204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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フィリップは、マグカップは 割れた形で見つかり眉を下げた
2014/11/19(Wed) 21時頃
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[ノックスとラルフのやりとりは耳に入れど留まらない。
――濃い、血のにおい。 ニコラが開いたときに篭った空気が漏れ出たのだろう。 駄目だ、あのにおいをさせ続けてはいけない。 早く、消して、しまわないと]
……温泉で、湯を汲んでこよう きれいにしたほうが、……いい な。
[血のにおいに酔わないように ――逃げ場を、せめて、残しておくために。]
(116) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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[目が覚めたのは、ノックの音がする>>86少し前。 寝る前に言った我侭を思い出し、今更恥ずかしくなった。 普段より接触が多い気がして、恥ずかしい反面、嬉しいと思うのも事実だ。
しかし、ノックと共に扉の向こうから聞こえてきた声>>87に、胸がざわついた。 そのざわつきの名前を知らないまま、胸を押さえる。]
……風呂。行ってくる。
[バーナバスが居ればそう告げて、荷物から着替えを出す。 風呂に入れば、この胸のざわつきもすっきりすると、そう思っただけ。
二人が一緒にいるところを、見たくないわけじゃない。 そう自分に言い聞かせて唇を噛む。]
(117) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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ー 一階 ー
…………
[割れてしまった マグカップを 拾い上げる 彼は 辛そうに 眉を下げて
食べる 食べない そんな話は聞いていた けれど シメオンと 時同じくして なんて 思っていなくって
割れた破片 拾い上げて ゆっくりと階段を見上げた]
(118) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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[心配げなフランシス>>114の視線には気づかないまま。
血の匂いに、瞳が揺れる]
……俺は、居間に、いることにする、ね。
[フランシスの手伝いで、血のある場所に向かうのは危険だと思ったから。 そういって、階段を下りる]
(119) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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……充分気を付けるんだよ。ラルフ。 彼にだろう?
でないと、フランシスが一番悲しむ。
[誰に負わされた傷か、見当ならつく。 掃除の続きをかってでてくれるフランシスに視線を向け、後は頼むと告げた。]
………
[誰にも――そぅ、誰にも譲りたくない。渡したくない。あげたくなんて――…ないのに。
淡雪の幸福を、選べない。
足は2階の床に着く。 これぐらいで良いだろう。
早く、タオルを棄てて。 手を洗って。二人を抱き締めたい。]
(120) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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ーーー???
[階段 人の住むところ どうしてか そちらからも 血の気配 眉をしかめて
……も ルーツが 早く上に と言うように 彼に足蹴り一つ ルーツは すっかり 上の温度に馴染んでしまって]
(121) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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―― 温泉 ――
[湯気で白く煙る視界。 ぴちゃん、と天井から滴る雫。 血のにおいは遠くうちに宿る獣も今は静か。]
――…はぁ。
[ずっとずっと堕ちきらぬように自制して。 自制し続けていれば近しい者を傷つけずに済む。 けれど、本能のままに、とうちなる獣の囁きが聞こえる気がして]
厄介な血、だよなァ。
[ぼやくように呟いて立ち上がれば ざば、と身体に纏わる湯が音立てて落ちた。]
(122) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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フィリップは、上に行くほど濃くなる匂いに困惑が隠せない
2014/11/19(Wed) 21時頃
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―ローアンバー/2階居間―
[そういえば。顔を合わせないと言ったのに、ラルフと会ってしまった。もう収まったのだろうかとゆるり考え。]
待たせてしまったかい? ……ただいま。
[毛布の繭2つ。炊事場の水でタオルを濯ぎ、棄てる。 念入りに手を洗い流してから、毛布ごと二人を抱き締めた。]
………
[目を閉じる。愛しい香り。 鍋の音に邪魔される。]
(123) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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[>>113肩に乗る軽い重さ。 温もりが心地よい。
こっちは暖かくて、あっちは冷たい。 それでもあっちは幸せだった。
今は。
悲しくてどうしようもなく悲しくて 虚しくて
幸せじゃない満足じゃない嬉しさじゃない、なにか。 なにかどろりとしたものに、体がすっぽり包まれていた。
多分それは 愛に似ている]
……? よしよし。
[なにかを考えているような顔をしたトレイルの頭を、撫でておいた]
(124) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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―3F― 居間、……人が居るんだよな? ……うん、ラルフ、あたたかいところに、急いで。
[ぽん、と背中を撫でる。>>119 声が、聞こえるのはフィリップだけならば――他の者がいるのはまだ大丈夫、だと 思いたかった。]
……ん。
[>>120 ノックスに頷き、階段を足早に降りる。 >>117 プリシラが向かうのとは、すれ違いになった。]
(125) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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―2F→1Fへ―
…!?
[階段を駆け降りている途中、 赤い鳥の羽が見えて>>121 ぎょっとし、立ち止まる。 しかし、その先、フィリップの姿を見とめれば]
駄目!……上に来ちゃ 駄目だ…!
[制止の声を、かけた。]
(126) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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――俺は、大丈夫だよ……
[ノックス>>120の言葉に、小さく首を振った。
もう会わないといわれたけれど、どうしたって顔をあわせるから。 なんでもないふりをしている。
……いまだって、そう、できるならば。 そんな思いは奥底に沈めて]
(127) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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― 二階/廊下―
[背中を撫でるフランシス>>125にうなずいたけれど。
ノックスが居間に入るのを見て、廊下でためらっている。
プリシラも階段を下りていったのが見えるけれど、声をかけることはないまま。 フランシス>>126が制止する声がきこえて、瞬いた]
(128) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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―ペチカ傍― [>>124ニコラに頭を撫でられるのが、久しぶりで 忘れられたわけではなかったのかと、瞳を細める。 満たされないのは、この先もずっと。 望みを見つけて、希望を見つけて でも 求めるものは手に入らないから 絶望して、諦めて、生きる。
その予定だ。
ノックスが>>123帰ってきて 毛布ごと二人で抱きしめられて ああ、もういいか と、息を吐いた。
ごとごとと、鍋が不穏な音に変わっている]
(129) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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ーーーー…………
[降りてきたのは 奇しくも探していた人 ルーツに早く進めと また蹴られるが 静止の声もあり 彼は 見上げて一つ頷いた]
…………あなたに 会いたかった
[割れた マグカップを手に]
(130) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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―1Fと2Fの間の階段―
[ラルフの心の機微を、フランシスはきちんと理解はできておらず。 居間の前で躊躇っているのを、焦っていて分からずにいた。 理由を説明する前に、フィリップが口を開く>>130]
……おれ に?どうして…?
(131) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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ー 二階に続く階段 ー [ぎゃあ ぎゃあと 耳元で ルーツは騒ぐ それでも 彼を置いて 本鳥だけ 上へ向かわないのは ルーツなりの情か]
[フランシスの 疑問に こくり と頷く]
…………ラルフの 説得を 手伝って欲しい から [静かに 感情を込めず 口にする 衝動の時とは違う また 別の寒さを感じる]
(132) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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ん? ぎゃああぁっ!
[みっともない悲鳴が出た。>>129]
ニコラ、これ!
[卵形の宝石箱と、着替えを押し付けてから立ち上がる。 鍋から煙。焦げているかもと蓋に手を伸ばし。]
熱っ!
[ノックスの手から離れた蓋が、床の上に落ちた。]
(133) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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フィリップは、居間から変な悲鳴が聞こえてきて視線をそちらへ向ける
2014/11/19(Wed) 21時半頃
ラルフは、ノックスの悲鳴にはっとして
2014/11/19(Wed) 21時半頃
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―ペチカ傍― [慌てたノックスが立ち上がる姿。 潰れた悲鳴。 滅多に聞かない音に驚いて、 両手で耳を押さえてすくみ上って
避けるのを忘れた。 熱せられた蓋が 二人の方へ転がってくる]
(134) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[>>129なにか消えちゃいそうな感じが、トレイルからはよくする。 けどなんて訊けばいいのかわかんないし、聞いてもきっと聞こえない。
だから、ただ念入りに頭を撫でて]
おかえり。
[>>123毛布ごと二人、抱きしめられて。 身を捻って、おかえりを言う。
目を閉じる彼をぼんやり眺めながら。 今日、まだ笑ってないことに気が付いた。
手の中の目玉を、そうっと転がす]
お鍋。
[指さす音の方向。 ごとごと。]
(135) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[そっと扉を開け廊下に誰も居ないことを確認してから部屋を出る。 漂う、昨日しなかった匂いに眉を寄せ、しかしその原因までは思い当たらない。 階段を下り、一度居間の方を見たが、そのまま階段を下りた。
彼ら>>126とは違う階段を使ったのはたまたまだったが、そのまま一階に着いて、またどこかからする匂いに首を傾げる。]
……気のせいか。
[呟き、温泉の扉をくぐった。 そこに、先客の服が畳まれ置かれていることに気付かないまま服を脱ぐ。
身に着けているシルバーのお守り。 温泉では酸化して黒くなる場合もある為迷ったが、そのままつけて入ることにした。
先客がいると気付いたのは、湯気の向こうからお湯の音がした時>>122。]
(136) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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― 二階/居間―
――なにが、あったの?
[ためらっていた居間の中へと足を踏み入れる。
トレイルと、ニコラ。
血の匂いが強いのは、ニコラで。 ちらりと彼をみるけれど。
悲鳴を上げたノックスのほうへと、すぐに視線を向けた]
(137) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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―1Fと2Fの間の階段―
[とん、 とんと階段を2段降りて、止まる。 じ、と孔雀石のような色をした眼を、見据え]
……ラルフの、説得?
[聞き捨てならない理由だ。表情の真剣さが増す。]
詳しく、説明してもらえるかな。 ……先祖がえりのことは、……聞いてるから。
[声を潜め、続きを待とうとしたとき――>>133 素っ頓狂な悲鳴が上がった]
(138) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[悲鳴があがった>>133]
ん。
[慌てた様子で箱を渡して、鍋に走り寄るノックスをぼんやり見送って。 手の中の卵型、ぱちんと開く]
……。
[小さな、丸い宝石箱の中。 まだ輝きを失っていない宝玉を、そうっと入れる。
きらきら綺麗]
あー……。
[がらんがらんと大きな音がして、お鍋の蓋が床に転がったのが見えた。 ぱちんと宝石箱を閉じて、大丈夫?って首を傾げる]
(139) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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―前日― [頑是ない養い子の我儘とも呼べぬ我儘に>>2:515、笑みを浮かべて頷いた。]
暖かい抱き枕があるんなら大歓迎だ。
[そう言って抱きかかえた体は男よりも随分細い。
思えば男が恋をして駆け落ち同然に最初の旅の同族達から離れたのは、プリシラよりもまだ幼い歳だ。 その時の男と比べても細っこくて少年の名残が色濃いプリシラへ、牙を突き立てたい欲求はあれど、むやみに泣かせたいわけではない。]
(140) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[>>134ごろごろと転がってくる蓋を見ても、なんだかまだぼんやりしていて。 トレイルは固まっちゃってて、僕もぼんやりしていて。
ただ、トレイルが危ないなって思って、卵を持った手と反対の手を伸ばす]
あつっ、い
[じゅ、と音がした。 眉を顰めて、それから>>137ラルフのハテナになんと答えたものかと小首を傾いだ]
(141) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[内側で爪を研ぐ獣の衝動は、大小の波となり男を襲うけれど。 それを飼い馴らすことに、とうに身は馴染んでいた。
否、あるいは既に一つのものとなっていたのか。
牙に、爪に、悩みながらそれを在る物として受け入れて。 人の心と獣の心を併せて、生きる術へと変えていく。
疲れないわけではない。 けれど、抱きしめた養い子の命を、存在を、尊いと思うのは人の心で、守る存在だと決めたのは獣の心で。
人と獣の両方で愛していた。*]
(142) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[真剣な表情を見上げる 階段の下]
ーーーー…………
[そう もう知っているのか と 孔雀石は納得しながら こくり 頷いたけれど
…………悲鳴に どうしよう と 言うように 視線彷徨わせて]
(143) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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―― 温泉 ――
[眼帯なく前髪は下されて以前会った時と風貌は少し変わる。 湯殿から出ようと出口に目を向けた時 湯気の向こうに人影>>136が見えた。 流血沙汰があったことは知るが惨状は知らない。 だから、知る者よりは少しばかり警戒心は薄く。]
……ン。
[目を細めてピントをあわせれば誰かわかり]
プリシラ、か。
[覚えていた名を紡いで]
もう出る。 邪魔したな。
[短い言葉を掛けて出入り口へと歩む。]
(144) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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[熱い熱いと手を振っていたが、視界の端で転がっていく鍋の蓋。
その先は――…>>134>>139]
っ!
[手を伸ばすよりも脚を伸ばす方が早いからと、滑りこむ。 ――が、蓋はニコラに掴まれて止まる。]
(145) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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