270 食人村忌譚
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狼
墓
少
霊
全
この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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どうせ、殺されるわみんな。…みんな
/* 死ねばいいのに */
(0) 2017/11/21(Tue) 00時頃
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とある山奥のとある村。そこにはけして多くない数の村人が暮らしている。
外から入ってくる者はほとんどいない。外に出ていく者は、いない。
その村には幾つかの因習があった。
一つ、村を出るのは特別の者が特別の時に特別の理由でしか許されない。
一つ、村には「結婚」も「夫婦」も存在しない。
一つ、死人が出た時には皆でその肉体を喰らう。
一つ、「儀式」の場合と罪人に対しての場合は殺人が許される。
ある日、村で殺人事件が起こる。獣にやられたのとは違う、無残な死体。
許される「理由」がない殺人はこの村で絶対的な禁忌とされていた。
掟に背いたのは誰か。村を壊そうとしているのは誰か。
犯人を捜すために、一部の村人が集会所に集められる。
そして、疑わしき者を殺す事が認められた。
殺し、殺され、喰らい、喰らわれ――
訪れる結果は因習の存続か、それとも村の崩壊か?
(#0) 2017/11/21(Tue) 00時頃
――食人村忌憚――
(#1) 2017/11/21(Tue) 00時頃
その村には、因習があった。
その村には、掟があった。
その村には、 常識 があった。
(#2) 2017/11/21(Tue) 00時頃
村人達は、当たり前に、村で生きている。
当たり前の生活を、送っている。
村人達は、今日も、当たり前に暮らしていた。
いつも出鱈目な歌を口ずさむ少女が、
今日も歌っている。
出鱈目な、何処か不穏な響きの言の葉を、
いつもの通りに。
(#3) 2017/11/21(Tue) 00時半頃
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―― 回想 / 儀式 ――
[いつも脳裏に焼き付いて離れないのは、 母の死に顔だ。 冷たく、青白くなった肌。 もう私の名を呼ぶことはない乾いた唇]
……さよなら、お母さま。 お願いいたします。
[私が頷くのを合図に、 村の衆たちによって母の死体は解体されていく。 家畜のように切り裂かれ、 ただの肉塊へとなり果てていく母。 私は黙って、その様子を見守っていた]
(1) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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ちょっとお待ちになって。
[村の衆たちの手が止まる。 男たちが引きちぎろうとする母の内臓は、 綺麗な柘榴色をしていた]
女陰(ほと)と乳房は私に取っておいてくださいまし。 とても美味しそうだわ。
[にっこりと、私は笑うのだ。 今から母を食らうのだ。こんなに嬉しいことはない]
(2) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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[新鮮な血肉を求め、村の者達が神社に集まっていた。 こんなに沢山の村の衆達が、母の肉を求めているのだ]
ここから私は生まれてきたのね。
[手渡された肉塊を、感慨深く見つめる。 あたりには解体し終えた後の母の骨が、 無造作に散らばっていた。 肉は綺麗に削ぎ落されている。
私は無心で女陰(ほと)にしゃぶりつく。血が滴る。
沢山の村の男たちの精を 搾り取ってきた、母の女陰(ほと)。 その役目は、今日から私に引き継がれることになる]
(3) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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……やわらかい。 乳房の方は、どんな味がするのかしら。
[母の乳房にしゃぶりつくのなど、赤子の時以来だ]
ああ、これでお母さまと私はひとつになれたのね。 素晴らしいわ。とても美味しい。
[恍惚とした表情で、私は母の肉を貪る。 いつか自分が死して解体され、 人々に食べられる姿を想像すると、ひどく興奮した。 これ以上の幸せがあるだろうか*]
(4) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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―― 現在 / 神社 ――
[平穏な日常、変わらぬ日々。 私は粛々と巫女としての日課をこなしてゆく。 箒を片手に、境内で落ち葉を掃く。
この神社の今の主は私だ。 先代の巫女である母が亡くなって、私が跡を継いだ。 村の神社は、代々女が継ぐしきたりになっている]
……ふふ、お母さま。 今日も良いお天気ですね。
[私は独り言を漏らす。 母の血肉を食らった私は、母とひとつになったのだ。 目に見えずとも、死者は私の身体に宿っている**]
(5) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 02時頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 02時頃
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―牛舎―
社(やしろ)の梢が ざざめいて――――
彼方の門出を お見送り――――
[老いた牝牛の背を撫でながら、黒い女が唄を吟ずる あの、出鱈目な歌を歌う愛理>>0>>#3と同じように、黒い女も事をなす日は、決まって唄を口ずさむ 優しく触れる指先に、命の温もりが暖かい 指が辿るは、痩せた背中 子も産めず、乳も出ず、働くことさえままならなくなった、その肉体を]
どこから食おうか どうして食おうか――――
[背は片手で撫でたまま 残る一方で腰の鉈柄(なたづか)にそっと触れると、ゆっくりと鞘から抜き放った 大上段に掲げられる、冷たい刃 そして――――――――――――]
(6) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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巡り巡りて 帰りゃんせ――――
[唄の余韻が途絶えた瞬間、手にした鉈を、力の限り振り下ろした 髄を断ち切る硬い手ごたえ 短い断末魔 命の灯が潰えたことは、それだけで察しができた しかし、屍を押し倒し鉈を引き抜くと、さらに執拗に刃を振るう
返り血を浴びながら、頭部を目掛けて、幾度も、幾度も その度に、硬い頭蓋の反発が、年季の入った腕を痺れさせる
やがて、腕が重くなり、足元が鮮血に浸されたころ ようやく振るう手を止めて、乱れた息で、頭蓋から鉈を引き抜いた]
我が身に……宿りて……帰りゃん……せ――――
(7) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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[黒い女――江津子(エツコ)は、普段は村はずれで小さな田畑を耕して、山に潜っては恵みを享受する日々を過ごしている 一方で、十代の頃から、頼まれればこうして、家畜の屠殺などを請け負ってきた 少し前までは、畑を荒らす獣の駆除などもこなしてきていたものだ 若い時分に、鉈一本で熊を仕留めた逸話については、今でも時折、村の語り草となっている それももう、ずいぶんと昔の出来事ではあるけれど 愛用の鉈は、これまで多種・数多の魂を吸い…………]
…………
[牝牛の頭を金ダライに納め、喉を裂き、体の下に踏み台を滑り込ませ、血抜きの準備を整える 鉈を払い、手製の鞘に納め、ようやく整った呼気をついたところで 背後の人の気配に気がついた 頬の血を袖で拭い振り返ると、そこにいた人物に対し、柔らかな微笑を送る]
(8) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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ちょうど、一通り終わったところですよ
[入口にいたのは、この牛舎の持ち主 江津子に屠畜を頼んだ村人だ 相手も笑顔でこちらを労い、礼の言葉を述べてくる ありがとう お疲れ様 捌いたら肉のいくばくかを、ぜひ礼に受け取ってほしい、と]
わぁ 嬉しい ありがとうございます おかげさまで、今夜はご馳走です
[両手をあわせ、笑顔のまま、深々と頭をさげると]
それでは、血抜きが終わったころに、また参りますね
[今一度礼をして、血濡れた牛舎を後にする 濡れてしまったせいもあるのだろう 肌寒さに感じながら、村の中を歩んでいった**]
(9) 2017/11/21(Tue) 02時頃
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―自宅―
[半分ほど開けた窓から吹く風は、 歌>>#3を運んでくる。 いつも通り。可愛らしい、出鱈目な歌。
笑みをこぼした私もいつもと同じように 台所に立っている。 香草や調味料でしっかりと下味をつけた肉に 衣をつけて、揚げて。 今は、それを炊きたての白米で包んでいるところ。
炊きたての米、揚げたての肉の香ばしさ。 食欲をそそる匂いは、歌と入れ替わりで 窓の外にも流れ出していくだろうか。]
(10) 2017/11/21(Tue) 03時半頃
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出来た、っと。
[暫しの後、完成した唐揚げおにぎりの姿に、 私はうんうんと満足気に頷いた。]
いってきまぁす。
[冷ます作業もそこそこに、 お弁当におにぎり達と野菜の煮物を詰めた私は 元気よく家を飛び出した。
美味しいものを作るのが好き。食べるのも好き。 でも、美味しいよ、って 料理を誰かに食べてもらうのは、もっと好き。
それだけの、単純な話。]
(11) 2017/11/21(Tue) 03時半頃
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―村中―
[暖かい風呂敷包みを抱えて、ぱたぱたと村を駆ける。 程なくして見えた黒衣の女性に ぶんぶん、手を振って私は駆け寄った。
彼女から漂った鉄錆のような香りは、 相手が仕事人である証だろう。 昔、熊を仕留めたという伝説を聞いて、 やり方を教わろうとした幼い私に、 はてさて、彼女はどう答えたんだったか。]
(12) 2017/11/21(Tue) 03時半頃
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江津子おばさん。 今日もお疲れ様です!
あとね、お弁当作ったの。力作。 良かったら食べて!
[ぺこ、と頭を下げたのち 風呂敷包みの中から小さなお弁当箱を取り出す。
先程の唐揚げおにぎりがふたつ、 それから畑で採れた野菜の煮物が 詰まったそれを、彼女に差し出すだろうか。]
(13) 2017/11/21(Tue) 03時半頃
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今度感想聞かせてね。 それじゃあ、失礼します!
[江津子おばさんは受け取ってくれただろうか。 どちらにせよ私は、ひらひらと手を振って、 再び、村を駆けて行くだろう。**]
(14) 2017/11/21(Tue) 03時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 03時半頃
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『いやだよう わたし いやだよう わたし しんじゃうの わたし かかさま みたいに ちぃ だして しんじゃうんだあ』
(15) 2017/11/21(Tue) 05時頃
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[そう言ってその娘が泣き暴れたのは、十五の齢の時だった。淡い着物の下部をじわりと赤く染め、突き出た白い肢に赤を滴らせて、娘は泣いた。痛みと、不快と、烈しい恐怖に、動かされていた。 初めて迎えた、月の廻り。 その意味を、その実際を、娘は到底知らなかった。到底わかり得なかった。齢と比して極めて幼い、拙い、思考を、精神をばのみ持つ、 美しいその娘は、白痴だった。
娘の母は、その時より更に二年の前、 肺の病で寝たきりになっていたところを、 鼠に隠部を食い荒らされて、死んでいた]
(16) 2017/11/21(Tue) 06時頃
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[「女」となった、その後に。 十六になる頃、娘は初めての子を身罷った。しばしば、かわるがわる、夜這いした衆らのどれかの種によって。何もわからないままに男を受け入れ、何もわからないままに性交を知り、何もわからないままに身罷って、何もわからないままに、子を産み落とした。 白痴たる娘には、子を育てるなど土台無理な話である。娘の子は既に母なる他の女に預け渡された。 娘はそれから、二度、三度、子を孕み、産み落とし、 二度、三度、流れ溢しもしながら、 ――そうして今、また、身罷っている]
……おなか、すいた。なぁ。 ごはん、食べたいなあ。
[緩やかに膨れた三月目の腹を、それを慈しむでなく、ゆるりと撫でながら。娘は村の集会所の近く、長い石段の半ばに腰掛け、ぱたぱたと、両足を大きく交互に上下させて*いた*]
(17) 2017/11/21(Tue) 06時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 06時半頃
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 06時半頃
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―― 回想 / 櫻子と ――
花を召しませ、らんらんらん。
[櫻子の頭に、そっとシロツメクサの花冠を載せる。 この白痴の女と遊んでやるのも巫女たる自分の務めだ。 私は村人全員の“よろこび”を 満たしてやらねばならない]
これは私からのお祝いの贈り物です。 聞きました。またお子を宿したと。 それはとてもめでたいことなのですよ。
[そっと櫻子の胎に手を伸ばす。 同じように性の捌け口にされ、同じように母を亡くし。 この娘に、自分を重ねていないと言えば嘘になる]
(18) 2017/11/21(Tue) 08時頃
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あなたはこの村に生まれて幸せね、櫻子。
普通のところに生まれていたら、 きっとあなたは見世物小屋に売り飛ばされていたわ。
[つ、と彼女の美しいかんばせに指を走らせながら 私は淡々と事実を告げる。 見世物小屋に売られるのならまだいい。
こういった寒村では、 まだ“口減らし”も平然と行われているのが日常だ。
でも、この村は違う。 神の導きにより、白痴の娘でも この村では“女としての悦び”を知ることができる]
(19) 2017/11/21(Tue) 08時頃
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あなたはとても幸せな子なの。
[口元に浮かぶのは、慈愛に満ちた笑み。 果たしてそれは、櫻子に向けた言葉であったか。 それとも自身に言い聞かせる言葉か]
(20) 2017/11/21(Tue) 08時頃
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……ああ、でも、そうね。
[そこで私は思い至り、顔を曇らせる。 この娘の“よろこび”を 私は満たしてやらねばならない]
もしも身重のあなたが 寂しい思いをすることがあってはいけないわ。
[蠱惑的な笑みを浮かべ、そっと櫻子の耳元で告げる]
(21) 2017/11/21(Tue) 08時頃
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――身体が火照った夜は、神社にいらっしゃい。**
(22) 2017/11/21(Tue) 08時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 08時頃
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ー 過去 −
[そいつの腕は傷み始めていた]
嗚呼こいつはいけねぇな。 この腕はここまでは食ってもいいが、 ここからは毒混じり。
芯まで良く煮なきゃいけねぇ。
どれ、この薬草を混ぜて煮込むと良い。 香りも強くないからこいつの味を落としやしねぇ。
欠片まで残さずこいつを食ってやれば 罪も消えるってもんよ。 そうだろ?
[そう言って罪を犯した咎人の腕を持っていくと言った 家族に薬草を差し出せば、 感謝の言葉と共に俺の手から離れていく]
(23) 2017/11/21(Tue) 10時頃
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いやいや。 気にすんな。
これでこいつの罪は消えて、またこの村に生まれてくれば 元通り村の一員だ。
良かった良かった。
[もう肉塊となったこいつの事を 村の誰もが咎人だなんて思っちゃいない。 俺たちと1つになって、罪は赦された]
しかし怪我してるんなら 俺に言ってくれれば良かったのにな。
この時期薬草の残りは少ないが、 分けてやるくらいは出来たのに。
[それだけは残念だったと頭を掻いて 俺たちは日常へ戻っていく*]
(24) 2017/11/21(Tue) 10時半頃
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− 現在 山 −
[村の周囲の山と川が俺だけじゃなくて、 村人全員の暮らしを支える場所。
恵みに感謝しながら山菜と共に薬を探す。 ドクダミやユキノシタや南天やら。 栽培出来るものは家の畑で育てているが それぞれ樹皮が必要な樹は育てるのは難しい。
俺の母親が覚えが早いから跡を継いだ方が良いと 薬師のとこで育てられて数十年。 薬草や山への知識、秘蔵の場所は口伝で教えられ 母からお墨付きをもらった頭はちゃんと覚えこなした]
(25) 2017/11/21(Tue) 10時半頃
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[今日は神様にお供えする薬草が目当て。 そして神様に奉納した後は……]
今日はゆり様、お相手してくれっかねぇ。
[適当な葉を噛んで苦みで昂揚を抑えなければ こんな場所で股間が膨らんじまう。 尊い神様をお守りする巫女の柔肌は絶品だ>>18]
(26) 2017/11/21(Tue) 11時頃
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[慣れた女に導かれて初めてを経験する男も多いが 男同士で指南し合う事もある。 俺のとこでも恥ずかしいとか使えないとか言う 患者がやってきて来て「治療」することがある。
子を繋ぐ為に治療は大事なことだが やはり男の体と女の体は違う。 やり方をちゃんと覚えたら女の胎が一番だ。 それを引き受けてくれたのもゆり様だったり 可愛い可愛い櫻子だったりしただろう>>17]
(27) 2017/11/21(Tue) 11時頃
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しっかり子作りに励めよ?
[そう言って患者を彼女たちの元へ預ければ 俺は別の女のもとへと向かう。
女の柔肌、華奢な骨の方がたまらなく食欲と 性欲をそそる。 執拗に首筋や乳房を啜り過ぎて赤くなるそこも 色っぽくて。 ゆり様が往生するときは婆だろうが、 それでもあの乳房は頂きたいもんだと思わせる] これなら神様も喜んでもらえるだろ。
[慣れた山の斜面も、捕らぬ狸の皮算用で ゆり様の肌を思い出せば更に足腰は頑丈になり、 背負い籠に溜まった薬の重さに満足出来るころ ようやく山を下りて、一応身綺麗にしてから 足を向ける場所は当然神社へ向けて**]
(28) 2017/11/21(Tue) 11時頃
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―学校― [村の学び舎は小さい。 木造の校舎は平屋建てで、教室は一つ。 机は両手の指が余る程度の数しかなく、全部が埋まっているわけでもない。 二列に並んだ机の前には無駄に大きな黒板がある。 其処へ大きく描かれていくのは、図形でも数式でもなく 人の身体が逆さにつるされている様。
今日の授業内容は、血抜きの方法と捌く順序について。 無論教える方も聞く方も、その授業内容に疑問を持たない。
紙を束ねた冊子に鉛筆で逆さづりにした人間の絵を描き、動脈の場所を書き込んでいく。 血はしっかりと受け皿にためる事、と添え書きをして 纏め終えると教えてくれる大人に手を上げて質問する。
何故肛門から切り取ってゆくのか。
問いかけには、血の流れる方向と臭みの関係性を告げられ、なるほどと紙に書き込む。 けれど未だススムは下腹部に集まっている生殖排泄部分を口にしたことがない。 弔いにあたり、親密だったものが希望箇所を口にしてゆくのが主であったから、そういう関係者の死をまだ経験していない学生故に、説明に対する応えは空想上で理解しているだけ]
(29) 2017/11/21(Tue) 14時半頃
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―― 神社 / ミナカタと ――
ミナカタさん、いつもありがとうございます。 きっと神様もお喜びになられますよ。
[背負い籠いっぱいに詰まった薬草。>>28 それがミナカタが運んできた神への奉納品であった。
ミナカタの採ってきた薬草は、 ときおり村に立ち寄る行商人に高値で売れた。 こうした奉納品によって、 今の私の生活は成り立っている。
薬師としてのミナカタの腕は一流であった。 そして、女を悦ばせることに関しても 彼の腕は確かであった。
だから彼の顔を見た瞬間、 声が僅かに弾んでしまったことをどうか許してほしい]
(30) 2017/11/21(Tue) 14時半頃
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……その泥。 今日はずいぶんと山の奥までお入りになったのね。 これで身体をお清めになってください。
[何食わぬ顔で、真白い手拭いをミナカタに手渡す。
そうして、籠の中に詰まった奉納品に目を移し ひとつの薬草を手に取った。
ホンオニク。 媚薬として重宝される薬草だ。 加工品は肉蓯蓉という名で高値で取引きされている。 体の芯が熱く疼くのを感じた]
ねえ、ミナカタさん、それとも――……
(31) 2017/11/21(Tue) 14時半頃
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今日は私で、身体をお清めになられますか?
(32) 2017/11/21(Tue) 14時半頃
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[ほう、とミナカタの耳元で熱い吐息を漏らす。
巫女との交わりは、神との交わり。 私と身体を重ねることは、 すなわち村の神への信仰を示すもの。
きっと信心深いミナカタなら断らないと踏んでいた。 私はずるい女だった。
いつか誰かに食べられて、その人とひとつになりたい。 それが叶わぬ今このひと時は 誰かと身体を重ねてひとつになりたい。
それがこの村の女の幸せであり、 巫女としての自分の悦びであるのだから**]
(33) 2017/11/21(Tue) 14時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 15時頃
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[幼いころの記憶は薄く、一番古い思い出は、 死人を捌き切り分けている村人の背中だ。 膏に塗れた刃物がてかてかと鈍い輝きを持っていて 切り取られた腹の肉、ずるりと取り出された腸と 恐らく直前まで食事をしてしまっていたのだろう 消化しきれていなかった腸内の残飯がどろりと流れ出している様 鼻につく臭いはその残飯の所為だと、その時は知らず くさい肉を食べるのに苦労したのを、覚えている。 誰ぞが提供した香草が無ければ、弔いも難しかったろう。
それから。 18歳になるまでの間に、親密者ではないものの、 幾度かの死には村人としてススム自身も立ち会ってきた。 弔う人の臭いや肉の硬さは様々で、 違いは何だろうと何時も疑問に思いつつ。 学び舎に通うようになったのは、数年前。 生活の為の知識も必要ではあったし 将来的に弔いの手伝いが出来るようになる為にと 解体の手順を教わるようになって、漸く 幼いころからの疑問が解消されてきたところ]
(34) 2017/11/21(Tue) 15時頃
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[ススムに親密者――肉親はいない。 産み落としてくれた母親がいるはずであるが共に居た記憶は無く 代わる代わるに世話を焼いてくれる筆頭は、 比較的年の近い農家の娘>>11。 お陰で食うものに困る事は左程無かったように思う。
独り暮らしに疑問を持ったことは無い。 村の中では、親のいない子も珍しいものではなかったし 昔から誰かしらが世話に来てくれるものだから 密なものは居らずとも、そこそこ誰とでも話は出来た。 特別なものが居ないと感じる時は 唯一弔いの時くらいのものだ。 縁者が各々部位の希望を告げる中に ススムは何時も入れない。
身体が成長期に入ってからは、薬師の男に導かれ>>27 一通り女の身体を体験したこともある。 巫女に触れるよりも、白痴の娘を相手にする方が気が楽で 慾が疼く日には櫻子の元へ通う事もあった。 夜這いのはずが、日が明けるまで覚えた知識を披露する事も多々あって]
(35) 2017/11/21(Tue) 15時頃
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[今日は 勉強を終えたら何処へ向かおうか。 鉛筆を滑らせながら、お昼以降の事を考える。 麗しの白痴娘に知識を披露しに行くか 覚えた解体の知識を深めに、江津子の元へ行くのも良い。 容に会ったら、夕飯を頼んで――
よそ事に思考を取られたこと 人数の少ない教室の中では、気取られない方が難しい。 貌を上げれば、しっかり大人と眼があって 気まずそうに頭を掻きながら、意識をまた教わる内容の方へと戻すのだった**]
(36) 2017/11/21(Tue) 15時頃
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− 神社 −
[山の中の村は手入れがされなければたちまち 雑草と落ち葉と埃で汚れてしまう場所ばかり。
だが村の信仰の対象たる神社は 守る娘同様、綺麗なもんだった]
ゆり様、ここんとこ納めるのが遅くなってすまんな。
[綻ぶ笑みと感謝の言葉>>30 差し出され手拭いの白さより白い細い指>>31 どれ1つ山の中にはない、 いや、山の中に咲く1輪の山百合。 それを今から摘み取る算段を思い浮かべるだけで 逸物が熱くなり、女の緊張を解す様な言葉が するすると零れていく]
(37) 2017/11/21(Tue) 16時半頃
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いつもならもう少し芽が出るのが早いはずなんですが。 寒さが長引きましたからねぇ。
ですが神様のお陰でこんなに取れて助かりました。 日頃から神様とお守りしてくださるゆり様のお陰です。
[型に押したように遜りつつ、受け取った手拭いで 顔を拭い、近付いた黒髪と対照的な白い肌と、 南天よりも赤い唇に喉を鳴らす)
(38) 2017/11/21(Tue) 16時半頃
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言ったでしょう? 神様に納めに参りました、と?
[問いかけと言う名の誘惑>>32>>33に 何を迷う必要がある? この体も巫女様に捧げに来たのだと同じく耳元で 囁いて、体蕩かす草を手にする巫女の体を 掻き寄せて、袴の隙間から手を差し入れる。 それなりに長く細い指は女を悦ばせるのに役に立つ。 蜜壺を掻き回すにも、まだ実りの色に変わらぬ 下半身の南天を色付かせるのも。
探る指はあくまでも優しく早急さを醸し出さぬよう、 訪れる雄が誰かをまず認識させるよう、 火種を掻き回すだけにしてするりと抜け出すだろう)
ゆり様のお心遣いに感謝します。 ではお言葉に甘えて。
[指を離した時には既に肩に手を回し、 今度は2人で歩き出す*]
(39) 2017/11/21(Tue) 16時半頃
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[ゆり様と共に向かう間に、その後の事も算段する。 容の料理の腕は大したもので、村でも評判だ。 おまけに人柄もよくて、俺もお相伴に預かることもある。 香草を届けに行くのも悪くない。
香草なら、江津子さんにも届けるのは必要だろう。 江津子さんは解体の知識に腕、伝説から伝わる 豪胆さは尊敬しかない。
解体の腕は惚れ惚れする程だ。 この村では誰が初めてだとかそんなもの些細な事だが、 俺にとっては彼女が初めての相手なのは 誇りでもあった。]
(40) 2017/11/21(Tue) 17時頃
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[知識や手解きに関しては先代の「ミナカタ」から 教わったが、やはり女体は経験してみないと あの素晴らしさは判らない。
だからススムが立派な男になった時も。 自分だけよりも、他人との交わりがどれだけ 素晴らしいか、特に女の素晴らしさを説くことは 忘れなかった。
自分での手淫より口淫が。 そして口よりも胎内で子種を吐き出す方が 尊く気持ち良いと告げて]
(41) 2017/11/21(Tue) 17時頃
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男同士なんて子種は死に種だ。 ちゃんと女の胎に注いでやれ。
後、女の体は男よりも繊細だ。 乱暴にするのが好きなのもいるが、 優しく優しく扱ってやれ。
[解剖に詳しい女傑の指導で女の扱いも慣れたもの。 あの時の言葉、女傑の胎で果てた歓喜を思い出し 教えれば素直にススムは吸収しただろう。
あれから櫻子の元へ向かう姿を見たことがある。 子種でなく、知識を吐き出しているとは知らぬまま>>35
これで立派な村の、家族の一員だと 満足した日々は数年前のもの。
不意に腕に触れるゆり様の乳房の柔らかさに 簡単に意識は戻り、ゆっくりと白い肌が染まる 光景を眺めの良い場所で見る事だけに集中する**]
(42) 2017/11/21(Tue) 17時頃
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[江津子おばさんと別れたのち、 未だそれなりの重みを持った風呂敷包みを片手に私は走る。
さて、次はどこに向おう? 学校にでも向かって、熱心に勉学に励む青年に 差し入れするのも悪くない。 ついでに夕飯の希望でも聞いてみようか。 食べたいものがあるというのなら、 腕によりをかけて作って見せましょう。
あぁ、それから。 香草が切れかけていたし、ミナカタさんの所に もらいに行くのもいいかもしれない。 彼が採ってきてくれるものはどれも質が良い。 等価交換、引換となる農作物は後日にと言えば、 何ら問題はないだろう。]
(43) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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[そんなことを考えながら、集会所の前を通り過ぎようとして、 ふと、見なれた着物姿>>17に足を止めた。 ぱたぱた、足先で飛び跳ねる裾に視線が向く。]
さくちゃん。 何かあった?元気ないね。
[年が近く、気兼ねなく話せる彼女へと付けた渾名で 彼女を呼んで石段を上る。 元気な足元とは裏腹に、彼女はどこか覇気がない。
その理由に思い至ったのは、生来の気質から 親のいなくなった彼女の世話を焼いてきたからだろうか。 櫻子の隣に腰かけた私は、 ごそごそと風呂敷包みを解いて、 中から小さなお弁当箱を取り出した。]
(44) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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良かったら食べて。 きっと元気出るよ。
[揚げたてのから揚げおにぎりと、野菜の煮物が詰まった弁当。 自信作なんだよ、と差し出したそれは、 彼女の手に渡っただろうか。
どちらにせよ、私の眼は、彼女の薄らと膨らんだ腹へ― ―それが示す意味へと向いていた。]
(45) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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[初めての記憶は、苦々しさに満ちていた。
相手が悪かったのか、或いは相性が悪かったのか。 女としての悦び、幸せという言葉とは程遠い痛みに 終始すすり泣いていたものだから、
以来、やれ畑仕事だの、やれ先客がいるだのとで、 私は、のらりくらりとそういった行為を避けていた。]
(46) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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[隣の櫻子と、自分の手を見比べる。
畑仕事に勤しみ、鍬や鍬を握った手は 嫋やかとは言い難い。 日に焼けた肌は、透き通るような白とは言えず。]
さくちゃんは、綺麗だね。
[ぽつ、と呟きを零して、へにゃりと笑みを浮かべた。 嫉妬なんかない。ただ、羨ましいだけ。**]
(47) 2017/11/21(Tue) 19時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 19時頃
PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 19時頃
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[きし、がらがらがら。 男の接近は、いつだって、音で知れる。 砂利道を進む、粗末な車椅子の音であったり、木の床を叩く杖の音であったり。畳を這いずる音であったり。
十代の頃に、両の脚を患った。 当時はまだ、走れなくなる程度だったが、機能は年々衰えて、 今や杖と車椅子無しには生活できない身だ。 だが、この程度の進行で済んでいるのは、村の人々が施してくれた、様々な“治療”のお陰だ。 少なくとも男は、そう信じている。]
(48) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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─ どこかの畦道 ─
[がらがら、がつん。 車椅子の車輪が、小石を弾く。 その音に驚いた野鼠が、何処かへ駆け逃げて行った。]
あぁ、悪い。 驚かせ
…………つぅ……。
[言葉を切り、蹲る。 冷してしまったか、それとも振動にやられたか。 膝の関節が、またひどく痛みだした。 そういえばここしばらく、治療を施してもらっていない。]
(49) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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ぅぐ……。 まいったな、兄さん、忙しいだろうし。
[兄はいま、どこで何をしているのか。 尤も、母は違うし、父も同じという確証はない、単に昔からそう呼んでいるだけの存在なのだが。]
…………膝、痛い、な……。
[がらがら、がた。 薬を飲むため、ひとまず家に帰ろうと、車輪にかけた腕に力を込めるが。 でこぼこな砂利道は、ひどく、膝に響いた**]
(50) 2017/11/21(Tue) 19時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 20時頃
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― 学校 ―
[こんな村にも学校は在る。 校舎などと呼ぶのも烏滸がましい小さな平屋建ての建物、その中にあるたった一つの教室で教鞭を取るのが己の仕事だ。
黒板に描くのは逆さに吊るされた人の姿。 指示棒で首を示し、血を抜く時に切る場所を教え。 その他大きな血管の通る場所や人の急所を教えていく。]
排泄物を処理してから始めるのが望ましい。 ですがそう出来ない事もあるでしょう。 なら、その時は腑分けをして。
[汚物に塗れた内臓を好んで食す人もいる。 腸などは丁寧に水で洗い煮込めばそれは大層美味しく。 薬師のミナカタに頼めば匂い消しの香草を貰う事も出来る。]
(51) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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内臓は傷むのが早いですから、そういった点でも先に内臓の処理をする事が大事です。
[話しながら視線はこちらを向いていない進へと向いた>>36 若い者にとって興味をそそる内容ではないのだろう。 気の向くままに刃を振るい、或いは首を縊り絞めてしまえばそれで事は済む。 その後は好きに喰らえばいいのだ。]
人の部位は様々な食感、味がしますがどこが一番美味しいか。 それは人それぞれ好みでしょうから一概にこれと言える部位はないんでしょうが、私は目とその周りの抉りだして食べるのが好きです。 次点は心臓でしょうか、続いて脳髄です。
その人の見たモノ、感じたモノ、生きていた証を感じられる部位ですから。 まるで私の中に染み渡るようなそんな心地がするのですよ。
さて、そろそろお昼時ですし集中力を欠いている者もいるようですし今日はここまでとしましょう。
[少ない生徒を見渡し授業の終わりを告げた。]
(52) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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[この校舎には小さな、図書室と言うには本当に小さな書物を集めた部屋が在る。 そこに籠るのが男にとって安らぎの時間であった。
この部屋にある書物は外部の者が見れば随分と偏っていると感じるだろう。 人の構造について書かれた医学書。 薬草について書かれた書物に、性交について書かれた春画。 そこに娯楽と呼べるものは見当たらない。 だが男にとってそれは娯楽に等しいモノではあった。
一冊を手に取り、ぱらりと頁を捲る。 そこに載っていたのは様々な病気について。]
錠は……、
[そろそろ薬の切れる頃合いだろうか。 最近満足な治療を施していないようだったが大丈夫だろうか。 心配ではあるが彼も子供ではない、何かあれば誰かしらに助けを求めるだろうし、そうなる前にどうにか家に辿りつく事も出来るだろう。]
(53) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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[錠とは一応は兄と弟という事になっている。 事実は定かではない。 腹が同じならば確実にそうだと言えるのだが、種が同じという事を証明する事は難しい。 しかし兄弟であるという情がそこに在るのならばそれでいい。 特別に可愛がる存在がいるという事は悪い事ではないのだから**]
(54) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―村中―
[清らかな風が、髪をさらってなびかせている 乾き切らない血糊が冷えて、歳を重ねた体を凍てる 両の手を胸元で重ね、身を小さくし歩んでいると、 目に入るはこちらに駆ける、活力を感じる、彼女の姿>>12 普段の微笑みを顔に浮かべ、胸の前で小さく手を振り返した]
お疲れ様です 容(いるる)さん
[「食べて」と差し出されたのは、小さく温かなお弁当箱>>13 とっさに、いいんですか と受け取りながらも、よぎるのはかすかな逡巡 私より、きっと食べざかりなススムさん>>35の方が―――― そう、ほんの一時思えども、両の手に宿った温もりが、離さない]
(55) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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ありがとうございます 温かいですね とても、嬉しいです
[かすかな迷いは霧散して、深々とお辞儀を返す 風呂敷包みのその中にまだある>>45のは 見えたから 彼女に宿る「好き」のこと>>11も、きっと気づいていれたから]
はい もちろん それと……今日、牛のお肉をいただける>>9ので、 私の方からも、お福分けをさせてくださいね
[手を振り去りゆく容>>14を見送る お弁当を抱いているせいで、さっきよりも小さく手を振り返す
遠ざかる元気な背中
そんな姿を見つめていると あの頃のことを、思い出す――――]
(56) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―回想/遠き日―
[“熊を仕留めたやり方を教えてほしい>>12” 幼い彼女が訊ねてきたのは、江津子の膝の上だっただろうか 経緯は詳しく覚えていないが、今日と同じような道端で、 容を乗せて、腰をおろしていた時だった そうですね と、一呼吸をおき、言葉を紡ぐ]
つぅよい方と、正面から向き合ってはいけません かといって、背中を見せたり、捨て鉢になったら、それまでです
[そう切り出して、彼女の髪をそっと撫で]
つぅよい つぅよい お方のことは まぁるく 削いであげるんです
[唄うように、語りだしたのだった]
(57) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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前のあんよを 斬りつけて―――― 後ろのお足を断ちましょう――――
四肢を バッサリ 斬り断てば――――
[幼い頭に顎が触れるほど、抱きしめて 馴染んだ子供のあやし声]
ごぉろん ごぉろん ダルマさん――――
ごぉろん ごぉろん ダルマさん――――――――――――
―回想/遠き日―
(58) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―村中―
[記憶に導かれるように、あの時と同じ、道端へと腰を下ろす 幼子の代わりに、膝にはお弁当箱を乗せ、 まだ温かいそれを開けると、蓋についていた水滴が、つつっと中へと落ちてきた]
おにぎりさんと 煮つけさん それと――――――――
[くすりと微笑み取り出したのは、赤い実のついた小さな小枝]
あぁかく色づく 南天さん
[彩りを添えてくれたのか それとも窓から吹いた風>>10の、いたずらか つまみ上げて陽に透かすと、思い出すのは別の人 かつて『指導』>>42を施した、少年だったミナカタのこと]
(59) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―回想/遠き日―
『江津子を抱くにゃ 命懸け くわばわ くわばら 斬りつけられる』
[そんな風評が立っていたのも、今は昔の語り草 刃傷沙汰なんていうほどに、大げさな話じゃない 強引に迫る相手の断りに、愛用の道具を用いただけだ
今晩は ごめんなさい
そう微笑みながら、相手の首筋にあてた鉈を、 ゆっくり引いたお断りが、幾度かあっただけのこと
選ぶのは江津子だ 人肌恋しい夜もあれば 孤独と添いたい夜もある]
(60) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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子供が目を覚ましてしまいますから あちらでお願いいたします
[ミナカタと重なったのは、ちょうど、こんな季節のことだった 離れの物置小屋を指し示し、すぐに参りますと言葉を加えた あの時分でも、十分年増であった江津子のことを、 なぜミナカタが求めたのかは、分からない]
お待たせしました
[そして、追って小屋へと向かう前に、どうしてそれを手にしたのかも、我がことながらに、分からない 両の手で胸元に掲げていたのは、玄関をかざっていた南天の枝]
優しくしてくださいね
[そうだった 窓からそよぐ月明かりを浴びながら、 あの夜は、彼を導きながらもなお、耳元で幾度も囁いたのだった]
優しく 優しく してくださいね
―回想/遠き日―
(61) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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―村中―
唐揚げ、ですね
[いただきます と両手を合わせたその後に、 さっそくおにぎりを口にし、呟いた 南天の実を蓋によけて、ゆっくりと噛みしめる]
煮物も、本当にお加減よく
[手づかみで頬張りながら、うなづいた]
とっても、おいしいですよ 容さん
[立ち替わりに浮かんだ思い出とともに、 ゆっくり ゆっくり 咀嚼する――――**]
(62) 2017/11/21(Tue) 21時頃
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[私の耳元にミナカタの甘い言葉が囁かれる。 身体を抱き寄せられ、 袴の隙間から差し入れられた指は>>39 湿った茂みを優しく掻き分け、蜜壺へと達した]
……んっ、
[じわりと滲み出る愛液に、思わず顔を上気させる。 優しく掻き回され、じらされて。 蜜壺から引き抜かれる指先に、 一抹の名残惜しさを感じた]
祓所へ参りましょう。お清めを。
[蕩けそうになる身体を必死に抑えて、 あくまで巫女としてミナカタを祓所へ導く]
(63) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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[歩きながらも、>>42 ミナカタに肩に手を回され身体を密着されれば これからの行為への期待感から胸が高まった。
“ゆり様”。 巫女を継いでから、 村人たちにそう呼ばれる機会が増えた。 母が死んで、自分の立場は大きく変わった。
あるいはミナカタのように 巫女として、大人の女性として自分を扱う者もいれば。
あるいは進のように 巫女へのまぐわいを避けて 以前よりもよそよそしくなる者もいた。
神に仕えることは、孤独だ]
(64) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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『きっとあなたは良い巫女になるわ』 『ゆりは石動さんに似ているもの』
[幾人かいる母の子の中から 私が後継者に選ばれたとき、確かにそう言われた。
日々、沢山の男とまぐわっていた母だ。 実際のところ、私の父が誰かなど分かりようがない。 それでも、母は確信を持って 私の父は石動だと言い切っていた。 不思議と私も母の言葉を信じ、 石動を父として見ていた。
私は、果たして巫女に向いているのだろうか。 女としての悦び、幸せを理解できない 姉妹>>46と比べれば 確かに私は適任であろうが]
(65) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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[衣擦れの音が響く]
(66) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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ねえ、ミナカタさん。
[祓所にて一糸纏わぬ姿になった私は 頬を紅潮させ、惜しげもなく己の双丘を晒した]
お清めの時は どうか昔のように“ゆり”と呼んでください。
[巫女になる前のように、と。 いつものようにお願いをして そっとミナカタに体重を預けた]
(67) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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優しく、優しくしてくださいね。>>61
[甘える私のその言葉が いつぞやの夜と同じであったことなど 私が知りようはずもなかった**]
(68) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 22時頃
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− 回想・男になった夜 −
[熊を倒した女傑の話は その後もひらひらと尾鰭に胸鰭付けて 村の中を泳ぎ回っていた>>60
江津子さんの武勇伝はそれより前に既に広まっていた。 毛の生えたばかりのガキの俺でも勇ましい話に 興奮したものだ。 何処か外の物語の戦争の英雄よりも、身近の英雄。
当時も同い年だったり、妙齢の女性はいたが 先代が取り持ってやろうと言われて請うた相手は やはり江津子さんだった。
先代との2人暮らしは寂しくはなかったし、 家族同様の村人たちも親切だったが 何処か母親を求めていたのかもしれない]
(69) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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[その夜見せた江津子さんは 村の男たちが股間を押さえて身を縮ませた話なんて 嘘だとしか思えないくらい淑やかで>>61 月夜に浮かぶ肌は歳を感じさせず。 胸に掲げた南天の赤さと可憐さが 無垢ささえ表現している気がした。 そして何度も何度も繰り返す耳元での睦言よりも 優しい子守歌の様な導き>>61に 急く心と身体を抑え込むのに必死だった]
江津子さん、ありがとうございました。 江津子さんみたいに強い人でも柔らかくてびっくりした。
もし江津子さん食べていいなら、 胎を食べてみたいくらい。
[男なら母の胎に還りたいと望むのは本能なのだろうか。 そんなことは残念ながら学も詩的な才能もないから 永遠に知らぬままだが、思わず口にするくらいは 江津子さんに惚れていたガキがしばらくいた*]
(70) 2017/11/21(Tue) 22時頃
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カラカラカラ.....
[季節外れの風車が回り、家のあちこちから冷たい隙間風が屋敷を揺らして音を鳴らす。 燻んだ屋敷に荒れた屋根は今も焼け跡がところどころ目立って降る雨を凌ぐこともない。 志乃の家は去年火事にあった。 火の不始末による大きな火事は一緒に住む幼い弟、そして母の命を奪った。必死の消化で私だけが生き残ったものの腕と身体には今も大きな火傷の痕が残る。今は村人に貰ったボロの布団で寒さを凌ぎ、誰もいなくなった屋敷の修復作業をしながら一人ここで遺された家を護る]
(71) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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− 現在・神社にて −
[耳元で囁くだけで、いや囁く前から溢れているものが あったのだろう。 差し入れた指に絡む熱とぬるりとした感触>>63 変わる表情と吐息に目を細めてこれ見よがしに 濡れた指を自らの舌で舐め清めた]
ありがとうございます。
[清めの場所へと向かいながら、隣のゆり様の 体温が上がっていくのが寄り添う身だからこそ判る。
昔まだ「ゆりちゃん」「ゆり」と呼んでいた頃]
(72) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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石動さん? 嗚呼、あの人がゆりのお父さんになるんだ。
[この村で母親は兎も角、父親が特定出来るのは珍しい。 何かにつけ、そんな事を言っていた彼女の母親>>65を ぼんやり覚えていた。 ゆり様と石動さんが似ているかと言われても 足の悪い錠と石動さんが実の兄弟かと 言われるのと同じくらい判別は難しい。
この村の人間は多少なりとも 家族であると育てられた俺としては 何を拘る必要があるのかという程度だ。
それよりも母の乳房と胎を食べる姿>>2>>3>>4の方が 羨ましかったと言う印象が強い]
(73) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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ん? 昔と変わらず綺麗だね、ゆり。
[そんな記憶を引き戻す衣擦れの音とゆり様の願い>>67 解けた布の下にある肌は陽の下でも肌理細やかで 滑らかで宿った赤みに喉が渇く。
身体に重なる柔らかな重さに微笑んで 嘗ての様に呼び捨てた]
(74) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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ゆり……綺麗だ。
[甘える声に誘われるまま伸びた手は黒髪を撫で、 懐かしさを思い起こさせる言葉>>68が 呪いの様に俺の胸に染み渡る]
ゆりを傷付ける様な事はしないよ。
[そう囁いて、食い千切るかわりに喉元へ。 鎖骨へ乳房へ、先端へ。 優しく唇を押し付けて花咲かせ。 寂しそうに涙零した蜜壺に今度は指ではなく 舌を差し込み、血の代わりに淫液を啜り。 花の芯も花弁も十分を通り越してゆりの 我慢を超えるまで舌と指で愛おしむ。
俺への奉仕もしてくれると言うなら喜んで。
身を清めるまでどれだけ時間が掛るかはその時々*]
(75) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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[トンテンカンとリズムカルな音が村に響く とある民家の屋根の上、音源である男は最後にトン!と小粋の良い音を響かせると、大きく伸びをして] よっし、修理完了!お待たせ。これで雨漏りはバッチリさ
[屋根から降りて家主に声をかける]
良いって良いって。困った時はお互い様だ 桑とか、鎌とかの手入れはどうだい? なんか壊れた時はまた声かけてくれよな
[軽い世間話を交わした後、大きな道具箱を担ぐと民家を後にする 農具の手入れや簡単な大工仕事 それが、生まれつき器用な方だった男の生業である]
(76) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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[物心ついた頃には、産みの母は既に亡かった。 育ての親から聞いた話によると、初めて口にした人の肉は、ハハノモノだったらしい。 イスルギのことは、兄として、様々な意味で慕っているが、血縁があるかどうかは定かではない。 そんな些事を気にするものなど、この村には、おそらくいないだろうけれど。]
はぁ、はぁ……。
[足の痛みで、腕に力が込めきれない。 平坦な道であるならともかく、砂利の多い畦道とあっては、一苦労だ。]
おーい、誰かー!
[そんな時は、誰でもいい、人を探す。 自宅か兄のもと、もしくはミナカタの家まで、椅子を押してくれないかと。]
(77) 2017/11/21(Tue) 22時半頃
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[その昔、まだ若造だった頃。]
『これは貴方の子』
[膨らんだ腹を撫でながら女は微笑んで囁いた。 女は巫女だから己以外の男とも肌を合わせ交わり精を受けていたはず。 だからその腹の中の子の種が誰かなんて分かるはずもない。
しかしその言葉を否定する事もなく受け入れた。 父になる喜びがあったかと問われれば否ではあったけども。
そっと膨れた腹に触れた。 この中で命が育まれている事が不思議でならない。 そしてもっと不思議だったのは。]
きっといい巫女になるね、だって僕と君の子だ。
[その子が女であると無意識の内に理解していた事だ**]
(78) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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はあ……
お米……食べたい……
[元々裕福な家でもない。 包んだ火は生き残った志乃に致命的な影響をのこした。
家財のほとんど、蓄えを、火は燃やし、 命一つだけがこの身に残ったとは言え火傷に苦しめられた身体で何が出来ようか。 今年1年は働くことが出来なかった志乃は、少ない施しを切り詰めて命を繋ぎ、極貧の極みの中、施しが欲しくて今日も家々を巡る]
(79) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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[授業を終えての帰り道。 結局行く先を決めきれぬまま、のんびりと歩いていた処 人の声に足を止めた>>77]
……錠さん?
[音のした方へと歩みを向ける。 紙の束を詰めた四角い鞄を手にしているから 学校帰りと知れようか]
(80) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 23時頃
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[ふと。娘は交互にしていた足を同時にぐいと上げ、ぱたり、そのまま一緒に下ろした。上向きがちだった視線を、今度は顔ごと、上背ごと、前方に傾ける。 上り来た、その姿を見る]
いる!
[さくちゃん、そう気安く呼ぶ、娘と同じ頃合いの姿。容を、娘はやはり親しく呼んだ。 娘は大概の相手、大概の場合に、人懐こく対するものだったが。長らく世話を焼いてくれた、彼女は、特にそう接する相手の――娘が述べる曰く、「大好き」の―― 一人だった]
うん、あのね、私ね、
[元気のなさを問う、その声に娘は答えようとして、隣に腰掛ける容、その手が伸びる様を、伸びる先を、首を傾けてじーっと見つめた]
(81) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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[車輪を押すことを放棄して、痛む膝をさすっていれば、どこからか救いの声>>80が聞こえてきた。 この村の人々は、本当にやさしくて良い人ばかりだ。]
あー、すすむくーん。 いいところにー。
[学校の帰りらしい彼に手を振り、こっちへ来てくれと軽く招く。]
いい天気だからと散歩に出たはいいんだけど、膝がひどく病んできてねー。 悪いんだけど、うちまでちょっと押してってくれないかなぁ。
あとついでに、途中で飛ばされた膝掛なんかも拾ってくれると助かるよ。
[膝が痛み始めた一因は、道の途中で、膝掛を風に奪われたこと。 ひとりでは拾い上げることも叶わず、飛ばされるままにしてしまったそれは、運が良ければ帰路のどこかにあるはず、なのだが。]
(82) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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送ってくれたら、なんか礼はするからさぁ。 忙しいかもしれないけど、頼むよ。
[パンと音を立てて手を合わせる。 言ったところで、出来る礼など、たいしたものではないのだが。*]
(83) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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[この村の住人のほとんどは、生涯を村から出ることなく終える。
生まれ落ちる時、母から命を分かつのも、 一生を終える時、命を幾つにも分けるのも、 銀に鈍く光る刃物が必要だった。
一人の人間の中で澱むに任せた脂を潜り抜ける後者は、 特に手入れが必要で、けれどそればかりを生業として引き継いでいくには、この村の人数は多くはなかった]
(84) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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ん? おーい、シノちゃん。相変わらず大変そうだな この握り飯でよければ、1つ食うかい?
[一仕事終えて家に帰る道すがら、赤い着物の少女を見つけ>>79 先ほどの報酬にもらったおにぎりを差し出してみる 不幸な身柄の彼女をつい気遣ってしまうのは、自身の初めての相手だった故か]
(85) 2017/11/21(Tue) 23時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 23時頃
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[稲を刈り、藁を縛る。 足元に放り出した鎌の柄がささくれていた。 手ぬぐいを巻き付けた掌ですら、ちくちくと痛むそれを、しかし厭うことなく使い続けている。 道具自体に愛着があるわけではない。 ただ、その刃に意味があった。
頼まれれば、あるいは役目として研ぐことはいくらでもした。 けれど、たとえば壊れたからと農具を丸ごと渡されても、農業を生業とするこの男が返すのは、刃ばかりが見事に研がれた、がらくたにも見えるもの]
(86) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―砂利道― [近づいていくと、何時もの椅子へ座った錠が見える。 >>82招かれるままに傍により車輪が壊れていない事を確認する。 砂利道で、手がしびれてしまったのか それとも――と思っていれば、説明もついて来た。 痛みで力が入らないのなら、押してゆくのが良いだろうと 良い音を立てて手を合わせた彼に一つ頷いて見せる]
膝……ひざ掛けが無いと冷えます。 見つかるまではこれを。 ついでに鞄を持っていてくださると、なお助かります。
[学生服を上だけ脱いで、鞄と一緒に錠の膝に置いておく。 鞄の重さがあれば、上着も飛んでは行かぬだろう。 両手を空けて貰ってからきょろきょろと周囲を見渡しつつ 車いすを押し始めた]
(87) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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[そして。その手が取り出した物に、言葉に、ぱあっと顔を明るくした。目を僅か見開いて、それから、容の姿を認めた時に次ぐ、二回目の笑顔を満面に浮かべる]
うん! 食べる!
あのね、私、おなかすいてたんだ。 だから、ありがとう! 私、いるのごはん、大好き。 いる、大好き!
[にこにこと、食欲と喜色を露わにしながら。 すぐにその包みを開こうとして、]
?
[手を見比べる、容の仕草を見た。じっと、その手を見、己の手を目の前に掲げて見つめる。仕草を真似るように]
(88) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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午後は予定もなかったので、ご自宅まで送りますよ。 お礼は――そうですね、到着するまでに考えましょうか。
[軽口など混ぜながら、午前中の出来事を話す。 今日教わった授業内容の事、 イスルギが好きだと言っていた部位の事等。
あたたかな陽気のせいで、質問をした後の話>>52はぼんやりとしか残っていないが。 ススム自身は目の周りを食べたことも、心臓を食べた事も、まだ無い。 生きていた証を、感じられる部位、と言われた気がする。 心臓と脳髄はわかるけれど、目の周辺はどういう事だろう。 今になってふと気になった]
錠さんは……人の何が一番おいしかったですか?
[兄弟、という事を知っている。 真実のほどはさておいて、彼の好みはどうなのだろう。 周囲を見渡し、飛んでしまったひざ掛けが無いか確認しつつ ゆるゆると車いすを押してゆく*]
(89) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―どこか―
……ごめんください。
[戸を叩く音にしわがれた老婆が出てきて放るように投げられた野菜を拾って胸にしまう。 焼けた最初の頃こそ私を憐れに感じたか、大変に色々なものを貰ったものだが、優しかった老婆の顔はもう私を厄かむ顔、無理もない。1年続いて見返りも進展もないのだ。 遺った財産に畑も無く村の者との世伽の相手も火傷の痕が見られるのが嫌で断る始末。こんな状況で生意気だと言われたこともあったっけ。 玄関の前で感謝のお辞儀を済ませると、また施しを貰いに別の家へと足を向ける。*]
(90) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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きれい。
[向けられた言葉を繰り返す。綺麗、美しい、可愛い、などと、娘が評される事は多い。向けられ慣れた、聞き慣れた、言葉に]
うん。綺麗だよ。ごはん、食べられるよ。 いるの、おてても、綺麗。 ごはん、食べられるね。
[相手の想定とは異なる意から、返答し。 誇るように掌を向けて見せつつ言った]
(91) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 23時半頃
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あー有難う。 けど進くん寒くない?
[>>87気遣いの言葉を返しはするが、掛けてもらった学生服は、ありがたく膝の上へ。 鞄は、もちろん引き受けよう。]
この椅子、少々ガタがきてるんだよね。 近いうちに、リツに直してもらわないとダメかもなぁ。
[がたがたと車椅子が動き出せば、そんなぼやきを落としながら、自身もまた、飛ばされた膝掛の行方を目で探す。]
(92) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―回想:江津子おばさんと―
[嬉しい、と。 そう微笑むおばさん>>56に、私もにっこりと笑顔になった。 自信作なんだよ、と、薄い胸を張る。]
牛さん!?やった!ありがとう! おばさん大好き!
[多分、相手が年近い相手だったなら、 手を取って飛び跳ねたであろう勢いで、 一人、両手を上げて跳ねる。
牛の肉、特に舌の肉は大好物だ。 付け根の辺りは柔らかいし、じっくり煮込んだ時の風味は格別で、 私の方の舌がとろけてしまうんじゃあないかと思うほど。]
(93) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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ありがとう!楽しみにしてるね!
[それじゃあ、と手を振って、彼女に背を向ける。 強くて、優しくて、素敵な女性。 彼女は、幼いころから、私の憧れの人だ。*]
(94) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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[次の家に向かう途中声をかけられる>>85振り返り見遣れば、リツの姿を確認し、差し出された握り飯に、ぐうーっとお腹は鳴った]
…いいの?
[細い腕両方出しておにぎりを受け取り飢えを感じていたのもあって静かにその場で食し始める。初めての夜にも貰ってたっけなんて思い出しながら。おにぎりはすぐにお腹の中に消えていった]
ありがとう。美味しかった……。 今帰りなの?
[担いでいる大きな道具箱に視線を移して、私にも出来たらなと思うのでした。*]
(95) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―回想:遠き日―
[やんちゃだった私にしては珍しく、 頭の上から降る優しい声>>57に じっと耳を傾けていたのを覚えている。]
しょーめんからも、せなかからも…… えぇと、すてばち?
[うーん?と首を傾げる。 今なら兎も角、彼女の言っていることを理解するには その時の私は幼すぎた。
とはいえ、おばさんが真面目に話してくれていることは 子供にだって理解できたし、 何より、続いた歌で、 唇を尖らせていた私は、一気に上機嫌になったことだろう。 お歌を歌うのは、大好きだった。]
(96) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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まえのーあんよを きーりつーけてー
[たどたどしい調子ながらも、彼女の歌に続く。 熊を倒したその腕は、優しく、温かい。 胸に身体を預けて、歌を口ずさむ。]
ごぉろん ごぉろん ダルマさん―――
[――おばさんが、お母さんだったらよかったのに。 温もりの中、そんなことを考えてしまったのは、 同じ胎から生まれたはずの存在と 自分が平等なものでないらしい、と 子供心ながらに悟った日でもあったから。*]
(97) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―妹の話―
[神様というのは、全く不平等だ。 黒曜石のような瞳と、漆黒を溶かしたような黒髪を見る度、 否でも思い知らされる。
『きっとあなたは良い巫女になるわ』>>65 いつか、妹に向けられた母の言葉に、私も心の中で頷いた。 慈愛の心に満ち溢れた妹は、 きっと母と同じ、皆から愛される巫女になるだろう。 ぼんやり、そんなことを考えたのを覚えている。
あの日以来、私は神社に足を踏み入れていない。 他人を広く受け入れる、包み込むような人であれ。 名に反した自分の有様を、突き付けられるような気がしたから*]
(98) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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兄さんがうまいこと帰ってくれば、いっしょに夕餉かなんかでもご馳走してもいいし。 それか……あー、若い子には志乃や容のほうがいいか。 桜子もいるしねぇ。
[>>89男だろうと女だろうと。何もない時に礼として差し出すのなら、我が身が一番手っ取り早い。 ケラケラ軽く言いながら、進の押してくれる車椅子に身を任せる。]
ぅーん?
[ふと、そこへ聞こえてくる質問。 軽く首をひねり、考えてみた。]
(99) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[畦道に腰かけ、膝の上に掌ほどの天然の砥石を取り出す。 山から切り取ったような武骨な形のそれは、幼い頃に拾い上げた「運命」である。 この石で研いだ小刀は、もはや研ぐことも躊躇うほどの刃しか残っていないが、それでも手放すことはない。守り刀、というわけではないが、―――幼い日、この小刀で切り取った舌の味を忘れられずにいる。
薄い唇を開き、つと周囲を見た。 人影のないのを確認し、運命の砥石に舌を這わせる。 冷たく、固い舌触り。 気に入りの部位とは似ても似つかぬ感触。 柔らかい部位は、子供や近親者に与えられることが多く、この鬼の名を持つ男の口に入ることは少ない。 その不満も、不思議とこの無機質な感触が癒してくれる]
(100) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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そうだなぁ……。 兄さんはよく眼の周りが美味しいとか言ってるけど、僕はよくわからないな。 あぁでも、脳と心臓は好きだね。 特に心臓は、歯ごたえがいい。 脳は、僕は塩茹で派なんだけど、進くんは?
[あれやこれやと思い出す。 そういえば最近あまり良い臓腑にありつけていない。]
あと好き嫌いは別として、膝や踝の軟骨、あとアキレス腱は、しょっちゅう食べさせられているよ。
[弱った個所と同じ部位を食べると、治りが早くなる。 だから足の病の進行も、この程度で済んでいる。]
(101) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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―再びの牛舎―
[まさにお米を望む声>>79も知らず、御馳走さまと両手を合わせ 空のお弁当箱を携えて、再びこの場所>>8へと戻ってきた
女手一つでは逆さづり>>29こそ叶わなかったが、 腑分け>>51はきちんと、こなしてある
ザッ ゴリッ と解体(バラシ)にかかり、 手際よく部位を切り分けていく
もしかしたら、血抜きは十分ではなかったかもしれないけれど、 半時も経たぬうちに、老いた牝牛は籠の中
やがて牛舎の主も>>9あらわれて、 お福分けは、舌と臀部の新鮮なお肉]
ありがとうございます おいしそうですね
[江津子の声に、主は砕けた調子で笑いながら――――]
(102) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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『私は江津子さんの方が、食べたいですよ……』
[瞬間、ビッ と響くは風を薙ぐ音 主の鼻先には鉈の先端が突きつけられて、 跳ねた血糊が、彼の顔へと注がれる]
……刃が、傷んでしまいました また、丞(たすく)さんに研いでいただかないと
[『……冗談ですよぉ』と呟く主も、昔江津子が温めた1人 そして、その場でかつてのミナカタ同様、 似た言葉>>70を口にした1人――――]
また、何かありましたら なんなりと
[切っ先を向けていた時の微笑みのまま、 血糊を落とし鉈をしまうと、再びの牛舎を後にした]
(103) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時頃
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軟骨と腱、容が煮込んでくれるやつが美味しいんだよなぁ。 また今度頼みに……
……あ、あれかな?
[そんな話をしながら自宅へと向かっていれば、灌木に引っかかった膝掛らしきものが目の端にとまり、あそこあそこという風に軽く身を乗り出して指さした。*]
(104) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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もちろん。俺の分は家に帰ればまだ蓄えがあるし シノちゃんも大変だろうからな
[おにぎりを食べ始めるシノを眺めながら>>95 つい目線が火傷跡へと向いてしまい、泳がせる]
どういたしまして。なに、困った時はお互い様 そうだよ。この先の家の雨漏りを直してきたんだ
[今帰りなの?という質問にはそう、来た道を指さして答えて]
仕事道具、興味あるかい? まあ、金槌とか、のこぎりとか普通のもんしか入ってないけど
[道具箱への視線に気付くとそう言って、道具箱を軽く揺らした]
(105) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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− ユキノシタと火傷 −
[その家が火に包まれたのは1年前>>71 村中総出の騒ぎになり、可哀想に、命が2つも炭に消えた。 生き残りがいるなら、俺の作業はそちらへ集中する。 色々乾燥させた草なら貯えがあったが、 火傷に効くのは生のユキノシタの葉だ。
娘の傷を全て覆うには足りず、 痕が残るのは必定だ]
悪いな志乃ちゃん。
全部治せなくて。
(106) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[生の葉を求めて山も探ったが、 根こそぎ採るわけにはいかない。 これらにはまた花を、葉を付けて、 他の患者が出た時の為に備えなければならないのだ。
恨まれても仕方ない。 命助かっただけ儲けものだと思ってもらうしか。。
苦い口調で謝ったのは治療に数カ月掛った後。 申し訳ないと思う気持ちから、回ってくれば 施しはするけれど、 彼女に手を出そうとも思わなくなったのは 身体に残った傷のせいか、俺の心に残った傷のせいか。 思いはユキノシタに埋めたまま*]
(107) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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― 回想 ―
わあ、綺麗。 お花。 ゆりさま、ありがとう。
[村の要の一つである神社、その象徴にして実体である存在、巫女。その当代のゆりに捧げられた冠を緩く両手で押さえ、娘は嬉しそうにはにかんだ]
うん。ありがとう。
[子を孕むは重たく、少なからず煩わせ、終いに産むのは多大な痛苦である。子に愛着を抱くもなかった娘は、宿し生む事の感慨を、感得も理解もしなかったが。 めでたいと、祝いだと、喜ばれるのは嬉しかった。それに、子供は増えただけいいと、そう皆が語るのは昔から聞いている、皆が語るから、それは間違いないのだと、わかっている]
(108) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[石や刀の硬さ。 骨とは違う密度。
違うものなのに、思い出すのは柔らかく赤い分厚いそれを噛み切った時の感触で―――]
………、 けぇるか
[どっこいせ、と立ち上がれば、はしょって丸出しになった足が冬の風に震えた。 骨ばった自分の身体を見下ろすたび、胸を過ぎるのは、一瞬の可笑しさと一滴の雨粒程度の申し訳なさ。それらが起因するのは、ただひとつ。 「なんて不味そうな身体だろうか」**]
(109) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時頃
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子供は風の子、って謂うんですって。 僕は寒くても大丈夫みたいです。
[風が吹けば身震いはするけれど お日様が出ているうちは、底冷えするほどでもない。 白シャツ一枚でも、何とかなる陽気で助かった]
……うぅん、油でもさせば車輪は回りそうだけど 椅子自体も古いですし……お願いした方がよさそうですよ。
櫻子さんは身重ですよ。流石に身体に障るでしょう 今日は其れよりも夕餉にありつけたら幸せですね。 先生がまっすぐ帰ってきてくれるなら、是非お願いしたい処です。
[修理依頼は出すべきだ。 彼の言葉>>92に同意ひとつ、背を押す発言を置いておく。 >>礼の件、女の話が出たのには少し眉を下げて櫻子に対する言葉だけに留めておいた。 それよりは、ご馳走にありつけた方がいい。 人の慾には順番がある。 腹が満たされなくては、その次には進まない]
(110) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[初めて女を抱いた時のことを、今ふと思い出した。 >>41ミナカタに説かれたすばらしさに、期待をし過ぎてしまっていたのだろう。 実際のところは自分でするよりももどかしく、確かに好き勝手腰を振って精を吐き出した際は満足感も得られはしたけれど、初体験は心地いいというよりもただ、この程度か、という認識が強かった。
優秀な生徒は教えられた通り、素直に事をすすめ 優しく壊れものの様に扱って 幾人か女を変え、試してみたものの――結局櫻子の元へ戻るのは 彼女なら完全に自分の思う通りに事を運ばせてもらえるから、だった。
ゆりとは一度も身体を交わしたことがない。 それでも小さなころは話くらいしていたのだけれど 彼女がゆり姉ではなく、巫女様となってしまった後は こちらから声すらかけられなくなった]
(111) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[少し思考がそれてしまっていた処へ、問いかけの返事を貰う。 >>101塩ゆで――そういう食べ方が美味いのかと頭の片隅に記憶する]
僕はまだ、脳も心臓も口にしたことがないんです。 お好きな方が多いようで、中々回ってこないですからね 軟骨は、僕も食べます。 煮込みよりも、焼いて貰った方が食感が――あ、
ちょっと待っててくださいね。 膝掛取ってきます。
[錠の示すものにススムもまた気付き、歩みを止める。 人の背にも満たない低木の先に布切れが被さっていた。 椅子から離れ、枝から引っ張り退けるように布を引く。 勢いが強すぎたか、細枝が音を立てて折れ 膝掛ごと引き寄せてしまった。手の甲を折れた先がかすり傷を付けていく]
いた……っ、とれましたよ錠さん!
[ばさりと一度はたいて汚れと枝を落とし膝掛を抱えて錠の元へ戻ると、達成感の笑みと共に差し出した*]
(112) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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―道すがらの回想―
[主の言葉>>103が呼び水となったのか、 思い出>>61の続きがあふれ出す
『もし江津子さん食べていいなら、 胎を食べてみたいくらい。』>>70
情事の最中の睦言に、微かに眉元に力がこもった そっと相手の肩に手を回し]
ミナカタさんは――――
[けれど、口にしかけた言葉は飲み込んで、 回した手の力を強め、抱きよせながらこう返したのだった]
(113) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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―― ―― [男は、それで成熟していた。 人としての形なら十分に備えていた。 四肢はそろい、それぞれを五指が飾り、 閉じるひらくは十全に機能する。
十全に機能し、それでも足りぬと思わせる―― ――足りて、いないと思わせるほどに、 「成熟」を欠いた状態で、成熟していた*]
(114) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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そうですね……異論がなければ、いいですよ 輪廻の流れに とらわれて 運命(さだめ)の時を迎えたのなら――――
[意味を問われたとしても、何かを求めていたかもしれない>>69、 そんな若者の状態ならば、うまくはぐらかすことができただろう
ただ、この情事は1度きりのこと 仮に求められたとしても、やんわりと『お断り>>60』をしていたから
常の接し方は変わらずも、重なることは 2度はなく そのままこうして齢(よわい)を重ねて、今の時へと至っている。
気づいているものもいるだろうか いたとしても、平時であれば気にするものはいないだろうが
江津子はこれまで、まだ生きている人を食べる仮定を、 口にしたことは一度もない]
―道すがらの回想―
(115) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時半頃
発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時半頃
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興味はあるよ。 うちも直さないといけないから…… でも食べるものもままならなくて ずっとあの家はあのまま。
[軽く揺らす道具箱を羨ましそうな目で追う>>105 歳も近いリツ兄は志乃から見れば何でも出来る身近な頼もしい存在。 家の修復もリツ兄ほど器用で力もあったのならば、少なくとも去年を思い出す杜撰な状態のままで時間を止めてはいないだろう。 そんな憧れ故か、初めての伽は私からお願いした。 恥ずかしくてもいつかはその時が来るから、それならと勇気を出して最初になってもらったのだ。結局は痛くてそれきりではあるけれど。]
今度、道具を貸して? 落ち着いたら雨くらいは漏れないようにしたいの。
[出来ればやり方もと添えて、その日凌ぎの食料の施しを受けにまた向かおうと思うけれど*]
(116) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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……だねぇ。 こんど手隙の時にでも、うちに来てもらおうかなぁ。
[>>110車椅子は、男にとって大切な足だ。 進に頷き、リツに修繕を頼む予定を立てておく。]
つーか、あれ、櫻子また身重なんだっけか。 なんか年中お腹膨らんでるから、感覚狂うんだよなぁ……。
[ぽり、と頭を軽く掻く。 村の男たちの中には、あの娘を便利に使っているものも少なくないようだが、自分はどうも苦手だった。 以前一度だけ、誰だかの勧めで交わったことがあるのだが、脚の自由の利かぬ身に、何をされても抵抗のないあの娘は、相性があまり良くなかった。 結局、勃つまで相当に時間を要したうえ、達するまで至れずに、疲れてことを放棄してしまった。そんな苦い思い出しかない。]
(117) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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―容の自宅>>10―
[約束の牛さんのお肉を持って、ここに辿りついた時に、 彼女は中にいただろうか 喜んで飛び跳ねていた姿>>93を瞼に映し、 コツン コツン と、戸を叩く
もしいたならば、大きな牛の舌と空のお弁当箱を、 容に直接手渡していただろうけれど、 不在であったとしたならば、包み紙にくるんだそれらが、 文とともに、戸の前に置かれていたことだろう]
とっても、美味しかったですよ ありがとうございました
[たとえどちらであったとしても、 このひと言は、忘れず添えて**]
(118) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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[無邪気な、子供のような笑顔>>88に釣られて 私も頬を緩ませる。]
私もさくちゃん好きだよー。だぁい好き。
[櫻子の言葉に裏表はない。 嫌いなものは嫌い、好きなものは好き。 それを真直ぐに表せることも、彼女の魅力のひとつだと思う。]
(119) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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[美しいゆりの、美しい手が、腹に、顔に、添えられる。柔らかな手付きとあたたかな体温に、娘は笑みをより弛めて]
うん。 私、とってもしあわせだよ。
[諭すにも似て語られる言葉に、頷いた。こくこくと、何度も。 見世物小屋。その名前、存在は知っている。ゆりや、村人の口から聞いた、概要ばかりなれども。外の世界にあるというもの。それはいろいろなものを見せるのだという。そこにはいろいろなものがあるのだという。 侏儒、芋虫、人間ポンプに蛇娘、火吹き男。なんだか楽しそうだ、と娘は最初思ったけれど、ゆり達が悲しいように話すから、悲しいよいなものなのだろう、と考えた]
私、この村に生まれて、とってもしあわせ。
[それは心からの思いだ。 娘は、この村が大好きだった。 この村に生まれてこの村に育った、 この村以外は知らない、思い馳せる知能も、娘にはない]
(120) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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[伸びた細い指と彼女の横顔を、私はじっと見ていた。 五本の指がある。食事が出来る。>>91 その点では私も彼女も変わらない。 けれど、やっぱり違うのだ。私は首を横に振る。]
さくちゃんは、ホント綺麗だよ。
[嫉妬の気持ちなんて湧き起らない位に、彼女はきれいだ。 心からそう思う。]
(121) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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ほら、そんなことより。 おべんと食べてみて。 頑張って作ったんだよ。
[話を変えるように、彼女の手元を指さす。 煮物はうちの畑の精鋭たちだし、 米も丞さんのところからいただいた逸品だ。 肉も、今朝まで元気に鳴いていたらしい鶏のものだから 味の心配はするまでもないでしょう。
彼女がお弁当を頬張るようなら、その様子を眺めながら、 私は、残りのお弁当ひとつの行く先を考える。さて。**]
(122) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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ははっ、そりゃ惜しいことをしてるねぇ。 とくに脳の食感は、一度食べたら病みつきになる。 こう、とろぉりとしていてねぇ。
[>>112どこか、うっとりと。 兄のように、英知が詰まった部位だからという感覚はなく、純粋に、舌触りと味を好む。]
焼くのも悪くないね、うんうん。 内臓と違って、軟骨はそこそこ日保ちしてくれるのが有難いよ。
[そんな話をしていれば、行く先に見えた、風にさらわれていた膝掛。 進に頼み、取ってきてもらう。]
……やぁ、ありがとう。
[そして、膝掛と学生服を交換し]
(123) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時半頃
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ぅん? 進くん……手。
[血が出ていることに気付けば、そこに手を伸ばし]
貸して。 ばい菌が入るとよくないよ。
[彼の手の甲に滲む血を舐め取ろうと、舌を触れさせようとした。*]
(124) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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―丞の自宅―
[容の自宅を後にして、向かった先は丞の家 彼は中にいただろうか 骨ばった彼の体を>>109を瞼に映し、 コツン コツン と、戸を叩く
もしいたならば、傷んだ鉈>>103と臀部のお肉を、 丞に手渡して、これで研ぎをお願いできないかと、 直接頼み込んでいただろうけれど、 不在であったとしたならば、包み紙にくるんだそれらが、 文とともに、戸の前に置かれていたことだろう]
また、鉈の具合を見ていただけないでしょうか お礼はこちらの部位で、申し訳ないですが
[たとえどちらであったとしても、 趣旨が伝わるよう、そう忘れず添えて、 その日はやがて、帰途へとついたことだろう**]
(125) 2017/11/22(Wed) 01時頃
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―― ――
[生れ落ちてから「あと数年先には、きっと」を 何度繰り替えされたか。 数年を数年分繰り返して30も超え、 それでも三途の川はまだ遠い。 死んでもともと、生きているだけで儲けもの 短い人世をいきるなら道楽なりとも好きに暮らせ――己を産み落とした女にそう言われたのだとは本人の談。真相を知る人はおらず、 けれど、源蔵が日中をそうして過ごしているのは人目にわかる真相となった。
木こる仕事もできず、満足に畑を耕せもしない男は、 筆に墨付けすべてを書面に記すことに楽しみを覚えた。 村を囲む山々を書に編纂しなおし、 あぜ道に群れる草草の色を写しとった。 益も無益もあまねく。 山を歩くものなら誰しも呼び止められたことの一度二度――ではきかないほど。 そうして、]
(126) 2017/11/22(Wed) 01時頃
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[育ち切ってなお皮膚の柔い指で筆を手繰り、 真新しい頁の上を墨で濡らす。]
今年の冬越えにゃ、 もうちょい薪の備蓄が必要だろうぜ
[古い記録を手繰り、今の記述を重ね、 誰ともなしに独り言ちて、*平屋の縁側 陽だまりの中*]
(127) 2017/11/22(Wed) 01時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 01時頃
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僕からも、リツさんに会ったら伝えておきます。
[早く治りますように。 まるで怪我の話でもするように、車椅子の話にはそう答えた。 年中孕んでいる櫻子の話には、それ以上を追求せずに。 脳髄の食感は、ススムには未だ未体験の話。 >>123錠の表情からするに、美味だったのだろう。 未だ知らぬ、知識だけの其れを心に留めつつ 膝掛と交換してもらった学生服に袖を通す。 他人の熱が移った衣服はほんのりと暖かかった]
ん、ああ……枝がかすったみたいです。
[手の甲が赤くにじんでいる事に気づき、 漸くそこからじんわりと痛みが広がってきた]
ありがとうございます、錠さん
[伸びてきた手の上へ重ねるように掌を置いて そのまま引き寄せられるに任せて>>124傷口を舐める相手を見詰めている]
(128) 2017/11/22(Wed) 01時頃
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――――あ、すみません。 つい眺めてしまって。
[滲んだ赤が消えた頃。 一連の流れをじっと見ていた事を謝って手を引っ込めた]
何時もは自分でするんですけど 人にしてもらうの、って くすぐったいですね。
[瞳を細めて、己の手を見詰め 浅い傷だったのかもう血が見えない事を確認してから 再び車椅子を押そうと錠の背後に回る。 彼の家路まで、世間話でも重ねつつ 誰ぞに出会う事はあるだろうか**]
(129) 2017/11/22(Wed) 01時頃
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[ふ、と、ゆりの表情が変わる。慈しみとは違う性質の笑みを浮かべる。囁かれる、熱い吐息に、火照りという言葉に、過るのは快感を薄めたような薄らいの疼きだ。下腹部、膨れたそれより更に下の]
ゆりさま。
[名を呼び返す、それは実質の同意である。その時には―― 娘は女の悦びを知っている。子を得る喜びはわからずとも、女の身の快楽はよく知っている。娘にとってそれらは食欲と遊戯のはざまにあるようなものであって、 娘は男に抱かれるをおよそ好く、 己を慰めるも少なからず、 そして、もう一つ*]
(130) 2017/11/22(Wed) 01時頃
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[>>128今度、脳を食べる期に恵まれたら、君にも分けようか。 リツへの言伝ての礼にと、そんな口約束など交わし。 ようやく戻った膝掛けは、少々汚れはしたものの、幸い破れはしなかった。]
ん、ほら……。
[促し、引き寄せた進の手。 じんわり滲む赤い痕に、うっとりと目を細め、舌を這わせる。]
……ふ…………。
[新鮮な、薄く鉄の味がする体液。 死体から絞り出したものでは感じられない、温かさ。 傷口を拭うだけにはとどまらず、つい、クチビルヲ押し当てて、吸い上げようとしてしまい]
(131) 2017/11/22(Wed) 01時半頃
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そうだな。ずっとあのままにしとくって訳にはいかないもんな
[1年前の大火事を思い出す。なんとかしてやりたい気持ちはあるのだが 火事の爪痕が大きく、直すには人手が足りない]
道具をか…… [シノの言葉に少しばかり悩む>>116 貸し出すのは吝かではないのだが、貸している間は自分の仕事が出来なくなってしまう]
そうだな。雨漏りぐらいなら俺が直してやるよ 支払いはまあ、出世払いってことで こっちも一気に直すってのは無理だから、少しずつ直していく事になるだろうしな
それでも気するならまあ、シノちゃんが気が向いた時にでも相手をしてくれよ
[その手の事は拒んでいた事は知っていたので、少し躊躇いながらもそう告げて まあ、考えといてくれよ。と施しを受けに向かうシノを見送った*]
(132) 2017/11/22(Wed) 01時半頃
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…………はっ!
あぁ、ごめん! つい夢中になっちゃって!
[>>129手を引かれ、はたと気付く。]
あれ、そうなんだ? 僕は怪我した時は、いつも兄さんに舐めてもらうし、兄さんが怪我したときもそうだけど。
[真偽はさておき、薄く笑みを向けて手を離し。 再び彼に、車椅子を委ねるとしよう**]
(133) 2017/11/22(Wed) 01時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 01時半頃
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ゆり様、禊をありがとうございました。
[熱い息、熱い身体、熱い慾が離れると、 男と女は巫女と氏子へ戻っていく。
清めたはずの体はしっとり汗が滲み、 渡された手拭いでそれらを拭い取る]
それじゃあまた。 薬が採れたら納めに参ります。
[神様と巫女へ下げた顔は 慾を満たしたすっきりとしたもの。 慾の1つは満たせたが、まだ腹の虫が鳴いている。 この慾を満たすにはさてどの道を辿るのが一番か。 神社を後に自宅へすぐ戻る事は無く、 源蔵ではないが道端に咲く草花に面白いものはないかと まさしく道草を食いながら歩くことにした*]
(134) 2017/11/22(Wed) 01時半頃
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− 過去 −
[源蔵とは俺や石動さんと年代は近いはずなのに 見た目からはとてもそうは思えない。 先代の「ミナカタ」の家に彼の母親が何度も 相談に訪れていたとは弟子入りしてから知ったこと]
『なんか前世で悪い事でもしたんじゃないか』
[何故歳が違うのに、あんなに姿が違うのかと やはり判らず好機から尋ねた俺への答えは 俺たちの知識ではどうにもならない事だった。
どんな罪人でも村人に食われたのなら 罪は赦されるんじゃないのかと重ねて尋ねれば]
(135) 2017/11/22(Wed) 02時頃
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『きっと誰にも食ってもらえなかったんだろう。 何処かで野垂れ死んだか、他の理由で』
[その時の俺はそれで納得した。 大人の言う事は全部真実だと思っていた。 江津子さんの言葉>>114>>115の意味を 半分も理解せぬまま頷いた時と同じように。
それから俺は源蔵を密かに憐れんでいる。 誰からも食べて貰えなかったせいで あんな風な姿のままなのだ。 あの姿で死んだのだろうと勝手に思い。
先代の言葉は彼の母親に告げられていたのか どうかまでは同じ子供だった俺には届かない。
それでも遊びに行こう、と誘った時は同じ背丈。 今は見下ろす物書きの姿を思い出しながら 道端の草花を食んでいた**]
(136) 2017/11/22(Wed) 02時頃
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─ 幼い頃の思い出 ─
[どういう経緯で、同じ屋根の下に暮らすようになったかは、覚えていない。 だが錠は、幼い頃から石動を兄と慕い、何かにつけて、あとをついて回っていた。 食の好みが似たのも、その影響なのかもしれない。]
にーたん、にーたん。 ちっこ、でる……。
[夜中に尿意をもよおせば、兄の袖を引いて起こした。]
にーたん、しゅき。
[眠れないか、寒いからと、蒲団に潜り込むこともしばしば。 兄が、それをどう感じていたかは知らないが。]
(137) 2017/11/22(Wed) 02時頃
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[兄からは、食人をはじめとする村の因習、その他勉学、性交……様々なことを教わった。 自分にいつか子ができたら、同じように慈しんで接し、教わってきたことを伝えたい。
その思いはあるのだが、兄離れできるかどうかは、また、別な話なのである。 まぁもしかしたら、自分が知らないだけで、何処ぞに蒔いた胤が、ひそかに育っているかもしれないが**]
(138) 2017/11/22(Wed) 02時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 02時頃
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?
[首を横に振る容には、その思うところを娘は悟れず。首を、此方は振るではなく傾けて、不思議がる顔で見つめばかりしたが]
食べるー!
[促されれば、ころりと思考は切り替わり、すっかり食べ物の事ばかり考えるに戻って。包みの中身、おにぎりに大口を開けて食らいつく。口の横に米粒を付け、握り箸で煮物を突く。 幸せそうに旺盛に弁当を食べては]
おいしい! いるは、料理のたっじん、だね!
[など、言ったりしていた*だろう*]
(139) 2017/11/22(Wed) 02時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 02時半頃
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―― とある夜 / 櫻子と ――
ねえ、櫻子。 ここは気持ちいいかしら。
[櫻子の膨らみつつある胎を優しく愛撫していた指先が、 彼女の蜜壺へと伸ばされる。 胎の子に影響がないように、最新の注意を払いながら。 その欲望を満たしてやろうと、出来得る限りの奉仕をする。 櫻子が神社を夜に訪ねてくるたびに繰り返される“遊び”]
ああ、私の可愛い櫻子。
[彼女の口から荒い息が漏れるのならば、 そっと唇を重ねましょう。 柔肌と柔肌を重ねて。お互いの欲望を満たして]
(140) 2017/11/22(Wed) 02時半頃
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沢山の子を産んで 村の男衆のお相手をする櫻子は とてもとても偉い子なのですよ。
[その口調は、幼子に言い聞かせるよう。 褒めるように、櫻子の頭を撫でてやる]
ああ、夜が明けてしまうわ。 また神社を訪ねていらっしゃい。 気持ちの良い“遊び”をいたしましょう。
[そっと櫻子の目を覗き込んだ。 硝子玉のように澄んだ、漆黒の瞳]
(141) 2017/11/22(Wed) 02時半頃
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もしもあなたが死んだときは その綺麗なお目々 私に食べさせてちょうだいね。
[帰り際に冗談めかして、そんなお願い事をするのだった。 ひどくお腹がすいていた*]
(142) 2017/11/22(Wed) 02時半頃
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―― 神社 / ミナカタと ――
……嬉しい。
[昔のように名前を呼ばれ、身体を重ねる。>>74 その瞬間から、私たちは巫女と氏子ではなく女と男になる。 体中を愛撫され、嬌声を上げた。 自分が“必要とされている快感”が、体中を支配する]
不思議。あなたと身体を重ねると 今死んでも構わないとすら思えるわ。
[傷付けることはしない、とミナカタは言った。>>75 しかし、男性とこうしてひとつになる度に私は思うのだ]
(143) 2017/11/22(Wed) 03時半頃
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[今すぐに私を殺して食べてくれれば もっとひとつになることができるのに、と]
(144) 2017/11/22(Wed) 03時半頃
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[ご奉仕をするために、慣れた手つきで男根を咥える。 傷付けないように、歯が当たらぬように。 どこまでも優しく。慈しむように]
ふふ、美味しい。
[先走った汁を、丁寧に舐めとる]
もしもミナカタさんが 私よりも先に召されることがあったら、 是非ここをいただきたいわ。
[熱い吐息と共に、そそり立った肉茎を愛撫する。 それは紛れもない本心だった]
(145) 2017/11/22(Wed) 03時半頃
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[やがて男女のまぐわいの時間は終わりを告げる。 “ゆり様”というミナカタの言葉>>134が、 私を現実に引き戻したのだった]
……いいえ。 これが巫女としての勤めですから。
[ミナカタの子種が、胎の中で熱く疼くのを感じた。 それでも必死に巫女の体裁を取り繕い、微笑を浮かべる]
本当にミナカタさんは信心深いですね。 神様はいつも見ておられますよ。
[さよならではなく、また薬が採れたらと。 ミナカタの言葉が嬉しく思い、その後姿を見送った**]
(146) 2017/11/22(Wed) 03時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 03時半頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 03時半頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 04時頃
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―回想:父の夢―
[母と、父親に関しての話をしたことは無かった。 母は、母を願う者達を一心に受け止める身で、 その結果身篭った子が、誰と成した子だったかなんて 当然、分かりゃしない。
ただ、考えたことがある。父について。 色素の薄い、焦茶色に近い髪を持つ者はそう居ない。 加えて、私が生まれた時、子を成せる齢であった男で、 その外見を持つ男となると自ずと限られてくる。
薬師の名を受け継いだ人。 彼が、自分の父だったら、と そう願ったことは少なくない。
勿論、それを誰かに話すことは無かった。 所詮私の想像、妄想でしかない。 確かめるすべも無く、確かめたところで何がある訳でもない。]
(147) 2017/11/22(Wed) 08時半頃
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[けれど、時折夢を見る。
薬草や知識を教えられる幼い自分の姿。 ひとつ知識を得る事に、頭をくしゃりと撫でて 褒めてくれる父親―ミナカタさんの姿を。
幸せな夢。けれど、ただの夢。 それを見る度、言い様のない気持ちにさせられる 虚しい夢。**]
(148) 2017/11/22(Wed) 08時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 08時半頃
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――リツ兄と別れて道草――
え?ほんとに? 助かる。
[雨漏りを修理してくれるとなれば、志乃の顔も少し明るく変わる。対価の期間も猶予のあるもの。>>132 身体の代案には傷痕残る今では抵抗あるけれど。]
じゃあ雨漏りしなくなったらそれでもいいよ
[後の事としてそう答えた。真っ暗な闇の中と言うおそらく条件付きだけども、現状私を抱いたことがあるのは村でも数えるほどもいない。初体験時の痛さと火傷で夜這いなどは断っていたのだから。]
(149) 2017/11/22(Wed) 12時半頃
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それじゃあまたね
[そう告げて志乃は去っていく。 空腹がおさまった足取りは少しだけ軽やかなもの、途中に見かけた>>136ミナカタさんを視界にとらえれば何をしてるの?と声をかけてみよう。ミナカタさんは気づくかしら?**]
(150) 2017/11/22(Wed) 12時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 12時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 12時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 12時半頃
抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 21時頃
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―― ――
[母と呼ぶべき女は、ある時分から背丈の変わらなくなった子供に恐怖を抱いた。先ぶれは確かに生れ落ちた時からあったのだが、それでも、目の当たりにするとなおなお恐ろしい。知見を借りんと足しげく薬師のもとへ通い、とうとう、小さな我が子を大きく育て上げるのは薬師の力をもってしても無理なのだと理解に至った。入れ物ごと柔かった小さな子供は、それでも、繰り返す日々を超えるのに先代の薬師の力を多く借りたのには相違ない。
その女は例にもれず、幾度か子供を産み、村のものとともに育ててはいたが、この玩具のような人間は初めてのことで、それ故これに大いにかかずらった。手を引き連れ歩いて、薬師のもとを訪れ、神社へ詣り、必要であると知れれば山の分け入った奥深くまで足運び「救い」を求めた――とは尾ひれ背びれが揺れるにすぎるか。]
[とかく熱心に、あるいはなかば憑かれて、あたりをねり歩く女の後ろには子供がいたのだが、]
(151) 2017/11/22(Wed) 21時半頃
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母さん、俺、あれと遊んでくる
[などと、件の子供から手を離されるなど、 子供は母の懸念など真に理解する様子もなく 年頃の近い>>136村の子供と遊びもしていた。
その頃の子供は、見た目にふさわしく頑是なく、 また将来の背丈に似つかわしくない ――長じては皮肉に代わる――不遜さと野面皮を発揮し、 「おまえ、名前はなんていうの」と今更過ぎる問いを相手に投げながらも およそ外遊びに向かない体、目いっぱい使い倒しては寝込み 心砕いた母親がまた薬師のもとへ足を運び、神社に参り、の一連だった。]
(152) 2017/11/22(Wed) 21時半頃
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[そうした女の恐慌じみた日々も、すとんと終わった。
>>135>>136食われなかったからではないかと。
幾度、幾十、幾百目に泣きついた頃合いか、なぜこの子がこんな目に、と自己憐憫にすぎる嘆きの相槌に、つきものの落ちたように、女は「そうですか」と口にした。そうですか。さようですか。さいなら、仕方ないですね。食われねば、仕方ないですね。村の道理をよくわかった女だった。
そして女は次の「儀式」に身を投じ、玩具の人間のようになった子供の手を引くことはなくなった。 子供はその、痩せた、右手の平をもらった。筋ばかりのそこを抱え、儀式の前に、懇々と言い聞かされた女の言葉を思い返しながら、縦筋のいくつも入った爪に歯を立てた。その右手は親切な隣人の手により、鍋物の具になり、小指の先ほどの大きさになって胃の腑に落ちた]
(153) 2017/11/22(Wed) 21時半頃
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[ともあれ、女の話に、 いまの源蔵につながるものは多くない。
女の背ばかりを追いかけたのと同じ身長のまま、 けれど、重ねた年月は確かにあり、 それは子供の時分を駆けて過ごした遊び仲間もおなじこと]
(154) 2017/11/22(Wed) 21時半頃
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御襲名よろこばしいことで 今後ともかわらず、 脈々たる“ミナカタ殿”のお知恵を賜れれば幸い みな、今までの“ミナカタ殿”へと同じように 集うことでしょう
[玩具のように擦り落ちる眼鏡を押し上げ、 男は昔とまるで変わらない顔して―― さんざ遊んだ翌日の、 体を壊して寝込む寝床のつまらなさのような顔をして、 見上げるのも端から諦める身長差、襲名の喜びを伝えた。]
(155) 2017/11/22(Wed) 21時半頃
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―― そんで、 おまえの名前は誰にも呼ばれないってか
[ふん、とまた、傲岸不遜に息を捨てたのは、 今はまだ若かりし頃、といった具合。 その時分からさらに数年がたてば塔も立ってすでに久しい。 誰かの言に耳を傾け紙面を筆墨で撫ぜる傍ら。 角が取れたか、 角など最初からなかったのかは、まあ、ゆきゆきて知れることだ。]
(156) 2017/11/22(Wed) 21時半頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 21時半頃
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――過去 火事の後 ミナカタ――
[家も無く火傷を負った志乃は、しばらくの間ミナカタのお世話になる。火事の直後は錯乱を起こし、何度も「後を追わせて」とミナカタの治療に反発を見せていただろう。 しかし、自暴自棄になっていた志乃が再び生きる気になったのは彼の懸命な治療のおかげ、今もユキノシタはたまに疼く傷痕に貼られ回復しても消えない根深い悲しみは胸の奥で燻ってはいても、いつしか顔には出さなくなり彼と会うときには努めて悲しい顔は見せないようにはしているつもり]
ここまで治ればもう充分だよ。 生きてるなら…… それならそれで私にやれることもあるし 色々ありがと……
[謝る姿>>106>>107にそう答えて屋敷に戻るときには、笑顔くらいは見せていただろう。彼がそのことで心を痛めてることもまた、気づいてはいたから。]
(157) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 22時頃
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− 神社での禊 −
[ゆりは指先まで瑞々しく、まさに今を盛りと咲き誇る 白百合の花のようだった。 その花弁の真白い指が俺の逸物に触れるだけで 遠慮なく先走りが指を濡らす>>143>>144>>145]
ゆりと共に死ねるなんて男冥利に尽きるなぁ。
[死んだら誰かの、村の糧になる。 寂しくはあるが恐ろしいものではないのに、 ゆりの口からそんな風に飾られると 特別な秘めた蜜事に聞こえるから不思議だ。
その言葉を信じるほど青くはない。 が、皮肉るほど疲れてもいない]
(158) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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俺もゆりの蜜がどんな薬草よりも元気になる薬だ。 そうだな。
ゆりに無いのが俺の逸物ならくれてやる。 かわりに俺にない、その豊かな乳房をしゃぶりたい。
[荒くなる呼吸を誤魔化す様に、これが食いたいと 先端の南天をちゅう、と吸い上げ揉みしだき。 思わず歯型を立てたくなる衝動を、突き上げる衝動へと 変えた濃厚な時間]
ええ、、また参ります。
[男と女から離れたら、交わす言葉は 村で通りすがると同じもの>>146 何度も権力の元に頭を下げて媚びる男は神社を去った*]
(159) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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― その昔、まだ幼き頃の ―
[それは何年前の事だったか、まだ娘も生まれていない頃の話。 小さな弟は幼いせいだろう、よく甘えてきた。 夜中に厠へと連れて行けと起こされる事も屡々あったし、布団に潜り込んでくる事もあった。
それを鬱陶しいと思った事はある。 しかしそれ以上に情が優っていたから、だからそんな時は小さな身体を抱き寄せて背中を撫でてやって。 寝付くまで寝物語を囁いたものだ。]
僕を食べるのはお前だよ。 僕の血肉を腹に収めて、
[ゆるりと幼い弟の腹を撫でる。]
僕をずっと忘れないでいてくれたら。
[それが幸せだと囁いた*]
(160) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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―― 母を亡くした夜 / 石動と ――
とう、さん
[母に言い聞かされ、幼き頃から石動を父と呼んだ。 しかし私は石動から、父性を感じたことはなかった。 親子らしい生活などしたことはない。>>78 けれど、この夜ばかりは違った]
父さん 父さん お父さん
[私は荒い息を吐きだす。必死に父を呼ぶ。 全身で父を包み込み、求める]
(161) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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[母を喪った穴を塞ぐように。 私とひとつになった母の意思に突き動かされるように]
(162) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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[きっといい巫女になる。>>78 母に父はそう言ったらしい。 だから父の期待を裏切ることはできない。 例えそれが初めての行為だったとしても]
大丈夫 ですか
[身体をよじらせ、私は父とひとつになる。 この瞬間、私は石動と親子になれた気がした]
私は 母さんのように 父さんを満足させられて いますか
[私は立派な巫女にならなければならない。 村人たちの悦びを満たし、精を搾り取り。 そして最後には――……]
(163) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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[母のように、骨の髄まで食べられたい]*
(164) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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―砂利道― [車椅子を押しながら、錠の家へと向かう。 容の家に世話になりっぱなしでは、申し訳ないから 此処で一食浮くのであれば、願ったりかなったりで。 石動が自宅に居るようにと念じながら、なるべく平坦な道を選んで押してゆく。 車輪が石に躓いては、座り心地も悪かろう 何より、車椅子を押す力が余分に必要になってしまう]
……兄弟、って どういうものなんでしょう。
[>>133怪我をしたときの対処等、自然治癒か 大けがならばミナカタを頼るくらいしか知らない。 僅かに羨望混じる声を落とし 道の先へ視線を投げる]
近しい人が居る、というのは どういう心地なんでしょう
僕には、わかりません
(165) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 22時頃
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もしも錠さんが死んだら 先生は、錠さんの目の周りを食べるんでしょう 先生が死んだら 錠さんは、心臓を食べるんでしょう
[近しい人間が、口にする部位を択べるのだ 記憶に残る立ち合い場は何時もそうだった 母はいない 父はわからない ススムには縁者が居ない 故に、未だ人々の深い交わりを知らない。 身体だけでも繋がれば、わかろうかと思ったけれど あれはただの慾を吐き出す行為で 例えば今、櫻子が孕んでいる子の親が自分だと言われても きっと、その顔を見てもピンとこないのだろう]
僕が死んだら、誰が一番近いところを 食べるんでしょうね。
(166) 2017/11/22(Wed) 22時頃
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―― 自宅 縁側にて ――
[必要と思われる薪の量を試算し、 次の頁を手繰り寄せ新たな事柄を記す。
当月を示す文字、 その下に「櫻子身籠る」と。
男の書き起こしはほとんど記録だ。 持ち寄られた茶飲み話から記録して、――この言葉を何度書いたろう。 生きて子供が生まればそれを記し、名を追うなら追って 死んだ子供のおちたなら、また、それを文字にした。 櫻子ばかりでなく、伝え聞き、見聞きすればその都度。]
まあ、また――野良娘なことだ
(167) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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―シノとの別れ際― あ…いや、冗談だったんだが…… 雨漏りしなくなったら……か なんとも、先は長そうだな
[シノの返答に少し驚きながらもそう笑う そうしてシノを見送ると、ぐぅと、腹の虫が鳴き]
りあえず飯だな [と家へと足を進めた]
(168) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[女っ気のない中で育ったからか、男の初めては村の中でも遅い方だった
村の大人達にせっつかれたりはしていたものの、シノに求められるまで結局は一度も経験は無く お互い初めて同士というのもあり、あの時シノに痛いと泣かせてしまったのは今でも申し訳ないと思う
その後、ゆり様や櫻子に相手をして貰った事も何度かあったが 最初のことも有り、あまり積極的ではなく大人のせっつきを避けるために相手を頼むのが常だった]
(169) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[独り言ちる調子は、孕んでは産み落とす野兎を言い表すようにもあった。
男自身は、不具が生まれ出たらどうしようもないと、 肉に分け入ることはなかった。 こんななりでなにをしろと、 とわらえば、さもありなんと得心が返る。 宿すべき子種は健康なもののがよいだろうといえば、哀れみにも似た視線を受けるが、気にすべくはない。柔肌に滑らす指先よりも、紙ににじませる墨のほうがどれほど好ましいか自明であって、それを分かち合う必要は感じなかった]
(170) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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―自宅― ただいま。親父
[シノと別れた後、道具箱を担いだまま家に帰り着くと 部屋の隅、自作の仏壇に供えられた骨へと声をかける]
(171) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[実際の血の繋がりがあったのかなどは知らない けれど、男にこの道具箱を、生きるすべを与えてくれたのはこの骨だった
母親は知らない。男が小さい時に死んだと聞いた 泣きながら、与えられた母親の乳房に食らいついていたのだとか
親父と呼んだ男が死んだ時には供えられた骨を。男の腕を貰って食った まるで魔法のように様々な物を直し、作り出したあの手に追いつけるように]
(172) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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ー 道端で −
[村の大きな道を行きながら、 田んぼの黄金の色に赤を添える 冠を抱く花を思い出す。
曼殊沙華。 極楽浄土に咲く花は、死者の手向けによく似合う。 もっとも毒があるから、 共に煮て食うわけにはいかないが。
素直に花を思うのも良いかと感じるのは 美しいユリを愛でた後の余裕だろう]
(173) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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……? 志乃ちゃんか。
今日は傷は痛まないのか?
[掛けれた声に振り向けば、嘗ては 曼殊沙華の花模様のべべが良く似合う女の姿>>150
火傷の治療でしばらく預かっていた分>>157 後ろめたさも含めた上で 患者を超えて、少しばかり娘の様な心配までしてしまう]
(174) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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ちゃんと飯は食えてるか? 一食位なら余裕はあるぞ?
[他の女にの胎にも種は撒いたが、 彼女の母親には撒いた覚えがない。 しかし一際、娘の様に大事にしているのは 村の誰もが周知の事実だろう。
今も大事な薬に漬けた肉でも分けてやろうかと思っている*]
(175) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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― 愛を失った夜/ゆりと ―
[父と呼ぶ女を組み敷いて見下ろす。 己を求めて乱れ悶える女を娘だと思った事はない。]
ゆり、
[女に向けるのは何時でも嫉妬の目。 女の母を愛していたし、それは初恋であったから。 だからその女の腹から産まれたこの女が憎いとすら、そう思っていた。 母から娘へと向けられる愛情が妬ましいとそう思っていた。]
(176) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[なのに、身代わりにもならぬ女を抱いた。]
(177) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[女の胎へと自身を穿ち、生じる快楽に熱の籠った吐息を漏らす。 しかしその反面、脳内は冷えていくようだった。]
ああ、ゆりの中はとても気持ちがいい。 きっと皆に愛される巫女になるだろうね。
[捩る身体を抱き寄せてやり背中を、髪を優しく撫でてやる。 丁寧に優しく優しく抱いてやる。]
愛しているよ、ゆり。
[穿つ自身は精を吐き出すにはまだ遠く。 しかし激しく求める事もなく。 只、優しくゆっくりと、まるで胎内を味わうようにそれは長い時間をかけての交わりだった。
腕の中で悶える女は、妬ましさを覚える女であったはずなのに。 不思議と馴染む肌が血の繋がりを訴えているようで。
嗚呼、これは私の娘なのだと自覚させるには十分であった*]
(178) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[きっと源蔵の帳面の中には、>>167 こんな文字が記されているだろう。
「巫女身籠る」と。
ゆりの子がどうなったかは村人の誰もが知らない。 繰り返される近親相姦の弊害など 村の人々は知らない。知ろうともしない。
巫女が化け物のような不具の子を孕み、 誰も知らぬうちに流したことを。
だからゆりは子種を求める。 跡取りの女児を生まなければならない。 次代につなぐのが巫女の役目。
それができぬ巫女など……生まれた意味が、ない*]
(179) 2017/11/22(Wed) 22時半頃
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[けれど、こんななり、を考えた際に、 ふとよぎることはある。 およそ、1年前。焼けた家。 2つ生じた死体。
力仕事に向くべくもない男は、 その片付けに駆り出されず、 よって肉の損壊を詳細知らなかった。
手遊びに、筆が泳ぐ。 あれは皆で食べたのだったか、すべて焼き炭と化したのだったか。 あれは、 ――あれらは、食べられなかったのなら、]
(180) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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どういうものって聞かれても、僕は物心ついたときから兄さんと暮らしてたし、ほかの生き方を知らないからなぁ。
[>>165兄弟とは、と問われても、すぐには、気の利いた答えが出てこなかった。 己のそばに石動がいることは、あまりにも自然で。 それがどういうものかなど、今まで、考えたこともなかった。 車椅子に揺られたまま、申し訳無さげに、眉を下げる。]
……うん。
そうだね、僕が死んだら、兄さんに食べてもらいたいと思うし、兄さんが死んだら僕がそうする。 兄さんも、そう言っていたからね。
[幼いころの、けれど鮮明な記憶。>>160 兄が撫でてくれた時のように、己の腹を軽く撫でる。]
(181) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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そうすれば、きっと兄さんを忘れない。 兄さんもきっと、ずっと僕のことを覚えていてくれる。
だから本当は、すべて僕だけで食べてしまいたいし、食べてほしいって思うけど。 それは無理だろうから、さ。 一番美味しい、大切なところを、余さず食べて、食べられたいと思うよ。
[>>166おそらく、多くの村人が、そう考えるのだろう。 淡々と、けれど少し嬉しそうに話していれば、進の声が、どことなく淋しげなものに聞こえた。]
……あのさ進くん。
[緩やかに、首を後ろへと向ける。]
(182) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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進くん、まだ、脳みそを食べたことないって言ってたよね。 だったら、僕が死んだ時は、脳みそは半分、進くんにあげるよ。
兄さんが良いって言えば、だけど。 半分がダメなら、一口でも分けてあげてよ、ってさ。
だからそのかわり、進くんは僕が食べたいな。 心臓でも、脳でも良いや。 軟骨だったら、きみが好きなように、塩を振ってこんがり焼こうかな。
(183) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 23時頃
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進くんにはいつも世話になってるからね。 どうだろう、そんな約束。
[視線を向けて、問いながら。 指切りでもしてみようかと、小指を伸ばした。*]
(184) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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田の畔に咲く赤い死人花、水晒しをすれば少しは腹の足しになるだろうか。昔母が最後の非常食だって教えてくれたっけ。 よく潰し、数日水で洗えば毒は抜けるって
ふとそんなことも思い出しながら、振り向くミナカタさんの顔色をみる。>>173>>174>>175]
……傷は、おかげでよくなったよ。 食事は‥…頂けるなら欲しいよ。
[笑顔でもない、気遣う言葉と慎重な話し方。 言葉を選んでいるのだろうか。 しかし貰えるに越したことは無い。コクリと頷き手を差し出したなら、その手に乗るのは食料か、それともそれのある場所へと導く掌か*]
(185) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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[詮無い思考の落ち着く先はない。 ずり、と眼鏡のふちが視界に入り、たたずまいを直しかけ、――諦めた。 筆をおく。詮のないことがよぎるくらいだ、書を捨て、村に出よう。 探す事柄はいつでも同じだ]
なんぞ、書くことでもあるだろ
(186) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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[続くの記録のない、 >>179いつかの頁。
人に噂されねば、あるいは男の、 見聞きの範囲でなければ。 文字として残らない、 流れる時間が記録の墨までも霞ませていく。
子は生まれる。流れもする。 いつだか。 親に連れられた時分よりあと、 さほど神社に足を向けなかった男は、 かたわの、不具の、人間の模型のような男は、 続きのない記録を携え石段を上ったこともある。 なんぞ子供の声はしないかと、 子供のなりして耳を傾け、 ―― きっと、還ったのだろうと当をつけもした。 尋ねるのはいまではなかろ。と袂に紙をねじ込み*]
(187) 2017/11/22(Wed) 23時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 23時頃
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―砂利道―
僕は誰かと暮らした記憶がないから ……真逆ですね。
[錠が眉を下げたことを、ススムは知らない。 椅子を押してゆく、景色ばかりが目に入る。 もう間もなく、砂利道は終わり、幾らかまともな道に出る。 そうすれば錠たちの家は近くだ]
ひとりで食べてしまいたい……? そういうものなんですか
[既に兄弟のうちで、死んだあとの話は出ているようで>>181>>182彼の想いを聞きながら、ゆるく首を傾ぐ。 振り返った錠と、眼が合った]
(188) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[足を止め]
錠さんの脳髄を、半分?
[瞬きを一つ]
僕は、きっと錠さんより後に死ぬでしょうけど もし、僕が先に死んだなら その時は。
[口元で笑って見せたけれど 少し歪んでしまって 俯いて、伸びてきた小指へ 怪我をしていた手を差し出し、指同士を絡める]
(189) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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――どうしよう。 女の人達に種付けする時より余程 今の方が胸が苦しい気がします。
[ふう、とため息を吐いて 落ち着かせるための深呼吸を次に。 貌を上げた時には、少しはにかんだような笑みを浮かべて 弟である錠を見る]
さあ、あと少しで御家に到着ですが 先生は戻っているでしょうか*
(190) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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はい、お粗末様でした。
[>>139自分の料理で、誰かが笑顔になるのが好きだ。 特に、櫻子は素直な子だ。彼女が満面の笑顔になったということは、 自信作の効果は抜群だったということだろう。]
えへへ、照れるなぁ。 今度食べたいものがあったら言ってね。 何でも作ってあげる。
[照れたように頬をかき、 おだてに弱い料理の達人は、さて、と立ち上がる。]
(191) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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私、そろそろ行くね。 さくちゃんも、暗くならないうちにお家に帰るんだよ?
[子供に言い聞かせるような調子の言葉は、 子供などでなく、ましてや、夜に羽ばたく蝶のような 彼女には無意味なものだとは思ったけれど、 あえて、そう声をかけて。
彼女に手を振ったのち、 風呂敷包み片手に、私は再び駆けだしたことだろう。*]
(192) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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―― 初夜の後 / 石動と ――
[愛している囁く父の声は、>>178 驚くほどに冷えていた。
きっと私では母には及ばぬのだろう。 父を失望させたのかもしれない、と 途端に恐怖を覚えた。
娘として愛されないのならば “巫女”として認められたいと願った]
父さん 後生です なかに
[ねっとりと、纏わりつくように、絡みつくような。 長い長い情事の最後に、私は父の子種を搾り取る。 父とひとつになる快感が、全身を貫いた]
(193) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[きっと私と父は この時間しか親子でいられないのだ。 あるいは、死して食されひとつになるよりほか]
(194) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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また、お清めをさせてください。
[母のものであった巫女服を着込みながら、 私は父にそう囁くだろう。
私に母が乗り移ったのだろうか。 心の底から父の子種をほしいと願った。
じっと石動を見つめる瞳は、母と同じ漆黒。 破瓜した股から滴る紅が、袴を濡らす]
……母のように、神社でお待ちしています。
[そうして私は石動を見送った。 ひとりになれば、父のぬくもりの残った布団を抱きしめ 「女」にしてもらった喜びに身を震わせた*]
(195) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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―自宅― [竈に火を入れ、水を張った鍋に干し飯と刻んだ野菜を放り混む]
んー、ちょっと切れ味が落ちたか
[鍋を混ぜながら、鍋の中で不揃い二踊る野菜を見る]
後で丞さんに頼みに行くか……
[そんな風に今後の予定を決めつつも、鍋が煮えれば少し遅くなった食事をはじめる]
(196) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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― 回想 ―
[冠を賜った後の、ある夜に。娘はゆりと褥を共にしていた。初めではない、終わりでもない、幾度も連なる夜の、その一つ。 ぬめり切った其処に伸びる指に、その動きに、内の濡れる腿をよじらせて]
あっ、 あー……! ゆり、さま、 ゆりさま。 あぁぁ、 うぅ、
[あられもなく声をあげ悶える、涙の膜を厚くした漆黒の瞳は、慈しむその巫女のかんばせを一心に見つめていた]
(197) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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―回想:母を食らった日―
[冷たくなった母を、頷く妹>>1を、 私はただ、部屋の隅で眺めていた。
悲しいなんて思わない。 唾液は溢れるように湧いてくるけれど、高揚感もない。 理由なんて分かりきっている。 母の場所であったこの場所は、次の巫女のものになった。 そこに、選ばれなかった子は必要ない。 元々狭かった私の居場所も、無くなってしまった。
だから、普段の快活さもそこそこに、 願いの通り、女陰と乳房を受け取った妹>>2を尻目に、 私は恭しく頭を下げた。向けられた視線が痛い。]
(198) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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どうだろう、僕が欲張りなだけかもしれないね。 村人皆で分け合ってこそ、弔いになるってのは分かってるから、そこは勿論、皆で……とは思うけど。 いちばん大事な場所を食べるのは、僕だ。
………………。
[付け加えるように、ボソリと。 「あの巫女には渡さない」と言ったのは、さて進の耳に届いたろうか。]
(199) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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……頬、を、ください。 差支えなければ、舌も。
[贅沢だろうか。そう思ったのも束の間、 望みの部位は無事、私の手元へと差し出された。
恭しいお辞儀を一つ、私は台所へ向かう。 美しかった母の肉。皆に愛された人の一部。 料理をすること、最大限の化粧を施すこと。 誰にも理解されなくとも、 それは、私なりの死者―母への感謝の気持ちだった。
そうして、葡萄酒を、色鮮やかな野菜を纏った 母の頬を、舌を食らって、私は鏡を眺めた。 にっこり、満面の笑顔を作る。]
(200) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[――ねぇ、お母さん。どうでしょう? 鏡の私が、笑う。
貴女のような、皆を魅了するような笑顔が 出来ているでしょうか?
答えはない。 鏡の中の女の顔が、くしゃりと、泣きそうなものに歪んだだけ。*]
(201) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[後ろめたさと子供の時分に消えた親子の情の 真似事を求めてか。 睦言の前に女の緊張を解くように。 苦痛訴える村人を安堵させるように。 そんな笑みは容易く作れるのに、 俺の汚点の様な、出来の悪い子供の様な 複雑な思いは顔に現れていたらしい>>185
微妙な間だが、会話が続くなら越したことはない。 誰かといるのに、無言の時間を思い出すから]
(202) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[ゴリ……ゴリ、ゴリ……。
脚を悪くした村人の為に骨を粉にする音が夜ごと響く。
治らぬ脚は薬師の誇りも削っていった。 酒を煽ると人が変わる先代の愚痴を思い出す。
自分の腕のせいではない、誰かのせい、彼のせいと たらい回された罪の在処は、源蔵の様に 当の本人へ突き戻されたかもしれない]
(203) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[ぎこちない言の葉の隙間から這い出た 思い出は季節を変える風に飛ばされて。 目の前の傷を背負った娘だけが残される]
そうか。 だが寒くなると傷に響く。
飯くらいは作れるんだろ? 二人分作ってくれ。
[余りにも憐れみすぎるのも彼女に良くない。 材料はやるから、作ってみろと言いおいて。 差し出した手に手を重ね、重なる影は 男女と言うより農作業の後の親子の帰り道]
(204) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[例えばミナカタと寝るたびに覚えるのは、 激しい興奮と心地よい安堵感だ。
巫女として、相手を満たしているという自負。 お互いにお互いを求める一体感。
“ゆり”と昔のように名を呼ばれるたびに 胸が締め付けられるような思いがする。
だが、中にはリツのような村人もいた。 彼と寝るたびに覚えるのは ちくちくと針で胸を突きさされるような不安だ]
(205) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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お清めは、ご満足いただけなかったですか。
[何度かリツにそう尋ねたこともあっただろう。 身体を重ね、ひとつになれば 相手が自分を欲しているかなど手を取るように分かる。 リツが行為を楽しんでいないという事実が、 私の胸を苦しめるのだった]
精進、いたしますね。
[きっと小さくそう告げるのがやっとだっただろう。 いい巫女になれる。父はそう言った。……本当に?*]
(206) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[>>189かたりと音を立て、車椅子が止まる。 進の問うような声に、頷きを返し]
うん。 僕の身体は不自由だし、君のほうが一周りくらい若いからね。 たぶん先に逝くのは僕のほうだ。 けど、絶対ってことはないだろうしね。
[微笑んで、指を絡める。 きゅっと、強く。]
へぇ、そんなものなのかい?
しかし子種かぁ……。 進くんは若いし、勉強熱心だし見た目も良いし。 胤を欲しがる女性は多いんじゃないかな。
[はにかむ進に不思議そうに返して。 ややすれば、自宅の前に到着した。]
(207) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 23時半頃
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[この村は何のためにあるのだろう。 可能な限りを村のなかですませようとする。 人も、食物も、情報も。 内のものは内に。外のものは外のまま。
人は何のために生きているのだろう。 食べるために。知るために。 繋ぐため、そして断ち切られるため。 生まれ落ちれば、すぐに母との繋がりは断たれる。 それが始まりで、 しかし、死してなお断ち切られぬのが、この「村」との繋がりだ]
(208) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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まだこの前の弔い肉が残っている。 菜っ葉に、大根もあるから 煮込んで汁物でも作ってくれ。
[体も温まるだろう、と言い添える]
(209) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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家の方はどうだ? 少しはマシになったか?
[気になるなら覗けば良いが、 遠目に見ても変わらぬ家。 むごい問いかけだとわかっていた。
それでも自分の家への滞在を 治療以外で許さないのはミナカタの掟でもあるから]
なんぞ困ったことはないか?
[そんな嘘吐きの優しい父親の真似事を 繰り返し、勝手に自分のうしろめたさを抉る作業。 どうせ見通しているだろう娘役の彼女の返事は如何に*]
(210) 2017/11/22(Wed) 23時半頃
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─ 自宅前 ─
ふぅ、進くんありがとう。 兄さんいるかな、ただいまー。
[家の前まで辿り着けば、車椅子に腰掛けたままで前身を乗り出し、木戸をドンドンと強めに叩いた。
兄はもう帰っているだろうか。 まだなようなら、進に、ひとまず上がって待っているかと聞いてみよう。*]
(211) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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[唇と唇とを重ねながら。 娘は、快楽に夢中になる頭の片隅に、思っていた。常々抱いている思いを、また浮かばせていた。己を褒める、慈しむ、その声を聞いて。
かかさまみたいだ、と。
娘の亡き母とゆりが似ているわけではない。姿も、ありようも、特段に似ているわけではない。娘の母のようだと、いうのではなく、ただ極めて漠然と、極めて広義に、 娘は思う。ゆりは、かかさまみたいだ、と。 ゆりは、みんなのかかさまだ。 ゆりは、村の、かかさまだ。 ――前代の巫女と同じように]
(212) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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― 自宅 ―
[丞の家は、ごく普通の農家の家。 鍵のない戸の前に置かれた包み>>125を腰を曲げて拾い上げる。 そのまま広い土間の一角に誂えた研ぎ専用の作業場に座り込み、肉塊でもって、鉈の切れ味を確かめた。
もっとも、これは戯れだ。 ここまで脂を吸えば、見るだけで切れ味は想像できる。 指先についた血を舐めれば、昼餉を忘れた腹がぐう、と鳴る。
人は何のために生きているのか。 ―――ただ、食べるために。 この村の人間は、人を食べるために生きている。 食べたい者があれば、それより後に死ぬように。 食べられたい者があれば、それより先に死ぬように。 そのために生きている。 常に頭の片隅にある解の一つに薄く笑う]
(213) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 00時頃
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―錠、宅前―
……皆で食べる事が、その人の弔いになる 無事に転生し、またこの村に生まれる為に。 そう、先生から教わりました。
[だからせめて大事なところは、近しいものが食べる、というのだろう。全部食べたいというのは――つまるところ、親しいものに対する独占的な慾なのか。 巫女に渡さない、という言葉はこの場に二人しか居らぬ故に、静かな外の空気に乗ってススムの耳に届いた]
錠さんたちは、お互いがお互いに大事なんですね。
[この村にさえ生まれていなければ、きっと―― と言いかけて、止める。 其れが禁忌である事くらいは、教わっている]
(214) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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僕は、そうですね。 皆さんへお返し出来るものが、身体一つしかありませんから 女性の方が望むなら、何度でも。
[欲しがられる頻度というと、実のところ左程多いわけではない。 世話になっている筆頭の容が乗り気ではない事の方が多いから、子種の提供以外でお礼に出来る事といえば力仕事であったり、覚えた生活の知恵を披露してみたりと細やかな事ばかり]
――先生、まだ戻っていないんでしょうか。 それじゃあ、別の機会にでも――
[戸を叩く錠の後ろ。 偶然いれば甘えようと思ってはいたが、上がって待ってまで飯を頂いていくのは椅子を押した礼にしても図々しいかと、少し悩むように視線を彷徨わせる。 けれど腹は主張するように音を鳴らし、嗜めるように押さえてみるも、止まりはしない*]
(215) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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─ 嫉心 ─
[兄と、やがて巫女となる娘がまぐわうさまを、錠は隣室で、襖の隙間から覗き見ていた。
薄い月明かり、漏れる嬌声。 破瓜の血の臭い。
それらに煽られたものは、劣情ではなく。
────嫉妬心。
兄に最も親しいのは、己だという、独占欲。 別に他の女と兄とがまぐわうさまを見たところで、そんなもの、浮かんだこともないのだが。 この娘にだけは、やけに苛立ちを感じてしまった。
それは、兄を「父」と呼ぶからに、ほかならず。]
(216) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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[だから。 ゆりに接する時の錠は。 ほかよりも、すこし冷たい。*]
(217) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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―回想:母を亡くした夜―
[いつだって間が悪いのだ。私という生き物は。
子供のころからそうだった。 村人から母に渡されたらしい菓子を ひとり、美味しそうに頬張る妹に出会うし、 洗濯をした途端に雨が降りだしたことも多い。 曲がり角の向こうにいた人にぶつかって 桶に入った肥溜をぶっ掛けたこともあれば、 ……母に、自分が望まれなかったのではという 村人の噂話を聞いたことだってある。
まぁ、それはさておいて、だ。 妹の部屋に訪れようとしたその日の私も、間が悪かった。]
(218) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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[考えていたことを伝えようと思っただけだった。 村の空き家を借りて、暫くそこで暮らそうと思う、と。 それすらも、私は妹に伝えることが出来なかった。
>>161扉の向こうから聞こえてくる妹の声に耳を塞いだ。 母と同じ、全く知らない人のような、高い声。 時折聞こえる男の声が誰だかまで、頭が回らない。
女に―巫女になった妹の声に、母が重なって。 受容れる行為に、痛みを、恐怖を感じる自分が、惨めになって。 私は踵を返して、神社を飛び出した。]
(219) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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[月明かりの下、向かった先は、村の中の農家のひとつ。 儀式に使う刃物を預けたことも多々あって、 見知った顔の男の――丞の家扉を叩いた。
痩せぎすの彼の風貌に、少しばかりの恐怖はあったけれど、 それと知識は別の話。彼は、教えを乞うに足る人物だ。そう思った。]
夜分にごめんなさい。 その、今日から農家になりたくなったので、 教えてもらえませんか?
……丞さんなら、頼りになるかなぁ、って。
[下手な言い訳を引っ提げて、へらり、笑ってみせる。 彼の返事がどうあれ、私の意志は変わらない。 その日から、神社に足を踏み入れることはせず、 私の居場所は、様々な野菜が並ぶ畑となった。]
(220) 2017/11/23(Thu) 00時頃
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[選ばれなかった私は、巫女になれない。 皆を受容れるような女にはなれない。
なら、どうする?
違う方法で、皆を笑顔にするしかないじゃあない。 ただ、それだけの話。**]
(221) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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―丞の家― 丞さん。いるかい?
[食事の後、しばらくして 研いでもらう包丁を布で包むと、丞さんの家の戸を叩く ]
(222) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[母。 娘の母が死んだ時、娘は泣いて、いつもと同じく幼い子供のように、わあわあと泣いて、村人達になだめられ慰められていた。母が肉となって、そのどの部位をか、娘が望み出る事はなかった。ただ、かかさまを食べたい。かかさまを、食べてあげたい。その思いだけ、強く強く、あった。 そして与えられたのは、脳髄と子宮。娘には伝わらなかった聡明さを持つ脳髄と、娘には伝わらなかった脆弱さを持つ――子を娘以外には産めなかった――子宮だった]
(223) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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ゆりさま。
ゆりさまになら、あげる。 ゆりさまに、あげる。 私の、目、 ゆりさまに、あげる。
[そう、情事にそぐわない朗らかな笑みを浮かべては、言って。娘は、ゆりの柔らかな胸元にうずまるように抱きついていた*]
(224) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[学校で書物を捲る。 ここに在る医学書をどれだけ眺めても弟の足を治す術は載っていない。 この村で一番の薬師が治せないのだから当然と言えば当然なのかもしれない。
大事な弟の脚を治してやりたいと思っている。 でもそれは。]
何時か、自立するのでしょう、私を置いて。
[先に死ぬであろう男から自立を促す為。 兄離れを願っての事ではない。 離れられないのは何時だって自分の方だから**]
(225) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[手が止まっていることに気付いたのは、戸を叩く音で顔をあげた時のこと。>>222 柄から外した鉈は、砥石の上で欠伸をしている]
ああ、 なんだ用かい
[鍵などないことは、この村の誰でも知っている。 土間から応えれば、声を張り上げなくとも届くだろう。 よっこいせ、と立ち上がり、汲んでおいた水をやかんにいれながら訪問者が入ってくるのを待った]
(226) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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そりゃね。 ずっと、誰よりも傍にいたし、村のならわしも勉強も、ほか本当に色んなことを、兄さんから教えてもらった。 脚を病んでからも、ずっと。 兄さんがいなければ、きっと僕は、とっくに村の人々の腹の中だったろうね。
[>>214それも悪くない人生だったかもしれない。 そうして、新たな健康な命として、兄の元へ生まれ変われるというのなら。]
何度でもなんて、やっぱ若いんだなぁ。 羨ましいよ。
[>>215実際のところ、左程でもないらしいことは、さすがに知らない。 ただ感心し、頷くのみ。]
(227) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[兄の在宅を確かめようと叩いた扉、しかし返事は帰ってこない。 まだいないのか、用事で手が放せないのか。]
んー、そうみたいだね。 忙しいのかな。
…………。
[別の機会に……と進は言うが、そのとき、たしかに、腹が鳴る音が聞こえた気がして]
や、そしたら悪いんだけど、このまま玄関の中まで車を押して、ついでにできれば僕を布団の上に運んでくれないかな。 そしたらさ、おひつの中に今朝の米がまだ残ってるし、あと山菜の煮たのとか、梅干しでよければ、自分で出して食べていいから。
[自身を運ぶかわりにと、そんな提案をしてみた。*]
(228) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[中から丞さんの声が聞こえると>>226 戸を開けて家の中へと入る]
お邪魔するよ この包丁を研いで欲しいんだ
お礼は何が良いかな?何か直したい物とかがあれば直すけど
[布で包んだ包丁を見せて支払いの交渉をするべく丞さんに聞く]
(229) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[丞も若い頃は相応に女を抱いた。 男を抱いてみたこともあるが、好みはしなかった。 それは性の指向よりも、肉としての柔らかさ。つまりは食の好みであった。
美味しそうであれば手が伸び、不味そうであれば興味をなくす。好悪で人を見たこともない。 それとも、食べ物に対する好き嫌いは、人相手の感情に似ているのだろうか。 さて、その意味で言えば――]
(230) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[リツは、好ましいほうだ。 感情と食欲の区別がつかないというより、感情に興味がない丞はぼんやりと考えた]
まぁ座れや
[燻っていた火種を起こす。薄い茶でも用意しようか。リツが長居しないのならばそれでもよい。喉が渇いていたのは自分だ]
そういやよ、ちょうどいつもの椅子にがたが来てな
[振り向き、先ほどまで座っていた椅子を小さく蹴とばした。 そうすれば、元より傾いた座面が、思い切りかしぐ]
(231) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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つく・・・れるよ? もう子供じゃない。
[孤独の心に芽生えた自立の言葉、二人分の言葉でそうかと頷いて、家路に連れ帰る父の手のように引かれて後に続く 距離としては近すぎず遠すぎず。 求めることもなくただ良くしてくれるミナカタの存在は心も開く必要もなく志乃に心地よい距離だけを与えてくれる。 心配されていることがけして寂しいわけでもない、家族のように笑いあい、補い合ってと言うよりは何か特別な、他人とは違うそんな扱い方だと志乃は思う。>>202>>203>>204]
(232) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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弔い肉……? うん、じゃあ任せていいよ 煮込みね
[材料を聞けばせっせと動き出し包丁で肉を細かく切ってすり潰し挽肉に変えていく。それを大根の葉と混ぜて煮立ちさせてアクを抜いそれぞれをかき混ぜながら煮込んでいくとトロミが少しかかった煮汁となるだろう>>209]
(233) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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―回想・ゆり様とのまぐわい― ”お清めは、ご満足いただけなかったですか。”
[せっつきを避けるための何度目かのまぐわいの時のこと 突然のゆり様の言葉に心を見透かされたような気がして、男は息を飲む]
そんなことはないさ。ちゃんと気持ちよかったよ
[最後まで事は終えていたし、気持ちよかったというのは偽りのない事実 しかし、自身や親父とは違う瑞瑞しい柔肌に触れると、どうしても最初の夜を思い出してしまう 要はただ自信がないだけなのだが]
“精進、いたしますね。”
[小さく告げられた声が聞こえると申し訳なさが募り、悪循環が続くのだった]
(234) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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困っていることなんて、数えきれないよ でもリツ兄が雨漏り治すのを手伝ってくれるって言ってくれたんだ。こうして食事にもありつけたし。 見えないものもたくさん見えるようになった。
[そぼろ大根の煮汁を容器に移し入れて、 そろそろできるからと湯気の立つ容器を二つ持つ。 匂いに包まれればお腹はまた鳴り、机に置いて正面に座ろうか>>210]
ところでこの肉は、誰の肉なの?
[食すのが弔いなのだから、それが誰であろうと結局は食べることに変わりは無いのだけれどせっかくおいしく食べてあげようと食事となった者の名を聞く*]
(235) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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つっても、研げねえ、ってんでもない いつでもいいからよ、 直すなり新しいの作るなりしてくれや
[天秤が傾きすぎているというのであれば、こちらは米なり野菜なりを渡すだけ。わかりやすい物々交換だ。
この狭い村で、国家のような存在が希薄であれば金銭の価値もわかりやすく下がる。 学がなくてもわかる。原始的だ、と。 勿論、口にしたことはないし、するつもりもない]
(236) 2017/11/23(Thu) 00時半頃
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[村の中を、彷徨う。
未だ痛々しさの残る志乃の家に人影はないようだし、 進もリツも、ミナカタさんもどうやら不在のようだった。 錠さんの家は、どうやら来客中のようだ。 足が悪いこともあって、良く食事を差し入れに行くのだけれど、 今日はお邪魔しない方がいいだろう。
他にも届け先の候補はあれど、今日は時間切れらしい。 自分の間の悪さに顔を顰めつつ、 傾く日に背を向け、家路を走る。
――間に合ったらしい。 包み紙を抱えた黒衣の女性>>118に、 昼と同じく、私は笑顔でぶんぶんと手を振った。]
(237) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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会えてよかったぁ。 って、これ、牛の舌?いいんですか!?
[渡された包み紙と言葉に、私はぱっと顔を明るくする。 櫻子にも喜んでもらえたし、今日のお弁当は大成功のようだ。]
明日、これも料理するから、 また、感想聞かせてね。
……おばさんが喜んでくれるの、すっごく嬉しい。 料理出来てよかったなぁって思うもん。
[そんなことを話したのち、黒衣の背を見送って、 一人、家で、風呂敷包みの中身を頬張る。
……冷めたそれは、“いつも通り”の味。 いつも通り、悪くはない料理だった、と、思う。**]
(238) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 01時頃
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ああ、そうだな。 子供じゃないな。
[志乃ちゃんの口調は必死に 自分を奮い立たせている気丈さを感じさせる>>232 そう感じるのは俺の中に傲慢さがあるからだ。
先代は村全体の事を考えろとは言ったが、 奉仕の人になれとまでは言わなかった。
口伝えでしか知識を教えないのは 特別な地位を保持するため。
優越は自分の名が消えた虚しさを埋めてくれていると信じて]
(239) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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