241 線路上の雪燕
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[ ペラジーはイアンに向き直ると、質問した。]
あなたはサラグニッドの町に詳しそうです。 愛犬家の事件について、何かご存じではありませんか……?
偶然、似ているように見えるだけかもしれません。 記者が商売のために面白おかしく誇張したのかも。
でも、 ……どうしても、気になって……。
[ イアンが新聞記者の身分を明かすなら、事件について問い詰めるだろう。 知らなければ、詳しく調べてもらえないかと頼むだろう。 その眼差しと口調は懇願に見えたかもしれない。]**
(25) 2015/11/30(Mon) 02時頃
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― ニズ到着時・コンパートメント ―
[ ペラジーはその後、頭痛がするからと断わってイアンと別れ、一等車両のコパートメントへ戻った。
ニズ到着までの残り時間を仮眠して過ごそうとベッドに入る。 勢い良く鳴る汽笛>>#0に起こされるまで、ペラジーは横になってうとうとしていた。
汽笛に続いて、車輪が線路と擦れ合う大きなブレーキ音>>#0が響く。 ペラジーはベッドで上半身を起こした。 頭を小さく振ると、窓の向こうの夕陽>>#0を眺める。
朱色の雲の筋は、冬空を飾るリボンのようだ。
乗車口付近で途中停車の案内が声高く伝えられている>>#0ことにも気づかず、ペラジーはぼんやりした視線で雲を見ていた。]**
(26) 2015/11/30(Mon) 02時頃
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ー ニズ駅→ ー
[ぱたぱたと。 群衆の中を走り抜け、人の目を掻い潜り、フェンスを飛び越え、階段を駆け下りる。 『列車内の』少女と明確な接点を持ってしまった事が、彼にとって最大の不安要素であった。 親切心は時に美味だが身を滅ぼす原因にもなる。 息を整えながら、胸元でツルの取れた眼鏡をきゅ、と握る。
同族以外に心を許すな。 例えそれが狂った人間だとしても。
彼が今、心底信頼できる者は自分以外にもうこの世に存在しない。 それでも憐れみの様に差し出された菓子や食事に、 『こどもとしての貧弱さ』に頼らざるを得ない程に それはまだ、脆く。それが情けなくもあり。
それによって生まれた薄い繋がりが、 彼を安堵から隔てる境界線でもあった。 単純に言えば目立ちすぎたの一言に限る。 ほんの少し、施しを受け。廊下を走っただけだが–––––自意識過剰、という言葉で語れるほど彼の事情は甘くはないのだから]
(27) 2015/11/30(Mon) 02時半頃
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[だから、 まだ目的地までは到達せねども。 この駅で降りようと。 密かな途中下車を決行しようと、したのに。]
………ぅ、…。
[駅前。 足を止めてしまった少年の目に映ったのは、何だったか]**
(28) 2015/11/30(Mon) 02時半頃
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[ ふと視線を下へ向けると、降車した人々が魚のように群れを作り、それぞれの方向へ流れていくのが見える。 三等車両の乗客が多いようだ。
その中から、小さな外套姿がぱたぱたと走って離れていく。>>27
ペラジーは思わず身を乗り出した。 フェンスを飛び越えて>>27視界から外れたのは、あの赤い手>>0:1をした少年ではなかっただろうか?]
………どこへ?
[ 胸騒ぎがする。 駅の外へ出られるのだろうか? 出ては、列車に戻れないのではないか?
あるいは、少年は戻らないつもりなのだろうか……。]**
(29) 2015/11/30(Mon) 02時半頃
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―現在・ニズ駅ホーム―
[慌てるとろくなことが起こらないのは、いつものことだ。 >>19突然こちらへ向かって来た少女の存在に気づいた時にはもう遅く。]
わっ、
[こちらが声を上げたのが先が、それとも衝突したのが先か。 ごつん、と音を立ててやってきた衝撃に、数歩よろめいた。 こちらの方が明らかに体格は大きい。イアンが倒れることはなかったが、代わりに少女が尻餅をついて倒れた。]
す、すみません、 お怪我はありませんか、お嬢さん!
[慌てて駆け寄って相手をまじまじと見れば、頬を赤らめる姿が少し幼げに見える。見慣れない暗い髪の色に、彼女も異国の者だろうか、と一瞬の逡巡。]
失礼、ついうっかりしていて!
[ともわれ、今は彼女に怪我がないかが先だ。 彼女の様子を確認し、無事であれば、手を差し出して立ち上がる手助けをしただろう。]
(30) 2015/11/30(Mon) 05時頃
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― 昼ごろ・食堂車 ―
[>>14彼の元へと運ばれてきたのは、質素な食事だった。 ペラジーが一等車両の乗客だと気づいてすらもいなかったものだから、その時には食事の内容なんて気にも留めず。 そういえば自分は何も頼んでなかった、とついでにスパゲティを一つ注文し、彼の返事を聞いた。]
ずっと!? 旅暮らしか、それはきっと……大変、なんだろうね。 ずっと君一人で旅しているのかい?
[予想外の返答に、驚愕の声色を隠せない。 旅暮らしなんて体験はおろか、生活の想像すらもしたことがないから、イアンにはその苦労は計り知れないものに感じるのだ。 彼が今は一人で旅をしているなんてことを想像だにもしていないのだから、尚更。]
(31) 2015/11/30(Mon) 05時頃
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[>>18続けた問いには、「旅先で聞いた」といまいち煮え切らない返答。
さてどうしたものか、イアンは考える。 記者の端くれである以上、一応の守秘義務というものは発生する。 むやみやたらと情報を他人にひけらかしてみせるわけにはいかないのだ。 彼が少しでも、自分の好奇心を満たす情報を持ち得るのならば話は別だが。
そう考える彼に、ペラジーは向き直る。>>20>>21やがて、彼の話す言葉を聞けば、不思議そうな目を彼へと向けた。
聞いたこともない、地図に存在しない都市。
からかっているのだろうか、そんな考えが一瞬頭をもたげるが、彼の神妙な面持ちを見る限りは、到底そのようには思えない。]
(32) 2015/11/30(Mon) 05時頃
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……すまない、俺にはその地名にも、川の名前にも、心当たりはないよ。
レモンの木、か。 少なくとも、サラグニッドの方ではないよ。 あそこでレモンは育たない。寒すぎるんだ。 君もレモンと一緒で、寒いのは苦手みたいだしね。
[冗談めかしてそう言ってウィンクするのは、少し場違いだったかもしれない。 ……かもしれないが、塞ぎ込む彼の姿は痛々しく、見ていられなかったのも事実である。
奇妙なことだ。彼の姿を見るに、20歳に満たないぐらいに思えるのに。 そんな彼が幼少の頃に過ごしたと言えば、せいぜい15年前ぐらいになるのだろうか。
……15年で、地図から消えた?
咄嗟に思い当たる節は、ない。 そもそも、サラグニッドで生まれ育った、地方新聞記者である彼が、遠い地方のことまでは、全て把握していない。
――なにせこのあたりの寒さでは、普通のレモンは育たないのだ。]
(33) 2015/11/30(Mon) 05時頃
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[>>22>>23やがて、ペラジーの口から語られる、様々な経緯を聞けば。]
そうか、 ……大変、だったんだね。
[二度目の言葉は、先程よりも、より強い実感を持って紡がれる。 涙を堪えて話す彼を見ているのはなんだか苦しくて、なんとか力になってあげたくて。でも、かけてやれる言葉は見つからなくて。 きっとこうやって人に話すことも、悲しくて、苦しいことなのだろう。 想像だにしたことのない彼の人生に、軽々しく口を挟むことはできなかった。]
……人狼。
[>>23>>24親しい者が、人狼に殺されたという事実を聞けば、成る程、とイアンは合点した。 愛犬家の事件にあった、「僅かな噛み痕」という文字列。 突然弾かれたようにイアンは思い出す。 人狼の仕業と称された事件が、過去にも存在したことを。]
(34) 2015/11/30(Mon) 05時頃
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……人狼、ねえ。 存在しない、とは言い切れないかもしれないな。 ……サラグニッドからそう遠くない街で、数年前に事件があってね。 その事件の時は、人狼の仕業だと騒がれたものさ。 その時の話なら、俺は少しだけ聞いたことがあるよ。 ……考えてみれば、この愛犬家の事件と、少し似ている、と思う。
[いつになく真面目にそう語れば、イアンはいつものように朗らかに笑ってみせた。 ペラジーは、一体どんな反応を見せただろうか。
手帳のポケットから取り出した名刺をペラジーへと差し出し、イアンは笑う。]
サラグニッド・タイムズ。 俺の勤め先は、君が目にしたその新聞の発行社だよ。 俺はこの愛犬家さんの事件については詳しくないけど。 ……少しぐらいなら、君の力になれると思うな。
[そう言い、相手の返答を待った。]*
(35) 2015/11/30(Mon) 05時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/11/30(Mon) 05時頃
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―ニズ到着前―
[すれ違いざまの言葉へ向けられた、一瞬のいらだち。 其処に映る色は誰を見たものか。>>7 瞬きの間に、見逃してしまいそうなものは直ぐに消えた。聞こえた声は、自分の優越感を満足させるのに十分な遠吠え。内に秘めた暗い感情。黒い礼服に包み込んだ、この怨嗟に似た思いは、誰かを傷付ける事で満たされる。]
……羨ましいだけさ。
[臆病で居られる事を。音のしない靴。 彼がどんな生き方をしていたか、何も知らない。 知らないからこそ、このような言葉を吐くのだ、ただ首を絞める行為を延々と繰り返すようには見えていて]
(36) 2015/11/30(Mon) 06時半頃
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欲しいものがあるなら、相談に乗るよ。
[顔を上げた彼に見せるのは貴公子然とした笑み。 余裕を演じて居ない顔は何処にもないが、手は彼の頭を捕え、その髪を一度ふわりと撫でた。 だが、其れは振り払われる事になる。 咄嗟の行為だったのは予想がついた。]
…あ。大丈夫かい?
[狭い通路に当たる手を見ては、振り払われた手を握りながら、そう問いかけたが、彼はそのまま一等車両へ向かってしまったか。 その後、人参頭の少女と軽く言葉を交わせば、汽笛が鳴り混雑する前に自らの部屋へ戻っただろう*]
(37) 2015/11/30(Mon) 06時半頃
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― 20項目 ―
『18時23分』
『……三等車両にはぎっしりと人が詰まって、すごいにおいだったわ。
お父さんも昔はあれに乗ったんだ、と言っていたけれど、つらくなかったのかな。……いいえ、つらいはずよね。 あの人達はスウェルグについて、どこにいくのかな。 おばあちゃんのお店でご飯を食べたりするのかな。
三等車両で男の子と出会ったの。
一人にみえたからパンと牛乳を渡したんだけど、お礼を言った後駆け出して行ってしまったわ。 友達とかくれんぼをしていた、ようにはみえないんだけれど……。
あの子のお母さんやお父さんや、ともだちはいないのかしら? いたらいいな……。
ニズについたみたい。 ここから見える夕焼けは、とっても綺麗で、ちょっぴり哀しげ。』
(38) 2015/11/30(Mon) 07時頃
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〔とん。ととん。ととん。〕
〔ゆっくりになっていく雪燕のみじろぎと、流れるように過ぎ去る景色に目を細めた。 シェリーは、ことん、と窓に頭を凭せ掛けて、とくとくと暮れゆく夕陽を眺めている。
雲や煙までもオレンジ色に染まった世界。 今頃故郷のガートニアにも、祖母が待つスウェルグにも、同じ陽があるのだろうか。 夕暮はあんなにきらきらしているのに、人の心をどこか寂しくさせるのは何故なのだろうか。
考えたところで、人生経験の浅い小娘には到底わからないけれど。〕
(39) 2015/11/30(Mon) 07時頃
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〔漸う、ニズの駅についたようだ。 橙の光が、世界をオレンジと黒に分けている。
今すぐに列車から飛び出すと、人ごみに巻き込まれてぐちゃぐちゃになってしまいそうだから、ほんの少し待つことにした。
清掃員が掃除を始めたのに、「ありがとう」と伝えて、その様子を見る。〕
……毒餌?
〔片隅に置かれたものに見覚えがあったから、 ついそう零す。 ワイン樽や諸々の物に穴をあけられないように、故郷でも鼠対策をしたことを思い出した。〕
(40) 2015/11/30(Mon) 07時頃
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『……列車の中にも、鼠は出るのね。』
〔そんな一文をノートに追加してから、シェリーもニズの駅に降り立った。〕*
(41) 2015/11/30(Mon) 07時頃
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―現在―
[古びた懐中時計は、18時20分を指していた。 もう間もなく中継駅へと到着する。ゆっくりと息を吐き出して思い出すのは先ほどの青年。ジャンと名乗った彼の事。>>11勢いよく手を当てて居たが、怪我はしていないだろうか。折角綺麗な手をしているのに。]
……グロリア。
[そっと呟いたのは、懐中時計の蓋に刻まれた妹の名前。ナイフでたどたどしく傷つけられた文字をなぞり。息を大きく吐いた。
臆病で居られる時間は自分には存在しなかった。 大草原を思い出す、赤毛の少女に会ったせいかもしれない。神秘を見つけた森も、決して豊かな時代ではなく。 だが、自分の隣りに常に妹が居た。
寒空の下、二人生きることになった日も同じ。 彼には誰か居たのだろうか。ふと心配になるのは、たぶん。彼が今に満足していないと見えたからだろう。 誰か傍に居れば良い。自分だけでは這い上がれなかった。それは妹が、とある議員の子どもと駆け落ちしても同じ。常に彼女は自分の支えだった。 だからこそ、相談に乗ると声をかけたのだが。]
(42) 2015/11/30(Mon) 07時頃
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[果たして、彼は此方に向くだろうか。 向かないのなら、其れまでだが。列車が駅へ入っていくのを、ぼんやり窓から眺めていた。白い煙が音を立てるように流れていく。合間に見える光は夕日色。]
ペラジーか。
[色が、フードの青年と赤い酒にかぶって見えた。>>1:81イアンは彼と話が出来たか。ラウンジ車か食堂車で。と話していた。……握手を求められ。 少し悩みながら、握りしめて―――]
彼は難しいな。
[彼は持つものだ。その背に暗い影が見えても変わりなく。 この持つものというのは、選ばれたもの。という意味を孕んでいる。ぎりっと懐中時計を握り締める手が強くなった。気づいてないのだろう。
…気づけば、良いのに。其処に混じるのは羨望に似た暗い感情ばかり。彼を利用するより、自分がかすめ取った二等車両の男>>9の方が良いはず。
…だから、女性を自分は相手取るのだ。 女性は、綺麗だから……心中がどうであれ。]
(43) 2015/11/30(Mon) 07時頃
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[顔を上げれば、ホームへ滑り込んだ列車から人が雪崩込むように飛び出していく。三等車両の男たちだろう屈強な男たちに僅か眉を顰める。>>#0その中に紛れた少年の姿が見えた気がしたが、それはすぐに消えてしまう。>>1
代わり、一等車両から逃れる為の言い訳にお付きの人を探す予定だった事を思い出す。>>13
櫻子の探し人は見つかったのだろうか。 まさか、見られていたとは気づいておらず>>15]
おや?…あれは。
[窓の外。ホームで目がついたのは>>12>>19その彼女。自然と妹の面影を探していたのかもしれない。尻もちをついた姿と、ぶつかった相手、イアンを見て。 遠くにはあの異国の男も見えただろうか>>10
ふむと顎を撫でて、声は聞こえないものの、此処からなら丁度見えるなと少し窓から眺めることにした。**]
(44) 2015/11/30(Mon) 07時半頃
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― ニズ駅→ ―
[相変わらず何度か人とぶつかりながらもホームを出て、しビルは駅前へ向かう。 >>27 その途中で、やたらと動きが軽快な子どもを見かける。 フェンスを飛び越えられる身軽さに、羨ましいようなそうでもないような——いや、シビルはその百分の一でも見習うべきだ——。]
…………。
[階段を下りながら、また一人の男と思い切りぶつかってしまった。 目と目が合えば互いに謝罪の言葉は無く、かわりに目を伏せて示しあい、そのまますれちがった。]
(45) 2015/11/30(Mon) 07時半頃
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[駅前の、少し人目につきにくい物陰で、シビルは何も入っていないはずの胸ポケットに手を突っ込んだ。 そこに入っていたのは、折り畳んである小さな紙。]
………………………………。
[シビルは一読すると、その紙を四分割して丸める。 トランクケースの隠し収納ポケットから慎重に小瓶を取り出し、じゃらりと白い錠剤を手のひらにのせた。 そして、紙と一緒に、口の中に放り込んでがりがりと噛み砕き飲んだ。**]
(46) 2015/11/30(Mon) 07時半頃
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[兄とは西洋のポーカーという遊戯をよく遊んだ。 ついぞ自分が兄に敵うことはなかったけれど。 勝負に勝つたびに、決まって兄はこう言っていた。
いいかい、櫻子。良く目を見るんだ。 人は自分を偽っているときに、必ず目に出る。 相手の瞳をよく見ることだよ―――]
(47) 2015/11/30(Mon) 08時半頃
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[イアンの瞳をじっと櫻子は見つめた。 大丈夫、この人は悪い人ではない。 櫻子は初対面でのこういった己の勘を信用している>>1:64]
こちらこそ、不注意で。 申し訳ございません。
[ふっと櫻子は破顔すると。 イアンから差し出された手>>30を握り、ふらふらと立ち上がった]
貴方様は、お怪我は有りませんこと?
[心配そうにイアンを見上げたその時。 ひらり、と。櫻子の胸元から1枚の写真が滑り落ちる。 精悍な陸軍将校の写ったそれを、慌てて拾い上げた。 写真には。熊野朧少尉、と裏書されている。兄の写真だ]
(48) 2015/11/30(Mon) 08時半頃
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[辺りの空気が変わった気がした。
–––––––ああ、クソ戦争の仇か>>0:115。
この国に入国してから、何度も聞いたフレーズ。 背後から現地語で罵られたのが分かった。 やはりこの周辺における、自分たちへの蔑視感情は根深い]
わたくし、列車に戻りませんと。
[そうイアンに言うのがやっとだった。 無理に微笑を浮かべると、雪燕の中に戻ろうとするだろうか**]
(49) 2015/11/30(Mon) 08時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/30(Mon) 08時半頃
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ー ニズ駅前 ー
[–––––聖堂だった。 夕日に青い屋根やステンドガラスは輝き、 その下に施された天使の彫刻は顎の下まで丁寧に清掃されている。 時計台が30分を示せば、その上の鐘楼が控えめに時を告げる。
この街は、通り抜けられない。 少年の直感がそう囁いた。 泥を投げた 痕跡すら壁に残らぬ教会は、この地域の信心深さを示している。 見回せばその通り、彼方此方の軒先に神の証が掲げられている様子だ。 信心、即ち善意に転じるそれは、自分の様な薄汚れたひとりぼっちの少年を放ってはおかないだろう。 それがどんな宗教であれ、同じこと。 彼はそれを一度経験し––––一度『食い物』にしたが。 その事を知るものはこの世に誰一人生きていない。
今は、出来ない。 自分の事を知る者があの地で『生きている』のだから。 唇をまた噛み締めると踵を返し、今度はフェンスを潜り抜けて再び雑踏に紛れた]
(50) 2015/11/30(Mon) 13時頃
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― ニズ駅構内 ―
[ 降りるつもりのなかった途中停車駅の構内を、ペラジーは急ぎ足で歩く。 フェンスに近づくと、ぶかぶかの外套の少年が飛び越えた>>27のはこの辺りだったかと、周囲を見渡した。 向こうは階段だ。>>27
どうしてもあの少年が気になってしまう。 ぶかぶかの外套>>0:1、薄汚れた顔>>0:33、傷ついた赤い手>>0:1、狼狽し怯えた表情>>0:33………。 恵まれない暮らしの、下層階級の子どもにしか見えないのに、熱心に新聞記事を読んでいた>>0:33ことも違和感で。
ペラジーはフェンスの周囲をうろうろ歩き、ときおり立ち止まっては前後左右を見渡す。 少年の姿は見つからない。]
(51) 2015/11/30(Mon) 13時頃
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[ 諦めて列車に戻ろうとしたころだったか、遠目にも目立つ異国の衣装が目に留まった。
一等車両の廊下で見かけ>>0:178、目顔で挨拶しつつ通り過ぎた>>1:31ことをペラジーは思い出す。 小さく会釈しながら、 「ごきげんよう」>>1:31 と挨拶を返したのは、東洋系の少女めいた顔立ちだった。
その彼女が、せかせかと急ぐイアン>>12にぶつかり、よろめいて。 尻餅をついた。>>19
イアンは手を差し出し、謝っているようだ。>>30]
(52) 2015/11/30(Mon) 13時頃
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[ そういえば、この国では長い戦争があったはず。 相手国は東洋のどこかだったような……。
三等車両で見かけた兵士>>0:121の姿を、ペラジーは思い出した。
どの国でもそうだが、下層階級の者ほど偏見が強い。 少しでも自分たちと違えば、憎悪を向けるのだ――おそらくは根底に、苦しい暮らしへの不満があるせいで――。
異邦人として、その偏見を日々受けてきたペラジーには、今彼女が集めているぶしつけな視線>>49の意味がよくわかる。 愉快な経験ではないだろうに、背筋を伸ばしてしゃんと立った彼女は、とても健気で。
何か深い事情があることを窺わせた。]*
(53) 2015/11/30(Mon) 13時頃
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[この駅内には勿論、ニズから乗り込むような者も居るだろう。 善意に目をつけられはしないかと、 可能な限り目立たぬ様に縮こまったり、 時折自分の様な身なりの良くない者を見つけてはその後ろにつき、まるでその子である様な顔をして歩く。
途中、見覚えのある真っ白なコートを見つけ>>52 くしゃり、と紙袋を抱き締めた。 …同じ列車だったとは! 自分を見据えた目、更々にまずい事だと少年は焦る。 一方で幸いな事に、信心深い者達の目は下級階層の者同様に異郷の者>>49に向かっていたらしい。 善意の反面で排他的な彼等は、その様な矛盾すら抱えがちなのだ。
雪燕は清掃中だ。車掌や清掃員にも見付かりたくない。 完全に板挟みとなった彼は、一目に付かぬ場所を探す。 この駅で隠れ夜を待ち、誰もが寝静まった頃に移動する道もあるかもしれない。
…最初に見つけた物陰には、先客>>46が居たのだが。]
(54) 2015/11/30(Mon) 13時半頃
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