315 【La Mettrie〜存在という機械が止まる時】
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[即答ではないだろう、と覚悟はしていたが、芳しい反応は得られなかった。彼女はただ潤んだ瞳で静かな笑みをたたえたまま、初めて見る困った表情で首を横に振る。 「できません」と震える唇から絞り出される声。敬語に急に突き放されたように感じて、するりと抜け出そうとする細腕を捕らえる。 何故、と問い質すも明確な答えは得られず、ただ切なそうに涙を堪えて拒み続ける彼女。 「愛が信じられないのか」と詰り迫っても、「そういう問題ではない」と取り付く島もない。 焦れてその身体ごと引き寄せ抱きしめる。逃れようと藻掻くのを、決して離さぬとばかり、強く強く。眦に唇を寄せ、耳と髪の間に鼻筋を埋めて肺を彼女の香で満たせば、いっそこのまま犯してしまおうか、あわよくば孕ませてしまえ、と卑劣極まりない獣が目覚めそうになる。耐えるように歯を食いしばりながら、熱の篭っていく吐息を彼女の耳に落として。抱き留めた彼女の肩が小刻みに震えると、腰に回した腕で宥めるように背を撫で上げた。 見詰め合う瞳。気持ちは通じ合っていると自惚れていた。少なくとも、身分を隠してはいたが此方の焦がれる心に嘘偽りは一片も存在しないのに]
(23) りしあ 2023/01/08(Sun) 15時半頃
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[「できません」と再度きっぱり拒絶すると、彼女はそれ以上の追及を唇で封じる。否定の言葉と裏腹の塩辛い涙味に、理解できず瞠目する男。絶望と混乱で男の力が緩んだ隙に、彼女は身体を捥ぎ離すと振り向きもせずに去ってしまった。
残された男は悄然と、自問自答する。初めて自分自身に好意を抱かれているのだろうと舞い上がっていたが、彼女も所詮は身分だけで利用価値を量る周囲と同じだったのか。正体を隠したままなら、求婚は承諾されていたのだろうか。宛がわれた貴族の令嬢と不誠実な婚約を交わし、平民の彼女を愛人の座に貶めてなら、今のままの関係を継続できていたのか。
悔しいのか寂しいのか虚しいのか、胸中に荒れ狂う感情を持て余す男の耳には、ただ噴き上げる水飛沫の音だけがこびりついて。
――それきり、彼女は月桂樹の下に姿を見せることはなくなった*]
(24) りしあ 2023/01/08(Sun) 15時半頃
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ジャーディンは、マリオ[[who]]の指に噛みついた。がじがじ。
りしあ 2023/01/08(Sun) 16時頃
ジャーディンは、村中最高の血 げっとだぜ また夜にノアイ*
りしあ 2023/01/08(Sun) 16時頃
ラルフは、フェルゼ[[who]]とジャーディン[[who]]を転がした。
steel 2023/01/08(Sun) 18時半頃
ジャーディンは、ゴロゴロした。ゴロゴロ。
りしあ 2023/01/08(Sun) 18時半頃
マーゴは、パルック[[who]]を抱きしめてからいったん離脱**
assam 2023/01/08(Sun) 19時頃
マーゴは、アタリですね!
assam 2023/01/08(Sun) 19時頃
ジャーディンは、全飲み目指して、ラルフ[[who]]あたりも手首かぷり。
りしあ 2023/01/08(Sun) 21時頃
ジャーディンは、割と順当。チューチュー。チュウーーーーっと。うん マ ズ イ !
りしあ 2023/01/08(Sun) 21時頃
ジャーディンは、いっぱい 飲んでおいて 悪態をつくプレイ*
りしあ 2023/01/08(Sun) 21時頃
マーゴは、やっぱり ジャラルが公式でしょうか…
assam 2023/01/08(Sun) 21時半頃
ジャーディンは、公式が病気ってヤツか……
りしあ 2023/01/08(Sun) 21時半頃
ジャーディンは、蔦風呂へ〜 離席*
りしあ 2023/01/08(Sun) 21時半頃
ジャーディンは、フェルゼの頭を撫でた。
りしあ 2023/01/08(Sun) 22時頃
ジャーディンは、パルック[[who]]を抱き枕にして寝た。勿体無いからまだ血は吸わない。
りしあ 2023/01/09(Mon) 00時頃
ジャーディンは、当たりを引いた。死ぬ前なら吸えてたんだろうか(人間カウント?)*
りしあ 2023/01/09(Mon) 00時頃
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──食事の後──
[味なんか分からなくても、久しぶりに お腹を満たせば活力が湧くもんだ。 つくづく、体は生き延びようとしていた。
ラルフお兄ちゃんは ジャーディンさんを探しに行った。 足手まといにしかならないから ついていかなかったけど ぼーっと留守番なんてしたら 悲しいことばかり頭に浮かんでしまうから とにかく身体を動かした。]
(25) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時頃
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[綺麗な水を瓶に汲んで、 ロイエお姉ちゃんと マーゴお姉ちゃんの体を清める。 フェルゼお兄ちゃんや ラルフお兄ちゃんよりかは 子供のおれが適任だけど 服まで脱がすのは躊躇われたから 髪や顔や手や、見えてる範囲だけを 清めた布で拭う。 そういえば、マーゴお姉ちゃんも こんな風に、おれの髪の土を払ったり 濡れた服を拭ったりしてくれた。]
(26) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時頃
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[過酷な旅のせいで、 水は何度取り替えても濁った。 それでも、根気よく拭ううちに 土埃に煙られた肌は磨かれて 白く滑らかさを増していく。 二人のお姉ちゃんは、青白く光を放つようで ゾッとするような、作り物めいた、 不健康な美しさを宿し始めた。 皮一枚下の血の巡りが止まれば 肌とはこんな仄白さを灯すんだろうか。 あるいは、失われた命への渇望が 二人をこんなにも美しく見せるのか。
反面、触れるほどに、その冷たさに、 肉の硬さに、否応無しに気づかされた。 時間をかけて拭き清めることで おれは何度も現実を確認した。
嗚呼──二人はもう、命を終えたんだ。]
(27) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時頃
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[穴は、フェルゼお兄ちゃんが 掘ってくれただろうか。 ロイエお姉ちゃんと マーゴお姉ちゃんをお墓に運んだ。 と言っても、おれは戦力外で 細々した埋葬品を持って てくてくと隣を歩いただけだ。 埋葬の時には、ラルフお兄ちゃんも 戻ってきていただろう。 だけど、ラルフお兄ちゃんが 胸ポケットに納めた種>>3:4には 気づかなかった。]
(28) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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[陶器のように磨き上げた肌を 湿った土に横たえれば、 ますます白さは際立った。 きっと、土の下で眠るうちに 目も肌も肉も、何もかも溶けてしまっても 見たこともない二人の骨だけは こんな風に白く残り続けるんだろう。
精一杯かき集めた花を添えて 毛布をかけるように、ひとすくいずつ 柔らかい土を下ろす。 瞼に土がかかっても、 ピクリとも動かないのが、 まだ少し不思議だった。
おれ達は、静かに黙祷した。 二人の厚みの分だけ、 畝みたいに盛り上がった土が 悲しかった。]
(29) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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[埋葬を終えると、流石にくたくただ。 おれ達は、はじまりの泉に戻った。 おれは喋る元気も使い果たしていて 二人が何かを話していても 無言で足だけを動かし続けた。 泉に辿り着いた頃 もうすっかり慣れたヨナの叫びが 空気を揺るがした。
心に緩みができるたびに、ヨナは叫ぶ。 おれが気づいていないだけで ヨナはずっと見守っているのだろうか。 最初は観察されているみたいで 居心地が悪かったけれど。 あるいは、知らせていたのかもしれない。 この時は、そんな風に思う余裕は なかったけれど。
ラルフお兄ちゃんが、 苦しそうに声を上げた>>14から。]
(30) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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ラルフお兄ちゃん?
[見上げて様子を伺えば 顔を歪めたラルフお兄ちゃんが 頭を抑えていた。]
痛いの? どこが? 頭?
[苦しそうにしながら、けれど ラルフお兄ちゃんは返事をしない。 べろがもつれるのか、回らないろれつで ラルフお兄ちゃんの体調じゃなくて フェルゼお兄ちゃんのことを話す。>>15 体の苦痛を取り除くのを諦めたように。 嫌な予感に、血の気が引いた。]
(31) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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やめてよ、縁起でもない…… なんで急に謝るのさ……
[絞り出した声は、弱々しい。 ラルフお兄ちゃんの体が傾く。 支えようと手を伸ばして、 おれの細い腕では抱き抱えられず ラルフお兄ちゃんは 音を立てて倒れ込んだ。
ヨナの叫びが、再び響く。 叫びは城をも揺るがして、吹き抜けの中庭に パラパラと白い破片が落ちてきた。]
(32) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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ラルフお兄ちゃん! やだよ、 ラルフお兄ちゃんまで──冗談やめてよ!
[バクバクと心臓がうるさい。 体の中で何倍にも膨れ上がったみたいで、 肺が押しつぶされてうまく息ができない。 だけど、ラルフお兄ちゃんはおれ以上に 息苦しそうで──やがて、反応しないままに、 息は、止まった。 おれはしばらく呆然と、 開いた瞳孔を見つめた後、 その、血の気の失われた頬を、 思いっきり引っ叩いた。 怒りが込み上げて仕方がなかった。]
(33) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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ずっと俺が守ってあげたかったって、 なに……見栄張って、勝手に無理して それがお前のため、みたいな顔して、 そんなの、自己満足だよ! どれだけ体を張られたって、 ちっとも嬉しくない!
[悲しみが、体裁とか、建前とか、 いい子な自分を全て取り払った。 丸裸の魂の叫びが、涙と共に溢れ出した。]
(34) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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自分が頼りないせいで 大切な人が犠牲になるのが どれだけ辛いか…… 少しは、考えたことある!? 守られたくて、盾にしたくて 一緒に居るんじゃない! そんなことだったら、 いっそわたしから離れて あなただけでも逃げて、 自分の幸せを探してほしかった!
[これは本当におれの言葉なんだろうか。 共鳴する部分は確かにあるけれど。 まるで、名前も知らない誰かが おれの口を借りて まくしたてているみたいだった。]
(35) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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[それから、ふっつりと 糸が切れてしまったみたいに 心を言葉にできなくなった。
ただ、ラルフお兄ちゃんの お腹に突っ伏してわんわん泣いた。
はたいた手がジンジンと熱を持つ。 はたかれたラルフお兄ちゃんは、 もう、痛みを感じないだろう。]*
(36) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
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[お腹に突っ伏して泣いていると、 ラルフお兄ちゃんは徐々に冷えて とても縋りついていられなくなった。 泣きすぎて頭が痛かった。
ぐずぐずと鼻をすすりながら フェルゼお兄ちゃんに話しかけた。]
(37) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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あんなに元気だったのに、 なんでみんな死んじゃうのかな……
[おれが知っている三人だけじゃない。 今までここを訪れた人も、死に、あるいは フェルゼお兄ちゃんも知らぬ間に消えてしまう。 たくさんの人が、ラメトリーを目指したのに。 ラメトリーには綺麗な水も、 おれ達は食べなかったけど安全な芋虫もいるのに。 今まで訪れた大勢のうちの ただの一人も残さずに、何故。
口に出してはみたけれど、 きっとフェルゼお兄ちゃんも 答えは分からないんだろう。]
(38) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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[そして、フェルゼお兄ちゃんは穴を掘りに。 おれはラルフお兄ちゃんの身を清めるために 中庭に残った。
ロイエお姉ちゃんと マーゴお姉ちゃんを清めた時と違って 水甕を持って階段を往復しなくていいから 体力的には楽だ。
ラルフお兄ちゃんの手は傷だらけだ。 この大きな手で、色んなものを守る代わりに たくさんの傷を負ってきたんだろう。 苦労と優しさがにじみ出る手だ。 一生懸命拭っているけれど 爪や怪我の奥深くまで汚れが入り込んでいたり、 謎の草の汁が浸み込んでいたりして なかなか綺麗にならない。 躍起になって拭き清めるうちに おれの手はすっかりふやけてしまった。]
(39) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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[何度、甕の水を取り替えただろう。 数えるのも忘れるぐらい汲み上げた時、 指先に痛みが走った。]
……いてっ
[ラルフお兄ちゃんの傍に甕を置いてから左手を見る。 小指の先に小さな傷が走っていた。 甕を見れば、縁が少し欠けている。 どうやら、ひっかけてしまったようだ。]
あーあ……
[こういう時は、傷を抑えれば治りが早い。 両方の親指でぎゅうと挟み込めば 血が膨れ上がった。
──その時。 横たわったままのラルフお兄ちゃんが ピクリと身じろぎをした。]
(40) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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……えっ?
[驚いてそちらを見るのと ラルフお兄ちゃんの胸ポケット>>3:4から 何かが飛びついてくるのは、同時だった。
とっさに振り払おうとすれば、 空いた左腕、肩の下の内側に その何かがぶつかった。]
(41) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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わ、 わっ! 何、なに!? ──ウッ
[遅れて、痛みが走る。 見ると、紐みたいな何かが おれの左腕からぶら下がっていた。 根元からは、服ごしに赤が滲む。
──食いつかれている。 振り払おうとしたけれど それはぶらぶらと揺れるばかりで 服を、柔らかい肌を突き破ったまま ・・・・・・・ 徐々に短くなっていく。]
(42) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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[まさか。 悲鳴も忘れて上着を脱げば やせっぽちの腕に、ぼこぼこと 見覚えのある赤い文様が浮かび上がる。 それは、皮膚の下を走る血管に潜り込んで 徐々に徐々に根を伸ばしていた。
肌着の奥で激しく脈打つ、心臓に向かって。]
(43) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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[助けを呼ぼうにも声が出ない。 頭がくらくらして、目の前が白くなっていく。 その文様が脈打つたびに、喉が渇いて仕方がない。 早く引っこ抜かなくちゃいけない、と思いながらも 指先に力が入らなくて── 意識は、あっという間に遠ざかっていった。]*
(44) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
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マリオは、マリオ[[who]]に子守唄をせがんだ。
kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時半頃
マリオは、眠れーよ眠れー良い子はねんねしなーふんふふーん……
kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時半頃
ラルフは、マリオをなでなで ねーむれーねーむれー♪
steel 2023/01/09(Mon) 22時半頃
ジャーディンは、マリオの枕元にパルック[[who]]人形を添えておいた。
りしあ 2023/01/09(Mon) 23時頃
ジャーディンは、マリオを触手でむぎゅうした。
りしあ 2023/01/09(Mon) 23時頃
ジャーディンは、ラルフに(触)手を振った。
りしあ 2023/01/09(Mon) 23時頃
マーゴは、マリオ[[who]]を抱きしめてねむねむ**
assam 2023/01/10(Tue) 01時頃
マーゴは、[ひそかにガッツポーズ]
assam 2023/01/10(Tue) 01時頃
ラルフは、ラルフ[[who]]を抱きまくらにして寝た。
steel 2023/01/10(Tue) 03時頃
ラルフは、知ってたよ!!いやー自分あったかいなあ**
steel 2023/01/10(Tue) 03時頃
ジャーディンは、起きたら隣にパルック[[who]]がいたようだ(昨日振り忘れた)
りしあ 2023/01/10(Tue) 08時頃
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― 庭の君の譚 ―
[街中を血眼になって行方を晦ませた女を探し回った。彼女の所属する研究室、温室、住んでいた寮からは私物が消え失せ、足跡も辿れない。 これ幸いと見合い写真を並べたてる御節介な親類たちを、どうにかあしらう日々が一か月は続いた頃、男の執念は彼女へと繋がる唯一の道を見出した。皇子の家庭教師を務める彼女の祖父の元へと日参し、すげなく断られながらもとうとう面会の約束に漕ぎつけたのだ。最初こそ「君のためでもある、諦めなさい」と諭すばかりだった老博士も、死に物狂いの懇願に絆されたのか、ついに彼女からのメッセージを預かって渡してくれた。 恋文と呼ぶのも烏滸がましい、研究ノートの端を千切って走り書いたメモ。それがあまりに彼女らしくて、笑いと涙がごちゃ混ぜにこみ上げてくる。角張った字の箇条書きが、何故こんなにも愛おしいのか]
(45) りしあ 2023/01/10(Tue) 08時頃
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[簡潔に記されていたのは、彼女が幼少期に罹った病気のせいで、子供が産めない身体であること。名家の一人息子である男に、跡継ぎの望めぬ妻は相応しくないこと。自分のことなど忘れて、全うに幸せに生きて欲しい、と。 何度も心の中で反芻し、メモ用紙を小さく折り畳んでポケットに入れる。世界の全てを諦めるような重く長い溜息を吐いて、改めて彼女の祖父に向き直った。 けじめをつけるため、最後にどうしても彼女に会いたい。行方を尋ねれば、彼女は海を越えた遠く辺境の地へ、留学の名目で渡る予定なのだと言う。兼ねてよりオファーは受けており、男との逢瀬でずるずる引き延ばしていたが、現地で生活しながら動植物の研究に没頭することが彼女の生来の夢であり、此方も幸せになるから気にするな、とのことだった]
――ああそうか 結局オレより わっけわかンねぇ 草とか樹とか茸とかキモい虫とかの方が 大事なんだな!!
[激情のままに、拳を力いっぱい机に叩きつける。みしり、と嫌な音がして、老博士が医者を呼ぼうと蒼褪めていた。構わず二発目を叩き込むと、絨毯に赤と机の脚だった木片が散らばる]
(46) りしあ 2023/01/10(Tue) 08時頃
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忘れろ――だと? そんなに簡単に 忘れられンなら 素性も明かさず 恋人ごっこ続けるっての
面倒臭い しがらみ付きだからって 簡単にオレを 棄てられると思うなよ!
[多少のサボり癖はあれど品行方正なお坊ちゃんで通っていた男の、あまりの口と態度の悪さに老博士も驚いていた。彼女の身内に粗野な振舞いを見られてしまったが、もうどうでもいい。男を縛る不自由な世界への、遅めの反抗期のようなものだ。
この日から、男は水面下で準備を整えていった。形振り構わず、使える手は全部使い、家人には決して気取られぬように。将来仕える主人となるはずだった皇子に対してだけは、胸の内を――恋と忠義を秤りにかけ、前者を選ぶことを――吐露し、消極的な協力も得た]
(47) りしあ 2023/01/10(Tue) 08時頃
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[彼女の出発日は、奇しくも男の婚約者が発表される誕生日の前日。 家督相続放棄と短い詫びを書き置いて、男は屋敷を後にした。
名を、家を、地位を、家族を、学友を、 本当の兄弟のように育った邦友を、全て棄てて。
男は――ただの『ジャルダン』は、彼女の元へと一路駆け行く*]
(48) りしあ 2023/01/10(Tue) 08時頃
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ジャーディンは、最近 パルックばっかだなー 南無南無*
りしあ 2023/01/10(Tue) 08時半頃
ラルフは、ジャーディンとパルックを祝福した。
steel 2023/01/10(Tue) 10時半頃
ジャーディンは、パルックとゴールインした。リンゴーン
りしあ 2023/01/10(Tue) 11時頃
ラルフは、ジャーディンとパルックに祝辞を贈った
steel 2023/01/10(Tue) 17時半頃
ジャーディンは、パルックをジャーディン[[who]]に押し付けた。
りしあ 2023/01/10(Tue) 18時頃
ジャーディンは、完全にパルックはオレのモンだな(忌々しげ)
りしあ 2023/01/10(Tue) 18時頃
ラルフは、ジャーディンとパルックを遠くから見守っている
steel 2023/01/10(Tue) 18時半頃
マーゴは、そうだったですね、と柱の陰からジャーディンとパルックを見守った。
assam 2023/01/10(Tue) 19時半頃
ジャーディンは、パルックとナニを期待されているのだ……。。。
りしあ 2023/01/10(Tue) 20時頃
マリオは、ナニってそりゃあナニだよ
kumiwacake 2023/01/10(Tue) 20時頃
マーゴは、…いちゃついてませんよ?
assam 2023/01/10(Tue) 20時頃
マーゴは、きゃ、ジャパルの新作待機。
assam 2023/01/10(Tue) 20時頃
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[けたたましい音が、意識を呼び戻した。 気づけばおれは倒れていて、 なぜか頬も腕も胸も、べしょべしょに濡れていた。
ずるり、とおれから何かが抜けていく。 初めての感触に、震えあがった。]
う うぅッ
[腕から肩へ、血管の中を昇っていた何かが 今はその全身を見せて、 のたうちまわりながら離れていく。 おれは半身を起こして、それを見つめた。]
(49) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
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……助かっ た?
[思わず、ハァーッとため息が漏れた。 左腕を抑えながら観察してみれば、それは赤い蔦だった。 のたうちまわるので精一杯なのか、 離れていく速度は、歩くよりもずっと遅くて、 手負いのおれでもすぐに追いつけそうだ。 表情は読めないけど、苦しんでいるように見えた。]
逃げてる……なんで?
[心当たりが無くてあたりを見渡すと、 水を入れていた甕が倒れていた。 襲われたはずみで倒して、 中の水を被ってしまったのだろう。 蔦にもその水はかかったみたいで 蔦が這ったところは、かたつむりの痕みたいに、 水と、おれの血の軌跡が描かれていた。]
(50) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
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もしかして、水が嫌い、とか?
[問いかけたところで、答えはない。 ぼたぼたと、赤髪から水雫が落ちる。 抑えていた腕から手を放し、恐る恐る覗き込めば さっきまで赤く浮き上がっていた部分が 枯死したようにどす黒く変色していた。]
うえぇ……これ、治るかなぁ……
[普通に悲しい。]
(51) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
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[それにしても、とまじまじと 黒くなった蔦蔓紋様を見る。]
どこかでこの模様、見たんだよなぁ…… どこだったっけか……
『──血を飲めば 永らえる 水を飲めば 終焉を迎える』
[不意に、謳うような言葉を思い出した。>>2:118]
(52) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
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