22 共犯者
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なんだかわからなくなってきちゃったんだ、おいら。
この村の神様や「ミツカイサマ」が、聖書の神様や天使様と同じなのか違うのか。
[もどかしげに、考え考え喋っている。
そして、ヴェスパタインが今自分の話を聞いてくれている事を、とてもありがたいと思っていた。 もしも、神様や「ミツカイサマ」に会ったなら、どんな風に話したらわかってもらえそうか、後でヴェスパタインに相談してみよう。]
(175) 2010/08/07(Sat) 14時頃
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……今のこの村ってね、アブラハムとヨブ、二人分の大変な事をいっぺんにやらなきゃいけなくなっているんだ。
でも、そんな事、普通の人にはできるのかなぁ?
大昔の人たちは、そんなにえらい人たちばっかりだったのかなあ?
おいらには、できない気がする。
(176) 2010/08/07(Sat) 14時頃
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― 自宅 ― [この部屋に入るのも随分久しぶり。 参加することを決めた時は、もう入ることはないだろうとも思っていたのです。]
最後のお仕事ってことになるんですかね…。 碧石ってゆっちゃったけど、素材がそもそもあったかな。
翡翠も混ぜるか… アレ、加工が難しいんだよ…。 ということでグリーンジェイド、と。
[暫くの間、作業に没頭していますがふとあることに気付きます。]
・・・イギリスに郵送ってこの村から可能?
(177) 2010/08/07(Sat) 14時頃
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―礼拝堂>>176― アブラハムとヨブ? ……ああ。 そうですね。普通の人には、大事な人を神に捧げることも、全てを失ってなお敬神の心を保ち続けることも難しいでしょうね……。 私にも、できません。
この村のご先祖様がそうしてきたなら、きっとそれには深い理由があるのだと思います。 きっと喪う苦しみを味わうことよりも、大事な何かが。
(178) 2010/08/07(Sat) 14時半頃
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>>178 それは神様を敬っているからではなく、もっと……。 悲しいけれど、とても現実的な理由なのだと思います。
[ 彼は本当に少し悲しそうな顔をした。]
こんなことをトニーに教えたら、ブルーノ司祭に怒られるかも知れませんが……。
昔の人は神様をとても恐れていたのですよ。 神様は本当は、凄く恐ろしい方なのです。 神様は御恵みをお与えになると同時に、何もかもを奪っていくことの出来る方ですから。 神様を敬わなければ生きてゆけないから、皆神様を懸命に拝んだのです……。
(179) 2010/08/07(Sat) 14時半頃
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御恵みを与えるのも、全てを奪うのも神様……。
[聖書には、確かにそれを思わせる挿話がいくつも書かれている。だが、目の前の青年が口にした話を聞くと、]
じゃあ、……神様は、おいらたちがそれを忘れてしまっていたから、怒ってんのかな。
(180) 2010/08/07(Sat) 14時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 15時頃
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―村のどこか―
[気持ちを落ち着けるように、ひとつ息をつく。 儀式が始まってから命を落とした人たちを思い返し。
唇を噛んだ]
……どうやったって、死者は取り返せない。 新たな死者を作るだけの儀式、か。
――ヘクターやっちまったら、もう、誰も死ななくなる?
[そうだといいと願う言葉をぽつりと呟き。 もう一度だけため息をついて。
それから教会にいくかどうしようかと迷いながら歩き出した]
(181) 2010/08/07(Sat) 15時頃
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[でも、と考える。]
だけどね、おいらたちはもう昔みたいには戻れない、 そうだよね?
だったら、おいらたちは神様と共にあるには、どうしたらいいんだろう……。
[そこまで言って、ふと気付いた。]
そうだ、お茶でも入れよう。 ヴェスにはお話聞いてもらったしさ。
(182) 2010/08/07(Sat) 15時頃
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―回想・巡礼三夜目の深夜・森の中― >>55 [マーゴの躯に牙を立てる。 その牙が喰い込んだ白い肉体から、 赤い珠が円状に広がっていく。
やがて、腹を裂き、紅い肉を喰らう。 淫靡な音を立てながら 彼女の血肉を己が肉体と同化させる。]
これで…マーゴは我らと一体となった。 彼らは我らと共に。 我らは彼らと共に。
[それはヒトの顔ではなく、 ただ獲物を喰らう獣の顔。 イアンはこの様子すらじっと見ているのだろうか。]
(183) 2010/08/07(Sat) 15時頃
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靴磨き トニーは、ランタン職人 ヴェスパタインに、何か食べるようすすめた。
2010/08/07(Sat) 15時頃
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―礼拝堂>>180― それはどうでしょう? 怒っているのかも知れませんが……
もしかしたら、神様は、ただ当たり前のように収穫を受け取っただけかも知れません。 実った麦の穂を刈り取り、育てた家畜を屠るように……。
[ そう語る青年の瞳は悲しみに満ちていた。]
(184) 2010/08/07(Sat) 15時頃
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―礼拝堂>>182― ――ああ。そうですね。折角だからいただきましょう。 ありがとうございます。
[ 悲しみの余韻は目の辺りにまだ残っていたけれど、青年は薄く微笑んでトニーに礼をした。 手近にある黒パンを取り、じゃが芋と魚のソテーを添えて食べ始める。]
(185) 2010/08/07(Sat) 15時頃
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―午後・教会―
[迷いながらも歩いていれば教会が見えてくる。 そっと扉を開いて中を覗き込んだ。
礼拝堂の中にトニーとヴェスパタインの姿が見えて、ああ、そういえば、と昨夜と今朝のやり取りを思い出す]
そいや約束してたっけ……
[ぼそりと呟いて、中に足を踏み入れた]
(186) 2010/08/07(Sat) 15時頃
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―真昼の森>>174― [ 口の端に浮かんだ笑みが苦いものに変わった。]
――あなたは本当に饒舌なんですね。 特に、心が他に何かを隠している時は。
(187) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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[程なく、ポットにお茶を入れて戻る。]
あれ、テッドいつの間に?いらっしゃい。
[新しい来客にきょとんとしながらも、笑顔で迎える。]
(188) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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―午後の教会―
[きょとんとしたトニー>>188にへら、と普段どおりに見える笑顔を向ける]
ん、さっきな。 ほら、昨日約束したし。
[と、つい先ほどまで忘れていた約束を持ち出し。 食事をしているヴェスパタイン>>185にも軽く手を振って、二人の近くへと寄った]
(189) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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―真昼の森>>187―
でも、いいです。 あなたはここへ来た。 今は、それだけで充分です。
[ 倒木から立ち上がり、ゆっくりとイアンに近付いて行く。]
お礼に、ひとつ、教えてさしあげます。
[ 一歩進むごとに、切なげな微笑と真摯な眼差しが、 冷たい熱を帯びはじめ、]
(190) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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―回想・巡礼三夜目の明け方・遺体安置室―
[誰もいない教会の地下納骨堂前の部屋に 安置されたニールの遺体に近づく。 遺体の血を舐め、嘗て味わった 「血族」と同じ感覚を感じ取る。]
我らが血族―――。 我らの代わりに、人の子の手によって還りし者。 祝福は我が与えん。
汝の肉体と魂は、我らと共にある。
[そう言って、パピヨンやピッパにしたのと同じように 肉体を捕食し始める。 ぽっかりと空いた腹部には、 聖地の土を詰め、また布で覆う。 彼らに一礼し十字を切ると、そのまま立ち去った。
そして、四夜目の巡礼へ―――]
(191) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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私は本当のことを話している時に一番嘘を吐いている。
[ 愉しげな揶揄の嗤いに変化し、]
――それを覚えていて。
[ 口唇が文節の最後を発した時には、]
(192) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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―四夜目の巡礼・夜・広場―
[今夜は一層ビリビリとした悪意が強く感じられる。]
ガキどもが…。 殺気を其処ら中に撒き散らしやがってよ!
[その感情に呼応するかの如く、 彼の闘争心も高まっていく。
オスカーやテッドと目が合えば、 鋭く睨み返しただろう。]
(193) 2010/08/07(Sat) 15時半頃
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―真昼の森>>192― [ 人ならざる「それ」として、イアンの前に立っていた。 「それ」は自分の体躯が彼に及ぼす影響を知り尽くしているかのように身体を摺り寄せる。 蠱惑を湛えて、月の金が煌めく。 寄せた顔、舌を閃かせ、淡紅の口唇を舐めた。*]
(194) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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―四夜目の巡礼・夜・森― >>193 [広場で巡礼者たちと言葉を交わしたかもしれない。
そしていつものように 一番最後に、森に、入る。]
今夜はあの片割れにするか? あの挑むような目。 神を畏れぬ不敬で愚かな思想。
同胞に危険を及ぼしかねん。
[それに―― 今夜は特に、血に飢えた気分だ。]
(195) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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−巡礼の夜・広場−
[森の淵から、広場を睨みつけていた。 ヘクターと目が合えば、静かに笑ってみせただろう]
・・・・・・鉛の弾って、効くんですか? 効かないんなら、それでいいんですけど。
(196) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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双生児 オスカーは、墓荒らし へクターの姿を横目で捉えながら、森の中を。
2010/08/07(Sat) 16時頃
飾り職 ミッシェルは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/07(Sat) 16時頃
飾り職 ミッシェルは、双生児 オスカーに話の続きを促した。
2010/08/07(Sat) 16時頃
飾り職 ミッシェルは、墓荒らし へクターに話の続きを促した。
2010/08/07(Sat) 16時頃
飾り職 ミッシェルは、若者 テッドに話の続きを促した。
2010/08/07(Sat) 16時頃
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>>196 あん? 俺に言ってるのか?
巡礼が始まる前に そんな下品なモンちらつかせんじゃねえよ。
[そう言ってオスカーに不敵な笑みを返し、 森に入っていく彼をじっと見つめていた。]
(197) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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―四夜目の巡礼・夜・森の中―
[今夜も巡礼開始の合図の鐘が鳴る。
巡礼者の中で最後に森に足を踏み入れたヘクターは 半人半獣の姿になると、森を駆ける。
そして、道を歩くオスカーを見つけると、 深い森の中へ勢いよく蹴り入れる。]
―――よお。 御使い様、探してんだろ?
(198) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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下品なモノ、だってさ。 下品な殺しをしてるのは、お互い様じゃないか・・・・・・
[銃身を懐から抜き取り、額に当てて目を閉じる。 それはこの森の神に向けての懺悔にも似て。だが、懺悔ではない。決して]
ミツカイサマ。 僕は、あんた達を恐れ敬うには・・・・・・すこし、癇癪を持ちすぎてしまったみたい。
[気掛かりなのは、同じく殺気立っていたテッドの事。彼もまた気づいたのか。 だが、今更確かめる気も起こらなかった。ただヘクターを捉え、機会を伺っていた]
(199) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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>>198 [深い森の中で、オスカーと対峙し、 黒髪の少年の手に握られた拳銃を目にする。]
なんだお前、銃持ってたのか。 なら、これァいらねえな。 せっかくお前の為に持って来てやったのによ。
[そう言って散弾銃を地面に投げる。]
まあ使うにしろ使わねえにしろ、 好きにするがいいさ。 その前にお前を肉塊にしてやるからよ。
[姿勢を落とし、戦闘態勢を取ると 獲物をじっと睨みつける。 牙が伸び、体躯も一回り大きくなった。]
…来いよ。楽しもうじゃねえか!!
(200) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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[蹴り込んできたその姿に、口元を吊り上げた]
・・・・・・もう見つけてるよ。 あんた、なんでしょ?
[銃を構えながら、だが、まだ引き金は引かない。常識では考えられない異様な姿に、怯む暇はなかった]
聞いていいかな、ミツカイサマ。
どうして殺すの? どうして殺させるの?
(201) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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双生児 オスカーは、粟立つものを感じながらも、ヘクターの瞳を睨み続けている。
2010/08/07(Sat) 16時半頃
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>>201 [彼の問いには明確には答えない。]
「ヘクター」が散々教えてやってたのによ。 まだわかんねえのか。
俺を前にしても、 まだそのような戯言が言えるか。
[オスカーから眼を離さず、じりじりと間合いを測る。]
(202) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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[テッドにもお茶を入れる。改めてテーブルに着くと、]
そうだ、ニールが「ミツカイサマ」に聞いてっていってた事はね、
一つ目は、“儀式以外で、誰か村の者を殺したことはあるのか”、 もう一つは、“契約を破棄する方法はないのか”、だった。
……ニールは、大昔の約束が、今の神様にもおいらたちにも合っているのかどうか、それが知りたかったのかな? なんだかそんな気がした。
[違うかも知れないけどね、そう付け加えると、お茶を口にした。]
(203) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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教えてもらってたなら、ごめん。 じゃあ、納得出来てないんだね。僕。
あんたがどんなに崇高で、偉いのだとしても。 僕にとってのあんたは、ただの、姉の仇だ!
[叫ぶと同時に、引き金を一度引く。 銃声が、高らかに、鳴った*]
(204) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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