73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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― カルヴィンとサイラスの部屋→ ― [カルヴィンが意識を失っている。 深く、深く眠っているように見えた。 フィリップは身体を起こし、汗にぬれた彼の額をぬぐう。 途中、一度胸を押さえたが……]
[軽くシーツでぬぐった後自分が乱した着衣を整える。 この部屋に寝かせればいいのだけれど、 この部屋にはサイラスを寝かせていた。 だから、同じ部屋に寝かせたくなくて、 自分自身の衣類も整えると、抱えあげた。] [鮮やかなほうはフィリップではなくカルヴィンの方に止まる。]
[翠は目を瞬かせたけれど。言及するでもなく 部屋を後にして……向かったのは 紙媒体の資料がありそうな図書室。 ……カルヴィンの意識不明がサイラス同様のもの だったらどうしようと、その場合目覚める手がありはあるだろうか? 調べものをしにいったロバートならわかるだろうか?と。]
(0) 2012/01/03(Tue) 03時頃
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― 図書室 ― [カルヴィンを抱えたままだったため、足で戸をあけた。]
………ロバート……?え?
[目的の人物はそこにいた。 ただし、眠ってしまった状態で。 それはサイラスやカルヴィンの睡眠と酷似していた。 同時にもう一人、同じ学年の姿があっただろうか? ともかくロバートに駆け寄り、他に怪我等が無いかを確認し。] [ただ、彼を医務室に運ぼうにも 自分はカルヴィンを抱えている。 もう一人……いたとしても何か体調悪い様子に 彼に頼むのも酷だと、「人手を探してくる」と、 言い置いて図書室を後にして。]
(1) 2012/01/03(Tue) 03時頃
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― →廊下 ― [そうして廊下をカルヴィンを抱えたまま。 小柄なカルヴィンとは言え、 ずっと抱えていれば腕が痺れてきたけれど 医務室にいって、まず寝かせる、という選択肢をとらないまま。
そうして、人手を得るため廊下を歩けば フィリップの嫌いな人物、 セレストの姿があることに気づく。
………人手が欲しい。でも話しかけたくない。 そんな、情けない迷いを抱えたまま*]
(2) 2012/01/03(Tue) 03時頃
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― 廊下 ―
…………
[石の廊下に響く足音が煩い。 ただでさえ胸が痛み、そこに不快があるのに、 重なる不快に眉を顰める。ただ、同時に何か…… フィリップは緩く首を振って感覚から意識をそらす。]
……ちょっと、無理させただけ……
[セレストの言い分が、 まるで目覚めぬ眠りに確定させるものに思えて。 そうと信じたくないフィリップは跳ねつける。 はねつけた言葉と、薔薇の香りに混じるシーツでぬぐっただけでは落ちぬ香りは セレストに隠匿されたクラブで嗅ぎ慣れた匂いを届けて状況を露見させただろうか? ただ……]
(15) 2012/01/03(Tue) 21時頃
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寄るな!!
[抱えたカルヴィンを 近づくセレストから遠ざけるように後ずさる。
ただ、直ぐに背後から声をかけられて。 それもフィリップが嫌いな元生徒会長とわかれば 逃走経路をたたれ、壁際まで下がることしか出来ないが。 まるで、野生動物のように警戒心をあらわにし。]
(16) 2012/01/03(Tue) 21時頃
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フィリップは、突然きょろきょろと周囲を見。
2012/01/03(Tue) 21時頃
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― 廊下 ― [セレストが手を広げればカルヴィンの上で 薔薇の匂いから避難している鮮やかなほうが 暢気に同じように羽を広げる。]
……俺が、俺の部屋に運ぶ、からいい。
[凍えてしまう、と言われれば はっとして一度カルヴィンに視線を落とす。 自分の温もりを分け与えようと強く抱きしめるも、 彼を冷やしてしまうのは本意ではなく、
手を伸ばすセレストに渋々と言った様子で 運んで、寝かしつける意の言葉を口にする。 ……本当はずっと一緒に居たかったのだけれど。 ただ、哂い零す様子には怪訝な顔で首を傾げた。]
(19) 2012/01/03(Tue) 21時半頃
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………棘って、薔薇の分身……
[薔薇の分身としてしか知らず 胸に巣食う痛みだとはまだ聞いていなくて。]
カルヴィンから、俺、 カルヴィン以外を貰ってない……
[カルヴィンも意識の消え際、 セレストにと言っていたが、 それが何かよくわからなくて。 心底困惑した表情ひとつ]
(21) 2012/01/03(Tue) 21時半頃
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フィリップは、棘の話し今聞いた。とつぶやく
2012/01/03(Tue) 22時頃
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…………うん。 今、薔薇でエリアスから聞いた…… 胸に巣食う痛み、がそれだって。
[険しくなった表情に、 カルヴィンをぎゅっと抱きしめつつ聞く]
別に、痛みなんていらないから、 渡す、のはいいけどさ…… 思いを遂げないと感染……渡せないって
[痛みなんていらないし、 嫌いなセレストが痛む分には、 フィリップに罪悪感もなく。]
いい、手伝わなくて。 そこをどいて、俺を通して。 棘はどうとるのか知んないけど、取るのに必要ならついてくるだけでいい
[ただ話題がカルヴィンに移ればきっぱりと拒絶する。]
(23) 2012/01/03(Tue) 22時頃
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ふぅん………? いいけど、知ってるなら。 薔薇からもいいって言われたからあげる。
[表情がゆがむのに緩く首を傾げたが 相手が嫌いな人間であれば、 そこに心を配る優しさのない幼稚性は 渡し方を知らぬのもあって気にする様子もなく。
背後からついてくるセレストを気にせず部屋に向かう。 鮮やかなほうだけが、いる人々を 気にするように交互に首をめぐらせて見たが。
部屋につけば、必要なものと 薬壜しかない殺風景なフィリップの個人スペース寝台に そっと、カルヴィンを寝かし。 離れたくない、と言うように寝台に腰掛頭を撫でる]
(25) 2012/01/03(Tue) 22時頃
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[鮮やかなほうが伸ばされた手に 緩く首を傾げてから飛び移る。 薔薇の香がしないこと。そして眼鏡姿。 ロバート同様に遊んでくれる人かと勘違いして。 隙あらば眼鏡の弦を咥えて引っ張ったり]
(27) 2012/01/03(Tue) 22時半頃
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― 自室 ―
……ずるい、って言われても。 でも、さっきから声、しないなぁ…… どうしたのかな?
[カルヴィンは相変わらず目覚めない。 ただ、薔薇から目覚める算段は聞いたから あと少し、と思えば、 好きな人の寝顔を見る嬉しさが勝り翠がほそまる。 だからセレストの言葉にも、割に普通に返しながら ふっつり途絶えた声に少し心配が滲んだ、が。
次いだ言葉に翠が冷たさを滲ませる。]
(30) 2012/01/03(Tue) 23時頃
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ふぅん……かも、じゃなくて、元々、だろ。 安心してよ、俺も大嫌…………
[お互いに嫌い同士、結構。と思った。 フィリップは嫌いな人間には触れたくない。 だから、まさかセレストが自分の腕を掴むとは思わず。 驚きに丸くした瞳でやっとセレストを見る]
は、はぁ?ずるいって、な………〜〜!!
[意味がわからない。フィリップはありありと嫌悪を表情にのせ 言われた言葉に反論……しようとしたところで 言葉ごと噛み付かれた。否、口をふさがれて。 事実が認識できずフィリップがしばしの硬直の後から、セレストを押しのけようと、 自由な腕でその胸を力いっぱい押す]
(31) 2012/01/03(Tue) 23時頃
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フィリップは、レオナルドに嘴を押さえられて、ぷぎゅ、と短く変な鳴き声を零した。
2012/01/03(Tue) 23時頃
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―――〜〜〜っ!!
[口内、ぬめりとした感触。 カルヴィンと交わした拙いそれとは違う 慣れた舌の動き。 フィリップはわかっていないが、棘の作用。 酷く、酷く、熱い。脳の裏が焼かれる。 ただ同時に酷い屈辱にも感じ悔しくて翠から一滴毀れる。 その屈辱が快楽に抜けそうな力を支え突き放す。]
……………ふ、ふざけ、るなっ
[いまだ、棘の渡し方を正確に知らぬフィリップは その言葉が棘の移動だと気がつかず。 ただ、一度燈った熱が酷く暴れ、求めることにも 酷い屈辱を感じて片手を口でぬぐいながら 上着のすそを引っ張り高ぶりを隠す。]
……変態……っ
(35) 2012/01/03(Tue) 23時半頃
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フィリップは、そう言って距離をとろうと後ずさった。
2012/01/03(Tue) 23時半頃
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[同じように昂ぶる様子に気づけば、 セレストが何をしようとしているのか 彼が棘の受け渡しをどう認識しているのかわかり 一気に顔が青ざめ、 寝台に腰の力が抜けてへたり込む。]
…………やっ
[いやだと言う前に、目覚めること、を口にされれば それ以上拒否もつむげず。 へたり込み俯いた先、影が近づくのにおびえる。
ただ、暖かいものが手にかかり、 呆然と見上げた先、 セレストも泣いていることに気づけば どうして、こんなことになったのだろう と、思ったまま、翠を閉じた。]
[自分を翻弄する快楽に意識が流され眠りにつくまで、 その思いは消えることなく……*]
(38) 2012/01/04(Wed) 00時頃
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