49 海の見える坂道
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おー、頼む。苺くれー。
[出されてもいないのに、口を開いてアーンとする仕草。 酔いのせいで少し赤いミッシェルの頬を見て、笑った。 相手はいないのか、と少し寂しそうな色を笑みに付け加えて]
働き者なぁ……。
[ジョッキに残ったビールを飲み干すと、 何かを考えるようにテーブルの上に視線を落とした]
(+0) 2011/04/17(Sun) 00時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/04/17(Sun) 01時頃
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[微かに揺れる視界と、頭の芯に残る熱。 こんなに酔ったのは久し振りで。 ぼんやりとミッシェルが歌うのを眺めていた。 初めて聴いた気がする彼女の歌声は、 昨日海岸でクジラと共に見た、茜色の夕日の匂いがした]
ああ、わり………。
[どこか現実感の無い足取りで、 ミッシェルに手を引かれるまま店を出たらしい。 通り沿いのベンチに座らせられれば、呻くように洩らして。 隣に座ったミッシェルの方を、どこか透徹な眼差しで見つめた]
(+1) 2011/04/17(Sun) 19時半頃
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[徐々に弛緩した身体から酔いが抜けていく。 勿体無い、と思う気持ちこそあれど、 やはり夜風の心地よさも、この距離も、捨てがたかった]
大魔王のやつか。馬鹿なこと言ってたよな……。
[そんな馬鹿話も、皆で席を囲めば酒の肴になる。 それ自体は楽しいことで、酔いの残る頬を緩め]
…………………。ああ、笑わない。
[やがて告げられた夢の話。 ただ正面から眼差しを受け止めて、直ぐに答えた]
(+2) 2011/04/17(Sun) 19時半頃
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ミッシェルが歌手になりたかったなんて、知らなかった。 親父さんの跡を継いで、そんな気持ちになってるのも。
知らないことばかりだな。 当たり前か。ミッシェルの『秘密』なんだから。 今日は少し、驚いた……。
[口元を緩めながら、真っ直ぐに群青色の双眸を向けて こちらを見ようとしない彼女の表情を可笑しそうに眺め やがて、解ってる、と言うように微苦笑を洩らした]
俺はミッシェルのことが確かに好きだが……。 頼んだものが酷い出来でも喜んだりはしないぞ。 言いたいことは言いたいからな。 ――――ただ、その気持ちは嬉しい。 他の誰でもない、ミッシェルに頼んでよかったよ。
[続く言葉には、不思議そうに首を捻った後 重みのある真剣な声音で告げると、彼女の頬に手を伸ばし]
(+3) 2011/04/17(Sun) 19時半頃
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ミッシェルの作る装飾品を、俺は楽しみにしてる。
[ほんの少し、強引に視線を絡めると、 熱い手に大事な言葉を握らせるよう、そう告げたのだった]
(+4) 2011/04/17(Sun) 19時半頃
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保留の返事か。 よし、どちらにせよ、その時に聞く。
[告白の返事に話が及べば、彼女の返答に納得した様子で頷き]
ははっ、オスカーはよくやっているよな。16だっけ? ありゃーたいしたもんだ。 ………まぁ、俺なんかは、一朝一夕には上手くできん。
[少年の名前が出れば、くっ、と口角を新月のように吊り上げて 声音にやや硬質の響きが混じり、同じように視線を外し]
いや、そろそろ帰るわ。 此処まで連れてきてくれてさんきゅ。
[伸びてきたミッシェルの手を軽くすり抜けて立ち上がり 雨上がりの星ひとつ無い夜空を見上げて、背中で答えた]
(+5) 2011/04/17(Sun) 19時半頃
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[家路につこうとすれば、背中に罵声が浴びせられる。 振り向こうか、振り向くまいか、暫し逡巡する空白の時間。 静謐さが二人の間に舞い降りる一瞬を逃さずに、 ずっと気になっていたことを疑問として、滑り込ませる]
――――夢を捨てることが……。
[なるほど、夢の欠片が言葉の端々に輝いていた。 一度は置いた銀杯を掴み直して、 底を啜るような錯覚に囚われたのは、共感のせいだろうか]
飲んで飲み尽くして、空になっても飲み足りない。 夢なんて、酒みたいなもんだな。
[微かに寂しげな声音を響かせて、 後ろ向きのまま手を振ってから家路へと足を進めた]
(+6) 2011/04/17(Sun) 19時半頃
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[翌日に目が覚めれば、肌寒い朝だった。 硝子窓をコツコツと叩く嘴の音に、手を差し出して]
なんだ、手紙か……。
[くくりつけられた手紙を開いて、 寝台に寝そべったまま、斜めに読み始める]
さみー……。
[やがて手紙を読み終えると、 剥き出しの肩を両手で摩擦しながら、服を身につける。 店先に適当に見繕った薬と瓶を置くと、 地図とバス券をひったくるように指に挟んで、扉を潜る]
よし、んじゃあ、行くか。 この海も暫く見納めだな。
[ぐっと伸びをして、海を一瞥した]
(+7) 2011/04/17(Sun) 20時頃
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ん、よおベネット。早いな。
[凄まじく簡易な、それでも一応旅装で やってきた友人の姿を認めると、軽く挨拶]
(+8) 2011/04/17(Sun) 20時頃
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いんや、構わないぜ。 どうせ出かけるところだったし。
[ベネットの謝罪には、気軽に手を振り]
ちっとランタン受け取ってくる。 なんかご丁寧な手紙が来てよ。ほら、地図とバス券まで。
[指に挟んだままの二つを掲げて見せた]
あー、薬は置いておくから、 みんなには適当に言っといてくれ。
(+9) 2011/04/17(Sun) 20時頃
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まあ、誰でもいいんじゃねぇの? ヴェスのランタン集めて並べよう、ってのははっきりしてるし。
自分で行かないのにも、何か事情があるんだろ。 んー、ちょっと遠そうだけど、偶には他の街も新鮮だし。
[地図に書かれた場所を指でなぞると]
ところで、ちょっとっていいのか?
[朝から彼が足を運んだ理由を尋ねた]
(+10) 2011/04/17(Sun) 20時半頃
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ふーん。そうなのか? んじゃあ、何かあっちで困ったら電話入れるな。 たーすけてくれべねっとー、って。
[ニヤリと笑いながら答えて]
黒蝶貝のことか? あの後、ミッシェルに渡した。 まぁ……喜んではくれたと……思うけど。
[やや歯切れの悪い口調で返す。 物問いたげな視線をちらりとベネットに向ける]
(+11) 2011/04/17(Sun) 20時半頃
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え!? なんだ急に。
[唐突な問いには瞳を丸くして]
え、装飾品に使えそうだからって、俺ベネットに説明したよな? なにがやっぱりなんだ?
[盛大に首を捻ってから、続く問いには唇を歪めた]
突然そんなこと聞かれると吃驚するわ。 んー、なんだベネット。誰か好きなやつでもいるのか。
[答えをはぐらかしつつ、瞳を斜めに傾けて彼を覗き込んだだろう**]
(+12) 2011/04/18(Mon) 00時半頃
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おーおー、なるほど。 ま、嫌いだとかそういった類の嘘は吐けないな。
[顎に手を添えて、唇の端だけで穏やかに笑う]
ランタン集めの理由か……。 うーん、生きてる奴らのため、かな。 俺は適当だけど、此処に住んでることも、 一緒に飲んで騒げるアンタらも、嫌いじゃないんでね。
[ベネットを指差して、それからぐるりと坂道を見回して]
謝んなよ。んじゃあ行ってくる。 あと、何を考えているのかは知らないが、 多分考えすぎだと、俺は思うぞ。
[最後にははっきりとした笑顔を見せて、 肩を叩いてベネットと別れ、やってきたバスへと乗り込んだ]
(+13) 2011/04/18(Mon) 08時頃
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[ランタンを借りる旅の始まり。 軽快に走り出したバスの窓から、ぼおっと外を眺めた。 暫くの間お別れだと思うと、少しだけ名残惜しかったから]
ははっ、何してんだよ。 あー、やっぱり急だったかな。
[自らの店の傍をバスが通りがかったとき、 扉の前で頬を叩くミッシェルの姿が目に入って、小さく笑い]
なぁ、行ってくる。
[窓枠に肘をついたまま、目を緩やかに細めて楽しそうに呟いた**]
(+14) 2011/04/19(Tue) 00時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/04/19(Tue) 00時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/04/19(Tue) 00時半頃
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