224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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[ドロテアが厨房へと入ればわたしも後に続いて。何時もの様に、彼女の手伝いをしようとする。 ドロテアがキッチンに立ち水を入れたケトルに火にかける傍ら、わたしは芋やソーセージを切り始めた。]
[くつくつ煮こむ音、温かなスープの匂い。日常が戻ったような錯覚を覚える程に穏やかだった。**]
(127) 2015/05/28(Thu) 08時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/28(Thu) 08時半頃
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[キッチンに響く、野菜を刻むリズムにスープを煮込む鍋の音。どれも耳に馴染んで心地よい。けれど、それは仮初めにしか過ぎず、平穏に思い描いていた筈の日常はいとも簡単にひび割れた事はきちんと理解していた。 一枚足りないお皿を数えてはきゅっと眉を顰めた。>>131]
(169) 2015/05/28(Thu) 20時頃
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[ふるふる、頭を振る。]
いいえ、お手伝い、したいんです…。 ドロテアさんこそ、お辛そう…。こんな時まで、無理なさらないで。
[手伝いの最中に普段は真っすぐ前を見ているドロテアの視線が落ちているのを垣間見ていた。心配で、ひとりきりにさせたくなかったから。それに、ほんの少しばかり罪滅ぼしもあって。 どうして、こんなに優しい人を少しでも疑ってしまったんだろう。恥ずかしさに滅入ってしまいそうだった。まさか彼女が自分の事も疑ってるとは露知らず。*]
(170) 2015/05/28(Thu) 20時頃
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[ドロテアと一緒に用意したスープと茶を皆の居る場所へ運んで行く。 其処では物騒な話し合いが続いていた。]
(今夜にでも処刑が始まるのかしら――。)
[殺されたくなければそうするしかないと言ったのは他の誰でもない、わたし。 けれども、雪鬼を探そうにも手がかりはなにもないに等しくて。なのに、どうやって雪鬼を探せば良いというのだろう。――今日の処刑先は誰?]
[私の脳裏に浮かんだのは――、幼なじみの顔だった。 大好きな人はたくさん居るのに。真っ先に死んで欲しくないと願ったのは――ただ、ひとり。**]
(172) 2015/05/28(Thu) 20時頃
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[――が処刑されるのだけは、嫌。 いつの間にか俯いていた顔を上げれば話し合う村人達の姿が見えた。疑心暗鬼に陥る人達、このまま話し合いとも呼べない罵り合いが続くのだろうか。ともすれば、今夜の処刑先が誰になるかも知れず。もし、あの人が処刑される事があったりしたら? その可能性まで思考は及んでわたしは愕然とする。そんなのは、嫌!]
(175) 2015/05/28(Thu) 21時頃
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[いま、わたしの目線の先にはヨアヒムという男が居た。 ――穢らわしい。男を見た第一印象はそれだった。>>0:98 男から向けられた笑みは吐き気を催すものだった。見るに堪えがたく目を逸らしてしまった。 わたしは、分からない振りをしたけれども。わたしは、あの笑みの意味を知っていた。あの、ぞっとするような視線は見に覚えがある。 忘れた振り 、 知らない振り 、をするのは昔から得意だった。]
(176) 2015/05/28(Thu) 21時頃
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[例えば、もし。 おとこがわたしに襲いかかっている場面を目撃されれば。おとこへの不信感は募って疑いの目が向くだろうか。それに、おとこは余所者。男と女の立場もある、ずっと昔から村に住んでいるわたしの言葉の方が信用され易いだろう。 よこしまな思惑がふと浮かんだ。*]
(177) 2015/05/28(Thu) 21時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/28(Thu) 21時頃
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[頭を振る、何を馬鹿な事を考えているんだ。 わたしは議論へと意識を戻した。]
[メルヤがアランに質問をしていた。それは疑っているように傍目からは見えて。>>158]
メルヤさん…と、言いましたね? あなた、アランさんを疑っているんですか…?
アランさんは優しい人なの。 周りの人達のことを気に掛けていて、困っている人がいたら手を差し伸べてしまう、そんな人。それは、わたしが知ってるわ。ずっとむかしからね。
[アランが占い師だと名乗り出た時は驚いた。 けれど、アランが占い師だとして、自身が危険に晒されるかもしれないのに名乗り出たことについてはすんなりと受け入れられた。だって、アランおにいちゃんだもの。]
心が凍ってしまってた貴方と違うのよ…。
[「死にたくない」といった彼女の呟きをありありと覚えている。>>83]
(183) 2015/05/28(Thu) 21時半頃
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[「会って間もない人間の何が分かるっていうんだ。」というシメオンの言葉に静かに頷く。 長い間、一緒に暮らして来た村の人達のことをわたしは疑えない。(…今は、まだ。)]
[シメオンが断たれた電話のコードを取り出した。 シメオンの視線の先を追って、ヨアヒムを見た。]
(186) 2015/05/28(Thu) 21時半頃
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[電話のコードが人為的に切られてたと言う。状況から言って、犯人…「雪鬼」の仕業で間違いないだろう。 …ずる賢い奴は頭が回る。口も良く回るこの男が雪鬼だというのだろうか。 その可能性は否定出来ない。ただし、シメオンの言う事はあくまでも憶測に過ぎない。確証が足りなかった。
だからと言って他の誰かを疑えば良いのか。手掛かりはあれど少な過ぎる。 「誰も疑おうとしないなんて、ね。」という指摘はわたしにも当てはまって。]
ねえ、誰かを信じるって、そんなに悪いことかしら…? 信じる誰かを探して雪鬼を見つけようとするのは間違えてるのかしら…?
[ふたりの顔を交互に視線が行き来して、シメオンで止まった。彼はこちらを振り向いただろうか。]
(197) 2015/05/28(Thu) 22時半頃
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[シメオンを見つめる透明に近いブルーの瞳に、切なげな光が瞬いて、揺れた。]
わたしは――。貴方を、信じたい。
[希いに近かった。 結局、交わした約束は叶わなかった。一緒に祭りを見て回るという夢は破れたが。 それでも、「昔の様に貴方と共に過したい。」という希望は捨てれず。むかしと変わらず、目の前のそのひとを信じようとして。 瞳の中の星は 瞬く。]
(199) 2015/05/28(Thu) 22時半頃
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……同じ様に、アランさんのことも。アランさんが人間だと言う、リーのことも信じたいの。
[ちらり、とヨアヒムを窺う。]
みんなはヨアヒムさまの人間らしいと言うけれど…、わたしにはヨアヒムさまは、「どうすれば、自分が助かるか」ばかり。…優先しているように見える、の。…それは雪鬼も同じじゃない、かしら。
ごめんなさい…。ヨアヒムさまの言う様に、わたしは貴方の事を何も知らないから。信じるのは難しいの。――だから、
あなたのことをもっと知りたい、と思ってます…。
[途切れ、途切れ、思いを伝えた。 目を伏せれば小さな雫が零れ落ちる。熱に浮かれたように、目元はほんのりと赤かった。]
(200) 2015/05/28(Thu) 22時半頃
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[メルヤの言葉に頷いた。 他になんの証拠もないのなら、という言葉に。>>198]
…そうね。
だって、彼らを疑うにも何の証拠もないでしょう…?
(206) 2015/05/28(Thu) 23時頃
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[気が狂れた人間、という単語が耳に引っ掛かる。 それもまた、昔読んだ本に書かれて気がした。]
それじゃあ、聞くわ。
[スカートの裾を踊らせて回ってみせて、 その場に居る人々に問いかける。]
もし、本物の占い師がいるなら今直ぐに出て来て欲しいわ…。 アランさんが偽物だと証明出来るのは、きっと。本物だけ。 …、違うかしら?
万が一に。 後になって、出て来た人を…わたしは信じられないと思うわ…。
(207) 2015/05/28(Thu) 23時頃
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[ぴたり、足は止まって。遅れてスカートの裾もふわりと舞って、落ち着いた。 対峙するは、濡れ羽色をした少女。>>203]
わたしの名前は、…ジリヤよ。 ziliya suvorova(ジリヤ・スヴォロヴァ)
[誰にも媚びない、懐かない。 警戒した、その様は。――まるで黒猫、みたい。]
(208) 2015/05/28(Thu) 23時頃
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[耐えられずに目を伏せる。 黒曜石を見つめていると罪の意識に捕われそうで。]
…ごめんなさい。わたしの言ってることは、貴女にとって酷い言葉ばかりだったわよね。 ねえ、…わたしだって、罪のない人間を殺したいと思わないの。貴方が雪鬼でないと言うなら、わたしは貴女を殺したくない。
手遅れになる前に、雪鬼を見つけなければ、 大好きな人達も雪鬼に殺されてしまうのだから。
(214) 2015/05/28(Thu) 23時頃
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[――…信じてくれるとは言ってくれないのね。>>213 一人勝手に裏切られた気分になる。]
[希いも、想いも、ジリヤだけのもの。]
(219) 2015/05/28(Thu) 23時半頃
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[シメオンの星もまた遠いところへあるんだろう。 どうやっても重ならない。…彼の隣で、輝くのは。]
ごめんなさい…。わたし、…また、戻りますから。
[目には薄らと水の膜が張る。 隠す様に顔を手のひら覆って自室へと。**]
(223) 2015/05/28(Thu) 23時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/28(Thu) 23時半頃
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[矢張り今夜から処刑を始めるらしい。 疑わしき人物の名前を書けと言われた。用意された白紙に書くという事は、 ――その人物を殺す事に等しくて。]
ぐず、ぐず。…やだ、…怖いよ。
[信じるだけでは、雪鬼は見つけられない。部屋から泣き声が漏れる。]
(244) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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[誰が雪鬼だとか、じゃないだとか。知らず知らず、疑心暗鬼に呑み込まれて は苛まれて。疑い目を向けられるのは怖くて、人を疑うのは恐ろしかった。罪の意識に溺れていく。 先程、黒い少女と対峙した時も。本当は、膝が笑っていた。嗚咽は止まらない。]
[だけど、わたしは――。死にたくない。 あの、黒猫の瞳に見抜かれてはいないだろうか。わたしの、嘘を。**]
(245) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/29(Fri) 00時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/29(Fri) 00時半頃
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