84 戀文村
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エリアスに8人が投票した。
ヤニクに1人が投票した。
エリアスは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ヤニクが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ホレーショー、ブローリン、ベネット、ミッシェル、クラリッサ、ダーラ、ウェーズリーの7名。
続けざまの召集令状。
出された先に、否が応でも村人も戦況を知るか。
先を憂いても、小さな村で何ができるだろう。
今朝もまた、届くのは赤い手紙か。
それとも、軍人に向けての指令か。
――……それは、ウェーズリー[[who]]に向けられた*
(#0) 2012/03/29(Thu) 00時半頃
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[三人でいつ頃まで語り合っただろうか 本屋を後にして酒場に戻る最中 ブローリンとクラリッサの姿を見たならば 微笑ましくも少々の違和感を感じるだろう]
……それにしても、エリアスか。 もっと健康な男も女だって、居るのにね。
[明日も誰かに赤紙は来るのだろうか 志願することも考えたが、まだ出来無い やることは多いのだ]
ねえニール、あんたが居なくて肉の仕入れが困るのよ。 ワンダも頑張っているけれど……やっぱり一緒になりたかった?
[そんな独り言を漏らしながら料理を作る ヤニクが練習する最後の音を聞きながら]
(0) 2012/03/29(Thu) 01時頃
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―その夜―
[店を閉めてから、上に上がる前にヤニクに声をかけた]
飲めないわけじゃないんでしょう? たまには、一緒にどうかしら。
[そう声をかけて、「とっておきの酒」を振る舞う 眠ってしまったらその髪を撫でて しばらくはその寝顔を眺めていた
背が高いから、少しだけ苦労したけれど 店の裏の雪深くへとその身体を埋める
これで、旅人ヤニクは遠くへ旅立ったのだった]
(1) 2012/03/29(Thu) 01時頃
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女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 01時頃
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[木にもたれかかり、泣きじゃくる背を撫でる。 目を強く閉じて流れた一筋を、その後続を、息を吸い込んで止める。 鼻腔に、甘い香りが満ちて、その主が今、 悲しみにくれて壊れてしまいそうな事に、罪悪感すら覚えた]
……
[泣き声が嗚咽に代わり、啜り声に変わるまで、じっと空を見ていた。 増えてきた星が、増えていく死者の数にも思えるのだった。 彼女が離れるそぶりを見せれば、腕を緩めて、静かに見下ろす]
(2) 2012/03/29(Thu) 01時頃
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―本屋―
[語り合い、彼女らを見送る頃には日が落ちていた。 青年は届いたばかりの本を、受け取りに来て欲しいと ワンダ宛に手紙を書いた。 明日いつもどおりウェーズリーに配達を頼もう。
今はまだ、明日の運命など知る由もなく 保存食の本は机の脇において 何時もどおりのプロパガンダは昨日の雑誌に重ねて本棚に並べた]
(3) 2012/03/29(Thu) 01時頃
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[ミッシェルかダーラが言い出さない限り 青年は今日届いた赤紙のことを知る事はない。 店じまいをし、部屋に戻る。 ガラスの破片が飛び散っていて、 割れた窓からは冷たい風が吹き込んでいた]
……どうしたものかな。 厚紙でふさぐくらいしか、ないか。
[ため息をひとつ。靴がジャリと破片を踏む]
酒で紛らわせられるなら、まだ大丈夫 彼女はまだ、生きている
私は……私も、大丈夫。 約束が増えたし、それに……抜け駆けは禁止だ。
[窓へ応急処置を施しながら、随分読み進まない本を見遣る。 読み終わるまでには戻ってくると、言っていた親友はまだ遠い戦地 春は未だ、気配すら感じない**]
(4) 2012/03/29(Thu) 01時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 01時頃
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―朝―
[エリアスは何時頃出たのだろうか ヤニクを眠らせた自分が、何事も無い顔でそんなことを考えられる頭が 自分でも壊れきっているように感じた それは母親を屠ったときにもう、手遅れだったのかもしれない]
静かになるわね。
[使われなくなったピアノをひと撫でして 静かな酒場で支度をしている]
(5) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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[まだ腕の中、見上げる彼女を首を少しだけ傾けて見下ろす。 彼女の目をそっと押さえて、残った水滴で指を湿らせた。 いつかの様に、頭を撫でる。薄く薄く、笑みを形どった口は見えたろうか。 たとえ見えても、笑っているのはわからなかったかもしれない]
……
[丸めた手で、濡れた彼女の頬に触れる。 目を合わせたまま、小さく小さく、身じろぎ程度に首を振る。 それは、彼女の目にはどう映ったろう**]
(6) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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ー 翌日 −
[エリアスを見送る事はしなかった。 彼は彼として還って来ると信じていたから。 それと同時に眩しかったからか。 末を知りながら毅然とその道を進むセレストやエリアス。 自分はその道から顔を背けて我儘を通そうとしている]
……本当に俺は弱虫だ…。
[自嘲を浮かべる傍から、新しい招集の紙。 何時になったらこの紙は村人達の命を狩る事を止めるのか]
ウェーズリー……あいつがいなくなったら誰が手紙届けるんだよ。
[誰があの重さを背負うと言うのか]
(7) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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そういや、手紙、文通するって約束だったっけ。 書き方知らねえって言ってたな。
[数少ない貴重な約束の1つを思い出して宿舎を出る。 向かうのは本屋。 元々本より身体を動かす事が好きだった。 流石に軍人である以上必要なものは読んでいるが、 どうも眠くなって仕方ない。 当然本屋や図書館からは足は遠ざかる。
勿論この本屋に足を向けない理由はそれだけではない。 店主の陰口を部下が叩いていた事も少なくない。 その都度殴っていたが、殴るだけ自分の陰口と共に 彼への陰口も増えていった。 店主が知るわけもないが、申し訳なさと、自分が通う事で 更に嫌な思いをさせる事になるのではないかと気後れもあった]
(8) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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ベネット。いるか?
[だが今はそんな事を気にしている場合では無く、 緊張を見せない様に本屋を覗いた。 その時店主はいただろうか。他に誰かいただろうか。 誰がいても、軽く挨拶や二言、三言会話を交わし]
なぁ手紙の書き方と言うか作法書いた本あるか? 俺報告書の書き方しか持って無くてな。
(9) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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[珍しい訪問者の突然の注文にベネットはどんな反応だったか。 ウェーズリーの話は皆知っているだろうか。 自分からは話す事はせず、ちょっとなと濁すだけ。
目的のものは手に入ったか。 手に入ればそれと、入らなければ簡素なレターセットを 手にウェーズリーを探すだろう]
お、ウェーズリー! この前の話な、ほら文通の奴。 考えたら俺、字汚ねえし、人に教えるの苦手だから。 悪ぃけどこれで頼むわ。
[赤紙の話は彼から口にしなければ自分からは話さない。 おどけた様子で、彼に渡そうとするが、彼はどうしたか。 受取らなければ少しの問答の後、自分の手に戻すだろう]
(10) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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ウェーズリー…あんたは心残りはないのか?
[共に、と願う者はいるのか。とは口にはしない。 だがウェーズリーなら静かに、だが、 深い観察眼を持つ彼なら意味は判るだろう。 彼はどんな様子で答えてくれるのだろうか。 自分はただ静かに答えを待っていた**]
(11) 2012/03/29(Thu) 01時半頃
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ダーラは、がらんとした酒場は、独り言もひどく響く**
2012/03/29(Thu) 02時頃
女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 02時頃
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―翌日・本屋―
[二日続けて石が投げ込まれることはなく 厚紙で補強された窓から冷たい空気は流れ込むものの 至って何時もどおりの朝を迎える。 青年は身支度を済ませ、少し早い時間に店を開けた]
……今日は来るかな
[何が、とは言わない。 しかし、招かざる客>>8の来訪があった。 軍人。 それだけで青年の笑顔はこわばったものになる 彼が外で何をしているか、まったく知らない。 故に青年の中では呼び捨てにされる覚えも無かったのだが 其れが彼の性格かと内心で整理するくらいに留めて置いた。 歓迎していないと、身構えた態度は笑顔で隠しても伝わるものだろう]
(12) 2012/03/29(Thu) 09時頃
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いらっしゃいませ。 マナーの本でしたらこちらです。
[手紙の書き方、というよりは礼状や季節ごとの挨拶文の書き方のようなもの。 彼が探しているものが其れで良いのかどうかはわからないが 店内棚の奥まで入らせることなく、青年自身が持ち出してきた]
手紙というものは 要はするに相手に伝わればそれで良いんですよ。
[一言を添えて、この本でなければ他にはないと示す。 買って行くのかどうか、笑顔の奥に訝しげな視線を隠し青年は彼を見ていた。 そんな午前中の話。 勿論、ダーラが何をしたか次に赤紙が届いた相手が誰か、一切伝わっておらず**]
(13) 2012/03/29(Thu) 09時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 09時頃
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[何故、どうして、と、行き場のない憤りが籠った泣き声は、 全て包まれた腕の中へと消えて行く。
泣いて、泣いて、泣いて……。
声も枯れ果てて、啜り泣きに変わった頃。 ようやく、落ち着いたのか、女は微かに身じろぐ。]
……ごめんなさい。
[ぐすっと鼻を啜って見上げる顔は、上の方。 月明かりの下、微かに男が微笑んでいるのが、判る。 泣きはらした酷い顔を、笑われているのではないだろう。 最後、拭われていく哀しみの残骸。]
(14) 2012/03/29(Thu) 09時半頃
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ブローリンさん、ありがとう。
[ちいさくちいさく首を振られる。 その動作は、もう十分泣いただろう?と、 優しく言われている気がした。 だから、不器用に触れられた頬の筋肉を持ち上げて見せる。
エリアスに対する哀しみを、共有してくれた人。 名を呼ぶことで、まるで古くからの知り合いのように。 そうすれば、別れの時が来れば、また泣いてしまうと判っていて、 今は、哀しみの共有者を増やすことで自分を立て直す。
ただ、丸められた手で触れられるということが、 微かに彼からの隔たりのように感じられては、いたけれど。]
(15) 2012/03/29(Thu) 09時半頃
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[その手に、一度そっと自分の手を這わす。 ネコのように、頬を摺り寄せれば、 相手の手は離れていっただろうか。
それから、何か意思を疎通させる何かはあっただろうか。 クラリッサの方からは、ハンカチをまた汚してしまったから、 返すのは少し待ってほしいと伝えたかもしれない。
明日、明かりも本屋の主人に返さなければ……と、思いながら 昨日から借りっぱなしの明かりを手に、女は家路を行くのだった。]
(16) 2012/03/29(Thu) 09時半頃
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[そして迎えた朝。 昨日のように取り乱して、エリアスを送りにとは向かわない。
唯、家で祈りを捧げて、いつものように家を出る。 途中、郵便屋の彼と会うことがあれば、 相変わらずボロボロな鞄を見て]
仕事終わりにでも、預けてくれたら良いのに。 朝取りに来てくれればお仕事にも支障でないと 思うのだけれど……。
[彼に明日の仕事はないのだと、その時は知らず。 そんな言葉を向けたかもしれない。
そんなこんなで、向かう先は、本屋に。 入れ違いに、本屋で会うは珍しい陽気な軍人の姿を見かければ、 挨拶を交わし、郵便屋を見なかったか?と問われれば、 先ほど見かけた方角を示しただろう。]
(17) 2012/03/29(Thu) 09時半頃
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― 本屋 ―
[たどり着いた場所は、少し様変わりしていた。 割れたガラス。それは、応急処置をされていて……。 クラリッサは、少し眉を潜める。
何か事故でもあったのだろうか、と。 ベネットに怪我がなければいい。 この物資不足の中、ガラスはなかなか手に入らないだろう、 怪我がなくとも風邪をひくようなことがなければいい。 そんなことを思いながら、扉を引く。]
こんにちは、ベネットさん。 この間、借りた明かりを返しに来たのだけれど……。 表のガラスどうされたの?怪我はない?
[そこにあるだろう主人の表情は、どんなもので*あったか*]
(18) 2012/03/29(Thu) 10時頃
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[今は泣くのは十分だと。エリアスとて、泣き続けて欲しくはなかろう。 笑っていて欲しい。例えそれが、胸をちくちくと刺すとしても。 自分も、君の笑顔を見ていたいと]
[ハンカチの件にはゆっくりと首を振る。 下手に形見にはしたくないから、受け取るつもりではいるが、 渡せる時に渡してもらって構わない。 彼女に合わせて立ち上がって、通りの方を示す。 灯りがあるとは言え、狭い村とは言え、送って行く。 手帳に何か書いて、別れ際…彼女の家が見えた程度で立ち止まり、 破り手渡す。彼女が家に入って行くまでそこに居て、 その日は兵舎に戻った。久しぶりに、そのまま眠ったのだった。 エリアスの旅立ちを見送らなければならないから、浅い眠りではあったが。 彼女に渡した紙には]
"自分は君に、非道い事をしようとしている。 もしそれでも聞いてくれるのなら、 ’彼’にも渡した焼菓子を待っている"
(19) 2012/03/29(Thu) 12時頃
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ブローリンは、エリアスを見送り、そのまま、時間まで広場におり、見張りに立った。
2012/03/29(Thu) 12時頃
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[セレストに続き、エリアスも往ってしまった。 ヤニクは、無事に旅を続けられるだろうか。 ヨーランダの死にも分隊長が関わっているだろうか。 あの日、掴み掛かられた事実があるにしても少し引っかかる。 死の理由ではない。おそらくは彼女自身が望み、そして恐らくは、 セレストも望んだ事なのだろう。なにか違和感がある。 そう考えて、ミリ単位の苦笑いを閃かせる]
……
[死に敏感になりすぎているのか、麻痺して鈍感になっているのか…。 エリアスの姉、ミッシェルや本屋の主、ベネット。酒場の女将、ダーラ。 カフェの店員、雑貨屋の手伝い、この村の若者を思い浮かべる。 分隊長の行動は、彼らを救おうとしての物だ。 その根元が正気であれ狂気であれ、その思いには嘘偽りはないのだろう。 だから無理強いはしていないのだろう。そう信じたい]
(20) 2012/03/29(Thu) 13時頃
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―自宅→―
[男が封筒を受け取ったのは朝方のこと。 配達に出るよりも先の時間。 受け取ったのは封筒の中身を見ることはなかったが 持ってきた軍人にたいしてすっきりとした敬礼をひとつした。 畏れのない、いつも通りのかおだった。
それからいつも通りに配達に出た。 からからと車輪は回っている。 男は、赤紙のことを口にしない。 だから、持ってきた軍人が言わない限り、殆どは知るまい**]
(21) 2012/03/29(Thu) 13時頃
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[例えばエリアスが往くと知ったミッシェルに一瞬見えた色のように。 この村の住民がの誰かが、悩み、嘆き、苦しみ、誰かをその手にかけるとしたら。 それだけは止めたいと思う。たとえ双方がそれを望んだとしても。 自分達軍人は人殺しで、いつか戦場で死ぬのが仕事だ。 戦争が終わり生き残れば違う道もあろうが…その業は祓えまい。 だからこそ、村人にそんな業を背負ってほしくない。 そう思い、いつも以上に、村を見る]
[そんな村への小さな違和感。 今日赤紙が届いたのはあの郵便屋だという。 その話題が、上がっていない。 万人に疎まれる事のなかった彼の出発を嘆かぬ者がいるとも思えない。 もし彼が通りかかれば、"一人で行くのか"と聞くつもりで]
(22) 2012/03/29(Thu) 13時頃
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[ベネットとの会話は、どのようなものだったか。 そう長居をすることなく、クラリッサは店を後にしようとして、 ふっと思い出したように扉に手を当てたまま振り返る。]
そうだ、ベネットさん。 ヤニクさんの件、ありがとう、後押ししてくれて。
[よくよく考えれば、彼の旅立ちをよく思わない村人もいるだろう。 そんな中、後押しをくれたことが嬉しかった。 ダーラとヤニクは、話ができただろうか……と、少し思考が飛ぶ。 よもや、その彼女の手によって、ヤニクが旅立ったとは、 女には預かり知らぬところ。]
(23) 2012/03/29(Thu) 13時半頃
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[そして、再度、灯りを返す時にも述べたが、 お礼を用意できなかったことを詫びて店を後にした。
これから向かうのは、ナタリアの家。 いつも通りの行動だけれど、昨日と同じく キッチンを借りてクッキーを焼くということが常と異なる。]
クッキーをお返しにしても良かったけど……
[歩きながらクラリッサは独り語つ。 きっと、それはお裾分けしない方が良いのだと思う。 平和の仮初の象徴、エリアスに贈った餞。 お裾分けを食べた旅人も、だから旅立ったのかもしれぬとは、 彼の死を知らねば思わぬことではあったが。]
(24) 2012/03/29(Thu) 13時半頃
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クッキー作るの嫌いになりそう。
[昨夜、別れ際に渡されたメモを思い出す。 あの優しい無口な人が、酷いこと……ということなど、 無知な女の想像では1つしか思い当たらない。 それがあっているかは、話してみないと判らないけれど。
それでも、彼の願い通りに焼き菓子を焼こうとするのは……。]
(25) 2012/03/29(Thu) 13時半頃
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