162 絶望と後悔と懺悔と
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さなぎになったら、ちょうちょになるんですって。 これはきあげは? もんしろちょう? それともあげはちょうになるのかな?
……………。
[応える声は、なかった。
夏の日差し。蝉時雨。**]
(117) 2014/02/10(Mon) 20時頃
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>>114
――……おまー
[そして、言いかけてしばし、絶句する。 人間をやめた。会いたくない。 その言葉に傷つかないわけじゃない だって、そのために、辛い訓練をしてきたんだ………]
おい………
おではおまーに会いたがっだんだど?
[なんでリーはそんなことをいうんだろう? あの時、リーに助けられなかったら、きっとサミュエルはひどい目だけあって、もう生きてなかったかもしれない。 孤児院に入ったあとも、リーの存在は大きくて、 そりゃ、おいてけぼりにされたのは悲しかったけれど、仕方のないことだ。 だって………]
おでは、おまーを一番の友達だどおもっで……
(118) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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[その時、目が熱くなった。 恥だ……。
だけど……]
おでは、おまー、ころさねーがらなッ!!!
[そう言い放つと、また大きく退く。 地に落ちていた九節鞭が息を吹き返したように、その周りで回り始める。 その奥から睨む眼光は、リーを刺すように睨む]
(119) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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今の…ってまさか直円…?
[その男を見たのは一瞬であった。 別れた時から5年もたっている ―でも、そう直感した。
身を屈めるように視界から消えた男を探す。
その時、隙をついてバイクから引きずりおろそうと敵の吸血鬼が腕を伸ばしてきた。]
(120) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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―ゆめ―
[買い物籠の豚肉が手に重い。掌は僅かに赤く。 買い忘れがないかとメモを見る。一番最後には『生姜←サミュエルから貰う』とあった。]
ただいま!
[わざとらしい程に大きな音を立てて扉を開ける。ばたばたと何かを隠すような気配。それでも零瑠は気付かない振りをする。]
ただいま、絢矢。無事に帰ってきたよ。
[目線を合わせて絢矢の頭を撫でる。殴られた形跡などない顔を見て、漸く安堵してくれたようだ。]
(121) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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[食事は豚肉のしょうが焼き。 最近流行りの料理があると教えてくれたのは直円だったか。 薄く薄く切った肉は醤油とみりんで艶を増し、生姜の爽やかな風味が舌を喜ばせた。 同時に食卓に並んだのは、金平糖、クリームシュークリーム、そして大きなマシュマロ。などなど。 火鉢を持ってきてマシュマロを焼くと、熔けていく様に歓声が上がった。
橙色の蒸しパンを美味しそうに頬張る幼子達を見て、キャロライナと目を合わせて笑う。人参好きな彼と相談しあった成果だ。]
(122) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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[ささやかな晩餐の後、零瑠は背をぐいぐいと押された。そうして一脚の椅子に座らされる。
はじまりはじまり。>>1:347]
すごいよ、凄い……。嬉しいよ。 みんな、俺の為に―――あり、がと
[泣かないと決めたのに。感動の涙が溢れる。何処か痛いの? と心配げに顔を覗きこんだ少年の、体を抱き締めて首を振った。]
俺はね。いま、嬉しすぎて―――…泣いてるの。痛くない。どこも痛くない。
……大丈夫。
[顔を上げて、皆の顔を見回す。 くしゃくしゃに顔を歪ませて、零瑠は笑う。]
(123) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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みんなのこと、だぁい好きだよっ。
[こうして、都零瑠は14歳の誕生日を迎えた。 13の祝い、12の祝い。
混ざっている事にも気付けず、夢は終わる。**]
(124) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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[手首をつかまれた―鋭い爪が肌に食い込んでくる]
バカッ 人探し中なんだ 邪魔なんだよ!
[吸血鬼のニの腕から切り落とし。 アーミーブーツで思いっきり胸を蹴る]
死んじまいな!
[鋭い刃で撫でるように切りつけるだけで シュウゥゥという息を吐いて鬼は倒れた]
(125) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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うん。俺にもお前は一番の友達だよ。
[その一瞬は昔と同じ笑顔を浮かべた。 生きてまた会うために屈辱の選択をしたんだ]
サミィ。お前が誰かに殺されるくらいなら 俺が殺してやるよ。
[その九節鞭を見て間合いを測り また乾坤圏を構えた]
俺はお前を殺せるよ。 …逃げてくれないなら殺さないといけないからさ。
(126) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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このくらいでやられるなんて雑魚だね これだけの大人だ、きっと指揮してる鬼がいるはず
[辺りをぐるりと見渡す。人間と吸血鬼が血を流しながら入り混じり戦っているその向こう側]
直円にぃ
[間違えようのない顔がいた]
(127) 2014/02/10(Mon) 20時半頃
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うっせえ……。
[そのにやにやわらいは一瞬過去のものと被ったが……]
おでは、お前に殺されでもやんねぇ……。 殺されでたまっがよ!!
[もちろん、その後も自らから、出る真似はしない。 リーが攻撃すればその武器を叩き落とすつもりである。
そののち、ホリーを一瞥すれば、 全力で逃走を図る**]
(128) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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―現在・駐屯地端にて―
[彼方此方で闘いの音が聞こえる。 気のせいだと、思い込みだと思おうとしたのに……。
確かな笑みは、零瑠に向けられたもの。零瑠だけに――>>56]
(129) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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直円にいちゃーん!
[行方不明といっても、 あの事件で殺されてしまったと思われていた 連れて行かれたとしても餌にされるしかないと聞いていた。 でも生きているかもしれない。直円なら…。 私と違って頭のいい兄ならばきっと逃げて生きているんじゃないか、どこかでそう信じたいと思っていた]
まどかだよ! ねぇ にいちゃん まどかだよ!
[喧騒の向こう側へむかって大きな声で叫ぶ]
(130) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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あらあら、逃げるだなんて。
[くすくすと笑いながら見送るが、追撃する気もあまり無かった。 理依を労うように声をかけた。]
お疲れ様、昔の仲間相手に毅然と攻撃する態度。 立派だったわ。
それじゃ、あたしの護衛はもういいわ。 また適当に獲物を探しなさい。
そうね、守護部隊の首でもいくつか取っていらっしゃいよ。
(131) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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行くぞ、柊。
[場を変えようと明之進を促す。 もっともっと――…戦わねば。
駆けながら悲鳴を増やす。死体を増やす。助力をと辿り着いた先には――]
(132) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/10(Mon) 21時頃
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さすが、直円にぃ しっかり逃げてたんだね。
他の子は? まゆちゃんはリッキィは? 明お兄ちゃんも一緒だよね 零露にいちゃんは?理衣君はどこにいるの?
[バイクを置くとするすると戦いの合間を縫い 直円のそばへと駆け寄っていく ――もし、行く手を遮る鬼があれば 容赦なく刀で切り裂き血を浴びながら]
(133) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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[その場から走り去ったサミィの後姿を追うこと はない。命じられたのはホリーの護衛であって、追撃じゃない]
…生きててくれた…生きてて……
[ただただそれが嬉しくて 同時に大きすぎる隔たり…人と鬼という関係に涙が滲む。 彼を見て、亡くしたと思っていた感覚がまた戻ってきたようだ。
ホリー>>131を一度睨みつけると、 何もいわずにその場を後にした*]
(134) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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[退路確保の目処は立った。 機動力で上回る機動隊が地理でも有利を奪ったのだ。 退路の制圧は時間の問題だろう。
絢矢は東端の戦陣を離れ、 周達の元へ戻るべく踵を返す。
そこへ──>>130]
…────っ
[勢い良く、絢矢は振り返った。]
(135) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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―陸軍駐屯地・指令所付近―
――分かった。後ろは頼む。
[>>45絢矢の目配せに頷き、涼平を追い、 一番の激戦地となっている駐屯地指令所の方へと駆け出す]
邪魔だ、邪魔だ! どきゃあがれっ!!
[長ドスから鞭剣へ変幻自在に姿を変える『夜刀』と練り上げた歩法を駆使して、群がる鬼の群れをいなす]
涼平!! 突っ込みすぎだ! 戻れ!
[戦場で張り上げる叫びは、涼平の耳にとどくだろうか]
(136) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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円、駄目──!!
[円の見立ての正誤は知らねど もし、正しければ──
────否、正しいのだろう。
絢矢は、その声、その顔、その喋り方。 ひとつとして忘れたことなどないのだから。
予兆を振り払うように足を止めたのは その先に待ち構える哀しい運命を 絢矢は既に“識って”いるから──。]
(137) 2014/02/10(Mon) 21時頃
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[取り戻した記憶の中の──、
──父を追って屋敷から消えた母の。 戻って来たその腕に抱かれた 父の頭部を愛おしげに撫でる母の。
長い睫毛に縁取られた瞳の真紅を───。]
(138) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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ふーん。 思ったより善戦してるじゃない。
それとも、弛んでたのかしらね。
[また、配下の吸血鬼が何体も倒されていく>>136のを感知していた。家畜に倒された事に嘆息しつつも。 実際にはそこまで痛手では無い。
何故なら――彼女が育てた雛はそこかしこで開花している。 これならば、次の世代も攫って育てた方がよほど良いではないかと。]
(139) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[成長し、翼も爪も狩りも覚えた彼らは もう雛とは呼べぬ動きを見せていた。
次々と広がる血潮と悲鳴が心に染みて好い]
そうそう。 少しは小賢しいところを見せてくれなければな。
[優秀なブレインがいるのだろう。 劣勢の全体から一部の有利を生もうとする動きが 使い魔から届く。 わざわざ目立つ地に足を置いているのは、余す所無く 愉しむ為だ。 例え情報が伝わるとしても>>78、隠れもしてないのだ。 彼がもっと近くに寄っていれば、 視線を合わせる位はしてやったのだが]
いよいよ愉しくなってきたようだな。
[ホリーが動く気配に牙が光った]
(140) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[>>137制止する声
直円へ近づく足を一歩とめて なぜというふうに 首を傾げて、絢矢の方を振り返る]
(141) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[払っても落ちこれない刀身の血糊を、倒れた男の服で拭う。 『涼平』と―――>>136 呼ぶ声が近い。
まだ息のある、その軍人の。耳を削ぎ落とした。]
(142) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[基地の中枢とも言える指令所は既に陥落していた。>>77 逃げ惑う兵士達に押され、涼平を追うどころか前進すら儘ならない]
……ちっ。仕方ねェ。ここで防御線作るぞ。
[付近にいた仲間達に呼びかけ、兵士達の撤退支援と 涼平や先行した隊員たちの為の橋頭堡作りの為、指令所前の広場で足を止める]
死にてえヤツから、かかって来い!
[雄叫びに呼応すかの如く、 鋼糸で繋がれた双児の鬼と、大兵肥満の鬼がゆらり近づく]
(143) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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[あっさりと機動力の優を手放し 無防備に近付いてゆく円と鬼の──、
──直円の前に、絢矢は無理やり躍り出た。
円を庇うように漆黒を閃かせ、 近付く直円を牽制する。]
…──駄目。
[視線に、答えることが出来ない。
直視したくないものがそこにある。 識って欲しくない現実がそこにある。]
(144) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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………おや、優雅だな。
[溢れる異形の気配に、動物どころか虫すら沈黙するのが 当然の戦場で。 ひらりひらりと時と場所を忘れた様に、白い蝶が飛ぶ。 渡りにはぐれた様に、生きる時を間違えた様に。 それでも懸命に飛ぶ白は。 眼下で戦う家畜達のシンボルカラーの様だった]
だが哀れな。
[ふらりふらりと通り過ぎようとした白い身体は。 右手の中、砕けて消える]
まさに貴様達の様では無いか?
[砕かれた白は風と共に、予言の様に戦場に降った]
(145) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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これが貴様達の運命だ。
[砕いた白と共に、堪え切れぬよ様に嗤いが響く。 その声を聞ける者は果たしていただろうか]
(146) 2014/02/10(Mon) 21時半頃
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