270 食人村忌譚
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―神社前―
………――
[入るのを躊躇ってしまう。 此処は、村人たちの信仰の場所。 家畜の戯れる場所だ。
巫女の死は村にどれ程広がっているだろう。 辺りに他の人気は見えない]
?
[茶碗でも割れたか。 耳に届いた音>>149は神社の内から。 少し迷って、静かに足を踏み出した]
(150) 2017/11/30(Thu) 23時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/30(Thu) 23時頃
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[鍬を手に、ゆっくりと歩いていく。 音のした方向を、感覚を頼りに忍び足で。
けれど 人の気配が近づいて来たその時 古い木材は、軋む音を立てた。 思わず部屋の前で足を止める*]
(151) 2017/11/30(Thu) 23時頃
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えぇ、待って、待ってよ容……! 兄さんもそんな、何を言ってるのさ……!
[あきれて肩を竦め、去ってゆく容>>130と、その背に向け、彼女を殺すと断言する兄。>>134>>135 容を追うことはできぬから、兄の袖を強く引いた。]
ねえ兄さん、兄さん! 容を殺しに行くって……そりゃ、下手人には裁きをくださなきゃいけないのは分かるけど、容がやったってわけじゃ……
……けど……
[彼女がやったという証拠は何もない。 けれど、違うという確証を、自分は何も持っていない。]
(152) 2017/11/30(Thu) 23時頃
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いやだよ。 やだよ、兄さん……。
僕のそばから、いなくならないでよ。
[出来ることといえば、離れないでほしいと懇願することくらい。 それでも、もし叶わないなら……]
(153) 2017/11/30(Thu) 23時頃
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[>>124>>125容へ風呂敷を渡したとき、 慮るような口をきいたのは、不安があって、のわけではなかった。
花柄の割烹着。 弁当箱。
そんな、容を象徴するようなものものを手にして、 リツが巫女殿にするように呼ばわるのをみて、 ――それに、どうしようもなく寂然としたなにかがあっただけだ。 それまでを置いて、“巫女”の役割を冠される道が見えた気がして 余計な口は斯様にまわった。]
(154) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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[それも杞憂だったのだろう。 返った言葉は、>>125 一時の感情に燃え立つそれではなく かすか “妹”の見せていた 慈しみのようにも思え 峻厳たる“妹”の巫女姿とは別の、かたちづくる未来が朧に伺えた。
だが、>>126つづいた言葉は、なんだったのだろう。 進への疑念――というには断言するような声。 きをつけろ そう述べた謎かけのような、言葉は。 問いを重ねることはできなかった男は、その背を眺めるだけだった*]
(155) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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…………僕も、連れて行ってよ。
兄さん、 僕も
[ころして、たべてよ。 その声は、震え、掠れて、まともな音にならなかった。*]
(156) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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[軋む音。人の気配。 それは、すぐ傍―部屋の扉の向こうから。>>151]
……だぁれ?
[喉から出た、掠れた声に口元が上がる。苦笑。 そうだ、聞くまでもない。]
(157) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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いいよ、入って。
[殺しに来たのだろう、私を。 分かっていながら、私は笑う。
いつぞやとは違って、招き入れるような真似はしない。 ただ、座り込んだままに、 袂に隠し持っていた短刀の感触を確かめただけ。*]
(158) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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大丈夫、大丈夫だ。シノ
[泣きつくシノを落ち着かせるように大丈夫と繰り返して]
ゆり様はお優しいから、きっと許してくれる それに、江津子さんが死んだのはお前のせいじゃない
俺が、昨日見回りをサボらずにやっていれば……
[江津子さんは死ななかったのだろうか? 分からない。ただ豚小屋の騒ぎに気付けばもっとマシな状態で弔えただろう事は事実で]
(159) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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― 集会所 ―
[大八車に豚一匹を乗せて歩くのは、どうしても目立つ。 血抜きを終えてからのことだから、集会所へ戻るのは昼を大きく過ぎた頃合いになっただろう。 その頃には、ゆりの肉もよくよく煮込まれて、食欲をそそるくらいにはなっていたかもしれない。
誰が愛理を、そして江津子を殺したのか。 集められた容疑者の中に本当に下手人はいるのか。 一人ずつ、顔を思い浮かべてみる。 誰しもが、理由を持っているのかもしれない。 絶対に違う、と信じられる者は誰もいない。
連日使われていた肉切り包丁をその場で軽く研ぎながら、次にこの包丁が切るのは誰だろう、と考えた]
(160) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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とにかく、一度集会場に行こう そして容様に謝るんだ
もちろん。簡単に許される事じゃないけどな まだ下手人は生きてる。なら先にそいつを止めないと
[シノは下手人ではない 江津子さんは食事もろくに取れない状態の女が殺せるような相手ではないし なにより、下手人ならばこんなに涙は流せないだろう なんて、他の人に言ったら甘いと言われそうだが、男にはシノが流すその涙が偽物だとは思えなかった*]
(161) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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―集会所/2つの遺体―
ゆり様…………
[この場に行き着けば、全てを知ることができただろう ゆりが志乃に殺害されたこと 弔いも困難な毒を服まれたこと]
残念でなりません 巫女様として、立ち続ける覚悟をお持ちでしたのに
[昨日、初めて垣間みることができた姿を思い出す 人を超越した神の代行者としてではなくて、 1人の女として立ち向かっていた姿>>3:226>>3:228 これで、彼女から受けた命の内容>>3:159も、 知る2人が死した今、誰も知ることはないだろう その裏側に合った気持ち>>3:160とともに
死者が、死者にというのもおかしなものだけれど、 せめて、黙祷を捧げようとした時――――]
(+27) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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―神社内― [一定の距離を埋める事はしなかった。 世話をされていたとはいえ 家畜へ必要以上に慣れ合う心算は無い]
いや、此処で良いよ。 食べられなかったとこ、埋める為の鍬を 容さんのところから借りたから、言っておこうと思って。
僕はこのまま集会所へ戻るけど、 容さんはどうする?
[部屋の中を覗き、手にした鍬を見せつける。 立派な凶器を持っている。 けれど、其れを使うのは土を耕す為と告げ 正面、向き合ったまま彼女のこれからの行動を問う*]
(162) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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[容のいるあたり>>19を見つめながら、 つぶりかけた目を一度見開き、 再び、ゆっくりと細めていく
目には映らない 届くこともない
ただ、そこで起きた光>>+16>>+17を感じた気がして、 今度こそゆっくりと、瞑目したのだった*]
(+28) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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ススムは、イルマを呼ぶ名は昔のままだ*
2017/11/30(Thu) 23時半頃
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[そんな容の姿>>154>>155を、みたからだろう。
かすか、 かすかに。 背のかわらなかった時分が浮かぶ。 わらいすてたものが、吐き捨ててきたものを思う。 すれば、飲み込んだ音>>138が腹の奥で、 嗤うように転がる心地まで。
――おそらく、これが、悔やむというものなのだろう。 どうせすぐに死ぬといわれ続けた男が、さほど持たないはずの、 後悔に似た暗澹がある。
結んだ口がそれを言うこともなく、 薬師の言葉をまて――あるいは、相手の言葉はなく、 肉の煮えるその場所を離れるのだろう*]
(163) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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私が錠の傍から離れるなどあるわけないだろう。 私が死ぬ時はお前の死ぬ時だ。
[生きる道を考えねばならないのに死ぬ事ばかり考えてしまう。 弟だけは生きて欲しいとも思わない。 己が死ぬ時は弟も死ぬ時だ。 置いては逝けないし、置いて逝かれる気もない。
もし、このまま誰かに殺されるのなら。 その前に弟を殺してしまった方がいいのかもしれない。
誰にも見つからない場所でひっそりと殺して。 そしてその肉を一人で食べてやるのだ。 誰にも渡さず一人で腹の中に収めて。
その考えはとても甘美なものに思えた*]
(164) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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[いつも見下ろす視線は、今度は上へ。 眼鏡の奥、いつもひねくれた言葉を紡ぐ唇。 変わってないなと笑った口元は上手く形を作れていただろうか]
騒がしいのはガキの時で十分だろ。
[わざとらしく返しても源蔵みたいに上手くない。 昔の俺に会いに来たと言われ>>137 笑っているはずの口元は困った様に歪む]
……源蔵。
[落ちた薪は彼の手に戻らない>>138 離れた距離は僅かだが、彼方の如く離れていく]
(165) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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う、うう……・
[きつく目を閉じ苛まれる罪悪感でいっぱいになりながら、小さく何度か頷いた。 きっと私は許されない。どんな顔してユリに会えばいいのかもわかrない。 けれど謝りたい気持ちと大丈夫の声に支えられて今はリツ兄の言う通りに従おうときめた。 集会場へいくなら志乃はふらふらでもついていく。 殺されても文句は言えない身、新しく巫女となったのか様の容の名前に、許してもらおうと言う気もなく。 でもリツ兄には応えず、渇いた泥と疲れて痩せた様相で、リツ兄に寄り添い勇気をもらおう*]
(166) 2017/11/30(Thu) 23時半頃
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俺から……借りてる?
[儀式は受け入れても、錠を1人残すのならば 騒ぐだろうにと言いかけて。
会いに来たはずの俺ではなく、薬師の知恵を借りたとの 物言いと袂から覗く葉>>139に決意を見た]
(167) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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[丞に複雑な料理は出来ない。 出来ることといえば、肉を均一に切ることだとか、薄く切ることくらい。 人手の少ない集会所で、江津子と彼女を食べた豚肉が、単に焼かれた状態で供されたのも仕方のないことだろう。 新鮮な葉野菜の上に、塩を振った肉を添えて、すぐ横で炊いておいた米と同時に、調理した者の特権とばかりにかきこんだ。
食べるために飼育された豚と、人と。 味の違いを噛みしめる。 肉の固さの違いを噛みしめる。 等しく美味しく、絶対的に違うもの]
……うめぇなあ
[調理の気配や香りで、少しずつ人が戻ってくるだろうか。 人が減れば、腹に入る分量も減る。 いくら丸ごと一人の調理ではないとはいえ、丞一人で弔える量ではないし、そうするつもりもなかった]
(168) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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源蔵……お前。
……1つ、聞きたい事がある。
……お前は……。
[またこの村に生まれ変わりたいのか? 先代が口にした理由は、母親の気を鎮める為だったのか、 事実だったかなんて確かめる術はない。
だが彼は信じているのだろう。 今までの話から、源蔵はこの村の常識の中にいる。
嫌いではない嫌いではない。
何も出来ないと、必死に記録を重ねて自分にしか 出来ない事を探す姿は嫌いではなかった。
だがこの村の中でしか生きられないなら]
(169) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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源蔵……俺はお前が嫌いじゃない。
[出来るとすれば見届けるだけ。 女が消えれば、この村は終わるのだから。 源蔵が生まれ変わる胎は無くなるのだから。
我ながらこの場に不釣り合いな言葉だと 後で気付いたが。 その背>>163に、他の何を掛ければ良いのか 判らなかった*]
(170) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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[そこにいた彼>>162は、いつもと変わらないように見えた。 立ち上がる。見せつけられた鍬には見覚えがある。 名まで付けて愛用しているモノでもあったので、 心の中で舌打ちしたのは、また別の話だ。]
私も、一度戻ろうかな。 ……志乃ちゃんの儀式もあるからね。
ただ、鏡を割っちゃったから、 片付けてから行くよ。
[先に行ってて、と促せば、さて、彼はどうしただろう?]
(171) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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―集会場へ― じゃあ、行こう 大丈夫だ。ゆっくりでいいから
[こちらの言葉に頷くシノに安堵の表情を見せて歩き出す ふらふらの様子のシノを気遣いながらゆっくりと
少し時間はかかったが、集会場まで二人で辿り付くと]
おーい、シノを連れてきた。容様はいるかい?
[集会場の中に声をかける。はて、集会場には誰が居たか*]
(172) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/12/01(Fri) 00時頃
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ぅん…………。
[>>164兄の袖を握ったまま、か細く頷く。
誰かが下手人として挙がったなら、裁きをくだす覚悟があるか。 もしそれが兄だったときは、どうか。 勿論その時は、兄を咎人として殺めることに、異論はない。 できることなら己の手で、とも思う。
……けれど、兄の亡き後、独りで生きていけるだろうか。
おそらく村の人々は、なにかと手を差し伸べてはくれるだろう。 けれど、それはどれも、兄の手ではないのだ。 新たに生まれ変わってきたところで、姿も、声も、兄ではない。]
(173) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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[――つぅよい方と、正面から向き合ってはいけません。 ――かといって、背中を見せたり、捨て鉢になったら、それまでです。
いつか>>0:57の声が、聞こえた気がした。 とはいえ、私にはそれは難しい。*]
(174) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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―集会場前―
[>>172リツ兄が呼びかけると志乃はその後ろで服を掴みながら、心配そうに怯えている。 みんなの視線が怖い、これからどう罵られるのだろう。 震えだす身体で伏せた顔はあがらない。ただ離れないでと裾を掴み、リツ兄にすべてを任せよう*]
(175) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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―― 石動へ ―― [それがいつの時分かはわからないけれど、 男が石動へと声をかけたときには、きっと錠も近くいただろう。 集会所で、死した肉の弔っている頃合いだろうか。
人目をはばかるつもりもなく、]
俺は お前を斬るよ
[そう、口にした。]
(176) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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……志乃さんの儀式? 何で。 彼女が巫女様を殺した罪人、という理由なら 今は其れを優先すべきじゃないよ。
[今宵の儀式もまた、家畜同士の殺し合い。 嗤いが止まらないとはこの事だ。 けれどススムはもっともらしく忠告を入れる。 此処には二人しかいないから そんなことは無意味なのだけれども]
この村の為を想うなら、下手人を探すべきだ。 けれど 村人達の為を想うなら、志乃は赦されるべきだ。
難しいね。 怪我をしないように気を付けて。 容さんたちは、そろいもそろって、危なっかしいんだから。
[苦笑いを一つ。 昔話と、なぞかけを置いて、鍬を利き手で持ち直す*]
(177) 2017/12/01(Fri) 00時頃
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