7 百合心中
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良家の娘 グロリアは、水商売 タバサの話に、じっと耳を傾けている。
2010/03/25(Thu) 12時頃
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―― 住宅地・襤褸アパート ――
[いつ意識を覚醒させたのか覚えていない。 気付いたらベッドに座り込んで泣いていた。
シビルが死んだ、恐怖。 姉様のいるフランスが沈黙した、恐怖。 リンダがいない、恐怖。]
……く、ぅ……
[気付けばFortunaのバイト開始時間はとうに過ぎていて。 こんな事態に開店しているとも思えなかったけれど。 タバサの顔が、ちらついた]
(357) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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>>354
ごめんなさい。
[彼女の声にくすり笑みを漏らす。 小さく呟き立てられた人差し指をヒトの温もりと柔らかみの感じられない右の手を重ね包むように握りしめた]
そっか。 来てくれるといいね。 ・・・・・・この状況で来てくれるなら、貴女の事を大切に思っている事は間違いないと思うけど。
[待ち合わせの相手がどんな人なのか探るように、何処か底の見えない彼女の瞳を見詰める]
私? 私は――うん。 家族は居ないし、気侭な一人暮らし? 家は私だけのスペースだから・・・・・・ そんな場所に少し飽きて出てきたの。
[微苦笑を浮かべて緩く肩を竦めた]
(358) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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しかし、普通の女の子にとってはそうではありませんでした。 彼女、実は学校で虐めにあっていました。 学校で嫌なことがあるたび、病院に行っては「私はこいつより幸せ」「こんなのに比べればまだマシ」と、優越感に浸っていただけだったのです。
――しかし、そんな関係にもついに終わりが来てしまいました。
(359) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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[虹は神とノアが、世界を滅亡させないと約束した証らしい。 そう謂えば此処最近、虹を見ていないと思った。]
……でも、私がいるじゃない。
[イリス――虹の名を冠する者]
それでも、ダメだって、謂うの……?
(360) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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病弱な女の子の容態が急変し――あっという間もなく、亡くなってしまいました。 普通の女の子はそれを知るはずもなく、病院を訪れたのは亡くなってから何日も経ってから。 空になっている病室のベッドについて看護婦に尋ねれば、手紙を預かっているのだと手渡され。 それを読んだ普通の女の子は、号泣して泣き崩れました。
(361) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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[腫れた左頬。 膨れ上がった下唇。 やや見え難い右の視界。 左足を引き摺るようにして歩き出す。]
いか、なきゃ
[二度と、同じ悲劇を繰り返さぬ為に。 私には、立ち向かうものが、 護るものが必要だから――。]
[やがて廃ビルを後にする身体は、 一路、実家へと向かう。]
(362) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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手紙の内容は、莫大な遺産を全て譲るという遺言状。 普通なら小躍りして喜ぶそれも、しかし女の子にとって問題ではありませんでした。
遺言状の裏に 『貴女のお陰で、私は今まで頑張ることができた。 ありがとう、そしてさようなら。 今まで私にくれていた優しさを、どうか他の人にも分けてあげて』 というメッセージが残されていました。
(363) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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―公園>>358― [素直な侘びには頷いて、 手を握り締められれば少しだけ目を丸くする]
…、……あなた、手…。
[聞いていいものかと琥珀色の眼を見た。]
待ってるのは―― 昨日会ったばかりの子なの。 来てくれると、うれしいけれど。
[待っているのもきっと悪くないことなのだ。 やわらかく笑った。]
…ひとりぐらし?そんなに、ちいさいのに? あ、…ひょっとして、…
[年齢を、勘違いしていたのだろうか、と申し訳なさそうな表情を浮かべる。]
(364) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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…………。
[頬杖をついて、ただ無言でタバサの話を聞いている。 病弱な少女。 彼女の死が、タバサの謂う普通の少女に与えた事を想って。]
(365) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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看護師さんから、意識を失った病弱な子が、うわごとで何度も普通の子の名前を呼んでいた事も聞きました。
自分は彼女の思いを最悪の形で裏切っていたのだ―― その時になってようやく、普通の子は自分の過ちに気付きました。 そして、その贖罪として。最期の約束だけは生涯破るまい、私は私のできる限りの人を幸せにするんだ、と心に誓ったのでした。
[おしまい、と締めくくった]
(366) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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――回想・昨夜――
[>>307 抱きしめ返され、頬を撫でられると、グロリアの居ない不安が癒されて。 戻ってきたグロリアから街の惨状を聞く。暴徒が無政府状態なのをいい事に騒乱状態を引き起こしていると。
その様子を聞いていたマルグリットの呟き>>316]
生きたい、から…… 自分の心が望む事に、忠実に―――…。
人として在りたいがために……
[瞳は昏く沈む。
白い花となって、人としての痕跡も残さずに死ぬのは怖い。
怖い、怖い、怖い。
せめて、死ぬのなら人のままで死にたい―――…]
(367) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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>>364
うん。そう。 右足も・・・・・・。
こんな事になって、腕足云々といった状況でもなくなったけどね。 不幸中の幸いといっていいのかあれな状況だけど。
[見詰められれば素直にそれを口に出す]
昨日。
わたし、14歳だよ。 ・・・・・・エライ?
[流石に昨日今日の縁では――と、言った風で緩く首を傾げる。 彼女の待ち人が居ないか周囲をゆっくりと見回しながら年齢にも気づいた様子の彼女に悪戯っぽく言葉を返した]
(368) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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先輩の事、心配ですけど――。 この事態です……。
約束……。
[>>317 ケイトの名前に女は心当たりは無かったものの。 もしかすると、グロリアはその名を知っているような表情をしただろう、か。] 先輩も悔いを残さないように。
[マルグリットとは離れていても、携帯で連絡が取れるから大丈夫との思いに、その決断を受け入れる。
こんな時だからこそ約束を守りたいとの思いは切実に判る、から。]
(369) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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―― 実家・剣道場 ――
…
[世界は私が居なくても、回り続ける。 意識が無い間も、只管に。 結論から云えば、祖父は居なかった。 ……只、道場に積もる花びらが出迎えただけ。]
ごめんね… ……昨晩の、日本食にすれば良かった、ね
[祖父の好物を。 せめて其れが最後になるのなら、 お味噌汁と納豆をつけて、あげたかった。 暫くは見下ろし、佇んでいたが]
…
[道場の奥に飾られた日本刀。 其れへ手を伸ばすと、掴み、その場を後にする。]
(370) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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……随分長くなっちゃったわね。 けど、聞いてくれてありがとう。
[腹の中のものを全て吐き出したかのように、すっきりとした笑顔で]
(371) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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[早朝……。 厚手のカーディガンを羽織って、ケイトは町外れを歩いていた。 ニュースを知った後、思ったのはあさましいことのために……]
[白い奇病。 あの白い花のような、土のようなものこそ、母親だったのではないか。 この桜ヶ丘に病気を運んだのは、母親ではないか。 そして、母親であった白い花をベランダから捨て、この桜ヶ丘に病を蔓延させたのは自分ではないか……。 小説のように突拍子もないニュースだったからこそ逆に、ケイトにとってはすぐに浮かぶものがあった。伏線が当て嵌まり、物語の構成が見えた。 もちろんそれはただの仮説。真実ではないかもしれない。 だが、その瞬間ケイトが思ったのは、誰かを助けたいでもなく、病を治したいでもなく……、ただただ、自分も母親も悪くはない、加害者ではないと証明したいという、浅ましい願いだった]
[バスも電車も、まだ動いていない。いや、この先動くことはないかもしれない。 だからケイトは、線路沿いに歩いて、母親の勤めていた隣駅の病理科学研究所まで行こうと考えた。 ………が]
……!!
(372) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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どういたしまして、って謂うべきなのかな。
[タバサのすっきりとしたような笑顔に、少しだけ眩しいものを感じて、 眸を伏せる。]
……死になんの意味もない、と、私は思う。 ただ、残された人の心に、何かを残していくだけ。
希望であり、約束であり、絶望であり、悲しみであり……。
出来る限りの人を幸せにしようと思うのは良い事だと思う。 でも、そう誓った普通の子も幸せにならないと、 それはとても綺麗なお話だけれど、とても哀しい事だと、私は想うよ。
(373) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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[膝を抱くように座り込み ちく、たく、ちく、たく 時計の秒針の音を聴いていた]
……遅い、わ。
[幾らなんでも。遅すぎる。 リンダの身に何かあったのではないかと 不安に瞳を揺らした。
携帯電話にリンダのデータは入っていない。 PL×PLの連絡用には店とオーナーとバイトの子しか入れておらず 社員と直接連絡を取ることはなかったのだ。]
…聞いておけば、 よかった。
(374) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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良家の娘 グロリアは、水商売 タバサに微笑む。願わくば、その子にも幸せが訪れるように、と。
2010/03/25(Thu) 13時頃
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[こんな抜け道のような道路まで、封鎖するために置かれた車。 銃を持って走り回る軍人たち。 混乱の理由は、地面に降り積もる、ヒトだった花から知れた]
「封鎖では生温い!病人どもを殺せ!殺して焼き払え!」 [叫び声に足がすくんだ**]
(375) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―公園>>368―
…足も、なの。――そう。 いたくは、ないの?
[傘は腕に凭せ掛け、 開いた方の手で、手をそっと撫ぜた]
…、昨日でも、約束は、約束なのよ。
[と、笑みのまま謂う。]
…14歳?中学生でひとりぐらしなの…?
[いたずらっぽい言葉を真に受けて、そんな風に返した。]
(376) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―商業街―
[暴徒と化した住人達が、行き場のない負の感情を撒き散らす。 今まで、この街に居たというのに。 沸き上がる絶望の中で、自分の役割を持とうと必死に正義を振りかざす人もいる。 ぶつかり合えば、白ではなく、赤い花が散った]
――。
[眠たそうな目で、女は街を見下ろしていた。 オフィスビルも、今では警備も手薄。 割られたガラス跡から入れば、こんな屋上に来るのは物好きしか…]
――?
(377) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―商業街―
[ガチャリ。 そんな物好きが居たらしい。ドアの向こうには若い男女。騒ぎが起きたとき、仕事中だったのだろう。スーツ姿の男は軽く目を見開いたが]
「止めないでください」
[そう、悲しそうな目で笑って。 女性はその手を握り、彼をビルの敷地外へと…]
(378) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2010/03/25(Thu) 13時頃
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痛かった、よ。 骨が砕けて肉が千切れる感触は・・・・・・。
[思い出しながら口元に手を重ねて微苦笑を浮かべた。 義手をなぜる彼女の手にどこか不器用な様子で握手をするかのよううに握りしめる。]
不思議なひと。 何か、あなたの傍は居心地が良い。
[ぽつり感想を漏らすが信じてしまった様子にくすくすと笑みを漏らし子供が甘えるように彼女に肩をよせて身を預けた]
(379) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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[死に意味などない、という言葉に]
そうかもしれないね。 私も……彼女の死ではなく、彼女の生きた証である約束に、私が背負うだけの価値を見出したから。
[ふ、と哀しげな微笑を浮かべ] けど……私は忘れちゃったよ、幸せになる方法なんて。 貴女が、教えてくれるの?
(380) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―商業街―
生まれかわっても、一緒に、か。
[ゆっくりと階段を降りながら呟く]
幸せ。だったのかな。
[ビルから出れば、花の香と共に異臭が漂う。 地面に咲いた花を残し、女は歩きだした*]
(381) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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私が…?
[タバサの微笑に、伏せていた眸を数度瞬かせる。]
私には誰も幸せになんて、出来ないよ。 私にできるのは、今を忘れさせてあげることだけ。
タバサが私にしてくれたように、 辛い事を一瞬忘れさせてあげられる事だけ、だよ。
(382) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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――今・アパート――
[眠れぬ夜を過ごす。 眠れば、きっとあの悪夢に魘されるのは確実だから。
それでも朝になれば、マーゴは自宅へ一旦戻るためにアパートを離れた。 彼女を見送る際、ふと外の様子を伺えば、昨夜の喧騒もだいぶ納まった様子。
その後、グロリアも黒いコートを着て外へと向かった。]
信じてるから――…。
[>>327 心配しないで、と語るグロリアに。 昨夜、左手の薬指に落とされた約束は守られたのだから。 彼女を信じて、その頬にそっと口付けて送り出す。]
(383) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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[携帯電話を握る手がかたかたと震える。 この携帯に登録した何人が、何十人が 既に花になっていることだろう。]
……。
[不安に駆られ、狂った様にメールを送信する。
「生きてる?これを見たら返事して」 「今何してる?」 「ねえ、どうしたらいいんだろう」
……――最早無作為のメールの一通が、 電波が未だ生きているのなら タバサの元に届くかもしれない。
「たすけて」――]
(384) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―公園>>379― …、――。 …… つらかったの、ね。
[痛ましげに、眉を寄せた。 どこか不器用な握手のような仕草を見せる手を包む。 続く言葉には眼を一度瞬かせて]
… そう かしら。 そうなら、うれしいわ。
[少女が零す笑みに、 なにかおかしなことを謂ってしまったろうかと おろ、とした仕草を見せるが、凭掛られればそっと肩を撫ぜて]
わたしでよければ、お話し相手には、なれるのよ。 …今日はいい天気だもの。
[お菓子も在るの、とケイトに約束した分から 少しだけ差し出せる。]
(385) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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―回想・アパート―
[信じてると、頬にキスを呉れたヨーランダ>>383を、 ぎゅっと、強く抱きしめる。
其の耳元に、唇を寄せて。]
うん、信じて。 私が還る場所は、貴女のいる所だから。せんぱ…ヨーラ。
[初めて彼女を名前で呼んで、もう一度抱きしめる。
名残惜しげに身体を離して、夜が明けた街へと――]
(386) 2010/03/25(Thu) 13時頃
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