291 Fate/Goddamned Omen
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─────咄嗟に、左胸を腕で庇った。
(127) 2019/02/17(Sun) 02時半頃
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「 ──────っ、 ............ ! 」
咄嗟に振り向いた背や、 庇った胸までは貫かれずに済んだ。 とはいえ、黒水を塗り纏った空鳴りごと迫った勢いで 手指の鱗から、触れた手首の先から。 崩れて食われて行く。
「 ッ、 ......ほんと、人のこと言えねえよな、アンタも。 手、カけさせられるし──── 」
(136) 2019/02/17(Sun) 02時半頃
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それでも、薄く細めた蛇目が 欠けた側から補ってく赤手と 爪を振るったばかりの男を見据える。
溢れた血が蠢けば、水面に混じる前に 象った傍から五指が蛇に変じて切り離されて 儘、男に噛みつこうとする中。
もう一度だけ高度を上げる様に旋回して 男の頭上を跨ぐ様に飛ぶ。 再び整った、硬化された毒血の五指で──────
(138) 2019/02/17(Sun) 02時半頃
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─────その背に爪痕くらいは せめて残してやろう、と 炎槍に渇かされた風を切る。
( 本当は腕の一本でも、 ...捥いでやりたい気分だったけどね ) *
(139) 2019/02/17(Sun) 02時半頃
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独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/02/17(Sun) 03時頃
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─────熱が冷えてしまうまでには、 達観も利口にも、そうなれるくらい熱を上げられるものも あったわけだって無かった。
( 万が一相容れたって交わらないなら、 相容れもせず、ありもしない。 そんな話の儘できっと良いんだろうよ。 )
(155) 2019/02/17(Sun) 15時頃
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>>140口を動かすことさえ随分と──── 億劫らしい老い耄れをケ程も刺せてるかは 分からねえような軽口を吐き連ねたところで、 槍雨ごと全部食らわれる歯音に磨り潰されたんだろう。
「 ───褒め返されんのも嫌いじゃねえけどね」
嘲けりとも着かないものを、 ついでに紛らわせて置いた。
(156) 2019/02/17(Sun) 15時頃
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>>142 そんな減らず口も一瞬呑んだ息ごと止まる。
咄嗟に見せた本能的な─────” 危機回避 ”運動は やっちまったところで 『やらかしたか?』 ...と思いはしたって、退けもしない。
(157) 2019/02/17(Sun) 15時頃
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( ────その不尽蔵の血は何処から齎されているか? )
生命の核と呼べる場所だから、ってだけじゃなくたって もし悪魔の名を知っていたなら考えれば分かる話。 滴り続ける赤を落とし続けるのは、その心臓だ。 それでも多少、抉れたってカタチが残っていたら動き続ける。 でも跡形もなく崩れたり、食われたら──────...
(158) 2019/02/17(Sun) 15時頃
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( ...まぁ、考えたって仕方ねえから。 )
今は、目の前のことだけだ。
>>142 物々しい爪もありゃしないバックルだけじゃなく、 どうやら鞭にまでなるらしいシロモノが 血蛇を撃ち落としたって構いやしなかった。
それどころか撓った革に赤を弾けさせながら、 >>143多少なりとも布や袋を引き千切って その身に齧りついてくれるの気は引いてくれたら それこそ十分過ぎるくらいの御の字で、───重畳。
(159) 2019/02/17(Sun) 15時半頃
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とは言え、跨ぐくらいが精一杯か。
>>143 黒溜りに毒ごと溢れ落ちる人口血が滴れば、 一層布や肉の焦げた匂いに混じって 鉄臭さが充満しもする。
引かれた足の儘、 引っかこうとした右肩が遠のいて空振りかける。 見開いた目は、振り向いた氷石とでも遭いもするか。
だが、結果そうならなかったのは───── 直後軸足に添って同じ位置に回ってきた左腕が 投げ出されたからだ。まるで生贄の様に。
(160) 2019/02/17(Sun) 15時半頃
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ご丁寧に引ききらなかった以上、 囮や罠の可能性はある。
それがセンセイの”診断結果”と知ったなら 多少癪さえあっただろうが、 くれるんなら望み通りだ。貰ってやろうじゃないか。
伸ばした腕は薙ぎかけていた五指を開いて、 その二の腕からがッしり掴んでやって───── 人外れた腕力と硬く鋭利に赫く血爪で、 乱雑に引き千切る、いや、 いっそ捥いでやろうとしたんだ。
...その瞬間だった。
(161) 2019/02/17(Sun) 15時半頃
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「 ───── ........... ! 」
ブン、ッ、と再び風を切り、────撓る音。
右手側から振るわれたそれに、 咄嗟に一番外側の左肩の一匹の蛇が逃れようと その首輪づけようとでもするベルトを 外弧を描いて避けようとした。
(向こうがその気だとしても そのまま回されたベルトの片方を掴まれる前に、 どうにかは出来ないことも無かっただろう。 だけど、────一度掴んだもんを離すのも、
...負けたようなもんだろ。)
(162) 2019/02/17(Sun) 15時半頃
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その中枢にある人の頭は、そうしなかった。 離れようともしないまま、>>146振り上げられた足が 咄嗟に蹴飛ばす気かと思ったからこそ 逆に左を掴んだ血手の力を強めて─────...
「 .........はぁ。 冷めてる気もしたが、 アンタも大分熱烈だな 」
─────” 誘われるなら ”、拒みもしねえ。 引き倒されるなら引き倒されるまま、 首に掛けられた皮輪から外れた蛇が 眼前の首に絡み返そうとしていた。
(163) 2019/02/17(Sun) 16時頃
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「 ......割に合わねえこと。 しかけてんなぁ、 とは思うけどね 」
自嘲か、────他嘲か。 その長躯を下敷きに逆に圧し掛かってやろうとする儘、 曖昧に詰まり掛けた息を零す。 そう遠くない神都の方角から、 また>>135──────流れる河の音を聞いた気がした。
(164) 2019/02/17(Sun) 16時頃
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「 こっちと遊んでばっかりでいいのかよ? 」
首を締められるにしたって、 締め切られる前には恣意的にそう嗤ってもやるだろう。 空き手でベルトを引っ掴むよりは、 その目元にでも手を伸ばそうとする。 こっちに構ってくれるなら構ってくれるで構いやしない。
──────その傍らじゃ、二匹の黒蛇の口元からは、 また黒炎が溜め込まれかけていた。*
(165) 2019/02/17(Sun) 16時頃
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独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/02/17(Sun) 16時頃
独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/02/17(Sun) 19時頃
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加減も遠慮もへったくれだってしない人魔の力加減で、 爪先を食い込ませながらぶちぶちと 肉を断つ音を響かせるまま引き千切ってやる、 ────やろうとする手だけは決して離さなかった。
「 .........、 ッッ 、 ........ ぐ、 」
アンタの氷玉も、>>166 痛みにそう溶けもすることもあるんだな、なんて。 言ってやるには引っ掛った革が呼吸すら詰めて来て 倒れこむ拍子に負荷に締まる首に 空気を求めた唇が微かに上下してたけど。
(175) 2019/02/17(Sun) 20時半頃
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鉄臭い溜り水が跳ねる音がしながら、>>167 それこそ汚れなんて今更気にしたところで 意味もねえ襤褸に濡れた脚が絡んだって ────嘘吐け、ってくらいにゃ思うくらいだ。
「はッ、 ...、 なら、 こんな体張る無理も...、...するんじゃねえよ。 」
いくら頑丈たって、狙いが” 定まってしまえば ” ゼロ距離でそれこそ収められた銃一つ放たれるだけで 死ねる気はするくらいに結局は脆いもんだ。 こう生きた拘束具に縛られた暁には、 逃げられないし、もう───逃げる気も無かったが。
(185) 2019/02/17(Sun) 20時半頃
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( 割に合わねえこと、って言うのは。 どうせこいつを殺したところでいくらでも生き返る。 いくら潰したところで結局死ねばアバターが変わるだけ。 対してオレは一人殺そうとするだけで随分”欠けた。”
神都の中なら兎も角、 こんなところでこれ以上命を賭ける必要もねえし、 さっさと逃げるのが勝ちな気はしていた。
──────、それをしねえのは損な性分だとは思う。 でもまぁ、やっぱり賢くはねえから。 )
(186) 2019/02/17(Sun) 20時半頃
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────── 短く空気を求めながら、 覆い被さった儘一ッ気に力を籠めた手が 外弧を描く。
一層軋む音と引き千切れる音が響いた時 もぎり取った左手の血の痕を濁りの上に晒して 『左腕だった』肉片を放り投げれば、 男に絡み付く払われもしなかった片蛇が それを氷玉の持ち主の耳元で咥え、 飲み込み、咀嚼する。
そのまま、───薪を得た様に蛇が炎息を漏らす。 口元に集わせた黒炎ごと膨らむ双蛇の片方が、 >>169ぞるりと滲む悪魔の気配に警戒しながら その首をみしみしと締め返そうとした時、だった。
(188) 2019/02/17(Sun) 20時半頃
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その、目障りな眼鏡” ごと ”。 霧に蒔いてやることが出来なかったのは そのせいだとまでは何の加工が施されてるのか 今まで距離があった以上分かりゃしなかったが。
氷を砕いてやりたかった。 その瞬間、溢れた息が僅かに伸ばした手に触れれば >>170指先すら埋めそうな虚無がその顔面を浸して、 ────────ああ、それは、まるで、
深淵だ。
(189) 2019/02/17(Sun) 21時頃
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心ばかりは、まだオレのものだ。 力を融かしたって、悪魔に食われちゃいない。 はっきりとそう言えるつもりだ。
( だからこそ、 問われたこころには その不定形の色に” 見えてしまう ”ものがある。 )
それは、善や秩序を強い続けてきた神都の住人か。 それは、荒野にある悪魔か、 いいや、─────もっと質が違って、 捨てるもんも無かったオレにただ一つ。
(192) 2019/02/17(Sun) 21時頃
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(ただでさえ詰まり掛けて、 それが余計に逼迫しかけたように動揺に喉が動く。 そこに”映った”のは、その赤目に 一度もオレにはそんな顔を見せなかった蔑みを浮かべて 死人のように蒼白した顔でこっちを見ている───、 ... )
(197) 2019/02/17(Sun) 21時頃
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─────── ...、ジャーディ、ン?
( ” 死んで尚 ”整った顔をしていた、 あの神都でオレに手を差し伸べてくれたアイツだった。)
(198) 2019/02/17(Sun) 21時頃
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( 手を差し伸べる蜘蛛糸に、 唯一希望を見た。
同時にド底辺から 放逐されるまでに” 墜とされる ”きっかけになった アイツに見放されることだけが『 怖かった 』。 そして、アイツに恨まれることだけが『 恐かった 』。
──────ああ、アイツがどうなったかって? 神都の一緒に牙を剥いたところの” 首謀者 ”は、 結局低くはなかったカルマ値を一気に目減らせて 多少の時差はあったにしろ同じ頃に放逐されて、─── )
(200) 2019/02/17(Sun) 21時頃
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( ─────呆気なく、 ” 死なせた ”さ。 アイツが伸ばしてくれた手のように、 出食わした悪魔から助けようとした手は届きもせずに。 )
(201) 2019/02/17(Sun) 21時頃
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「 ..........、 ッ、 ......... 」
荒野に放り出された人の呆気なさ。 そんなものを不毛に踏み出して暫く経ってから味わって、 それでも神都への破壊欲に埋めたはずの 一種の” 罪悪感 ”────なんて名前の恐怖を前に 掘り起こす様な心内鏡を見てしまったように。
緩み掛けた力は、次の瞬間、 ────── ...
(202) 2019/02/17(Sun) 21時半頃
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「 ........巫山戯ん、なよ....ッ! アイツは ” そんな目で ” 見たりしねえ....ッ! 」
( ああ、そんな凍った瞳を見たのは、 ” 一度切り ” で ────── ... )
(203) 2019/02/17(Sun) 21時半頃
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窒息しかけて眩み始めた視界ごと、 これは幻覚だ、と無理矢理言い聞かせて。 引き千切る様に、血塗れの手で 首絞める革の戒めを引き掴む。
恐怖に囚われると言うよりは熱に注がれた油。 周りも見失った様に激情を荒がせて、 呼応した様に黒炎を宿した双蛇が 首元の邪魔な戒めや、 今も片蛇が首を絞め上げようとする眼前の男、 それからこの黒濁ごと、
─────全て焼き払おうとする。
赤い鉄臭さの混じった黒も全部全部、 黒へと塗り染めてやろうと、 ここら一帯を包みかねない黒焔を吐き散らそうとした。*
(204) 2019/02/17(Sun) 21時半頃
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独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/02/17(Sun) 21時半頃
独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/02/17(Sun) 21時半頃
独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/02/17(Sun) 22時半頃
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>>205>>206 餓えた腹をついでに満たす為に響く咀嚼音で、 少しでもアンタの唇の戦慄くさまを引き出せたなら 平時なら嗤ってやれもしただろうか。
そうしてやろうにも、 それごとアンタのかんばせを影が隠してしまった。
( ...二度とは見れない筈だった、アイツの顔を宿して )
(218) 2019/02/17(Sun) 23時頃
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本当は。
” そう言えるくらいに ”” 幻覚と否定できるくらいに ”、 アイツの何もかもを識っていたかって言うと 神都特有の誰もが知れる筒抜けのプライベート以外は ロクに知りっこなかったし、 下手したら眼前にあった氷玉くらいには ───────アイツの心も随分分かりにくかった。
そう、分からねえことだって多かった。
(220) 2019/02/17(Sun) 23時頃
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