24 明日の夜明け
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[『ソフィア』は、哂う。 見慣れた顔で、聞き慣れた声で、悪魔のように、裁きを下す閻魔のように]
『もし百歩譲って、お兄ちゃんがいなかったとして。 どうして、わたしがあんたを好きになると思えるの? 本当の自分を隠してるあんたを。嘘しかないあんたを。偽者同士でも、ごめんだわ』 [呵呵と笑う少女を尻目に、ドアノブを捻る。 『ソフィア』によって施錠されたドアが、開くはずもない] 耳が痛ェよ……
『ほら、この期に及んでその口調。あの人に言われてしかたなく? センス・オブ・チェリーブロッサムのイメージを壊さないため? 嘘。あんたは怖かっただけ。人に傷つけられるくらいなら、自分から遠ざければいいって、強がって』
(50) 2010/08/12(Thu) 23時頃
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よわむし。よわむしらしく、絶望しながら死になさいな!
[ドアノブが、ぬめった。 ナイフを拾った『ソフィア』が、振り返りざまに入り込んできて――今度は、腹] [避けずに――彼女の懐から、鍵の束を抜き取って、……優しく、突き飛ばす。 たとえ偽者であるとわかっていても、殴れはしなかった。 ……鍵を開けて、彼女を閉めだして――下へと、向かう]
[階段は、もう降りるというよりは滑り落ちるようなものだった。 足の力が、抜けていく] [いろいろと、わかったような気がしていた。 カルヴィナのあの言葉、溶けていった人たち。だけど、きっと、……すべて、メアリーが。 ここで死ぬのなら、……最後に、一言だけでも、伝えておきたかった]
(51) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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―― 伝説の樹 ――
[霧の中、サイモンの声が聞こえる]
『先輩、どうして僕の代わりに死んでくれなかったんですか。 ひどいですよ』
[カルヴィナの声が聞こえる]
『フィリップ、私があの情況で生き残れると思ってたのか?』
[テッドの声が聞こえる]
『見ててむかつくんすよね。 そんなに言うならさっさと死ねばいいじゃないっすか』
[ソフィアの声が聞こえる]
『てゆーか、なんで私うめられちゃったの……? 暗くて、怖くて、冷たいよー』
(52) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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[ラルフの声が聞こえる]
『皆で生きようって言ったのにね。 次々死なせちゃってるじゃない、俺たちも』
[目を閉じて、全部振り切るように、走った]
……違ぇ、違う、ぜんっぜん違ぇよっ!! そんなんじゃねえ。あいつら、そんなん違ぇよ。
[ぐるりと大回りした先。 霧の中でも光る実が見えて、叫ぶ]
……メアリー!!
[ほんとうのメアリーを探して]
(53) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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……っ!……っ。 はぁ……。っ。
[心臓の辺りを押さえて。ぺたり座り込む。 その時、こちらへ近付く声>>53が聞こえた]
フィル!?
[立ち上がって、名前を呼ぶ]
(54) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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花売り メアリーは、始末屋 ズリエルに話の続きを促した。
2010/08/12(Thu) 23時半頃
花売り メアリーは、鳥使い フィリップに話の続きを促した。
2010/08/12(Thu) 23時半頃
始末屋 ズリエルは、花売り メアリーに話の続きを促した。
2010/08/12(Thu) 23時半頃
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―― 伝説の樹 ――
[伝説の樹の根元。座り込んでいた人影が立ち上がった。 名前が呼ばれる]
……メアリー!
[顔が、ほころんだ。彼女の前に駆け寄る。 偽者かもしれないとは、思わなかった]
[樹の周囲を取り囲むように。 サイモンもどき、カルヴィナもどき、テッドもどき、ラルフもどき、ソフィアもどきが徐々に近づいてくる]
(55) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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フィル! ほんものだ。
[傍に来たフィルの腕を、ぺたぺた触って確認しつつ、にこり。 間違いない]
(56) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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だれかの一番になりたい、……誰かの
[ひとりになったあの日から、ずっと願っていたこと。 そのくせ、樹に願うことは、どうしてもできなかった。 性格を変えてくれるように願って、僕が僕でなくなるのが怖かった。 だれかの一番にしてくれと願って、誰かの心を歪めるのも違うと思った。 自分で自分に言い訳をして。 せめて、曲でだけでも。 一部分だけでも一番になれればいいんだなんて、強がって] だれの一番にもなれない、 だれにも必要とされない、 ひとりのままで……
[あるいは、『ソフィア』が言ったように。 勇気を出して、本当の自分を見せていたら――違う結末が、あったのだろうか] [目がかすみはじめた。今、自分がどこにいるのか。 それすらも、もう、よくわからなくなってきていた。 半ば這いずるようにして、メアリーを探していた]
(57) 2010/08/12(Thu) 23時半頃
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[樹の周囲を囲むように表れた、友人、先輩。 偽者だと最初から思っている自分には、むしろ間違い探し状態だ]
みんな微妙に違う!むしろ失礼!!
[ぶん!]
[バットで{4}体迎撃。それはドロリと溶けて。 新たな友人の姿となる]
……。
[トオイメ]
(58) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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―― 伝説の樹 ――
無事で、よかった。遅れて悪い。
[大きな怪我がない様子にほっとした。 次いで、ぺたぺた触られて。首をかしげた]
ほんもの……?
[足音が、聞こえる。 霧の中、偽者たちの迫る音がする。 無事な方の手を差し出した]
……逃げよう。奴らが来るから。
(59) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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[……言ってから。 メアリーの攻撃に、少し目を丸くした]
(60) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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ううん。来てくれてありがと。 うん。さっき偽者のフィルが……。
[言いかけるけれど。 その刹那、沢山の足音が聞こえてびくりとして]
[差し出された手は掴むけれど]
でも、『実』を守らなきゃ。
[ここを離れたら実が危ないと、不安気に告げる]
(61) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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[寒い。重い。……暗い。 暗闇のなかで、探していた少女の声が聞こえたような気がした。 もしかしたら、偽者なのかもしれない。けれどもう、それを確認するほどの力もなくて] そこに、いるか……ねェ? もう、いなくても、いいか。
実は、間に合ったの……かねェ……間に合ってれば、いいねェ……
もし、――
[遺されてしまうのなら、せめて、待っているから、などと。 言おうとした言葉が、伝えようと思ったあまりに不吉だと、そう気づいて] ……は、はっ。 まだ、君の友達でいて、……いいのか、ねェ……
[土の冷たさが、気持ちよくて――いつまでも眠れそうな気が、した]
(62) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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[隣で目を丸くするフィルを見て、言う]
……強く、なったでしょ。 負けないよ。
[少し恥ずかしそうに。でも、くすりと笑って]
(63) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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―― 伝説の樹 ――
[守らないと、といわれて林檎みたいな不思議な実を見上げる]
………ん。あと、ちょっとだ。
[間に合わないなんて、知らない]
おう。頼もしい。負けそうだ
[強くなったという彼女に、そう笑いかけて、向き直る。 それでも、友人の、見捨てた相手の姿をしている敵には眉をひそめて……]
[何かが這いずる音がした]
……メアリー。あれ。
[霧の奥の姿を指し示す]
(64) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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[途切れ途切れの、友人の声が聞こえて、びくりとして。 そちらを見た刹那。 フィルの声>>64も重なる。間違いない。あれは]
……ズリエル君!! フィル、ごめん。ちょっと実、お願い。
[そう言って、駆け寄った。そして、聞いた]
『まだ、君の友達で――……』
何!?しっかり、して!!! ズリエル君!!
(65) 2010/08/13(Fri) 00時半頃
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[手を握って、名を叫ぶ。 『君』が自分を指すとは気付かない。だって。 自分にとっては途切れる事なく、疑い様なく。 大切な友人だったのだから。けれど]
ズリエル君を、『大切な友達』を失うのはもう嫌!!
[手を握りながら、叫んだ]
(66) 2010/08/13(Fri) 00時半頃
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[もう、何も聞こえない。 小さく、誰かのぬくもりが伝わったような気がして。 最後の息を吐き出すようにして、口を動かす] ……ありが、と……
[誰かの祈りに支えられるようにして、細々と―― ちゃんと伝えられただろうか? もう、確認することはできない]
(67) 2010/08/13(Fri) 00時半頃
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