301 十一月うさぎのないしょ話
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[秘密の夜の特訓は、初回だからと彼女に一滴も飲ませることなく、十二時の鐘を聞いてお開きになった。心地良くも胸が弾む魔法が解けるなんて思っていないが、彼女には節度を弁える人種だと思われたい。し、大事されていて欲しい。
ゆくゆく行儀の悪いところも見せるだろうが、今はまだ、まだ。彼女の隣で揺れる掌を拾う代わりに風除けになって。
掌はコートのポケットの中。まだまだ。]
(9) momoten 2019/11/29(Fri) 22時半頃
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[――― なんて、自重した癖に、陽が昇れば相変わらず図々しく。
いつものように朝一番に訪れた男は、サンドイッチとサイドポテトを頼んだ。サンドイッチと珈琲でも朝から動く薪になるが、そこに油分が加わると燃料はガソリンにクラスアップした。 それからの日々は、じゃがいもの魔術師に敬意と愛を捧げて出勤するライフスタイル。
覚悟を求めた男は好意を隠さず、彼女のシフトに合わせて休みを宛がう。公的なスケジュールを避ければ、週の半ばに休暇を得ることも容易だ。
すり合わせる予定はデートだと自覚が募り、胸が躍った。
師走の時期にこんなに浮かれているのは、サンタを待つお子様か、木枯らしに乗った落ち葉くらいなのに。]
(10) momoten 2019/11/29(Fri) 23時頃
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― 駅前 ―
[待ち合わせはちょっとレトロに駅前で。 彼女を迎えに行くには己の悪癖が足を引っ張り、迎えに来てもらうのは面映ゆい。
折衷案として挙げたのは店から一番近い駅。 ちなみに30分前到着を目指したが無論ついたのは5分前。 ――― この脚が悪いか、頭が悪いのか。
ともあれ、いつものスーツではなく濃いグレーのシャツにベージュのセーター。モッズコートを揃えれば普段より少し若く見える装いの魔法。
北風に耳の裏側を洗われて、呼気が白く濁らせ。]
…………デートですって。
[うろうろしたい気持ちをグッと抑え。 そわそわ、かわいい旋毛を探しはじめた。]*
(12) momoten 2019/11/29(Fri) 23時頃
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………。
[信号の赤に阻まれた分、焦った彼女を長く見ていられた。 いつもは頼れるコックさん。今は大切な女の子。 否、気持ちはいつでも後者だが、人には分別と云うものがある。]
いいえ、見惚れていたので大丈夫ですよ。
[理性は最初から危うかった。 平然とした会釈付きの挨拶だが、言葉が紳士でない。 素直に生まれたお蔭で口には戸が立てられず、軽く指先で口角を押さえ。]
デートと言えばお買い物ですよ。 それに何を買うのか興味がありますし、貴女と居るのは楽しいです。
[瞳を撓めながら歩調を合わせた。 視線をちらと向けるのは彼女の横顔。]
(27) momoten 2019/11/30(Sat) 01時頃
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それに、今日も戸崎さんは可愛らしいです。
僕はこれまであんまり面食いじゃないと思って生きてきたんですが、戸崎さんは見る度に可愛らしくなって驚きます。
その髪型、自分で結われたんですか? ―――― ふわふわしてますね。
[店でも見ないタイプのヘアセット。 頬に僅か赤味が差すのは寒さ故ではない。]
触れても? [そっと指先を持ち上げ、三つ編みに指腹を翳した。]**
(28) momoten 2019/11/30(Sat) 01時頃
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僕の欲しいもの…、 ああ。それなら前髪を留めるピンが欲しいです。 あまり派手すぎず、かわいいものが。
[ほんのり色付く頬に咽喉を揺らし、自らの前髪を二本の指で挟むジェスチャー。しかし、眼鏡を掛ける手前、毎日整えて視界に垂れることはない。]
貴女が仕事中につけても、問題ないくらいの……、
[パッと閃いたのは彼女に付けて欲しい、己のもの。 店内では行儀よくしていても店外ではフリースタイル。 外からの持ち込みもセーフだ。
問われて一番最初に閃いた希望。 臆面もなく告げてみせたが、言葉の途中が彼女の種明かしとぶつかった。心臓がダンプカーに撥ねられる。>>30]
(36) momoten 2019/11/30(Sat) 12時半頃
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………、
[込み上げるのは微笑ましい照れではなく、事故った羞恥心。理解の枝伸ばす相手に告げてしまった赤裸々。]
別のものを、考えますね。 ……独占欲が強くてすみません。
[照れ隠しに笑う唇は波打ち気味。 眉尻を下げて再考に頭が回る。]
(37) momoten 2019/11/30(Sat) 12時半頃
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器用ですねぇ。 僕なんか時々後ろ髪がひよこになります。
[彼女の私服を見た機会は少ないが、それでも初めてではない。それなのに、エプロンを外したちょっと特別な姿を見る度に胸と言葉が浮きあがる。彼女が普段と変わらぬと感じるなら、きっと変わったのは己の方。]
――― 僕にも覚えられますかね?
[綺麗な編み込みは料理人らしい器用さが見えた。 ロップイヤーのように垂れさがる三つ編みにまず指腹で触れ、形を崩さぬように柔らかく圧し。 不意にペラッ、と捲って本物の丸い耳も覗く。]
難しいですかね。
[僅か潜めた声は、楽し気にモデルのお誘い諸共吹き込んだ。]*
(38) momoten 2019/11/30(Sat) 12時半頃
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[行儀を語っても、どうしたってデート中は油断する。 彼女が店舗では見せない顔をつくるように、己もただ一人の男になってしまうのだ。だが、彼女は重たい好意を赤い顔で笑ってくれた。 ――― 心臓を轢いていったトキメキのダンプカーがバックで戻ってくる。]
……これでも妬かない方なんですよ。 本当ですよ。ちゃんと付けてくださいね、約束ですよ。
[主張と願望が綯交ぜになり、彼女の髪をふわふわと圧す。 細かいキューティクルは指を滑らせ、何度か三つ編みに添ってなぞり。]
(48) momoten 2019/11/30(Sat) 20時半頃
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前は鏡で見えるんですが、後ろに眼がないとこんな時に困ってしまいますね。いつの間にか後頭部がひよこの支配下に落ちているなんて。
[今日は無事です。と彼女の髪をようやく解放し、掌を添える後頭部。なにせ今朝は何度も鏡を覗き、合わせ鏡まで用意した。 名もない関係の向こう側を意識して貰えるように。] 戸崎さんが許してくださるなら、やってみたいですねぇ。 最初のうちは拙いかもしれませんが覚えますから。
[顎を自然と引いて、視線を前に向ける。 不意に態と外した視線は、咽喉に溜めた熱い言葉の所為。 一拍間を置いてみても、紡ぐ声はやはり少し渇いていた。]
―――…触れてみたいです。 髪にも、貴女にも。
[北風に紛れる低い声。 茶化して弾む陽気でも、抑揚の足りない平熱でも無くて。]
(49) momoten 2019/11/30(Sat) 20時半頃
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バナナチョコレートホイップですね!
あ、戸崎さん、戸崎さん。 イイ感じなカラフルパラパラーも掛かってますよ。
[潜めた低音は上に突き抜け、往年のスタンダードメニュー目掛けて飛びついた。 テンションを煽ってくる小憎いスプレーは仕上げにぱらりと飾る程度のオマケだが、遊び心に敏感な男は早速報告。
己の感じるままに彼女に伝えたがる分かり易さ。 自身の好みを伝えると言うよりは、喜びを分かち合いたい条件反射。]*
(50) momoten 2019/11/30(Sat) 20時半頃
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[彼女の言葉が胸の内に溜まっていく。 うさぎの穴では胃袋を掴まれ、外では心臓を肥やしてくる。不意に跳ねる動悸はまだ慣れない。]
僕がヤキモチ妬くと、乙坂さんと宇都木さんが筆頭になりますよ。 貴女が大事にしているものは、大事にしたいです。
[優等生的返答だとの自覚はあるが本音であった。 無論、彼女が持ち前の善性であちこちで声を掛けられていると知ったら話は別だが。>>3:+25 幸いまだ店長をはじめとした三者からリークは受けていない。見栄が張れる。]
多分、戸崎さんが考えているような妬き方ではないから、困っちゃいますよ?
[見栄が張れるから、少し残念そうな彼女を愛でられた。 これで期待も勘違いもしないなら野暮天に過ぎる。]
(54) momoten 2019/11/30(Sat) 22時頃
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………ヤキモチと言うか――…、
[風に乗る小走り。>>52 揺れる髪はさらさら波打ち、幻想を生む。 彼女が口を開けば胸が弾み、距離が空けば胸が軋む。]
今はヤキモキと言うか。 ……試される僕の理性と言うか。
[独り言を隠すように一度片手で口元を拭い、眼球まで廻った熱を寒風で冷やす。 そうして僅かな距離なのに少しでも早くその背に追いつきたくて足を大股で踏み出し。]
(55) momoten 2019/11/30(Sat) 22時頃
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[通すオーダーはバナナチョコホイップ、―― ひとつ。 少しだけ眼鏡の奥で目を瞠ったのが己で、ニコニコ微笑んだのが若いクレープ屋の店員。
首に昇った熱は羞恥心ではなく、喜びの熱量。 流石にぐぅと唸る咽喉奥。]
……分かりました。
戸崎さんがそういう心算なら、僕だって遠慮しません。 僕が図々しいの、僕が一番良く分かってるんですよ。
[視線を左右に彷徨わせてから、冷たい空気で肺を洗って観念する。白旗の代わりに小銭と出来立てのクレープを交換し、ゆっくりと差し出す彼女の口元。]
(56) momoten 2019/11/30(Sat) 22時頃
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はい、あーん。
[彼女に手渡す所作はなく、デートらしい一言。]*
(57) momoten 2019/11/30(Sat) 22時頃
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……そうなんですよねぇ。 戸崎さん、それが態とじゃないんですからねぇ。
[妬いてくれないのと囀った唇で、男らの名前を出した途端躊躇する。元々細い眼が分かり難い半眼を作り、薄く笑って何も知らない顔で男心を弄ぶ愛しい人を視線で刺す。
怖いもの知らずなのか、好奇心なのか。 そそくさと話題をしまってしまう彼女に代わりに与えるのは出来立てクレープ。]
(79) momoten 2019/12/01(Sun) 01時頃
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[差し出したクレープを疑問を持たず食む無防備さ。 伏目がちに置かれた視線を見下ろして、数秒の沈黙を噛む。>>64 常々彼女のことは可愛らしいひとだと認識していたが、もっと大人びた形容詞も脳裏で群れを成す。理性がサボタージュを始めると、どうにも己は一度黙る癖があるらしい。]
……あまり妬かないのは本当です。 同性の僕から見てもあの二人は魅力的だと思いますが、比べて如何の、と言う話ではないですから。
[クレープに残る小さなアーチ。 咀嚼で口を開けないのを良いことに、持ち出すのは彼女が恐れて手を引いた話題。]
(80) momoten 2019/12/01(Sun) 01時頃
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[彼女が顔を上げるタイミングで、温い指先が垂れる三つ編みに触れた そのまま指背で押し上げ、ぺらりと捲った先ほどとは異なり、忍び込ませるように。節くれだった指が彼女の外耳をやんわりと摘まみ、内側の凹凸を掠めるように撫でてから包み込む。]
ですが、独占欲はあるんですよ。 貴女の色々、僕だけのものにしたいと思っています。
[耳を内包する掌にじわじわと熱が溜まり、己の体温が彼女の薄い末端から伝播していく。その熱の動線を導いて指先がこめかみを降り、クリームの詰まった頬をくるりと撫でた。]
僕以外と、こんなことしちゃ駄目ですからね。 ―――…お返事は?
[彼女に疚しい気持ちで触れて良いのは己だけ。 意味深を伝える挙動は教え込むように緩慢。
綺麗な口角から、見えないチョコを親指で拭う素振り。]
(82) momoten 2019/12/01(Sun) 01時頃
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[パク、と彼女の唇を掠めた指腹を食み。 吟味の咀嚼数秒。]
……そういえば間接キスですね。 [悪びれぬ吐露と共に、クレープの歯形ごと攫う一口。
押し寄せる生クリームとほろ苦いチョコレートの調和、カラースプレーが咀嚼の度に折れて楽しい。 甘くて柔くて美味い ―――、
だが、胸の内はもっと甘い温度で溶けていた。]**
(83) momoten 2019/12/01(Sun) 01時頃
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[彼女の耳に触れたのは己の指だが、己の耳に触れたのは彼女の声。鈍い振りをして誠実ばかりを知っている。>>88 あれだけ彼女を大事にしたいと思いながら、素直な我が身は指先から伝わってくる緊張感を悦んだ。 触れた場所から拡がり行く独占欲が熱い。]
やっぱり。 ―――…貴女はそういうとこ、狡いです。
[己が想う以上に彼女はこの感情を許してくれるし、何より受け入れて、選んでくれている。
それを掌の上で教えられる男は、悔しくもないのに眉尻を下げた。自然と彼女の口元に視線が降りたのは偶然。]
(96) momoten 2019/12/01(Sun) 14時半頃
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……でも、そういうところも好きですよ。 貴女を日に日に可愛く想うのは、僕が日に日に好きになることと密接な関係があるように思います。
[今、彼女が見せる顔は店員のものではないし、己が見せるのは客のものではない。意識し合う男女のものだと教えてくれる。
愛される覚悟も、意識してくれることも。 彼女は言われたことを鵜呑みにする絵に描いたようなお人よしだが、言葉を信じるなら、己は中でも特別なのだ。>>89]
このままだと、世界一可愛い女の子になっちゃいますね。 それは道理でも、少し不安になります。
(97) momoten 2019/12/01(Sun) 14時半頃
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行き付けというやつですね。 貴女が好ましく思うものは僕も気になります。 ああ、でも。
[本来己は遠慮を知る性質ではない。 彼女に厭われては本末転倒と猫の羊のと皮を被るだけ。 ――― 丁度、あんまりに可愛いと念を押して不安を吐露したところでもあるし。]
よく行く場所なら、手を繋ぎたいです。 [故意犯の物言いと指先が滑るのは同時。 先には耳を包んだ掌が、今度は彼女の手を取り上げる。 大きな掌の中に、閉じ込めてしまうように。
掌を重ね、指を絡め。 ぎゅっと結んで掴まえた。]*
(98) momoten 2019/12/01(Sun) 14時半頃
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僕が狡いのは、貴女にだけですよ。 [清廉潔白な弁護士でありますから、と自らの胸に片手を宛がい。不埒も軟派も彼女のだけのものと主張して見せる。 紳士でない姿は隠していたいけれど、想いの丈は知ってほしい。或いはそんな我儘な心も覗かせて。]
―――…あんまり大っぴらには言いませんが。 戸崎さんを困らせてみたいとは良く思うんですよ。 多分、最初の擦り込みでしょうかね。
……もう忘れてしまったかもしれませんが、宇都木さんがホールプリンを作ってくださった日。とっても食べたそうに鳴いていたでしょう? 行儀よく思われたいお店の店員さん相手に、かわいいなんて思ったのはアレが初めてでした。
[オープンキッチンと言えど、店員同士の会話を盗み聞くのはマナー違反。それでも鼓膜を揺らされてしまえば、無意識に心臓が跳ねた。>>1:128 意識の最初をうさぎの穴で探すなら、きっとそこに。]
(120) momoten 2019/12/01(Sun) 21時頃
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そうですか…? それなら宇宙一にしておきましょうか。 [恥じらう彼女を揶揄うように舌にのせる妥協案。 次元が上がっているのは昨今のグローバル化の影響か。 結んだ掌をゆらりと揺らし、歩幅を調節する。 繋がる場所を風にも当てたくないように、庇って。]
嫉妬と不安は別物ですからねぇ。 悋気は僕の在りようですが、不安は貴女の可愛げ。 ……例えば、この世に僕が10人いたら5人くらいは貴女を軟派し、残り5人は迷子になっていると思いませんか。
[真顔で問いかける地獄絵図。 駅から店までに迷える男が方々散り散り。彼女の肩に乗る引率者の肩書。不埒な男らの例えとして己を増やすが脱線は著しい。]
(121) momoten 2019/12/01(Sun) 21時頃
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そういえば戸崎さんは青色がお好きなのですね。 理由だとか、あるのですか?
[はっきりと聞いたことはないがうさぎ穴の住人は、各々イメージカラーを持つ。店長だけは何色を基調としているか分からなかったが、もしかして彼女はブランクカラーなのかもしれない。
自身の方向音痴を差っ引いても、道案内は彼女に一任。 この年まで仕事一筋で生きてきた身としては、女性が好む雑貨店など縁遠い。
故に、手を引かれるままに辿り着いた場所で、目一杯のファンシーを浴び ――――。]
全部、戸崎さん色…!
[感動に眼が潤んだ。 握る手に僅か力が籠り、名も知らぬ髪飾りが並んでいる。 宝石でも鑑定するかのようにアクリルのヘアクリップを取り、早速彼女に透かし、新品の溜息を吐く。]
(122) momoten 2019/12/01(Sun) 21時頃
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本当に僕が選んで良いんですか。 迷っちゃいますね……、 いえ、選びたいです。ちょっと厳選しますね。
[一気に現実味を帯びた彼女への贈り物。 興奮で常は細い眼が、瞼のシャッター解放気味。
あっちにうろうろ、こっちにうろうろ。 嬉し気に、彼女の手を幾度も引いて。]*
(123) momoten 2019/12/01(Sun) 21時頃
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― ハッピー・ノット・アンバースディ ―
[行きつけの店の誕生日が近いとDMで知り。 お隣さんから郵政を経由し届いた翌日、カウンターで夕食を取る際に彼女にも聞いてみた。なんでも店を貸し切って内々で行うお祝いらしい。 まだ半年も通っていない身で、特別な日へのご招待に少し躊躇ったが、彼女が特訓の成果を見せると言うので腰が浮いた。手帳も確かめず『必ず行きます』と前のめりの姿が、他の店員らの眼にどう映ったかはまぁ、置いておいて。 ――― 閑話休題。]
こんにちは、お邪魔しますね。 この度はご招待賜りまして、ありがとうございます。
[うさぎの扉を指背で鳴らす三度のノック。 開いた先でまず挨拶とお礼を述べるのは、ミステリアスな店長さん。>>39 周年記念と聞いたが、手土産で贈るのは肩肘を張らない品物、拳より少し大きなサイズのラッピングされた松ぼっくりツリー。 生花と悩んで聖夜の近さに此方を選んだ。華やかさなら負けてない。
そうして見渡す店内。 すっかりパーティー用に整えられ、少し印象が変わって心も踊る。そして、鼻孔を擽る香りもあちこちから。]
(124) momoten 2019/12/01(Sun) 22時半頃
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えぇとぉ―――、 マカロンは此処、モンブランは此処。 乙坂さんはきっとガツンといらっしゃるだろうから此処。
[自らの脇腹や鳩尾に角度をつけて触れ、空き具合をチェック。己の身体は今や腹ペコ合唱団。己が振るのは指揮棒では無くて銀の匙だ。]
おや、トマトの香り。 ……これは誘われますねぇ。
[煮込み料理の香りを辿り、鍋の傍へ。 自然とまとめ髪のシェフの傍へ。>>74]
こんにちは、戸崎さん。 僕にもそのトマト煮をいただけますか?
前に桐野江さんが食べてらしたのに少し似てますね。 中身は…この凛々しい干瓢、ロールキャベツとみました。
[すでにワクワクと声を弾ませ、彼女と視線を合わせればまた笑みを深め。堪らず口元に片手を立てて、誰にでも聞こえるひそひそ話。ベーカリー乙坂開いてますか?なんて、トマトミルクソースを早速背徳的に攫う心算。]*
(125) momoten 2019/12/01(Sun) 22時半頃
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自分でも差し出がましいと自覚はあったのですが、如何しても貴女に食べて欲しくてお願いしてしまいました。
――― そしたら。 遠慮はするけど、要らないとは決して言わなくて。
自分の“好き”を大切になさる方なんだと思いました。 かわいいだけでも、ないんですねって。
[プリンに纏わるエトセトラ。 カウンターを挟んでそんな目を向けられているとは彼女も思うまいが、好きなものに触れている時、人は無防備なくらい素直になる。素の彼女は、己の心のドアベルをリンリンと揺らした。]
そう思うと、宇都木さんは僕のキューピッドなのかもしれません。 今度、こっそりお礼を言っておきますね。 戸崎さんにメロメロになっちゃう機会を頂き、ありがとうございましたと。
[揶揄と本気が入り交じる惚気た報告。 きっかけも、過程も、結果も、同じくらい大事にする男は、彼女の羞恥心だけ大事にしない。寧ろ、百面相の移り変わりを全力で楽しんでいた。]
(141) momoten 2019/12/02(Mon) 01時頃
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おや、戸崎さんは宅本バトルロイヤルがご希望ですか? それなら趣向を変えまして。
宅本寿一〜寿五までで戦い、最後に残った勝者の名前を褒美に呼んでいただくとか、
[それなら最終的には軟派者は四人減る。 彼女の心労は更に増えそうでもあるが。 与太話を朗々と語りつつ眼鏡の奥の瞳が撓む。彼女を慈しむ細さ。]
名前を呼ばせて頂くとか。
[空想と妄想の合間に、夢想も挟んで。]
(142) momoten 2019/12/02(Mon) 01時頃
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[狭い売り場を彼方此方と行きつ戻りつ。 他愛無く咲かせる雑談を滲ませる不埒も、正しくデートの其れ。]
ああ、夜明けの空がそんな色ですね。 青と言うには濃くて、紺と言うには明るい。
冬の朝に見かけると、一日分のやる気が溜まります。
[青い螺旋型のヘアピンを彼女の前髪に宛がい、次は跳ねるうさぎを模ったものを。何度も指先で額を晒すのは役得の一言。吟味に吟味を重ねる最中、下方から紡がれたのは誘惑の声。>>132]
(143) momoten 2019/12/02(Mon) 01時頃
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[軽く顎を引いてはにかんだ。 同時に指先だけでなく、掌が彼女の額に触れた。
さらさらと零れる髪を掻き上げ、長身から見下ろす形の良いおでこ。彼女の色ばかりに囲まれて、僅かに上体が傾いていく。吐息が彼女の眉間にぶつかり。]
―――― はい、 僕と混じった、貴女の色にしましょう。
[己は店員でないから基色を持たないが、混じり合えば青一色ではいられない。誰が見たって、彼女が鏡で覗いたって、独占欲の強い男の影がちらつく。 低い声でかける特別なおまじない。 良く染みこむように乾いた唇の感触が刹那だけ額を掠め。]
(144) momoten 2019/12/02(Mon) 01時頃
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[ぱちん。
今まで宛がうだけだったヘアピンの群れ。 選ばれた一品がようやく前髪を捕まえる。
―――― 少し紫の混じった濃い瑠璃色の羽根。]
あまり色に愛着はありませんでしたが、 これから先きっと、この色を好きになります。
……賭けたっていいですよ?
[間近で笑う顔が悪びれず。 悪戯を成功させたように、自信に満ち溢れていた。]*
(145) momoten 2019/12/02(Mon) 01時頃
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― トマトミルクのロールキャベツ ―
[芳しい香りのうさぎ穴。 次々と誘われる探検家―――ではなく健啖家達。 無論、己が誘われたのも喜ばしいが、うさぎの扉が開閉するたびに胸に満ちていくものがあった。隣に事務所を構えたのが、もう遠い昔のことのように感じる。]
トマト煮よりもクリーミーなんでしょうか。 ……本当ですね、優しい色をしています。
[軽く鼻を鳴らして美味しい香りを嗅覚に納めるが、視線は彼女の前髪を見ていた。色イロ混ざった羽根一枚。>>136 自然と綻ぶ目元口元。]
そういえば。 そろそろ僕も料理を見ただけでどなたが作ったか分かるようになってきましたよ。何処か家庭的なのが戸崎さん、お洒落なのが乙坂さん。
[指摘と一緒に視線を鍋に、振り向いて彩り豊かな一画に向け。>>130]
(160) momoten 2019/12/02(Mon) 23時頃
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ベーカリーも乙坂さんですね、 パティスリーは宇都木さん。 あ、戸崎さん。諸パン行脚したいので半分こしましょう。
[意気揚々と備え付けられていたパントングを小さく二度鳴らし、喜びの喝采。常は相席した客とシェアするが、本日は彼女もカウンターの外の住人。それが嬉しい。 ピタパンとコルネをひとつずつ、バタールを数切れ貰い。 軽くサラダ状に盛った野菜と、食べ方も知らない癖ベジヌードルもちゃっかり添えた。]
お待たせしました。 はい、手を合わせて、いただきます。
[うさぎの穴でシェアごはん。 祝い事であるだけで嬉しいのに上機嫌は天井を知らず、背後に花が飛ぶ。]
(161) momoten 2019/12/02(Mon) 23時頃
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[手を合わせた後で最初に頬張るのは勿論、ロールキャベツ。 匙で掬っただけで、キャベツの葉脈にまでトマトの味が染みているのが分かる。ゆらゆらと流れゆくスープが美味しい照りと艶を生み。堪らず口腔に運び込むと、トマトの酸味が最初に訪れ、すかさずミルクのまろやかさが口腔に拡がり、舌の上のステージで手を取り合った。
落ちかけた頬を片手で押さえ、良く練られた挽肉を噛みしめる。肉汁さえも寛容に包み込む酪農と農耕の連理比翼。]
はぁ……、五臓六腑に染みわたりますねぇ。 キャベツもくたくたで芯まで甘いです。 [舌で味わっても、咽喉で余韻を楽しみ、胃袋に落ちては身体が温まる。完璧なスタートを切るとバタールを早速摘まんで、半分にしたロールキャベツをライドオン。そのまま口腔へ出港させ ――― 。
今度も一層深い感嘆を漏らし、唇は弓形に撓りっぱなし。]*
(162) momoten 2019/12/02(Mon) 23時頃
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― ベジヌードル・コルネ ―
ところで……、
[ベジヌードルをコルネに詰めてみません?と悪魔的に問うたと同じ音階で、傍らの彼女に示唆する視線の先。誘導する己の視点には睦まじげな男女が一組。
彼女の同僚と、己の友人と。>>155>>157]
――― あのお二人、お似合いですね。
[椅子の背の角がくっつくくらいの距離で、内緒話みたいに笑った。*]
(163) momoten 2019/12/02(Mon) 23時頃
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[常は料理と好きに真剣な彼女が、今はこうして己の言葉に振り回され、百面相に忙しない。そんな様にも万事に懸命な性根が見て取れて、ますます心が惹かれた。 彼女は料理の腕だけなく、己の全てに掛かる万有引力を持っているようだ。]
……僕が狡い男になるの。 十割くらい貴女の所為だと思うんですけどねぇ。
[羞恥を訴えてくる癖、制止には到底役立たない所作。>>146 最近は彼女の髪の毛一本まで可愛らしく見えているが、このままでは一挙手一投足すら危なくなる。理性を齧られる音を脳裏で聞いた。
――― 意中の相手を傍に置き、浮かれすぎて足を踏み外すなど笑えない。 否。彼女には彼是許されている気持ちで居るけれど、本気だからこそ慎重になる。これほど数多の意味で大事にしている異性は、もしや初めてかもしれない。]
(173) momoten 2019/12/03(Tue) 00時半頃
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[それなのに。 それなのに、彼女はずっと紳士ではないと主張する男の鼻先で、タップダンスを踊ってくれる。>>147
彼女が鴨なら葱を持っているところだし、兎ならシチューのルーを持参しているところだ。しかし、彼女はもっと無防備なので、口から紡いだのは己の名。>>147 当たり前みたいに呼んで、独占されたがるから胸が詰まって苦しくなる。彼女に掻き混ぜられる鍋の気持ちが少しだけ分かる気がした。]
良くお似合いですよ。 特に……、少しいつものアクセサリーの系統と違う所が、僕には堪らないです。
[彼女のおでこを守る己の独占欲。 恋に患う苦しさを肺腑に溜めて、俯き気味にゆっくりと吐き出しながら―――]
(174) momoten 2019/12/03(Tue) 00時半頃
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[ぐぅぅうううぅぅ〜〜。
腹が鳴った。 キュッと照れ隠しに差し出された彼女の手を握り、うつむいたままゆっくりと瞼を下して沈黙を噛む。ゆるゆると上がり掛けてしまう口角は羞恥が故。]
……お店の貴女を想像したら、つい。 美味しい料理を作っている時も、接客している時も、傍にいられるんだなって思ったら、よく躾けの行き届いた腹の虫がですね。…ねぇ?
[彼女の手を数度握り直して重ねる弁明。 だが、不意に閃く紳士的ではない豆電球。>>30]
(175) momoten 2019/12/03(Tue) 00時半頃
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[指を絡めて、結んで引っ張る。 数歩先を行く癖が出るのは、彼女に許されたいことがある時。]
……例えば。 僕が食べたいものが、貴女の手料理だった時なら。 貴女は僕の為に、作ってくるのでしょうか?
[流石に自覚を持って狡い聞き方をする。 うさぎの穴に行けば得られるものを、この場で問う意味。
刹那だけ止めていた呼気を吐き、薄い笑みを作った。 彼女を和ませる為だが、一緒にフェアを気取って本音も告げておく。]
因みに貴女が怖がることはしませんが ―――、 困ることも、困らないことも、それなりすると思います。
……したいと思っています。
[視線を前に向けたまま。 何食わぬ顔で口説いてみるが、繋いだ掌は内心を投影するようにこんがり焼けていた。]*
(176) momoten 2019/12/03(Tue) 00時半頃
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半分願望ですから拗ねないでください。
[匙を食む唇が三日月を描く。 赤と言うより橙に近い優しい色のトマトスープは咽喉をつるりと落ちていく。味蕾を撫でて、食道へ滑り込む間に香草の余韻を残していく。単一の香草でないことは分かるけれど、この旨味がどんな配合によって生み出されている調和なのか分からない。 故に彼女の言外を感じさせる声色も、プロの向上心如く聞こえて、小さく笑った。>>169]
美味しいですよ、とっても。
[彼女の腕は勿論だが、貴女と食べると尚のこと。とは撓んだ瞳だけが雄弁に語る。共有したがりな男が、パンを盛った小さなバスケットをお互いの真ん中に置いて。]
(186) momoten 2019/12/03(Tue) 22時半頃
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乙坂さんは教えるのも得意そうですよね。 ――― 僕、クルミやチーズが入った奴も好きです。
[躊躇わずにベーカリー乙坂を称賛し。 同意の首肯を重ねるとコルネに詰めたベジヌードルにフレンチドレッシングを垂らして、黒胡椒を挽く。まだ温かいくらいのこんがり香ばしい小麦の螺旋に、白い化粧を施した緑黄色野菜。不味い訳がない。]
こちらも美味しそうに出来ました。 中身は野菜ですが、一見焼きそばパンの風格がありますよ。
[出来栄えを見せびらかしつつ、バタールをどうぞどうぞ。と配膳しただけの男が差配する。>>171 パンだけでなく、美味しい喜びもシェア出来ればこの上ない。
穏やかな会話にたくさんの御馳走。 胸に拡がる幸を噛みしめるように、無防備な心でベジヌードルコロネにかぶりつき。]
(187) momoten 2019/12/03(Tue) 22時半頃
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…………、
[美味を脳髄が訴えるのと同時に、心臓が不穏に揺れた。 聞こえてきたのは彼女の素直で飾らぬ本音。>>172
当然、己も友人らの仲に二心はない。 だが、咀嚼するたび、美味とは別の感覚が胃袋を押す。 凝と見つめる彼女の横顔。 緩慢に瑞々しいサンドを嚥下し、主張の激しい咽喉仏が上下する。]
戸崎さんはこっち。
[ツ、と伸びた指が彼女の細い顎をすくいあげた。 己が示唆した癖に顎を取り上げ、視線をカップルから強奪。代わりに差し出すのはコルネサンド。
あーん、と音もなく促すのはクレープの再来。 或いは―――、]
(188) momoten 2019/12/03(Tue) 22時半頃
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貴女は“僕の”特別ですからね。
[大見得切った癖。 存外真顔でぽろりと出てくる悋気一片。]*
(189) momoten 2019/12/03(Tue) 22時半頃
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[正直な我が身は心だけでなく体まで。 彼女にノックされれば、条件反射よろしく腹が鳴る。 屈託なく笑ってくれたのがせめてもの救いだ。>>178
デート中の己はすっかり、うさぎ穴で美食を得る時のように、或いはもっと無防備に、自らを曝け出していた。理知が遠くて胸の高鳴りが近い。 彼女の声に背後を撫でられるだけで、眼の縁に熱が溜まる。]
―――― オムライスが食べたいです。
卵のやわさとか、味付けとか。 鶏肉派かベーコン派かとか、色々あるんですが。 戸崎さんが、お家で食べるようなオムライスが食べたいです。
[彼女は逃げたりしないのに、繋いだ手を強く握り込むのは緊張感が故。彼女に意図が伝わっているか、己を意識してくれているか。―― 己が抱える特別な気持ちに、彼女が怖がったりしないか。]
(190) momoten 2019/12/03(Tue) 23時半頃
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えっ
[だが返ってきたのは意外な意趣返し。>>180 てっきり照れるか強張るかとの予想は大外れ。 己の想像の上を行く狡猾さに、じわと胸に熱が拡がった。]
えぇっとぉ……、 そう直截に聞かれると僕の方が照れるんですが。 [照れる反面幸福感に殴られて、口角が疼くように波打った。 秘されたり遠慮されるよりも、問うてくれた方がずっと嬉しい。彼女は己の嬉しいこと―――、誠実ばかりを選んでくる。]
(191) momoten 2019/12/03(Tue) 23時半頃
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……抱きしめたいな、って思っています。
[正直な本音は熱に任せて吐き出した。 眼の縁だけでなく首までその熱が飛び火する。 不埒と呼ぶには拙いが、その分真剣だ。
ちら、と肩越しに振り返る視線はほんの少し面映ゆげ。]
(192) momoten 2019/12/03(Tue) 23時半頃
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本気で困らせるのは困るのに、 困ってくれるといいなぁとも思っちゃうんですよね。 ……こんなに構って欲しい気持ちの恋愛は、初めてです。
[彼女の魅力は不思議な魔力。 観念し歩調を緩めて隣に並び、清算してから店を出よう。
清算時、彼女にこのまま付けていて貰いたいです。と店員に告げた台詞は、自分の発言ながら初々し過ぎて恥じ入ってしまったが。
ともあれ、己の願いを叶えて貰えるなら夕方のスーパーと言う激戦区に参戦予定。 本拠地とすべき家は、彼女の家か己の自宅か。
ちなみに後者であれば―――、うさぎ穴のお隣まで戻る必要がある。]**
(193) momoten 2019/12/03(Tue) 23時半頃
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それは初耳です。 バターライスとは違う…? ピラフって何味でしたっけ。
[オムライスと言えばチキンライスで育った男は驚きに眼を瞠り、次いで興味と食欲が羞恥心を押しのけた。 バターライス味も分かる、炒飯味も意外と身近だ。だがピラフと言うとピンと来ない、興味津々で自然と耳を傾け。空の片手が己の腹部を擦る。知りたい食べたい戸崎家の味、彼女の味。]
変わり種のオムライスと言えば、五目御飯を卵で包んで、シチューをかけたものなら食べたことあります。此処から一番近い地裁の食堂メニューだったんですがね。素朴な味がしました。 そんな感じなのでしょうか?
[記憶の引出しを開き、取り留めのない会話に花を咲かす。 平静を装いながらも、繋いだ掌だけがずっと熱かった。]
(210) momoten 2019/12/04(Wed) 21時頃
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[彼女に許される続ける男は、少しずつこの贅沢に慣れていく。 例えば、スーパーに入店するときも手を繋いだままだったし、買い物かごを持たせて貰ったし、ソーセージはちょっとお高くてパキッとした歯応えのものを強請った。]
……僕は謙虚なので、これまで彼氏になりたいと思うまでで済んでいたんですが。 こう ―――、シュミレーションめいたことをすると、より高みを望んでしまいますね。
[もごもごと独り言と雑談の中間くらいの声量で紡いだり。 意識したり、掌を手繰り寄せたり。 ――― もう、抱きしめたくなってしまったり。]
(213) momoten 2019/12/04(Wed) 21時頃
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[が、]
………、……。 …………………いえ、僕としては全然異論ありませんが。
ありませんが、戸崎さん。 僕、今日、襟付きですらないです…!
[荷物持ちを買って出た帰り道。 うきうきとスキップしそうな陽気だったのは、見知らぬ路地に出るまで。彼女が案内する先に気付いた途端、自らの服装を見下ろした。
いつもスーツだが今日は休日故に油断気味。 だが、彼女の家族が家に居るなら話は変わる。 ちなみに彼女に家族と同居であるかなどと聞いたことはない。 聞いたことはないが ―――、 スーパーでみた夢と願望に、早速振り回されていた。]*
(215) momoten 2019/12/04(Wed) 21時頃
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僕がお洒落を理解するほど造詣が深くない、 ―――― と言う路線は如何でしょうか?
[少し沈黙し、トマトスープを匙で掬って一口。 閃いたのはお洒落になりたい彼女に新提案。]
僕にはパセリが入ってないのは分かるんですが、具体的になんの香草が入っているかは分からないんですよね。 ……それが僕にも分かるようになれば、横文字が沢山でお洒落だなって感じるようになると思います。
[確かに主役のトマトの酸味を際立たせる誰かがいる。 だが、助演俳優の名前がひとりも出てこない。>>169
食事に舌鼓を打つだけなら舌と胃袋さえあればいいが、“美味しい”を滞りなく伝えるためには知識が欲しいと思った。特に、ずっと作ってほしいと思うから、彼女に十全の称賛を伝えたい。]
(219) momoten 2019/12/04(Wed) 22時頃
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以前から思っていたんですが、戸崎さんも歯応えソムリエの気がありますよね。コキコキとかカリカリとか、ドライフルーツ系のねっとりとした歯ごたえも好きです。
[まだまだ知りたい彼女の好きなもの。 教えたい己の好きなもの。
そうして今度共有する歯応えはザクザクシャキシャキ。 細い野菜を纏めて噛み切る感触は癖になる。 ヌードルの合間にドレッシングが流れ込み、何処を食べてもフレンチソースが染みているのも良い。]
(220) momoten 2019/12/04(Wed) 22時頃
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[シャクシャクザクサク。 吟味するように瞼を閉じれば隣から図星を投げられた。>>206 ぐぅの音も出ない代わりに半眼を注ぎ。]
笑いどころなんですが。 ……貴女にはいつでも一番に構われたい、です。
[幼い嫉妬を自覚しつつも、自己主張は忘れない。 腹を立てるような波ではないが、それでも彼女への独占欲は初デートの頃から比べても隠せないほど肥大化している。]
(221) momoten 2019/12/04(Wed) 22時頃
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ああ……、戸崎さんは絶対態とだし、 乙坂さんもなんて優しい顔するんですか。
僕のラザニアもお願いしますっ!
[さめざめと嘆く振りで顔を覆い、後半にちゃっかりとオーダーを混ぜる。自分でサーブするのも確かにマナーだが、大皿のラザニアは少し盛り付けに技量が居る。ラザニアのプロが居るなら頼みこんでしまうのは道理のうち。>>208]
まぁ、反面、安心感もあるんですよね。 [お皿とグラスを持って、戸崎の後についてゆく。 この短距離なら迷わない。]
桐野江さんの想いが叶って良かったな。って。 ずっと慕っていたでしょう。
[お邪魔しますと席に着き。 よく気が付く彼女の指摘には、満面の笑みを浮かべた。>>218]*
(222) momoten 2019/12/04(Wed) 22時頃
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[戸崎家流のオムライスは己にとっての新感覚。 ピラフの説明を聞いて脳内で予想を組むも、空腹感が増して一度打ち切り。彼女の飯テロは全て被弾してしまうが、此処は耐えねばまた腹が鳴る。]
味見は任せてください。
[勿論、彼女のチャレンジ精神も支えたい彼氏面。>>223 ――― そうして経る買い出し。 新たな展望と目標を設定した心算でいるが、遥か高みに見えても、いつも彼女側から降りてきてくれる。 飯テロでない被弾には、腹ではなく胸が何度も鳴った。>>224]
(234) momoten 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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それなら良かっ……、いえ、 フォローになってません、よ…!
[挨拶は延期と胸を撫で降ろしたのも束の間。 弁解の言葉にまた胸が爆ぜて、自身の胸倉を捕まえた。 家族が居るから安心して呼べる、のではなく。 彼女は二人きりだから呼んだのだ。>>225
もう何処までが彼女の術中なのか、一緒に縺れて転がっているのか分からない。温厚無害な顔をしているのに、振り回すとなればまるで嵐の中にいるようだ。
しかし、それが何一つ嫌ではない。 寧ろ、更に深みに嵌っていく。
自身も変わり者だと自覚があるが、彼女ほど稀有な存在も知らない。 彼女に向ける想いが唯一性に研磨されていく。]
(235) momoten 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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[仕事柄、他人の家に上がるのは慣れているが、彼女の場合は別だ。 緊張感と一緒に上がり込み、女性のひとり暮らしらしい丁寧な生活感を目の当たりにする。
その中でも一等賑やかなのはやはりキッチンで。 荷運びを理由に顔を出せば、名前も用途も知らない調味料と調理器具が並んでいた。思わず目を瞠って感動を瞳の輝きに変える。]
………これが戸崎さんの御台所。
ああ、じろじろ見てしまってすみません。 僕の家とは大分雰囲気が違うから。
[感嘆を吐いて、歩を進めるのはソファでなく彼女の傍ら。 普段はカウンターに阻まれ、近づけない距離感。]
(236) momoten 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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傍で見ていても良いですか。 料理と、手際と、――― 貴女を。
[彼女の真後ろを陣取りたがる長身。 体温が掠める近さ。
二人きりに許される特別に、早速甘えて。]*
(237) momoten 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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― わいわいテーブル ―
どんな素材で、如何使うのかは知りたいと思います。 美味しいにも色々種類がありますからね、 言葉を尽くしてお伝えしたいです。
自然と出てくるものでもありますが、伝えたくて零れる時もありますから。
[ローリエを入れるとスープが滋味深くなるだとか、鋭く突き刺さる爽やかさの名前はローズマリーだとか。彼女にも美味い料理にも真摯でありたい。 彼女の洒落っ気と目的が重なるなら一石二鳥。>>228]
貴女が僕を贅沢太郎にするから。
[けれど、ヤキモチ妬きの称号を得れば、責任転嫁。 冗句めかした口調だが、甘やかされ続けているのは本当。>>229]
(250) momoten 2019/12/05(Thu) 00時頃
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僕も桐野江さんも一途なんですがねぇ。えぇ。 ……おや。
[同い年の友人に同意を求めるように視線を投げれば、何故か帰ってきたのは狼狽の声。>>227 カウンターの向こう側は察しきれないところもあるが、こちら側ならまだ。しかも、彼女は親しい友と認識する相手。]
あんなに見惚れていらしたのに、秘密でしたか? 僕は貴女を応援していたんですよ。
[含み笑いで口元に立てる指一本。]
(251) momoten 2019/12/05(Thu) 00時頃
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わぁ。ラザニアに、ポトフまで。 ありがとうございます、乙坂さん。
こうして供されるとセット感もあって喜びが倍ですね。
[湯気の立つラザニアは優しい赤色橙。>>231 ラザニアと聞いて挽肉を想像したが、本日は特別。御馳走の日。 トマトを染みさせた牛は食べ応えのある肉感。 己の中の少年心が肉のパレードに沸く。]
ラザニアの更に一段階高次な存在が…。 これがアニバーサリー・乙坂さんZ…。
[感動と一緒にフォークを立てれば、ほろりと切り分けられた。溶け出すベシャメルソースが美食のマーブル模様を描いている。]
(252) momoten 2019/12/05(Thu) 00時頃
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[はぐ。と口に運べば旨味とコクが最初に抜けて、少しの酸味と一緒にラザニアのもちもち感が追い掛けていく。複雑な工程を己の舌でもさっするくらい手が込んでいるのに、食材の全てが混然一体となっている。 噛みしめる度に牛が口内に美味を撒いて駆けていく。 口の中に牧歌的な牧場が拡がり、瞳は細く。]
美味しい……、 [充足の溜息を洩らし、ハッと気づくライスの存在。 理解者である乙坂に目配せし、頷き。拝む。]*
(253) momoten 2019/12/05(Thu) 00時半頃
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桐野江さんはひたむきですから。
僕は桐野江さんをたんぽぽのようだと思っていたんです。 ……乙坂さんの方を見ている時、黄色く咲いていたので。
[小さく凛々しい花に例えた理由はそればかりではないけれど、察したきっかけは言葉通り、単純明快。>>256
ホームズぶって告げてみるも、続く言葉にはだらしなく眦をさげた。二人一組で括られる甘さは思慕に蕩けた身に芯まで染みる。
照れ笑いと得意げな吐息。 空気を一杯吸い込みながら頬張ったラザニアの一口は、幸せなくらい大きかった。]
(279) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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[しかし、そんな面映ゆさも当事者から聞けば話が違う。 照れくささの中に喜びが多分に混じり、唇が波を打つ。>>268>>269 眼球まで熱くさせてくれるのは、彼女だけだ。 腹は着実に満ちていくはずなのに、胸にぎゅうぎゅうと収まりきらぬ想いが詰め込まれていく。]
彼氏…、良い響きですねぇ。 [ついうっとりと目を細めてしまうのは、兄役の公認のお蔭か>>247 彼女の雄弁な相槌の所為か。>>271 大上段との自覚はあったが、咳払いをすると襟を整え、膝を揃えて椅子に座り直す。 顎を引上げ、視線を合わせるのは、彼女を大切に想ううさぎ仲間。>>248]
(280) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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僕は彼女を愛しています。 彼女と幸せになれるなら誠心誠意、努力する心算です。
[匙を一度置いて、丁寧に頭を下げた。 なにせ己が恋をするのはうさぎの穴の看板娘だ。可愛がられていないはずがない。だから茶化さず、誤魔化さず、己の想いを吐露して誓いを立てた。
同時に、彼女が大切にされていることも嬉しくて。]
ですが、もしも僕が至らず泣かせてしまったら、 これからも彼女が駆けこめる場所でいてください。
僕が必ず迎えに参りますから。
[晴れやかに顔を上げると、卓の下でそっと彼女の手背を撫でた。 晴れの日ばかりでもなくても、嵐に荒らされる日でも、手を繋いで帰りたいと、伝えるように。]
(281) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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[胸がいっぱいになって感嘆を吐く。 うさぎの特別な日だと言うのに、己の特別な日にもなりそうなくらいの感慨がある。]
口の中と言うか、胸の中と言うか。 既に大分甘いんですが、デザートは欲しいです。
[蕩けそうな顔に力を込めると、タイミングよくパティシエが顔を出した。>>266 彼からは既にクリスマスの香りがする。 色とりどりのマカロンが視界に入った途端、目の中にいくつもの星が流れ。思わず戸崎の手を握り、興奮を伝えよう。]
(282) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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お待ちしておりました。 本当に作ってくださったんですね。
[マカロンにモンブラン、りんごのタルトもある。 パティシエが織り成すお菓子の国、観光地はあちこちに。
頬を紅潮させて破顔した。]
いただきます!
[本日二度目の言葉だが、きっと三度目も四度目もある。 幸福に至る呪文のように唇が美味しい弧を描く。]*
(283) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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― おまけ・男たちのないしょ話>>261 ―
独占したい、でも大事にしたい。 よぉく分かりますよ。
[一息に啜るデミタスカップ。 エスプレッソをブレンドのように飲みながら首肯がしきり。]
でも、murmur coneyのみなさんは仲が良いから、時々嫉妬もしちゃうんです。
――― 勿論。乙坂さんたちにご迷惑を掛けるのは本意ではないのですがね。けれど、時々考えてしまうんです……、
[チラ、とカウンターにも視線をやれば、宇都木にも思わせぶりな流し眼。何かを決意するように俯き。]
(284) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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……師匠、 僕にこっそり、卵の片手割りを教えてください。
[片手を口元に宛がい、聞こえる声量のひそひそ話。 その顔は―――、笑えるくらい真剣だった。]**
(285) momoten 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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[見知らぬキッチンには興味があって、彼女には好意があった。好きなものばかりが詰まったような空間は蠱惑的で、心臓が早鐘を打ち、脚は石になる。]
ゆっくりで良いですよ。 お腹はペコペコですが、胸の辺りはいっぱいですから。
[石になってしまった足を動かさず、身長差を利用して肩口から覗きこむ。視界の端に映る彼女の後頭部は触れてみたくなるくらい、なだらかに丸い。]
(292) momoten 2019/12/05(Thu) 23時半頃
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ご飯って冷蔵出来るんですか。 僕、今まで無限保温してました。
[あちらへこちらへ。 30pも空けずに彼女をぴったりストーキング。 ――― 確かに物が多いが動線は長身の己が付いて回っても余裕があるくらいには確保されていて、プロの料理人であることを思い知らされる。 同時に、そんな彼女が所々使う時短テクニックに家庭的な感動を覚えたりして。]
………、
[踊るフライパンも、味付けの手際も、店で何度も見た筈なのに、やたらと胸が締め付けられた。
二人分だけ、お腹が減ったから、冷やごはんで作るお家オムライス。 理性を鼓舞するように自らの腰で結んでいた両手は、いつの間にか解けていた。]
(293) momoten 2019/12/05(Thu) 23時半頃
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[温かい匂いがして、優しい音が聞こえる。 知れば知るほど深みに嵌る底なしの恋が目先にあった。 鼻の奥が痛くなるような喜びが、小さなキッチンで作られていく。]
はい、お見事でした。 ……あの、
[瞬きを忘れて見入っていた所為で瞳が渇いていた。 思わず喰い気味に身を乗り出して迫り、開いた腕が彼女の横で上下、左右。挙動不審な間を挟み。 心を決めたのは、チ、とコンロの火が消えると同時。]
(294) momoten 2019/12/05(Thu) 23時半頃
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抱きしめて良いですか。 エリカさん、僕は貴女が好きです。
[彼氏になりたいだとか、意識してほしいだとか。 そんな幼い願望を飛び越えて、オムライスが完成する間に愛になった。少し緊張した様子で、一度彼女の肩を撫で。 冷めない間、ほんの少し、一秒だけなんて繰り返しつつ、腹でも胸でもなく、腕の中を彼女でいっぱいにしたかった。 卵とバターの香りが芳しい、いとおしいひとで。]*
(295) momoten 2019/12/05(Thu) 23時半頃
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泣かせたりしませんが、 泣いても良いってことですよ。
[真摯な告白を彼女の胸に詰め込んでご満悦。>>290 お蔭で、アルコールの海へ出港する冒険家にもふたつ返事で頷いた。ほろ酔い気分になったとしても、己が傍にいれば問題ない。 そもそも酔った女性をどうこうするような不埒な輩はうさぎ穴と縁遠い気がするが。
ともあれ。完全に油断していた。 楽しいお酒になれば幸いで、気構えが解ければさらに良い。 ――― と、思っていたのだが。
が。>>301]
(304) momoten 2019/12/06(Fri) 00時頃
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[眼鏡のブリッジを抑えながら天井を仰ぐ。 おもむろに足を組み替え、瞳に宿る闘志。]
宇都木さん。
………いえ、 今日からモンブラン師匠と呼ばせてください。
[勢いよく集中線を引いたような堂々の弟子入り宣言。 方向音痴は脚だけでなく、頭まで。
厄介男は決して逃がさぬように、ヒシッとしっかり藤色うさぎの手をとっていた。]*
(305) momoten 2019/12/06(Fri) 00時頃
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[甘いカクテルとモンブランにめろめろな姿へジト目。 しかし、彼女のモンブラン愛は深く、己のマカロン愛も深い。
ベリーのパリグシャ感は、正月を前に量産体制布かれた焼き餅セットを癒してくれる。具体的に言えば角餅パックを丸餅パックくらいにしてくれる。
―――…正直なところ。 己の知らなかった嫉妬に振り回されるのも悪くない。 モンブランを作れるようになるのも人生のプラスだ。 作りたい人は、この先ずっと傍に居たい人と同じひと。
マカロンを歯列で潰し、自身を納得させれば、椅子を軽く彼女に寄せる。狭量な男とは思われたくないが、自己主張は忘れてはならない。]
……あーん。
[強請る一口の美学。 愛を連呼する彼女に、構ってって駄々を捏ねるみたいに。]*
(310) momoten 2019/12/06(Fri) 00時半頃
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貴女は僕を妬かせるのが上手いのに、 それ以上に安心ばかりさせて甘やかす。
[彼女の寛容がくすぐったい。>>306 湯気たつオムライスと並べられるなんて、もしや己は三国一大事にされているのかもしれない。]
ひとつじゃなくて、幾らでも。 僕の我儘なんて全部聞いてくれているのに。
[額を彼女の肩に押し付け、胸に溜まった愛が降りていく。 もっと、ずっとこうして居たい。 いつも、いつでも、いつまでも。
その望みが叶うなら、なんだって我慢出来る気が―――]
(311) momoten 2019/12/06(Fri) 01時頃
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[ぐぅううぅぅぅうう、きゅるるるるる……。]
(312) momoten 2019/12/06(Fri) 01時頃
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……だって、この位置、良い香りが直撃でして。 [世界で一番彼女に真摯でありたいが、身体はそれ以上に素直だった。
まぁ、仕方ない。 熱々オムライスを冷ますなど溺れる者を見捨てるよりも罪深いのだ。 気を取り直すように軽く頭を振り、オムライスの片方(たっぷりサイズ)を貰い受けると運びゆこう。]
(313) momoten 2019/12/06(Fri) 01時頃
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作りながら育みましたので、食べながらも育みましょう。 ―――…愛と、愛と、愛を。
[ね。と同意を求めてウィンク。 きっといただきますの後も、御馳走様の後も。
* 同じ味《しあわせ》が続く筈。 * ]
(314) momoten 2019/12/06(Fri) 01時頃
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