73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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[途中、ヨーランダを抱えるべネットとすれ違っても意識のないことにすら反応を示さず。部屋を知っているかと問われても首を降っただろう。
めちゃくちゃに走ったせいでシャワーを浴びたばかりなのにどこかよれよれで、瞳には涙が湛えられて
そんな少年を鳥を連れた彼はどう思ったか。次に顔を合わせたら謝ろうと、決めていた。
でも 何に?
わからなくなってそのまま前を通りすぎようと]
(46) 2011/12/25(Sun) 02時半頃
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[とうとう一粒嗚咽と一緒に零れ落ちた]
っふ、う ………………寂しい、よ
[通りすぎる際にふと見上げた翠に、彼が残した言葉>>1:259を思い出して 彼の持つシーツへ 手を、伸ばした]
(49) 2011/12/25(Sun) 03時頃
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傍に いて
[名前も知らない相手。けれど彼も痛みを、寂しさを知ってると思うから。似ていてもきっと本質が違うことには目をつむって掴んだシーツを涙を隠すように引き寄せて]
さ、ぃ あ
[名前すら、まともに呼べなくて]
(53) 2011/12/25(Sun) 04時頃
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[鮮やかな赤にまた薔薇を、中庭を思い出して、一度堰をきってしまえば涙は止まらずにシーツを濡らした。抱き寄せられれば少年が残した歯形が目の前にきて]
ごめ ん
[何を、とは言わなかったから誰に言ったものかすら、彼はわからなかったかもしれない**]
(55) 2011/12/25(Sun) 04時頃
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…っふ ぅ 痛い、よ
[うん、と頷いて。けれどその言葉は彼自身も今痛みを感じているのだろうかと、顔をあげて聞こうとしたけれど]
――っん
[項から背筋を辿って熱が走った。涙で忘れかけていたのに呼び起こされて、ごまかすように目の前の身体にしがみついた。最後には声をあげて子供のように泣いたけれど、ずっと腕を離さないでいてくれたから、痛みも寂しさも、ほとんどが流れていってくれた]
(107) 2011/12/25(Sun) 13時頃
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あり が と
[消え入るような声で、それでも相手に届くように感謝したのはいつぶりだったか。きっと酷い顔になっていただろうけど、かぶせられたシーツのおかげか、見られずにすんだ。――見ずに、すんだ。
離れていく足音が完全に聞こえなくなってからシーツを抱きしめるように抱えなおして、自室へと入った。中には、誰もいないと思っていた]
(108) 2011/12/25(Sun) 13時頃
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― 自室 ―
あ サイラ、ス…!
[部屋に入って、まっさきに視線を向けたのが彼のベッドだった。そこで見つけた意外な姿に駆け寄ろうとして、すぐに足音を潜めるようにしてゆっくりとベッド脇に跪いた。 頬に、手を。 触れる前にきゅ、と握って自らの口元へ。はぁ、と息を吐きかけたのは、冷たい指で触れたら目を覚ましてしまうと思ったから]
ね、サイラスはさ
[中庭にいたためか、少し湿った前髪をかきあげて]
先輩のこと、好きなの
[囁く声は、問いかける声音ではなく]
(118) 2011/12/25(Sun) 13時半頃
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ごめんね、なんでかわかんないんだ
[頬をたどり、顎から首筋へ。そして、紅を見つける]
なんで、好きになっちゃったのか
[寄せる唇は、痛みを残すものではなく
ただ ――触れるだけで]
(120) 2011/12/25(Sun) 13時半頃
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― 廊下 ―
[ぱたん、と静かに扉を閉めて寄りかかる。結局顔も洗ってないし、シーツは持ったままだし
何処にも行けないし]
寝てるとはいえ
何言ってんだよ俺は…
[泣きすぎとか羞恥で真っ赤になった顔を隠すようにシーツをもう一度ぎゅっとして。とりあえず洗って返そう、とシャワー室近くのリネン室へ放り込むために歩き出した。 かろうじて自分のベッドに放り投げてあったカーディガンだけは着てきたから、顔さえ見られなければそんなにおかしくはない、はず]
(122) 2011/12/25(Sun) 13時半頃
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― シャワー室前の廊下 ―
……どうか、したの
[サイラスの友達。名前は…サイラスが呼んでいただろうけれど覚えていなかった。さっきセレストが呼んでいたっけ?頭には残っていない。 せっかくここまで来たのだからシーツを置いてきたいけれど、どいて、というのも憚られて。
中から聞こえた音と、声音に、身を固めた]
(131) 2011/12/25(Sun) 14時半頃
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あ、ああ…
[痛そうだ、と思っても表情は変わらず。出てくるのがセレストだと分かれば声をかけた意味もなくなり]
セレスト先輩、中に…
[確認しかけたが、名前を聞いてもわからないことに気づいたのは、今更だったか]
(136) 2011/12/25(Sun) 14時半頃
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い、いえ。なんでもない、です!
[途切れた声が続きを紡ぐ前に、と急いで頭を下げてその場を後にした。転がる男には目を向けず、開いた扉の中も見ないようにして。
結局シーツは持ったままだったけれど、持ち主が中にいるかもしれないのに、クリーニングに出すのも変だ、と妙な言い訳をして]
(143) 2011/12/25(Sun) 15時頃
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[個室が並ぶのと逆方向、シャワー室が見えなくなるとこまで駆けて、足をとめた。何処に行けばいいのかわからなかった。最初から決まってなかったけれど、人が少ないとはいえ、行ける場所には必ず誰かいそうで]
!………あ
[突然の叫び声と、通り過ぎていく姿。>>154 咄嗟に手を伸ばしてもノックスは気づかなかっただろう。 誰かの、代わり。
ことり、と胸の奥で音がした]
俺は…サイラスの代わりにしたの、かな
[真っ白なシーツに問いかけて、ノックスが来た方へと歩み寄る]
(163) 2011/12/25(Sun) 16時頃
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― 音楽室 ―
[ゆらり、足をとめる。ベネットが部屋から出て歩いて行くのが見えた。何の部屋だろう、と覗けばピアノがある音楽室で。おそるおそる鍵盤の前に座ってみる]
ポォ ン
[ピアノは弾けない。なんとなく押した白鍵が鳴らす音がどれかもわからない。すぐ隣の黒鍵を押せば響は物悲しく 止まったはずの嗚咽がよみがえってきて**]
(171) 2011/12/25(Sun) 17時頃
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カルヴィンは、フィリップの残したシーツは横において**
2011/12/25(Sun) 17時頃
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― 音楽室 ―
[めちゃくちゃにピアノを叩いていれば、煩がって誰も来ないだろうと考えた。もしかしたら防音室に入れなかったセシルが来るかもしれないことには考えがいたらずに、というか知らないのだから仕方ない。 あまり大きいとはいえない手で精一杯に広げて何個分まで一緒に弾けるか、なんて。
傍から見れば目を赤くしてたまに嗚咽を洩らしながらそんな遊びをしてる様子は異常だったろうけれど]
……もう、いいや
[バーン!と楽器への配慮を知らない強さで叩けば立ち上がり、音楽室を飛び出そうと。もしそこにセシルの姿があればいくつか言葉は交わしたろうか]
(286) 2011/12/26(Mon) 01時頃
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― シャワー室 ―
[寮へと戻り、おそるおそる近づいたシャワー室に人影はなかったので、そのままシーツを放り込んでおいた。目に入った鏡を覗き込めばやっぱり酷い顔をしていて、とりあえず冷水で顔を洗っておいた。濡れてしまった髪をぬぐっている時にふと項に手をやったけれど、鏡ではよく見えなくてそのまま放っておくことにした]
へくしっ
[ポケットを探っても飴はなく、甘いものを、と思ったところで談話室に一人にしたロバートを思い出す。少しだけ、すっきりしたこの顔なら人に会っても大丈夫かも。何よりあのまま寝入っていたらさすがに風邪をひいてしまうだろうし]
(290) 2011/12/26(Mon) 01時半頃
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[やっぱり中庭の見える廊下を進む。そこらへんの木を折って、それで焼きマシュマロをやればいいんじゃないかな、と考えたけれど]
ロバートがそんなこと、するわけないよね
[枝を前に憮然とするロバートを想像したら面白くて、少しだけ気分が上向いた。廊下はやっぱり寒かったけれど、談話室はあったかいだろう、と開いた扉の中には、意外な顔が、あって]
……ただい、ま
[とりあえずはそう言ってみた]
(293) 2011/12/26(Mon) 01時半頃
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あ…
[頷かれて、でも同じようには返せずに。どうしようかな、と思えば口をつくのは]
ロバート、マシュマロ全部食べた?
[食堂に戯れに置いていったことはほとんど意識せずにそう言った。オスカーが赤い鳥と戯れているのは、なんだか可愛くて、そちらへと足を踏み出しながら]
(302) 2011/12/26(Mon) 02時頃
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いや、うん…そうだね
[ロバートは家族じゃない、その言葉に少し笑って。そういえば封を開けていたのは食堂で詫び代わりにおいてきたんだっけ、と思い出す。問われるままに]
うん…食べた?
[と聞き返し。鳥に触れるよりも先に飼い主(あくまで少年の認識であるが)の顔を覗きこんだ。顔を洗ったのだろうか、少年が残した歯型もずいぶんと目立たなくなっていて、少しだけ残念だった]
(307) 2011/12/26(Mon) 02時頃
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だ って
[俺の金だし、という言葉は飲み込んだ。そんな当たり前のことをいまさら言うのもおかしいし]
串はやっぱりなかったんだ。 そだ、木の枝とかでもよかった?
[もっと怒られるだろうなあ、とわかっていながら挑発するように聞いてみる。
甘かった、との答えには、今度こそ言葉なく頷いて。名前を聞こうと思っていたのに、暖かさにやられたのかうとうとし始めたからロバートにかけてやったブランケットを持ってきてそっとかけた]
(315) 2011/12/26(Mon) 02時半頃
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あれ?
[枝でも良かった、なんて]
ロバートはやっぱり面白いね
[にこり、と笑う。でも此処の空気がとても居心地良かったから離れる気にはなれなかった。オスカーが鳥と戯れているのなら仲間にいれてもらって、鮮やかなその羽を堪能して]
(319) 2011/12/26(Mon) 02時半頃
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うん、わかった
[羽を撫でながらロバートに頷いた。オスカーの様子がいつもと違うような気もしたけれど、どう違うかまではまだ気づかずに]
今度はちゃんと用意するから 焼きマシュマロやろうね
[部屋を出るロバートを見送った。鳥の羽を擽って抱えるようにすれば、オスカーに項に残された紅が見えたかもしれないけれど**]
(323) 2011/12/26(Mon) 03時頃
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[オスカーと何か話はしただろうか。転寝をしている彼が目を覚ませば名前くらいは聞いたかもしれない。あったかい談話室はとても心地好かったけれど、なぜだかやけに喉が渇いて、頭もぼうっとして]
ちょっと、頭冷やしてくる。
[サイラスも目を覚ましたかもしれない。今なら、戻っても……大丈夫とは、言い切れないけれど]
(361) 2011/12/26(Mon) 15時頃
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[自室に行こうかそれとも一旦本当に外に出て頭を冷やすか、そもそももう夜中だし誰かの部屋に泊めてもらおうか、なんてぐるぐるぐるぐる、足の進みようもぐるぐると、難しい顔をしながら歩いていて]
あ、ノックスせんぱ、い
[音楽室にたどり着く前に聞いた声を思い出した。>>154 何か、聞きたくて、でも言葉にできなくて。とりあえずぺこり、と頭を下げてみたけれど]
(365) 2011/12/26(Mon) 15時半頃
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あ、はい。 オスカーの同室さん、ですよね。
[食堂等で抱きついたりしている姿を見かけたことがあった]
な、なんでしょう
[無理難題でなければいいけど、と窺うように見上げて]
(369) 2011/12/26(Mon) 15時半頃
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え、あ ジェフ先輩
[小さな、小さな声で名前を呼び目を伏せた。あそこにいたことはばれているのだろうか。それとも…
ふと香った混ざり合った欲の匂いに気づけば、ジェフの顔に視線を戻した。部屋で見たサイラスからは、そんな様子は見られなかった。まさかあのあと、連れ出して、もしくは、あの部屋で?]
(371) 2011/12/26(Mon) 16時頃
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え、ヴェスせんぱ…え?
[わけがわからなかった。今部屋に戻ってサイラスがいればいいのだろうか。けれど、疑ってしまう。それならいっそ―― ジェフの前に駆け寄って、単刀直入に聞いてみることにした。唾を飲み込んで、口を開く]
サイラスを、
[名前を出せば、濃くなった香りと相まって身体が反応しかけたが、視線を合わせようと]
誰を、抱いたんですか
[ノックスの勘違いなどには当然気づいておらず]
(376) 2011/12/26(Mon) 16時頃
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大切だから…キスしたの?
[ジェフの頬へと手をのばし、触れられなかったとしても唇をなぞるように動かして。ヴェスパタインを抱いた、と言われても納得はしていなかった。弟を抱いた、なんて。ノックスもいるのに口にするはずはないと]
中庭で、キスしてましたよね。
[ノックスの言葉も耳にははいっていた。「衝動に抵抗」、ジェフも、薔薇の衝動にやられたのだろうか。それだけじゃないと思った。思いたかった。衝動だけで、奪われたくなかった]
(380) 2011/12/26(Mon) 16時半頃
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サイラスはどんな顔してました?
[唇から手を話して首筋へと]
痕まで 残して
[目の前が赤くなる。薔薇の香りは欲のそれと混じればより濃密になり、もはや抗うこともできなさそうで ジェフを引き寄せて、サイラスの唇を奪ったそれを味わおうと踵をあげた]
俺が、上書きしてやりましたけどね
[ほんの少しの嘘を交えて囁きながら]
(392) 2011/12/26(Mon) 17時頃
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………知ってる、よ
[ジェフの背中に呟いて、薄れていく香りと共に正気にかえったように唇に手をあてた。ファーストキスが大嫌いな人とだなんて、しかも自分からなんて、笑えない]
俺のものにならないって
[欲の香りは薄れても薔薇の香りは濃くなるばかり。ノックスに目をやる。口を開き、けれど言葉は出なかった。何か聞かれようとしていた気もするけれど、よくわからず。あいてる部屋を聞かれたところで少年には心当たりなどなかったけれど]
ごめんなさい
[何に対して、それとも誰に対してのものかもわからぬ謝罪を口の中で呟いてその場をあとにした。今度こそ頭を冷やそうと、中庭に通じる扉へと*向かい*]
(397) 2011/12/26(Mon) 17時半頃
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