3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[不思議と、ノイズが消えた。頭痛と吐き気も。
代わりに、半分透けてしまった腕。 辛うじて、何かを手に持つことは出来た。 今はもう、気をつけても手の色が元に戻ることはない]
後どれだけ、私は生きられるのでしょうか。
[ぽろと口にする。その視線は穏やかに、悲しげに、映った]
(5) 2010/03/03(Wed) 01時頃
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[バーナバスに問われるとああ、と頷いた]
動物霊ですよ。 発情期の、猫です。やっかいな物を付けてくれたと思いませんか。アトラナート先生も、今は理性で保ってるようですが。
誰かを、襲いたくてたまらないはずですよ。
[雄猫が、にゃあと心の中で鳴いた]
(6) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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[用務員室から、声が聞こえた。 動くのは、心より先に身体。憶えているのは、身に刻まれた、何か]
だから、女性に近づけないようにというんですよ。
セシル、どうしましたか。
[用務員室の中へと入る。身体を折る姿]
(22) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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バーナバス、何ゆっくりしているんですか。 [上がる叫び。それはとても切なく聞こえた]
……その、腕は。
[隠した隙間から、紫水晶が見えた。腕の形。 あの指先と、似た]
また少し、侵蝕が進んだようですね。
(34) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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……ヘク? ヘクターが、どうかしましたか。 ケイトが、また何か。
[微かとおくから、グロリアの声が聞こえたような気がした]
バーナバス、水は私が。 アトラナート先生のところに。 ヘクターに何かがあったようです。
[バーナバスへと言ってコップを受け取ろうと手を出した]
(40) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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失礼ですね。教師としてみる以外に、何があると言うのです。
[ないはずだ。
そんな思いはもう忘れている。けれど、身体は覚えて]
アトラナート先生とヘクターを、お願いします。
(43) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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[バーナバスを見送ってから、セシルを見た。まだ、震えているだろうか]
セシル、落ち着いてください。水を。
[傍に屈んで、様子を見る。 心が消えたわけではない。 ただ、積み上げたものがなくなっただけ。
だから、時間があればまた生まれるだろうと、思った。
猫が鳴く。 抑える。鳴く。鳴く。呼ぶ]
(49) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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[反応は薄い。 触るなと言う声に、手は出ない。
日誌のページ]
触りませんから。 ……。
[触らず、けれど離れられず。 開いたページに眼を走らせた38]
(55) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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セシル、落ち着いて。 いらないならいらないで構いません。 ですが、頬が、切れています。 傷を増やさないで。
[手を出した。出すつもりはなかった。
透けた手に、紫水晶は傷をつけず]
(62) 2010/03/03(Wed) 02時頃
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おそらく、集中すれば触れることは、出来ますが。 触るなと言われましたので。
……その手は、恐らく侵蝕によるものでしょう。 あちらの世界の。
元の世界に戻れれば、元に戻ると思います。 でなければ、私は戻ったらずっと半透明のままですからね。 [笑みを浮かべた。それはまだ、失う前の]
(67) 2010/03/03(Wed) 02時頃
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不便ですよ。 これでは、何かを持つこともままならない。 ――ピアノももう、弾けません。
別に、構いませんが。 ……指はまだ、動きますか。
[手を見て問う。触れるように、手を重ねた]
元の世界に、戻るためにケイトを探すのでしょう。 何のために、今日誌を探しているのですか。
[猫がなく。鳴いて、反応がないと泣き疲れたように、声はやんだ]
(72) 2010/03/03(Wed) 02時頃
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[退かれると、今度は、その手を取る。血が、僅か滲んだ。 その血も、透けて消える]
帰れない。 何故? こんなところに、閉じ込められてしまったからですか。 ケイトを探せば、鬼を探せば、戻れるのでは、ないですか。 その約束も、嘘だったと?
――私は、生徒が帰る事が出来るのなら、帰らなくてもいいと思っています。 いえ、恐らくは、帰れない。こんな身体ですからね。
侵蝕が、進んでいるのでしょう。生きる事に対する興味が、薄れてきました。 でも、生徒を帰すことは思いをなくす前に私が思ったこと。 何故、と思います。 ですが、なくす前の自分は、今の私よりも良かったはずだから、その意志だけは、継ぎたい。
帰れないと思ってしまったら、駄目です。 帰れるのだと思わなければ。
(91) 2010/03/03(Wed) 02時半頃
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[出て行く姿]
セシル!
[その後姿を――]
何故、私は追うのですか。
[追った。 わからない。わからない。
追う必要があったのだろうか ――逃げたならそのまま
関係ない。 自分には、関係のない、こと。
忘れたのだから]
(93) 2010/03/03(Wed) 02時半頃
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[猫が、騒ぐ。にゃあにゃあと鳴く。 うるさいと、黒の裡に閉じ込める。
わからない。
言葉に心が伴わないから。
透けた身体はまだ、歩くことが出来る、走ることが出来る。
後悔しない為に。 後悔してしまったから。 後悔など役に立たなかったから。
あの時]
(97) 2010/03/03(Wed) 03時頃
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[聞こえるのは、聞こえてくるのは、ディーンの声。何故と思った]
慰める? 馬鹿な。 残念ですがそんな趣味はありません。
大体誰を抱くと言うのですか。
[後を追いながらいう。目の前で指が振られて。ヘクターのことが告げられる]
……。それは本当ですか。 単に貴方から見えていないだけですか。 貴方はまだ、こちらにいるのだから。
あちらへとヘクターが行ったのなら、まだこちらに留まる貴方に、彼の声は届くのでしょうか。
(101) 2010/03/03(Wed) 03時頃
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[声は、聞こえなくなった。 大きな木の下、蹲る姿が見えた]
セシル、急に走り出されると、困ります。バーナバスに頼まれたのですから。
[本当に?]
触ったことは、謝りますよ。 すみません。
[声が届くところまで。 項垂れる様子に足を止めて、去ることも出来ずに少し離れた場所から見守る]
(105) 2010/03/03(Wed) 03時頃
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……私は鬼を連れて行く。 それだけです。
私はセシルに、血の代わりに帰れたら私のためにピアノのを一曲弾いてくれといいました。 それが守られるのなら、私の命などくれてやる。
[風に乗って聞こえたディーンの声へと]
弾くその場所に、私はいなくても構わないのですから。
[そう思ったのは、何故だったのだろう。 何故追ってきたのか。 彼が求めているのは自分ではないのに。
わからない。 鳴き続ける猫。その猫へ]
私の体で、誰に何をすると言うのですか。身体は透けているのに。
[釘を刺した。鳴き声は、小さくなる]
(106) 2010/03/03(Wed) 03時頃
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[そう、身体は透けている。確認はしていなかったが、四肢以外はほとんどかもしれない。 内に向かって薄くなっている身体。
手が、完全に透けてしまったら。
触れることも叶わないのだろうか。 否、触れるつもりはない。 それは以前の自分でも同じ事で。
想いを伝えることはなかったのだろう。 想いを確認することもなかったのだろう。
ただ、見守り続けるだけ。 それは、失った今も同じ。
自分では、駄目なのだろう。そう思えば、浮かぶのは一人しかいない。
手に握られた携帯。彼へ連絡を入れたのなら、探してくるのだろう。 そうしたら、自分は「ここ」を去るのだと決めた]
(110) 2010/03/03(Wed) 03時半頃
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[寄って来たのはどこかで見た保健医によく似ていた。 猫が鳴く。 疼く。
目を伏せた]
私は猫に、言いました。 相手は私が決めると。
だから、貴方では不足です。
[探さなければ。でも、今はまだこの場所を去ることが出来ない]
貴女も、私では満足できないと思いますよ。 そんな身体をしているのですから、そこの金髪の青年にお伺いを立てたらどうですか。
[笑みを見せて、見上げた]
(111) 2010/03/03(Wed) 03時半頃
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化学教師 スティーブンは、奏者 セシルのほうを見やったままポケットに入ってビー玉を指で*転がした*
2010/03/03(Wed) 03時半頃
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……もとから。 手に入れるつもりなどないのです。
[そう言った表情は、酷く寂しそうな顔を*していた*]
(113) 2010/03/03(Wed) 03時半頃
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[セシルの方をじっと見ていた。確認できていないことはある。 彼の、ビー玉の色。
そも、色などどうでもいいのかもしれなかった。 自分にとっては。
その言葉が彼を追いつめているとは、知らない。気づけない。
ケイトの声が聞こえた気がした。セシルから紡がれた言葉に、彼女がいるのだと、わかる]
ケイト? あなたが、いるのですか
(187) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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寂しいのは、誰ですか。 セシルですか、ケイトですか。二人とも?
寂しいのなら。 手を伸ばせばいい。
闇以外に。
ケイト、あなたも。 寂しいのなら、こんな事をしなくても良かった。 見つけて欲しいのなら、あんな事をしなくても良かった。
こんな場所に、呼ぶことなく遊ぶ方法もあったのでは、ないですか。
[化学教師とは思えない言葉だと、思う]
(190) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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[見えたケイトの姿。手を伸ばす。つかめたなら、振り払おうとして]
寂しいのなら。 セシル、あなたには頼る相手がいるでしょう。
(191) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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[ああ、そうだ、と思う。 なくす前には気付かなかった。 なくしてから、推測できた。
一人の教師として、接したはずだった。 そうでなくなったのはいつからだったのか。
今もその気持ちは、再び表れるのだろうか。 現れなくても、いいと思った。
自分が教師である以上、その言葉を告げることはないのだから。
今も]
(192) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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教師は、嫌われてもいいのですよ。 もちろん好かれれば嬉しいですが。
でも、貴女が私を嫌っても、私が貴女を嫌うことはないでしょう。 もちろん、怒りはしますが。
[ケイトを見る。腕に触れたその冷たさ。見えたのは闇。 裡の黒がざわめく。
猫が、喜びの声をあげる]
(194) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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伸ばさなければ、貴方が傷つくのでしょう。 なら、伸ばしなさい。
言ったでしょう、ただ、痛いだけだと。 本当に傷つくのは、伸ばされずに離れたときだけです。
[セシルを見る。 彼がもし鬼なら、自分は彼を連れて行くのだろうか。
帰りたいと望むのなら、連れてはいけない]
(197) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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わかりませんよ。
境遇が似ていたとしても、同じようだったとしても、私はセシルではないし、ケイトでもない。 そしてケイトは貴方でもない。 貴方は、セシル・シェリーだ。
同じように見えて、人は違うのです。
私は、伸ばされた手を取った。 今は、もう伸ばさない。
ケイト、善悪などどうでもいいのです。もう。 私は、彼を元の世界に戻したい。
――…鬼でも。
(198) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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……人によっては平等ではないでしょう。 それはその人の性質で、教師全体ではない。
教師も一人の人間ですから。 ケイト、貴女が誰かに何かをするのと同じように。
貴女は、本当は何をしたいのですか。
(201) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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[みんな死ぬ、そう言われれば、僅かに曇る]
そのようにしたのは、貴女でしょう。 そのようにしなければ良かったのに。
鬼を探すのも、鬼を逃すのも、同じ事です。 結局は、どちらも、誰かを死に追いやることになる。
貴女は、全員を戻すつもりはないのでしょう。 もう、サイモンもヘクターも、いなくなりました。
[独占欲なのだろうか。これは。 誰かを死に追いやっても、誰かを護りたいと思うのは。
そうだ、と 黒の裡で何かが笑う]
(204) 2010/03/03(Wed) 13時頃
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[死者にもまれても、もう、この体は何も感じない。猫の声。甘い響き。黒に、飲み込まれそうになるけれど]
うるさいですよ。 何を、見せるというのです。
[視界の先、セシルの腕が映る。伸ばせばまだ届くだろうか。 届かない。 届くはずがない]
帰りたいと願いのなら。 願えばいい。 それは、全員に与えられているはずです。
貴方にも。
(206) 2010/03/03(Wed) 13時頃
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