84 戀文村
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[宙を泳ぐ手に、首から手を離した。ほとんど、無意識だから。
やはり悔いが残る。 言わなければよかったと。だが言わなかったとしても、 やはり悔いは残るだろう。言っておけばよかったと。 だから、そのわがままに付き合ってくれた彼女に礼を言いたいのは…こちらだった]
"君が居た時間のなんと貴い事か。 君と居た時間のなんと優しい事か。 それが永遠なら、自分はどんなに嬉しいか。 そう知っていたら、打ち明けはしなかったと思う"
"自分のわがままを聞いてくれてありがとう。 非道いと知って、伝えた事を、どうか赦して欲しい。 打ち明けると決めた以上、いつか別れる前に、 君に知っていて欲しかった"
(45) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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―本屋―
ああ・・いたいた。こんにちは。 窓、塞いだんだ。
[気がつけば結局ここにいる。何も変わらないようにすら感じる、この場所に] ・・約束してたでしょ?ヤニクさんと、ベネットと、ダーラさんの店に行くって。・・夜でも駄目なら、無理にとは言わないけどさ。
あ、私はもう大丈夫。エリアスの分も・・もう少しだけすればきちんと背負えると思う。お酒に逃げるわけじゃないよ・・多分ね。
[そう言って、店主に尋ねた]
他の人達もいるかもしれないけど・・・どうする?一緒に来る?
(46) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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ミッシェルは、向ける声は、努めていつもと変わりなく**
2012/03/29(Thu) 16時頃
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……ナタリアさんも、多分ブローリンさんのこと お孫さんに重ねていると思うけどわ。
[書かれた文字に、小さく笑む。]
少しね、似てるの……。 でも、似ていないところもいっぱいあるけど。
[伸ばした指の先で、首に触れていた手が落ちた。 だから、女も手を戻す。]
今がなかったら、くれなかった想いなら だから、よほど、ありがとうと思うの。
ありがとう、大好きよ。
(47) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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[再び書かれる文字に、大好きと返す単語に、 細やかな感情はあえて含めない。 それは、ふっと思った、もしこれが戦火の中でなかったなら、 ヤニクに、ブローリンに、自分はどう返しただろうという想像故に。 きっと、セレストに相談しただろう。 自分の家に招いて、朝まで語ったかもしれない。 答えがでなくて、姉やヨーランダやダーラやミッシェルにも、 相談して……。
けれど、そのIFはないと判っている。 きっと、そんな世の中であったなら、 2人も自分を誘ってはくれなかっただろう。 出会ってもいないかもしれない。 だから、今の自分の感情を掘り下げることもしない。 どちらにしても、姉と幼い日語った幸せな未来はないならば、 そこに戀という感情があれば哀しいだけだから。
けれど……。]
(48) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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謝らなくて、いいの。 でもね、私も、酷いと思ってて ブローリンさんに言いたいことがあるの。 いっても、いい?
[彼が我儘を1つ請うたように、女もまた1つの我儘を請う。 それくらいは、泣く代わりに、許して、と。 ブローリンの隠れて見えない、青を伺う。]
(49) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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ブローリンは、クラリッサに、静かに頷く。
2012/03/29(Thu) 16時半頃
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ブローリンさんが、先に此処を出ることがあったら 私は『いってらっしゃい』と言うわ。 だから、私が先に此処を出ることがあったら 貴方も『いってらっしゃい』と言って欲しいの。
……『おかえり』と『ただいま』と、言えるように。
[頷きを得て、話の流れから、死ぬ気でいるだろう相手に願うこと。 それは、皆に願ったのと同じこと。 また此処(この村)で会いましょう、と。]
その時に、ブローリンさんのハンカチ、返すわ。
[この村の出でない彼に、この言葉は合っていないのかもしれない。 でも、その言葉を向けたいのだと。]
(50) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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クラリッサは、ね、酷いでしょう?と、微笑んだ。
2012/03/29(Thu) 16時半頃
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[そう、思ってくれているだろうか。きっと戦場に往く事まで重なる。 そう思ってもらえる事が嬉しく、哀しい。 受け入れられても哀しく、拒絶されても悲しい。 だが後者なら自分だけで済む。 伝えなければさらに相手は傷つくまい]
……
[自責してばかりだった。 同時に、これほどまでに自らを責めたくなるのは、 この村が、村人達が好きだからだと自覚している。 していても、誰も救われない感情ではあるが……。 彼女の言葉に、気恥ずかしそうにも、悲しそうにも見える微笑を見せる。 もしも自分がこの村にもっと早く…もっと違う形で…。 そんな、詮無い事を一人、思う]
[彼女の問いに、頷いて、その言葉をじっと聞く]
(51) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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[困ったようにも、驚いたようにも見える表情を閃かせる。何事か、口を動かす。 唇を丸めるようにして、意思を伝えるためにペンを走らせる]
"君が往く事があれば、さようならと送るつもりだった。 自分が往くのならば、村を頼むと伝えるつもりだった。
"喋る事ができなくなって、それでも通じ合えていた友たちを失って、 一人のどかな村に居て、自分は死に場所を探していたのかもしれない。 そう、思っていた。"
[ペンを持つ手を握り締めるように、続ける]
"今君の言ってくれた言葉でやっと分かった気がする。 自分はどこかに還りたかったのだと。
自分はこの村を愛している。 君の居るこの場所を愛している。 この村を愛する、君を愛している…"
[ともすれば、泣いてしまうのではないか。そんな懸念から、深呼吸して]
(52) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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"自分も、ここに帰って来ていいのだろうか"
[そう書いて、中央に線を引き打ち消す。 そして書き足していく]
"どんな形になっても帰って来よう。 どれほどの時が過ぎても待っていよう。 君に伝える為に、君に迎われる為に。 君を迎える為に、君に伝わせる為に。"
[紙を差し出した手、受け取って貰い、 そのままその手を、彼女の頬にゆっくりと伸ばした]
(53) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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[じっと書かれる文字を見る。 書くという動作は、喋るという動作よりも時間がかかる。 それが、もどかしいといったような手も視界に入った。]
少なくとも、私は待ってるわ。 それこそ、どんな形になっても。 その為に、どうなっても戻ってもくるわ。
[差し出された紙を受け取り、先ほどの紙と合わせて持つ。]
この村も、貴方が愛した村ならば 貴方を拒むことは、きっとない。
[軍人を厭う気持ちが村人の中にあったとしても、 それを上回る気持ちがあったから、愛してくれたのでしょう? と、それは言葉にはしないけれど。]
(54) 2012/03/29(Thu) 17時頃
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……結局、泣いちゃったわ。 ダメね、私。もう、泣かないって決めてたのに。
[頬に伸びる手。触れるならば、伝う*雫ひとつ*]
(55) 2012/03/29(Thu) 17時頃
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ー見知らぬどこかー
[村を出て、どれ程経ったか。 気がつくと、見たことのない光景が。
明るい光に満ちた場所だった。 魂だけになってしまったこの身には分からないが。
多分、春のように暖かいのだろう。
咲き乱れる色とりどりの花が溢れていた。 香りが分からないのが、悲しかった。
その片隅に、ほっそりとした人影がひとつ。 うら若い女性のようだ。 彼女はこちらに気づいたようで。 ふたつに結った栗色のおさげを揺らして振り返る。
その顔はあの写真の……。]
(+11) 2012/03/29(Thu) 17時半頃
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[死を感じてから、意識が途絶えるまでの間は酷く長く感じられた。 痛みは感じない。 思うのは村のこと。 残してきた母と姉と。 きっと泣いているだろうクラリッサと。 会いに良く勇気をもてなかった本屋のことや、果たせない約束を交わしたダーラ。 手紙を出す暇もなかったこと。
ホレーショーが、どうして思いつめていたのかを知って、その不器用さを想う。 見送ってくれたブローリンがくれたお守りも、こんな死に方なら、大事にしまっておけば良かった。
母や姉の元に、死の知らせが届かなければ良いと想う。 反面、死んだことを知って、泣いて、立ち直って欲しいとも、希った。 そして意識は途絶え――]
(+12) 2012/03/29(Thu) 17時半頃
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― エリアスの自室 ―
[主のいなくなった部屋は、すこし物悲しい。 たくさんの本が詰まった本棚と、小さな机。
机の引き出しには、貰った絵を仕舞いこんだ箱が置かれたまま。 戦地には持って行かなかった。 部屋からなくなっているのは、旅立つ前日、貰った絵。 それと数着の衣服と、本屋で買ったばかりだった「とある結社の手記」。 それ以外はそのまま残されている。
――そして、帰らぬ主を、待っている**]
(+13) 2012/03/29(Thu) 18時頃
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[ブローリンとクラリッサのやり取りを見ていた]
……あぁ…二人を引き裂かないで……
[恋が出来なかった自分の代わりに、 クラリッサにはせてめ、幸せにと願う。]
クラリッサ…あなたに私と同じ体験はしてほしくない…
[心清らかなクラリッサには余りにもにも似つかわしくない戦場に、送り込んでほしくなかった。]
(+14) 2012/03/29(Thu) 18時頃
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[非道いのはやはり自分だ。彼女の涙すら愛おしいと思うのだから。 きっとそれが彼女を哀しませると知って、こうして話をしたかったのだから。 彼女に渡すハンカチはもうない。冷たい外気の中、手袋越しに分かるはずのない 暖かさを持った頬に触れた指に、涙が通っていく。 頬に触れた手、そのまま、言葉なく、彼女の目をじっと見る。 もしもその目が閉じられたならそっと…… …]
……
[…こうして二人で居るだけでも、厳格な者が見れば懲罰対象だ。 自分は構わない。だが彼女に迷惑をかける訳にはいかない。 髪の一房を、するすると名残惜しげに手のひらを滑らせながら手を引く。 目を閉じ、ペンを取り、紙に綴る]
"ありがとう。君か、自分か、別れがまた来る前に また話をしてくれると嬉しい"
[今日で終わりでない事への喜び。 いつかは終わるのだろうと言う恐怖。 そして、例えそうだとしても帰還を、再会を願う希望]
(56) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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[例えこの村に帰れなくとも、彼女と共に居られるなら、とも思う。 けれどやはり、自分はここが好きなのだ。 待っていて欲しい。待っていたい。 迎えたい場所であり帰ってきたい場所であった。 部外者の自分であっても、彼女が待っていてくれるのなら。 彼女が、帰ってくる意思を持ち続けるのなら]
"ありがとう、クラリッサ。 君のような人と出会えただけでも、今までを生きてきた甲斐があった"
(57) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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[それから何を話したろう。人の…何より軍人の目がある。 ずっと一緒には居られない。 それでも日が傾きだすまでは、たとえ無言でも、座っているつもりで。
彼女と別れた後、分隊長を探し、敬礼を交わす。 そうして、"今夜一緒に飲みに行って頂けますか"と書いた紙を差し出した**]
(58) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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……メアリー?
[写真の姿から、幾分幼さが抜け。 どこか大人びた様ではあったが。 夢見る様な少女の瞳はそのままで。
"こちらをしっかり見つめている。"
もう自分はダーラの手により葬られ。 魂だけの状態のはずなのに。
そんな驚く様子まで見えているのか。 メアリーは真っ直ぐ近寄り、微笑んだ。]
(+15) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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[立ち尽くす自分に向かってくる彼女は。
『ヤニクさん、ですわね?』
まるで生者に語るがごとく。 迷うことなく話しかけてくる。
『ドナルドから聞いてますの。 彼は最後にメアリーのところへ帰ってきて。 ……そして、逝ってしまいましたわ。 「渡したいものは"親友のヤニク"に託した。」 そういい遺して。』
そして、うふふと笑う。]
(+16) 2012/03/29(Thu) 19時頃
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あの……ここは?
[まるで天国のようだが。何かが違う。 あたりをよく見回すと、ガラス張りの小さな建物。
『この温室のチューリップは。 全部、彼……ドナルドが育ててましたわ。』
うっとりと語るその様子に。 一瞬たじろぐが、狂気のようなものはなく。 穏やかで理性的で、どこか包み込むように優しく。 自体を飲み込み切れない彼に。
『メアリーは死んだ方が見えてお話しできますの。 ちょっと……素敵でしょ?』
にっこりと名前に違わぬ聖母の微笑み。 多分、彼女の元に訪れる魂は。 悪しきものではないだろう。 その清らかさに浄化されるか触れられるものか。]
(+17) 2012/03/29(Thu) 19時頃
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長老 ナタリアは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 19時半頃
病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 20時頃
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[刹那驚くも。
『赤いフードの旅人さんが来たら。 それは"ヤニクさん"ってドナルドが。』
その名をつぶやく彼女の瞳はどこか儚げで。 ……同じ、いや自分よりもさらに深い悲しみを。 持っているのだと思った。]
(+18) 2012/03/29(Thu) 20時頃
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― 昔語り ―
[戦地に向かうまでに思い返していた話のひとつ。 それは戦争が始まる前の追憶]
[山奥の村で生まれた一つの命は、未熟児だった。 早産ゆえの未熟。 月満ちて生まれていれば幼馴染の二人とは一つ違いになっていただろう。 母親自体、産後もなかなか体調が戻らなくて、父と、そのときはまだ生きていた父の母親――祖母が手伝ってくれたからこそ、なんとか育ったようなものだった。
そういった話は、ある程度育てば思い出話になる。 けれどこのとき生まれた命は、何が悪いという明確な原因も見つけられず、けれども虚弱とも言えるほどに体が弱かった。
熱を出さない日は無く、元気に動き回った日の夜には熱を出すような子で。 村にいた医者に、長くは生きられないだろうと言われるような、そんな体だった]
(+19) 2012/03/29(Thu) 20時頃
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[それでも、生と死の境に何度も近づきながら、ある程度育ち。 熱を出さない日が長く続くようになってきた5歳のある日。
村の、悪戯盛りの年かさの少年たちが、ちびっこと遊ぶ日。 三つはなれた姉もまた、自分の遊びに夢中になった日のこと。
めったに遊びに参加しなかった、体の弱い子供が遊びの輪に入り。 けれど、仲間についていけずに置いていかれたのだった。 それだけならごく普通にありふれた村の一日だ。 子供ゆえの無邪気さで、一緒に居てもつまらない相手から自然と離れるのは仕方がないことだ]
(+20) 2012/03/29(Thu) 20時半頃
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[無理についていこうとした幼子が、村はずれの雑木林の中で迷ってしまったのもまた、仕方がないことだろう。 戦争が始まる前にはあの場所も、林というよりは森に近いほどに木が密集していた。 5歳児にしては小さい子供が、仲間とはぐれて戻ってこれるような場所ではなかった。
もとより、家の周辺から離れたことのない子供が、一人で帰ってこれるはずも無く。 日が暮れ始めれば、雑木林の中は瞬く間に暗くなる。 そんななかに取り残された幼子が恐怖を覚えないわけがない。 その場に立ち竦み、泣き出してしまったのだった。
当時、子供たちのリーダーになっていたのは村一番の乱暴もので。 ナタリアの孫は、それを諫める側に回ることも多かった。 14歳15歳、そういった年齢の子供たちなら、十はなれた子供の面倒を見させられたり、労働力として期待されもするころ。 それゆえに休みとして与えられた、遊べる日にまで子供の面倒を見てられるか、とリーダーがに煽って逃げ出したのが実情で。
そのとき、傍に居なかったナタリアの孫の少年がそれを聞いて雑木林へと助けに向かった]
(+21) 2012/03/29(Thu) 20時半頃
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[助けてくれたときの少年の顔は憶えていない。 泣き疲れていたのもあり、熱を出していたせいもある。 ただ、しっかりと抱き上げてくれた腕の確かさと、触れた体のぬくもりと。 気を紛らわせるためだろうか、祖母であるナタリアが作る、美味しそうなお菓子の話が記憶に残った。
雑木林で迷っていた話は、まだ大人までには広がっていなかった。 だから家族はただ遊んで疲れたのだろうと思い。 姉もまた気づかぬまま。
そうして村の子供たちとほんの少し溝ができて――かわりに、ときどき、ナタリアの家に顔を出すようになった。 ナタリアをばあちゃん、と呼ぶのはその名残]
(+22) 2012/03/29(Thu) 20時半頃
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[そうして、それが――二十歳になるまでも続くとは。 その時はナタリアも、その孫も。
なにより、そのときの子供も、思っても居なかったのだった*]
(+23) 2012/03/29(Thu) 21時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 21時頃
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− 本屋 −
[あからさまな緊張感>>12をひしひしと感じ、苦笑よりも 破顔に近いものに]
んな緊張しねえでも、取って食ったりしねえよ。 ま、軍人見てイイ顔する奴も珍しいからしょうがねえけどな。 客だ、客。
[店主の様子から、あまり長居はしない方が良いだろうと判断する。 だが店主の勧め>>13に本をパラパラと捲り少し考え込む]
……そうだな、まぁこれだろうな。 気持ちを伝えたくても形式ばらないと表現出来ないって 奴もいるだろうし、無くて悪い事はない。 あんたならすらすらと詩や小説とか書けそうだな。
(59) 2012/03/29(Thu) 21時半頃
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ありがと、これくれ。
[じっとこちらを窺う視線にやはり笑いながら本を差し出す。 会計の途中、ふとミッシェルの事を思い出す]
そういや本の栞になるものってねえの? あったらそれも欲しいんだが。
[村に来て間もない頃、エリアスにミッシェルの仕事を 教えてもらった事を思い出す。 生活費にもならないだろうが、仕事を、親方を、エリアスを 奪った罪滅ぼしの欠片の様に、そして村の想い出として 叶うなら手に入れたかった]
(60) 2012/03/29(Thu) 21時半頃
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あんがと。 あ、何か手伝いとかあったら言ってくれ。 出来る事なら手伝うから。
[彼の態度から軍人と関わりたくないのは判る。 長居すれば村人や他の軍人からもいらぬ噂を立てる事に なるかも知れないと、栞が手に入らなくても 代わりを探す事無く本を手に店を出るだろう。
酒場の女主人と懇意にしている事も密かに知っていたので 本当は彼女を頼むと伝えたかった。 そして彼ともっと話をしてみたかった。 だがどれも出来ずに店の扉を出て行くしか出来なかった]
何やってんだかな、俺。
(61) 2012/03/29(Thu) 22時頃
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