人狼議事


296 ゴールイン・フライデー

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【人】 宿屋 ルパート

[日曜はサバのサンドイッチを寝起きで食べた。
 近所のパン屋で買ったバケットに、塩で揉んだ玉葱スライスとレタス。それに塩とオリーブオイルで漬けこんで焼いた青魚。たっぷりとレモンを振るとオリエンタルな味がして素朴な幸福感を覚えた。

 金曜日の彼は、見知らぬ中年の精神安定および生命維持に貢献しているなんて知らないだろう。―――― 知られたくもないが。

 知るのは恐いが、知られるのはもっと恐い。

 なにせ彼は見るからに昼の世界の住人だ。
 自身のように暗幕の裏側に逃げ込む輩とは違う。]

(58) 2019/05/18(Sat) 16時頃

【人】 宿屋 ルパート

[製作途中の靴を持ち上げ、一針を革に通す。
 工程の全ては手作業で、指皮は硬く、乾いて荒れている。
 
 金曜日の彼の靴も作ってみたいと思うが、思うだけだ。
 いつも俯きがちの己は彼の人柄を良くしらないから、滲む善性を信じ切れない。
 唯一の誇りを捨てられるのが恐い。

 いや、見知らぬ中年から靴を押しつけられれば、そもそも恐怖を抱いて仕方ない。年老いたゲイからの好意なんて迷惑なものだ。]


 ……今日も、良いことがあるといいな。
 あの人に。


[出来ることと言えば、無責任に彼の安寧を願うだけ。
 色々不器用そうだから。と言うのは願望への言い訳。]

(59) 2019/05/18(Sat) 16時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[瞼をおろす。

 思い出すのは彼の足。
 日々の疲労が溜まる足を、眠るまで撫でてやりたい。]




 ………痛っ

[――― 惚けていたら針で指を刺した。きっと天罰だ。]

(60) 2019/05/18(Sat) 16時半頃

【人】 公安部 カガ


[日曜日。
 実家から逃げるように離れ疎遠になった筈の
 妹が自宅の前に立っては微笑んでいた。

 これが金曜の夜じゃあなくて良かった。
 土曜の朝じゃあなくて良かった。
 心底安堵しながらも昼食に誘った。

 トマトとバジルがたっぷり乗ったブルスケッタ、
 ズッキーニの花のフリッティに
 ムール貝とイカや海老の入ったペスカトーレ。

 デザートに芳醇な味わいのティラミスを提案し
 身なりはいつも通り整えてながら向き合った]

(61) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ

  バレていないと思っていたんだけどな。

[とうもろこしとじゃがいもの冷製スープを
 口に含みながらも妹は愛らしい顔を緩ませた。
 彼女の手にあったのは一冊の本。
 表紙を見て顔を覆いたくなってしまった。
「これ、兄さんが書いた本でしょう?」
 問いかける妹に何を告げてた所でお見通しだろう。
 仕方なく頷きながらも新しく作った砦が
 また一つ足場から崩れるような気がした。

「呼んだけどとても素敵なお話ね。
 はじめて恋を知った男性が女性と結ばれるまでの
 葛藤や苦悩がとても共感できたもの」
 妹は楽しそうに笑って語る。
 愛しく可愛い俺のソレッラが微笑む。
 顔を覆いたくなってしまった。

「兄さん、恋をしているのね」
 聡い彼女に言い当てられてしまうから]

(62) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[「どんな人?会いたいわ」

 薬指に銀色の指輪を煌めかせながら
 緩やかに微笑む妹は心配そうな顔をしながらも
 兄を純粋に慕っていると伝わってくる。
 今だって妹からすれば兄を想っての事なんだろう。

 だが、どうすればいいというのだろう。
 結婚を控えた妹に兄は異性愛者ではないと
 どのような顔をぶら下げて告げればいい]

(63) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  俺の、片思いだからな。

[結果、はぐらかすような態度で返す。
 妹は数度の瞬きの後に口を開いた。

「兄さんは素敵だもの。
 想いをアプローチしたらきっと届く筈。
 怖がる必要なんてきっとないもの」

 どれもこれも綺麗な言葉だ。
 ステラのように美しい心だ。
 だが、同時に違うのだと叫びたくなる。
 君が思っているように単純な話ではないと]

(64) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  ……見ているだけでも満足なんだ。
  少し話せただけでも舞い上がりそうになる。

  そんな、……関係で、繋がりがいいんだ。
  
[妹は兄の顔を見て黙ってしまう。
 見透かされている。
 だが、微笑めば妹は無理に踏み込んだりはしない。
 その優しさに安堵しながらも息を吐いた]

(65) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  何処にいてもお前の幸せを願ってるよ。

[話の中心を自分から妹に戻してしまう。
 何か言いたげな様子に気づかないふりをした。

 心より愛しい妹の花嫁姿を描きながら
 自分では必ず手に入らないであろう幸福を
 その身に浴びることを祈る]

(66) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[それでいてふとした時に紛れ込むのはあの人の横顔。
 ――ああ、本当に手に入らないんだな、など。
 甘ったるいティラミスが苦く感じられて
 兄の名前を呼ぶ妹に笑ってしまった。

 だから会いたくなかった。
 あの小説だって不純の塊なのだ。
 思いの丈を綴り続けた結果の産物。

 昇華されるかと思っていた想いは
 寧ろ膨れ上がって今も喉を圧迫する。

 息さえ上手く吸い込めないこの世界で
 どう生きれば正しいのか答えは得られないまま]

(67) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[次の金曜日が待ち遠しくて恐ろしかった]**

(68) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[目を覚ましたら太陽はとっくに天辺を超えていたが、休日としては別段珍しい事でもない。
冷蔵庫から牛乳を取り出して煽りながら、ざっと中身を確認した。

一人暮らしも20年を超えれば難しいこと考えなくても大体の家事はこなせる。
ある程度のルーティンにはまってしまった生活は、からからからから、子ネズミの回す車のように軽快に回転していく。

あー、でも。
来週も、金曜日。同じ時間に、あの店に行きてぇなぁ、なんて。
ぼんやり思ったりなんかして。

己の思考に気付いて、くはっと笑った。]

 まー、いっぺん寝れりゃ、上等なんだがな、

[一度抱いた相手には急速に興味を無くすのは、経験上知っているので。
抱けちゃう相手は、まぁその程度のモンなのだ。
薄い唇をぺろりと舐めて、どんよりとした眦で笑う。

あーー。
喰いてぇ。]

(69) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[ひとまずの空腹をいなす為、近所のマーケットに買い物にでも出ることにする。
昨日店で食った飯は、うまかった。
時期の野菜はどう料理しても旨いもんだが、それはそれ。
素材の味をうまーく使うのには、やはり技術がいるモンだ。

さすがに店のレベルにゃ届かねぇが、似たモンを作ってみることは、できるわけで。]

 トマト、ズッキーニ、バジル…

[買い物リストなんてしゃれたモンは作りゃしないが、そこは臨機応変と言うことがでごまかそう。

そんな風にして出かけた先で、木の上から降りられなくなった仔猫を掬い上げて飼い主のガキに託すなんて、ありがちなハプニングと出会った。
嗚呼、日常。

当たり前の日は、当たり前に暮れて、当たり前のように夕飯はちょっと思い通りの出来では無かった。
当たり前の翌朝が来て、日々が過ぎて、当たり前に出勤して。
ちょっと非日常に、出動した。]

(70) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

 下がれ!

[木造部を多く残したビルは、焔の舐めた場所から崩れてくる。
首輪を押さえられた闘犬みたいに目をギラギラさせた新人は、気を抜いたら走り出すだろう。
建物にはまだ、親子が取り残されている。
がら、と外壁の一部が崩れて、勢い走り出そうとした小僧の首っ玉を、文字通りとっ捕まえた。]

 馬鹿野郎、要救助者増やす気か、

[ミイラ取りがミイラなんて、冗談にもならない。
確実なルートが確保されるまでの短い時間を、腹の底から焼けるようなじれったさと共に待ちわびる。]

 いいか、間違っても一人で突っ走るな。
 必ずツーマンセルだ。
 ぜってぇ崩すなよ!

[GO!の号令を貰った犬っころは即座に飛び出す。
俺もその背中を見失わないように追いかける。
過ぎた若さの代わりに手に取るのは、鍛え上げた根性って鋼と、単純に経験値だ。
けれどそんなもんでカバーしきれるなら、多分俺たちなんて、必要ない。]

(71) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

 母親の方には軽症あるが、
 子供は無傷だ。

[頑張ったな、って、小僧の頭をかき回す。
きったねぇ顔で泣き噦るでかい図体した子供は、青くて可愛いモンだ。]

 初めての現場でも、ねぇだろうよ。

[でもだってアニキ、っていうガキの、本当に言いたいことはわかってるだけに、苦笑いを押し隠す。
もう3年、いや2年若ければ、こんな怪我はしなかったんだがなぁ、と。
寄る年波を思ってしまう。

ガキ一人抱えて、要救助者拾って、無傷で帰るくらい、朝飯前だったんだが。
ちぃっとばかり無理をした。]

 泣くな泣くな。
 すぐ、復帰すっからよぉ。

[松葉杖が外れるまで、最低でも一ヶ月。
この歳で復帰できるかは、正直自信はなかった。]

(72) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[人肌を求めて、夜の街に出る。
大体杖なんて、大げさなんだ。
大方、持たしとかなきゃ現場に飛び出してくって、思われたんだろう。
否定はしない。

だからまぁ、日常生活には、支障ない程度で。
ベッドの中のあれそれにも、概ね支障はないモンだ。

死を身近に感じたら、生に近いことをしたくなるのは男の本能だ。
熱を欲にして吐き出して。
ゴムにつ詰まったソレをゴミ箱に放り込んだら、珍しく虚しさを覚えた。

金曜日まで、あと3日。
気づけば心待ちに数えている己が、滑稽で俺はまた嗤う。]

(73) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[タヴェルナの常連と一時的に相席することも、
 初めて出会った客と話を弾ませることも、
 息をするように、とまでは行かずとも容易い。

 しかし、あの人相手にはそうもいかない。
 一言喋るだけでも緊張で喉が焼け、
 笑顔咲かせる表情筋も引き攣れないか不安で、
 相手の目を見て話すという基礎も危うくなりがち。

 頼み過ぎた料理のシェアという名目に縋ろうと
 窓際で煙を闇夜に溶かす気楽さに敵わず、
 早々に退散して酒で唇を湿らせる負け犬一匹。
 いっそ彼の薬指に輝くリングか跡さえあれば、
 もしかしたら、を期待せずに済むというのに。]

(74) 2019/05/18(Sat) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[そうして、口に運んだシュパーゲルが悪かった。
 オランデーズソースがたっぷりかかった
 丹念に味わうべき春の使者を前にして、


 ─── あの人の指は、

 などと、咥える瞬間に過ってしまう不埒な思考。
 茎を噛み切ろうとした歯は食い込むに至らず、
 頬の熱みは酔いでも先程の後悔でもない。

 どうにか噛み切り、口元を押さえての咀嚼。
 目は閉じて先程の失態を塗り潰そうと徒労。]

(75) 2019/05/18(Sat) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[傍目には気分が優れないように見えたのか、
 声を掛けてきた店員に大丈夫だ、と手を振り。
 ついでに酒の追加をオーダーする。]


 ベリーニをひとつ。
 もしできるなら、ひどく甘くして欲しい。


[嫌になるほどの甘たるさで、自覚したい。
 くだらない夢を見るのも程々にしろ、と。
 注文の際にも、視線が彼の方に向かぬよう
 しっかりと店員の目と、去る背を追っていた。]

(76) 2019/05/18(Sat) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[そして手元に届いたベリーニは
 グレナデンの赤を吸って桃色に輝き、
 オーダー以上の甘さで喉と胸の奥を焼いてくれた。

 悩みがある、と彼女にはお見通しなのだろう。
 小皿に乗って来たのは注文もしてないソーセージ。
 次に訪れる時、食べたいけど……と語っていた
 行列が出来る程に有名な焼き菓子を買ってこよう。


 言葉を介さぬ気遣いに感謝を抱き、
 歯切れの良いシュパーゲルをつまみに、
 脳を揺らす酒精で一夜の後悔を紛らわす。

 幼く見えがちな頬を撫で下ろし、
 彼の隣は似合わないという当たり前の現実を
 甘い煙と、酒、己の甘さで誤魔化して飲み干した。
 今宵もまた、一夜の泥濘に飲まれていく。]*

(77) 2019/05/18(Sat) 22時頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[どんな人生を歩もうと、誰にだって否応なく平等に、夜と朝は来る。

くあ、と大口を開けて欠伸をかみ殺し、慣れた手順で取り外すのはべっこりと凹んだドア。廃車予定の車からまだ使えるパーツを抜き取り、修理や販売に使えるよう整備する。面倒だが嫌いじゃない作業。

人の心もこうして取り変えて、不要なものを捨ててしまえたらいいのに、なんて青臭い感傷に浸ることもあったが、そんな若さは残っちゃいない。]

 にしても、勿体ねえよなあ
 ちいと手を掛けりゃまだ全然乗れるってのに
 
 そりゃ最新式に比べりゃ燃費は落ちるけどよ…
 イマドキの餓鬼にゃわかんねえんだろうな、この良さが

[数年代前のやや古めかしいセダンは、依頼者が親から譲り受けたものらしい。維持費や諸々を考えれば、事故を機に買い替えを検討するのは妥当ではある。
理解していようとついぼやいてしまうのは、やや四角張ったフォルムが好む形であるのと、今はまだ手が出せぬ物であるから。

これで海岸線を走ったらさぞ気持ちがいいだろう。
遠巻きに盗み見るだけの顔が、助手席にあったら──。]

(78) 2019/05/18(Sat) 22時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[──ガン!!
決して邪でない、それこそ思春期の餓鬼めいた妄想に気が抜けた瞬間、手元から外したばかりのドアが滑りおちた。]

 あ゛──…! やっべ、……あーあ…まじかよ…

[勢いよく傾き転がるそれがブーツの爪先を直撃したが、鉄板仕込みの安全仕様のお陰で然程、痛みはない。
自分の足指が折れずに済んだのは僥倖だが、繊細なドアの角が思いっきり内側に曲がっている。
これを直すのは少々、面倒だ。

オイルと煤に汚れた掌を額に宛がい天を仰ぐ。
待ちに待った金曜日、残業なんてしたくないのに。]

(79) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[金曜の夜に贅沢をする分、土曜の食事は思いっきり簡単に済ませる。
金銭的な問題じゃない。
タヴェルナはあれだけの物を出していながら価格は良心的だ
上手くやりくりすれば週一で通える程度には。

つまりはといえば食い過ぎだ。
料理が美味いのはもちろんだが
あの人の姿が見えなければ現れるまでと小皿料理を並べ
姿が見えたなら、少しでも長く同じ空間に居たいとドルチェを追加する。
普段は暴飲暴食なんざしないが、金曜の夜だけは仕方がない。

となれば、他の日に調整するしかないだろう。
中年太りになんぞなっちまったら、あの人に会いに行くのも怖くなる。
隣に立つなんて、そんな事は望むべくもないけれど
それでも、なんて夢を見ちまうから、やっぱり恋は厄介だ。]

(80) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[いつも一人でいるように見えるあの人には、もしかしたら家族がいるのかもしれないし
想いを寄せる相手がいるのかもしれない。
時折物思いにふけるように見えるのは、仕事疲れかもしれないし、悩みがあるのかもしれない。
金曜の夜の、タヴェルナでの姿しか俺は知らない。
何処で、どんな仕事をしていて、どんな暮らしをしているのかも。

それでいい、知ってどうする。
そう思いながらも考えちまうんだ
隣同士で言葉を交わしあい、同じ料理を摘む日を。
あの人の目が俺を見てくれるなんて事を。

そうして
いつか、なんて。
叶うはずのない想いは募るばかりで行き場がなくて
無意識についた溜め息に同僚が笑う。

「なんだ、年甲斐もなく恋でもしたか?」

まさか、と俺は笑い返して、いつもと同じ言葉を投げる。
動揺が面に出ていないといい。ああ、まったく。]

(81) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[学生時代、やたら日本贔屓だった教授が教えてくれた短い詩歌を思い出す。
日本語なんかわからなかったが、その意味は

 『人に知られぬように隠してきたのに
     何かあったかと問われるほど面に出ていたのか
       この恋心と言う物は』*]

(82) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[翌日の仕事を考えて深酒は避けているが
 ベリーニの甘さは三日三晩続き、四日目に突入。

 常に靠れる胸は厄介ではあるものの
 今頃、と揺れる思考にストップをかけてくれる。
 忙しい土日を越えて得られた休日も、
 客の来店が少し落ち着く平日であっても。

 一人で、家族で、恋人同士で店に訪れる客も、
 客からすれば初めての、或いは何度目かの来店。
 にこやかな笑みで迎え入れ、案内をし、
 客の流れに合わせて休憩時間を変動させる。

 サービス業の良い所は時給が高い所と、
 客の入りが悪ければ休憩したり早く帰れる所か。]

(83) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[今日の客入りは悪い部類には入らないが、
 店にいる店員の数を考慮し早めに切り上げた。

 制服を脱いでハンガーに掛け、靴を脱ぎ、
 ひっくり返して靴底の磨耗具合を確認する。
 転倒防止の溝は磨り減っているがまだ使えそうだ。
 座りながらいつもの革靴に踵まで押し込み、
 立ち上がった途端、足全体に広がる疲労に嘆息。
 回した腕は関節が鳴り、酷い異音に呻いた。]

  あーーーー、くそ。
  歳はとりたくないないもんだな、畜生。

[まだ若い、と言われる歳でもあるが、
 ティーンエイジャーからすれば立派なおじさん。
 パパきらい、なんて反抗期の娘がいても良い歳だ。

 ゲイという前提がある以上、前者は強く刺さるが
 後者は知るか、と一蹴してしまえる。
 踵を床に擦り付け、苛立ちを居残らせてやろうと。]

(84) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[靴屋でミリ単位の採寸をして作られた靴は
 どれだけ歩いても疲れない、とは聞いている。
 男の価値は靴で決まる、という話も。

 だが、毎日出勤退勤の行き帰りに飯を食い、
 簡単な自炊の材料と小腹を膨らませる携帯食を買い、
 時々必要な生活必需品を買いに行き、
 金曜にタヴェルナに向かう以外、
 外に出ることを嫌っている節があった。

 仕事柄人と接する時間が長いせいなのか、
 人のいない空間、時間を酷く恋しがってしまう。
 珍しく煙草を吸わぬ気分の夜でも
 タヴェルナの窓際で外を眺めてしまうように。

 あとは、単純な話。]

(85) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ



[立派な靴を履いて歩き回れるような、
 上等な人生を歩んでいない。

 ───…という、明確な自虐だ。]*

(86) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[そうしてまた金曜がやってくる。
取引先とのトラブルやクレームがないことを祈りながら
データをパソコンに打ち込み書類を片付け、壁の時計を確かめる。]


 おーい、その書類は俺じゃなくて総務に持ってけ。
 は? 一応上司のサイン貰って来いって?
 しゃーないな、ほら寄越せ。


[ぎりぎりになって渡された書類に目を通し、幾つかのやり取りをしてサインをする。
別部署と言っても同じフロアだ、そう時間もかからない、が。
終業のベルにやれやれと息をついて、残りの書類を手早く片付ける。]

(87) 2019/05/19(Sun) 00時半頃

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