103 善と悪の果実
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―回想―
ええと、ごきげんよう。
「機械が回す飲み物を眺めていれば 背後より声を掛けられて>>3ゆっくり振り向く]
美声ですね。
[振り向いた先には黒いロングドレスを纏った女性。 耳に心地良い声に相応の、 美しい容姿を備えているように感じた。 おそらく招待客の一人だと当りをつけて]
(24) 2012/09/24(Mon) 13時頃
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ええ、この機械を見つけたらつい使ってみたくなって。 じっと眺めてたんだけど、貴女もこういったものに興味が? っと、招待客の方だよね。自分はオスカーと言います。
[礼儀というものは、付け焼刃ではやはり問題だ。 同じ招待客だと疑われないよう なるべく丁寧な口調で自己紹介を行ってから 名前などを伺う会話をする暇はあっただろうか。 兎も角、使用人の案内に従って大広間へ足を踏み入れた**]
(25) 2012/09/24(Mon) 13時頃
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―大広間−
鳴らない自鳴器ね……。 あれが『善と悪の果実』か。確かに綺麗だ。
[黄金の芳香が、陽炎のように揺らいで見えるほど 欲望、羨望に満ちた視線が果実に集まっているのを感じる。 錯覚とは分かっていても、幻想的な世界を共有してしまう]
(53) 2012/09/24(Mon) 20時半頃
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どんな構造になっているんだろう。
[数奇者というか、蒐集家達の熱意には瞠目する。 詐欺を行っていた時には、珍しい動植物や鉱物の標本 技巧機関を持つ、手の平サイズの精巧な機工人形など 貴族達の蒐集欲を満たすものをよく取り扱ったりした。 勿論、自分は金銭に代わるものとしての価値 それだけしか見出していなかったはずなのだが]
流石に新聞で謳われるだけのことはあるね。
[不本意ながらも魅せられたのを渋々認める表情で 壇上の周りをくるくると回り、自鳴器を眺めて歩いた]
(54) 2012/09/24(Mon) 20時半頃
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チッ。
[未知の構造とか、そういった物に惹かれる柄じゃない。 こんなところで涎を垂らして宝石箱を覗き込んでいる自分が 餌を口開けて待つ雛鳥のような、途轍もない阿呆に思えて この時ばかりは、舌打ちを抑えられなかった]
あー、ミスター?
[分厚い絨毯に吸われた男の足音は、殆ど聞こえない。 壇上の傍から静かに退くと、 少年に裾を掴まれた背の高い男性>>55を見かけて声を掛けた]
調子は良くなった? 奥さんと仲直り出来ているといいけど。
[ただ、様子を見る限りでは、妻らしき人物は傍に居ない。 金の紙吹雪が降った後の其処には、 窓越しに見かけた色黒の少年と紫水晶の紳士が居た]
(57) 2012/09/24(Mon) 21時頃
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[こちらから声を掛け、振り向いた男の顔には 招待客の多くに見られるような、 一種の熱病めいた黄金の果実への執着が感じられなかった。 おや、と心中微かに驚いて、なるたけ無邪気な声を出す]
ああ、あれね。ついじっくりと見てしまった。 やっぱり新聞に載るだけあって凄いよ。 よかったら貴方も近くで見てみたら……
[果実の周りを彷徨っていた様子を観察されていたらしい。 言葉を途中で切り、瞳だけで笑って。 背の高い男の瞳を、からかう様な動作で下から覗き込む]
いろいろと、気が変わるかもしれないよ?
[くすりと含み笑いを余韻に残し、失礼、と居住まいを正す。 その場でオスカーという名前を名乗った後、名前を聞いて]
貴方の顔色といったら、 そうだな……刑場に曳かれる罪人の様に青ざめてたよ。
(65) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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[一拍置いて、思い出したかのように付け加える]
勿論、冗談だけど。 奥様の病気が早く治るといいね。
さっきは少し揉めただなんて言ってたけど、 奥様がご病気なら、労わってあげようよ?
[ぎこちない笑みに合わせる様、 冗談ですよ、とおどけた仕草で笑みを浮かべた]
(66) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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綺麗な紫水晶ですね。
[傍に居た夕闇伯>>62にも声を掛ける。 果実が据えられた壇上の傍、 手に持ったオペラグラスが印象的だった人物だ。 あしらわれた紫水晶が、煙るような雰囲気に良く似合っている]
どうされました?
[記憶を辿られている様な気配。視線の配り方。 僅かな振る舞いから感じたのは気のせいだろうか。 少しの警戒心と居心地の悪さから、微かに身じろぎをした]
(69) 2012/09/24(Mon) 22時頃
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[不思議な色だ。 彼の青い双眸を見つめたときに湧いた感想。 どちらかと言えば、自分がよく知っている世界に似て 少し違う、その少しが決定的な隔たりになるのだろうか]
実は美術品や芸術品も少し扱ってて。 その観点から見れば、金銭的な価値は凄そう。 素晴らしい物を見れたという感動も、勿論あるよ。
[取り扱う芸術品など、勿論ただの贋物。詐欺の小道具。 自分にとっても、と聞かれればはぐらかす様に答え]
そうだね、気分が変わってしまうかもしれない。
[男性の心中こそ知らず、僅かに真剣味を帯びた声で纏めた]
(80) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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ええ、とってもお似合いです。
[紫水晶を指先で撫でる夕闇伯>>74を見つめて、笑みを零す。 ガス灯やランプの暖かな光源が石に揺れて、眼を細めた]
そうですか、蒐集家の方々のお手伝いをしておりますので そちらの方面から噂が零れたのかもしれませんね。
[詐欺を働くコツは、などとのたまう心算は無いが 踏み込む度胸と思い切りが大事だとは思う。 かつての杯の話題を出すときがくればしらばっくれよう。 蒐集家の繋がりは複雑怪奇に過ぎるから。 思わぬ穴に落ちるかもしれないし。]
真鍮で出来た天球儀のリングも複雑で見ていて楽しいですが 一体あの自鳴器はどんな構造で作られているのか 色々想像してしまって、一寸気になりますね。
[知りたいと思う欲こそ、果実を勧める蛇の好物なのだろうか]
(83) 2012/09/24(Mon) 23時頃
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[喧騒はまだ収まっていない。 もう一度壇上に視線を走らせる心算で、頭を巡らせれば 様々な男女の波間で揺れる白い影>>77が眼についた]
― まだ着けていたのか ―
[口の中だけで呟かれ、 空気を震わせず音にすらならない言葉。 あの髪の色は結構気に入っていた。 ストロベリーの”混じった”珍しい金髪。 その事情を深く詮索したことは無かったが、 それなりに付き合う間、何となく分かった気にはなっていた。 留まっている黒い蝶は、随分と目立ったものだったが]
(91) 2012/09/24(Mon) 23時半頃
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変わんねーな。
[目線も合わせない、主語も無い、褒め言葉。 ガチガチと懐で鳴る懐中時計の螺子を、 乱暴に掻き回してやろうか、と一瞬だけ思うぐらいには]
あー、うぜえ。
[変わらない持ち物に、愛着が湧くことはあるんだろう]
(92) 2012/09/24(Mon) 23時半頃
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純粋な古美術商というより……。
[>>86に少し考えるそぶりを見せた後。 ウェーズリーと夕闇伯、二人に向けるよう言葉を紡ぐ]
ちょっと変わったものを取り扱うことが多いですね。 虹色に光る鸚鵡貝に曲線装飾の金の持ち手が絡む杯とか。 極彩色の羽が綺麗な南国鳥の剥製に歯車を詰めたオートマタ。 くすんだ銅の円形部品に蜂蜜を閉じ込めた首飾り。 暖めたら蜂蜜が硝子の向こうで生き物のように動き出すので 悪魔が閉じ込められた琥珀だなんて言われて、難儀しました。
[指折り数えて、思い出すかのように話し、時折苦笑する。 もちろん全てでまかせの贋物のガラクタだ。自分なら要らない]
(99) 2012/09/25(Tue) 00時半頃
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[いつもの癖で、営業熱心な人物の振りは疲れるが、 果たして、今ではどれぐらいの効果があるのかも怪しいだろう。 恐らく好事家の興味は、禁断の果実に向けられているだろうから]
ええ、夕闇伯のご趣味は、聞き及んでおりますから。
[口の端で笑みを深めて、一礼をすると]
それではこちらもお暇しようかな。ではまた。
[場を離れるウェーズリーに軽く挨拶を済ませると 夕闇伯にも告げて、自分もほぼ同時にその場を離れた]
(100) 2012/09/25(Tue) 00時半頃
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[去り際、どこか面白半分のように>>106尋ねられれば 勿論ですよ、と微笑んで、商売用の深いお辞儀をした。 足枷の少年とは、挨拶を取り交わし>>112]
よろしく、トニー。 こちらもオスカーで構わない。
[馬鹿げた姓を呼ばれると、 自業自得ながら流石に面倒な気がするのでそう告げ。 ちらりと彼の右足に意味ありげな視線を走らせた]
黄金の林檎には様々な呼び名があって そんな多面性と、君の多面性はちょっと似ている気がするね。
[子供の容姿に似合わぬ落ち着きと言葉遣い。 もう一度プレートを視線でなぞり 囁く様な感想を耳元に残して、その場を後にすることにした。 それから、壇上の近くに歩み寄り、もう一度禁断の果実を眺めている**]
(120) 2012/09/25(Tue) 07時半頃
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[最初に受けた感銘らしきものは消え、 どこか値踏みするような光を湛えた視線で、壇上を見つめる。 そうして、どれぐらい禁断の林檎を眺めていただろうか]
なに……?
[囁くようなざわめきが、波のように背後から伝播してくる。 視線をやれば、 刺青の男と夕闇伯の間に、険悪な空気の漂う様が見て取れた]
やれやれ、なんだか楽しそうだな
[傾いた微笑を浮かべつつ、そっと呟く。 とはいえ、当人らに聞き咎められると面倒だ。 ついうっかり地金が出てしまわないよう、気をつけねば]
(135) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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やあ、また会った。 魅惑の果実の味はどうだった?
[壇上を見上げるドレスの女性>>134を見かければ 先ほど少し話した美声の女性だと気づき、声を掛ける]
だけど。
鳴くことの出来ない自鳴器って、何だか少し可哀想だね。 輝くばかりの容姿を備えていても、ただ在ることができない。 そのために作られたものだとしたら、我慢出来ないと思うよ。
[それとも、あれは自鳴器では無いのだろうか。 ただ人によって模られた 役割の枠に嵌るものでは無いのかもしれない。 取り留めの無い思考の泡が弾けて、曖昧な笑みを模った]
よくわからないな、自分でも何を言っているのか。
(136) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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心奪われる魔力、あの自鳴器に相応しい表現だね。 否応なしに人を惹きつける 人が惹きつけられる、かな。そんな魅力を確かに感じる。
[私も貴女と同じように思いますよ、と賛同の表情を浮かべ 続く言葉には、微かな含羞の色を載せた声が柔らかく否定する]
自分が優しいだなんて、勘違いしていると思うよ。
[毒の滴る果実は、さぞ芳しい芳香を放つだろう。 そうなれるように、自らの人生に科す誓いの一つ。滑稽だ]
(141) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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さあ、どうやれば歌えるようになるのか。 それを知りたいとは思うけど。自分にも難しいかな。
いつか、用を成す在り方と、 思い通りに廻る機構が、交わる日が来る事を願って。
[驚いたことに、半分ぐらい本心が混じっているのかもしれない。 禁断の果実の魔性が心に伝播したかのように、戦慄した]
ええ、グロリア様なら、きっと大切にしてくれそうだ。
……萎れる前に、もぎ取る不届き者が出ないといいんだけど。
[最後の呟きは微かに。寂しげな彼女の表情を見て取ると]
そんな表情は似合わないよ?
[内心を糊塗するように、冗談の調子を交えて告げる]
(143) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[視界の端で、白い布地がふわりと翻った。 わずかな一瞬だけ、余所に注意と視線が外れる]
……?
[ペラジーととある男が話しているのを見て、 美女が良くやる仕草の真似 裏社会で何となく癖になった、で、柳眉を持ち上げた]
あの男、どこかで見たことがある顔だな。
[呟きは静かな声で。視線は彼女を一度通り彼へ。 解れた記憶の糸は、直ぐにスルスルと脳内で体を成す。 賭博に溺れた、そしてこれが大事だが、警官じゃないか。 仮面の下で、ぞっとするような酷薄な笑みを浮かべた]
(145) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[困ったように首を傾げる彼女を見ながら ふふ、と微かな自嘲の色を滲ませて唇を緩める]
確かに可哀想ってのは変だったね。何でだろう。
[何故そんな感想を彼女に話してみる気になったのか。 黄金の優美な曲線で描いた鏡面を輝かせるために、 皆で強い光を当てると、後ろの影が濃くなるような そんな捻くれた感想を抱いていたのかもしれない]
禁断の果実、美しい自鳴器の音色は聴けないけど そう言えば、コリーンの声は美しいね。 何かやってるの?
[事情は知らず、そんな感想を漏らす]
(150) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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分からない、誰か分かる人が居るのかな。
[先ほど目にした禁断の果実。 目蓋に焼き付けた構造の未知も、魅力の一つだ]
罰……か。禁断の果実を徒に齧ると、 よく聞く話しでは、楽園から追放されたりするけど。
[ちらりと鋭い犬歯を見せて、鷹揚にくすり笑う]
そうだね、そんな人は居ない事を祈ってるよ。 あれがもう見れなくなるなんて、ぞっとしないから。
[こっくりと頷くと、大仰にお辞儀をするのだ]
どういたしまして。
[口角に、直ぐ消える薄い微笑みの残滓を曳いて]
(155) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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そう、やっぱり。 歌い手とか、日常的に音に触れている人かなって 何となく思ってたんだ。
[>>154には感心した様子で、相槌を打つ。 今は、休んでいるとの言葉を聞いて 何となく、それ以上詮索するのは控えた]
貴女の耳に、あの自鳴器の奏でる音が、いつか届きますように。
美しい音色なのか、物珍しい音色なのか、 さて、踊りだしたくなるような音色なのか、 今から楽しみでたまらないよ。
[自鳴器の音色を、まだ聴いた事のない彼女の歌に掛けて。 暫く談笑した後、頃合を見てその場を辞することになるだろうか]
(158) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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――回想・大広間――
[でまかせの品を述べた後、視線を揺らめかせ ジョセフと言った男の離れ際の弁に興味を持った]
さて、それは営業努力の結果次第。 自分にとっては運良くだけど、貴方にとっては運悪く?
今日、楽しませて頂いた記憶をよすがに 奥様には特別価格をご用意させて頂きますよ。
[撥条仕掛けの単眼鏡をわざわざ取り出し、 何の酔狂か、瞳に被せる仕草をして見せた。 この物品の用途は別にあるのだが、稚気には勝てず]
もし、本当に、お会いすることがありましたらね。
(159) 2012/09/25(Tue) 23時半頃
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