315 【La Mettrie〜存在という機械が止まる時】
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「時々、あなたが羨ましくなる。 男の子の方が、自由で、楽しくて、安全なのよ。 女になんて、なるものじゃないわ」
[そう言いながらも、姉さんは あの日からどんどん綺麗になった。 髪から爪先まで艶やかに手入れをして 頬にはさっと紅を引いて あの、どこか物憂げな瞳で、 男の人を見上げることを覚えた。 おれ達の宿に泊まる客は男性客ばかりで、 みんな姉さんが目当てだ。]
(82) 2023/01/03(Tue) 19時半頃
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[だけど、おれはあいつらが 姉さんを見る目が嫌いだった。 好きでもないくせに、 男を頼る姉さんも嫌だった。 おれの不満そうな顔に気づくと 姉さんはいつも「マリオ、外で遊んでらっしゃい」と 追い払った。
だから、おれは姉さんが あの客たちと何をしていたのか知らないと、 そう、姉さんは思っていただろう。]
(83) 2023/01/03(Tue) 19時半頃
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[気持ち悪い笑い声 荒い息遣い 獣のようなうめき あいつらは、明るい日の下では 姉さんをちやほやするくせ 誰も居なくなると、あれこれと命令した。]
「姉妹だったら良かったのにな」 「まとめて可愛がってやれたのに」 「ガキでも、すぐに大人になる」
[すべてが終わった後は、いつも男が先に出てくる。 姉さんは平気な風を装っていたけれど 男が出て行ったあとはいつも 目が少しだけ腫れていた。]
(84) 2023/01/03(Tue) 20時頃
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「──マリオ」
[初めておれが客を呼び込みした日>>135、 姉さんは短く言い切った。 呼ばれたのだと気づくのには、 随分時間がかかった。 自分の名前じゃなかったから。 姉さんは手招きをして、自分の膝に座らせた。 姉さんとお揃いの髪が撫でられる。 お揃いに伸ばした髪を。]
「ずいぶん伸びたのね。そろそろ切りましょう」
姉さんの方が長いのに?
「私はもう、女性だもの。 だけどあなたは伸ばしていたらおかしいわ。 ……私の小さなマリオ。姉さんを守ってね。 あなたは勇敢で、強い、男の子なんだから」
(85) 2023/01/03(Tue) 20時頃
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[あの日から、おれの髪は短いまま。 髪を伸ばすことも、 柔らかくて丸みのある体になることも 姉さんは決して許さなかった。 姉さんはおれを嘘で包んだまま、死んじゃった。 おれも、守られているのは気づいていたから 我儘は言えなかった。 本当は、勇敢で力の強い男の人になるより 姉さんと一緒に髪を結って、爪をきれいに塗って、 頬に紅をさして、笑い合いたかった、なんて。]
(86) 2023/01/03(Tue) 20時頃
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[──口笛の音>>71で、我に返った。 フェルゼお兄ちゃんはそうやって エンジェルシイラを呼ぶらしい。
拳よりも大きな眸が ぎょろっと動いて、おれを捉えた。 思わず逃げ出したくなったけど フェルゼお兄ちゃんから 離れないように言われていたから 震える足で、その場所に踏ん張った。]
尻尾……うん。 分かったけど、捕まるところなんかあるかな?
[馬みたいに鞍や鐙をつけているわけでもない。 だけど四つん這いになってえっちら登れば 杞憂だと気づいた。]*
(87) 2023/01/03(Tue) 20時頃
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[自分より一回りくらい小さそうな マーゴの手を引いていると、 ふと、昔の事を思い出す。
まだ屋敷のご令嬢が小さかった頃。 自分自身も少年と言える年齢だったが、 体格はほぼ出来上がっていたから、 8歳の年齢差がやけに大きく感じた。
森で迷子になって泣いている令嬢を見つけて 手を引いて帰って行く道すがら、 小走りでついてくる少女が 鶯のような声で話しかけてくる。]
"いつもラルフがみつけてくれるから、 わたし、ラルフのことしか待ってないの"
(88) 2023/01/03(Tue) 20時半頃
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[お父上が聞いたら嘆きますよ、とたしなめながら 森の出口を目指して進んでいく。]
"ねえ──、ずっといっしょにいてね?"
勿論、ずっと居ますよ、一緒に。
[使用人として、という言葉は心の中で付け加えていた。]
(89) 2023/01/03(Tue) 20時半頃
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>>81
はい、彼女は、女性です。 だから、まだ、優しい。
[そんな表現をする。 シイラが目の前にいない時、何をしているかは、 本当に知らない]
それにとても綺麗な女性です。 昔の名前は、ヨーランダ、だと聞きました。 ヨナと呼ぶと、きっと、言うことを聞いてくれます。
[そんね秘密をマリオに話す。 なぜかな]
(90) 2023/01/03(Tue) 20時半頃
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>>87 [そして、空の旅から、 ラメトリーまでは、行きよりもずっと速く。 その間、マリオとはどんな話をしたか? それとも無言だったか。
いずれにせよ、 エンジェルシイラが向かうのは、 水が沸くところ。
そこには、 彼らがいるだろう]*
(91) 2023/01/03(Tue) 20時半頃
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[何故、彼女はもう居ないのに 自分はこうして生きているのだろう。 気を抜くと絶望の淵から転げ落ちそうになる。
無意識に、マーゴの手を引く力を強めては、 はっとしてふたたび緩める。 そんな動作を繰り返すうちに なにごとも無く中庭に到着した。
すぐに離れて厨房に行くマーゴの後ろ姿を見届けて じっと自分の手──大きくて傷だらけの、 大事なものを失った手を、見つめた。]*
(92) 2023/01/03(Tue) 20時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2023/01/03(Tue) 20時半頃
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【生命の泉】
ああ、血の匂いがするみたいですね。
[エンジェルシイラが泉の側に舞い降りる。 黒い、そして、ギロロとした眸。 キュオオオーーーンと鳴き声をあげる]
あの人が、死にましたか。
[見ていないのに、そう呟いた。 まるで、シイラから聞いたみたいに]*
(93) 2023/01/03(Tue) 20時半頃
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……機械だ……>>71
[もやもやとした闇の中では エンジェルシイラの体の仔細までは分からない。 だけど、触れた感覚は冷たくて硬い。
言われたとおりに出っ張りを掴むと フェルゼお兄ちゃんは、 慣れた調子で跨った。]
(94) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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う、ん……わっ!
[エンジェルシイラは一瞬、体を低くすると 反動をつけて地面を蹴る。
お腹と声を置き去りに、 おれ達は空へと飛び上がる。
バサバサと羽ばたく音、 風がピュウピュウ切れる音で フェルゼお兄ちゃんの声はもちろん 自分の声だってかき消される。 最初は風が染みて、 まともに目を開けられなかったけれど 慣れて来たころに、うっすらと世界を見下ろせた。]
(95) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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[毒の星雲がもうもうと渦巻いて>>72 地上にまとわりついている。 地の裂け目からは星の血が覗き 膿んだ海に魚影は無く、 代わりにエンジェルシイラの影が落とされた。
ラメトリーの街だけが 唯一、見覚えのある白い光を携えている。 昔は見えた、夜にそそぐ銀月の光にも見えるけど もっと身近で同じ色を見た。]
(96) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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綺麗な水があれば、ラメトリーなら、 みんな生きていけるのかなって、 そう、思っていたんだけどな……
[終わり逝く世界を目に焼き付けながら 溢した声は、風にさらされた。 ラメトリーと同じ光を宿した フェルゼお兄ちゃんには 聞えなかった、はずだ。
エンジェルシイラなら聞き取れたのかもしれないけれど。 まさか、フェルゼお兄ちゃんに彼女の言葉が分かるとは 思ってもいなかった。]**
(97) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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>>90
[ヨーランダ。ヨナ。 口の中で呟いてから、大きな翼を見上げた。 彼女が綺麗かどうかなんて おれには判断がつかない。 あまりにもおれ達とはかけ離れすぎて。]
……もとは人間だったの? フェルゼお兄ちゃんは、 その時から仲良しだった?
[そんなことも、聞いただろうか。]
(98) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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[空を飛んでいる間は>>91 フェルゼお兄ちゃんと話す余裕はとてもなかった。 だから、無言で帰ってくる。
やがて、地上に降り立った時 おれはエンジェルシイラの背中をそっと撫でて 「ありがとう、ヨナ」とお礼を言った。]*
(99) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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[ロイエにも妹がいると言っていた。 どんな妹だったのだろうか。 どうしたら… 妹とうまくやっていくことができたのだろうか。
ベッドの脇に座り込んで蹲ると、否応なしに昔のことが胸の奥に蘇る]
(100) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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[自宅の敷地の中には、常に他人の姿があった。 家族を亡くしたこどもたちや、その支援をする人たちも。
彼はそんな中の一人だった。 読書好きというところで話が合い、少しずつ打ち解けていくうちに、男手が足りなくなった家へ彼が手伝いに来てくれるようになったのは必然だった。 慣れぬ手つきで懸命に、高いところの枝を落としてくれる姿に好感を持っていた。
『どうする? 薪用に乾かしておこうか?』 ありがとうございます、お願いします。
額に浮かぶ汗を拭うものを渡そうとした手を捉えられ、熱に浮かされたような表情で気持ちを伝えられたのは、夏の暑い日だった。]
(101) 2023/01/03(Tue) 21時頃
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[私たちは静かに気持ちを育てているのだと思っていた。 私たちの周りにはいつも妹がいた。快活な妹はいつだって纏わりつくように周囲にいたから、3人で過ごすうちに夏が過ぎ、実りの秋がきた。]
どうしたの? そんなにおめかしして
[その名の通り妹は、夏の花のように明るく眩しい。 明るい色の髪に花を飾り、無邪気に笑う妹は、姉の眼から見ても眩しかった。]
『だって、今日はお祭りなんだもの。』
[続く言葉が残酷に響く]
『あの人に誘われたの。 だから今日は2人で出かけてくるね』
[ああ、その時 私は、いったいどんな表情をしていたのだろうか]
(102) 2023/01/03(Tue) 21時半頃
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[キュオオオーーーンと鳴き声がして、白昼夢から引き戻される。 エンジェルシイラが帰ってきたのだ。
フェルゼやマリオは一緒だろうか。
もう一度ロイエにお別れを告げると、階段を駆け下りて中庭へ]*
(103) 2023/01/03(Tue) 21時半頃
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― 廃墟庭園 ―
[卵を奪われ荒れ狂う番の巨鴉を、男の右腕からのびた紅い蔦が搦め取り絞め殺す。 作業のように喰らいついて血を吸い上げると、蔦蔓紋様は生き生きと右手の甲から腕全体を埋め尽くした。 それでも、胸の上の蕾は固く閉じたまま。獣の血では咲くことはない]
いよいよ 化物じみてンなぁ 落ちた男より オレの方がよっぽど――
こんな 醜い クソっ あいつらに 見られたくねぇよ
[煤けたような黒斑の卵を三つポケットにしまいこむ。 割ったことも食べたこともないが、毒見担当者に頑張って貰おう。
纏う布の端を歯で裂くと、右腕の侵食を隠す包帯代わりに巻き付けた。 頻度を増した眩暈に覚束無い足取りで、噴水の中庭へと歩を進める]
― →中庭へ ―
(104) 2023/01/03(Tue) 21時半頃
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[一度思い出し始めると、次から次へと湧き上がってくるもののようだ。
あの日、恋人と妹が戻ってきたのは、日付も変わろうかという程遅い時間だった。妹はひどく上機嫌で――さらに美しくなったように見えた。
どうして?と聞きたかった。 隣にいて、と言いたかった。
けれども、代わりに出てきた言葉は――]
あまり遅くまで連れ歩かれては困ります。 あの子も嫁入り前なのですから。
[バツの悪そうにしていた彼も、私の言葉に堰を切ったように私を責めはじめた。]
『君はいつも冷静で、他のことを優先する』 『君が拒むから』
[彼の言葉に、そうなの、と返して微笑むのが精いっぱいだった。 こんな自分よりも、明るくて朗らかな妹の方がいいに決まっている。]
(105) 2023/01/03(Tue) 22時頃
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[庭園から小径にさしかかったところで、響く轟音に頭上を仰ぎ見た。 もとより昏い靄がかった空、尚深い影を落とすエンジェルシイラ。 視界は腹側でいっぱいだったから、その背に跨がるシルエットには気づかない。 ただ、随分低いところを滑空しているなと思ったら、噴水の方に降りてゆく]
いよいよ 喰われる……?
[パックリ割れた果実のような頭蓋と臓物の惨状を思い出して、ぶる、と背筋を震わせた]
(106) 2023/01/03(Tue) 22時頃
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[―― いつだって、妹が羨ましかった。]
(107) 2023/01/03(Tue) 22時頃
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[なのに、私は。
妹が化け物に襲われて亡くなったあの日 血に塗れて欠損した妹の抜け殻を見て、安心してしまったのだ。
誰にも言えない、醜い感情を、私も抱えている。]*
(108) 2023/01/03(Tue) 22時頃
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マーゴは、エンジェルシイラから降りるマリオが見えれば、おかえりなさいと腕を広げたことでしょう
2023/01/03(Tue) 22時頃
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― →古城 厨房へ ―
[誰かと顔を合わせるのが気まずくて、噴水とエンジェルシイラを遠巻きに迂廻する。 人目を避けるように、暗い壁際と死角を移動する様は、盗人と大差ない。 厨房に忍び込むと、マーゴの手で整えられたのだろう食卓が目に入った。 くつくつ煮詰まるシチューの匂いは、残念ながら馨しく感じられなかったが、殺風景な廃墟に仄かに灯った明かりに、晩餐会の和やかさが想像できて、唇が薄く弧を描く。 ミタシュの無事と、フェルゼとマリオの帰還を祝える宴になるといい――]
(109) 2023/01/03(Tue) 22時半頃
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[そこに自分の席があることが、嬉しくて申し訳なくて、震える唇を噛み締めた。 がり、と滲む血の味に、喉奥から漏れる嗚咽が止められない]
オレは 喰えねぇて 言ってンのに
――莫迦だな ほんっと
[自嘲気味に吐き捨てて、約束の蜂の巣と三つの卵を簡素な食卓に並べ置く。 それから来た時と同じように、忍び足で厨房を抜け出した]
(110) 2023/01/03(Tue) 22時半頃
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──泉のそば──>>93
[ヨナの背中から降りると 髪からパラパラと砂が落ちた。 ずいぶん土埃にまみれたから 髪はほつれてごわごわだし 色だって黄色くくすんでいるだろうな。
帽子は、風で飛ばないように お腹に挟み込んでいた。 帽子の中にしまっていた風花は 崩れることなくおさまっていたから 少しホッとした。 ロイエお姉ちゃんへのお土産、 潰れちゃったら悲しいもん。
地面についても、まだ体が慣れていなくて ふわふわと浮いてるみたいだ。 湿った水の香りだけしか感じないけど フェルゼお兄ちゃんは違うらしい。>>93]
(111) 2023/01/03(Tue) 22時半頃
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