な存在。
次に会えば、かれを言い表す概念を見つけることができるのだろうか、と。
そして、その時、私はまだ気づいていなかった。
心のどこかで、『悲劇などきっと起こらない』と考えていた。
私の浅はかな興味が、村の人々を、ひとつ、またひとつと、不幸に導いていくことになろうことに――私は全く思い至らなかったのだった。」**
(#8) 2010/08/01(Sun) 22時頃
―イアンが記した草稿より―
「そして、ついに始まってしまったのだった。
この村の『伝承』――
外から来た者にとっては『因習』と呼ぶにふさわしいであろう、
『祭』の真の儀式が。
人が人を殺し、『森の御使い』が人を殺す。
それがこの村の『掟』なのだ。
それを護る者、それに抗う者。
彼らは全てこの村の『言い伝え』に翻弄されている住人であり、
そして、私達と同じ『人間』であるのだ――」
(#9) 2010/08/02(Mon) 00時頃
「彼らもまた、同じ秘密を共有する、
『共犯者』なのだ――…」
(#10) 2010/08/02(Mon) 00時頃
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