223 豊葦原の花祭
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あの子はどっちかにゃァ。
[生者であればおそらくは己がいるべき場所へ帰るのだろう。 だが。]
―――あっちの仕事はしたくないんだよにィ
[死者であれば、火車の自分は見過ごすわけにはいかず。 まして年端もいかないあのお狐様は、きっと賽の河原にお連れしなければならなくて。
この桜の下だから許される死者と生者の邂逅は、つまり桜が散ってしまえば許されざることで。 酒のせいでまとまらない頭を振って、杯に残った最後のマタタビ酒を飲みほした。]
(74) sainos 2015/04/25(Sat) 15時頃
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[ わたしはその日、この目にした景色を忘れない。
月夜に舞う桃色の花弁と。 混じり合う白の蝶。
誰かか言っていた。 花は散り際が美しいのだと。
溶けいるようにはらりと舞う淡墨桜。 月にも鳥にも雪のように映る儚い様。 熟れた赤い実を刷り込ませたような染井吉野と共に落ちていく。落ちていく。
はらり。
はらり。
はらり。 ]
(75) minamiki 2015/04/25(Sat) 22時半頃
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[ それはまるで花祭のような。
恐らくそう遠くない何処かであったおはなし。 ]
(76) minamiki 2015/04/25(Sat) 22時半頃
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[ パチリ。
緩やかに。穏やかに。 幕開けと共に夢は––––––––––終わる。]
………おはよう。世界。
(77) minamiki 2015/04/25(Sat) 22時半頃
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–––20XX/4/16––
[ 小石を蹴る。
こつん、と硬い感触。
スニーカーにあたり転げた一つは近くの川に吸い込まれていった。]
………ねぇ。 …わたし、あの人と上手く行くかなぁ。
[ 重苦しいため息を吐きながら振り向いて。
栗色の髪を二つ括りにしたお下げを垂らしながら問いかけながら思う。
お母さんに聞いたおばあちゃんの話を。 ]
(78) minamiki 2015/04/25(Sat) 22時半頃
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[ おばあちゃんとおじいちゃんが出会ったのは、この染井吉野の元。
毎年桜の咲く季節になれば、一冊の本を膝に置いて、桜の花弁を拾う姿に一目惚れしたらしい。
それをおばあちゃんは「 縁結びの神様なのよ。 」 なんて言いふらしたせいで、ここはそういう目的の女の子が多く訪れるようになった。
わたしもそのうちの一人。 「 ああ、そう言えば。 」 そんな切り口と共にお母さんが七つの頃、おばあちゃんとおじいちゃんに連れられてお礼を言いに行ったことを思い出して、教えてくれたのだった。 ]
……まぁ、ちょっと立地はどうかと思うけど。
[ 木の近くに通る鉄の塊。 お願いごとをするには少し姦しい。
でも蕾を膨らませて落ちる花びらは、頭のてっぺんに落ちて来て。 まるで宥められているような気分になるから、悪くない。 ]
(79) minamiki 2015/04/25(Sat) 22時半頃
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おぅーーい。
[ だから少しばかり木に近寄れば、根元へと腰掛けて体重をかける。 凭れるような姿勢で木々の間を見上げては、腕を伸ばして。 ]
また来るから、うまくいくように力を貸してよ。
[ 約束をひとつ。
一番綺麗な“沼太郎”へと。 ]*
(80) minamiki 2015/04/25(Sat) 22時半頃
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[かしゃり、かしゃり。
背負子の中身が歩くたび音を立てる。 大股で歩くたび見える白い足は、ほのかに青い燐光を帯びていた。]
―――着物が焦げちゃうにィ。
[ねぐらに戻る前に脱いでしまおうか。そうも思ったが、名残が惜しくて。
かしゃり、かしゃり。
朝焼けの道を青い鬼火の跡がふわりと通る。]
(81) sainos 2015/04/25(Sat) 23時頃
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[ねぐらについたのは、朝日が昇り切る前だったか。 慌てて帯を外し、着物を脱いだ。
薄暗い穴倉の中が、鬼火の光で照らされ、黒い闇のような毛皮が現れる。
ああ、今年も。]
楽しかったにゃァ―――。
[あの恋い焦がれた膝の持ち主には今年もやっぱり会えなかったけれど。]
(82) sainos 2015/04/25(Sat) 23時頃
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[前脚に力を入れぐっと体を伸ばし、大きくくぁあと欠伸をした。
一晩中商売していたのだ。 心地よい酔いも手伝って、毛布のような眠気が体を包んでいた。
くるりと丸まり、来年は何を作ろうかなどと考えているうちに、意識はするすると夢の中へ溶けていった。]
-了-
(83) sainos 2015/04/25(Sat) 23時頃
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ー???ー
[薄桃に沈む紅は、確かに人の形をしているようだった。 それは年の頃二十歳になるかというような、娘の姿をしている。 柔らかい花びらに静かに埋もれる娘は、生きているのか死んでいるのかわからない。
…と、娘の瞼がぴくりと揺れた。 ひらり、舞い落ちる薄桃が一片、娘の鼻先に宿る。 それがこそばゆく感じられたのだろうか、娘の細い眉がきゅうと寄せられると、ゆっくりと眼を開く。]
…ここ…?
[目に飛び込んできた色に、娘は戸惑いの声を漏らす。 娘は確かに、あの家の縁側で眠ったはずだった。 彼の永眠ったあの場所の…
恐る恐るといった調子で体を起こした娘が、困惑したようにあたりを見回す。
と、少し離れた場所にそびえる、一本の巨木に気がついた。]
(84) だいち 2015/04/25(Sat) 23時半頃
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また一片、舞い落ちた薄桃が幼い娘の髪を彩るが、娘自身はそれには気づかず、ただただ無言で目の前の巨木を見つめる。 花びらの舞い落ちる音さえ聞こえそうな、静寂。 しばらくして、ようやく少女は唇を開く。]
…あぁ。
[酷く懐かしい景色だった。 それは幾度繰り返した生の前だったろう。 きっと私は、ここに来たことがある。 立ち上がると、ころりと紅が転がった。 拾い上げたそれは、薄汚れた紅い手毬。]
…てんてんてん。 淡墨様のお祭りで てんてん手毬貰いました。 てんてん手毬は何処でつく 桜のお花の下でつく 下でつく………
(85) だいち 2015/04/25(Sat) 23時半頃
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[ぽんと放り投げた手毬を追いかけるようにして、舞い上がる袖。 袖に縫いこまれた色とりどりの蝶が、きらきらと舞い踊る。 娘は唐突に、手毬を取り落とした。]
あぁ、あぁ。
[袖を抱きしめるようにして、喘ぐ。 転がった手毬は、娘を誘うように巨木へと向かう。 ふらり揺れた足元が、無意識にそれを追いかけた。]
淡墨様、淡墨様!
[思い出した名前を口にして。 花開くのを待つばかりの枝を見上げ、娘は木肌にそっと触れる。]
(86) だいち 2015/04/25(Sat) 23時半頃
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[娘の頬が興奮に赤く染まる。 きっと、きっと、この記憶は間違っていない。 私の、私だけの、大切な…]
来ました、私、約束を、果たしに。 貴方が下さった蝶々、袖に添えて。 だから、言ってください、あの言葉。 今の私の名前は…ーー
ー?END?ー
(87) だいち 2015/04/25(Sat) 23時半頃
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[一度弾けた星たちは、天空が崩れ落ちるように散逸してゆく。 それはこの宴の幕を意味する。 それはこの時の終わりを意味する。]
……あれ?
[花弁がミツボシの肌に触れるたび、その個所が熱を帯びて発光してゆく。 手首が、膝が、耳が、ポツポツと花時雨によって白く染まってゆく。]
……なるほど、アタシがここに居れるののタイムリミットってことね。
[斑に光る手のひらを見つめ、大樹の桜を見上げる。 おそらくそれは『うすずみさま』とやらの思し召し。 シアワセになるための第一歩。]
どうせなら、桜が見れる世界に飛ばしておくれ…ってね。
[瞼の上に、また一つ花弁が着地した。 塗りつぶされる視界。白く。白く。 暗く冷える黒い虚無とは違う、白く明るい温もりの光。]
(88) housenka 2015/04/25(Sat) 23時半頃
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[たとえこの光の向こうが、また敗残者の夢の果てだとしても。 もう少女の目は諦めの眼光はない。]
……ありがとう。
[甘酒の残り香が消える前に、光に向かって礼を―――]
(89) housenka 2015/04/26(Sun) 00時頃
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―西暦198X年・東国―
キシシ、まったくローテクな世の中だこと。 写真一枚撮るのにもフィルムから現像しなきゃいけないだなんて。
[店外へ足を一歩踏み出したあと、ミツボシはヒラヒラと写真の紙を振りながら小さく笑う。 巨大な機械兵器も、光学兵器も、宇宙戦争もない時代。 まだ人類がようやっと月に手を伸ばしたくらいの、大地の時代。
だからこそ、映える桜がそこにあった。]
よし、行こう?ランスロット。
[足元にすり寄る小さな黒猫の頭を撫でて、少女は桜並木を今日も往く―――。]
-END-
(90) housenka 2015/04/26(Sun) 00時頃
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[雲一つない青空の下、無骨な石油の煙が登る音。 傍にある池の畔では人一人の腕では届かない程の大木が佇んでいる。
春。 桜が咲く季節。
花は咲かない、ただの大木。 苔むした幹に虫や鳥獣を匿うだけの大きな枯れ木。]
(91) tyu-gakusei 2015/04/26(Sun) 00時半頃
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[ ひらり。
池の水面に花弁が一つ。二つ。 枯れ木から別たれた、若木の桜から。
大きな枯れ木に寄り添う様は、まるで何かを守っているかのように。 びゅう、と風が吹けば散った薄桃色は栗毛の髪>>79に。]
おぅい。
[耳を掠める風の音は、誰かの呼び声にも聞こえるだろう。 それはただの錯覚だ。
けれど、]
(また一年後に)
[そう願うのは、枯れ木に胡座を組んだ若木の桜だけ。
枝を揺らしては、ひらり、ひらり。*]
(92) tyu-gakusei 2015/04/26(Sun) 00時半頃
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─伊那の淡墨桜─
[昔むかし。 淡墨桜が、まだただの桜の若木だった頃。すぐに散る桜よりも、花も長く香りのある梅が好まれた時代。
少しばかり色味の珍しいその桜を、大層愛した歌人がいた。 葉桜の夏も、葉も落ちる秋も、木枯らしの冬も、元気か、枯れてはいまいか、また綺麗に咲いてくれるかと。 お節介なほど世話を焼き、飽く迄話し掛け、そうしてよく、詩を詠んでいた。
季節が何周か巡り、桜の幹も太く育ち枝ぶりも大きく、随分立派になった頃。 時節に流され立場も変わり、その地を去ることになった歌人は、桜の若木に『必ず帰る』と身勝手な約束を置いて、そうして二度と帰らなかった。
桜の若木が、歌人が死んだことを知ったのは、彼がその地を去ってから、半世紀も経ってからだった。]
(93) roki 2015/04/26(Sun) 00時半頃
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[死というものがなんなのか、木である己には分からない。
だから、葉桜の夏も、落ち葉の秋も、木枯らしの冬も。待ち続けた。
途中、違う場所に植え替えられる事になったのは、とても困ったけれど。どうすることも出来ないから、せめて人目につくよう、大きく育ては良いと思った。
慎重に枝葉と根を伸ばし、光を沢山浴びて、色を幹の内に溜め込み、春には精一杯、美しく。
一番きれいに咲いたなら、己を見間違えずにきっと見付けてくれる。
だってあのひとは帰ってくると言ったのだ。
それは、己がこの世に生じて一番最初の約束だったのだ。
そうやって帰りを待つ間に、気が付けばたくさんの人との約束が積み上がっていた。
また来年。
また来年。
きっと見に来よう。
果たされる約束と、果たされない約束。幾重にも積み重なって、そうしてとうとう古木と呼ばれるほど年輪が重なった頃。
自分が『何』なのか、ようやく気が付いた。]
神様になれば、何時までだって待ってられる。
此処から動くことは出来ないけど、いつか、が果たされなくても。待って、られるだろ?
[立ち枯れて逝く事よりも、永遠を、不変を選んだ。
高く高く積み重なった小さな約束が、己をそこまで押し上げたのだ。
伏せた目の奥で、揺れる面影。
もうその誰かのことなんて、ほとんど、顔も思い出せないのだけれど。
それでも、小さな約束で、無意識に、そんな意図も無く、己をを支えてくれた全ての人や、けものや、あやかしたちに、ずっと寄り添い咲いていたい。
その気持ちを、役目を、与えてくれた一番最初の約束を、いつか果たすことが出来るのなら────]
やっぱり、『おかえり』ってさ。
言いたいなあ。
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[ぽたぽたと、花が落ちる。
段々と白み始めた空に、もう夜明けが近いことを知った。 ほんと少しだけ墨を乗せたような、白い桜の花弁。 目の前にひらりと落ちたそれを、小鈴は手のひらでそうと掴まえた。]
……きれい。
[うすずみさま≠フ世話役を仰せつかって、三年。 いつも、この時だけは傍に寄ることを許して貰えない。 木の上に招かれていた者たちも今はそれぞれ地面に降ろされて、見上げた淡墨桜の、下から数えて四番目。一際太い枝に、見慣れた姿が手を広げて立っていた。]
(94) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
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[温い風が容赦なく花を浚って。 枝はもう、深夜の満開が嘘のよう。 その光景は、何度見ても胸の奥が騒ぐ。 いつだって、祭りの終わりはどこか、さみしい。
桜の花さえ咲かなければ、こんな気持ちにはならないんだろうか。 ふと思う。 すぐにそれを打ち消した。だって、この光景を見ないで終わる春なんて、信じたくない。
そうしている間にも、空は白々と明けて。 花祭りの夜が──終わりを、告げる。]
(95) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
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[ぽたぽたと、花が落ちる。
枝の上の男は、両腕を広げて全身で風を受ける。 散っていく花弁は、雪のように降り積もって、一面半紙に淡墨を撒いたよう。
涙みたいだ。
唇だけが動いて、天を仰ぐ。温い風が浚った花弁に、雫が混じったのはきっと気のせいだろう。
眼下の景色をぐるりと見渡す。 祭りの喧騒は薄れて、もうみんな帰り支度をしている頃。 葉桜や冬枯れの桜を愛でるものはそうは居ない。それでも、もうほとんど花の残らないこの樹を見つめる目はあったろうか。]
(96) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
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[ふと、幾らか疎らになった人々の中に、並んで立つ二人の少女の姿。 古めかしいセーラー服を着た外神の娘。痩せてはいるけれど、日に焼けていない肌はつやつやと血色が良い。 隣に並ぶ少女は、初めて見る顔だ。けれど、その着物の裾に舞う蝶を見付ければ、淡墨桜の口の端が、優しいやさしい弧を描く。]
約束、だもんな。
[呼んだ名前は、もう失われたものなんだろう。 次会う時には、きっと新しい名を呼ばせてくれる。また会いに来ると、脳裏の幼子はそう言ったのだから。
目元を緩め、にんまりと。 美味いものを食べて、誰かと話して。祭りの最後は、楽しい気分で──]
(97) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
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じゃあ、またな。
(98) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
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[ひらり、最後のひとひらが落ちて。光の蝶が群れを成す。淡い光は白んだ空に溶け。
そうして、うすずみさま≠ニ呼ばれた男の姿は、朝日の中に解けて、消えた。]
(99) roki2 2015/04/26(Sun) 01時頃
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昔むかし。 とある領主の城の庭に、一本の桜の木が献上された。 大変色味の珍しいそれは、傷まぬように人手を多く雇って慎重に移植が行われたという。 さて、その雇われた者の中に、口を利かぬ庭師の男がいた。 彼は出自こそ不明だが、植物の扱いにとても長けていたため、桜を掘り返す際にも大層重宝されていた。 明日にはいよいよ植え替え、というある晩のこと。 件の庭師が、人目を忍んで桜を植える為に掘られた穴へと近付くと、こっそりとその底を一尺ほど掘り進めた。 そうして、柔らかくなった穴の底に抱えてきた箱を埋めると、土を被せて均し、そ知らぬふりで朝を待った。 植樹は無事に終わり、その腕を買われた庭師は仕事を与えられ、ついにはその地に住まうようになる。やがて時が経ち、世代が代わり、庭師の家系はいつしか樹医へと家業を変えていった。
(100) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
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庭師の男は、家庭を持ってもたいそう無口でほとんど口を利かなかったため、桜の木の下に埋められた箱がなんだったのか、知る者はいない。 彼がかつて、世相に流され、ついには故郷に帰れず逝ったとある歌人の付き人であったことも。かつての主が死の間際に、遺骨をある場所に埋めて欲しいと頼んだことも。 箱の上に植えられた桜が、のちに伊那の淡墨桜と呼ばれることも。 誰ひとり、神様ですら知ることの無い、*真実である。*
(101) roki 2015/04/26(Sun) 01時頃
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