182 【身内】白粉花の村
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[痛みに気を緩めたかのように僅かに緩んだ手の間>>63から、ひゅ、と喉を鳴らして息を吸った。 すぐに戻った力に、再び喉を詰まらせて低く唸ることになったけれど。
圧迫される呼吸に、自然と気を取られる。気遣いも躊躇いもなく吐き出した言葉に歪んだ顔>>64を、目を細めてただ眺めた。]
……っ、何か、言えよ、
[何かを言おうとして閉じられた口を見てとって、薄まった酸素を使いながらそれを咎める。 痛みに歪む相手の顔には気付いていながら、先に比べれば随分と弱い力で、乱れたシャツの襟を掴んで押し付けた。]
――…は…!、く、…っ、
[言葉の代わりとばかりに、今度こそ容赦なく締め上げられる手に、残った僅かな酸素を押し出すように呻いて。]
…僕、を。――殺すのか、
[弟がどこまで本気なのか、自分には結局、 その思考もろくに理解できなかったなどと自嘲しながら。 殺すだの殺さないだの、そんなやり取りを思い出しながら、余りに早かったと思う。]
(1) 2014/07/03(Thu) 10時半頃
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[建前も体裁も何もなしに感情を吐き出した喉は、もう動かすつもりはなかった。全て吐露したことに倦怠感すら覚える。 みすみす殺されてやるつもりもなかったけれど、それでも。]
(…ああ、そうだ。 こいつも、――もうすぐ死ぬんだから)
[余命数ヶ月、と。何度も読み返したカルテの文面が浮かべば、自然と表情は綻んだ。 ――それならば。 何よりも心の支えにしていた弟が死ぬよりも、先に死ねるのならば。 それはそれで、僥倖なのではないか。 酸素の回らない頭で、そんな事を思って薄く笑う。]
………、ふ、
[意識の向かなくなった足は緩んで、そのまま相手の方へとよろめく。 無理やり振り払われでもしなければ、シンクへ押し付けた身体に覆い被さるように凭れる形になるだろう。振り払われたのならば、それはそれで楽になる。
憐れな癖に威勢だけは良い、何も思うようにいかない生意気なガキだと思い続けてきたけれど。 爪を立てていた手を緩めて、まだ子供のあどけなさを残した青白い頬へと、手を伸ばした。]
(2) 2014/07/03(Thu) 10時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/07/03(Thu) 11時頃
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[怠惰じみて与えられる緩やかな死の感覚>>4は、妙に現実味が薄い。 本当にこれで死ねるのだろうかなんて、そんな疑問さえ生まれる。それを望んでいるのかいないのか、自分でも確証なんて持てないのだけれど。]
(…いいって、言った)
[無感情めいて吐き出された言葉>>5には、内心で返事を返した。痛みを通り越して感覚を失いつつある喉をこれ以上動かすのは、あまりに億劫で。 負の感情は成りを潜めて、何やら複雑な表情を浮かべた弟の顔が、明滅する視界に映る。
最後に向けられるのが憎悪ではないことには、―どこか安心した。 可哀想な弟を差し置いて誰よりも愛されて、それでもまだ、無いものねだりを繰り返す子供じみた自分を、身勝手な自分を。 ――おまえは憎んでいるんじゃなかったか、と。 自然と浮かんだ疑問に反して、緩んだ表情は動かないまま。]
……っぁ、ぐ、
[ぐ、と強く押し込まれた指の感触は、それに従って揺らいだ自分の身体と漏れ出た声によって、他人事のように知覚する。 その感覚も、あまり長くは続かなかったけれど。]
(7) 2014/07/03(Thu) 17時頃
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[力の入らない身体は、自分のものとは思えない。弟の鈍い悲鳴を聞きながら、けれどそれをどうにかしてやる術はない。]
…っは、く、…ッ、
[なんとか倒れ込まずに済んだ弟の様子に意識を向けるより先に、自由になった喉から急速に流れ込む酸素に、ただ噎せ返った。 無意識の生存欲で必死に呼吸を繰り返しながら、脳に酸素が行き渡る感覚に、自分より小柄な肩口で荒く呼吸を繰り返す。
――なんて無様だと、そう思った。]
…殺せ、ば。 ………良かったのに。
[痛む喉を無理やりこじ開けて絞り出した言葉に既視感を覚える。 ずっと理解り合えないと思っていた相手と、こんなところで思考の共有めいたことが起きるのが、あまりに異常で可笑しい。
痺れた指先に触れる頬の感覚は、ひどく非現実じみていた。 自分に負けず劣らず間の抜けた表情をする弟に、思わず苦笑しようとして。]
(8) 2014/07/03(Thu) 17時頃
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いや、…悪い、僕のせいだ。 なんなら、もう一度、…―――ッ、
[先の弟の模倣のような呵責の言葉は、自分の情けない行動を思い返せば理不尽だと、荒い呼吸の中ですぐに撤回する。
――殺してやることも、殺されてやることもできないなんて。 倒錯めいた思考の中、それが余りに情けない。薄らと浮かんだ生理的な涙が押し上げられるのを感じて、思わず目を伏せる。
相変わらず手よりも先に動こうとする唇は、けれどそれ以上動かずに、そのまままた、すぐに咳き込んだ。]
(9) 2014/07/03(Thu) 17時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/07/03(Thu) 17時頃
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[落ち着く気配のない呼吸を無理やり押さえつけて収めようとしながら、寄せた耳が疑問の声>>10を拾う。 そこに滲む感情は、余り聞いたことのない類のもので。何を考えているかなんて、察してやることはできない。 そしてそれは、きっと弟も同じなのだろうと。子供の割に妙に冷えた体温を感じながら思った。]
は…、……殺そうと、 …してたんじゃないのか。
[それともただ、いつものように痛めつけたいだけだったか、と。 煩い呼吸の間を縫って口にした言葉は、霞んだ思考の中に、はっきりと落ちていく。
――そうだとしたら、おまえにしては上出来だ。 こんなに心を掻き乱されるのは久しくて、酸素を巡らせようと早鐘を打つ心臓の上を、ぎゅっと抑えて握り込む。]
満足、…したなら。それでいい。 ……もう、それでいいだろ、
[これ以上会話を続けていたら、今度こそ戻れなくなってしまうと。亀裂の入りかけていた自尊心が、もう傷付けられないようにと。 思考はそればかりでいっぱいになって、震える手に力を入れて、身を引く為に目の前の身体を押す。 けれどその腕が伸び切るより前、背に回った弟の腕に、伏せていた瞳を開いた。]
(14) 2014/07/03(Thu) 20時頃
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[白衣を握りこまれるのをシャツ越しに感じて、離れかけた身体を留める。 思わず見下ろしたその顔の、無機質な蛍光灯を反射させる瞳が濡れていることに、そこで初めて気付いた。
こうして、ただ純粋に弟に縋られるのは、一体いつぶりだっただろうか。 重なって見えるのは、誰にも手を伸ばすことなく、独りで立つ幼い弟の姿で。 それを知りながら見て見ぬふりをしていたいつかの自分が、滲む思考を支配するように浮かび上がる。]
(…子供をあやすのは、苦手なんだ)
[伸ばされかけた腕を振り払って、そうしてから掴み上げて、無理やりに引き上げたのは、他でもない自分だったけれど。 背に回る腕を同じように拒絶することは、今の自分にはできなかった。]
………どうして、ほしいんだよ、おまえは。
[懇願するような色を含んで、震える声を絞り出す。 目に映るのが、今の弟なのか、いつかの幼い子供なのか、それすらも区別がつかないまま。 一歩踏み出すと、成長の遅いその手を取って、再び自らの首へ導いた。
――おまえの望むことなら、なんだって叶えてやりたい、と。 湿った呼気とともに至近距離で落とした先の復唱が、弟に届くかは理解らないけれど。]
(15) 2014/07/03(Thu) 20時半頃
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[耳に届いた弱々しい肯定>>19は、現状にはそぐわない。けれどそこへ至る過程は、自分も辿ったばかりだから、納得することはできた。 弟が自分と同じ思考を辿ったとは、にわかには考え難かったけれど。
やけに平坦な声音で落とされた言葉はすぐには理解できずに、幾度か目を瞬かせる。]
……あ、
[その拍子に淵から一滴、雫が零れて、慌てて手を上げて拭った。 生理的なものが殆どではあったけれど、僅かに混じる別の要因と、何より弟の前で涙を零すなんて情けない事実が、あまりにも居た堪れずに。 どうかその瞳が他を捉えていればいいと、苦い気持ちで願いながら、先の言葉を咀嚼する。]
僕が、…おまえを? 置いていくって?
[思わず返した言葉は、あまりに白々しい。 躊躇われた腕を知りながら背を向けた、そんな酷い兄だった自覚はある。 自ら導いて首筋に当てられた手に、反射的に身を引きかけるけれど、ただ確かめるだけのようなその動作には眉を寄せて。]
(21) 2014/07/04(Fri) 00時頃
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置いていくのは、…おまえのくせに。
[目を伏せて視線を外しながら、小さく呟いた。 ずっと心の支えにしていた目の前の"可哀想な"弟は、それゆえに自分の手には負えずに、先に行ってしまうのだと。 目を逸らし続けてきたその事実を、意図せず責めるように。
子供じみた弟が素直にさえなれば、もっと円滑にいくとばかり思い込んでいたこの関係は、いざそうなってみれば上手くいかない。 ――子供なのはどちらだ、と。 悟られたくも、自覚したくもないのに。]
……、…どうすれば、いいんだよ。
[遠いいつかに拒否した手を受け入れるように、縋り付いてくる子供に、縋るように。歪む唇を震わせながら、弟の行動を模倣するように手を伸ばす。
――愛し方なんて、受け入れ方なんて、ろくに知るはずがない。 ずっと目を背けて、切り捨ててきたのだから。
そうしてその細い背を掻き抱くことを弟が許してくれるかさえ、とうてい想像なんてできなかったのだけれど。]
(22) 2014/07/04(Fri) 00時頃
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[目は逸らしたまま、ゆっくりと引いていく手>>27を横目で見送りながら。 怪訝そうにかけられた疑問に、かっと目元を染めた。]
な、…いてない。 ……おまえだって、
[今にも泣きそうな顔をしていたじゃないか、と。そう指摘するのは自分の恥まで認めるようで癪だけれど、反射的に言い返す。 不可抗力で熱を持つ顔を、無理やり袖口で押さえながら、けれど目を合わせることはせずに。 これはただの生理的なものだと、口の中で呟いた。 ――溜まりに溜まった感傷やら衝動やら、そんな全てを飲み込んで溢れた雫は、さっさと白衣へ染みて消えてしまえば良い。
伸ばした腕が拒絶されなかったことには、自ら仕掛けた上で驚愕したのだけれど。 こうしてただ素直に触れるのは、それこそ一体いつぶりなのだろうと、そんな事を思いながら。むずかる子供のように、自分に似て柔らかい髪に、ゆるりと顔を寄せる。]
(30) 2014/07/04(Fri) 03時半頃
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[ぽつりと落とした自分の懸念に、気のせいだ、などと言われたところで。>>28 この子供が――あと数ヶ月も経たないうちに、自分を置いてってしまうと。 自分は誰よりも、知っているはずなのだから。
なかば恨むような心地のまま、腕を掴んできた手には、思わずと身体が震えた。拒絶される前にと、手早く先の答えを紡ぐ。]
……置いていける訳がないだろ。 おまえが居なきゃ、…駄目なんだ。僕は。
[言葉だけを取れば、とうてい弟に掛けるものではない。それでもどうせ理解しているだろうと、こじ開けられた本心を隠しもせずに、言葉に乗せた。 かといってどうすれば良いかなんて、濁された返答から汲み取れはしなかったのだけれど。]
………、
[弟が常のように拒絶したならば、そのまま退がって距離を置く。 もしもめぼしい抵抗がなかったとしたら、回した腕を強く引いて、その肩口に再び顔を埋めるだろう。
どうしても今は、顔を合わせたくはなかった。 すっかり常の調子に戻ってしまった弟が、僅かに憎らしくて仕方がない。自分はまだ、ようやく呼吸が落ちついたばかりだというのに。]
(31) 2014/07/04(Fri) 03時半頃
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[可哀想だ、と>>35。 自分が先に掛けた言葉を返されて、ぐっと息を詰めた。引き寄せる腕に自然と力が入って、それが一体何の抱擁なのかも理解らなくなる。]
……………、理解っ、てる。
[――自分よりも下の相手につけ込んで、それで自尊心を満たして、そんな自分が惨めだってことくらい。 弟の前でだけは絶対に言ってやるまいと思っていたけれど。 言わないままのその本心を見抜くのも、結局は弟だけなのだ、と。 そう理解してしまえば、もう虚勢を張ることすら億劫で仕方がなかった。
自分を拒むことはせず、ただ掴む力を強めた手に、悟られないよう深く息を吐いて。 弟に向ける感情の、その全てが利己的なものではないとは、きっと伝わっていないだろうけれど。]
……、何、?
[そこで小さく聞こえた謝罪の声>>36に、ふと目を上げる。曖昧な響きのその言葉に、まだ少し熱っぽい瞼を瞬かせた。
弟からの謝罪なんて、ずいぶんと長い間、聞いた覚えがない。 何があろうと、たとえ弟自身に非があってそれを本人が自覚していようと、頑なに口にはされずにいたその言葉に。 謝られているのだと理解するまで、僅かに時間が必要だった。]
(39) 2014/07/04(Fri) 14時半頃
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何、を、…謝るんだよ。
[そうして、その貴重な謝罪の言葉は、いったい何に向けられたものなのか。 まるでやんわりと拒絶されたような気がして、顔の熱が引くのも待たずに、思わずゆるりと身を引く。弟の腕を振り払うまでには至らなかったけれど。 反射的に恨みがましい言葉を吐こうとして、それより前に、潤んだ双眸に目が向いた。]
……やっぱり、泣いてるんじゃないか。 なんで泣くんだよ、…おまえこそ。
[理解できないことがあまりに多すぎて、得体の知れない感情に荒れた気持ちは、中途半端に彷徨う。 謝罪の言葉とともに泣きそうな顔をされれば、あどけなさを残した顔は、常よりも更に子供じみて映った。]
[――また泣いているのか、と。 自然と浮かんだ思いは、ずいぶんと昔に置いてきた記憶だけれど、――今までろくに感じずにいた罪悪感を覚えて、表情を曇らせる。
散々暴れまわったおかげで乱れた低い頭に、わざとぞんざいに手を置いて。 幼少期の反復めいて、泣き止まない子供をあやすように目元に近付けた唇が、許されるのか。その衝動の理由が何なのか。 冷静ぶって、その実かき乱されたままの思考で判断するには、まだ至れない。]
(40) 2014/07/04(Fri) 14時半頃
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[身を引こうとした時に握る強さを増した手>>44に、にわかに目を開いた。 胸の内の汚いわだかまりを散々ぶちまけた後でも、拒絶されるどころか縋られていることが、未だに信じられずに。
――これじゃあ、形振り構わず逃げ出すこともできない。 自分でも絶対に許せないけれど――それでも今手を離されたら、そのまま身を引いて踵を返してしまいそうだった。 引き止める意思を持って回された腕に、救われたのか、責められているのか。
目元に触れた唇がじわりと濡れる感覚と、僅かに動く表情と。 反射めいて返された反論>>45の説得力なんて無いに等しくて、いっそもう、その言葉に触れてやることはしない。]
……僕だって、知るか。
[俯いて見えない唇から落ちた湿っぽい声に、咄嗟に言葉を返した。 先から繰り返した言葉の応酬は、ままならない今の状況には、無意味としか思えなかった。]
(46) 2014/07/04(Fri) 22時頃
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[顔の間に割り込んできた弟の腕に僅かに身を引きながら、自分の行為を拒むように当てられた袖を見る。 繋ぎ止めるような動きを見せるくせに、いざ近付けば押し返される。そのことが腹立たしくて、それよりも何よりも、今はただ、不安を煽った。]
…どっち、なんだよ。
[――ごめん、と。 何へのものかも理解らない先の謝罪は、結局は自分を拒むものだったのかと。 ここまで暴かれて、恥を晒して。腹の内だって、とっくに知られていて。 それでも身体に染み付いた未練は、執着は、未だしぶとく燻り続ける。]
……それなら、いっそ突き放せばいい。
[もしもそうされたのなら、酷く傷付けられた自尊心のままに、金輪際弟に近付くことなんてできなかったかもしれないのに。 弟はどうなのか、何より自分が、望んでいるのか、いないのか。 それさえ理解しないまま、目元を覆う腕を掴んで、緩く引いた。――無理やり引き剥がすほどの力は、とうてい込められなかったけれど。]
(47) 2014/07/04(Fri) 22時頃
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嫌なら嫌で、……良いのなら、良いで、 ……おまえが、そんなだから。
[――こうして離れられないままなのだ、と。 身勝手な理屈で、責めるように吐き出した言葉は、けれど震えて掠れた。 朱くなった目元を見ながら肩に手を当てて、引き寄せていた身体を、再び押しやって。]
――だから僕までもが、こんなところまで来たんだろ。
[泣きそうな声に反して、瞳はすっかり乾いていたけれど。 喉の奥からこみ上げる惨めな言葉を、無理やり堰き止めるように、一度噛み締めた唇を、弟の歪んだ口元へと寄せる。 先の口付けの延長と考えれば、児戯めいても取れるそれは、けれど今の自分達がするには、あまりに歪だろう。
受け入れられるとは、はなから思っていなかった。 例えば不意をついたのならば、その唇の端に噛み付くことくらいはできただろうけれど。
――それでももしかしたらその感触は、初めてのものではなかったかもしれない。 けして自分を受け入れることのない弟を、唯一の捌け口を、なんとか繋ぎ止めようと。 その為ならきっと、何だってできたから。]
(48) 2014/07/04(Fri) 22時頃
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[掴んだ袖>>49からじわりと滲む冷たさに、思わず眉を寄せる。 カーディガンとシャツとに阻まれて、その最下層にあるはずの体温は伝わってはこない。おまえの中身は冷え切ってでもいるのかと、あり得ないはずの思考は否定しきれずに。 自ら引くような動きに合わせて、不快にすら思える冷たさの上から、その腕を握り込んだ。]
………あ、
[自分が悪いのか>>50、と。 諦めたようなか細い声に、思わず言葉を詰めた。必死で責任を押し付けようと動いていた口は、そのまま緩く結ばれる。 動かないことに却って違和感を覚える表情からは、変わらず何も読み取れないままで。]
……違う、
[咄嗟に落とした言葉は、口にしてから後悔した。思考なんて、まるで役に立ちやしない。
――全てただの責任逃れだと。ひたすらエゴを、自己満足を押し付けて、そうして縛り付けたのは、他ならぬ兄である自分だと。 自分ですら理解しているのだから、散々それを 拒絶してきた弟が、気付かぬ筈がないだろうに。
望むまま、願ったまま、"可哀想な子供"に仕立て上げられた弟は、それこそ自分の望んだ存在のはずだった、――けれど。]
(51) 2014/07/05(Sat) 01時頃
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…くそ、……っ、
[優越感も何も、あったものじゃなかった。 口にした言葉が戻ることもないし、撤回するつもりもない。そんなこと、未だに主張し続ける自尊心が、許す筈がない。]
――惨めなのは、 おまえを、こんなにしたのは。
……、僕、だろ。
[拒否されることなく接近を許した唇と唇の間で、呼気混じりに吐いた言葉は、そのまま冷えきった部屋の空気に溶け込む。]
(52) 2014/07/05(Sat) 01時頃
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[ゆっくりと寄せられる身体と、力なく引かれた髪を、意識の隅で捉えながら。 腕を離した手を寄せられた頭の後ろへ回して、抱え込むように唇を重ねる。
髪に触れられるのは好きではない。力任せに引きちぎられたことも、記憶のどこかにある。 ――だからこそ、慣れとも、諦めとも取れる往生際の良さは、やはり異常に思えて落ち着かない。 いっそこのまま有耶無耶にしてしまえたら良いと、そんな願いは浅はかだったと、そこで知る。]
…っ、
[知らぬうちに慣れた手順通りに、ゆるりと唇の淵を辿ってから、拒否が無ければ割って入ろうとするけれど。 いっそそのまま、常より強い力で舌を噛み切って気道を潰してくれたなら良いのに。 喉に残る鈍い痛みを今更思い出しながら、乾き切って痛みすら訴え始めた目を伏せた。]
(53) 2014/07/05(Sat) 01時頃
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そんな事まで、…僕に聞くのか。
[間近でかち合った視線>>55と、思考を放棄したかのような問い掛けに、疲れた声音で問い返す。 誰が悪いのかなんて、そんな判断まで預けておいて。そうして決めてやったとしたら、それに従って素直に自分を責めるとでもいうのか。 そんなの、余りに惨めで、――遣る瀬無い。
――憎まれたい訳じゃあないのに、と。 虫が良すぎるとは知りながら、そんな今更な思考を低く呟いて、それから僅かに首を横に降った。]
自分で決めろよ、……それくらい。
[それでも弟の中ではとっくに答えが出ているはずだと、突き放すような言葉を、滲んだ声で告げる。 選択権を投げ返すその行為に含まれた、先の傲慢な願いは、自分でも自覚することはなかったけれど。]
(57) 2014/07/05(Sat) 03時半頃
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…ッつ、!
[容易く侵入した舌にすぐに歯を立てられて>>56、その鋭い痛みに顔を顰めた。ぶつりと切れる音を、耳の内側から聞いて。 噛み切るには至らない緩い暴力に、それでも反射的に身を引き掛ける。
自衛なのか、悪意なのか。吐き出される言葉を含めて"口の悪い"弟に傷を付けられるのは、きっと初めてではなかった。 ――些細な傷を残して抉ってゆくのが、この子供は妙に上手い。]
……、いい加減にしろよ、
[それに素直に痛みを感じながら、けれど未だ反抗されることには、僅かに安堵も覚えながら。 元よりそれ以上傷付ける意思はなかったのか、自分と同じように一度退がった顔に向けて、咄嗟に叱責を吐く。 今度は相手から塞がれた口に、最後まで言い切る事はなかったけれど。]
(58) 2014/07/05(Sat) 03時半頃
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[僅かな動揺を越えて、凝りもせずに乾いた口腔を探ろうとするのは、もはや条件反射に近い。 再び拒否されるか否か、今では予想すらできなかったけれど。
――それでもせめて、受け入れられたとしたら、多少は報われるかもしれないのに、と。 道徳的とは言い難い行為を仕掛けながら、救いを求めるような心地で目を伏せた。
どのみち応えられたのならば、その後自分がどうするか、そんなことだけは理解りきっている。 せめて表面上だけでも優位に立とうと、追い詰めるように身を寄せて、後頭部に回した腕に力を込めて。
――思考だけは嫌に冷え切っていて、別にそれを望んでいる訳でもないのだけれど。 それでも他の手段なんて、なにひとつ浮かばなかった。]
(59) 2014/07/05(Sat) 03時半頃
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……は、 おまえが、それで良いのなら。
[結局投げ出された結論>>60に、わざと呆れたように溜息を吐いてみせながら、――断言されない答えには、確かに安堵した。 おまえが悪い訳ではない、と。 そう弁護してやりたい衝動は、弟からの憎悪を忌避する思考に掻き消される。 全てを弟に押しやって、自分ひとりが悦に浸ることもできたのだと、そこでようやく思い至ったけれど。 気付いた後でも、その選択をする気にはならなかった。
反省の色を見せない瞳>>61を見ながら、首をゆるく傾けて口付けを深める。 結局定まることなく巡る思考は、意識を弟にすり替えることで、無理やり振り払おうとしながら。]
…っ、ガーディ、
[僅かに空けた唇との隙間に、名前を呼ぶ声を落として。自分よりも短い髪に、指を差し込んで緩く撫でて。 恋人の真似事のような、それよりも性質の悪いこの行為に、けれどありきたりな衝動は伴わない。 自己顕示欲だとか、承認欲求だとか。そんな自分だけの願望達が、弟との会話で揺らぎ掛けた自身の存在意義が、――僅かでも満たされる、はずだったのだけれど。]
(62) 2014/07/05(Sat) 06時頃
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……っな、
[手応えを感じられなかったのは、突然傾いだ弟の身体のせいか、それとも自分の精神状態のせいか。 どちらにせよ、頭を伝って落ちた腕に気付けば、咄嗟に手を伸ばして、崩れる身体を支えた。小柄な身体に腕を回して、蒼白な顔色を認める。]
………、悪い、…辛いか。
[今の弟が、とうてい健全とは言えない状態なのは承知の上での行為だったけれど。 それでも確かに感じる罪悪感に、今更とは知りつつ謝罪を落とす。 抱えるようにして引き上げながら、静まり返った室内に視線を巡らせた。
一角にだけ奇妙な空気を残したこの場所に、これ以上留まるのは気が引ける。 何より常の発作ならば、そのまま部屋に戻して休ませてやるのが一番だと。 どうせ話などろくに頭に入らないだろうと、そう自己完結させれば、当事者へと再び目を戻した。
歩けるのならば手を貸して、無理ならば背に負って。そうして移動する旨を、抑えた声で告げる。 肯定されれば、もしくはめぼしい否定が無ければ。そのまま弟を連れて部屋を離れるだろう。
にわかに医者として回り始めた思考の中で。 ――いつかは置いていかれる、と。そんな仄暗い不安が、再び顔を覗かせはしたけれど。]
(63) 2014/07/05(Sat) 06時頃
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セシルは、ガーディに話の続きを促した。
2014/07/05(Sat) 06時半頃
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