162 絶望と後悔と懺悔と
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、サミュエル、ミナカタ、アヤワスカ、リッキィ、トルドヴィン、マユミ、マドカ、キャロライナ、ジャニス、ホリー、リー、明之進、トレイル、クシャミ、イアン、直円の16名。
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やぁ隊長殿。待っていたよ。この日を。
[程なく彼らは到着しただろう。 覚えのある顔は皺が増えていた。 向けられた薙刀の刃に映るのは凄惨な笑み]
この国ではこう言うのだろう? 三度目の正直?
[変わらぬ笑みと共にサーベルと薙刀が交わった]
(0) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/10(Mon) 00時頃
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―波羅宿―
みんな無事のようだな。
[北側組も誰一人欠けていないことを確認し サミュエルと視線を交わして、幾度目かの勝利に頷きあう]
絢矢、助かったぜ。 [礼を言いながら手渡したくないを納刀した絢矢の細い指が、 周の頬を汚す、赤い汚れを拭った。>>458
瞬いて、彼女の白い貌に視線を落とすと、伏せられた睫毛が微かに震えていた。 幾ら軍人としての訓練を受け強くなったとしても、まだほんの少女にでしかない絢矢に戦は過酷なもの]
――よく、頑張ったな。 [労うように、少女の髪を撫でてやる]
(1) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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―陸軍駐屯地― [その装いは、童話の中の雪の精。 柔らかな毛皮に縁取られた白いマントの下に、 きらと覗くのは、透かし細工の銀の輝き。
――冷たい、氷の色。
深くフードを被ったその顔は見えない。 けれどしかと目的を見据え、戦場を駆けていく。
時折散る血しぶきは、 まだらに白を緋色に染める。]
(2) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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[わが身を構わず駆け出した、 切り裂かれたとて、どうせ回復するのだから。]
……あなた、えらい人?
[少女の声が問いかける、 その軍人の軍服についた勲章が煌めけば、 銀爪はその喉笛を、切り裂いた*]
(3) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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[>>1成長した周の大きな手が、 短く切り揃えられた絢矢の黒髪を撫でる。
絢矢は菫色を地に落とし、小さく首を振った。
周やサミュエルはとうに気付いているだろう。 絢矢は──与えられる情愛を どこか拒んでいる節があった。]
(4) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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―陸軍駐屯地―
[その少年は、目深に学帽を被る学生であった。 こんな場所に立ち入るなと制す軍人の、伸ばした腕が半ばから消える。 落とした視線は地面に落ちた両腕を捉える。]
(5) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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[陸軍駐屯地。 降り立った場所を見回して、やや驚いた。 こんな所があったのだろうか。5年の間にどうなったのやら。 マンダリンカラーの衣服。裾が風になびく。隣に立つマユミとは対照的な赤い色だ 始祖の命には逆らえない。いや、今は自分から「家畜」を殺す]
お互い、死なないようにいこうかね。
[マユミの顔を一度見たあと、一足先に足元の地を蹴った。 目下にたむろする「家畜」の首をはねるために]
(6) 2014/02/10(Mon) 00時頃
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―波羅宿―
…よし、無事で何より。 お疲れさん。 帰ろうか。
[子ども達――否、もうそう呼べる歳ではないけれど――が戻ってきたならそう言って出迎えて、いつも通りに、にっと笑ってみせよう。
作戦中、刀を握れば能面が如く変わる表情も、片が付けばそれも終わりと。 全てが済めば――部隊の皆が何かと険しい顔をしているからこそ、自分だけでも普段は笑顔でいようと、 それはもう、何年も前から変わらぬことであるけれど。]
「…急報!急報です…!」
[帰還の途につかんとしていれば、駆けてくるのは傷付いた伝令兵。]
おい!怪我してるじゃないか! どうした?何があったんだ…?
[聞けば吸血鬼の大群が、陸軍の駐屯地を襲撃しているとのことで。 そしてそこに現れたのは、金髪の吸血鬼であると――]
(7) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[庇護されてはいけない。 寄り掛かってはいけない。
────この手は未だ、贖いを終えてはいない。*]
(8) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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へぇ……
[真弓の戦いぶりを天から見やり。 その戦いぶりには感嘆の声を漏らす。
命がいらないとでも言う様な突撃は十分な見ごたえがあったから。他の雛たちもどのような戦いをしているのか。 零瑠が軍人と交戦に入ったのを見ればそれもソラから眺めている。何かあれば駆け出せるようにはしているが、これなら特に問題は無いだろうと。]
(9) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[安吾たちの舞台が波羅宿で鬼を狩っていた頃、 別の部隊で待機していた]
――現れたか。
[あれから怪我を治し必死でリハビリを重ね あの時以上に動けるようにと身体に無理を強いた。 その分得たものは、今まで以上の体力やしなやかさ]
あの金色にある意味感謝してやってもいいな。 冗談だ、行くぞ。
[隊員たちに声をかけ真白なコートを翻した]
(10) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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-現在-
これはもしかして……。
(11) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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―初陣・陸軍駐屯地―
すぅ――――……
[空を見上げる。目を閉じて息を吸う、]
はあ。
[吐く。外に出る度の儀式のようなもの。
伏し目がちに開く瞳は、血よりも僅かばかり、暗い。 背は、すらりとした雰囲気を保ったまま、少し伸びた。 容顔も大人びたものの、静かな空気は変わらない。
先陣を切った格下の吸血鬼達が奮起する中、 悠々と、そして大人しく、零瑠の傍に控えている>>5]
[主は既に物見の態勢に入っていた。>>9 ならば、己は己を成し遂げるだけ。]
(12) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[上げさせた悲鳴は陽動。 此処は駐屯地の端。人――家畜――を多く集めればそれだけ中央が、他が手透きになる。
舞う銀刃は小太刀。
マントを翻し、零瑠は微笑みと共に血を散らせた。*]
(13) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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―波羅宿―
……あぁ、すまねえ。 お前も、いつまでも子供扱いされたくないよな。
[振り払われこそしないものの、拒むように小さく振られる絢矢の頭からそっと手を離す。>>4 軍人になることを決め手から彼女は、他者の庇護をやんわりと拒むようになっていた。
小娘から少女に、やがて大人になるのだろう。 少しの寂しさを覚えていた*]
(14) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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-現在- 軍功たて放題ですかあぁぁぁぁぁぁあ? それ贔屓になりません?
[あぁ、性格も変わってしまったらしい。]
僕は最前線の尖兵ですかあ?それとも軍師ですかあ? どちらにしろ、軍師独り占めキタァァァ!!
[彼は「あきらめた」ようだ。]
(15) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[悲鳴が上がる。>>13
仲間が腕を落とされた事に気付いた人間が、 気の抜けた呆然からすぐに混乱と怒りを見せる。
帽子の学生に向けて軍人が武器を振り上げようとした瞬間、 その胸には深々と、優美な短剣が突き刺さっている。
あえかに開いた唇が、優しく囁く声は]
……身の程を知れ。
[しかし、誰よりも苛烈に。]
(16) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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金髪?それは確かか?! 始祖…ついに動き始めたんだな。
しかし…くっそ、よりによってあそこか。 陸軍駐屯地…何か勘付かれたか…?
[渋い顔をするも――そうだ、今日はたしか、]
あぁ、でも、 今日はあそこに、檜江隊長が出向いてるんだっけ。 …ならそう簡単には落ちないはずだ。
全員、大きな怪我はないよな? 俺達も現場へ直行する。
心してかかれ。 ――ついにやってきたぞ。この日が。
[部隊の面々、一人ずつしっかりと見据えて。 一つ頷き、移動を開始した。]*
(17) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/10(Mon) 00時半頃
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─ 波羅宿 ─
[>>7帰ろうか──の声に、伏し目がちに頷く。
安吾の朗らかな笑みから目を逸らし、 瞳はただ、進む先を見据えた。
周の手も、安吾の笑顔も。 いくら目を逸らそうと、 絢矢の支えとなっていることに変わりはない。
しかし十六の少女に、 まだそこまで己の弱さを認める強さは備わっていない。]
(18) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[わかるのは──。 >>14離れて行った手の後に 触れられていた髪よりも、胸の奥が冷えてゆくことだけ。
──それでも。 絢矢はそれを己の裡へと封じ込め、 いつか来る未来で目的を達する為に、 何者にも依存しない強さを理想とし、己の足で立ち続ける。]
(19) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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はぁい!わかりましたホリー閣下!
[へへ、と口元を拭う仕草。]
いいんですね?僕も軍功たて放題やりますよ? いきますよぉ!!
[にまっと笑った。これはオープンな情報。 今まさに、直円も前線に向かう!]
(20) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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―波羅宿―
[二体の鬼の討伐を完了し、帰還しようとする小隊の元に急を知らせる伝令兵が訪れた。告げられる凶報>>7に心がざわめいた。 このまま現場へ直行するという、安吾の指示に頷く]
――そうかい。 ようやくあの金色野郎をブチ殺せるってわけだ。 [始祖の恐ろしさは骨身に染みて知っているはずなのに。 まだ自分には力が足りないことも知って居るはずなのに。
何故だろう、唇が自然と笑みの形になる。 それは、まるで凶暴な獣のような――]
(21) 2014/02/10(Mon) 00時半頃
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[報せを受けた絢矢の貌には、 もう僅かな緩みも残ってはいない。
張り詰めた弦のように 再び真っ直ぐに顔を上げると、 怪我はないか──との安吾の問い>>17に頷いた。]
(22) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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始祖──。
[絢矢は──まだ始祖を直接みたことがない。
ジャニスの脚を容易く砕き、 たった一人で一部隊を壊滅せしめる力を持つ 恐るべき化け物である──と、隊員から聞くのみ。
周とサミュエルは始祖を見、対峙した数少ない隊員。 その際何があったかは教えてもらえなかったけれど、 周の口調から、某かの因縁を感じ取り、 僅かに思案げに菫色を後方へ流した。]
(23) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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[刀を研ぐ暇がない。
聖水銀の力で顕現した得物ではあるが、 実戦を終えた絢矢はいつも刃を丹念に研ぐ。
夜の庭園を流れる川の如き 漆黒の刃紋が砥石と触れる涼やかな音を聞いていると 波立たぬ表情の下で漣だった心が 穏やかに凪がれてゆくのを感じられるからだった。
厭な予感──予兆とも言うべきものを感じ、 絢矢の表情はいつになく翳りを帯びた。]
(24) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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惜しいな。せめて貴様が後10人位いれば。 もう少し楽しめただろうに。
[初代の守護部隊と呼べる戦士達の多くの犠牲の結果。 奪えたのは左腕一本。 戦士と呼べる者は対している1人だけ。 孤児院の時とは違い、その1人に本気を見せる。
隊員達が駆け付けた時には、 真紅の海に沈んだ薙刀と首の無い躯を見付けるだろう]
(25) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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―駐屯地へと向かいながら―
[この子達は変わった――もう、あの孤児院にいた頃とは違う。
それぞれが自分の道をしっかり見据え、それを踏み外すことなくここまで歩んできた。
早く、そして強くと、焦る気持ちはあっただろう。 聖水銀を一度にたくさん摂取しようとしたり、 感情に任せて限界以上の修練を積もうとしたり、
それでも、5年間という、ともすれば長くも感じられるであろう時間を、ぐっと耐えてきた。
この日のために。 奴らを――事の元凶たる始祖らを、倒す日のために。]
(26) 2014/02/10(Mon) 01時頃
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