25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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―A棟・自室―
「恋い焦がれても月には勝てぬ。 それでも、一目だけでもと欲したんだ」
[黒髪を下ろした「夜光」は灯火に照らされうっそりと哂った。 寵を求めて無理を押し、段を落ちて大きな疵を残した顔。 そうして花ですらなくなったという話。 話す娼妓は背筋の冷えるような気配を纏っていた]
「それでも花におなりよ、一平太。 蕾のまま腐れるよりはきっといい」
[ずっと忘れていた、幼き頃の昔語り。 結び終えた髪を確かめて、首を動かし振り払った]
花に、なりたい。
[それは主を得て成れるものか。それとも]
(647) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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>>@71
ああ、そうだ、おまえ、笛が上手な友達がいただろう。 今回の花祭にはきていないのか?
[淋しげな様子に、ふとそのことを思い出す。]
(648) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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―A棟―
[支度を終えると誰かの声が耳に届いた]
?
[部屋を出れば扉が一つ開いている。 聞こえる声からすればロビンという花の部屋だろうか。 如何したのだろうとそちらに足を向けた]
(649) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 21時頃
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…そういえば、 あの花は起きたのだろうかな…。
[庭の隅で眠っていた目隠しの花を思い出す。 わからぬ場所で目覚めて不便はしていないか、 後で様子を窺いに行くのもいいだろう。
今はまだ頬杖ついて月と庭を眺めたまま、 湯浴み後外へ出る時には今度は髪はちゃんと結わえて*]
(650) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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[鵠と刷衛のやりとりに、 己のことを話し合われている様に、 不安な眼差しを向けていれば――唐突に投げられた言葉。 思い出す、先の笛の音 いにしえのこいうた]
――……ともだち? ぁ……
そう、あの笛の音色は、夜光の――
[物憂げだった面は、小さくほころんだ]
(@72) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 21時頃
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わかっている。
[刷衛の言葉には頷く。 ただ一言でも溢せばその弊害とは。
明乃進に付き添っていく二人を見送り、男はただ立ち尽くす。 主が見つからないと、言っていた花。 幾つか思い付くことはあるが]
…どうなってるんだ、今回の花祭りは。
(651) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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>>@72
そうか。じゃ、友達はいるんだな。 名はなんという。
見つけたらくるように言おう。
[そして、立ち上がる。]
ああそうだ。主のことはもう口にはせぬようにな。 気分がよくなれば、部屋から出ても構わぬ。
[一応、そう告げるが、ちらりと鵠のほうは見た。]
あとで飲み物なども持ってこさせよう。 おとなしくしているのだ。
[そう、これは、明の本当に主を探してくるのが一番だと考えている。]
(652) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 21時半頃
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―庭― ……はあ。
[庭の池を眺めながら盛大にため息をつく。]
……やっぱ俺には色々難しいよ。 ……兄さん……帰ってくればいいのに。
[父と大喧嘩をして自分の力で生きていくと、わざわざ家を出て行った変わり者の兄。家は彼が継ぐ筈だったのだが。]
……俺なんて、兄さんとは比べ物になんないし。似てるのは顔だけだし……
[水面に映る顔を見ようとして乗り出したが鯉が跳ねて水面が波打つ。また小さくため息をついて――立ち上がる]
(653) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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ばかっ、どうだっていいだろ! そんなことより、足…っ
[深く突き刺さった硝子 足からは滲む朱が見えた 白に染めた我が身をひざまずかせ 足元へと顔を寄せる]
俺は硝子避けてるから、大丈夫…。 まず、靴より足の手当てしなくちゃ。
[硝子の刺さる足へ 伸ばした手はまた払われるだろうか 溢れる朱に近付ける唇は 触れるに叶わぬままだろうか]
(654) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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呉服問屋 藤之助は、始末屋 ズリエルの目配せに頷く。思わしげな表情をしながら。
2010/08/02(Mon) 21時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 21時半頃
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―A棟・ロビンの部屋前―
慌てた声が聞こえたけれど、何かあったのかな。
[部屋に踏み入るまではしないが中を覗き込もうとした]
(655) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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―ロビンの部屋―
[部屋へ向かう足音ひとつ その足音は扉から中を覗き見たろうか]
ねえ、ロビン…。
[端から見れば、まるで ひざまずき足元へ接吻けを落とすような 忠誠を誓う行為のような そんな、様を]
(656) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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名は――、名は夜光、
元々の名も、わたしは好きなのだけれど、 そのような名になったから……
[名を変えた直後は、よく呼び間違えていたことを思い出す。 けれど立ち上がる刷衛が姿と、口にするなの言葉。 灯りの下では紅の増す、黒い瞳は不安げなまま]
あるじさ……
[言いかけて、口を噤めば俯く。 傍らの鵠には、おなじくちら、と眼差しをやる]
――…ここで、大人しく、しております。 鵠殿も、花祭の準備などありますでしょう? 主様の言いつけどうり、こちらで休んでおりますから……
[案じられるばかりの己が身に、厭わしげなため息をひとつ落とした。]
(@73) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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−本邸廊下−
…。
[適当に捕まえた侍従に持って来させた書面を前に男は溜息をつく。 そこにあるはずのない名前が、載っていない]
(どういうことだ)
[ピン、と指で紙面をはじきながら溜息を一つ。 全員分の名前は把握できたけれど、そのかわりとばかり。
侍従にも確認したが、これで本当に全員だと言うなら]
…何処かから、攫ってきたのか。 あの脂大福。
[そんな発想になった]
(657) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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―A棟―
[見えたのは、額ずいて誰かの足に接吻けるような姿。 周囲に散るものが何かはよく見えていない。 花の部屋にやってくる主はいるのものか。 無いとは言い切れないだろう]
…失礼致しました。
[如何にも自分は間が悪い。 慌てて頭を引っ込めると、廊下に戻り背を向けた]
(658) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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懐刀 朧は、庭から見える新たな人影に頬杖のまま瞳を細める。あれは花か、それとも花主か。
2010/08/02(Mon) 21時半頃
落胤 明之進は、鵠が案じることのないように言葉を尽くせば、眠くはなくとも寝台に横たわる**
2010/08/02(Mon) 21時半頃
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何、誰か居んの?
[その足に接吻けられたかどうか 肌に触れられたかは分からねど 気配を察知すれば逃げ行く人影に声をかける]
なぁ、誰か知らねーけど ちょっと手かしてよ。
[廊下に向かった背に 振り向く...の声は届くか]
(659) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 21時半頃
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[そして、鵠にも再度、すまないと呟くと…]
そろそろ祭りの準備をせねばならんだろう。 鵠も向かうがよい。
[鵠にそう言ってから、自分も部屋を出ようとする。 明が気強く答えるのにはうむ、と頷いて。>>@73]
じゃ、またな。
[そして、出た部屋の客間の名は【椿の間】だった。*]
(660) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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― 自室 ―
足……多分眼鏡かな、踏んだのは。 さっきから見当たらないんだ。
[左程慌てた様子は無く、少年は近づいたセシルに痛みを堪えた笑みを向ける]
すまない、助かるよ。 [足へ伸ばした手を払うことは出来ない。 そこで何が起こっているのか、視界のぼやけた少年にははっきりと映らない。 生ぬるい感触。 混じる第三者の声]
――誰?
[鋭い声を謝罪したものの方へと向ける。 目を凝らす様子は、睨みつけるようにしか見えない]
(661) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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[名簿をたたんだものを、落とさぬようにしまいこむ。 こうして手には再び扇だけが残った。
何事もなかったかのようでも、あった]
…一度、確かめてみるべきか。
[主催の首を絞めてでも確認しなくてはならない]
(662) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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―ロビンの部屋―
手を?
[手伝いの必要があるならと、背を向けた部屋まで戻る]
私は、夜光と申します。 何か必要がありますなら。
[鋭い声に名乗り、睨まれるような視線に背筋を伸ばす。 状況から花主でないかと思っていたり]
(663) 2010/08/02(Mon) 21時半頃
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― 本邸・廊下 ―
[蹲って幾らかして、立ち上がると頼りない足取りで廊下を歩く。 水面の上を歩くかのように、音も無く。 ゆらり、ゆらり。 琥珀は虚ろな色を宿すばかり。]
――――…。
[足は当ても無く彷徨って。 窓の傍を通れば、虎鉄は立ち止まって空を見上げた。]
(@74) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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―本邸・部屋→廊下― ……ああ、
[明之進の言葉に頷く。 実際着ききりとはいかない。]
では、私はこれで。
[頭を下げ、部屋を辞す。 手にしたままの紅椿、あの部屋に生けてもらうかと、くるり、手の内で回した、刹那]
…え
[紫苑色を見開いた。]
(664) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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[それまでいくら揺れようとも鮮やかに咲き誇っていた紅椿が
はたり はたりと
地に落ちた。 黄泉の花、紅の影。]
…、――― どうして
[やけに冷たい風が吹く。 髪が揺れて、鈴が鳴った。
―――りん]
(665) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 22時頃
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―食堂―
[馴染みということもあり、よく鵠と比べられ真反対と称されることの多い青年は、彼が饒舌であるときはまるで鏡映しのように逆しまに沈黙を保っていた。
それは、ロビンが来、本郷が来、そして去っていた時も。
まるで抱いた名のままに、物云わぬ華のよう、空に浮かび見詰める月のように。 時折、ばつの悪そうな紫苑色が苔色を見れば、そこには唯、微笑を浮かべる青年の姿が在るだけ。]
……そやな。
[そんな青年が口を開いたのは、鵠が去る前のこと。 笛の音を背後に、鈴を鳴らしながら零れた言葉に、唯一つの相槌。]
(666) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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せやけど、『今』、鵠さんは、綺麗な花であり蕾や。
[そして、本郷の言葉を受けての、謎かけのような言葉を付け足す。佳人を見詰める苔色は、陽暮れたにも関わらず、眩しげに細まった。]
わては、もう少し、此処でのんびりしとくわ。
[どうする?と尋ねられれば、鵠が裡でロビンと比べ評したように、積極的に花主を選ぼうとしてるように見えない青年は、そう答えた。]
(667) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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[とにかく花祭の始まる時間が来ようとしている。 それならば自分も一度部屋へと戻ろうと踵を返しかけたが いつの間に現れたのだろう。 突然、文字通りいつの間にかそこに立っていた姿]
…虎、鉄。
[其の名を確認するかのように口にする。 昨日は猿と呼んでいたけれど、正しい名を覚えているだけの頭ぐらいある。 空を見上げるその姿へと、声をかけた]
…そんなところで何をしている。 祭の準備は、しなくてもいいのか。
(668) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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―自室へ―
[明の主をさがすためにもと自室に戻る。 そして、使用人に書き物を用意させると、
主への手紙をしたためはじめる。
もう、かの人は存在せぬとも知らずに…。**]
(669) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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ん、眼鏡が粉々。 だめだよ、眼悪いのにこんな所に眼鏡置いてちゃ。
[逃げぬ足に触れる指 そおっと足指をなぞり 朱の雫を掬いとるように 熱い舌先を這わせた]
大事にしてね、ロビン。
[接吻けを落として足から離す その頃に訪れた訪問者へ声をかけたろう]
(670) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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― B棟・自室 ― [声を掛けることもなく池に乗り出す影を とっくりと見つめていたが結局花か花主かの 判別までは此処からはできない。 ―――…その面差しは、 何処かで見たような気もするのだが。]
…さてな、
[篭ってきた間に忘れてしまったことも多い。 其れを憂い事とは思ってはいない、 引き篭りにも一応の理由はあった。
立ち上がると湯浴みへ向かう。 戻った時に未だ庭にその姿はあっただろうか。 移動してしまっていたとしても、特には気にしない。]
(671) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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― 自室 ― [続けてやってきたのは夜光と言うらしい。 気を張る相手に向ける視線は相変わらず。 うすぼんやりとした視線の向こうに見えるのは、恐らく花だろう、態度で何となくそう思う]
夜光? キミに用は無いと言いたい所だけど ……包帯かなにか、持ってないかい。
[追い払いたい。 けれど助けは欲しい。 滲む朱に、濃くなる血のにおい。 おかしな誤解を受けているとは知らず、不遜な態度で問う]
(672) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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置いてたわけじゃないよ、落ちたんだ。 気付かず踏んだのはボクの失態。
[足先に滑る熱いかたまり。 ぞわ、と背筋に痺れが走る。 舐められた]
――セシル
[理解したあと、僅かな狼狽を浮かべて少年はぼんやりとした塊を見た。 傍から見ずとも充分倒錯的な光景だっただろうことは理解出来る]
気をつけるよ。二度としない。 ……だからキミもこういう恥ずかしい真似はしないようにね。 ボクまで照れる。
(673) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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