270 食人村忌譚
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でも、もしも、もしも。 姉さんやあなたのように、私を、巫女としての責務を 一緒に分かち合ってくださる方が いるというのなら――……
[巫女の仮面が、外れる。声が、震える]
大丈夫。 私はまだ、ここに巫女として立っていられます。
[上目遣いに、江津子に見つめ。 次の瞬間には、薄らとした巫女らしい笑みを 江津子に向けることだろう。 しかしその唇は、未だ微かに震えていて*]
(228) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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(ゆりは、立派な巫女様で) (私の、自慢の妹だよ)
[頭の中で姉の言葉を反芻する。>>176 それを聞いたときは嬉しくて嬉しくて、 泣き崩れてしまいそうになってしまった。
私は、姉の自慢の妹であらねばならない。
大好きな大好きな私の姉さん。 姉から、巫女としての立場を奪った。 居場所を奪った。
――だからこれは、きっとその罰なのだ*]
(237) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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……ええ、心の臓ね。 まだ残っているわよ。
[志乃の言葉に頷く。 肉の削ぎ落されたあばら骨の向こうに、 櫻子の心臓が見えた。 包丁でざくりと腱を断ち切り、心臓を取り出す]
お野菜でこんなに飾られて。 櫻子、とても可愛いでしょう?
[志乃の真意を、私が見抜くことはない]
(247) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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この村に生まれたからには、 誰しもがこんな最期を迎えたいものね。 ……幸せな子だわ。
[皿に取り出した櫻子の心臓を、志乃に差し出した]
さあ、共に弔いましょう。*
(248) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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