204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[真っ直ぐに届く誉め言葉に、珍しく照れた様を見せる。]
綺麗だと言って貰えるのも、大切に思われているのも嬉しいよ。 本当に。
売って終わり、その後の事をあまり聞く機会はないから。 オルゴールの音も、昔と変わらない……。
本当に、ほんとうに、ありがとう。
[愛を、受け入れてくれて。]
その通り。ニコラも僕たちの家族でね。 トレイルは人見知りで、それと、耳が敏い子なんだ。
風の鳴き声も、鳥の歌声も、気になり出したら止まらなくて。
[だから。と、視線はフランシスに向けられる。]
(371) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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[居間に続く扉が開かれる。 指先から零れ落ちていく、黒。 瞬き、向けられる琥珀の色に、唇の色に――微笑んだ。
首を傾げた分だけ、また黒が 揺れる。]
良い髪の色だと思ってね。 つい。
[職業病だよと、小さく笑って居間へと足を踏み入れた。]
(372) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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[>>366 トレイルの表情と声がないことは、 今フランシスが知る由もないが確かに幸いであった。 声と。歌と。古傷を狙いすまして抉られよう。 持てる者は、持たざる者に残酷だ。]
――それは ……。 あぁ、…そう、なんですか……。
[>>371 ノックスから耳が聡い、と謂われたうえでトレイルという名前まで一致すれば、印象は違えどあの子供であろうと思うに足る。 目配せされるまでもなく歌をつむぐことは憚られ、――ひとつまた、フランシスに不安が増えた。歌は衝動を抑える術の、ひとつなのに。
困ったように少し眼を伏せたまま、扉を開く。 居間からふわっと暖かい空気が廊下に毀れる。 ラルフは傍にいる故、もう一人の同行者たるドナルドを自然と視線で探す。]
(373) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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お弟子さんは、ラルフのことかな。 そう、見事だなんて君も、細工を誉めてくれてありがとう。
……ねぇ、フランシス?
[トレイルの姿を隠したまま傍らを通り、名を呼んで此方を向かせる。 そうして、彼の唇に人差し指を当てて、にこりと笑んだ。]
短い間だと思うけれど―――宜しく、ね。
[愛しい子の為に。山小屋に居る間は、歌ってくれるなと。**]
(374) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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[大事にしたいから、大事にしていたわけだけれど。 それを製作者に喜んでもらえるのはやはり嬉しいことで、にこにこと笑みを浮かべて居間の中へとはいり。
髪を触られてきょとんとしたまま、ノックス>>372を見やる]
――そっかな、ただの黒色だけど。 でも、ノックスさんがいうのなら、いい色なのかな。
[大事にしている箱の作者だから、その審美眼を信じている。 明るい色でもないし、ドナルドのような赤毛でもない、面白みのない黒だけれど、ほめられるのは気恥ずかしくて、素直にありがとうとはいえなかった]
(375) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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――、……!
[扉を開く少し前>>374 フランシスは唇に指を当てられ、反射的に息を止めた。]
……、―― ええ こちらこそ、――よろしく、……
[ノックスの行動と笑みは、言外の圧力だ。 困ったようにフランシスは眼を伏せて、視線を逸らす。]
(376) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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[ノックスが>>374彼等に忠告してくれるのを 心の底から感謝しながら居間のなかへ
ひととの距離が一番取れる場所はどこか 靴音は一定のリズム 静かな佇まい
眉間のしわは伸ばし、 口元には緩い微笑すら浮かべて シノワズリは何処か遠くを夢見るように、細める 大人しい、穏やかな少年 その評判のままの、トレイルの姿
フランシスへは、極力無関心を装った。 そうでなくては――
嗚呼、喉が渇く]
(377) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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[ノックスとフランシスのやり取りに、ゆるりと瞬く]
……大丈夫?
[ノックスがフランシスから離れた後、彼>>376の傍によって問いかける。 フランシスの歌が、微妙にずれて聞こえることがあるのは知ってる。 それを口にしたことはないのは、本人が気にしているのを知っているから。 口にして、自分たちの前でも歌わなくなるのはいやだから、知らないふりをしている。
こういうとき、ドナルドのほうがフランシスを立ち直らせやすい。
ドナルドはどこだろうと視線をめぐらせた]
(378) 2014/11/13(Thu) 02時半頃
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[お茶を淹れる。 昔は、淹れ方で味が変わるなんて思ってもいなかった。 お湯に色が着いただけと言われたこともあるが、それなりに飲めるものを淹れることが出来るようになった。
そこにあったカップへと注ぎ、盆に乗せて運ぶ。 保護者のところに戻る途中、思い切って古びたソファに座る男>>296の傍へと向かった。]
あの、さ。 アンタもお茶、飲む?
[目をあわせられないまま、少し声が震えた。 荷物を広げる様子>>302に少し興味があるが、それよりも緊張が勝る。 断られたらどうしようと、既に声を掛けたことを公開し始めたが、ここで逃げるわけもいかないと、何とか耐えて返事を待っていた。**]
(379) 2014/11/13(Thu) 03時頃
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―2F居間― [(同族がいる) (妙に、刺激しあわないようにしないと) (ドナルドとラルフが心配だ) (でも、吹雪で身動きが取れない) (自分の世話も、しなくてはいけないのに) (衝動を散らすための――歌を、厭われては、おれは)]
…っ、…? ああ、ごめんね。……大丈夫 だよ。
[>>378苦笑いが、少々ぎこちなく聡い少年には見えたであろう。]
茶でも淹れようか。 皆、飲むかな?
[>>358細工師の弟子だ、と紹介された少年プリシラが同じようなことを考えていたと、フランシスは知る由もない。]
(380) 2014/11/13(Thu) 03時頃
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博徒 プリシラは、メモを貼った。
2014/11/13(Thu) 03時頃
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―居間―
[テーブルを見て、窓辺を見て。 部屋の中を一通り見渡し、俯いた。
居間の中でとれる距離では、音を遮る事は出来そうにない。
では、と顔を上げ 向けた先から>>379新たな姿。
瞬いた。
手に持つ盆と、その上に乗るカップ 湯気がみえて
物欲しそうに、ずっとその姿を目で追っていた**]
(381) 2014/11/13(Thu) 03時頃
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― 二階/居間 ―
[大丈夫だと笑うけれど、大丈夫に見えないフランシス>>380をじっとみやり]
大丈夫、ならいいけど。 俺たちだってフランシスのこと心配するんだからね。
[心配かけてばかりだけれど、それでも共に過ごす相手が大事じゃないわけはない。 ドナルドが窓辺にいるのがみえたが、お茶、といわれればそちらのほうがいいかと頷き]
淹れておいとけば好きに飲むんじゃないかな。 ほしい人だけでいいと思うし。
[とかいっているあいだに、プリシラ>>379がお茶を運ぶのが見える。
彼らの自己紹介があったときには三階探険中だったから、誰だろうとゆるりと首をかしげた]
どうやら先に行ってる人がいるみたいだし、手伝ってこようかな。
[手にしたままのオルゴールがあるから、まずはこれをしまってからかな、と考えながら、フランシスの傍にいる]
(382) 2014/11/13(Thu) 03時頃
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――、そう、だね。ごめん。 もう、……子供じゃないしな。
[>>382フランシスは首を少しだけ俯けた。 ドナルドが窓辺にいるのを見ると、小さく片手を挙げて振る。]
ん、……でも、茶の用意は先を越されたみたいだな。 手伝ってくるかい?茶を淹れてもらっても、いいし。 おれも、咽喉、渇いたかな。
[ラルフの方を見て、フランシスは選択を委ねる。]
オルゴール、片付けておいで。 大切なもの……貸してくれて、ありがとう。
[ぽん、と軽く背中を撫でてから、>>379少年に茶をいただけないかとフランシスは尋ねに行く。必要なら手伝うつもりであった。]
茶、もらってもいいかな?
[と、そんな風に。]
(383) 2014/11/13(Thu) 03時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/11/13(Thu) 03時半頃
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[茶を貰うと、ラルフと、それから窓辺のドナルドの方に持っていくであろう。自分の分は最後のようだ。]
窓、何か見える?……雪、止みそうにないな……。
[ドナルドは人が多いといづらそうにフランシスには見える。 (やはり、距離のとり方が難しいのかな…) 表情を覗き込むように窺いながら、ラルフに貰った情報を伝える]
3階、個室があるみたいだから 疲れたなら、休むと良いよ。
(384) 2014/11/13(Thu) 03時半頃
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[――さて、少ししてから。
帽子の男が探りを入れてきた時のことだ>>327 グループの長たるフランシスは、注意深くかの男の方に目を合わせながら]
……故あって旅をしているんだ。 師弟、……みたいなものかな。 調律師だから、此処でいま、芸を見せるようなことは出来ないのだけれど……
[そう、世間話めいてフランシスは謂う。]
細工師――そうだ、よかったら、 売り物を見せてくれませんか?
[少しでも気を紛らわすための、努力であった**]
(385) 2014/11/13(Thu) 03時半頃
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謝ることじゃないけど……
[フランシス>>383の様子に失敗したかな、と眉をひそめる。 それ以上言葉を重ねることなく、お茶はすでに入れられているみたいだった]
んー、手伝うことあるかどうか、きいてくる。
[うん、とひとつ頷き。 背中に触れるフランシスの手に小さく笑った]
どーいたしまして。
[照れくさそうに答えて、さっさと鞄にオルゴールをしまいにいった**]
(386) 2014/11/13(Thu) 03時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/13(Thu) 03時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/11/13(Thu) 03時半頃
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― 2階・居間 ―
[>>342保護者。 シメオンの言った一言が、ディーンの双肩に重くのしかかる。 それは自分を繋ぎとめるようであり、抑えつけるようでもあった。
溢れ出るものを言葉に置き換えて記す。 そうすれば衝動をやり過ごすことが出来ていた。 しかし、今はそれが難しい。 乱されることばかりだ。 シメオンと二人で過ごす、平穏な時間が遥か遠くに感じられる。 ――それもきっと、仮初の平穏でしかなかったのだが。]
(387) 2014/11/13(Thu) 12時半頃
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― 1階 ―
[結局文字を紡ぐことは諦めて、ディーンは静かに席を立つ。 いつの間にか人の増えた居間を横切って廊下へと続く扉を潜り、向かったのは階下だ。 とにかく、頭を冷やしたい。]
――――……。
[人の数が減れば、その分だけ物音も減る。 ごうごうと雪の吹雪く音が、壁を越えて耳に届いた。 ディーンは玄関のドアのノブに手を掛ける。 指先から掌まで、伝わるのは外気の冷たさだ。
そっと、重い息を吐く。 今はまだ、このノブを回して、外に出ることは叶わない。**]
(388) 2014/11/13(Thu) 12時半頃
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[湯の中温かい 手で湯を掬う やはり 温かい 温かさ 春 炎 陽射し 明るい色彩纏う温度 ふと 視線あげる 天井 その上はきっと温かい 暖かい
首を数度横に振る 勘違いしてはいけない]
ーーーー獣が人間の真似なんて 滑稽だ
[湯遊びするルーツ 見つめ 己のルーツ思い出す]
(389) 2014/11/13(Thu) 13時半頃
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[口から胸にかけ 紅く染まる母の 「お父さんは、食べたわ……行きましょう」と そう言って 夜中 手を握られ 母とともに山に行った日を 数年後 母のかわりに 真っ赤なルーツ連れ 母の死 知らせるため 戻った集落 すでに 旅立つ年頃と 父方の親戚保護者に 託されて 旅立った]
[母が 本当に食べたのか?知らない 父の死体 みていないから]
(390) 2014/11/13(Thu) 13時半頃
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[湯に顔 沈めていると ルーツ一鳴き ……遊べという風に 無視すれば 酷く鳴き始める 肩すくめ思考切り上げる ]
捌くよ
[そう口にすれば ルーツ嬉しげに舞い降りる 狼のルーツは 捌くこと 楽しむ いらない骨 ルーツの遊び道具になるから 湯に冷めぬよう丹念に水分ぬぐい 軽装身につけ 桶に湯を汲んで *うさぎだったもの掴んだ*]
(391) 2014/11/13(Thu) 13時半頃
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フィリップは、冷たい真水も欲しいな と 捌ききったら雪取りに行くかと*思案している*
2014/11/13(Thu) 14時頃
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[吹雪く外をガラス越しに眺め思い馳せるは遠い過去。
数年前、旅する最中に出会ったのは雪の如き白い肌もつ同じ年頃の少女。 ピアノの調律に訪れた屋敷で保護者の傍らに付き師事していた時に 屋敷の一人娘である彼女に声を掛けられ話すうちに絆された。 己のうちに流れる血族の特性については聞かされていた。 恋愛など縁遠いものと思っていたのに、 恋はするものでなく落ちるものと知る。
ドナルドはふると頭を振り過去を払う。 見えぬ目がズキと痛むような気がして 眼帯に覆われた左目を同じ側の手で軽く押さえた。]
(392) 2014/11/13(Thu) 16時頃
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[声掛け廊下に出たフランシス>>351に向けられた言葉>>374と それにより感じる圧>>376も隔てる距離により伝わらず ラルフが己を探そうとする>>378もその時は気付けない。
馴染みある声がふたつ耳にとまり 漸くフランシスとラルフが居間に戻ってきた事を知る。 目押さえていた手を下ろし、ふ、と息を吐き出せば 過去も痛みもその顔からは消え失せた。]
(393) 2014/11/13(Thu) 16時頃
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[ふわりと温かな香りが漂う。 クンと鼻を軽く鳴らして元を辿ればフランシスの顔が見えた。 掛けられる言葉>>384に困ったような笑みが浮かぶ。]
雪ばっかだなぁ。 早く止めばいいのに。 そしたら――…いつもどおり、
[フランシスとラルフと、三人で穏やかに過ごせる。 ひとと接するが嫌いでなくむしろ好ましくあればこそ ひとの多い現状が悩ましく、いつもどおりを望む言葉を口にする。
フランシスから茶を受け取り、 それを淹れたものを聞き知れば 他に茶を勧める少年>>379へと礼代わりに会釈を向ける。**]
(394) 2014/11/13(Thu) 16時頃
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―2F>>386―
……ん、そっか。
ラルフは、やさしいこだな。 や、おれはしあわせものだよ。
[眉をひそめられたのを見て、フランシスはそう小さく呟いた。 良いことばかり在るわけではなく、困ったことや苦難はあった。 けれど、同行者を大切に思う気持ちは都度深くなる。
フランシスは2人に伝えていない過去を思う。 ――真紅。届かない恋慕。永遠に失う恐怖。
深く刺さって抜けない棘があればこそ、どうか同行者たる彼らこそは幸せに、と彼は願うのであった。その為なら身を投げ出すくらい安いと思っているのだ。]
うん、いってらっしゃい。
[ラルフに笑顔で手を小さく振って、見送った]
(395) 2014/11/13(Thu) 16時半頃
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―2F居間>>394― [窓辺に佇むドナルドの言葉に、フランシスは遠くを見るように白く煙る外へと視線を向けた。]
……本当にな。 人が多いと、ちょっと歌も歌いにくいしね……
[ぽつりと零し、衝動をやり過ごす方法をフランシスは考える。風の音に紛れさせるか、他の――あまり、よろしくはない方法か]
……まあ、愚痴っても、仕方ないか。
細工師の人がいるし、3人でお揃いのを見繕ってもらってもいいかも。 これも何かの縁、ってことで。
[ふふ、と小さく笑いながら提案した。 何にせよ、フランシスは買ってしまうつもりで謂っている。]
ラルフが昔、オルゴールを買った人もいるんだよ。偶然だよな。
[そう伝える声は無意識に自然、小さく低く落ちた。]
(396) 2014/11/13(Thu) 16時半頃
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[――同性の間にも、恋が生まれることがある。
かつてそれを身を持って体験したことのあるフランシスは此処に来てひどく危惧していた。かといって交流を禁じるのも、あまりに窮屈だ。行きすぎたと感じたとき、いつもなら―そう、ドナルドがあの少女に恋をした時のように―街を離れればいいけれど、此処には逃げ場がない。
(ドナルドも、ラルフも、いい子だし、 格好いいところも可愛いところもある。 話して気が合えば、触れあう時間が長くなれば、 深く親しみを感じる人が居ないとは言えまい?)
多分に親ばか傾向のある思考をぐるぐると回転させながら、 自分自身のことが抜け落ちていることに気づかないのがフランシスという男だった**]
(397) 2014/11/13(Thu) 17時頃
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[欲しいと思ったものはいつも――
見知らぬ少年にかける声を持たないトレイルは ただ、見ていただけだ >>383彼が茶を貰う様子を。
カップを見つめていた視線は、そっと伏せた。 行く先は窓辺のよう ならば、と トレイルはひとり、居間から続く 台所があるらしき方へ向かう。
壊れた楽器 そう、比喩した昔を思い出したけれど いま、壊れているのは、誰か 認めたくない。
アレと、同じものは飲みたくない。 そんな、まるで子供じみた理由から]
(398) 2014/11/13(Thu) 17時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/13(Thu) 17時頃
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[フランシスがトレイルの方を窺うようにそっと見たのは一度だけ。小さなころとは随分と印象が違ってしまったがよく見れば色彩はそのままだった。
「トレイルは本当に歌が上手だ――天使みたいな」 遠い日、賛美の声はすべからく彼のもの。
フランシスは上手く愛想笑いも浮かべられず曖昧な表情で顔を逸らして茶を受け取って、そのまま窓辺へ向かったから、彼が自ら茶を淹れに行ったことには気づかなかった**>>398 ]
(399) 2014/11/13(Thu) 17時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/13(Thu) 18時半頃
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― 三階へ ―
[階段の軋む音がやけに響いた。 雪の落ちる音も、風が窓を叩く音もするけれど やかましさからは程遠く、この山小屋が まるで、世界に取り残されたような―――]
……さむ
[手すりを握っていた手が緊張から解き放たれる。 暗い廊下。いくつか見えた扉のひとつを、指先でそっと押した。 奥にあるベッドは冷たくて 布に包まれた毛布も少し埃くさかったけれど 靴を脱いで、気にせずにもぐりこんだ。 ズボンの裾から覗く足首は奇妙に凹んでいて けれど暗いから、今はその金髪もほとんど光を反射しない]
(400) 2014/11/13(Thu) 18時半頃
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