240 なんかさ、全員が左を目指す村
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― 当日 ―
[前日は愉しみすぎて眠れなかった、どこのガキだよと自分でも頭を抱える。 だが、男を孕ます事が出来る、それがどれだけ歓喜あまるかわかるまい。
親父に告げれば凄く羨ましそう且つ、 悔しそうな顔をしていて何故かドヤ顔をお見舞いしてやった。 確りと朝食をとり、今日は珍しく米を食った。
まむしドリンクをひっそりと鞄につめたのは後先の事を考えた万が一の手段。 そういう施設なだけあり、色々置いてあるだろうという安易な考え。 生憎難しく考えられる頭は持ち合わせていない。
そんな事を考えていたら目の前に見えてきた施設。 特殊施設《HOME》と呼ばれる所。 思わず口許を緩ませながら足を進めた。*]
(45) 2015/11/10(Tue) 23時頃
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[しっかりと施錠を済ませ、多くもない荷物を背負い。 自ら築き上げて来た仮初の夢を背にし、目的地へと闊歩する。
鬼が出るか、蛇が出るか。 結局のところ、機械が体に入らなければ何だって良い。
BL計画には、有名な劉コンツェルンの息が掛かってると聞く。 今回の計画にどれだけ資金を注いだかは知らないが、>>24 真っ当な衣食住と、ついでに何かの報酬でもくれないものか。]
新しいエスプレッソマシン……、 珈琲豆も、もうちょい質の良いのが欲しいな。
[咥内で戯言を転がす間に、野を越え山を越え――否。 極普通に公共機関を経由し、手紙に示されていた施設に着くと 静かに、そのチャイムを無骨な指が押し込む。]
(46) 2015/11/10(Tue) 23時頃
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え。地球保健機関は隣? こっちじゃない?
………………失礼しました。
[出鼻をくじかれるどころか、酷い粉砕骨折だ。 最初からこちらが目的地だったと言わんばかりの足取りで、 今度こそ、ちゃんと、地球保健機関の施設に足を踏み入れた。*]
(47) 2015/11/10(Tue) 23時頃
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うっわ。また隣り高笑いしてる…
[朝夕時間を考えずに大きな声で独り言を言ったり高笑いしたり。 やっぱり厨二病って分からないな…と軽く顔をひきつらせながら。 合計6個の段ボールは業者に任せて、手荷物はパーカーと同じ青いメタリックなキャリーひとつ。]
――― あ、けーいち? 俺。部屋の片づけ終った。 鍵はポスト入れとくから、あとよろしく。
[階段を下りながら、泥棒猫の部屋に転がり込んだ元カレへ電話する。 とりあえずその、鼻の下伸ばしきった顔やめろ気色わりー。]
あ゛? ゴミ出し? そんなのするわけないじゃん。 ヤだよ、俺もう家出ちゃったし。
[むしろ腐って異臭を放てばいいと思って冷蔵庫のコンセントも抜いてきました。ざまーみろ。]
(48) 2015/11/10(Tue) 23時半頃
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―――え? なんか蛙が潰れみたいな声が聞こえた? あー、それお隣じゃない? さっきまでいつも通りの高笑いしてたけど。
で、部屋の話しなんだけど…
………はぁ? 一人じゃ片付けできないぃっ?! んなの世話好きで可愛い彼女に手伝って貰えばいーだろが阿呆!!!
[ブツっと一方的に会話を切って、そのまま着信拒否に番号を登録する。 熱が冷めるってこういう事なんだろうけど。 あんなのと一年も付き合ってたのかと思うと、本気で馬鹿みたいだ。]
あーあー!くっそ、時間の無駄じゃん。
[アレ(元カレ)も、コレ(BL計画)も。 イライラをぶちまけたくて無性に絵が描きたいのに。 どれもこれもが邪魔で邪魔で煩わしい。]
(49) 2015/11/10(Tue) 23時半頃
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[自分にバライラ因子があったのにも驚きだけど、そもそも子供が欲しいと思ったこともない。 産まれてくる子供だってこんなのが親とか絶対嫌だろう。 だったらもっと、母性本能溢れる男が母親役をやればいい。]
しかも生むってことは抱かれろってわけじゃん? うっわやだよ俺。絶対やだ。
[同棲中はずーっとネコだったのだ。 元カレなんて縛りが無くなったのなら好き勝手したい。 第一ネコなんてやったらここ一年の夜の記憶までぶり返してきそうで、想像しただけで悪寒と一緒に鳥肌がたった。]
しょーがないから《HOME》には行くけど。 ネコとか絶対ヤりたくない…。
[だったらヤることはひとつ。 ぐっと拳を握って、今後の決意をひとつ固めた。*]
(50) 2015/11/10(Tue) 23時半頃
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[さて、数時間後の社長室では。
一通の封書を見つけたことで、地の底だった機嫌は天の上へ。 急遽、予定していた先の会食や出張スケジュールを全て白紙にするよう秘書に奔走させ。 手持ちの案件を手際よく部下に押しつけ…もとい割り振りながら。 口元を緩ませ鼻歌を歌いそうになるのを、慌てて咳払いで誤魔化し。 ここ数年で鍛え上げた面の皮で覆い隠した。]
……コホン。 僕もまさかこんなことになるとはね。 だが政府からの要請に応えるのは義務だ。
負担をかけてすまないな、今日は早く帰って支度をする。 後は任せたよ。
[バライラ因子保持者。 まさかそれが、己に該当するとは何と言う幸運。 若くして上院議員の地位に就く、クリストフに肩入れした甲斐もあるというものだ。 政治家に裏があるのは付き物だが。 まさかそこで既に様々な思惑により、阿鼻叫喚が生まれていることは知る由もない。>>37>>43]
(51) 2015/11/11(Wed) 00時頃
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[祖父にパーティに連れ回され、その気もない異性をどう柔らかくお断りするか悩まなくて済むかもしれない。>>40
常にネタに飢えているマスコミに「結婚間近か!?」などと無駄にでかい煽り文句をつけてゴシップ一面にされたりした背景にも、祖父が一枚噛んでいるのはわかっている。>>39
要は、曾孫の顔を見せることができればいいのだろう。
同性愛者だが、生まれてずっと男と言う性で生きてきた。 それ故に、己が生む側なんてまったく考えもしていないのである。]*
(52) 2015/11/11(Wed) 00時頃
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