162 絶望と後悔と懺悔と
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子供のごっこ遊びとは違うのだけれどね。
[円の言葉に苦笑して返す。
まあ、この光景は戦場で何をやってるのかと言われそうだけど。 とは言え、実戦の中で教育する機会があったのだからやはり余裕のなせる事なのだろうと。]
(297) 2014/02/11(Tue) 09時半頃
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[約束の一つを果たした今、心の中にぽっかりと穴が開いてしまった。 もう一つ望むことは願う形で叶うことはないだろう。 振りかざす乾坤圏は容赦なく紅を散らせる。
サミィを殺せるわけがない。 殺したいわけがない。 どんなに隔たりがあっても、彼は家族で仲間だ。 けれど、もう元には戻れない。同じ形には。
赤い目はきっと、吸血鬼本来の色だけではなかった]
手ごたえねぇな…もっとマシなの、いねぇのかよ
(298) 2014/02/11(Tue) 09時半頃
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[見上げた涼平は、白いコートを着ていた。帝都守護隊。 だが、彼は自分に向けて武器をかざす様子がない。 ――聞き間違えだったのだろうか?
そこに、常人の数段鋭敏になった耳が、 遠い声を遠景ではないものとして捉えた>>265]
…………っ、ふ
[ずるり、立ち上がる。ぼたりと血が落ちた。 放り出した双振りの短剣を拾う。
先程の女は声のある方向へ行った。 それに、自分と涼平に剣を向けた。 捨て置いてはいけない]
(299) 2014/02/11(Tue) 09時半頃
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あたしを殺る、ね。
面白い、恐怖を思い出させてあげましょうか。
[回転しながら向かってくる彼女。 その剣を数回日本刀で受け止めてから。]
なるほど、剣舞のようなものなのかしらね。
[速度、腕力と共に一般的な家畜を上回っているようではある。 あくまで、家畜を基準とした話ではあるが。]
(300) 2014/02/11(Tue) 09時半頃
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それでも、まだ甘いわ。
[こちらの剣で相手の双刀を弾き、懐に入ると膝蹴りを円の腹部に叩き込んだ。
対して助走はつかないが、彼女の速度を乗せた一撃だ。 これで殺せるとは思っていないがそれなりの威力はある。]
(301) 2014/02/11(Tue) 09時半頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 09時半頃
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[熱い。――熱くない。 痛い。――痛くない]
すぅ――――……
[ゆっくりと吸い、]
はあ。
[吐く。 大丈夫だ。ちゃんと動ける。 とどめが刺される筈だった吸血鬼が再起した事で、 涼平が払った筈の戦場の空気が戻って来る]
……涼平君、少しだけ待っていて。これが終わったら
[波刃の短剣を掌にくるりと遊べば、 立ち去る女の遠い背中に投げて突き刺した。]
一緒に帰ろう。
[剣を向けるだけ向けて、殺さずに背を見せた暗愚に。]
(302) 2014/02/11(Tue) 10時頃
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― 陸軍駐屯地・通信施設 ―
[そこには既に誰もいなかった。 それは正しい意味で誰もいなかった。
兵士は尽く事切れ、かつて、その時代の最新鋭を誇っていた通信部は、破壊され、血の海になっていた]
――……ラッシード部隊長殿……。
[銃剣で壊されただろう通信部中枢機器で喉を裂かれ断命しただろう通信部隊長の指は、最後通信オンを押していた。 きっとこの惨状は駐屯地外部にも伝わっただろう。]
――……きっどごごは、隔離になるだな。 生きて帰れは、しねぇだな……。
[この事態にまた安易な少数部隊を投入するほど、軍も阿呆ではないだろう。 つまり、この駐屯地に今ある者だけで、立ち向かう覚悟をする必要があることを予測した]
(303) 2014/02/11(Tue) 10時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 10時頃
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[ただ、もちろん、今のままでは、数は吸血鬼が格段に上だ。しかも……]
――……リー……
[リーとのことを思い出して、 それから予測できることを考える。
いや、熟考する必要などない。 既にわかりきっていることだ]
――……あいづは、おでを殺す。 きっど、マユミも、そうだな………。あいづも、生きでるなら。
[二人のことを考えて、また目頭が熱くなるけれど、 これがきっと、未だに訓練しても越えられない壁だ]
――……吸血鬼は殺すだ。
[それから、ラッシード部隊長だった遺体の首から、鍵束を外すと、別室に向かい、ステンレスの引き出しを次々開けていく。 そこから使えるトランシーバーをありったけ取り出すと、周波数を合わせ、電池を確かめ、そこにあった雑嚢に詰めていく*]
(304) 2014/02/11(Tue) 10時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 10時頃
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[人を殺しながら、ふと思った。 サミィに真弓が生きていることを教えてやればよかった。 あの時そこまで思考が及ばなかったのは嫉妬もあったからだ。
構ってくれた安吾が誰かと遊んでると拗ねたし、 周といつも殴りあいして負ければ悔しかったけれど そこに嫉妬というものはなかった。
俺も変わったのかな。そんなことをぼんやり思っていると背後から切りつけられた。勿論、痛い。 迷わずその下手人の首をはねた]
……。終わらない、かぁ…
[赤い衣裳をもっと深い赤い血が汚す。 終わらせるならどうすればいい?簡単だ。 圏を握りまた奔る。リーダー格を討ち取りに*]
(305) 2014/02/11(Tue) 10時頃
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― 陸軍駐屯地・中央司令部へ ―
[通信施設の現状、そして、兵士の動きも統一性はみとめられない。 つまり、敵は的確に指示を出す人間から討ち落としていることがみえる。 そこが激戦区になっている現状も読み取れるものだ]
――……わすれでだわけじぇねけど、 周、間違っても死んでねえだべな?
[きっと、絶対先頭突入とかしてるに決まってる。 それでヘマやらかすとは思えないけれど、
可能性がないとはいえない。
なぜなら……]
――……あいづ、自分が優しいっで気づいてないがんな。 タコだがら。
[きっと大丈夫と思いながら、移動し…]
(306) 2014/02/11(Tue) 10時半頃
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― 陸軍駐屯地・中央司令部付近 ― >>264>>265 [そこは激戦区だった。 白い軍服の兵士が吸血鬼を目指して突進している。 そう、ここは陥落されてはいけない場所。
その様子を黒い軍服は、眺め、戦況をまず観察する]
――……あでは?
[誰かを背負って、誰かが戦っている。 その白い軍服、見間違えるはずがなかった]
――……周?
[視認したと同時に九節鞭をを唸らせて、走り始める*]
(307) 2014/02/11(Tue) 11時頃
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無理。
[>>293皆で帰ろうと言う円に 残酷なほど穏やかに、きっぱりと告げる。]
一度鬼になった人間は、二度と人には戻れない。 養成所で、習ったよね。
[だから殺すしかない。 殺すしか──。
──嫋やかな手に導かれ、母の頚を断ったあの日のように。]
(308) 2014/02/11(Tue) 13時頃
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[円のホリーへの攻撃はあっさり防がれ、 逆に腹部を狙った膝蹴りが放たれる。
しかしやはり、殺気は感じない。
愉しんで──いるのだろう。 家族が殺しあう様を。
純血の吸血鬼に多く見られる残忍さ。 長大な寿命がそうさせるのか、あるいは種の性質か。
いずれ直円もこうなってしまうのだろうか。
やはり──。]
ここで殺してあげなきゃ───…
[呟くなり、絢矢は走った。]
(309) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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―駐屯所・通信施設付近― [>>290 聞こえた悲鳴に眉根を寄せる、 フードの下、久々に浮かべたその表情らしき表情は伺えない。
吸血鬼を殺す武器を持つ手は動かない。 その手はもともと壊す手ではないことを知っている、 造る手だ、ものを造り生み出す手。
そんな手をもうひとつ知っている。
どちらを“みんな”を笑顔にさせた。 過ぎった記憶は、けれど現在ではない。 ――悲鳴のような叫び声が聞こえる]
(310) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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殺して「あげる」かね、絢矢くん。
[この直円の独特の構え。虫のように前傾姿勢。 限りなく這うに近い。そして、左右にブレる動き。 見るからにバランスが悪そうで、その実バランスは良いのだ。]
………。
[斬る/斬られるには、双方の呼吸が合う必要がある。 そこで、この構えは相手が「合わせに」くると、 バランスを崩してしまう、そんな狙いの構えだ。 こちらの呼吸も合わないが…だから、「この」得物なのだ。]
………。
[ブレてブレる。鈎爪をふるう。]
(311) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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[>>291 その口から聞こえた名前、 返すのは無音、引きつるように口を開いただけ。 それが苦しげな様子だとわかるのは、リカルダだけだろう]
――……やめ て、
[伸びたのは爪の無い右の腕、 血塗れていることには変わらない、 悲鳴を止めたくてその喉首に手を伸ばす。
もうキャロラインはその叫びを発してはいないのに]
(312) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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[数少ない、己より視点の低い相手。 左右に揺れるような動き。
戦いにくい──けれど。
下方から繰り出される鉤爪を左の『常磐』でいなし、 地面すれすれを這うように奔らせた『菖蒲』の剣先で 直円の右鎖骨を狙って切り上げる。
刃が当たろうと当たるまいと、 そのまま直円の後方へと駆け抜け、 振り向きざま懐から抜き出したくないを二本、 直円の下半身を狙って投擲した。
ただの鉄の塊であるくないは 当たろうとも傷はすぐに塞がってしまうだろう。
絢矢の目的は、 一瞬でも直円の機動力を削ぐことにある。]
(313) 2014/02/11(Tue) 13時半頃
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おっ……!?
[直円の瞬発力を以てしても、切り上げはかわしきれない。 もとより「かすり傷は覚悟の上」というつもりだったが。]
………なるほど、実に「陰謀」を含んだ得物だ。
[右鎖骨をかすった傷が、焼けるように腫れている。 彼は露骨に顔をしかめた。そうであってもくないは。 くないは避けようと思えばよけられたはずだ。
しかし、敢えて 下半身にくないを受け入れた。]
………ッ!?
(314) 2014/02/11(Tue) 14時頃
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[剣先が皮膚を裂き骨を削る感触。 しかし断つまでには至らない。
疾駆の勢いをくない投じると共に外側へ逃がし 直円の呼吸の乱れに乗じて地を蹴り その脇腹を再び下からの斬撃で狙う。]
(315) 2014/02/11(Tue) 14時頃
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絢矢……助け………ッ!
[一瞬か細い声で呟いた。この低い姿勢。 機動力を活かした戦い方。それは「前フリ」。
ダンッ!
ギリギリまで引き付けて土下座するように両腕を地面につく。 直円が一瞬、絢矢の視界から「消えた」。]
(316) 2014/02/11(Tue) 14時頃
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[仕掛けは単純だ。御器被が飛ぶように。 直円も両腕に力を込めて、跳び上がったのだ。 直円は「地」を這い、「足」で動く…… この考えを逆手にとって、狙っていたのだ。]
………。
[人にとって、真上は死角。真上から脳天を狙……わない。 正確には脳天を狙うつもりだった。が、]
………。
[「絢矢の顔を傷つけるのを嫌った」ように、 狙いを変えたのだ。鈎爪を開いて、両の肩口へ軌道を変えた。]
(317) 2014/02/11(Tue) 14時頃
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ホリーは、アヤワスカ絢矢の動きを横目で見ていた。
2014/02/11(Tue) 14時半頃
ホリーは、アヤワスカだけでなく直円の動きも見やりながら。
2014/02/11(Tue) 14時半頃
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へぇ……
[実に面白い戦い方をする。 這い蹲るような体勢だけでなく、相手の感情に訴えたかと思えば飛び掛るその戦い方。
自分が対峙すればどう戦うかを考えさせるような。 そんな見事な動きであった。]
……。
[それでも、情に訴えるような事をしてもなお。 彼の動きにはかつての家族と戦う事を心の底では嫌がっているようにも見えてしまうのだけれど。]
(318) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[先手 それが武器だと思った。 ―が、それを楽々と日本刀で受けられて 避けることもできずに腹部に膝がめり込んでくる>>301]
ぐっ
[よろりと地に膝をついた]
(319) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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“なんで”? ―――……“なんで”かって? にーさんが一番分かってるでしょ? それくらい。
[あの時、キャロライナにーさんは僕を止めようとしてくれたよね。 さっきみたいに僕のことを呼んで。>>285
僕はどちらの武器の刃も向けないで言葉の刃をにーさんに向ける。>>290 けれど、それは同時に僕の心にも引っかき傷をつけてるんだ。
あの時にーさんの言う通りにしてたら、って。 考えたことならある。答えは出し切れなかった。
僕はいったいどうすればよかったの?]
(320) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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――、…………い、やっ。
[僕は対峙する真弓ねーさんとキャロライナねーさんの姿がぶれるくらいに首を左右に振る。
やめて。家族の名前を出さないで。>>291 「探してる」なんて言われたら、―――会いたくなるに決まってる。
ほんとに、みんななのかな。 絶対に離さないって決めたのに離された小さな手は、今も伸ばす先を探し求めてるのかな]
(321) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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どうしたの?
あたしを殺してにいにと皆で一緒に帰るんでしょう。
[そう言うと、膝をついた円の頬を日本刀の峰で張った。 倒れなければ反対側からも殴打して。
殺そうとはしない、これはまだホリーにとっては遊びだったから。]
これなら、サミュエル君の方がまだ強そうだったわね。
(322) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[直円は気付いているのだろうか。 再会してから、 目の前の少女が一度も表情を変えていないことに。
一部の隊員から戦う機械と揶揄されるほど 無駄を排し正確さを追求した動きと、 それを可能にする集中力。
感情を殺すことで、僅かなぶれさえなくなった。
反面──一旦集中が途切れると脆い。]
(323) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[『戦う機械』になりきったつもりだった。
罪を受け入れ、泣くことも笑うことも己に禁じ、 結果、無感情に家族さえ殺せる心を獲たはずだった。
なのに──]
───、
[眼前の敵──直円の発したか細い呟きを聞くと 無感情な絢矢の瞳に、一瞬動揺が過った。]
(324) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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[その──一瞬。 絢矢は直円の動きを追い損ねた。
視界から消えた御器被を探し、 咄嗟に背後を振り返った絢矢の上空から 鋭い爪が降下する。]
──ッ、
[避けるのは間に合わない。
絢矢は何とか腰を捻り、 利き腕に繋がる右肩僅か下に逸らせ その代わりに晒された左肩を庇うように 『菖蒲』の切っ先を突き出した。]
(325) 2014/02/11(Tue) 14時半頃
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「悪いことをする子は、鬼に攫われてしまうよ」
(326) 2014/02/11(Tue) 15時頃
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