296 ゴールイン・フライデー
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[若い頃はともあれ、今はあまり酒も飲まない。 身体が酒精に溺れやすくなってどれほど経つか、老いた証拠は三日越しの二日酔いに表れる。
故に飲めや歌えやと賑やかなタヴェルナでも些か浮いている。否、世間から浮いているのは元からだから、単にあらゆるものに馴染めないだけだろう。
食前酒のグラッパ。 シュパーゲルはレモンと塩で。 肉はハムみたいに平たいサラミを少し。
経年劣化で縮んだ胃袋に一日分のカロリーを詰め込むと、あとはゆっくりとミードを傾ける。 それが良くある金曜の過ごし方。]
(28) 2019/05/18(Sat) 00時半頃
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[気の良い女主人は長居をしても嫌な顔ひとつしない。 食事も飲酒も料理も好きだと聞いたことがあるが、食べさせること自体も好きなのだろう。その日も自分のような無精者を気にかけて、ドライフルーツの小皿を出してくれた。 自身の長居は下心塗れなのに、此処には真心が溢れている。
干したイチジクを渇いた指先で摘まめば、電光に照らして世界を透かす。ぼやけて見える世界との隔絶こそ、正しい距離感に思えた。卑屈との付き合いは長い。
―――― カラン、とドアベルが鳴った。]
(29) 2019/05/18(Sat) 00時半頃
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…………、
[視線を電灯から足元へ下げる。 強張りそうになる口元をグラスで隠す。 身体を目立たないように壁際へ寄せた。
確かな緊張感を覚えながら、 鼓膜に全神経を集めて足音を聞く。
一週間、それだけで生きていける。
粘ったのは自分なのに、逃げ出したくなった。 不審で疚しい真似をして恥ずべきなのに、年を考えず泣きたくなったのも本当だ。]
(30) 2019/05/18(Sat) 00時半頃
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[瞼の裏に溜めた涕涙は、その日の夢に降る。
金曜を反芻するような夢の果て。 昼過ぎに眼を覚ませば、いい年をして眦が濡れていた。]
(31) 2019/05/18(Sat) 00時半頃
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[一昨日の食事を思い出しながら、のそりと起き上がる。 見の丈に合った胃袋は、もう長いこと満腹を知らない。]
……腹、減った
[残り僅かとなったパンの耳は、日が経ったことでやや乾いていた。すかすかの裡を投影したよな冷蔵庫を開け、ベーコンと卵、……と必要な材料を取り出す。
スキレットに並べるベーコンはやや幅広に、じっくりと脂を溶かし出す間に、塩コショウとにんにくで味付けした卵液へパンの耳を浸した。バターなんてものはないから、ベーコンから滲みた脂でパンを焼く。 野菜不足は……また週末、タヴェルナで補うとしよう。
煙草と酒を控えようとも、節制に務めようとも、味の拘りを捨てられなかったのが珈琲豆。 塒にある食材の中で一番の高級品だ。]
(32) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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[深入りの濃い珈琲は咽喉から胃へ重く流れて心地いい。 カリカリに焼けたベーコンとフレンチトーストをもそもそ咀嚼しながら、作り付けの棚へ茫洋とした視線を向ける。 工具や仕事に使うパーツなど、ごっちゃりとした部屋の中でこの一角だけが整然としていた。
其処に並ぶ幾つかを、彷徨う無骨な指が取ったのは、赤い印のついたカレンダー。
魔が差したとしか言いようのない、あの日から早、十年。 離婚した後も娘には会いたいからと、妻の要求はすべて呑んだ。身の丈に合わぬ慰謝料と養育費に顔色を失くしたのは事実だが、彼女の人生に、嘘と裏切りと形ばかりの誠意で疵をつけてしまったことを思えば足りぬとさえ思ったし。
月々の支払いが闇金に手を出したり、内臓を売らずに済む範囲だったのは、最後の優しさとやつだろう。 性的欲求を含む愛情は同性にしか抱けないが、妻も娘も、家族として大切に思っていたことは、理解してくれた。]
(33) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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[土曜の朝は惰眠を貪る。 瞼を閉じたって夢の中で出会える訳でもないのに まだ特別な金曜日の余韻に浸っていたかった]
(34) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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[グラス越しに眺める横顔。 息を潜めて気取られないように注意を。 それも唇を湿らす果実酒と 香辛料の効いた仔羊を楽しむ間に 緊張は徐々に紐解けていった。 耳を欹てれば声が聞こえる。 声色から唇の形まで脳裏に浮かべて 想像力を無駄遣いする自分に呆れた]
あの人と同じものを一つ。 ……美味しそうだから、欲しいんだ。
[我慢出来なくて注文する辺り堪え性がない。 普段器用に舌が回っているならば もう少し上手に立ち回れるだろうか。 同じものが並ぶまでの間すらも恋しくて 先に選ばれ含まれる一口が羨ましい。 そんな、浅ましい夢想に耽るなんて 酒も飲めない子どものようだと思えた]
(35) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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[見てはいけない。 ――夢中になって盲目になるから 声をかけてはいけない。 ――抑えが効かなくなってしまうから。
もう二度と会いたくなくて 会えない時間が恋しくて苦しくなる。
そんな感情を自らが抱いてしまうなど 少女よりも歳上の妹を持つ男として、 あまりにも滑稽じゃあないか]
(36) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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[フォークとナイフを動かす。 口を開けて肉を噛んで咀嚼して舌を鳴らす。 甘美なフォルマッジを使ったチーズケーキも 濃厚なコクを舌に乗せてくれる料理も 生きる為の行動に甘美な理由づけをして 広がる旨味に目許は喜ぶというのに。
ふと気づくと探してしまう。 視線を逸らしながらも願ってしまう ]
(37) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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( ただの一度だけでいいから俺≠見て それから、…… それから )
[今日もあなたに触れられる夢を見る]
(38) 2019/05/18(Sat) 02時頃
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[愛を綴った文章の残骸。 書きかけの小説の完成は今も遠いまま 彼を想うだけの言葉はとても綴れず、
堰き止めたばかりの想いだけが時折、 痛みと共に胸に走っていく。
それでもきっとまた次の金曜日は訪れて 目許の赤を酔いを酒のせいだと誤魔化す未来が ありありと見えるような気がして瞼を閉じた。
陽の光から今だけは流れるように どうしようもない苦さは特別な夜の名残だと 何度も何度も言い聞かせながら唇を噛んだ]**
(39) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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[漠然とした欲求不満から、ふらりと足を向けたバー。 なんとなく波長が合いそうな男と、軽い触れ合いを交え、近い距離で酒を飲んだだけだった。15の夏に覚えたようなときめきや劣情とはほど遠く、ただただ、気分が良くて、楽しくて──帰宅後にベッドの中でひとり震えた。
ああ、……やっぱり、と。 家族がいればそれでいい、満足だとうそぶいても、抑えきれない慾が今もあること。"二度目の恋"を知りたいと想う気持ちが、ずっと胸のどこかに巣食っていたこと。
気づいてしまったら、自覚したらもう、だめだった。 次は、ただ酒を飲むだけでは帰れないかもしれないと思えば怖くて堪らず、元より此処まで自身の性癖とも向き合い切れなかった臆病者がこの先、不貞と秘密の露見に怯えながら暮らせるわけがなかった。
すべてを打ち明け、激昂と罵倒、慟哭と家じゅうのものを投げつけられ、額と心に消えない瑕を負い、十数年に渡った穏やかな時間に終止符を打ったのは、告解から三か月後。]**
(40) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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[もう少しお喋りが得意だったら? それとも見合うだけの何かがあれば?
少し視線が合ってしまうようなら 薄っすら笑う事しか出来ない男も 靴を着飾った服を脱いでしまえば 裸足を晒してシーツを蹴り丸った。
原稿の締め切りは近づいている。 だがまだ、続きが書けそうにない。
この想いをそのまま吐き出してしまえれば、 少しは楽になるのだろうか。 誰にも打ち明けられない秘密。 そんな時妹が結婚するのだと報せが届いて また一つ打ち明ける機会を失ってしまうなんて 世界全体にとっては些細な出来事も味わいながら 鼻を鳴らして笑ってしまった]
(41) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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本当に、……面倒臭いな。 [口が寂しくて仕方がない。心も疼いて落ち着かない。 落ちたくない底に沈みながら飴を砕いた]**
(42) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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[週一で通いつめれば自然と顔見知りも増えてくる。 調子はどうだい? なんて他愛のない挨拶をして話に混ざるもよし と言っても、俺は一人でゆっくり食うほうが好きだったが。
「知ってるかい? ドイツじゃシュパーゲルを食べるのは聖ヨハネの日までなんだとさ。」 レモンバターを添えたそいつを突きながら常連の一人がそう言った。 採り過ぎちまうと翌年の収穫が減るから、って理由を聞いて、ドイツ人らしいと笑ったもんだ。 と言っても、その決まり事はドイツ産の物だけで、輸入物は食うんだと言うから やっぱり美味いもんの魅力には勝てないモノらしい。
瓶詰めや缶詰もあるけれど、茹でたての美味は今だけの物。 旬の盛りが一番なのは、どんなものでも同じだろうが。]
(43) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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[そう、旬の盛りが一番魅力的なのは人間も同じ。 そう考えるんなら、俺はその旬をとっくに過ぎちまってる自覚はある。 その俺が旬真っ盛りのガキみたいにただ一人を追いかけてるんだから笑えない。
一人でゆっくり、なんてのは口実だ。 あの人の姿が見えたとき、目が無意識に追っちまうのを誰にも気付かれないように 向こうに気付かれないように不自然に視線が彷徨っちまうのをつつかれないように ああ、まったく面倒くさいと、わかっちゃいるのに止められない。 俺から見ればあの人は旬真っ盛りに見えるが俺はそうじゃない 釣り合わないと自覚している舌先に乗る酒はほんのりと苦い。
他の常連客のように気楽に声を掛けられたら、なんて考えて 無駄なことだと首を振る。 俺の事を知られたら、この想いに気付かれたら このささやかな逢瀬さえなくしてしまう、それが怖かった。 こうして週に一度顔を見られる、それだけで俺は……――]
(44) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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[――……満たされる、なんて、自分に嘘をついて]
(45) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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[だから、どうか気付かないで欲しい そんなささやかな願いと共に食後のエスプレッソを飲み干して席を立つ。
また、次も会えるようにと胸の中で祈りながら。**]
(46) 2019/05/18(Sat) 02時半頃
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モーニング行ってQP サタデースペシャルのお時間です! 今日もみなさんに元気な朝と愛をお届けします!
土曜の行ってQPはコイバナ大好きおじさんこと MCデリクソンがゲストを交えて進行していきまーす
今週のゲストは二人組ユニット、ベイビーシープさん!
[ ローカル局は売れっ子アイドルを呼べない。 キャンペーンガールに毛が生えた程度の知名度だ。 今日初めて知ったくらいだし。
まだ大学に通っている駆け出しの彼女たちは エネルギッシュで若さに満ち溢れている。 見るからに生意気そうだし世間知らずに鼻が尖ってるが 軌道に乗れば、道はひとつでは無いだろう。 羨ましくなんか、ないぞ。 ]
(47) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ 彼女らの繰り広げる話題は あっち行ってこっち行って脈略が無く 流行を追う内容が殆どを占めていて 雑誌付属のポーチが何処のデザイナーのものだとか 聞いてもいない事で盛り上がり、内輪談義。
嫌いなタイプだ。 酒が入ってたら、テンションが高かったら 気にもしないかもしれないが―― 二日酔いの翌日だからなのか余計にブルーになる。 進行無視してきゃっきゃきゃっきゃ始めるやりとりに 苛々が蓄積されて、知らずうちに拳を握っていた。 ]
(48) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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へえそうなんだあ、ミスコン上位なんてすごいじゃない? 二人とも顔ちいさいし足細くて目立つもんねえ。
えーっと、じゃあ次のレターね。 ラジオネーム郵便屋さんから 「おはようございますデリさん。 三年付き合っていた恋人と先週別れて傷心中の僕には バーで知り合ったばかりの女友達がいるのですが その子のことが気になっているんです。 別れて一週間で次の恋に踏み出すのは軽薄でしょうか ふとした時にその子が何をしてるか考えてしまって、 仕事が手付かずになることもあって…悩んでいます。」
(49) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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そっか、郵便屋さん――
[ いつものように共感コメントしようとして 先んじて口を開いたのはロングヘアの方。 「それは恋じゃない、恋だとおもってるだけ。 寂しさを埋めてくれる人が欲しいって感じ」 ボブヘアーの方が釣られて口を開く。 「心が乾いてる時に好きになるのは恋じゃないよね 満たされてる時に好き!ってなるのが本物の恋でしょ」 「男ってそういうとこあるよね、デリカシーない。 三年も付き合ってたのにすぐ忘れられる元カノさんも 相談乗っただけで惚れられる女友達さんも可哀想」 ]
(50) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ 抑えろ、抑えろ。 相手は若い女なんだから、狭い物差しで淘汰しようが 珍しいことでも無いだろ。
オンエア中だから、相手はゲストだから。 言い聞かせたのに、なにかが頭の中で弾けてしまった ]
……は? 人を好きになるのに不謹慎扱いって何。 いつ誰を好きになったって、そいつの自由だろ なんで悪者扱いされなきゃいけないの?
本物だとか偽物だとか、お前らに関係ないじゃん たかだか二十年ぽっちしか生きてないくせに 男の価値を語るほど、 お前らたいした恋してないだろ
(51) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ 包み隠さない本音は、放送事故だ。
――そこで、直ぐにマイクが切られ、 収録済のアナウンスに切り替わる。 持ち上げられることに慣れきっていた 女二人のヒステリーや 憮然とした口から飛び出る言葉の刃は FM電波に乗ることは無い。 ]
(52) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ 自分より若いディレクターに説教されて 今日という時間が過ぎていく リスナーを馬鹿にされた正義感からじゃない 褒められたことじゃないけど
想うことすら偽物だと無責任に言い切られて きっと、積み重なる恋情を否定された気になっていた。 ダメ中年の烙印を押された俺に 良い事なんてちっともない。 酒を浴びるほど飲んだって、現実逃避は続かない。 父親と娘くらいの年齢の女に腕を引かれて甘えられたって 浮つくどころか、ストレスさえ感じてしまう。 ]
(53) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ だから、 週末に居合わせるだけの素性を知らない相手の 食事風景に熱をあげるくらいしか、 枯れ切った心を潤すことはできない。 それの、何がいけない、いけなかった。
でも、そうだな。 これもたいした恋じゃないんだろう。
でもストレートだと言い聞かせて過去で 食ってきた女に持たなかった閊えや痛みは、 一時の気の迷いだと祓える軽傷どころか――― ]
(54) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ 深く深く、心の中で根を生やして 記憶の中のあいつの姿を無意識に思い浮かべてる ああ……駄目かも。 ]
(55) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[ 説教から解放されて帰宅途中。 クールタイムに頭を抱えながら、空を見る。 真っ赤なトマトをつぶしたような色の空に ジェラートを食いっぱぐれた後悔が押し寄せる。
来週は、あいつも頼んでくれないだろうか。 酸味がきいてて何処か青臭い――恋味ジェラートを。 きっと、切なさも緩和されるだろうに 数あるデザートは目移りを誘う。 叶ってくれと願うほど、大それた夢でもない。 涙腺が緩むのは歳だからだ。 理由をつけられるのに、祈るのをやめられない。
星も出ていないのに――…ばかなこと ]**
(56) 2019/05/18(Sat) 09時半頃
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[金曜日の余韻に浸って土曜を自堕落に過ごし、日曜日から仕事を再開する。夢を見た後は自己嫌悪が酷くなるから、早々に頭を切り換えたい。
もう今更、人生に伴侶が欲しいとは思わないけれど、自らの想いを自覚するたび、分不相応に浮かれてしまうのは恋愛そのものに劣等感があって、現実感がない所為。 切なく苦しいのは確かだが、成就したことのない思慕に万能の夢想を抱く。
現に彼が店を訪れると体力も精神力も削られるが活力だけは胸に残った。 お蔭で土曜は酒と美食を消化するのに終始するが、日曜は四苦八苦しながらキッチンを使って三食食べる。水だけの木曜日と足して二で割りたい。]
(57) 2019/05/18(Sat) 16時頃
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