287 ―シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア2―
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――……、ただ、 それは俺がいる“世界”ではないよ。
そこは随分と色が苛烈で、時間が過ぎるのが早いんだ。 俺の居場所はそこじゃない。 隣接――しているとは、思いたいが、 どうかな。 「答え」が分からない。
[頭痛がする、といった。 言葉で表される「苛烈な世界」のことのように、 一人用のチェアに腰かける今現在を表すかのように。]
(236) ghoti 2018/11/11(Sun) 00時頃
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だから、 君のその問いの大部分に>>216>>217、 ふさわしい「答え」が
[すこしく、愉快気な―― 愉快気に見せられることを知っている顔をして、 ジェレミは手を伸ばす。炭酸水だ。 透明なグラス、 そのうちにあらかじめあった酒精は薄まって 適した量を超えてもなお、瓶の傾きは直されない。
グラスの縁を超え、チェス盤に水が届き、ようやく瓶の傾きは無造作に直された。 酒精はそのうちどれほどが残っているのかも判然としない。 特に感慨もない視線が、グラスから、眼前の「吸血鬼」に戻り、眺める。ただ眺めるに近いそれは、けれど、確かに、瞳の中に、鏡のなかに居場所がない吸血鬼を移り込ませる。]
(237) ghoti 2018/11/11(Sun) 00時頃
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もう、ここにはない。忘れてしまったか。 ――君のいうように、捨ててしまったか。 それすらも定かじゃあない。
……困ったことに、 取るに足らない「答え」>>2:47をしたのは俺の方だ*
(238) ghoti 2018/11/11(Sun) 00時頃
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― とある夜 ― [繁華街の裏路地に女の悲鳴が響く。 迫るのは下衆な人間の悪漢共!
『誰か、助けて……!』
追い詰められた壁際、迫る魔の手。 女は成すすべもなく凌辱されてしまうのか? この世にヒーローはいないのか?
NO!答えはNOである!]
正義の味方、小生参上!!
[ビルの上からヒーロー参上! 猫のように身軽に飛び降り男に跳び蹴り。 疾風のように悪漢共を成敗していく]
(239) ゆき@青葱帯 2018/11/11(Sun) 00時頃
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[やがて足元に転がる気絶した悪漢共の山。 へたり込む女に歩み寄るにんまり三日月]
大丈夫ですかな?
[ほっとしたように笑う女に手を差し伸べて。
『ありがとうございます……』
なんて、手を握られ潤む目で言われたのなら。 にんまり口元がきらと牙を覗かせ]
では、報酬にあなたの血を頂きますぞ。
[そして引き寄せ、喉元に牙を寄せ――。 女の悲鳴がまた響き渡った]
(240) ゆき@青葱帯 2018/11/11(Sun) 00時頃
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[とたんっと吸血後の体も軽やかに。 気絶する人間達を後に猫は気ままに歩き出す]
神と同じく正義のヒーローもベガスで休暇中。 ならば、小生が正義の味方になりますぞ。
お代はあなたの血液一噛み! ダークヒーローここに推参、ですぞっ!
[闇の中で遊ぶ。 五百年待ち続けた恋への腹いせのように。 今度は自らが正義の味方と嘯いて。
それくらいの”悪”戯、許されるだろう?]
(241) ゆき@青葱帯 2018/11/11(Sun) 00時頃
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── ええ。 優しくて、臆病で、夢見がちで。 夜に転がっていたわたしに一目惚れしてくれた、
……たったひとりのおとこのひとだった。 [ ゆめうつつの、おんなのこえ。
まるで、そう。 実の娘に、馴れ初めを語る母のような。 ]
(242) mayam 2018/11/11(Sun) 00時頃
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にゃおん♪
[片手を猫のようにくるん。 そうして悪戯猫は夜の闇に消えて行った。*]
(243) ゆき@青葱帯 2018/11/11(Sun) 00時頃
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[ 皆で! その提案に彼女は同意してくれて>>225、 おねーさんはやっぱり、にっこりと笑うのだ。 長い長い時を生きる吸血鬼、 たった数日、数時間の出来事でも、きっと。 素晴らしい思い出になるって、 そんな確信すらあった。
細い小指を絡め取り、ふわりと揺らす。 ]
(244) mayam 2018/11/11(Sun) 00時頃
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"ゆびきり、げんまん"!
……ねえ、ベッキーちゃん。 この御約束、嘘ついたら、 針千本飲まないといけないんですって。
…東の国は物騒よね。 炬燵を作った国とは思えないわ!
[ 揺らした指をぱっ!と離して、 それからけら、っと 笑い声、ひとつ。
── 渋ったらサイモンちゃんに飲んで貰う? …なぁんて、冗談です* ]
(245) mayam 2018/11/11(Sun) 00時頃
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――…… 君は聡明だ。 俺よりも、ずっと。 だからかな、「君のなかの俺」は、君の世界にいるんだろう。 君の、100いくらかを生きた、鮮明な世界に。
すまないが、――いや、謝ることじゃないか。 俺はそこに立ちえない。
[指の組み合わせがほどける前に、告げること]
(246) ghoti 2018/11/11(Sun) 00時頃
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――可愛い人。 守ってあげたくなるような人だったのね。
[>>242ロイエの夫について語るのを聞きながら、女はうっとりと目を細める。
そこからは彼女の愛情が感じられて、こそばゆい気分にもさせられた。 まるで、母親に惚気話を聞かされたような気分だ。]
(247) 蒼生 2018/11/11(Sun) 01時頃
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[>>244その素晴らしいアイデアを実現させる為には、 人の事以外でも、用意しなければならないものがある。 けれど準備する時間すら、きっと楽しい思い出になるのだろう。
城の主であるナタリアに使えそうなものがないか聞いた方が良い。 あるもので代用出来るなら、その方が良いからだ。
そんな計画を立てながら、絡んだ小指は優しく揺れて、]
(248) 蒼生 2018/11/11(Sun) 01時頃
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まぁ、そうなの? 千本も飲んだら、お喋り出来なくなってしまうわ。 東洋はそれだけ約束事に厳しいのね、きっと。
でも大丈夫。 きっと約束は果たすわ。
[>>245指切り、を終えた後に明かされた約束を破った罰は想像以上に重かった。 それに素直に信じ、驚きながら、 けれど次の瞬間には自信満々で胸を張っていた。 約束は必ず守る、と。]
ねぇ、ロイエ。 今からとっても楽しみね。
[向けるのは、*花の綻ぶような笑み。*]
(249) 蒼生 2018/11/11(Sun) 01時頃
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―― ある夜に ――
……何がおかしい
[男は尋ねる。 まだ、たかだか100しか生きていない男は その笑みに含まれる何かを探る。>>230
けれど2000年の隔たりは遠く 全てを理解するには、男の生はあまりにもちっぽけで 今しがた告げられた「おはよう」を 怪訝に見るしかできない>>233]
――――……
[それは、あんたが生きていないから?]
(250) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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[そう聞きかけて、やめた。>>234 その手の中には、何もなかった。 何も。 そこで男は理解をする。 ――自分の「世界」に生きていてほしかったのは、 ジェレミの方ではなくて、 男の方だったのかもしれない、と。
知らず、手を伸ばし得る領域にいることを 願ったのかもしれないと。]
(251) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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[言外に示されたことは知らねど わからねど>>-323 そこに自分の居場所はないのだと語る彼の様子を 男はじっと見ていた。>>236
傾けられる瓶に瞬いて、小さく息を呑む。 零れていくそれら、飽和するそれらは まるで時間によって 薄められていく感情を意味しているかのよう。
器は―― 時間を満たした器は、 あたらしく酒を注いだとしても、零すだけ。 ああ、生きた時間が違いすぎるのだな、と 男は漸う理解した。
男の目には、水鏡に己の姿は映らない。 けれど、眼前には確かに歳を経た吸血鬼の姿がある。]
(252) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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答えがないのは、知ってる 答えがでるはずがない
俺があんたの立場で答えるなら、そうだから
[向ける情はないといった。 言葉どおり、無い。愛は、ない。 けれどジェレミに対し苦いものは存在する。
多分それは、自分が「こうなる」可能性を ジェレミに見出しているからだ。
新聞、折りたたみ式携帯、スマートフォン、と うつりゆく世界を眺めていても 気を抜けば他人事になりがちな男だ。 おそらく、もう200年ほど生まれるのが早ければ 「こう」だったのではないだろうか、と思う。 ……思わないために、わざわざ死にかけたりするわけだが。]
(253) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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憎んでほしいのは、俺があんたを憎むから 愛と憎しみってよく似てるらしいけど全然違う 憎しみってね、相手を変えたいと思うときに 生まれるんだってさ
変えたい、ってことは 手が届く範囲にいると思ってるってことで 少なくとも俺の中で、 あんたは「俺の世界」にいるのかもね
その理屈で言えば 俺を夢から醒ましたがったあんたも 俺を憎んだことになるけど
別に、そうでもないのかな? ……わかんないか? 忘れちゃった?
[苦笑した。]
(254) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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ね、ジェレミ。 多分俺はあんたより先に死ぬよ。 あんたはまだまだ生きていくんだろうね。
[多分、事実として、そうだ。 男は長生きできる吸血鬼ではない。 ――そういう体質、という意味では無くて そういう、性格だからだ。
多分置いていくなあ、と思うので 男は、訳知り顔で、 ジェレミにとっては「居場所が無い」らしい世界から こう物申すだろう。]
(255) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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覚えてたらさ。
あんたが、他の奴らよりすこしだけでも 大事なひとが――
長い時間を寄り添えると思ったひとが、 できたときに、聞いてごらんよ 「あなたはどうして生きてるの」 って
多分それが、 なくしてしまったあんたの居場所を教えてくれるよ あんたがどれだけ否定したって分からなくたって 忘れちゃったって、さ
(256) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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あんたの世界に俺はいないけど 俺の世界にはあんたがいる。 多分、他の奴らの世界にも、あんたはいる。
頭痛してきたなら、何より。 ざまあみろ、って感じ。
(257) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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[男も先ほどから頭が痛いが、それはさておき 炭酸水が溢れたジェレミのグラスを一瞥する。
男はそれを一瞥し いとも簡単に手をのばし、 薄くなりすぎた それ を干した。]
……まあこれも、悪くはないけどさ
[男はくすくすと笑う。 満たした時間は、いとも簡単に空になる。 空であれば、満たしたくもなるだろう。]
(258) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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[その中身がただの水か酒かを選ぶのは 所詮、そのひと自身なのだから。 男にはジェレミのそれを選ぶ権利は無い。 けれど、少しでも、 濃い「感情」であればいいなとは思う。 次にグラスを満たすものたちが。 からっぽな魂を暖める何かであれば、いいと思う。
なので、腹いせにジェレミのグラスに もう一回酒を注いでおいた。 にっこり、笑って]
どうぞ? てか呑めないの? 案外チキンだな
[言葉にしないとわからないなら、するまでで、 男はそう言い放つとけらけら笑って、
ゆるりと、調度品を運び出す手筈を整えだすだろう。*]
(259) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時頃
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[――いつか聞いた事があった。 あるいは、勝手に知ったのかもしれなかった。 海の傍に>>127 女が愛したひとの墓があると。]
(260) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時半頃
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―― 長い夜 ――
[夜の海の不気味なさざめきを聞きながら、 男はその墓石を遠くから見ている。 城を出て何日が経ったのかも知れない。 随分と長い時間を歩いている。
いくつもの火傷痕を体に刻んだその男は、 見つけたその墓石の群れをだまって見下ろしている。 吐きそうなほどの忌避感を、堪えていた。
手のうち、かさりと包みが鳴った。 それをあければ、女の指がひとつ入っている。
ざざ、ざざ、と鳴る潮騒を背に 男は淡々と墓石を見下ろしている。]
(261) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時半頃
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[墓石を前にして 大きな戦争があったことを思い出す。 灰色の戦争が。 神の教えを説いても所詮、 人のエゴで人が死んでいく、そういう戦争が。
「神は死んだ」と説いた哲学者がいたが そういう灰色の時代にあって十字架は確かに意味をなくし そういう時代に牧師となるべく生まれて …………男もまた、生きる意味を捨てた。
夢から醒めてしまえば―― 「吸血鬼」として、生きて返ってしまえば>>233 もうこの手には、執着しか残っていない。 自分を「ひとでなし」にした女への執着しか。]
(262) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時半頃
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[……男は、女の指を、そっと見下ろした。
本当は、埋めてやろうと思ったのだ。 さいごまで執着を捨てられなかった 愛する「あなた」に一部だけでもあわせてやるべく
その場所に、埋めてやろう、と思ったのだ。 けれど。]
(263) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時半頃
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……あんたが、全部悪い
[気が変わった。 男は小さく呟く。呟いて―― 茶色く酸化したそれの爪先から根元までを、 静かに、時間をかけて、喰らった。
それは見せつけるようであった。 それは誓うようでもあった。
随分と昔に死んだものに対して、 無駄すぎるともいえる、あがきだった。
けれど咀嚼した骨は口内を傷つけ、痛みを齎し 飲み込む血肉は美味ではなく不味さを運び 確かに、そのひとを感じたから]
(264) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時半頃
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[ たしかに、そのひとを思うとき いたみと共に、いきていることを感じるから ]
(265) さねきち 2018/11/11(Sun) 01時半頃
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