103 善と悪の果実
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[貴族に仕える使用人の子供とは これ程までに教育が行き届いているものなのだろうか。 いっそ不気味に思える程、礼儀を心得た言動に。何故だか――…背筋が凍えた。]
あ、ああ……… 少し、酔ってしまったみたいでね。
おじさんは、ジョセフ、…と。好きに呼んでくれたまえ。
[合間、使用人の控えめな声が重なる。パーティの開幕を告げる、合図。]
……… そうか、一人じゃあ心細いだろう。 失礼を承知で、トニー。 君も、招待客なのかい。
[容姿、服装ひとつにしても 言動を除けば、とても貴族の息子には見えない。 怪訝な顔で尋ね、服を引かれるがまま、頭を垂れる。 ――…そうして、耳を震わせる囁きに頭を打ち抜かれた。 頭が真っ白に塗り潰され、そうして、"楽園"の蛇のような、声>>10]
(52) 2012/09/24(Mon) 20時頃
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―大広間−
鳴らない自鳴器ね……。 あれが『善と悪の果実』か。確かに綺麗だ。
[黄金の芳香が、陽炎のように揺らいで見えるほど 欲望、羨望に満ちた視線が果実に集まっているのを感じる。 錯覚とは分かっていても、幻想的な世界を共有してしまう]
(53) 2012/09/24(Mon) 20時半頃
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どんな構造になっているんだろう。
[数奇者というか、蒐集家達の熱意には瞠目する。 詐欺を行っていた時には、珍しい動植物や鉱物の標本 技巧機関を持つ、手の平サイズの精巧な機工人形など 貴族達の蒐集欲を満たすものをよく取り扱ったりした。 勿論、自分は金銭に代わるものとしての価値 それだけしか見出していなかったはずなのだが]
流石に新聞で謳われるだけのことはあるね。
[不本意ながらも魅せられたのを渋々認める表情で 壇上の周りをくるくると回り、自鳴器を眺めて歩いた]
(54) 2012/09/24(Mon) 20時半頃
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あ……あ………、
君は、此処は、何なんだ。
[青白い顔、得体の知れない何かを見詰めるような、目。 何より、小物が最も恐れている一点を射抜かれたことによる、恐怖心。表情を、挙動を取り繕うのに、また暫く時間を要した。
―――…そうして、出した答えが。]
畜生、 …とことん今日はツイてない。
[YESよりもNOよりも、負け犬の遠吠えで、吐き捨てる。 同じ土俵に居るとも思えない、招かれざる客に一瞥をくれ その言動と裏腹に――…服を握る指先は細い。 いざとなれば、子供の、その細い首も一捻りで。そんな妄想を抱きながら、大広間に辿り着く。
絢爛に輝く金の紙吹雪。 壇上に実る果実も、男の目には、もう。]
(55) 2012/09/24(Mon) 20時半頃
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――大広間――
[散らばっていた招待客の姿が、大広間に点在している。 その視線を一身に受け止める黄金の果実。 妻を出し抜いて目にした栄光の象徴に、男の目は、更に澱む。
子供に握られた服の角度が、何よりも重い。]
……… ッ!
[近寄る闇色>>38に顔が強張る。 ―――ああ、如何答えたものか! 青褪めた顔をハンカチで隠して、目尻だけが柔らかく歪に笑う。冷や汗ですっかり背中が冷たい。 子供が発した"夕闇伯"。それは、燦然たる噂話の中で、男にも聞き覚えがあった。]
… 御機嫌よう、ミスター。 いくら屋敷の中とは言え、子供一人では危ないからね。 それに、連れのいないパーティも味気ないものだから、ね。
[最後は、色黒の少年に、笑みを落とす。]
(56) 2012/09/24(Mon) 21時頃
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チッ。
[未知の構造とか、そういった物に惹かれる柄じゃない。 こんなところで涎を垂らして宝石箱を覗き込んでいる自分が 餌を口開けて待つ雛鳥のような、途轍もない阿呆に思えて この時ばかりは、舌打ちを抑えられなかった]
あー、ミスター?
[分厚い絨毯に吸われた男の足音は、殆ど聞こえない。 壇上の傍から静かに退くと、 少年に裾を掴まれた背の高い男性>>55を見かけて声を掛けた]
調子は良くなった? 奥さんと仲直り出来ているといいけど。
[ただ、様子を見る限りでは、妻らしき人物は傍に居ない。 金の紙吹雪が降った後の其処には、 窓越しに見かけた色黒の少年と紫水晶の紳士が居た]
(57) 2012/09/24(Mon) 21時頃
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―回想―
[>>24声を掛けた青年がこちらに振り返り。 唐突な美辞を受けて一瞬きょとんとしたものの その表情はすぐにほころび、 口元に手を翳してくすくすと笑いながら]
ありがとうございます。
[と返した。 オスカーと名乗った青年の『招待客の方』と言う表現から察するに、主催側の方だろうか、等と考えつつ。]
私はコリーンと言います。
そうですわね。 こういう機巧は見ていて楽しいから好きですわ。 詳しくはありませんが、飽きませんもの。
[それ以上会話する間もなく、どうやらメインイベントへの誘導が始まったらしい。 人の流れに乗って、大広間へと足を向けた。]
(58) 2012/09/24(Mon) 21時頃
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[年齢不相応に落ち着いた少年と比べると これまた年齢不相応に、落ち着きのない男が際立つ。 額に浮かぶ冷や汗を拭いながら、漸く笑う口唇を晒した。]
偶然、俺が通り掛かっただけの話です。
………貴方こそ、もっとお近くで見られないのですか。 いえ、本当は見るだけの物ではないのかも。知れないが。
[偶然、といやに強調して返す。 視線が重なることはない。さながら蛇に睨まれた蛙のように。]
(59) 2012/09/24(Mon) 21時頃
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[貴族を、黄金を嫌悪している所為か。 歪なパーティの織り成すどこか澱んだ空気に当てられてか。 壇上の"栄光"よりも、ただただ、年端のいかない少年に竦み、恐れ、どす黒い感情が胃に鉛を詰める。
耳に届く、門前で交わした声>>57 振り向いた顔には恍惚も高揚もない。ただそれは、彼も同じだったかも知れないが。]
ご機嫌よう。 ………君も、もう黄金の果実、は良いのかい。
[遠目にだが、壇上近くで果実を眺めていた後ろ背を、見ていた。 舌打ちがもしも耳に届いていたならば、こんな質問もしないのに。男の耳には足音も、舌打ちも届いていないようで。]
ああ、……… 心配をかけたね。そんなに酷い顔を、していたかな。 ―――妻は病気で、今日は来られないんだ。
[代わりに連れ添う色黒の少年と、闇色。 二人にそれぞれ視線を投げ掛け、ぎこちなく笑う。]
(60) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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―回想―
>>26 気にしないで下さいな。 せっかくの可愛らしい華が欠けていたら、もったいないと思いますもの。
[少女の名乗ったブロワという名前には聞き覚えがあったが、その家の実情までは知るに至らず。]
…ミス・ポーラチュカ、どうぞ宜しくお願い致しますね。
[自身の呼び名については笑顔で了承した。]
勿論。そう呼んで頂けると嬉しいですわ。
[大広間へ向かう途中、ポーラチュカが何か言いかけたようだったので首を傾げて少女を見遣ったが、そのまま口を噤んでしまい、上手く聞き取れないままだった。]
(61) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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―大広間>>56>>59― [強調される“偶然”。 夕闇伯は、相手の目をひたりと見つめている]
ああ……。 先程最前列で堪能してきたところでね。
しかし、特等席にはほど遠い。
……――――いかがされた、 そう萎縮せずともよいだろうに。
[落ち着きのない男へ、 わざとらしく指摘する。 く、とちいさな笑いと共に、だ。]
冷たい飲み物でも運ばせてはどうかね……?
[からかうような色を乗せた囁きの後、>>57もうひとつ、別の声が向けられた。]
(62) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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―邸内―
――――――…はい。 私(わたくし)も、禁断の果実を一目見たくございました。
[己のようなものに招待状が来るはずもないことを、 眼前の男ならば予測できるだろうが。 追及する様子がないことに、ほうと小さく息を吐く。 …まさか彼の方までも、 父の招待状を使って此処にいるとは知らなかったが]
さて、鳴らぬからこそ価値があるのかもしれません。 音を聞いてしまえば、 楽園から追放されてしまうかもしれないでしょう。
[潜められる声に、くすくすと肩を揺らしながら囁く]
けれど。
(63) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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嗚呼、確かに玩具である可能性もありましょう。
実際に触れてみなければ、本質は見えないもの。
[果実へ歩み寄る夕闇伯を一瞥した後、 柔らかな眼差しは男の方へと]
…貴方様が、今宵の宴にいらっしゃったのは意外でした。 あまりこうした御伽噺には興味がないのかと。
[敢えてそんな言い方をして伸ばした指先は、 彼の胸元の刺青に触れるか触れないかで降ろされた]
(64) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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[こちらから声を掛け、振り向いた男の顔には 招待客の多くに見られるような、 一種の熱病めいた黄金の果実への執着が感じられなかった。 おや、と心中微かに驚いて、なるたけ無邪気な声を出す]
ああ、あれね。ついじっくりと見てしまった。 やっぱり新聞に載るだけあって凄いよ。 よかったら貴方も近くで見てみたら……
[果実の周りを彷徨っていた様子を観察されていたらしい。 言葉を途中で切り、瞳だけで笑って。 背の高い男の瞳を、からかう様な動作で下から覗き込む]
いろいろと、気が変わるかもしれないよ?
[くすりと含み笑いを余韻に残し、失礼、と居住まいを正す。 その場でオスカーという名前を名乗った後、名前を聞いて]
貴方の顔色といったら、 そうだな……刑場に曳かれる罪人の様に青ざめてたよ。
(65) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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[一拍置いて、思い出したかのように付け加える]
勿論、冗談だけど。 奥様の病気が早く治るといいね。
さっきは少し揉めただなんて言ってたけど、 奥様がご病気なら、労わってあげようよ?
[ぎこちない笑みに合わせる様、 冗談ですよ、とおどけた仕草で笑みを浮かべた]
(66) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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―>>21>>23の後、大広間にて―
[『善と悪の果実』に見入って、どれほど時間が経っただろうか。 一瞬だったような気もするし、 とても長い時間だったようにも感じる。
まだまだ果実を見ておきたい気持ちではあったが、 そう言えば共に大広間へやって来たポーラチュカは 何処にいるのだろう、と考えるに至り、周囲を見回す。
…少し離れた後方で、壇上を見詰めながら溜息を零す ポーラチュカの姿が目に入った。 黄金の果実に後ろ髪を引かれる思いをしながらも、 目を閉じれば焼き付いているその輝きで自分を納得させ、 少女のもとへと歩み寄る。]
(67) 2012/09/24(Mon) 21時半頃
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―大広間>>65―
おや、……奥方が臥せっているとは。 このような特別な日に――勿体無い、いや 残念なことを……。
[青年と怯えた男のやり取りに、 するりと感想を滑り込ませる。 男の青白い顔は、なるほど薄暗い世界で始めて手を染めたものが見せるそれに似ている。 ――そんな感想は、おくびにも出さぬまま。
さて、この黒色を主とした青年の物腰、どこぞで見たか、と記憶を探る。]
(68) 2012/09/24(Mon) 22時頃
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綺麗な紫水晶ですね。
[傍に居た夕闇伯>>62にも声を掛ける。 果実が据えられた壇上の傍、 手に持ったオペラグラスが印象的だった人物だ。 あしらわれた紫水晶が、煙るような雰囲気に良く似合っている]
どうされました?
[記憶を辿られている様な気配。視線の配り方。 僅かな振る舞いから感じたのは気のせいだろうか。 少しの警戒心と居心地の悪さから、微かに身じろぎをした]
(69) 2012/09/24(Mon) 22時頃
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( 禁断の果実を前にした、蛇の集まりか? )
[色黒の少年、闇色に続き、濡れ羽色の青年。 異色な顔ぶれに小物はすっかり竦みあがり、その印象を得る。 ――― ならば、その果実を手にする女主人は。]
貴方から見ても、素晴らしい物なのですか。あれは。 特等席……… 矢張り、鳴らないのか。
[>>62本来、オルゴールとは見るものではなく聞くものだろう。 庶民の印象を語るも、指摘されれば更に、蛙は竦む。 返す笑みも如何しても不恰好で、ぎこちない。]
ああ、ああ、いや、咽喉が渇いた所為だろうな。 此処はどうにも暑くていけない。 ――君、君。
[帽子の鍔を落ち着きなく整えながら、使用人を呼ぶ。 随分と迷って結局水を一杯頼み、彼は何か、と視線を向けた。]
(70) 2012/09/24(Mon) 22時頃
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―大広間―
[>>30ポーラチュカの傍に戻った後、 門前と…テラスでも見掛けた男性がやって来た。 ごきげんよう と、こちらも笑顔で一礼して、挨拶に答える。]
私は先程、ここより少し近付いて見てきた所ですわ。 神秘的な輝きに吸い込まれそうでした。
もっと近付いて見ることが出来たら、というのは… つい、思ってしまいますわね。
今、この場に来るまでは、本当に一目見ることが 出来るだけでも良いと思っていましたのに… 一つ願いが叶ったと思えば、既に次の願いが生まれているなんて、我ながら我侭なものですわね。
[自然と差し出されたカクテルグラスを両手で受け取り、]
お気遣いありがとうございます。頂きますわ。
(71) 2012/09/24(Mon) 22時頃
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―大広間―
―――…私は、もう少し近くで見物して参りましょう。
今宵、禁断の果実を瞼の裏に焼き付けて。
手を伸ばしたいという欲が起こらぬ様に。
[男を覗き込むようにして、口端に微笑みを浮かべて。 学者はゆっくりと、"林檎"の飾られた壇上へ近づいていく]
(72) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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[青年>>65が表面上に映す、無邪気な色に 一種の安堵と、底知れのなさを感じる。 夕闇伯へと、気軽に声をかける姿から汲み取ったのかも知れない。
―――…男の浮かべる顔と言えば青白く 双眸の青だけが、執着とは違う、芽生えかけのなにかを点していた。そう、例えば、誰かに対する悪意。]
俺は……ああ、この子が近寄りたがらないものだから。
君にとっても、素晴らしい物かい? あの果実は。
[夕闇伯に向けたものと同じ問いを預け 此方を覗き込む目の色に、少しだけたじろぐ。 ――…ああ、今日は如何にも年下に茶化される一日だ。]
気が変わる、とは……気分転換になる、という意味かい?
[そして、お互い名乗っていなかったことを今更思い出して、最早突き通すしかない偽名を、彼に明かす。]
(73) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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―大広間>>69―
嗚呼……ありがとう。これは気に入りでね。
[指先で紫水晶を撫でながら答える。 大広間の明かりを映しこみ、 深い色をいっそう際立たせている。]
なに、知り合いから伝え聞いた誰ぞに 君が似ている気がしただけでね。 まあ、些細な話だ……
[グラスを傾け、視線を林檎のほうへと再び向けた。 怯えた男の抱いた感想どおり、 群がるのは知恵の実を求める御伽噺のようでも、ある。]
(74) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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魔性だな、あれは
[>>70 林檎を見たまま、答えた。 唇の端は再び上がる。]
歌わぬならば歌わせてみたいものだがね……
(75) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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ッ!?
[過剰に示す、反応。 思わずと言った態で、色黒の少年に目を落とす。
ここで、早まって妙な一言を告げなくて、良かった。 ――間を置いて撤回された"冗談"に、あからさまな安堵を見せる。]
はは、は……… 君の冗談は苦いな。 ちゃんとベッドで休ませて来たよ。
毛布を引き摺ってでも此処に来たい、顔をしていたからね。彼女も――…運が悪い。 それに幸い、学者殿に薬を相談する約束だ。
[口約束でしかないだろう、それも藁にも縋る思いで付け加え。 水を受け取る為使用人を呼びつけた際、彼も何か入用か、目を向けた。]
(76) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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[ゆらりゆらりと壇上へ近づく白い影。 周囲の喧騒も、何処か遠く。
人の波と擦れ違う折、 被っていたフードがぱさりとはずれた。 艶褪せたストロベリー・ブロンドが背に靡く。 露わになった髪の右横には黒い蝶の髪飾り。 学者の身分とは不相応に、 それは繊細な造りで高価を伺わせるものだった。
昔から身に着けていたものだ。 かつての仕事仲間の彼には、見覚えがあるかもしれない。 其れは彼の時計と同じく、時を経ても褪せることなく――]
(77) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/09/24(Mon) 22時半頃
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―大広間―
[>>34怖い、という少女の言葉を受けて、会場内を見回してみる。 …たった一つの禁断の果実に集う、人、人、人。 己もその魅力に強く強く惹きつけられている一人ではあるが、 ポーラチュカのその感想を、おかしいとは思えなかった。
>>37テラスで風が運んできたものと同じ名前を、 改めて本人の口から聞いて]
自己紹介もまだでしたわね。失礼致しました。 私はコリーンと申します。 どうぞ宜しくお願い致しますわ。
[同伴かと言う問いにはポーラチュカが答え>>40 親しみを込めて名前を読んでくれる少女を、 愛おしげに見詰めた。]
(78) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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[そうして、妻の話題に一区切り付いたと思いきや 夕闇伯>>68からも掛けられる声に、ハンカチを持つ手に、力が籠もる。 彼の静かな声は、心臓まで竦み上がるのだ。]
はあ………
[額の汗を拭う、間。]
しょ、招待されたのは妻でして。 土産話をたんと持ち帰る約束なんですよ。
[勿論、そんな約束などしていない。 嘘の上塗りに齟齬はないか、頭を巡らせるのに男は必死で、綺麗に隠された彼の感想に気付くことも、また。]
(79) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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[不思議な色だ。 彼の青い双眸を見つめたときに湧いた感想。 どちらかと言えば、自分がよく知っている世界に似て 少し違う、その少しが決定的な隔たりになるのだろうか]
実は美術品や芸術品も少し扱ってて。 その観点から見れば、金銭的な価値は凄そう。 素晴らしい物を見れたという感動も、勿論あるよ。
[取り扱う芸術品など、勿論ただの贋物。詐欺の小道具。 自分にとっても、と聞かれればはぐらかす様に答え]
そうだね、気分が変わってしまうかもしれない。
[男性の心中こそ知らず、僅かに真剣味を帯びた声で纏めた]
(80) 2012/09/24(Mon) 22時半頃
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惑わされましたか。
[夕闇伯>>75に、とつり、脊髄反射だ。]
そもそも、あれは本当に歌えるのかすら。 あるいは――… 歌うのは主人の前でだけ、か。
[ともすれば貞淑な妻のようだと 情熱が今ひとつ足りないからこそ、渇いた声で。]
(81) 2012/09/24(Mon) 23時頃
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