255 【RP村】―汝、贖物を差し出し給え―
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狼
墓
少
霊
全
ブローリンは森番 ガストンに投票した。
スージーは森番 ガストンに投票した。
ペラジーは森番 ガストンに投票した。
ガストンは採集人 ブローリンに投票した。
ガストンは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ペラジーが無残な姿で発見された。
村人達は自らの過ちに気付いた。
人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。
悪夢は去ったのだろうか…唐突に、突然に開放を知らせる鐘が鳴った。
ショクは無事に見つけ出せたのか、そして貴方の大事な記憶は"守られたのか"。
玄関の施錠が外れた音がする。
地下からも地上へ出ることができるだろう。
だが、隔離室だけは開かれることはない。
(#0) 2016/10/13(Thu) 00時半頃
/*
みなさま、おつかれさまでした。
館でのショク探しは終了となります。
いつもどこからか監視されていたような気配は消え失せ、
館の鍵は解放されています。
外に出ると、車が用意されていることでしょう。
エピローグについて、村建てから落とせる確定情報はこちらだけとなります。
・捕まってしまったショクは、しばらくの間、組織からは逃げられません。
・食べられてしまった記憶は二度と戻りません。
ここに閉じ込めていた集団の目的、規模などは、ご自由に描写していただいて構いません。
また、それぞれのキャラクターの最後も貴方の手で締めくくってくださいませ。
(#1) 2016/10/13(Thu) 00時半頃
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[スージーの背中を見送って、残る二人。 隣に座わり見上げたその先にはとても美しい青が映る]
家系なのかな?どうかな。 聞いたことなかった。
父さんと母さん、記憶無くしちゃったんだ。 だから色んな事、もう聞けなくて。
……ショクって、1番大切な記憶を食べるんだってね。 父さんも母さんも、「家族」を忘れちゃったんだ。 娘のことも忘れちゃったけど それってつまりさ、ボク達の事が1番大切だったって事だよね。
…………なんて。 ひとりで喋ってるね、あはは。 キミは大切なひと、いる?お猿さんは家族だよね、きっと。
[ごめんごめんと笑って 初めて見えたその瞳に手を伸ばす]
(0) asaki 2016/10/13(Thu) 01時頃
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君の瞳は空みたい。
とても綺麗だね。
ボクの故郷の名前はね、「空の丘」っていうんだって。 どんなところかな。
君の瞳みたいに、綺麗な青が広がるのかな。
辿りつけるといいな。
[その為には早くここを出ないとね、と 目の前の青に変わらず微笑みかける*]
(1) asaki 2016/10/13(Thu) 01時頃
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……そっか。
[>>0片肘をテーブルについて彼女の方へ顔を傾けながら、落ちたことばの一つ一つに耳を傾ける。 実際に悲劇として体感した彼女を前にしても。
まあ、よくあることだな。と、思うのは捕食者の性か。]
僕は――そうだねえ、故郷に帰れば、両親が居るよ。 大事な人は……どうかな。
居るけど、もう会えないからね。
(2) Noah 2016/10/13(Thu) 01時半頃
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[伸びてくる手を振り払うことはしなかった。 いつからか前髪の奥に隠すことの多くなった瞳を、褒められ慣れているとはいえ、母の色だ。嬉しくない訳がない。]
母親譲りでね。
――そうだねぇ、 行けるといいね?
[緩く細めた蒼は、静かに魔の色を湛える。 ――目を逸らすことを許さない捕食者の瞳は、それでも笑みを崩さないまま。]
君の忘れたくないもの、はそれかな。
[ なら、それを貰おうか。 ]
(3) Noah 2016/10/13(Thu) 01時半頃
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そっか、会えないんだ。 でもきっといつか会えるよ。君の大切なひとも。
そうあって欲しいな。
[蒼の色に突然木立が騒めいた 瞳に宿るのは欠けた月の赫にも似た]
…………そうだよ。
忘れたくない、忘れられない、 大切な、大切な、
[逸らすことが許されないのなら、せめて。
まるで祈りを捧げる時のように、両手を大切な、父と母へ*]
(4) asaki 2016/10/13(Thu) 02時半頃
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―― 前日の地下にて ――
ええ、ここに。
[こちらの声かもしくは気配に気づいたのか問いかけ>>5:+21があれば答えました。]
ご気分は、いかがですか [同じ場所にいただれかにもその声は向けられたでしょう。]
こちらもそちらとそうは変わりません けれど、捕らえられている分気分は違うかもしれませんが
[声が帰ってくれば>>5:+25ほっとした表情を浮かべました。]
ニコラスさんに会えたなら聞きたいことがあったのですよ。 私は後悔はしていません、貴方の飢えは、うるおいましたか
[穏やかな声調子で、問いかけます。]
(5) はたけ 2016/10/13(Thu) 02時半頃
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ええ、おじさんです。 何もしていませんよ、させられてもいません。
[顔見知りの掃除夫くん>>5:+27から 声がかかれば返したでしょう。 ショコラさんとのやがて会話の中で彼が口を開けば、黙って聞きました>>5:+28 そうして彼が口を閉じたタイミングを見て]
すみません、よく知りもしない方を、君のご友人を悪く言うつもりはありませんでした。 悪い生き物だとも、少なくともまだ思えません。
けれど今は少しデリケートになっているのでしょう。 どうか、お見逃しを。
[嫌がられることがなければいつも彼がそうしてくれていたように、肩に手を>>5:+30置いたでしょう。*]
(6) はたけ 2016/10/13(Thu) 02時半頃
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おかしいですか。私が貴方を気遣うのは。
[首を振った彼>>+26につられるように苦い笑みを贈りましょう。]
糧となった人が、皆が皆後悔して 皆が皆貴方を…、いいえ貴方がたを忌み嫌うとも限りません。
(7) はたけ 2016/10/13(Thu) 02時半頃
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――そう、でしたか 信じましょう。
[ショコラさんの言葉>>5:+32には短い言葉で返事を。 そうこうしている間に、ラルフくんが会話に入ってきたでしょう。]
…そうですか、どうかご無理なさいませんよう。
[私の手から、ショコラさんが何某かの感情を逡巡していることは見て取れました。 ――渦巻く負の記憶だとは知らないままに、もう一度だけその背を撫でてから、 小窓のある部屋へ向かったでしょうか。*]
(8) はたけ 2016/10/13(Thu) 02時半頃
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ラルフ君。君は一つ勘違いをしていますよ。
[かかった声>>5:+37の声色は、どんな色だったでしょうか。 私が今初めて君の名前を呼びました。私の声を、どうしても聞いてほしかったので。]
食べた、のではなく 与えた、が正しいんです。
私にもそれはそれは大事な記憶だったのでしょう けれどね、後悔はしていないんです。
…おかしいですかね
[守るためであるとか、そんな理由はいくらでも付けられます。 でも、唇からこぼれてくるこれが、きっと本音というやつなのでしょう。]
(9) はたけ 2016/10/13(Thu) 02時半頃
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そうだねえ。 殴られる覚悟しとかなきゃ。
[嘯く声音も常のまま。 その手が祈りの形を作るのを視界の端において、>>4
それでも嗤っていた。]
(10) Noah 2016/10/13(Thu) 03時頃
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[やがて満たされる恍惚の至福と共に、その身は深い眠りの中へといざなわれる。 力を失った身をテーブルに伏せさせてから、立ち上がった。
自室の扉を開いて、片足を掌で叩いて相棒を呼ぶ。]
ジル。 ジルエット、"帰るよ"。
[ずっとひとりぼっちで退屈だった小猿は意気揚々と主人の肩に駆け上がると、せっせと髪を繕う。 どこにいってたの。ぼくはこんなにひまだった。そう、言い募るように。]
(11) Noah 2016/10/13(Thu) 03時頃
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[持ち込んだ荷物など、大して存在しない。 与えられた招待状と名前の記された封筒だけは、燃やして捨てた。
唐突に響く鐘の音>>#0が鳴り響いたのは、最後の晩餐を終えた後。 ――残された彼女も、逃がすつもりは無かったが……、鐘の音に怯える小猿を宥めて、口元には穏やかな微笑が浮かんだ。]
(12) Noah 2016/10/13(Thu) 03時頃
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……終わり、ってことかな。
なら、もう、あれはいいや。
[さあ、帰ろう。
僕たちのうちに。]
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[地下があることなど知る由もなく、厚い鉛の玄関扉の前に立つ。 手をかければ、容易く開いた扉を潜る。
振り返ることは、しなかった。 留まる理由はない。
逃げる理由は、あるとしても。]
(13) Noah 2016/10/13(Thu) 03時頃
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[扉を開いた先の空は赤みを増している。 そこに待機していた組織の人間が用意した移動手段には手を付けないまま、獣道を下って屋敷を離れた。
ペラジーに手をかけ、スザンナを見逃す選択肢を選んだ以上、長い滞在は身を滅ぼすだけだ。 完全に――連中が手を引いたとも、限らない。
そうして、日が完全に暮れきる前には、懐かしい山小屋の扉の前に辿りついた。]
(14) Noah 2016/10/13(Thu) 04時半頃
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[部屋の隅にある箱から、林檎をひとつ拾い上げて、小猿が食べやすい大きさに切る。 そのうちのひとかけを口に突っ込んでから、小猿に差し出した。
ようやくまともな食事にありつけたジルエットは尾を揺らしながら、小皿の上の林檎を頬張っている。 布巾で手を拭いて、机へと向かった。
ペンを取り、さらさらと遊び線を刻んで、さあ、何を伝えよう。]
(15) Noah 2016/10/13(Thu) 04時半頃
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[確信があった。 たとえどれだけの時間が経ったとしても。 必ず、あいつはここを訪れる。>>3:96]
忘れてくれればいいのに。
[そう、忘れてくれればよかったのに。 或いは、選んで持ち去ることが出来るなら、良かったのに。
倒れ込む前の目が、>>4:+8すべてを裏付けている気がした。]
(16) Noah 2016/10/13(Thu) 04時半頃
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……馬鹿野郎
[一番でなかったと卑屈で居るつもりはない。 そうじゃない。
大樹の根と枝だ。 きっと彼にとって、ブローリンは羽休めの枝だった。 失われて崩折れた大樹そのものが、きっと、彼の"根幹"だったのだ。
根が崩れ消え去ったとしても、折れた枝はそこにある。 ――ずっと。]
(17) Noah 2016/10/13(Thu) 04時半頃
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[暫くの時が経ってから、こつ、と新しい紙にペン先を置いた。**]
(18) Noah 2016/10/13(Thu) 04時半頃
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……
良くは、ないな。
[>>5問われた言葉に、そう返す。 彼らに近づけば、ニコラスからショクだと告げられるのはその後。
[問うた、言葉。一瞬陰りを見せる表情。 彼が、語り始める言葉が部屋に反響し、 耳へと伝わる。]
………
[やはり彼の言葉に驚きはしないのだ。 記憶を司る器官もあるのは人なら当然と。
そして、人によって育てられたことも。 "人"ならば、そうであろうと。]
(19) doron 2016/10/13(Thu) 07時半頃
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[そして、>>+5:43"人"と"ショク"の明確な違いを、 ぶつけられ、理解する。言葉はない。
彼は"人"ではなく"ショク"なのだと。 "ショク"と見るより、彼を"人"として捉えていたことを。]
そうか。
[>>+5:44望む理由は、差し上げられないと言う言葉に、 三度目の言葉を告げる。
"ショク"であることを理解しても、 彼に対し、"ショク"と"人"の間を行き来する。
彼の言葉の締めくくり、それ以上、言葉はないだろうと分かる。
郵便夫の方を見、]
(20) doron 2016/10/13(Thu) 07時半頃
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邪魔をした。 すまんな。
[そう告げ、彼らに背を向ける。 身体が重く、これ以上は動くのも億劫だった。]
"人"と"ショク"は似ているな。
[彼らから離れる最中、そう呟く。 "人"は生命を喰らい、"ショク"は記憶を喰らう。 どちらも捕食者だ。
そして、その後、休息をとり、今日は終わりを告げたか**]
(21) doron 2016/10/13(Thu) 07時半頃
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―翌朝・扉の前―
鍵が……開いてる。
[昨日まで開いていなかったそれが。館がしん、と静まり返る中、ただただ、開かれた扉の向こうに広がる"いつもの景色"が、"いつもの音"を伝えていたのですわ。]
……ショクが、居なくなった、っていうこと……?
[結局。誰がショクだったかなんてわからない。誰の記憶が奪われて、誰が密告されて。今その人達がどこに居るのかなんて。でも、館を探そう、なんて夢にも思いませんでしたわ。
きっと私の顔は生気を無くしていたことでしょう。"思い出すだけ思い出して"。それで"失われなかった私"は。きっとそれだけで多くの罰を受けているのだから。
ふらり、館を振り返る事無く、外に出ましたの。]
(22) ししゃもん 2016/10/13(Thu) 10時半頃
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―山道―
[山道は険しく、ヒールなんかで歩く道ではなかったのですわ。でも迎えの馬車なんかに乗るつもりなんてなかった。今はひとり、考えたかった――
失われなかった記憶。遠い遠い、まだ少女だった頃の記憶。奉公人だった私が「身分相応」の恋をしてしまって、「純潔を失った」、たった一度の夜の記憶。
『ねえべネット、おかしな話かもしれないのだけど――』 『素敵な君に、渡したかったものがあるんだ――』
少年と少女の声は耳にいつまでも響いていて、今も忘れられない温かな想い。最後に贈られた一粒のパール。
"忘れたくない"なんて偽ってたけれど、これは、きっと違うんだわ。"忘れたくない"んじゃない。"忘れてはいけない"。私に課せられた枷。
どこまでも純潔であることが求められた身体。親の想い、手に入れるべきステータス。偽りの「純潔」が手に入れたそれを、幸せを。享受することなく、いつまでも"覚えていなければならない鎖"。]
……だから。奪われなかったんですわね
[自嘲気味に笑う声は、森の奥へと消えていく]
(23) ししゃもん 2016/10/13(Thu) 10時半頃
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……もう。戻れないわ。
[私は全て、覚えていますの。物心ついたその日から、今に至るまで、すべての記憶を。本当は、忘れたかった。こんなに大切な記憶だったのに、本当は忘れてしまって、ドレスに似合いのダイヤモンドを身につけて。そのほうが周りはどんなに幸せだっただろうなんて思えたの。
でも、私の胸元にはパールがあって。純潔ならざる者に似合いの宝石。それに気付かされてしまった数日間。 ああ。「どちらにも、戻れない」私は、不相応な格好をして、こんな場所を歩いているんだわ。
――ヒールの踵は、もう、折れた。
右も左も、東も西も、わからない。 ただ深い深い森が広がっていて。
靴をその場で脱ぎ捨てたなら、裸足で歩き始めますわ。木の枝も、鋭い岩も、枯れ葉も。汚れた素足を傷つけていくの。 でも、もう、いいの。どこにも、戻れないから。]
(24) ししゃもん 2016/10/13(Thu) 10時半頃
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―やがて、いつか―
[森の奥に身体を横たえて。ぼろぼろのドレスと傷だらけの足で。 それでもしっかり掌には大切な宝物を握りしめたまま。
――せめて。誰かの"記憶"に残っていればいい。
そんなことを、願いながら**]
(25) ししゃもん 2016/10/13(Thu) 10時半頃
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そう、…でしょうね 何が出来るかはわかりませんが、何か欲しいものがあればおっしゃってください。
[まるで牢獄のようなその場所を視界の端に収めながら、気休め程度と知りつつ声を掛けました。>>21]
貴方が飾った花は、――とても美しく咲いていましたよ
[その後も何某か声をかけられるようなら、答えただろう*]
(26) はたけ 2016/10/13(Thu) 14時頃
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―― そして遊戯は終着へと ――
……、?
[見つめすぎてぬるくなったコーヒーのカップを持ち上げた時の事でした。 その瞬間は唐突にやってきたのです。扉の開く音を聞いた気がしました。]
……おや
[カップを置いて立ち上がり、上階へ続く扉を引きます。 その扉は鈍い音をさせながらも、開きました。]
…これは
[そうしてすぐに知らせに行ったでしょう、扉が開いたことを。 それが済んだらはやる気持ちを抑えながら階段を踏みしめ、広間へ出ます。 そこに誰かが居たなら声を掛けてから、玄関の扉も開きます。
とても、重たい音がした気がしました。]
(27) はたけ 2016/10/13(Thu) 14時半頃
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ああ…、空です
[何日ぶりかで空の下へと出ました。 時刻がいつであっても、しばらくその場に佇んでいました**]
(28) はたけ 2016/10/13(Thu) 14時半頃
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[ とても永い、 夢を見た そんな気がする ]
(29) asaki 2016/10/13(Thu) 22時半頃
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[目覚めた時、そこには誰もいない。
隣には萎れてしまった薔薇の花と、 静かになった「風」の音の代わりに聞こえる
空気が館の中を流れる、そんな音]
……ふぁ、よく寝た。
………あれ。
[結末はあっけないもの。 自分を残してもうすでに外に出たものだっているのだろう。 元々こんな趣味の悪い所に閉じ込められた、それだけの縁。
出会いが突然なら、別れも突然。]
(30) asaki 2016/10/13(Thu) 22時半頃
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ふむ。
さて、ボクは何処にいけばいいのかな。
[帰るっていったって 自分が帰る場所がわからない。 今までどうしていたんだっけ。 そもそもどうして旅をしていたんだっけ。
新しい世界の風はとても澄んだ色。 大切な物を失ったのに、世界はこんなにも美しい。
リュートを手に取り、かき鳴らしてみる。 大丈夫、これは忘れていないらしい。
なら多分ボクは大丈夫なんだろう、多分、きっと。]
(31) asaki 2016/10/13(Thu) 22時半頃
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[静かに流る曲は、Ave Maria。 自分にはあんなに美しい声で歌う事は出来ないけれど
せめて、消えてしまった大切な想い達が 寂しくならないように。
最後の歌を ここで。
ふいに手を伸ばしたポケットから 何か紙が零れ落ちてしまったけれど、
ボクはそれを 拾い上げる事はないのだろう**]
(32) asaki 2016/10/13(Thu) 23時頃
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[休息を取ろうと、その場を去る時、 一言声がかかる。
足を止め、]
咲けたか。 良かった。
[皆既月食の夜にしか咲き誇ることは叶わない。 生きた証をその夜にすべて捧げるその花。
その時のために、蕾のまま生き続ける。 咲けずに終わるのは、寂しい。]
(33) doron 2016/10/13(Thu) 23時半頃
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[見ることはできなかった。 そして、この先、見ることは叶うかは分からない。
そのまま、振り向くことはなく、誰かに引き止められることがなければ、そのまま歩みを進めた。*]
(34) doron 2016/10/13(Thu) 23時半頃
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―山小屋―
[室内には、小猿が一匹佇んでいる。]
" ジル。ジルエット。 いいかい、お留守番だよ。 "
[開け放たれた窓。 箱の中にはたくさんの果物。
小猿は、ただ、待っていた。]
(35) Noah 2016/10/13(Thu) 23時半頃
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[おるすばんだよ。 やさしいこえで、かいぬしがそういいました。
ぼくはちゃんとよいこでまっています。 たべものはある。たくさんある。
いつものぼったらおこられたまどは、あいている。 でていくことだってできる。
でも、ぼくは、ちゃんと、いいつけをまもります。
だれだい? サルはしつけができないなんていったおばかさんは? ぼくはこんなにかしこいサルさ。]
(36) Noah 2016/10/13(Thu) 23時半頃
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[でもちょっと、たいくつだな。 いちにんまえのオスだから、ちゃんとやくそくはまもるけど。
おこられないから、ベッドのうえであそんじゃおう。
ほんだなにだってのぼっちゃおう。
つくえのうえのかみも、やぶいちゃおう。
おなかすいたから、りんごたべちゃおう。
ねむいから、ねよう。]
(37) Noah 2016/10/13(Thu) 23時半頃
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[ ブローリンが出ていってから、なんかいおひさまがでたんだっけ。 ]
[ ぼくはちゃんと、やくそくをまもる。 いいこで、おるすばんしてるよ。
ちょっといたずらもしたけど、いいよね ]
(38) Noah 2016/10/14(Fri) 00時頃
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[ ―― でも、ちょっと、]
(39) Noah 2016/10/14(Fri) 00時頃
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[ベッドの上で丸くなる小猿の首輪には、一通の手紙が挟まれている。
――この手紙を読む、誰かさんへ。
そんな書き出しから始まる、手紙が。]
(40) Noah 2016/10/14(Fri) 00時頃
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――この手紙を読む、誰かさんへ。
どうしてここを訪れたんだい?暇つぶし?たまたま?
どちらにせよ、そこに小猿がいたなら、彼の引取主になってくれないか?
彼の呼び名はあるけれど、君が新しくつけるといい。
二枚目に、普段僕が彼と接する時に気をつけていたことをまとめておいたよ。
見つけたからには、彼を見捨てないであげてほしいな。
二度捨てられるなんて可哀想だろ?
連れていきたかった。本当はね。
この先、彼を連れて行くことは出来ない。
僕は総てをゼロにしなくてはならない。
記憶を消すことが出来ないなら、思い出は置いていかなくては。
そうだね、たとえそれで、誰かのこころを苛むとしても。
君がもし、ここに僕を探しにきた誰かさんなら。
忘れてほしい。
君はどこへだってゆける。
だからこそ、忘れるべきだ。
何をかって? そんなの、君が一番わかってるんじゃないかい?
どうせ、僕の要求なんて聞きやしないことも、知ってるよ。
願うだけはタダだろ? 神様だって祈りゃ天啓をくれるんだ。
君に全く心当たりがないなら――……
そうだね、そのままでいるべきだ。
僕が何者かなんて、君は知るべきでないし、探すべきでもない。
そろそろ筆を置こう。
大好きな友人だった君に愛をこめて。
――御休み、良い夢を。
|
[手紙に署名の類は一切なく、文章はそこで終わっている。 室内には、何もかもが残されたままだ。
小猿がよく遊んでいた登り木も、たくさんの本が収められた本棚も、蓋のあいたインク瓶も。
家主が、友人のためにと買い揃えた食器一式。 家主の体格に合わない服が数着。
ぼろぼろの雨傘。 誕生日にと奮発して買ってくれた、気に入りの帽子。
――何もかもが、残されたまま。
家主だけが、姿を消している。]
(41) Noah 2016/10/14(Fri) 00時頃
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[ いつか、誰かが。この手紙を、 読むだろうか。 *]
(42) Noah 2016/10/14(Fri) 00時頃
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[気遣っている場合ではない>>+5:29と、言ったばかりなのにこの男は、潤ったかどうかなどと尋ねるものだから。 思わず開いた唇は、言葉を紡げないまま。]
――…おかげさまで。
[嘲笑うように呆れたような声を返したら、それは皮肉にも聞こえただろう。 初めて食べた、家族以外の味。>>+5:43 彼の記憶の切れ端が、一体どんなものだったのかも、自身は知らないというのに。
憂う淡い金の瞳は、同じ色の睫毛に覆い隠す。*]
(43) milkxxxx 2016/10/14(Fri) 00時頃
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ニコラスは、スージーに毛布をかけた。(エアの)
milkxxxx 2016/10/14(Fri) 00時半頃
|
[>>6 僕の憔悴っぷりと違って、おじさんはいつも通り……ううん。 なんだかいつも以上に、背筋がぴんと伸びて見えたのは何故だろう。 憑き物が落ちた。って表現は言い方が悪いけど、間違ってもいないのかもしれない。あの場所の空気から多少離れて、心配ごとが減ったのかもしれない。]
…………うん。 急に、ごめん。……僕もまだ、落ち着けてないみたい。
[素直に謝って、返事がわりに一回だけ頷いた。 悪い生き物だとまだ思えないって、――おじさんも"喰われてる"筈なのに。 どうしてこんなに、落ち着いてるんだろう。 肩をあたためてくれる掌が大きく感じて、三角座りに顔を隠しながら、ひとつだけ文句を言った。]
……ずるいなぁ、おじさんの癖に。
[どうしてこんなに、頼りになる気がするんだろう。 ――なんて、照れ臭いじゃない。口に出して褒めてやらないから。]
(44) kazanemind 2016/10/14(Fri) 01時半頃
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|
……………………、 なに?
[>>9 僕の名前。 ずっと前から知ってたって聞いたのに、敢えて今、初めて呼ばれた。 普段から都合よくヒトの意図が汲めるわけじゃないけど、 そこに含まれた空気がいつもと違うくらいは、流石の僕でもわかった。]
与え、た?
[どうしてさ。無くしたくないものじゃないの? ……なんて、僕はそう、思ってたはずなのに。 おかしいか。そう聞かれて、何故だか喉が詰まってしまった。
――こんな話を、前にもどこかで、聞いた気がしたから。]
(45) kazanemind 2016/10/14(Fri) 01時半頃
|
|
[どこだろう。 僕の中に空いたがらんどうで言葉が転がって反響して、 穴の外枠だけがデジャヴュに震えて、訴えてる。]
…………ううん。 おかしくない。……おかしく、ないと思う。
[もう僕の中から無くなった■■■と■■■が■めた ■■■■■に通ずるものがあった、――なんて。 揺らぎの出処がわかるはずもないから、泣きそうな笑顔を向けるしか出来なかった]
……おじさんは案外タフで、強いんだね。
[ああ、でも。ちょっと格好いいな。 自覚しちゃえば仕方ないから、一個だけ褒めてあげよう。**]
(46) kazanemind 2016/10/14(Fri) 01時半頃
|
|
―― 前日の地下にてブルーノ(>>33)と ――
ええ、…良かった?
[皆既月食の日に咲くとそんな風に言っていたでしょうか。 その花にどんな思い出を、そしてどんな記憶を持っているのか。 このまま話続ければ聞ける機会はあるのでしょう、けれど]
……とても、綺麗でした
[何故か、そんなことを語らせるのは無粋だと思ったのです。 答えてくれるかどうかを悩むより、 聞かぬままを花と取りました。 地下では少し、声が響きます。呟くように、自分に言うように零したこの言葉も、耳に入ることでしょう。*]
(47) はたけ 2016/10/14(Fri) 11時半頃
|
|
―― 前日の地下にてニコラス(>>43)と ――
[記憶の味は、私にはわかりませんので。飢えを満たせたかどうかだけ、尋ねることにしたのです。 少しの間沈黙を愛した彼が、唇を開いて告げた言葉は肯定を示し、そして。 どこか呆れたような声色でした。]
そうですかそれは
(48) はたけ 2016/10/14(Fri) 12時頃
|
|
それは、良かった。
[この言葉を聞いてまた、 彼は呆けた表情を浮かべるのでしょうか。 彼が再び沈黙を愛するようなら、少しだけ語ってみましょう。]
先程ブローリンさんがショクだと聞いてしまいました。 貴方は、貴方のしたかった事はこれで完遂したわけではないのでしょう。恨む気持ちは露ほどもありませんが
[饒舌に回る口に私のほうが少し驚いています。 しかし口調はあくまでも穏やかなままに]
仕返し、とでもいいましょうか 最後まで、貴方に"やさしく"しようと決めたのです。 笑ってくださって構いませんよ、けれど。
私の記憶を亡くした代償に、貴方に覚えて置いていただこうと思いまして。 どうかお忘れにならないでください、自ずから貴方に近づき 記憶を差し出して、そして与えた私の事を。
(49) はたけ 2016/10/14(Fri) 12時頃
|
|
[そう告げました。棘だらけの痛々しい怨恨よりも。 真綿のようにやさしい毒を、覚えていてほしかったのです。*]
(50) はたけ 2016/10/14(Fri) 12時頃
|
|
―― 前日の地下にてラルフと (>>44)――
[喰う側と喰われる側、どちらが正義でどちらが悪か、その問を此処に来てから何度か己に問いかけました。 そして出した回答は――]
ええ、精神的にも極限状態だったのでしょう。 興奮してしまうのは仕方のないことです。
[――どちらも正義ではない、そして悪でもないということでした。甘い考えだとは自覚しています。]
年だけは君より少し上なものですから 年上風を吹かせたくなるときもあるのですよ。
[けれどね、世界は世間はこれほどに寒く厳しい場所なのです。 一人くらい、こういう考えの人間が居ても良いのではないかと、私は思っているのです。]
なにせ、おじさんですから
[顔が隠されても肩を叩く事はやめず、幾分かでも彼が落ち着くまでその行為は続けたでしょう。]
(51) はたけ 2016/10/14(Fri) 12時半頃
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[こんな時のために名前を呼ばすに取っておいた。――なんてことは勿論ありません。 けれど、今このときは使わせていただくことを選びました。]
はい。泣いて叫んで嫌がって、無理やり奪われたわけではありません。 自ずから歩み寄り、与えることを選んだんです。
[疑問符がひとつふたつ、たくさん見えた気がします>>45 彼の中で反響する訴えに触れることはできません>>46 あくまで彼が、見せても良いと、聞かせても良いと思った言葉を受け取ることしか。 私にはできません。]
ラルフ君、人はね。人が思うほど、自分が思うほど単純ではないんです。 そう見えたとしても。
どうして自分がそういう行動を取ってしまったのか なぜ言葉を投げたのか、理屈では無いときもあるんです。
[泣きそうな笑顔を向けられたなら、鞄の中からハンカチを。 冗談のたぐいは得意ではないので、これも本音です。]
(52) はたけ 2016/10/14(Fri) 12時半頃
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男前が台無しですよ
[案外タフで、にはそうですかねと笑って。何度目かになる言葉を零しました。]
ええ、おじさんですから。*
(53) はたけ 2016/10/14(Fri) 12時半頃
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―― それから ――
[――どれだけ時間が過ぎたんだろう。
>>52>>53 僕としては……あくまで、僕としては……そんなつもりはなかったのに、おじさんが僕を泣いてる人みたいな扱いでハンカチを差し出すものだから、 つい、泣く準備が出来てしまった気がして、止まらなくて。 台無しだと言われても、心のどこかから押し寄せる涙に勝てなかったから、しばらくハンカチを借りることになった。
そのうちに泣き疲れて眠っていたから、 >>27 解放された知らせもどこか夢みたいで、微睡みに溶けちゃって。 他の人よりも遅い脱出になったんじゃないかな。]
(54) kazanemind 2016/10/14(Fri) 17時頃
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[今が何時なのかなんて、検討もつかなかったけど、 起きてみてから、ようやっと暗い廊下を照らす光を見つけた。 顔を出してみればそこは見慣れてしまった館内で、初めて、僕が地下にいたことに気がついた。
一直線に玄関に向かうと、 あの重たい扉が開け放たれていて、馴染みのないクルマが誰かを待っているのがわかった。
他には誰もいない。 ――僕を拘束しそうな堅苦しいスーツも見当たらない。
なら、僕には先にすることがある。]
(55) kazanemind 2016/10/14(Fri) 17時頃
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ブローリン! どこにいるの!?
[憎くき組織の連中じゃなくて、 ここで出逢ったみんなでもなくて。
僕はただ、彼に、 君に、あいたかったんだ。]
(56) kazanemind 2016/10/14(Fri) 17時頃
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……っ、
ブローリン!ニコラス!聞こえる!?
……ねえ、二人は、大丈夫なの!?
[暗くて息の詰まる場所に移動させられてから、パンがつっかえたみたいに響かなかった僕の赤い声が、また通るようになっていた。
空気の流れに乗せて呼びかけるけど、半端者の僕の声は元々遠くまで届きにくいし、"仲間"の気配なんて探れやしないから。
呼びかけて反応がなければ、もう、そこまででしかないんだ。]
僕は外に出られるようになったよ!
だから二人も、早く逃げようよ、ねえ!
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[呼びかけながら屋敷の部屋を、広間を、調理場を、開いていくけれど、 結局、僕が探していたふたつの金髪はどこにもなかった。 共通の、ちいさな友達さえ、もうそこにはいなかった。
……出遅れちゃったせいだろうか。それとも僕が地下にいた事にさえ気づいてない可能性もある。 だって僕自身、さっきわかったんだから。
それに気がつけば、こんな籠に長居は無用だよね。]
(57) kazanemind 2016/10/14(Fri) 17時頃
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[開け放たれた重たい扉の向こう側へ。
目の前に広がっていたのは――、
朝焼けかな。それとも、夕暮れだろうか。
悲しいくらいに底抜けな、紅と碧が交差する空だった。]
(58) kazanemind 2016/10/14(Fri) 17時頃
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─ その後 ─
[あの館から帰ってきた後、わたしは娼婦をやめた。
数日も行方が知れなかったにもかかわらず、比較的身綺麗な様子で帰ってきたわたしを、修道院の人たちは少なからず訝しんでいた。
戻ってきたと思ったら突然辞めると言い出すわたしに、シスターのクソババアやその他食い物にしている聖職者らは「どうしたんだ」「何があったんだ」と訊ねたけれど、わたしにもその理由は分からなかった。
ただ今はもう、自分がなぜ娼婦を続けていたのかが分からない。 男に身を開くということ、男に抱かれるということ、男に触れるということが、ただひたすらに、たまらなく気持ちが悪かった]
(59) 殿 2016/10/14(Fri) 18時半頃
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[まぶしい日差しに眼を細める。 手のひらをかざしてみても、血潮など見栄やしない。 もうじき、コートを羽織らないとやり過ごせぬ季節が来るだろう。 視線を戻せば、太陽の光がまだ瞳に残っていてちかちかする。
あたたかくやわらかで、ふっくらとした手。 母性の塊のような低い声。 手のひらに触れた、小さなしわの走る痩せた頬。
>>0:-9>>0:-10>>0:-11 母がわたしと向き合った最後の瞬間を、わたしはもう覚えていない]
(60) 殿 2016/10/14(Fri) 18時半頃
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[コツ、とハイヒールの踵が鳴る。 ベルトを外して、道端に靴を脱ぎ捨てた。
小さな素足は長らくヒールを履く生活を続けていたせいで外反母趾になり、繰り返した靴擦れのせいで指の皮膚は厚くなっている。
髪を結わいているリボンを外す。サイドアップがほどかれて、ただのショートヘアになった。 肩を覆うケープを脱げば、開いた胸元から覗く白い肌があらわになる。
道に散らばる石を受け止める足の裏の痛みが心地よい。 髪の毛先が風に揺れて、裸の肩をたたく。
突然服を脱ぎ始めたわたしを、みんなが気まずそうに遠巻きに見ている。 ハイヒールも、ドレスも、もう必要ない。 薄いアンダードレスだけになって、裸足で歩く。
わたしは、公妾にはなれない。なりたいとも思わない。
それでも生きてゆく。 借金を返さなければならないから。 わたしを犯した父親と、蒸発した母親のために**]
(61) 殿 2016/10/14(Fri) 18時半頃
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―― 紅と碧のゆくさき ――
[――僕は駆け出した。
まんじりともせず乗り込む誰かを待つだけの、 得体の知れないクルマなんて、目もくれてやらない。
あんな騙しがなければ。僕らがここに集まらなければ。 知る必要のなかったものだって、僕らの距離だって、 なにひとつ変わらずに顔を合わせられたはずなのに――。
ソレを齎したあちらさんの用意したものなんて、 どんなに気の利いたものも二度と触ってやるもんか。
森から伸びる影法師を、全部、全部、追い抜いていく。 坂道と泥が僕の足を掴んで引きずり倒しても、止まってなんかやらない。
この道をゆっくり歩いた数日前がいやに遠く感じた。]
(62) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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はっ…………は、ぁ ……っ
[見慣れた景色までようやく辿り着いた頃には、 完全に息切れしちゃって、肩で息を整えながら膝で身体を支えてた。
……グラデーションを頭上に、変わらず佇む、山小屋。>>35
彼はきっと待ってるに違いない。 意を決して、僕は古びた扉に手をかけた。]
(63) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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[『ねえ、どうして僕を置いて帰っちゃったんだよ。 幸せだった、なんて言い方、ふざけてるの? 馬鹿みたいな考えをしてるなら今すぐ改めさせてあげるから、 歯を食いしばって耐えてよね! 僕はそれくらい怒ったんだから!』
――投げかけたい言葉のひとつひとつが。
扉から来て、窓から逃げる風に、全部持っていかれてしまった ]
(64) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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――…… え?
[>>37僕を待っていたのは、何一つ変わらない彼の部屋。 だけど、それを異常な空間にみせているのは。
部屋中に舞い上がった、ビリビリのノートの頁。
そこここに散らばった、果物の食べのこし。
開け放たれたままにされた、ベッド際の窓と。
――ひとりぼっちで丸くなって眠る、小さな友達の姿だった。 ]
(65) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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[強盗でも入ったんじゃないかと一瞬焦ったけど、 よくよく見れば部屋自体が荒らされた形跡はなんにもなくて、 それが余計に、馴染んだ部屋を奇妙に歪ませて見えた。
頁が落ちるまでのほんの数秒だけ、僕は固まって動けなかった。 残された友達は、僕に気がつけば飛んで来ただろうか。
もうすぐ秋になる空気の中で残されていたんだ。心細かっただろうし、寒かったでしょう。 背中を撫でてやろうと手を伸ばしたら、丁寧に折りたたまれた手紙を見つけた。]
……………………。
[胸の奥が、ざわざわと音を立てて重くなっていく。 けど、……目を逸らしたくはなかった。 こうやって過ぎった時点で、僕にも覚悟はあったんだと思う。 ゆっくりと引き抜くと友達を膝に乗せたまま黙って読み進めた。]
(66) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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………………、ばか、だなぁ。
[宛名も差出人も何もない手紙。
だけど、僕にはわかる。
いつだったか、この子が床を足跡だらけにしたものだから、
これからは開けっ放しに気をつけようと笑った墨も。
僕がいつ来てもいいように用意してくれた、
彼にとっては余分なはずの皿や小柄な服も。
雨の避難時に慌てて持ち出したはいいけど、
意味を成さずにびしょ濡れにされたおんぼろ傘も。
街で見かけるたびに嬉しかった、僕が選んだキャスケットでさえ。
何もかも"残した"ままの、思い出が沢山詰まった部屋。
僕がここに来ることを確信した上で、
僕の目の前にこうして、全部全部用意したままで、
忘れてほしい――だなんて、ふざけた望みを書き残すんだから。]
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僕だって、君と会えて本当に幸せだとか、 大好きだったから、守りたかったんだとか、 ……結局なにも言い返せないまま、置いていかれちゃった。
[本当に、自分勝手で、一方的で、ずるくて、優しい奴なんだから。 だけど、それでも、僕の中には確かなものが残ってる。]
……いいよ。全く。 君が置いていきたい過去なら、勝手にすればいい。 僕からすれば、いつまでだって、友達なんだからさ。
(67) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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[――僕は、彼を忘れなかった。 あの時確かに思ったんだ。宝物の一つや二つ、惜しくないって。 僕の記憶の根幹と引き換えに、彼との日々を守れたなら、どんな宝物も惜しくなんてなかった。
だけど直後は、足元が真っ暗で、生きる理由もわからなくなって。 あまりに空いた穴が大きすぎたものだから、どう歩いていいのかわからなかったけど、 彼は僕の記憶を食べることで"ヒト"だって訴えてくれたから。 助けられた分の空っぽは、大事にとっておこうと思う。
だって、この穴を埋めるのは食べた君でしか有り得ないんだ。 君が僕といた確かな証拠を抱えて、逃がされた分を生きていく。 僕がそう決めたから、そうやってこれからを歩き出してみよう。
――僕は、彼を忘れなかった。 >>*2 "記憶を消すことが出来ないなら――" ……それなら、大丈夫。彼も僕を覚えていてくれるはずだ。
それなら、僕は、独りじゃない。]
(68) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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――……まったく。 ここから仕事に通うのは骨なのにね?
[膝の上にいる小さなともだちが髪を繕いにくる前に、ぐるぐる撫でてやる。 泣き果てたと思ってたのに、僕の瞳からは懲りずにぱたぱたと雨が降っていたから、 大丈夫だよと先手を打って落ち着かせてやるんだ。
……今日からはこの子のお世話が待ってるんだから、 清掃会社の片隅で寝泊まりするだけの生活では居られなくなっちゃう。 部屋には、何もかもが残ってる。 それなら容赦なく使わせてもらうよ。
君が置いていった思い出を、これからの僕のために。]
(69) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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ん。…………朝、だね。
[開けっ放しの窓から強い陽が差し込んで、顔を上げる。 今が何時なのかなんて、知らずにここまで走ってきたから、 久しぶりの日差しが目に痛い。]
ああ……、今日も一日、いい天気になりそう。
……出立日和だなぁ。
[もうここに戻らない友達に思いを馳せる。 今はどこにいるんだろう。 どこにいたって、僕はずっと君を忘れたりしてやらないから。 そう確信できる事そのものが、僕の仕返しだと思っておいてほしい。
目を細めれば、天気雨が伝う頬を、新しい光が照らした**]
(70) kazanemind 2016/10/14(Fri) 21時半頃
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[とても、綺麗でした。 響く声が耳へと届く。
背を向けたまま、一度目を瞑る。
数年の一度、記憶に刻まれていく花。
花はいつでも咲き誇る姿ばかり人々の記憶に残り、 枯れゆく姿は記憶に残らない。]
その花の姿を、覚えていてくれ。
[短い生涯、その中の一度が、誰かの記憶に残るなら、 それだけで悔いはない。]
(71) doron 2016/10/14(Fri) 22時頃
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あぁ、そうだ。
[再び、足を止める。]
もし、古い髪飾りを見つけたら、
[指先に昨晩指先に当たった感触は覚えている。 どこかに落ちてしまったのだろう。
そこで、一度言葉を止め]
持っていて構わない。 もう、持ち主のいないものだ。
(72) doron 2016/10/14(Fri) 22時頃
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[今日が館の最後の夜であると知るのはまだ先。 しかし、夜明けは迫る。
刻々と終わりが訪れていく**]
(73) doron 2016/10/14(Fri) 22時頃
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―― いつかいつかの ものがたり ――
[――ミャアミャア、ミウミウ。
甲高い鳴き声が遠くから聞こえる。 最初にここに到着した時は猫が沢山いるのかと勘違いしたけど、 ここら一帯に住む、猫に鳴き声が似た鳥なんだって知ってからは、地面を気にしすぎるのは止めにした。
僕が今までいた街では、そろそろ新しい掃除夫が雇われた頃だろうか。 小さな猿を連れたキャスケットの掃除夫は、仕事ぶりはなかなか丁寧で、それでいてのんびり屋だった。 そんな奴でも居なくなっちゃえば、足りない分を補充しようとすると思う。
お世話になったおじさんには一応声を掛けておいた。 名前を知らない時期よりも、名前を知った後の方が、ほんの少しだけ甘えるのが上手くなった……気がする。 っていっても、お喋りしたり、ランチを一緒に食べたり、 たまには奢ってもらったり、レモネードを一口もらったり。 やることは、あんまり変わらなかったけど。]
(74) kazanemind 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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…………ん、そろそろ乗れるかな。
[積荷が降り切ったのを遠巻きに眺めながら、買い足したマスカットを一粒口に運ぶ。 僕にとってはおやつみたいなものだ。ナマモノは早めに消費しておかないとね。
何せ、はじめての海と船だ。 どこまでも広がる青色に、期待と不安が綯い交ぜになって溶けていく。 ……わからない事だらけだけど、多分、何とかなるでしょう。 旅ってきっと、そんなもの。
つばの浅いキャスケット帽をかぶり直して。 僕は、肩でマスカットを頬張る小さな友達を撫でた。]
よし。 船旅の覚悟は出来た? 僕は出来てない。
[なんて笑い掛けたら、お食事中の黒い瞳が僕を見つめ返した。]
(75) kazanemind 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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もう会えないなんて、お前も寂しいよね。
行こ、ヴォワル。
[風を受けて僕を導く帆。僕の推進力。 新しい願いを込めてつけた名前、そろそろ覚えてくれたみたいだ。 キッと元気に返事を聞いてから、 僕はそう多くない荷物を背負って歩き出した。]
(76) kazanemind 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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[僕をあの街に縛り付ける理由はもうない。
僕はどこへだってゆける。
僕は自由だ。
だから、行こう。 君を探しに。 ** ]
(77) kazanemind 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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―― そうして、揺られて。 ――
[どれだけそこに佇んでいたでしょう。 くしゃみのひとつも出ないほど、私の体は冷え切っていました。]
――恐れ入りますが、行きのときに呼んだ馬車を呼んで頂けますでしょうか
[訝しげな顔をした組織の駒か、駒の駒かに続けてこう告げました]
チップをお渡ししてしまいましたし、請求が局へ行く事になっていますので 無駄にはできませんから
[駒は小馬鹿にしたような半笑いを浮かべながら御者を呼んでくれました。]
すみません、一つ約束が有りますので少しだけ、ここでお待ちいただけますか――……
(78) はたけ 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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―― 回想・地下室にて ――
ええ、ここへ来たことと一緒に、覚えておきましょう。 貴方のことも――
[不思議なことを仰る人だな、などとは今更ですね。 彼は初めて会った時から、どこか不思議な人でしたから。]
はい? 髪飾り、……ですか
[見つけたら、とそう言うからには大事なものではないのですか。 そういいたげな顔を向けましたが、持っていて構わない>>72とも、彼はいいます。]
……ええ、分かりました
[短い返事だけを返して、その日は過ぎ去っただろう――]
―― 回想・了 ――
(79) はたけ 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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[一通り、館内を見て回りました。 その際誰かとすれ違う事があったなら少々の雑談もしたことでしょう。 そうして、最後に訪れたのは地下です。
このまま、何も見つけられないまま、顔だけ見て帰る事も仕方のないことかもしれない。 そんなことを思いながら地下へと進んでいきました。相変わらず光の入らない部屋がどこか不安にさせてくるものですから、上階からランタンを持ち込んで来ます。]
……ふむ
[注意深く、歩き回っていたことが後を制したのか。ランタンに照らされた廊下の隅に、其れらしいもの>>5:+1を見つけました。]
これだと、良いのですが。
[袖の口で丁寧に埃を落としました。おあつらえ向きにここは、地下。 今ならまだ、彼に会うことが叶うでしょう。近づく足音と光に、気づいてもらえたでしょうか。]
失礼、ブルーノさんはこちらに?
[そうして彼の顔を見つけたなら、小窓からそれを差し出しました。]
(80) はたけ 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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貴方は私のものにして良いと仰いましたね けれど、見つけて欲しいとこちらの方もお思いだったのではないでしょうか
それに、初めからそれだけを思っていたなら わざわざ口には致しませんでしょう。
…さぁどうぞ [貴方の大事な、思い出を。] 私はもう行きます、どうかお疑いが晴れますことを そうしましたら今度は、そうですね……酒場でお会いしましょう
うまい葡萄酒を出す酒場を知っていますので。 ……お達者で。
[そうして短い言葉を口にしたなら、別れを告げずに背中を向けました。]
(81) はたけ 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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お待たせしました。 ……先ずは、局へ。何日も顔を出していませんから
[そうして気の良い御者と、他愛のない話をしながら、日常へと帰っていくのです。*]
(82) はたけ 2016/10/14(Fri) 22時半頃
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― … ―
["住み慣れた"館の玄関をくぐったのは、ちいさな思い出を捨ててから、両手の指を曲げて伸ばすだけの数を数えた頃。 前髪を後ろに流し、いつだったかに誂えた服を纏って、ノッカーも鳴らさずに戸を開く。 突然現れた来訪者に目を白黒させた見慣れない使用人が何かを云うより先に、十五年近く音沙汰の無かった息子の帰還に素っ頓狂な声を上げて母親が階下へ駆けてくる。 ――彼女の慌てぶりも当然だろう。ちょっと一人暮らしする、だなんて簡素なメモ書きだけを残して最愛の息子が消えた上、"ちょっと"だなどと云えない時間、戻ってこなかったのだから。]
―― ただいま?
[淑女らしからぬ取り乱しようで抱きしめてくる母親は、見下ろす程小さくなってしまった。 彼女の腕の中に収まっていた頃の自分が、随分と遠い昔のように思える。]
(83) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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「ああ……、ああ、可愛い我が子。 見違えたわ、若い頃のお父さんにそっくりね。 いきなり出ていくんですもの、私がどれだけ心配したと思ってるの。」
ああ、まあ――悪かったよ。
「いいのよ、帰ってきてくれて嬉しいわ。 お腹はすいてない?具合は悪くない? よそで不憫な目にはあわなかった?苦労したでしょう」
[矢継ぎ早にあれやこれやとまくしたてるのを、黙って聞く。もう久しく顔を見ていなくても、ここで口をはさむと泣き出すことくらい覚えている。 宥めるように背を叩いて、解放の時を待つのが一番の近道だということも。]
(84) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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母さん、いつまでも玄関に居たんじゃお客さんみたいだろ。 そろそろ離してよ。
「いやだわ、かあさんだなんて、前みたいにママって呼んでよ。 もうすっかり大人みたいじゃない――」
はいはい、"ママ"。 俺もう31だよ。子供が居たっていいぐらいだ。
[腕の中の息子の背中がすっかりたくましくなってしまったことにか、あるいは変わってしまった呼び名にか、時間の経過を実感してしまったからか。 泣き始めてしまった母親に、苦笑して肩を竦める。やれやれ、こうなると長い。]
(85) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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[結局、元のまま残されていた自室に引き上げることが出来たのは、それから随分経ってからだった。 大の男が使うには小さい机、絵本や児童書ばかりの本棚、家族で見たサーカスのチラシ。 出て行く前そのままの状態で、何もかもが残っていた。
寸足らずになってしまったベッドに横たわり、子供の頃に使っていたスケッチブックを、眺める。]
…… さよなら、 "ブローリン・ロイエ"
[何もかもを、捨ててきた。 もうあの"偽名"は必要ない。
二度と、名字みたいな名前だろ?親の命名センスを疑うよ。なんて、くだらないジョークを飛ばすこともない。 変わった響きの"姓"を、聞き返されることも無い。
ロイエ・ブラウンだとか、ビリー・バーカーだとか、レイモンド・ブライスだとか、数え切れない偽名の数々の中で、一番長く耳に馴染んだブローリンの名を、呼ぶ声はもう、どこにもない。]
(86) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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……ああ、やっぱり。 最後まで嘘つきにはなってやれなかったな。
[スケッチブックの表紙には、子供のたどたどしい字で、名前が記されている。]
(87) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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[ ロイ・ブラウニング ]
(88) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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[青い目を緩やかに眇めて、いつもより開けた視界を閉ざす。 脳裏にちらついた懐かしい日々を総て、記憶の奥底にしまい込むように*]
(89) Noah 2016/10/14(Fri) 23時頃
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[郵便夫へ言葉を返した後。>>43 自らのことを司祭へ話し出す音は、密やかなものだっただろう。それでも、その音に淀みは一切なかった。>>19
ただ、僕が言葉を紡ぐその様子を。 顔色を一つ変えず、聞いている司祭を眼の端に留めて、ぽつり。ぽつりと声を零した。>>+5:43
消えることのない、僕の、記憶。]
(90) milkxxxx 2016/10/14(Fri) 23時頃
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― 邂逅 ―
[その屋敷へ訪れたのは、とても幼かった頃。
楓の葉程の小さな掌を伸ばして、優しげな面立ちの皺皺の手を取った。
幼子の"ショク"は、かくして初老の夫婦により館に出迎えられた。
その屋敷の"孫"として。
"ショク"は個体差が大きい。
食事の頻度も、体格も、寿命も。
まるで人間と同じように、バラつきがある。
幼子の"ショク"は少食であった。
食べる頻度も、量も。
ゆえに、体格も周りの人間より劣っていた。]
[幼子の"ショク"は食事に困ることなく、育てられた。
"餌"は、自らの引き取り手である老夫婦の"記憶"。
幼子が食事をする度に、彼らはひとつ、何かを忘れていく。
幼子とできた記憶を、ひとつ。ひとつ。
その度に、幼子は記憶していく。
忘れてしまった老夫婦との過去を。
そして――、
最後には、青年に育った幼子のことも忘れてしまった。]
[その夫婦は"ショク"に食事を与える前に、必ず記録した。
しかし、記録したことを忘れてしまっているために、彼らがその記録を読み返すことは無かった。
青年のショクの手元に残ったものは。
彼らから与えられた莫大な資産と、"青年"のみが知る思い出。
何冊にも認められた、彼らの記憶。僕の思い出。
何故、彼らがそこまでしてショクを引き取ったのかという理由だけは、書かれていることはなかった。]
|
― 現在 ―
[ふ……と瞼を持ち上げる。 そこにはブルーノが居て、小窓から覗く郵便夫の姿が見える。
郵便夫の言葉は、まさしく自らが与えられてきたもの。>>+7 膝の上で作った拳が強く握り締められる。 崩れそうになるポーカーフェイスを、唇を噛むことで堪えたら。]
……全く、愚かな人だ。
[震えた声で、せめて精一杯の、悪態を。 憎まれるべき役を。 そのために私は、この部屋へ来たのだから――。*]
"ショク"とっては、人間は餌でしかありません。 これ以上、私に食べられないように――、
ここから離れることだ。
(91) milkxxxx 2016/10/14(Fri) 23時頃
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―― 夕闇の中、日常へ ――
………。
[局へ戻った私を、同僚が目を丸くして迎えました。 有給休暇を取っていたのだと聞かされたそうです。 人の良い局長が、私を個室へと連れ出しました。
何故このようなことになったのか。 その説明も多少はあると思っていましたが。
見たこともないような険しい表情をした局長は個室に入り私を座らせるなり、深く、深く頭を下げました。一言もしゃべらないままで。]
…局長はご存知だったのですね そして、貴方が抗えない相手からも息が
頭を上げてください、分かりました。 もう聞きませんし、責めません。
ただ一つ、頼みが有ります
(92) はたけ 2016/10/14(Fri) 23時半頃
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有給をもう二日ほど頂けませんか
[見ての通り満身創痍なので、と続けると漸く局長は頭を上げて、分かったと頷いてくれました。 自分のデスクに溜まっている仕事から急ぎのものだけを手早く片付けて、家へと戻ることにしたのです。]
(93) はたけ 2016/10/14(Fri) 23時半頃
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―終わりの日―
[ガチャリ。とどこかで音がした。 少し騒がしいその様子から、どうやら。]
終わったか。
[そう呟く。昨晩のニコラスと郵便屋のやり取りから、 郵便屋は記憶を喰われたらしかった。喰われたものは、外に出れることを少々、安堵も覚える。]
人間は"餌"でしかない、か。
[昨晩>>91ニコラスが言っていた声を口にする。]
なら、私は餌となるのだろう。
[この館へと閉じ込めたものは、執拗に"ショク"を 欲しがっていた。ならば、"ショク"を殺すなどいうことも、ないだろう。]
(94) doron 2016/10/15(Sat) 09時頃
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[つ、と扉を見る。恐らくは、ここは開きはしないのだろう。と、誰もいなくなり静まり返ったはずの廊下から、靴音が響く。
やがて、>>>80昨晩と同じように小窓に顔が見える。]
私なら、いるが。
[こちらに気付いた、郵便屋が差し出してきたもの。 それは、]
………
[あの記憶に固執する歳でもない。しかし、彼の言うとおりであった。なぜ、それを口にしたのだろうか。
さぁどうぞと、彼の手の上にある"記憶"を見る。]
(95) doron 2016/10/15(Sat) 09時頃
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あぁ、そうか。 誰かに"記憶"を預けたかったのだろうな。
[記憶を失うことは恐ろしくはないのだ。 若きより年寄りから奪えと思うのも変わらない。
だが、忘れられてしまうことを、忘れられてしまったことを。それを寂しく思うのだ。]
さすが、郵便屋というものか。 届けずにはいられぬようだな。 [預ける相手を間違えたな、などと失礼なことを思う。 疑いが晴れることをという言葉に、 それが晴れたとして、出れることはないのではないかと思う。
"ショク"を手に入れたものたちにとって、餌も必要であろう。]
(96) doron 2016/10/15(Sat) 09時頃
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酒か。 久しく飲んでいない。
そうだな。楽しみにしていよう。
[再び戻った"記憶"を手に。 そして、背中を向けさるその姿を見送った。*]
(97) doron 2016/10/15(Sat) 09時頃
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[大家の爺さんに長いこと帰らなかった理由を尋ねられても、 適当にごまかしました。 仕事が立て込んでいて、職場に留まったとか。この所少し時間が緩やかになってきていた爺さんですから、さして気にする様子もなくそうかい、とだけ返してくれました。]
……私宛て、ですか
[そうして漸く、私はその手紙を受取るのです。 誰かが結婚するだとか、たまには帰ってこいだとかそんな手紙だろうかと思いながら封を切ります。]
(98) はたけ 2016/10/15(Sat) 21時半頃
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[その手紙を読み終える頃、私はコーヒーを啜って居ました。]
これ、ですか
[館に居た頃書き溜めた手記を開きます。 馬車の中で何度か読み返しました。そしてこれが、与えたものなのだろうということも察しがつきました。] ……、
[普段ほとんど何にも頓着がない事は自分が一番よく分かっています。その自分が、これほど大事にしていた筈のこと、けれど]
(99) はたけ 2016/10/15(Sat) 21時半頃
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わかりません
[その人をどういう風に思っていたのか、どんな顔で言葉を掛けたのか。 手記を読めば状況はつかめます。けれどその思い出には、色がなく、顔がなく、声もないのです。]
然し、時間がないとは 書いてあったように、体が弱くていらっしゃる、と
[さて、そんな断片的な記憶でも。 私は、私です。その根本の部分だけは、変わりようがありませんから。 会いに行くことを決めるまで、 そう時間はかかりませんでした――。]
(100) はたけ 2016/10/15(Sat) 21時半頃
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―― 小麦畑の逢瀬 ――
天気が良くてよかったです……、いいえ 良かったね
[そうじゃないでしょう、と責めるような目線を感じた気がしたのでそっと訂正しておきました。 折しも季節は秋です。抜けるような青空に、爽やかな風が気持ちよく肌を滑って行きます。]
君の好きな景色が見れて良かったで……良かったね ああ、いやさっきも言ったけれど覚えているわけじゃないんだ 僕の書いた手記にそう、書いてあった
…ごめんね、この喋り方はあまりにも懐かしくて少し慣れないよ
[僕は背中を向けていたので、君の表情はよくわかりませんでしたが風の音に似た声が、笑っていることを教えてくれました。]
不思議な気持ちだよ。 覚えていたらよかったとも思うし、そうでないからこうして話せているような気もする
(101) はたけ 2016/10/15(Sat) 21時半頃
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僕は、君と話すとき、どういう顔をしていた――?
[はじめて、いいや久しぶりに会った君は少女のような笑顔で僕を出迎えてくれて。 僕はこんなに素敵な人に、恋をしていたんだと思うととてもドキドキしたんだよ。]
そう急かさないでくれ、僕もとても緊張しているんだ。
[背を押すようにされれば、大きく息を吸い込んで吐く。 そわそわと落ち着かない君の手を取って、さぁ、踊ろうか。]
(102) はたけ 2016/10/15(Sat) 22時頃
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一曲、お相手願えますか
[恭しい礼は、できなかった。 すこしのぎこちなさが、緊張を弾き飛ばして微笑みを呼び込んできます。 持ち込んだ蓄音機はかなり古いものだったので、時々調子外れな音符を飛ばしました。]
あまり上手ではないから 笑わないでくれよ
[調子外れな音に触って、もし君が僕の足を踏んでしまっても。怒りはしないから。 だから]
いいや、やっぱり笑って欲しいな 君はその顔が、一番素敵だから。
[恥ずかしいけど、そういうことにするよ。 だって言葉に出さなければ、伝わらないんだ。 ぎこちない三拍子は、愛おしく音を刻み、ゆるやかなリズムが、黄金の中で二人を溶かしました。 やがて、空が暮れなずむ頃、蓄音機は静かに動きを止めます。]
(103) はたけ 2016/10/15(Sat) 22時頃
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おかしいね、涙がこぼれてくるんだ。
『心は忘れていても、体は覚えているものよ』
そう、そうだねきっとそうなんだよ
[もし記憶が僕にあったとしても、 きっとこうなったんだろうと思う。]
すまない、もう一曲だけいいかな 今夜のことを、刻みつけておきたいんだ。
[黄金が茜色へと姿を変えても、 蓄音機が三拍子を刻む事をやめても、 今夜だけは、終わりたくない。きっと僕が君が、夢にまでみた、時間だった筈なんだ。]
(104) はたけ 2016/10/15(Sat) 22時頃
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[――彼女のカゾクは、嫌な顔をせず彼女を送り出してくれた。 貴方が言うのなら、大事なそれもお預けしますと。]
結局僕は、君のきらいな僕のままだけど きっと僕は、…いや。
僕は君が、好きだったよ――。
ああ、恥ずかしい、 さぁ、もう一曲だけ付き合っておくれ。 最後の一曲、大事に踊るよ。
(105) はたけ 2016/10/15(Sat) 22時頃
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キミ [ 屍 と ワ ル ツ を ]
ワタシ 『遺影 と ワ ル ツ を 』**
(106) はたけ 2016/10/15(Sat) 22時頃
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ニコラスは、ショコラにお辞儀をした。
milkxxxx 2016/10/15(Sat) 23時頃
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―皆既月食の夜―
[司祭がいなくなった教会。 男が地下へと堕ちたその夜。
館に飾られた一輪と同時刻、 教会で同時に花が咲き乱れる。
そこで、誰かの誓いは交わされることは、 誰かに幸福が訪れることはあっただろうか。
誰かの記憶に。 残ることはできただろうか。]
(107) doron 2016/10/15(Sat) 23時頃
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―それから―
[町に1つ教会がある。 そこには、皆既月食の夜に花開く薔薇の庭園となっているという。
誰からも世話をされずとも、茨を伸ばし、あらゆる場所に絡みついたそれは、 整っていたときよりも、より一層生き生きとしているようにも見えるだろう。
その場所には2つ噂があった。 1つは、その薔薇が開くとき、その薔薇の前で誓いを交わした者達には幸福が訪れるという噂。
そして、もう1つ。
その薔薇が咲き誇るとき、記憶がなくなるものがいるという。
この教会にいた司祭も、その薔薇に記憶を喰われてしまったのではないか。 そう、噂されるようになって、どのくらいだろう。
今夜、また。 この教会は、咲き誇る薔薇に満たされる。*]
(108) doron 2016/10/15(Sat) 23時頃
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―――……と、まぁ。 創り話だがな。
誰の?勿論、私だ。
[グラスを持ち上げ、口をつける。赤い液体が揺れ、香りが運ばれる。
あの事件の後、開放されたのはいつだったか。あの後も、他にも"ショク"が囚われてきたか。
そして、幾度となく記憶を喰われ、いや、自ら差し出したと言ったほうが良いか。
若者から奪うより、年寄りから奪えと。 そこにニコラスの姿はあっただろうか。
記憶が消えたことを自覚したのは、 薔薇の咲き誇る姿を思い出せなかったときだった。]
(109) doron 2016/10/15(Sat) 23時半頃
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[その姿を思い出せなくとも、後悔はなかったが、 やはり、寂しいと思う心もあった。
開放されたのは、いつのことだったか。 恐らくは、餌として役立たぬ。そう判断されたからだろうか。
二口目の葡萄酒に口をつけたとき、 カランと髪飾りが落ちる。
随分と古いそれを見る。 ずっと持ち続けていたそれは、どんな"記憶"を持っていたのだろうか。もはや、何故、これを持っていたのかは分からない。]
(110) doron 2016/10/15(Sat) 23時半頃
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「――…落としましたよ」
[ふ、と顔を上げる。 拾い上げたその手は、自身と同じように。
皺だらけだった。*]
(111) doron 2016/10/15(Sat) 23時半頃
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約束を、お忘れでなかったようでなによりです
[芳醇な香りのする液体を喉へと流し込みます。 対面の席に座す"だれか"へ向けて、言葉は続きました。]
おいしいでしょう、ここの葡萄酒は―― 産地は……
[カランと>>110音がしました。
こんな夜に、無粋な真似はおよしなさい。
と、そう、私には聞こえましたよ。]
(112) はたけ 2016/10/15(Sat) 23時半頃
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お譲りしましょう、お美しい方。 あとは。…月並みですが、
お若いお二人に、お任せします。
[帽子を脱いで、一礼を。 この後の二人にどんな思い出が刻まれた方は。 私の助言をした"彼女"だけが知っているでしょう――*]
(113) はたけ 2016/10/15(Sat) 23時半頃
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―いつかの日―
[バルコニーで庭を見下ろしながら、本のページを捲る。 短く切りそろえられたプラチナブロンドが、風に流れてさらりと涼やかな音を立てた。
その顎にはもう、切りそろえた髭はない。 あまりにも家族に不評過ぎたのもあるが、面影を残しておきたくなかったのもある。
あの屋敷で過ごした数日間のことは、どこにも記録しないまま記憶の中にだけ残っている。 ――組織の話だけは、伝えざるを得なかったが。 あのわかい同胞は元気にしているだろうか。 顔馴染みの同族に軽く聞いてもみたけれど、海を跨いだ此処では情報を得るには遠すぎる。ただ、幸福であればいいと思う。 いずれまた、"はじめまして"の時を、迎えることができれば――…… そう思うのは、水面下に潜った仲間たちに出会う機会が少ないからだけではない。]
(114) Noah 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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[庭先で高い声があがる。 呼ぶ声にバルコニーから身を乗り出して手を振り、穏やかに眦を緩めた。 噴水の傍で遊んでいたのだろう双子が、両手に玩具を掲げて、下りてこいと手を招いている。 緩く首を振って遠慮しながら、幼さを眩しく思うのは、もう、あれから随分時間を経たからだろうか。]
もうそろそろ冷えるから、上がっておいで。
[注意されても幼子たちはなんのその、うつくしい白金の髪を揺らして駆けていく。 きっと、ふたりで青い目を見合わせて、さあ"かくれんぼ"のはじまりだと笑っているのだろう。]
(115) Noah 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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[さて、長い長い隠れんぼには、終りが見えない。 ――けれど最近、街に掃除夫が増えたという噂を耳にした。 もしかしたら――なんて、笑って本を閉じる。
可愛いこどもたちのために今は鬼にならなくては。 腰を上げて、暮れ泥む夕日に、そっと秋空の瞳を細めた**]
(116) Noah 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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[約束を、お忘れでなかったようでなによりです。 そう、向い合せの席に座る男は言う。]
この記憶は、他の記憶より、 "大事"ではなかった、ということだろう。
[少々、失礼なことを言うが、 自身が忘れなかったことより、目の前の男が、 この約束を忘れなかったことに、良かったと思う。]
[そうして、そこに在るのは、互いに皺だらけの手が2つ。]
随分と気の利く、郵便屋だな。
(117) doron 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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[ふ、と少し、表情に力が抜ける。 皺だらけの手に拾われた髪飾り。]
持っていると良い。 持ち主はもういないものだ。
["記憶"にも、その姿はない。 だが]
葡萄酒は、好きか。 ここの葡萄酒は…
[なるほど、 確かに、ここの葡萄酒は、
格別だ*]
(118) doron 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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― 長き時を経て ―
[朝、目を覚ましてベッドから起き上がる。 洗面器いっぱいに冷たい水を入れて、顔を洗う。 顔を洗った後は、黒衣に袖を通し、胸元にはいつものようにクロスを掛ける。 質素なベッド、少ない書物だけが置かれた机、必要最低限のものしか置かれていない部屋。
金色の髪を撫でて整えたなら、外へと繋がる扉を開く。]
[朝の挨拶を神に捧げて、明るい太陽の光を浴びる。 ステンドグラスに晒された、磔の神。]
『おはよう、牧師様!』 『おはようー、牧師さまー』
[ぱたぱたと駆け寄ってくる声に顔を上げて、微笑みを。]
(119) milkxxxx 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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やあ、おはようゾーイ。トニーも一緒だね。 走っては危ないよ。
[あれから、どれくらいの時が経ったのか、もう数えてもいない。 ただ、今は、質素な生活をこの場で過ごしている。 駆け寄ってくる子どもたちの身体を受け止めて、外へと視線をやれば、窓の向こうには薔薇の庭園が見えただろう。]
『だいじょうぶ、こけないよ』 『こけないもん!』 『ぼくたち、薔薇を見に来たの!』
――ああ、そういえば今夜は皆既月食の夜だったね。 そうだ、君たちはこういう昔話を、知らないかい?
[小さな子どもたちの髪を撫でて、視線を合わせるように身体を屈める。 金色の髪の向こうに見える、薄金の瞳が覗く。]
(120) milkxxxx 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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あの庭の薔薇が開く時、その薔薇の前で誓いを交わした者達には幸福が訪れるという噂だよ。
それから、もう1つ。 その薔薇が咲き誇る時、記憶がなくなるものがいるという。
(121) milkxxxx 2016/10/16(Sun) 00時半頃
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