270 食人村忌譚
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視点:
人
狼
墓
少
霊
全
きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が7人、占い師が1人、守護者が1人、霊能者が1人、囁き狂人が1人、人狼が2人いるようだ。
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1人になるのゎ私ばっか。どっちの道ぉ選んでも、 私ゎ十分です。明日も待っててね。お願いだから、 離れて行かないで? いつまでも、 なんで私ばっか
日記はそこで途切れ、発見されるまで打ち捨てられていた。
(0) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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いつも出鱈目な歌を歌う少女が、今日も歌っている。
(#0) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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[>>0:227彼の言う腹の中、というのは儀式の事だろう。 儀式に選ばれる村人の選別基準、薄々わかってはいるのだから]
……すみません。 お言葉に甘えさせて頂きます。
[腹の虫はしっかりと声を届けてしまったようで >>0:228錠の提案に頭を下げて、言われた通りに車を押して玄関をくぐる]
それじゃあ、お邪魔します。 布団、敷いてきますから少し待っていてくださいね。
[指図通り、布団を用意して錠を抱えあげて寝屋まで運び 一息ついた後、残り飯のありかを問いながら、台所へ足を向け 先ずは御櫃の中の米を茶碗にうつす]
(1) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 01時頃
「なんで」
歌のはざま、零れた独り言は、ただ溶け消える。
少女はかの娘のように白痴ではないが利口でもなく、
かの青年のように不自由は持たずも行動力もなく、
疑う勇気も、紐解く知恵も、逃れる霹靂も、
とにかく何一つ持ちはしなかったのだ。
(#1) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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[梅干しと山菜煮を取り出して、茶碗の米にくぼみを作り、其処へひとつまみ分落としこむ。 米で蓋をしてから、茶碗の端をとんとんと叩き、丸めて 其れから掌の上にひっくり返すと、力加減を入れつつ握り飯を作る]
出来た……。 [形はいびつになって、具がはみ出しているものの 一応食べられるものではある。 握り飯一つ握れなかった自分に彼女が教えてくれた作り方だ。 平皿に梅干しと山菜煮の握り飯を一つずつ盛り 出がらしのまま、湯を注いで茶を淹れて 自分が食べるよりもまず、錠の元へと運んでいく]
錠さん、食べられますか? [疲れているのなら、無理強いはしない。 その握り飯はススムのものになるだけだ。 食べられるようなら見届けた後台所にとってかえし、同じように山菜煮で一つ握り飯を作って、頂くつもりだ。 少しだけ、石動を待って同じものを作ろうかと思うけれど 戻らないようなら、下手なままごと紛いは此処で終わる**]
(2) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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[特殊な仕事故の優越と、 施しをしてやれると言う優越と、 確実に血は繋がっていないと知る娘を 娘扱いするママゴトがない交ぜになった 扱いを受け入れる志乃ちゃんの手を引いて。
鍋が出来る間、採った野草を分類する。 何が楽しいのか、記録に残す源蔵が 書き残しでもしない限り、 どの棚にどの薬草が収められているか判るまい]
(3) 2017/11/23(Thu) 01時頃
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「私は、私は、 私ばっかり。
私ばっかり。きっと知ってる。
私ばっかり。
お願い、いつまでも、 いつまでも、
いたいのに。
あなたは、どうして、
やめちゃうの?」
(#2) 2017/11/23(Thu) 01時頃
だから、代わりに歌を、
出鱈目な歌を、
出鱈目なばかりに聞こえる歌を、口ずさんでいた。
皆、気が付かない。
その歌の意味も、迫る「何か」にも、
その当人達、以外は。
まだ知りもしなかった。
(#3) 2017/11/23(Thu) 01時頃
抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 01時半頃
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そうだなぁ。 また寒い季節が来るから、 それまでに雨風もう少ししのげるようになると良いな。
[困りごとの解決に一役買ってくれているらしい リツの存在に>>0:235 切り傷の貼り薬を少し多目にくれてやろうと考える。 本当に多めに渡されるかどうかは、その時の記憶次第。
今は味が染み込んだそぼろ大根を腹に入れるのが先]
(4) 2017/11/23(Thu) 01時半頃
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あ゛? ああ。
外れの掘立小屋に住んでた爺さん覚えてるか?
耄碌してたからな。 夜中に山に入り込んで凍え死んでた。
草探しに入った俺が見つけたから 少し多めに貰ったが、硬くて柔らかくするのに 漬け込んだりと難儀だったぞ。
[弔い肉の名を尋ねられ、肉を削ぎ落すのに 苦労した話も付けて教えれば、侘しい暮らしをしていた 老人の姿を彼女も思い出せただろか]
(5) 2017/11/23(Thu) 01時半頃
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これ位しか残ってなくて悪いな。 腹いっぱいにならんだろうが、マシだと思ってくれ。
[もう傷は癒えぬから。 時々与える気まぐれの、自己満足の慈悲]
これからどうするつもりだ? その身体じゃまともな仕事も出来ないだろう?
[だからこれも気まぐれ]
仕事、手伝ってみるか?
[密かに夢で暖かな家族を望む娘の存在を知らず。 気まぐれで誘う娘に差し出したのは『ミナカタ』への道**]
(6) 2017/11/23(Thu) 01時半頃
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[愛を失った夜、愛する者の肉を独占したくて堪らなくて。
女陰と乳房を望む女に掴みかかりたい気持ちが溢れてしまいそうだった。
男根を優しく包み込む女陰も、慈愛でもって掌を押し返してくれる乳房も。
己を見つめる目玉も、可愛らしい声を紡ぐ唇も、乱れる髪の一筋も。
感情が詰まっているだろう脳髄も、生きていた証の心臓も。
全部、全部全部全部全部全部全部余す事なく全てを己のモノにしてしまいたかった。
しかしそれは叶わぬ願いだった。
この村でそれを口に出せば罪人として裁かれるのは自分である。
それもいいだろうと考えはした。
考えはしたが、食われるのならば愛する者に食われたいと、そう願ってしまうから。
節の目立つ指や、弟を見つめる目、考える脳味噌、そして心臓を食べてくれたのなら弟の中で生きていける。
だけど、もっともっと、と求めるのだ。
汚物に塗れた腸や精を吐き出す陰茎に睾丸。
血液の一滴すらもその身に取り込んで欲しいと、そう願ってしまうから。]
[愛する者を独り占めしたかった。
愛する者だけに私の死体を食べて欲しいから。]
[男は弔い肉を受け取ってもそっとその肉を処分する。
愛を失ったあの日から村人を食べる事が出来ないでいる。
きっと錠ならば美味しく食べられるだろう。
彼は男にとって何よりも大切な家族だから。
ゆりも食べてしまうだろう。
複雑な胸中はあれども、あれも娘だと分かっている。
嫉妬心に苦しんだりもするが、情がそこにないわけではないのだ。
あの肉を食らえば初めて娘の存在を認識して喜びを覚えるのかもしれない。
そこには確かに愛はあったのだと初めて知る事が出来るのかもしれない。
そうなればきっとまた独占欲が湧き出て誰にもその肉を与えたくないと思うのだろう。
只、そう思えども実行に移してしまう勇気はない。
臆病な男は思うだけで動かない。
仲間がいなければ動けない臆病者なのだ**]
[山菜煮と、米と。
人の肉より、余程美味い。
糞尿の臭いに塗れた腸
膏ばかりでぐにぐにと噛み応えの悪い皮
男たちの硬い肉
骨と皮ばかりの老人の其れも
弔いという名目がなければ、口になどしたくない。
母は居らず、父もわからず
近しいものの居ない自分には
人を食べたいという慾がない。
誰ぞが食べたい
何処を食べたい
聞くたびに、ススムの胸は苦しくなる。
この村の風習に染まり切れない自分を
責めるような其れ。
居たとしても、自分は縁者を食わぬだろう]
僕は、僕は、 僕だけが
僕だけが。きっと違うんだ。
僕だけが。
どうしたら、何時にも、 何処にも
いられない。
僕は、どうして――
[苦悩の声を聴いたものが居ようなど
その時のススムは、知る由もなかった**]
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それじゃ、お言葉に甘えて
[丞さんに勧められるままに座ると、件の椅子へと視線を向ける]
ああ、こいつは……直すよりは新しいのを作った方が早いかな… よし、じゃあ、新しい椅子と交換ってことで。あ、でもちょっと色をつけてくれると嬉しいかな
[この村に生まれた人間として、当然のように暮らしてきた男には金銭などと言う概念は知ることもなくいつものようにそう条件を提示して]
木は切り出したのがまだあったはずだし、明日にでも持ってくるよ
[丞さんにそう告げると、その日は家に帰っていった**]
(7) 2017/11/23(Thu) 01時半頃
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おう、たんと食ってもちっと太れ
[薄い茶を縁の一部が欠けた湯飲みに注ぎ、申し訳程度に誂えられた式台に置いた。 家は古くからあるが、板張りはリツの父が敷きなおしてくれた。 この湯飲みだって、かつて村人が作ったものだ。
名前や顔よりも思い出すのは、彼らの食感だったり匂いだ。特に、臭いものは覚えが良い。 思い出したそれを振り払うように鼻を鳴らした]
まあ、こっちもすぐじゃあない 先約がいるからよ、 あとで見てやるよ
[作業台に置かれた鉈を見れば、依頼主も知れよう。 お得意、と言っていいのかもしれない。 使用頻度、用途、どれをとっても江津子の使う刃物は村の何よりも切れ味を必要とする]
(8) 2017/11/23(Thu) 02時頃
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―― 回想 / 姉と私 ――
[仲の良い姉妹だった。 私はいつも容の後をついて回る子供だった。 同じ母から生まれたのが不思議なくらい 私たちは似ていない姉妹だった]
姉さんの髪は、とても綺麗ね。 ミナカタさんと同じ色。>>0:147
[子供ながらに、姉の透き通るような焦茶色の髪が 羨ましくて羨ましくて]
どうしたら姉さんみたいな髪になれるの?
[そう言って母を困らせたりした]
(9) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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[姉は私よりも早く「女」になった。 巫女の家系の女にとって それは喜ばしいことだと聞いていた。 ……だというのに]
姉さん。
[姉は泣いていた。>>0:46 快楽ではなく、苦悶から。 隣室から聞こえる姉のすすり泣きの声が、苦痛の呻きが。 とても怖くて、怖くて。 私はずっと、姉の行為が終わるまで 自分の部屋で耳を塞いでいた]
(10) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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[あの子に巫女は無理だわ、と。 母は冷たく私に言った。乾いた声であった。 慈愛に満ちた母の昏い一面を、 私は初めて見たのであった。
母には幾人もの子がいたが、 手元に置いて育てたのは女児だけであった。
今ならわかる。 母は“子”ではなく、“後継者”を育てたかったのだ。 巫女になれない子に興味はなかったのだ、と]
母さん、大丈夫よ。私が巫女になるわ。
[そう言わないと、家族が壊れてしまう気がした。 私が巫女になれば、きっとこの神社に 姉の居場所を作ってあげられると思った]
(11) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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[それは、思い上がりだった]
(12) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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[母を食らった日。私が巫女になった日。 そして父とまぐわい、「女」になった日。 あまりにも、たくさんのことがありすぎた。
石動の温もりの残る布団に体を預け、 心地よい疲労と共に眠りについた。
そして部屋に射し込む朝日と共に目覚めた私は、 神社に姉の姿がないことに気付いた]
……姉さん?
[神社中を探す。 姉の部屋はそのままで、履物だけがない]
(13) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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姉さん。ねえ、どこなの。
[胸が苦しくて。心臓が張り裂けそうで。 夢中になって、裸足のまま境内を探し回る]
いや。私をひとりにしないで。
[母はいなくなった。 姉まで私を置いていなくなるのだろうか]
姉さん、姉さん、姉さん――……
[姉は、帰ってこなかった。 巫女の孤独を、私はこのとき知ったのだ]
(14) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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―― 現在 / 神社 ――
[姉の部屋は、ずっとあの日のまま。 いつ姉が神社に戻ってきてもいいように 掃除だけは欠かさず行っている。
写真立てに飾られた、白黒の写真。 幼き日の私と姉の姿が収められていた。 幸せそうな笑みを、浮かべていた]
……姉さん。 この神社は、私ひとりには広すぎるよ。
[また姉と一緒に暮らしたかった。 村の神は、私の願いを叶えてくれることはない**]
(15) 2017/11/23(Thu) 02時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 02時半頃
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[リツを見送り、頼まれた包丁は隅に追いやって、 まずは、と鉈を仕上げることにした。 農具だってなんだって、刃物ならばなんだって研ぐ。 一番機会が多いのはやはり包丁だ。苦手なのは鋏だが、それはあまり頼まれない。 ほとんどが肉を切るためのもので、 そして、特別なのが儀式用のものだった。
それに伴う神社との繋がりは保ったまま。 先代当代問わず、身体を重ねたこともあるが、あれも丞にとっては研ぎの代償でしかない]
(16) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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[―――さておき、 流しに置かれた野菜には、己のものではない畑から採れたものが混じる。 ある日「農家になりたくなった」>>0:220と言った少女の手は、遠目から見ればきっと変わらず細いだろうが、触れればその皮膚は大地の固さを知るだろう。
あの夜。 村にただならぬ気配が満ちていた。 もうすぐ巫女を食らえるという期待。熱。 新しい巫女を抱くという悦び。
鬼の一字を、朽ちかけた表札に掲げたこの家では、 静かに刃物を研ぐ音が響いていた]
(17) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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[「好きな野菜は」、とあの夜、丞は容に問いかけた。 返答の有無に関わらず、丞は己の好みを口にする。 「柔らかい食感が好きだ、春の葉物が好ましい、部位ならば頬と舌が特に良いが葉物は肉とは異なる食感を得る―――」
そして、暗所にしまい込んでいた野菜をいくばくか籠にいれ、容に差し出した。また太陽の上っている頃に来い、と伝え、それまで手伝い程度しかしたことがなかっただろう神社の娘に、手が届くだけの知識を教えることとなった。
何のために米を、野菜を育てるのか。 生きるためか。 食べるためか。 それだけならばきっと、この村で今まで生きてはこれなかった。 特に、それが若い娘ならば。 少しばかりでも「好き」が加わればそれが理由になるだろう。 食べることが好きであれば、それは今日と明日を繋ぐ理由になる**]
(18) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 03時頃
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―容の自宅―
[文をしたためようとしたところで、視界に手を振る姿>>0:237が映った 手を止め、あの時>>0:55と同じように 胸元で小さく手を振り返す 『いんですか!?』>>0:238の問いかけに、 もちろんですよ と微笑み返し、 伝え聞かすは、忘れず添えた 件の言霊>>0:118 ご飯はつやりと艶やかで 煮物もあぁまく仕上がって……]
いただいてばかりで、ごめんなさいね 舌の肥えているわけではありませんが、 私なんかの感想であれば、喜んで
[常と変わらず微笑みを送り、 続く『よかったなぁ』の言葉には、ゆっくりと頷いた]
(19) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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料理にかける時間も気持ちも、 作る方>>0:233>>2の命の一部 注いでいただいた容さんの命は、とても尊いと思います
容さんの美味しいご飯は、私を笑顔にしてくれるんですよ
[そう口にする江津子の微笑みは、 普段より深く 刻まれていた
深々と頭を下げて、その場を辞する 立ち去りながらも、ふと胸に去来する思い
もし、ゆりではなくて、こんな容が あの広い社>>15を継いでいたなら、 彼女はどんな巫女となり、 村人たちを導いていたことだろう――――――――]
(20) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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[だめ いけない――――――――]
(21) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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[そんな仮定を、思い描いてしまったためだ 油断した隙間に差し込まれる、二十余年も昔の記憶 江津子の胸に抱かれた、赤子の女子(おなご)
眠る彼女は、ミナカタとの交じりの夜に、 眠っていた男子(をのこ)>>0:61ではない 1人息子の大美(ダイミ)のことは、 立派に育てて、独り立ちさせた 村での一員として働き汗を流す、彼ではない
江津子の育てた子供は『1人』―――― 産み落とした命は 『もう1人』――――]
(22) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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―回想/二十余年前の神社―
女子(おなご)を、育てる自信がないんです
[眠る娘を抱きしめながら、『先代の巫女』に吐き出した 彼女の腹部を見つめながら、ついっとその子を差し出した]
神様の、ご慈悲を賜りたく この村で生きる女として、幸せになる術をお授けください
[赤子が火のついたように泣き出した 江津子は目を伏せたままだった
尊き巫女は頷いて、『引き受ける』旨を、 約束してくれたのだった]
(23) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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[誤解のないように、加えておきたい 赤子を手放すその訳は、口にした理由、ただそれだけだ
この地に生まれ、やがて土となり還る 輪廻にとらわれたこの子の行く末に、幸あれと
たった一度の交わりで、生を授かった私の子…… 『ミナカタの子』>>0:70に、幸あれと――――]
―回想/二十余年前の神社―
(24) 2017/11/23(Thu) 03時頃
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―容の自宅から離れながら―
[その時分を生きた者なら、察する者もあろうけど、 源蔵の帳簿>>0:167に描かれるには、 時をさかのぼりすぎていたかもしれない
赤子はすぐに亡くなって、ひっそり弔われていたかもしれない 巫女が他の女から子を引き継ぐこともあり得れば、 『約束』が遂行されていたかも、分からない
これだけ近づいても、容がそうだとは、 血を引いた子、『捨てた』子なのかは分からないし 仮にそうだとして、なんだというのかも分からないけれど
時折あの赤子と重ねてしまい、江津子なりの生きる術>>0:97を 伝えてしまうことも、まれにある]
ごぉろん ごぉろん ダルマさん――――
[懐かしい唄を口ずさみながら、歩みを進めっていった]
(25) 2017/11/23(Thu) 03時半頃
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―丞の自宅―
[ここにたどり着いた時>>0:125には、 戸を叩けど求め人は不在だった>>0:213 鬼の一字に礼をして、鍵のない戸をあけて中を確認するも、 がらんどうの研ぎ場が見えただけ]
よく、すれ違いますね
[機が悪いのか、相性なのか、こうしたことはままにある だから、幾度か行ったように、鉈と肉をその場に置くと、 よろしくお願いします と呟いて、両手を合わせた
そのまま自宅へととって返し、その夜は床についただろうか**]
(26) 2017/11/23(Thu) 03時半頃
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うん! 食べたいもの、いっぱいある、から。 いっぱい、お願いしたい!
[容の言葉に、元気良く頷く。嬉しそうに、それは嬉しそうに、いらえをした。続く言葉にも、元気良く頷く]
うん、早く、おうち帰るね。 ちゃんと、早く、おうち帰るね。
[容と娘とでしばしば交わされる約束、それが果たされるかは、五分五分だ。娘はともすれば何かに気を取られて、何かに夢中になって、ひたすら辺りをうろついたり何処ぞに居座ったりなどするし、ふと男に連れていかれる事も多い。 母と二人暮らしていた小屋に、娘は今も一人住み続けている。容や、ゆりや、村人達にかわるがわる世話をされて、今もようなく、暮らし続けている**]
(27) 2017/11/23(Thu) 03時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 03時半頃
ー −
[母親は『捨てた』つもりか『預けた』つもりか。
表向きは薬師の継承者になり得ると踏んで任せた子供。
しかし最初から、母親の罪を識っていた薬師は
罪人に己の種を撒き新たな罪を産ませていた]
せんせい。何でミナカタって言うの?
名前はどうなるの?
[問うた記憶の中の返事はいつも同じ]
『ミナカタは“皆を騙る”からさ。
わしたちは村人の命を助けもするし、殺しもする。
膨れ上がって立ち行かぬようになれば村は滅びる。
必要なところを間引いてやるのもお役目だ』
[その意味を知るのはもう少し先。
夜中に訪れる患者はいつも女。
切々と涙で語る物語は似たり寄ったり、結末も。
鬼灯から作った堕胎の妙薬。
堕ちた子供は何処へ流されていったのか。
源蔵が成長せぬのはきっとああやって消えたからだろう]
『わしらは代々村人皆を騙って生きていく。
名前など必要ない。
村の闇の1つに生きるのに、自分など必要ない。
不要だと思ったら間引くのも大事なお役目』
[酒を飲むと豹変する先代は嫌いだった。
そしてそれ以上に自分自身が嫌だった。
自分の為に生きることも出来ず、
村の為に名も棄てて、村の為に村の為だけに生きるなど。
不要になった者を間引いて良いと言われて。
最初に間引いたのは先代だった。
まるで抑え込まれていた蓋が一気に開いた解放感。
誰も知らぬ昂揚は誰かに教えずとも良いものか。
独り抱えたままで良いものか]
[──────そんな事すら判らぬほど。
罪を犯す果実は計り知れぬほど甘いのだ**]
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― ― [まだ幼かった頃の事だ。 風呂敷を手に、ススムが一人置き去りにされた家を訪れる姉妹が居た。 中身はその日によって様々で いびつな握り飯だけの事もあれば たくあんが添えられていた事もあったり 豪勢にも副菜がついて来たこともあった。 幼い頃のススムは、その出所を気にする事もなく ただ貰える食事に感謝するばかり。 いる姉、ゆり姉と慕っていた>>0:111のは昔の話。
成長するにつれ 差し入れられるものの裏に、人間模様が見えてくる。 種馬として育てようという打算 責務を果たしているという偽善感 ――世話焼き筆頭だった彼女らの裏までも、勘繰りそうになったころ]
(28) 2017/11/23(Thu) 08時半頃
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[巫女が世代交代を果たす。 その次の差し入れから、容が一人訪れるようになった。 理由を聞いたことは無い。 故に、ススムがゆりを避けるのは、 憶測の中の彼女の像が歪んでしまった所為でもある。
姉から巫女という職を奪った妹 その勝手な解釈を他者に話したことはなく 故に正す村人はいない。
農家の娘となってから、容の差し入れは野菜が多くなった。 変わらず自分を養ってくれる彼女には、感謝している。 姉への感謝が募るほど、妹のいる神社から足を遠ざける悪循環はどうしようもないまま]
(29) 2017/11/23(Thu) 08時半頃
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[目覚め、身支度を整えたススムは、学び舎へと向かう。 今日の授業内容であれば 恐らく生徒は昨日よりも格段に減るだろう
汲み置いた水瓶から柄杓で一杯。 朝食を終えて、家を出る。 鞄の中には、紙の束。 蓄えていく知識は、時に生活に不要なものも交じる**]
(30) 2017/11/23(Thu) 08時半頃
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――>>4>>5>>6―――
うん、覚えてる。 そっか、あのおじいさん死んじゃったんだ。 凍え死ぬって……次は暖かいところで産まれるといいね
[伝承を私は信じてる。 熱いうちに汁を啜り、寒かってあろうに温かい体内へとソボロを流せば熱さで喉をトントンと数度押した。 あまり話した思い出はないけれど、たまにあったおじいさんの笑った顔を思い浮かべれば転生できますようにと祈りながら箸を進めた。]
(31) 2017/11/23(Thu) 11時頃
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すごく助かってるよ。お腹空かせてひもじい思いをしてるよりは全然いいし、弔えることも出来たから、負い目もない。
[貰いものでいつまでも食い繋いでるわけにもいかない。 余裕が出来たなら母の耕してた畑なども手入れしてきちんと一人で生きていくくらいにはなりたいと思っていた。 だからミナカタの提案は有難く、私が手伝えるならとあっさりと承諾の意思は沸く。]
ん……私でもなれるのかな?
(32) 2017/11/23(Thu) 11時頃
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火傷はもう大丈夫だけど、畑の手入れも時間かかるし 私に出来ることならやりたい
[箸を置いてミナカタを見つめ、その顔は真剣な顔、同情の視線にいつまでも耐えられるほど卑屈に生きてきたわけでもない。病気や怪我を治すミナカタの仕事はなりたくてもなれるわけでもないから、その機会が訪れることは志乃にとっても嬉しい*。]
(33) 2017/11/23(Thu) 11時頃
|
[親の記憶は無く
村人達との繋がりを、何処か壁一枚向こうのことと
他人事のように感じている
羨む心地は無くもない。
ススムなりに、毎日勉学に励むのは
自分にしか出来ぬ事を探し
雄として以外の役割以外を手にいれるため]
子を作って、役目を終えたら食肉になって
……人間と家畜は、何が違うんです?
[学び舎に通い始めた頃
精通を迎え、女を紹介された頃
其々に尋ねた事がある。
各々の返事はどうだったか
問うていい内容ではない事を、2人目で理解して
それ以降は誰にも口にしてはいない]
[彼の望む家族像には程遠い。
向上心は方向性を違えていて
日に日に、村へ対する疑問ばかりが増えていく。
自分は、此処にいるべきでは無いのかもしれない
永遠に誰とも分かり合える気がしない
自分だけが人を美味いと思えない
自分だけが人に喰われたいと思えない
自分だけ
いつか、気付かれてしまったら
そんな恐怖を抱えたまま
今日も何食わぬ顔で、村人の真似事をする。
解決の糸口を、探しながら**]
|
― 現在・自宅 ―
[家に帰れば人の声と気配がした。 弟だけのものではなく、どうやら客がいるようで。 中へと入ればそこにいたのは教え子がいた。]
おや、進君いらっしゃい。 これは君が……?
[歪な握り飯を見て問いかける。 己が握り飯を作った記憶はないし、何よりもう少し上手く作る。 弟が作ったようにも見えず、ならば残るは彼しかいない。
話しながら荷物を置いて袖を捲り台所へと立つ。 味噌と僅かばかりの根菜を出して包丁で刻みながらいりこ出しをとり、刻んだ野菜を煮て味噌をとく。 簡単に作った味噌汁を椀に注ぎ教え子の前に置いた。]
(34) 2017/11/23(Thu) 12時半頃
|
|
錠をここまで連れてきてくれたんですね、ありがとうございます。 弟は君に出会えて運がよかった。
他の誰に会っても連れてはきてくれたでしょうが……。
[あまり村人の手を煩わせては何時か罪人として裁かれるかもしれない。 これはずっと頭にこびり付いて離れない考えだ。]
食事が欲しいのなら何時でもここに来なさい。 君は一人暮らしですしたまには誰かと食卓を囲むのもいいでしょう。 まあ、ここも男所帯ですから容さんや江津子さんのような繊細な料理など出てきませんけどね。
[教え子を心配する教師のような顔をしてそう言った裏には打算もあった。 弟と懇意になんて面倒を見てくれれば、なんてそんな事を考えている。 己が死んだ後に残された弟がどうなるのか。 それだけが心配で堪らない。
それに対する返答がどうであれ昼飯を食べ終わった後は幾つか会話を交わし。 後片付けは自分がするからと断って教え子を帰しただろう**]
(35) 2017/11/23(Thu) 12時半頃
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[人間と家畜はどう違うのか、と問われた事がある。
色々と考えが巡る。
違いは感情を持っている事だろうか、と考えて違うと否定した。
家畜とて屠殺されるとなれば泣く事もある。
ただただ無為に殺されているわけではない。
彼らとて感情はあるのだ。
子を作り、役目を終えたら食肉となって。
どこも違う処などあるまい。
敢えて言うのならば。]
[ただ、そこだけの違いだ。
それを口に出す事はなかったけども。
この村でそれを口にするような人物の末路はどうなるのか考えるまでもない。
弟を一人残すわけにはいかないのだ。]
……死んだ人を食べるという事はとても神聖な行為ですから。
それを疑問に思ってはいけませんし、疑問が胸に溢れても口に出してはいけませんよ。
それが貴方の為です。
私はまだ貴方を食べたくはありません。
[だからこの時はそう答えたのだった*]
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― 自宅 ―
あぁうん悪いね、頼むよ。
[>>1筋肉の少ない痩躯は、成人男性にしてはおそらくだいぶ軽いはずだ。 進に礼を言い、身を任せ、布団の上に身を横たわらせてもらう。 たいして広くない家だ、寝転がったままでも台所まで十分声は通るだろう。]
梅干しの壺、分かるかな。 漬物とか足りなかったら、床下に糠漬けがあるからー。
[ゆるく自分で足をもみながら、声をかける。]
(36) 2017/11/23(Thu) 13時頃
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……ん? あれ、僕のぶんまで作ってくれたんだ、ありがとう。
[>>2進が拵えてくれた握り飯は、少し不格好だった。 けれど自分は、この不格好な握りすらままならない。 ありがたくいただこうと、受け取って、一口目を頬張って]
……んぐ……。
[そこに、兄の戻る気配>>34を感じ、急いで租借し、呑み込んだ。]
お帰り兄さん。 うん、畦道で難儀してるところを助けてもらってね、お礼にご飯でもって思ったんだけど、逆に僕が握り飯を作ってもらっちゃったよ。
[兄は、さっそく台所へ向かったようだ。 進と話し、味噌汁を作っているような気配を感じながら、もくもくと握り飯を食し、少し薄い茶で流し込む。]
(37) 2017/11/23(Thu) 13時頃
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そうだね、いつでも来てくれて構わないよ。 兄さんが忙しい時でも、誰かいてくれれば僕も助かるし、進くんも食事ができるし丁度いいんじゃないかな。
[>>35兄の打算には気付かぬままに、相槌を打つ。 脚が病み始めた若い時分は、兄以外の人間に頼るなど、みっともないし申し訳ないと思い、散々兄に苦労をかけたし、自身も必要以上に苦心した。 だが年が経つにつれ、誰かを頼るという要領も得てきた気がする。
……しかし、そうして、常に施しを受ける身としては、同時に、それらをいかにして返そうかということも、考えてしまう。 いま自分ができる仕事といえば、兄の書物の整理や修繕、手伝い、あとは縄を綯うなど、家でできることが大抵だ。 女性になら、子種をという選択もあるかもしれないが、女自ら腰を振ってくれなくては碌に事を進められない、しかも病人の胤など、好きこのんで欲しがる者は、あまり多くないのではないだろうか。]
(38) 2017/11/23(Thu) 13時半頃
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[握り飯に、味噌汁も加わった食事は、質素ながら腹を満たすには十分だった。 兄以外と話しながらというのも久しぶりで、つい、飯をおかわりなどしてしまった。]
じゃあ、今日はほんと世話になったね。 また何かあったら、頼むよ。
[そして食事が済み、進を見送れば、またいつものように兄と二人の時間となる。 兄の、後片付けをする音を聞きながら、自身は薬を飲んでこうして横たわっていることくらいしかできない。]
薬、そろそろ減ってきたし。 明日あたりミナカタさんに頼みに行かないとなぁ。
(39) 2017/11/23(Thu) 14時頃
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………………。
[そして、ふと]
あのさぁ。 兄さん……。
……今夜は、いっしょに寝ても……いいかなぁ……。
[兄の背に、小声でそう呟いたのは。 昼間、進と話したことのせいか。 ただいつも以上に、どこか、兄は己のものなのだという欲求が強まっていた。
その肉も、血も**]
(40) 2017/11/23(Thu) 14時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 14時頃
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―翌日/養鶏に勤しむ、とある農家の庭で―
帰りゃんせ――――>>0:7
[抱いた鶏を撫でながら、その首に指を絡めたところで 「なんで」>>#1との呟きを耳にし、面をあげた 足元を覆う、たくさんの鶏の囀りをも越えて 耳に届くは出鱈目な歌>>#2>>#3]
愛理さん ごきげんよう
[そう声をかけたけれど、彼女は一瞥もせずに 奇妙な歌を携え、ただただ、この場を通り過ぎていく 江津子は、その姿を追いながら
ゴッ――――
手にした首をへし折って、頭を垂れて 見送った 歌は止むことなく延々と、まるで、取り囲むように 『平穏な村』を、巡っていった*]
(41) 2017/11/23(Thu) 15時半頃
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―続・養鶏に勤しむ、とある農家の庭で―
『鶏の育ちは早くてかなわん 潰せど捌けど 追いつかん』
[これは、低い柵に囲われた、この養鶏場の主の言葉 先約として優遇された愛用の獲物は、丞の元>>8に さらばと主より借りた包丁は、切れ味が悪く、難儀する ようやく首を落とした幾羽を、庇に逆さに吊るしたところで 覚えた気付きに江津子の眉根は くっと小さな皺を寄す]
……足りませんね
[足元にたむろする鶏の数が合わない 愛理の歌に気を取られた>>41隙に、逃げ出した一羽がいるのだろうか]
(42) 2017/11/23(Thu) 16時頃
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[急ぎ、主に報告する よくあることだ と主は笑う 村の誰かが届けてくれよう、そう主の『鈍(ドン)』は笑うけど それでは江津子の気が収まらぬ 謝礼の卵も、受け取れぬ]
急いで、探して参ります ……本当に、申し訳ありませんでした
[無刀で表に飛び出せば、きょぉろりきょろりと眼を走らす 普段の微笑みも弱々しく、すれ違う村人ごとに訊ねるも 実のある応えは返ることなし
鶏さぁんと呼びかけながら、江津子は村を、巡りだす*]
(43) 2017/11/23(Thu) 16時頃
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[農家の朝は早い。 昨夜汲んでおいた常温の水を一杯飲み、畑の世話をした。 米が終わったあと、冬に向けて種を植えた畑は、収穫までまだ間がある。世話をして、土の色を見て、雲を見上げて今日の天気を想えばそれで終了だ。 朝食は冷や飯でいい、と考えながら家に戻る途中、ふらふらと歩く愛理を見かけた。>>#0 視線は向けない。 お互いに、そこにいないかのようにすれ違う。
狭い村だ。 閉じた村だ。 その理由は知らぬとも、気が違ってしまったような振る舞いをする者は、この村においては珍しくなかった。 久しぶり、だと思うくらいのこと]
(44) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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[朝飯を済ませれば、昨夜乾かしておいた鉈の様子を見る。 柄が濡れていないことを確認して、口金を嵌め、目釘を打ち付ければそれで完成。 実用のための鉈だ。刃以外の部分は磨いてもいない。美しさなどは欠片もないが、ただよく切れる、というだけで十分であろう 出来上がった鉈をぞんざいに包むと、江津子の家へ向かおうと戸を開ける。
風にのって「鶏さぁん」と呼びかける声が届いた。>>43 江津子の声が響くのはめったにないことだが、それでも日常だ。 頼まれた時と同じく戸の外へ置いてもいいが、少し考えて声の下へ向かうことにした。手にした包みで用件はすぐに知れるだろう。途中、鶏を見つければ捕まえてもいい。また逃げ出したのだろう、そう軽く考えていた]
(45) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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―鶏さんを求めて―
[右へ、左へ、逃げた鶏を求めて彷徨う 久方ぶりに、胸に焦燥が宿っている 遂行しなければならない 託された『仕事』は恙なく そうしなければ――――
気もそぞろに眼を走らせば、目に付いたのは丞の姿>>45]
今日は>>26お会いできましたね 丞さん 昨日は、不精なお願いで、失礼いたしました
[鶏はその手にあっただろうか ともあれ、手にした荷物、愛用の一物だろう包に気づいたならば、 まず述べるべきはその言葉 彼のもとへと歩みより、微笑みとともに頭を下げた]
(46) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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[鶏の一羽くらいは捕らえてみたものの、それが探している鶏かどうかは知れず。といっても囲いの外にいるならば、それは誰のものでもないはずだ。 首を捻り大人しくなった鶏と鉈で塞がった両手]
いやぁ、 俺は大抵畑にいるからな 肉、 ありがとよ
[対価は貰っているのだから問題はないとばかりに、少し迷う素振りの後両方の手(の中のもの)を江津子へと差し出してから]
おっと、これじゃ両手が塞がっちまうな これでよけりゃぁ届けよう 違うならば俺が食っちまうが、 どうなんだい
(47) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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[この村の男も女も古くからの命の巡りに
何の疑問も持たなかった。
その疑問に持たぬ者の中に、
俺も確かに含まれていて、間引きに仄暗い愉悦を
独り抱えていた頃の事。
疑問を持つ者がいた]
へぇ……。
[どうしてそんな事を聞く?とは尋ね返さず、
返した俺の表情は普段とはまるきり違う狂気の一端を
唇に浮かべたまま、ニヤと笑う]
家畜も村の人間も同じだ。
いや、群れを作る動物とこの村の人間は同じ。
群れを守る為の統一の行動に疑問なんて持ちはしない。
だからお前は今、家畜から人間に成った。
おめでとう。
だが気を付けろよ。
群れは群れを乱す特別な考えを嫌う。
気付かれたら群れを守る為に排除される。
群れの中で自分を殺して従い続けるか、
群れを嫌って行動するかは好きなように。
あ゛?
何でそんな事話すのかって?
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― 翌日 ―
にー。 にー、にー。
にゃー。 にゃー、にゃー、にゃーっ。
[日が沈み、また昇って。朝の村を、娘はぱたぱたと駆け回っていた。空き地めいた材木置き場の片隅、灰の縞柄の一匹の猫を追って。呼ばわるように鳴き真似しながら、右往左往に]
――あっ。
[その途中。娘の意識が、ふと、他に向いた。 見えたの、は遠く歩く、一人の少女、愛理の姿。彼女の出鱈目な歌を、娘は真似たり、別の出鱈目を歌ったりと、その度「一緒に遊んで」いるのがしばしばだった]
(48) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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あいりー! あいりー、おはよー!
[愛理に向かい、大声で呼ばわる。ぶんぶんと大きく手を振ってみせる。と、愛理は気が付いた様子で娘の方を向き]
? ……行っちゃったー。
[だがそのまま、去っていってしまった。それを見ると、娘は少し残念そうにして、 ただ、すぐにまた、猫を追い始めた**]
(49) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[くく、と喉震わせて彼を見つめた瞳に宿るのは
殺意でも憎悪でも脅す様な圧迫感を
感じさせるものではない。
どろりと、どの常識とも違う異質さを蕩かした色。
それでも人差し指を立て、シーっと秘密と示すこと位は
忘れない理性よりも戯れ。
その後、彼から問われることは無かった。
そして村から糾弾されることも無かったから。
俺がこの群を乱す可能性のある
異質な特別を間引くことはしていない]
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 17時半頃
[それをしない理由の1つに
彼の疑問に思うところがあったから。
別段この村で暮らし、薬師として生き、死んで
誰かの腹に収まるのも良いだろうと思っていた。
だがこの村を、家畜、動物の群れと称して気が付いた。
死んで誰かに食われれば、またこの村に生まれてくる。
人間の皮を被った家畜の群れに]
[ぞぅとした。
嗚呼、本当にぞぅとした。
俺は特別だと理解して、間引く歓喜に震えても。
所詮この群れから逃れられない。
そんな気味の悪いものあってたまるものか。
俺は家畜を間引きたいのではない。
人間を殺したい。
人間を殺して食ってみたい。
その為に……死んでも連れ戻されるこの村なんて。
……要らない]
[不要なものを間引くのが俺の役目。
俺にとって不要なものは……。
この想いは未だ誰も知らぬまま。
淀んだ血と臓物の中に埋まったままだ**]
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―回想:母が死んだ日・その後―
[突如農家を名乗り始めた巫女の姉へ 向けられた視線は様々だったと思う。 湧き出た噂話に、私は否定も肯定もせず、 噂を吐き出そうとする舌先があったなら、 自らの力で作った料理を突きつけ、恩を売る。
そうすれば、人の噂など直ぐに薄れるものだ。 ましてや、尊い巫女様当人でないと言えど その職に泥を塗るような下衆の勘ぐりを、 大声で話すことなど出来まい。
隠しきれない哀れみ、奇異、好奇の眼差しを 時折感じながらも気付かない振りをして、 私は畑を耕し、作物を育てた。]
(50) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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畑は落ち着いた時期>>44だとしても お世話は欠かせないものですね そう言っていただいて、嬉しいです 相互に託しあえる仲も、とても尊いものですから
[丞から差し出さ両の手を見>>47、くたりとした鶏に安堵する 潰せど捌けど追いつかん>>42のなら、一羽余分でも構わないだろう 丞の言葉から、焦りの声が聞かれていたことを恥じらいつつも 鈍(ドン)の養鶏場での出来事をさらりと話し]
では、まずこちらから
[と、愛用の鉈を受け取った。 それを、常のように腰に差して、続いて鶏に手を伸ばす]
(51) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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残念ですが、そちらも託されたものなので…… お礼に卵をいただく予定ですので、そちらでよければ、後ほど必ず
[命を失った鶏を、赤子のように胸に抱き 残る片手で、鉈をすらりと抜き放った 武骨な獲物を陽に透かし、刃先を見つめて、ほう、とつく 抱いた鶏の首筋に刃をあて、ひと思いに薙ぎ払えば ことり、と落ちる、小さな首]
御見事なお手前ですね…… どうしたら、これほどの業を得られるのか 素晴らしいお仕事を、ありがとうございました
[胸を鮮血に湿らせながら、再び頭を下げたのだった*]
(52) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[丞さんに教えを乞うた判断は間違っていなかった。 与えられる知識はどれも適切だった。
元々、料理も食べることも好きだ。 好きに裏打ちされてたとはいえ 小娘に教えるのは骨が折れたろうが、 彼は、根気よく知識を与えてくれたと思う。]
もし、私が丞さんより先に死んだ時は、 ……いいよ。私の舌と頬、食べても。
だから、農家の心得を、やり方を教えて。
[あの時、突如語られた彼の好みの話は、 即ち、対価を求めるものだろう。そう推し量った。 自分の死に実感を持たない人参を好む娘は、 あっさりと頷いて頭を垂れただろう。
はるか未来の話より、 ただただ、巫女の影から逃れたかったのだ。]
(53) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[そして、偶然にも、彼の好むそれは つい先刻私に受け継がれた 母の一部と同じでもあったから。]
きっとね、美味しいと思うよ。 そこだけは、巫女様に愛されたから。
[冗談めかして、そう付け加えたりもしただろう。*]
(54) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 18時頃
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[空になった手のひらは所在なく、腕を組んで江津子の手並みを拝見することとなる。 見返りが欲しくて捕まえたわけではないが、卵を、と言われれば遠慮をする性質でもないし、江津子も気にはしないだろう。 こういうのはお互い様だ。決まった価格の金銭でやり取りするのでなければ、恩は売れる時に売ったほうがよい。 仲良しこよしなんてするつもりは毛頭ないが、閉じた村で心穏やかに過ごすためには、それなりに良好な関係を保っていかなければならない]
いやいや、 江津子さんの技こそ、腕ってもんさ 鶏を絞めるのは誰にでも出来るかもしれねぇが それでもどうだい、 あんたが絞めた肉は一味違う
[声にするつもりはないが、江津子はやはりどうにも年増だ。 若い頃ならまだしも、今時分「そんな気」は起きないが、なかなかどうして―――赤に濡れる姿こそは、女らしい。いつも思う。勿論それも、声にするつもりはない]
(55) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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あんたの腕は皆が認めてる
似合わねぇ台詞かもしれねぇが そのあんたの得物を研ぐのは、 結構誇らしいもんだぜ
[頭を下げる江津子に、また一つうんと頷いて背中を向けることとする。口にもしたが、柄にもない台詞だ。少しばかりの気恥ずかしさも手伝って、顔を見ずにすむよう帰ることにしたのだ。
またな、と別れの挨拶もあまりしない。 狭い村だ。下手をすれば、今日中にだってまた会うこともあるだろう**]
(56) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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[ビユッ と、刃の血を振り払い、袂で拭って清めたならば、 鉈は定位置の腰へと戻す 小さな首を拾い上げ、その手で首なき鶏を逆さに吊るし 残る片手を胸元に添え、微笑みながら小首を傾げた]
お互い、齢(よわい)を重ねた分だけ、 積み重ねた業が、宿っているのかもしれませんね
[丞の心中>>55はいざ知らずとも、 口にした自身の言葉に、はっ、とする いえ、丞さんは、まだお若いですが、と非礼を正すも 続く言葉>>56に、重い眼もとに光が宿った]
(57) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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そうですか……身にあまる過分な評価ではありますが、 そう言っていただけて、とても、とても嬉しいです ぜひまた、お願いいたします
[背を向けた>>56丞の表情は、うかがえぬ だから、ふと去来した思いを、彼の背にそっとかぶせた]
『一味違う』というのなら、 昨日、容さんからお弁当をいただきました>>0:13 お野菜の煮ものもとても美味しくて…… 丞さんの手ほどき>>53の賜物ですね
[礼の言葉も出そうになるが、それはなんとも畑違いなもの 言葉は飲み込み、かわりに礼の仕草を送る 見えぬだろうお辞儀で見送り、 やがて、首なき鶏を逆さづりにしたまま、来た道を戻りだした**]
(58) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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エツコは、鬼丞に話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 18時半頃
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一緒に? 別に構わないが。 なんだ随分と甘えん坊だな錠。
[一緒に寝たいと言う弟の目はどこか見覚えがあった。 あれは己の目と同じだ。 嫉妬と独占欲に曇った目。
私達は確かに兄弟なんだと実感させてくれる、目。
それに気付かない振りをして。 仕方ない奴だと呆れたような、慈しむ視線を投げかける。]
ああ、それとも熱が溜まっているのか?
[望むのならこの身体を与えよう。 熱を発散して精を吐き出したいのならば幾らでも差し出す。 子供も成せぬ男同士でなど無為な行為だと馬鹿にする者もいるだろう。]
(59) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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[弟の脚が病に侵されてから彼の生活を支えてきたのは兄である自分だ。 食事を食べさせ身体の垢を落とし薬師の元へ連れて行くのも。 何もかも面倒をみてきた。 その中の一つに性処理もあっただけ。 そこに情もあったから少々厄介ではあったけども。
でもそれを表に出した事はなく。 誰かに指摘された事もない。
だから兄はただ弟の為と嘯いてみせるのだ*]
(60) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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―昨夜の事― [>>37錠の元へ食事を運んで、口にするのを確認してから 自分もまた台所へ取って返して食事を始めた、その直後くらいだ。 返ってきた石動の問には頷きで答えた>>34 勝手に食料を使った詫びが必要かと考えたが 錠の許可もある手前、其れは謂わずにおいた]
……御味噌汁……! ありがとうございます
[一汁三菜とまではいかずも、先刻よりずいぶん食事らしくなったことに口元綻ばせて礼を言うと、両手で椀を持ち息を吹きかけながら彼の言葉を聞く>>35]
(61) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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これ以上お世話ばかりされていては 僕はこの身を文字通り削ってお返ししなくては ならなくなるでしょう? [断ろうとしていた処 そう広い屋敷でもなく、静かな家の中 寝床を作った部屋にも、声は届いたようで] ……錠さんのお手伝い、という事なら。
[>>38助かる、と言われて漸く頷けるようになる]
(62) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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[空になった皿へ手を合わせ、白湯を一杯頂いて 大人二人と囲む食卓を後にする。 錠を手伝う条件で、食事を貰う取り決めは 悪くない話だと思った。
対価がある行為を、ススムは好む。 与えられるばかりでは 何時まで経っても幼子のまま このままではいけない
そんなことをかんがえながら、眠りについた*]
(63) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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[昨日の授業、人一倍熱心に書き留めていたのも 江津子のようにまでとはいかずも技術を身につけられれば 力は自分の方が強くなってきたことだ 手伝えるようになるかもしれない。
今日の授業、誰も出ないような生活に不必要な知識すら もしかしたら何処かで役に立つ事があるかもしれぬ 職を持たない今のうちに 覚えられる事は全て、吸収しておこう
与えられる生活を受け止め、女を孕ませて歩く それだけが現在のススムの価値でしかない もっと他に出来る事を もっと他に望まれる存在に もっと――]
(64) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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―木材置き場― [学び舎への道のり、通りかかったその場所で ススムは一度足を止めた]
猫?
[>>48鳴き声が聞こえた。 縞柄の猫が立ち尽くすススムの目の前を横切る。 貌を上げると、其れを追う櫻子が見えた]
と、櫻子さん おはようございます
[簡単な挨拶をかける。律儀に頭を軽く下げて*]
(65) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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[彼らの答えを聞いてから
村の人間はススムの中で家畜と同列になった。
先生の教えには、素直に頷き
ミナカタには、同じように人差し指をたてた]
[自分だけが人であるのだ。
其れを知られてはいけない
群れを嫌った所で
生活できるだけの力がないうちは
家畜の中に紛れて暮らすしかない
だから
教わった通りに、身を潜めている。
気取られては、群れに排除される。
実際注意勧告はされてしまった。
未だ、自分は 生かされている。
けれど、今年でもう18になった。
家畜を捌く方法も教わった
生活に必要な知恵も備わった
後は実践が伴えば、群れは
不要になる*]
発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 21時頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 21時頃
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− 志乃との食事風景 −
[冷たい塊になった爺さんの身は、 暖かな汁と共に、暖かな女の口に、腹に入る>>31 遠慮せずに口にする様子の方が清々しい]
そうだな。 次はガタガタ震えずに済むといい。
この村で食われたんだ。 また生まれ変わって来たら、樵でもやるんじゃねえか。
[そうやって寒さから凌げる薪でも炭でも作るだろう。 と彼女の祈りに言葉を足した]
(66) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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[>>59不自由な身で這い寄って、兄の服の袖を引く。]
うん……。 今夜は冷える、から……。
[そんな言い訳などしなくとも、兄が拒まないでくれることくらい、知っている。 兄は、いつだって優しい。 慈しむような眼差しの奥に、何が潜んでいるのかなんて、知らなくていい。]
………………。
[熱が溜まっているのかと問われれば、俯き加減のままに、こくりと頷く。 脚と一緒に、こちらも使い物にならなくなっていれば、いっそ気も楽だったかもしれない……いや、きっとそれでも、求めてしまう慾は変わらなかったろう。]
(67) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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ん? なれるかどうかは俺は知らん。 なろうと頑張るならなれるんじゃないか。
[少しずつ動けるようにはなったようだが>>32>>33 まだまだ村の一員として新しい場所を作るには 道程は遠そうだ。
だが女でも薬草の知識が加われば話は変わる。
俺には子も、弟子もまだいなかったから。 江津子さんが身籠ったことも。 その子が何処へ行ったかも知らない。
存外傍で、時々舌鼓を打たせてもらったり しているとは知らないまま。 似た色の髪と目の父娘の夢が時々その娘の 心を苛んでいるとも全て知らぬまま。
娘のかわりに別の娘に慈悲を施す]
(68) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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仕事で疲れてるのに……ごめん。
[詫びながら、けれど縋るように、兄の肌に両手で触れる。 女と交わることが嫌いなわけでもないし、胤を注ぎたいという欲もある。 ただ兄との行為は、また別なもの。 ときに注がれ、ときに注ぐ精は、けして子を成すことはない。 ただ代りに、強い充足感を与えてくれて、独占欲を満たしてくれる。]
(69) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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そっちも色々やる事あるんだろうから。 そうだな。 簡単な試験だと思って。
[よいしょと立ち上がり、志乃に渡したのは 3種類の薬草が混ざった袋]
この袋の中の草を、 それぞれ同じ種類だと思う草同士で分けてみてくれ。
期限はそうだな。 三日位か。
形、手触り、匂い、それぞれ特徴がある。 ただし食うなよ? 毒草ではないが、貴重だからな。
[比較的判りやすいものを混ぜたつもりだ。 書き残すのが好きな源蔵に助けを求めれば、 案外簡単に判るかもしれない]
(70) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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覚えることは山の様にあるからな。 じゃ、次は三日後に。
[そう言って草の束を渡せば志乃は帰るだろうか。 覚える事、と言ってちらと目をやった薬棚。 少し薬を覚えた頃に、得意になって 石動や源蔵を招いて、あの棚にはあれが、 この棚にはあれがと説明したことがあった。
先代に雷を落とされた頭の痛みは 今でも忘れないが。
心を落ち着ける薬や風邪薬。 眠りを誘う薬程度は面倒で棚の位置は変えぬまま。
昔の事、誰も覚えていまい*]
(71) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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[夜闇に溶ける艶声は、女のものより、幾分低い。
けれど時折、高く そして切なげに、掠れる。*]
(72) 2017/11/23(Thu) 21時半頃
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―― 朝:村の路で ―― [男の一日は 外歩きから始まった。 本冷えにはまだ遠い空気の中、それでも首の周りに端切れのような布をあてがい脆弱な気管支の吐き出すけぶり。けふ、と追ってもう一吐き。
透き通る朝に>>#2紛れ込む女歌。 ]
[ちいさな男は、それを口ずさむ女の横顔を見、 過ぎていった背中を見て、 追いでもするように足を踏みだし、
三歩もいかぬうちに踵を返した。 憑かれたような女の後をつい追ったこと苛立つように足早に、 ただ180度 進行方向を違えただけの目的もない足向く先]
(73) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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− 翌朝 −
[志乃に渡した草とは別に。 夜は干していた葉を薬研でで粉に。 空を見て明日が晴れなら薬を干す準備をして。
急な患者がいないのなら早々に床に就いて。
精を吐き出した腹には温かな汁で満たされ 心身共に満足したせいか眠りは深いものだった]
(74) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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後は滴る温い血があれば……。
[飢餓を訴えるのは喉か心か]
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おお、さぶい。
[チチチ、と囀りに目を覚まし、吐く息の色を 確認しながら支度を始める。
草や葉を干し、今日回らなければならない薬を用意する]
季節の変わり目は節々に悪い。
[脚を悪くして満足に歩けない錠を思い出す。 彼にも薬が必要だろうと詰め込んで]
愛理ちゃんはまたいつも元気だな。
[村に響く出鱈目な歌声>>#0 何も欠けていないのに、何も持たない 不思議な少女だと時折思いながら>>#1 動き回る声の方へ顔を向けつつ村を歩く*]
(75) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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― 翌朝 ―
[兄と情を交わした翌朝は、昼近くまで、横たわったままのことが多い。 今朝もまた、そうだ。 兄の姿は……探すだけ、無駄だろうか。]
あぁ、しまった。 今日はリツのところに、車椅子の調子をみてもらいに行こうと思ってたのに。
[ずる、ずると布団から這い出て、卓袱台に手をつき、半身を起こす。 昨日の味噌汁の残りは、まだあったろうか。 冷たいままでいい、とにかく腹に何か流し込んで、家を出るとしなくては。]
(76) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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本当に。
この村は……いや、群れは終わりだな。
[随分と不要な者が目立つようになった。
それが素直な感想。
ぽつりと漏らした感想は。
疑う事も聞こうともしない群れには聞こえない*]
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―― 朝 ――
[ボロ屋敷の居間で目を覚ませば布団より這い出て瞼を擦る。 日ごとに寒くなっていく夜に、吹き通しの家では碌に睡眠もとれない。 ふらふらと二部式帯で簡素に着付けを行えば家の補修等も行いたいが、今日は家族の死んだ日。 家を出ていけば墓地へと足は向いていく]
……もう一年経つね。
[神道式の四角錐状の墓石の前で神式に則った二礼二拍手一礼 お供え物を出す余裕は無いので水のコップと花だけを入れ替えて玉串を捧げると神社で付けてもらった霊名で母と弟を呼び、しばらくの家族の時間。]
(77) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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ススムは、エツコに話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 22時頃
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―回想:妹と私―
[仲の良い姉妹だった。 外見は似ていなくとも、何処に行くのも一緒だったし、 喧嘩をしたことなんかも殆どなかったと思う。]
そうかな? なら、花とか、植物の勉強も、出来るようになるかな。
[>>9薬師の男に似ている、と褒められた焦茶の先をつまむ。 頬が緩むのが分かった。 おぼろげだった父親という存在を意識し始めたのも、 妹の言葉あってこそだった。]
ゆりの髪も、とっても綺麗だよ。 烏の濡羽みたいな黒色。羨ましいなぁ。
[深い黒。何物にも穢されない強い色。 巫女である母と同じ、総てを包み込む美しい色。 そんな色を持つ彼女は、私の自慢の妹だった。]
(78) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[それも、あの日までの話。]
(79) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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あ。 すすむ!
[それから少し後。娘はまた、猫以外に意識を動かされた。それは、丁度、その両手がついに猫を掴み上げた瞬間。掴むなり弛んだ娘の手から、猫はぬるりと脱け出ていった]
すすむ、おはよう。 すすむ、元気? 私は、元気だよ!
[逃げてしまった猫はもう忘れてしまったように、娘はぱたぱたと進に駆け寄り、矢継ぎ早に声をかけた。 進。その少年の初夜を娘は相手にしていた。あるがままに行為を促し、あるがままに行為を受け入れた。それから度々、少年は娘に伽ならぬ伽をする事があった、 その、進の話を、娘はいつも大人しく聞いていた。大人しく、といっても、すぐにわからない言葉を聞いたりしたし、大人しいが過ぎて眠り出す事もあれば、いよいよ飽きて昔話やら何やらねだる事もあったのだが。 何しろ娘には、進がそうして語る話は難しくて、大体が何もわからないのだ。ただ、その語る声色は娘は好きだった。「あたまいい、すすむ」の]
(80) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[初めての記憶は、酷く苦々しいものだった。
痛みに身体が強張る。涙が溢れて、視界が滲んだ。 相手の表情は覚えていない。困惑?愉悦?分からない。 ただ、揺すられる感覚に、吐き出される子種の温度に、 せり上がる悲鳴が、嗚咽が、両の掌の隙間から漏れる。 名の意味とは裏腹に、 村人を受容れることが出来なかった、あの日。
その日から、母の眼差しは温かさを失った。>>11 彼女の瞳は、妹ばかりを写すようになった。
妹は変わらず優しかったけれど、 次の巫女として、母に手を引かれる彼女は、 どんどん遠い存在になっていくような気がした。]
(81) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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ゆりは、きっと、素敵な巫女になるよ。 私なんかより、ずっと。
[母の儀式の前日。妹にそう言って、私は笑った。笑って見せた。 泣いたところで、叫んだところで何も変わらない。 それは、あの日から心の中で横たわる、黒い影。]
(82) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 22時頃
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[――あの日から?
いや、違う。 もっと昔>>23からあったような気がするのは、何故だろう?]
(83) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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お母さん、私ね。ミナカタになろうと思うの。 試験はあるのだけどね…… 一人できちんと生きていけるから、安心して転生してね……
[自分の身の振りを報告し、昨日渡された袋を墓の前に見せる。 3日で種類を判別しなければいけない大変な試験、結果が出たらまた報告にと告げて志乃は次いで神社へと向かう。]
(84) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[母の死んだ夜から、それなりの月日が経った。 あの日以来、私は神社に足を踏み入れていない。
村の者から伝え聞く限りでは、 妹は立派に巫女の務めを果たしているとのこと。 それを聞く度に私は安堵し、惨めになり、 そして、恐怖に駆られるのだ。
巫女であった母の、優しかった母の、 凍るような冷たい眼差し。 巫女となった妹も、同じように “成り損ない”を、拒絶するのでは、と。*]
(85) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 22時頃
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― 朝・村の中 ―
[寝不足に痛む頭を押さえながら、それでも仕事に行く準備をする。 まだ弟は寝ていただろうか。]
行ってくる。 今日はミナカタさんの所に行きなさい。 そろそろ診てもらわないといけないだろう?
[薬師の元へ行くように告げて外へと出た。
朝早くから動き出す人もいる。 農家や猟師などは日の出と共に動くし、そうでなくとも年寄りは朝が早い。 だが目に入ったあの男にこんな時間に出会うのは珍しい>>73]
おはよう、源蔵。 散歩をするのならばもう少し気温が上がってからがいいのではないか。
[気管支の弱い彼の時折咳を零す様子に心配そうな視線を向けた。]
(86) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[源蔵とは付き合いは長い方だろう。 年齢が近い事もあり、彼の子供の頃も知っている。 あの頃から比べればまだ成長したとはいえ、未だ幼い風貌の男は不思議な存在だと思っている。]
男でよかったな。 女なら子を産まねば役に立たぬと言われるだろうから。
力仕事ならば私も出来ないよ。 君には筆があるだろう。 この村でその筆は貴重だ、学問は軽んじられているから。
ああ、だから私は君がいてくれて嬉しいよ源蔵。
[その昔、言った言葉を思い出す。 書物を読む事が癒しである男にとって、源蔵の書く記録は面白い読み物だ。 時々強請って読ませてもらう事もあったし。]
よければ、先代巫女様の話を。
[特にゆりの母親についての記録は擦り切れる程に読ませてもらったものだ*]
(87) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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―木材置き場― [>>80猫が走り去っていく。 追うわけでは無い様子に、櫻子を見遣る眼差しが細まった]
櫻子さんが元気そうで、よかった。 おなかの子も、元気かな……?
[年上であるはずの相手へ、まるで子供のように話しかける。
初めての夜以降、ススムは彼女を抱かずに過ごす事も覚えた。 数回に一度、話す事の方に夢中になって 気付けば彼女が眠ってしまって居たり 時には昔の話を強請られたり。 昔話は左程わからぬ事も多く、あとでこっそり源蔵の元へ通ったのも遠い過去の話ではない]
今日はこれから授業に出るんだ。 櫻子さんは、何処へ行くところ?
[彼女にきちんとした目的があるとは思えないが 穏やかな声音のまま、問いかけを向けてみる*]
(88) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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あぁ、そういえば……。 ミナカタさんのところにも、行かなくちゃならないんだった。
[>>86兄が出がけにそう言った。 うつらうつらしながら頷いたまでは、記憶にある。]
先にミナカタさんに……。 いや、リツのところへ行って、直してもらってからのほうがいいかな。
[まぁ出てから決めよう。 どうせ途中までは同じ道だ。]
(89) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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――神社――
[志乃は小さな頃から信心深い。は村の神へのお参りによく家族で足を運んだものだ。 百合とは歳が近いこともあって去年までは気楽に話せていただろう。しかし火事となってからはあまり顔を出すことも無く、家族の後を追いたかった私はお礼などもきちんと伝えていない。
節目にと訪れた境内に入れば彼女を探してみるものの掃除をしている最中だろうか>>15*]
(90) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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[風が攫ってきたのだろうか。
誰ぞの呟きが聞こえた気がして、見渡した]
……?
[群れの終わりを告げる不穏な声。
神通力が使えるわけでもない、ススムは
空耳だろうかと僅かに首を傾ぐ。
ミナカタに出会ったなら、声の元もわかるもの
学び舎に向かうまでに
彼に出会い、言の葉かわす事はあったかどうか*]
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―鈍(ドン)の庭>>42―
お騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした なにかありましたら、また――――
[丞のおかげで見つかった鶏の亡骸を家主に返し、 報酬である卵をいくつか、紙に包んで受け取った 割れぬように、片手で抱きとめ独り言つ]
慣れませんね……儚いものを手にすることは
[背筋はしゃんと伸ばしながらも、 どこかぎこちなく、この養鶏場を後にした*]
(91) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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[歩幅は、通常の男身丈と比べれば狭く、 子供に比べれば大幅に大きい。 たった、た、 と つっかけが地面たたく音は 容易に空気を震わせた。 だからか、男はこんな背丈のわりに、 誰かの視界のなか>>86へは割合うるさく入り込んでいく。]
よう、石動 今日も寒いな
[は、 と大きな白煙を吐き出すさまは 子供は風の子――だとかを体現し、一方で]
(92) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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なに、どうせどこもかしこも玩具みたいにぼろっちぃ 今年の冬はきっと去年よりも寒くなるからな、 本当の冬が来る前に少しは慣らしてやんなきゃ、 すぐくたばる
錠もそうだろ、 出来るうちはやらせとかないと 弱るのが早いってさ ほら、あれのとこの、石女になった牛 昨日潰したと聞いたよ
[>>0:6仔を産めなくなって雌牛は昨日潰された。 そんな豪勢な話が噂になって飛んだのを 小さな男は当たり前のように拾い、けれど文字にはしなかった。個人の財産だからだ。]
(93) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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エツコは、ススムに話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 22時半頃
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源蔵も外に出たのか。 やれやれ。 薬は錠だけじゃ足りんかもな。
[出鱈目歌の音を眺めて首を動かすと、 2人の男が話しているのが目に付いた。
どちらも俺と同じ年代。 だが傍目には到底同じには見えぬだろう。
この距離では声も届かぬから。 咳の発作を抑える葉は足りるだろうかと勘定しながら。 こちらに視線が来れば手を上げる程度で離れよう*]
(94) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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元気?
うん、おなかの子、元気だって。 おばさま、言ってたよ。
[子供の具合を聞かれて返す、言葉は娘の家に近く住む女からの見解を伝えるもの――畢竟、全くの他人事のように]
ええとね、私は、猫さん見つけたんだ。 だから、追っかけてたの。 でも、猫さん逃げちゃうから、大変だったんだよ。
[何処へ行くのかと訊かれれば、笑って、熱心に楽しそうに、今しがたの出来事を語って]
(95) 2017/11/23(Thu) 22時半頃
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―― 神社にて ――
……志乃。志乃じゃない!
[>>90するりと箒が私の手から滑り落ちた。 集めた枯葉の山が、その衝撃で四散する]
ああ、よかった。 ここに来られるくらいに具合が良くなったのね。 本当に心配していたのよ。
[思わず駆け寄り、彼女のたなごころを優しく包む。 かつて若い年頃の娘らしく滑らかだった彼女の手肌は、 火傷の跡が未だ生々しく、痛ましさにそっと目を伏せた]
(96) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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さあさ、上がっていって。
[久方ぶりの友人の来訪に、私の声音は弾む]
ご飯はもう済ませているかしら。 今朝は多く作りすぎてしまったの。 もしもよかったら一緒に。
[神社の中に招き入れ、応接間へと通そう。 途中、姉の部屋の前を通った。 主のいないがらんとしたその部屋は、 ひどく寒々としていた*]
(97) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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―回想・丞さんの家で― 俺は今のぐらいがいいよ。蓄えにそこまで余裕があるわけでもないし なにより太ると動きにくそうだ
[軽口で丞に答えながらも出されたお茶をすする>>8]
先約?ああ、江津子さんの 分かった。その後でいいからよろしく頼むよ
[丞さんの言葉に作業台へと視線を向けると、そこにあった鉈に納得したように呟く 生業柄、直接世話になることはあまりなかったが、当然彼女の武勇伝などは何度も聞き及んでいた*]
(98) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[風の子と言うには少々薹が立っているが。 続く言葉に小さく笑い、更に続いた言葉に笑みを無くし眉が寄る。]
ああ、確かに今年の冬は厳しいと聞いている。 慣らしておかねば弱るか。
言われなくても出来る事はやらせるさ。 ……牛のように潰させるわけにはいかない。 あれは私にとって大事な弟だから。
[役に立たぬと思われたらそこで殺されてしまう。 それは当たり前の事だ。 だから受け入れなければならない。
受け入れなければ、ならない。 だからそうなる前に弟を自立させねばならないのだ。]
(99) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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源蔵ほど、現実が見えていればいいんだけどな。 私が甘やかしすぎたから。
[兄離れが出来ないでいるのだ、と眉を下げた*]
(100) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[男は、とかく、気の強い一時期があったもので いつだったかの慰めじみた言葉にも険のある眼差しをむけたものだ。] こんな形して何に役立つことがある 石女だろうが、 慰みものになるくらい遣い道はあったろうに、 俺じゃあ飼い殺しにされる犬畜にも劣る可愛げのなさだ ―― まあ 噛みちぎるくらいの面白みはあるつもりだがな
[わらい捨てるように言い、 それでも、けれど、>>87付き合いの長さもある、 穏やかな物言いをする石動を疎んじていたわけでは決してないものだから]
(101) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 23時頃
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――昨日>>68>>70>>71――
……分ければいいんだね。 きっと大丈夫、山菜なんかも覚えようと思ってたから。
[渡された袋を覗き込みどんな草なのか楽しそうに見ている。 食事の途中と言うのに夢中になってしまい。 はっとそのことに気づくと急いでまた煮汁を食し終える。]
何から何までありがとう。 失礼ね。食べないよ。 これで食べていけるかもしれないし
[どうこれから生きていけばいいのか、真っ暗闇だった道に一つ進む道が見つかった気がして、食器を片付けるとお辞儀をして草の束を担いでいく。それからは家に帰り、草を小分けして種類別に大別したところでその日は終えた。食事、修理、仕事と久しぶりに実を結んだ一日だったかもしれない*]
(102) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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好きなら、何度でも、 それこそ勝手に上がって目を通しても、 俺ぁあんたなら構わない
……―― 記録をよむのも、 何が楽しいかわからないがねえ こんなもんは今生きてるやつらには墨の無駄遣いも一緒 そうだろう、目の前の人間に聞きゃあいいんだから これに心をよせていちゃあ、心配するだろうよ
[弟が。 とでも続きそうな物言い。 言い切らないその中に含まれているものは、やはり付き合いの長さがあればこそ容易に掬い取れるのだろう一場面だ、]
(103) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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―道端で―
……そんなことをされると、困ります
[卵を手にしたまま、立ち往生の憂き目に合う 足元にはじゃれつく、猫さん>>491人 江津子の手にしたもののことを、餌か何かと思っているのか]
これは、猫さんの召し上がるものではありませんよ そんなに切なく鳴かないでください
[よいしょ、と残る片手で猫を持ち上げ]
両手がふさがってしまいました>>47
[ふっと、小さく息をついた*]
(104) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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鬼丞は、エツコにひらりと手を振って、畑へ向かうこととした。
2017/11/23(Thu) 23時頃
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[江津子との会話は珍しくも笑いでもって締めくくられた。 「まだ若い」だとか>>57、容の料理のことまで言うからだ。>>58 低く笑って、珍しくもひらりと手を振ったりもした。
実際、容の料理が美味いことに丞は何の関与もしない。 農家の心得を、と請われて教えたとしても、誰に見張られるでもないこの仕事をやりぬくには、ただ己の努力のみが必要となる。 ましてや、収穫した後のことは知らない。
ただ素材の味のみが評価されるならば、それは人の味であろう。 野菜ばかりを食らい、脂肪も少ない己はさぞや不味いだろう。食べることになる誰かが可哀想だ。 ――――誰が食べてくれるのだろうか]
(105) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[視界の端に捉えたの薬師の男
先ほど聞こえた声は彼の声によく似ていた。]
誰かに殺されるくらいなら、いっそ私の手で。
[殺してその肉を食らってしまいたい。
何度そう思った事か。
寝ている弟の首に手を掛けた事もある。
しかし男に弟を殺すなんて事が出来るはずもない。
甘え、縋り、頼られる事に安堵を覚えているのだ。
弟には自分しかいない、そんな幻想に囚われているのだ。
死んで置いて行った愛した女とは違う。
誰でも受け入れ誰をも愛したあの女とは違う。
只、一途にこちらを見ている弟に依存しているのは己の方。]
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おば様が言うんなら、大丈夫だ。
でも身体が怠いと思ったらちゃんと休むこと。 あんまり走ったりしちゃ、危ないよ。
[猫を追いかけていた彼女に 身ごもった自覚があるのかどうか。 腹の子は三月ほどではまだ目に見えて実感できるものでもなさそうで、わかっていないんだろうなと苦笑いが浮かぶ]
――暖かいもの、食べて ゆっくり休むといい。 いまの櫻子さんには、それが許されるんだから。
猫、追いかけるなら 見つけてくるけど……?
[その猫が江津子のところまで走っていったとは知らぬまま、この先どうするのかと尋ねる。周囲を見渡して、それから首を傾いで見せた*]
(106) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[畑道具をしまう掘っ立て小屋の軒先、自宅より日当たりの良い此処に、二週間ほど前に今年初めての柿を干した。 何本か吊るしたそれを指でもみこみ、3つほどがついた紐を一本、常に懐にしまっている小刀で切る。 まだまだ出来上がっていないかもしれないが、一つ食べてみて駄目ならまた吊るせばいい。
干し柿は普段女子供にくれてやってしまうが、今年は自分でも食べようと考えていた。
少し、太ろうかと考えたのだ。 太ると動きにくい、と言ったリツなどはまだ若いが、丞はただでさえガタが来ている。 江津子の言葉で、容と交わした言葉を思い出していた。若い娘に「食べてもいい」と言われたことを。本気ではなかったろう。丞も先ほどまで忘れていた。 何も起こらなければ、先に食べられるのは己だ。 残された者が、せめて美味しく食べられるように。 ――少し、太ろうかと思いついたのだ]
(107) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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鬼丞は、柿を片手にふらふら家路へ。
2017/11/23(Thu) 23時頃
真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 23時頃
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―翌朝・自宅前― [早朝、シンと冷えた空気の中、トンテンカンと音を響かせる 村の外れ近くに建てられた家だ。多少の音なら迷惑にはならない 作っている物は昨日、丞さんに頼まれた椅子だ 木材を切り出し、組み立てて、ささくれ等が残らないようにヤスリで削る 仕上がりが近づく頃には太陽も高く昇っていて]
ふう、もう少しってところだな
(108) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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―現在:自宅/畑―
ごぉろん ごぉろん ……っと。
[歌を口ずさみながら、かごを抱えた私は畑を歩く。 今日は数か月前に種芋を植えた サツマイモの収穫の作業。
そんなに大きくない畑とはいえ、 栄養がいいのか、種芋が良かったのか。 今年は思った以上の豊作だった。
収穫のような力仕事は、大抵の場合 進>>0:215に食事の対価として手伝ってもらうのだけれど、 学生の本業は勉強だ。それを邪魔してまで 手を借りる訳にもいくまい。それは、半ば、意地のようなもの。]
(109) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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……ん?
[聞こえて来る奇妙な歌声>>#0 視線を向けると奇妙な歌を歌い彷徨う少女を見つけた]
おーい、愛理! そっちは村の外れだぞ
[歌い彷徨う少女に声を掛ける
村の境界、少し先に見える森を抜ければそこはも外の世界 村から出てはならない。昔からの教えもあり近づく人間は少ない
男も木材を求めて森に入る以外は近づこうとはせず 当然、愛理とて一緒だろうと声は掛けてみたものの、そのままどこかへ去る愛理をそのまま見送った]
(110) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[甘やかしすぎたとの言葉に大げさに眉を跳ね上げさせた]
おや、麗しのあにおとうと仲を引き裂く悪役が必要かい 善薬毒薬煎じられる魔女ならちょうどあそこに一人いるぜ
[>>99>>100寄って下がっての眉を見上げ、おかしげにわらって。 >>94視界にいる馴染みの人影へ、 この時ばかりは子供らしいしぐさで大振りに手を振った。おうい、と呼びかけるような、手の振りで。]
あれなら 兄離れ弟離れの薬ぐらいは持ってそうじゃないか?
まあ、いらんと思うけどな 家族思いのなにがわるいわけでない、 死んだとしても、望まれれば、食われれば、五体満足に戻ってくるだろ
(111) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[離れようと向けた背に、風に乗って声が届く。
あの真面目一辺倒で弟の錠を大事にしている男の、
いや、大事にし過ぎているからだろう。
その声は心からのものだろう。
猫ではないが、思わず喉が楽し気に鳴った]
群れの中でどれだけ庇っても。
庇いきれない時だってある。
大っぴらに手に掛けることが赦されるのは。
[儀式と罪人を裁く時。
もっとも、錠が裁かれるような罪を犯すとは思えないが。
漏らした呟きが風に乗るかどうかは知ったことではない。
彼が耳を塞ぐかどうするかも。
ただ人間になるか、家畜になるか。
何処を目指すか見定めるだけ*]
|
―木材置き場の付近で―
割れ物なんですよ 後生ですから、その爪を放してくれませんか
[とてて、とててと不格好な歩みでいくばくか やがて、困惑しながらちらりと見やれば、 櫻子>>95とススム>>106若い2人の姿が映る 少し様子をみながら、やがては]
櫻子さん、ススムさん ごきげんよう 気持ちのいい、朝ですね
[ぎこちなく近づいて、軽いお辞儀で挨拶をした*]
(112) 2017/11/23(Thu) 23時頃
|
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[進は、子供の頃から勉強熱心だった。 その眼はいつだって、話している内容の、その裏側を見ていた。
「同じ年頃なんだから、世話を見てあげて」 渡された、一人分の食事を届ける幼い姉妹>>28 その姉にあったのは、―奇しくも、彼の勘繰りの通り、 巫女の子としての責務だった。
愛すべき村の人間のひとり。 死なせてはいけない。幸せにしてあげなければいけない。
彼から、感謝の言葉は勿論あったけれど、 それはどこか虚ろな気がした。 その眼が言葉の裏を、どこか違う場所を見ていると感じたのは、 その時からだったと思う。]
(113) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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|
[義務感は、徐々に薄れて行った。 用意されたお弁当を届ける仕事は、 いつからか、自分が、或いは妹が 彼の為に作った食事を届ける行為になっていったと思う。
そうして、巫女と成り損なった今でも、 私は彼にお節介の食事を届け続けている。
やっぱり、責務などではない。 彼の言葉を借りるなら、唯の打算なのだろう。
食事を欲している者。食事を褒めてほしい者。 それで関係性としては十分じゃあないか。]
(114) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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|
[けれども、いつか、叶うことなら。 水面のような彼の瞳が、此方を向いたなら――。]
(115) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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|
[いや、やめよう。首を横に振って、 思考をサツマイモたちへ戻す。 何かを夢見たところで、虚しくなるだけだ。]
いつまでもー いつまでもー
[聞こえてくる、いつもの歌>>#2を 鸚鵡返しに口ずさみつつ、収穫の作業へと。
数刻後、かごから溢れんばかりの赤紫色の 幾らかを抱えた私は、それらを調理すべく 上機嫌に台所へと飛び込むのだった。*]
(116) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
|
嗚呼、それとも。
[お前が咎人にでもなって彼に喰われるか?
なんていつにもなく狂気が顔を出すのはどうしてか。
ミナカタを継ぎたいと草の束を持って帰った娘のせいか。
もうこの村に、ミナカタは不要だと告げたら。
どんな顔を見せるだろう、なんて。
愉快な事を考えたからだろうか*]
|
―― 回想 / 姉と、進と、 ――
[いつも姉の後ろをついて回っていた私は、 誰からも妹扱いされていた。
明朗な姉の容。引っ込み思案の妹の私。 あの頃。私たちは、ふたりでひとつだった。
昔は姉に連れられ、よく進の家を訪ねたものだ。
ふたりで作った握り飯。>>28 姉の作ったものは、整った形。 私の作ったものは、崩れそうなほどに歪で。 握り飯を見れば、すぐに誰が作ったものか判別はついた]
(117) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
|
|
進くん、ごめんね。 いつか姉さんみたいに 美味しそうに作れるようになるから。
[それでも進は、喜んで受け取ってくれたように思う。 いつも妹扱いされる私が、進の前では“ゆり姉”になれる。 進と接するとき、私はすこし大人になれた気がしたものだ]
(118) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
|
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[本当に私が「大人の女」になったとき、 私と進の関係が壊れるとは思っていなかった]
(119) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
|
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[巫女が代替わりしてしばらくの間は、 どれ新しい巫女の具合を確かめてやろうと 村の衆たちが入れ代わり立ち代わり神社に出入りした。 その中に、進の姿はなかった。
代替わりに関わる様々な神事をこなし 夜な夜な神社を訪れる男たちの汚れを祓う。 多忙な日々に忙殺されて――…… いや、なくした家族たちから目を背けていた私は 進の家から足が遠ざかっていた。
あそこは、姉と共に訪れる場所であった]
(120) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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……進くん。 あなたは神社にお清めにいらっしゃらないの?
[巫女になってから一度、 そう彼に尋ねたことはあっただろう。
自分を抱く気はないのかと。 巫女として不足があるのかと。
進が村人たちから“種馬”として 重宝がられているのは知っている。>>28>>64
決して、彼がその手の行為を忌避しているわけではない。 というのに、神社に彼が訪れることはない。
……進に、避けられている。 どこかで歯車が狂ってしまったのだろう。 巫女になる前と、後。同じ関係ではいられない]
(121) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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[それは私と姉も同じだ。 あの頃。私たちは、ふたりでひとつだった。 歯車はすでに狂ってしまった。
また、私たちがひとつになるためには、きっと――……]
(122) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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[食い、食われるしかないのだろう*]
(123) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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イルマは、ゆりに話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 23時半頃
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[がた、ぎしぎし。 古びた車椅子の動きは、悪い。 そのうえ車輪が噛んだ枯れ草が、余計に動きを悪くしている。]
あぁ、もう。 まいったな……!
[愚痴ったところで、どうにもならないのは承知だが。 声に出さなければやっていられない時もある。
そうして、普通の人の倍以上の時間をかけて、ようやっとリツの家の前までたどり着いた。]
(124) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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[望まれれば。食われれば。 今世で、食うを厭われるような悪さをしでかしたわけでなし、 食われれば戻ってくるだろう。 そのときこそは、生きる時間のすべて五体満足かもしれないではないか。
そうとまでは口にしない、 それは当たり前のように村にはびこる因習で、教えだからだ。
育たなかった両の腕を組んで、年齢相当の言葉の調子で男は言う。 言葉裏、先代の薬師の“教え”>>0:135>>0:136を携えて*]
(125) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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ゆりは、イルマに話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 23時半頃
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― リツの家の前 ―
おぉい、リツ! リツー!
[呼ぶ声は、だいぶ離れたところから。]
椅子の調子が悪くてさー! ちょっと、みてもらえないかなー!
[声は彼のもとまで届いてくれたろうか。*]
(126) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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あれが魔女か、似合と言えば似合だ。
[視界の端にいる薬師へと視線を向ける>>94 源蔵が手を振る様子を眺め、こちらは小さく会釈をした。]
兄離れ、弟離れが薬で出来るものならば私も悩まんよ。 だがまあ、錠の脚が治ればいいのだから薬が必要なのは確かなんだけどね。
家族思いが悪いわけじゃなあない。 そうだろう、私も錠も何も悪くはない。 だが心配しているのは私死んだ後の事なんだ。
その前に、一人で生きていけるようになってくれればと。
[そう願わずにはいられない。]
(127) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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はーい。 わかった!
[進の忠告に片手を真っ直ぐ上げる、返事ばかりは元気良く強かに。ただ、それが真っ当に――その身がいよいよ重くなるまでは――果たされるはなかなか難しい事は、知れたところか]
ううん。猫さんは、もういいの。 私、ごはん、食べたい。 おなかすいた。
[ふるふると首を横に振り、零す。旺盛な食欲ばかりは、身重らしいと言えたか。と、新たに現れた姿に]
えつおばさん! おはよ……あっ! 猫さん!
[たたた、と嬉しそうに駆け寄っていった]
(128) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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[食われれば戻ってくるだろう。 だが、そこに情が絡めばどうなるのか。
人には言えない、誰にも言った事はない。
男は大事な弟を、娘と思う女を食うのならば。 その時は誰にも肉の一片も渡さず余すことなく己のモノにしたいなどと。 そんな欲を抱えているのだ。
村の因習から考えれば奇異な思考であろう。 口に出した瞬間、罪人として裁かれる可能性すらある。 だから誰にも言わないし、言えないでいる腹に抱えた重い秘密*]
(129) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 23時半頃
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――>>96>>97――
・・・ご無沙汰してました。
[志乃を見るや散らかった落ち葉の舞いに悪い気がしてペコリと頭を下げていく。 駆け寄られ優しく持ち上げられた掌と明るい声にまずはほっと安心を覚える]
う。うん
[言われるままに後をついていく志乃の表情はまだ硬い、弾む声に少しの照れと戸惑いを覚えながら神社へとあがっていくと食事と聞かれてつい ハハ…と乾いた笑いが漏れてしまう。]
ううん、まだ落ち着いてないからご飯は食べてないけど…… でもなんだか悪いよ。 今日はお礼に来たのに……
[一日一食の生活だなんて彼女に言ったら心配させてしまうかな。 食べたい欲はよぎるけれど、それが目的と思われるのも何だか気が進まなくて遠慮の声をあげる。*]
(130) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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私が咎人として死ぬのならば、この肉は錠にだけ食べてほしい。
他の誰の口にも入れさせたくはないのだよ。
[だから素直に咎人として裁かれ殺されるわけにはいかない。]
願わくばお互いを食いながら死ねたら、それが一番幸せだろう。
そのような事が可能ならば、だけどね。
[お互いの目玉を食べて、唇を食い千切り、腹を裂いて。
どれくらい生きていられるのだろう。
ゆっくりと味わいながら弟を体内に取り込みながら、弟に食べられて彼と一つになっていく。
それは甘美で素晴らしい考え。
嗚呼、それが叶うのならばなんでもするのに。]
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[家へ向かう道すがら、薬師の姿が見えれば>>94さて、と干し柿を見下ろした。ミナカタには夏に随分と世話になった。 今年は不思議と虫害が酷く、駄目で元々、と相談したのだが、どうにかこうにか土に撒いてみるといい、と薬を用意してくれたのだった。 天然由来の香草がどうとか…詳細は忘れたし、面倒なことを頼んだという自覚はあるが、薬師の内心はどうあれ、その薬はよく効いた。理由が別のところにあったとしても、虫害が減ったという結果が全てだ。
その例に干し柿でもくれようか、と思ったのだが、 いかんせんこれはまだ未完成品。 くれてやってから、渋かったらむしろ嫌がらせである、と考え込んだ次第である。
ともあれ、挨拶程度はしておこう。 干し柿はまだ、掘っ立て小屋にいくらでもあるのだから]
(131) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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はは。 ああやってるとなんか昔に戻るな。
[近寄る気はなかったが、2人の返し>>111>>127は それぞれらしいもの。 魔女呼ばわりされているとはさすがに届かないが。
何も考えずに遊んでいた子供の時分を 思い出せたのだから届かなくて正解だろう。
源蔵が心に何を携えているかも知らぬまま]
(132) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 23時半頃
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具合はどうだ。
[1つ歩み寄る。 具合はそれぞれが抱えたものへ。]
咳止め、熱冷まし、痛み止め。 持っていくつもりだったから、今渡しておくか?
[さてそれはどう取られたか*]
(133) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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よし、こんなもんでいいかな
[丞さんの椅子が一段落した頃、名前を呼ばれ其方へと視線を投げる>>126]
錠さん!こんな所までご苦労様だね。どうかしたのかい?
[錠さんの姿を見つけると、駆け寄って声をかける]
そうかい、椅子が 了解、ちょっと見てみようか
[椅子の調子が悪いと聞けば、ひとまず車椅子を押して家へと戻り]
とりあえず、見てみるから縁側で待っててくれるかい
[必要ならば錠さんを一度縁側へと運んで、そのまま車椅子の調子をみる]
(134) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[近寄る前に、痩せた姿が目に留まる>>131 彼が育てる農作物も、研ぐ刃物にも大層世話になっている。
今年の夏は特に虫が酷かった。 生意気にも虫にも美味い不味いが判るらしい。
しかし虫の害は一所に収まらない。 香草は役に立っただろうが、丞さんや容ちゃんを 始めとした農作業に従事する者たちの手入れの賜物だろう]
どうも丞さん。 無事に夏は乗り切れたようで良かったですね。
[独り立ちした時分には、作物を育てる知識も 多少なりとも世話になった。 彼に関しては掛け値なしに恩師の1人。 損得抜きで笑顔を向けるのは当然だろう]
(135) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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今度は鼠の害に気を付けてください。 猫いらずなら用意はしてますんで。
[ぺこりと頭を下げて離れはするが、 用があるなら後で寄っても良いかもと*]
(136) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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―― 神社 / 応接間>>130 ――
悪くなんかないわ。 食材は余すところなく食さなければ可哀そう。 ……そうでしょう?
[朝ごはんの食材が何であるかは敢えて告げなかった。 有無を言わさず、卓袱台に朝ごはんを並べる]
たくさん食べなければ 良くなるものも、治りが遅くなるわ。
心配で心配で。 ミナカタさんから、志乃のことはよく聞いていたのよ。
[巫女としての仮面を外して、友人として言う*]
(137) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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―木材置き場―
江津子さん……おはようございます。 朝から凄い恰好ですね。
[思わず小さく息を零す。 >>112会釈をした彼女が猫を連れてきた事で >>128櫻子の表情が明るくなるのを見る。 腹が減った、と言ったのは何処へ行ったのか。 実際、胎児の分も腹は減っているだろう ススムは食料を持たぬ故に 助けを求めるように、江津子に視線を流す]
櫻子さん、今朝のごはんは未だみたいですよ。
[容が居れば、頼めたのに。 無意識に頼りそうになって、 これではいけないと、思考を止める*]
(138) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[一つ歩み寄ってきた薬師の問いに手をひらり、と振っていらないと拒否をした。] 今日、弟に貴方の処に行くように言っている。 その時に体調を診て処方してやってください。
[流感が流行りそうならばそれらに効く薬を。 寒い時は喉をやられやすいから喉の薬を。 後は頭痛に効く薬を。 錠がきっと伝えて貰ってくるだろうから今は必要ない**]
(139) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[>>127懸念のありどころへ軽く首を傾げ]
弟離れもできてないのに 自分の死んだあとも生きて別離を長くしてほしいとはまた、こじらせてるぜお兄ちゃん
後追うように死んでほしい、離れずに、 後の世もまた後の世も 兄弟縁の続く限りに幾度でも、 と素直に思えばいいのになあ
[とは口で言うものの、掘り下げる腹積もりもない調子。 「教師石動殿の四角四面の生真面目な優しさだ」などと軽口にし、 ふうと息を吐き出し、けぶる白に視界を埋めた。
弟離れできないほどに可愛いのならば、悪くないと思うのならば、。 可愛げある弟を飼い殺ししたとてさほど悪いことには思わないが、 当人、あるいは当人たちにとっては、そうではないのだろう。]
(140) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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ススムは、ミナカタに話の続きを促した。
2017/11/24(Fri) 00時頃
[切実な願いはこの村ではそれこそ歪な願い
椅子を押して、一緒に崖から身でも投げたら?
なんて提案したら、弟の事となると目の色を変える
この男はどんな表情をするだろう]
そんな事、ぺらぺらと垂れ流してたら
食う前に殺されるぞ?
[目の前の源蔵に聞こえている様子はなさそうだが、
ついぞポロリと零しそうで呆れた視線を向けてしまった]
それなら、特効薬を見つけたとでも言って
自分の目を抉って食わせてやれば?
生きた肝臓も薬になるって言うしなぁ。
[食って食われて。
閉ざされた二人だけの世界を望む姿。
彼も人間でも家畜でもない、異質な者。
不要かどうか、分類は今は避け。
何処へ向かうか足踏みしたままの男を
見つめる視線は見世物小屋を覗くに近い*]
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いきさつで、こんなになってしまいました みっともないですね
[まずは、ススムの言葉>>138にそう答えて、苦笑する 続く言葉に、眉尻を下げて、困りましたね と呟いた]
今はここにある卵くらいしかないんです 容さんでしたら、美味しいご飯をいただけたかもしれませんが……
[ススムが止めた思考を口にし、どうしようかと悩みながらも、 駆け寄ってきた櫻子>>128に、ほっと小さな息をついた]
はい 困りものの猫さんなんです
[くすっと笑いながら、身を乗り出し、 肘を突き出し、なんとか彼女に渡そうとするけれど、 彼女はしっかり、受け取ってくれただろうか]
(141) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[江津子も、ついぞ気づかなかったこと、 困り果てた末に忘れていた、今日の『いきさつ』
服にしみ込んだ、首を落とした鶏の鮮血>>52のせいで、 触れた毛が赤く染まったしまった、この猫さんを*]
(142) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[さて。白い視界の薄れたなかに件の魔女>>133 石動の>>139用向きを告げるのをまって、]
来なすったな “ミナカタ殿”
なによりかにより、 石動の兄には兄離れ弟離れの特効薬が必要かもしれないぜ なんぞそんな面白い薬効はないものかい
[くつくつと笑う調子を隠さずに言う、 無いだろう見越して無理をいうのは、時折やる、男の悪い癖だ。 「そんなら背丈の50は伸びる薬はないものか」などと、 必要な薬を尋ねられた際の悪ふざけは幾度か、繰り返した。 >>0:136どこかよぎる「憐み」を楽しむような露悪的な楽しみは、けれど、特段悪気の合ってやるわけでもないから質が悪い]
(143) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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ああ、あんたのおかげだ これが美味くいっていたら今度持っていくよ
[己のこととなると整備は頭を過ぎらず、熱が出ても気づかないくらいミナカタの世話にはなることはないが、作物は別だ。 鼠も数年前にひどい害が出た。 その時のことを思い出し、肩を竦める。
また世話になるだろう、と頷いて、ミナカタの向こう、立ち話をする二人にも干し柿を軽く振る程度の挨拶をして通り過ぎることとなった]
(144) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[>>134リツが駆け寄ってくれるならば、そこでおとなしく待つとする。 尤もそれを期待して、大きな声で呼んだのだが。]
やぁこっちこそ、忙しいところすまないね。 そうなんだよ、車輪が軋んで、これでは腕が疲れてしまう。 錆取りの油をさすくらいならできるんだけどさ、そんなもんじゃ追いつかないみたいで……。
[椅子を押してもらいながらあれこれ話して聞かせ、ついでに縁側に運んでもらう。]
この後さ、ミナカタさんのところに薬を取りに行かなくちゃなんないんだけど。 ガタが来た車椅子のままじゃ、日が暮れちゃうからね。
[そんな、本気交じりな冗談など言いながら、ひとまずは彼の作業を見守るとしよう。]
(145) 2017/11/24(Fri) 00時頃
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[弟の様子を尋ねると、指導者の鑑の様に 手振りと短い用件で断りを入れられた>>139
年長らしい距離の取り方にハイハイ、と軽く返すのは 源蔵が弟への溺愛ぶりが披露されるからだ>>143]
弟君より兄の方に薬が必要とはね。
恋の病に付ける薬なんぞ先代からも聞いてないね。
[ああ、無理無理、といつもの源蔵からの難題に 大仰に息を吐き、手を振った]
(146) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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[兄弟の情を恋に例える位は許して欲しい。 この村で特段誰かに強い執着を見せ続け、 駄々を捏ねた者の話を俺は聞いたことは無いのだから。
俺の知らぬところで密かに憎愛が絡んでも おかしくないが、俺にはとんと興味がない。
求めた母性は一度きりで切れてしまったのだから]
(147) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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恋の病も患い過ぎると命を落とすと言うからな。
[その果てに肉も口にしてくれなかったら
どうするつもりかとも思うたが。
楽しそうだから放っておく*]
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あのね、猫さん、さっきここにいたんだよ。 それで、追っかけっこ、してたの。 でも、猫さん、逃げちゃったから。 また会えて、嬉しい!
[にこにこと笑い語りながら、両手を江津子の方に、猫の方に伸ばす。二度の捕獲を受けてか幾分大人しくなった猫、その両脇から手を入れ、そのまま引っ掴むようにぎゅうと胸寄せる、およそ丁寧とは程遠い仕草で抱き締めて]
? あれ。 猫さん、おけが?
……あ! えつおばさまと、おそろい?
[彩る赤に気付けば、首を傾げてから。 江津子を見ては、思い付いた、というよう声をあげた]
(148) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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[自宅に戻り、干し柿を軒先に吊るした。 一つは家の中へ持ち込み、リツの包丁の具合を確かめるのに使うこととする]
………渋い
[干すのが不十分だった、というよりこれは、単に柿の個体としての渋みだろう。 それでも残すことなく、黙々と口に運ぶ。 半分ばかりを食べたところで手を荒い、今日は外で包丁を研ぐことにした]
(149) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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源蔵も、殿とか付けるならもう少し敬え。
[相変わらず色んなものを頭の中で 捏ね繰り回して遊んでいるのだろう。
咎める様な強さは無く、呆れた言い方は ミナカタでなかった自分を、 思い出を知る少ない人物だからか。 そして拭えぬ憐れみを抱えたままからか]
『背丈が50が伸びたら家が狭くてしょうがないだろうさ』
[名を継いだ頃には詰まっていた答えも、 今はまた言ってら、と返す位は。 どうにもならぬ事があるのだと学んでいた]
(150) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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咳や熱冷ましの薬が要るかと聞いたのは、 源蔵も込みだったんだが?
[で、要るのか要らないのか、と 改めて尋ねてもやはりいつもの口調が 返ってくるのだろうか*]
(151) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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ところでリツ。 車椅子修理の礼に、僕は、何をすればいいかなぁ。
[他人を頼ることは多い。 けれど頼るばかりではなく、出来ることは返さなくてはならない。 ろくに動けない、何もできない役立たずとなれば、あとはせいぜい儀式に使ってもらうしかない身なのだ。おそらく今でさえ、兄がいなければ危ういのだから。
ただそうなれば、兄にこの身を食べてもらえる。 血肉として、ずっと共にいられる。 それも悪くはないと、思うことはあるのだけれど。]
まぁ、大したことはできないんだけど、、さ……
…………。
[縁側にかけたまま、ぽつぽつと話して。 やがて、まだ疲れが残っていたのか、うとうとと舟を漕ぎだした**]
(152) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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[採れた作物は、どれもいい出来だった。 鼠や害虫の被害を殆ど受けていないのは、 ミナカタや丞の力添えが大きい。
何も知らなかった頃のいつぞや>>144を思い出す。 大被害を被ったけれど、今回は一味違う。 これらの作物たちは、きっと 皆を幸せな気持ちにしてくれることだろう。 にんまり、口角が上がる。
そうして、鍋で一口大に切ったサツマイモと、 灰汁を取ったゴボウを炒める。 熱が入ったそれらに、醤油と砂糖、みりんや酒を絡めれば、 サツマイモとゴボウの甘辛煮の完成。今日の料理も力作だ。]
(153) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 00時半頃
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[漬けておいた梅を包んだおにぎりを横に添えて、 お弁当箱に料理を詰めていく。全部で三箱。
畑仕事の方の片づけを終えた頃には、 箱の中身は多少冷めてはいたと思う。
それらを包んだ風呂敷包み片手に、 私は家を飛び出した。昨日と同じ、いつも通り。 ふら、と、見知った人の姿を探す。**]
(154) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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江津子さんのそれは、御仕事の勲章でしょう? 僕はまだ、この手で捌いた事がないから……
[>>141彼女が纏う赤は、命を扱う者の証だ。 羨ましい、と簡単に口にする事も出来ず中途半端に言葉を切って]
……容さんは……どうでしょう 今朝は見かけていませんが
[同じことを思ったらしい、江津子の口から容の名が出たのには少し視線を落としてしまった。 >>109収穫の時期なら、未だ対価が渡せる。 けれど、容は中々頼んでくれないから 随分と貰ってばかりの日々が続いている。 何故、自分に食事を渡しにくるのか。 褒めて欲しいから>>114と聞いたことはある。 けれど、ススムは彼女の願い>>115がわからず 容の打算に気づけない。 故に、対価のない施しに見えてしまい 出来る事ならばと、他所で食料を調達する術を探してしまう]
(155) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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―― 神社 / 応接間>>137 ――
百合さんがそういうなら……
[遠慮勝ちに座り、並べられていく食材の匂いが漂えば、自然に鳴ってしまうお腹の音、可哀そうと言われれば断る言葉も失い。志乃は食事を共にすることにする。]
なんだかごめんなさい。今まで。 痕は残ったけど、痛みとかはもう平気。 気持ちもだいぶ落ち着いたよ。
[心配の言葉にもう大丈夫と添えて、食べると決めれば遠慮はしない。膝を少し崩し薬草の袋を隣に置く少しの間寛いでいく。]
ところでここ一年で、神社も何か変わったことあるかな?
[何だかこれだけの神社にとても静かに思えたから*]
(156) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 00時半頃
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……嗚呼、いっそ神社の方へゆけば 何か施して頂けるかもしれませんね。
[幼いゆり姉の作った握り飯は、自分が昨日拵えたものと大差ない出来栄え>>117だった記憶がある。 あれから”大人”になった彼女の料理は多少上達したのかどうか。 前に一度、話しかけられた時には>>121清めの話しかされなかった。 自分に彼女を抱けというのかと、頭の先から爪先まで見遣った後にススムは困ったような貌を作り、口の端を歪めて告げたのだ。 ”連日お忙しい巫女様の手を煩わせはしません。御容赦を” 慇懃無礼に腰まで折って。 もしあの時の会話が変わらぬ食事や容の話であれば、と 過ぎた事を思いかけて、首を振った]
あっ、僕 勉強にゆく途中だったんです……!
[猫が櫻子に渡るのを見ながら、随分と時間が過ぎた事を思い出した。 慌てた声が漏れる*]
(157) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 00時半頃
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そいつぁ覇気がない答えだな 今代の 先代を越えてみせようとの気概がほしい 新薬のひとつやふたつやいつつむつとお………
[最後はもはや呟きのようになるあたり、 次いだ言葉に関心がうつりつつあるも分かりやすい]
しかし、恋か こいね、こい 恋とは また
[観察するように>>146見上げた薬師の顔から、また、石動の顔へと視線を移し しげしげと眺め「言い得て妙だな」とごちたあたり、得心したのは伺えよう。 当月を意味する文字のした 「石動、その弟 錠を慕う」――などと記すことがよぎるあたり、この顔合わせはいかにも、何者にもなる前の子供の時分を思い起こさせる]
(158) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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鬼丞は、包丁を研ぐ音が、規則的に響いた**
2017/11/24(Fri) 00時半頃
真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 00時半頃
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ああ、そんで、俺のぶんな 咳止めと、熱冷ましと あれ あれがほしい いつも飲むのがなくなってしまった 飯時に飲む あの苦い薬湯
[玩具じみているのは見た目はもちろん、内腑もだ。 容易に荒れる胃の腑に入れる薬茶は長く使いすぎて、 きっと腑分けしてみれば胃も腸も 色もにおいも薬湯そのままだろうと思うほど。]
それは、いま、お持ちか? “ミナカタ、殿”
[>>150敬意の表れように疑問を呈されども、否、呈されたからか。 “殿”に子供じみたアクセントを添えて、 持っていないのだろうとあたりをつけて態と口にしたのは、 もう久しくは見れずにいる、問いの後に詰まった表情を楽しみにしてだ。 その薬湯はそう遠くない日に用意してもらったばかり。 硝子板の奥で さて思惑通りかは、と子供の眼が細くなる*]
(159) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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恋は手の付けられない病か。
[源蔵の呟き無くとも、我ながら
良い表現だと自己満足。
しかし恋と言うなら仔を成せぬとはなんと不毛な。
それこそ群れには不要なもの。
目を細め、相手が年上でも気にせずに威嚇する]
男女の仲で互いしか、と望むなら兎も角。
この村にいる限り、群れを乱す真似、
叶うと思わない事だ。
[間引く者の存在を子は知らぬだろうが。
いや、躾のために名を変え形は変えて
表にも伝わってはいるだろう。
しかしその間引く者が目の前にいるとは気付くか否か。
気付いてどうするものか、全ては彼任せ*]
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[そうなんですか よかったですね 櫻子の言葉>>148に逐一頷き、相槌を打つ 身ごもった子も含めれば、4人もの命を宿した彼女だけれど、 その挙動のせいだろう、どうしても幼子と接するように>>0:57応対してしまう。 けれど、『おけが?』と訊ねられ、ようやく落ち度>>142に気がついた]
あ……いえ……それは、その 鶏さんを今朝方に――――
[ススムは察してくれているけれど>>155、彼女にこの言で通じるだろうか 暫時悩んだ果ての末、『おそろい』の言葉に、うんと頷き口にした]
触れ合うと、時に同じ色へと染まってしまうことも、あるんですよ 素敵ですよね 仲良しこよしの、あかしです
[誤魔化しの罪悪感がついと過るも、唄うように口にした]
(160) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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[続いて、『捌いた事がない』というススムに向き合うと]
いつかは通る道かもしれませんし、 やらぬまま終わることもあるかもしれませんが あまり、気持ちのいいものではありませんよ 力もいりますし、赤く染まってしまいますし――――
[あっ、力はススムさんの方がお強いですよね そうつなぎの言葉も入れながら]
私も、容さんはお見掛けしていませんが、 また、おいしいものをいただけると>>154、仰っておりました いただいてばかりで、頭が下がります ですが、慈悲深いゆり様にお願いする>>157のも、よいかもしれませんね。
[視線を落とす心情は、江津子にはくみ取れなかったけれど 続く言葉に、微笑んだ]
それは、大切なお仕事ですね しっかりと、勉学に励んで、殿方として磨かれてください*
(161) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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[櫻子へ上手く伝えている様は>>160年の功もあるのかもしれない。自分ではそうはいかないなと感心ひとつ。 紅く染まってしまう、等 江津子の話には 時間のない中にも丁寧に返事する] 勉学だけでは、知識の持ち腐れというもの 大きな家畜の時くらいお手伝い出来るようになれたらと思うのです。 丁度昨日血抜きと腑分けの仕方を学びました 頂いてばかりでなく 僕も何か、皆に役に立つことをしなくては。
そのうち何ぞ捌く機会があったら、その時は 御手伝いを買って出ても構いませんか?
[力仕事なら、自分が頼りになるかもしれぬと添えて。 返事を貰ってから、二人に頭を下げて 学び舎へと向かう、心算**]
(162) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 01時頃
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俺を越えるにやまず酒を呑めって言われてたからな。 酒は適度にほろ酔いが丁度いいと思えてる分、 新しい薬が出来るのはまだ先だ。
[気概を見せろと言われても、あの先代の顔を 思い出した表情が嫌だ嫌だと語っていく>>168 だが新しい薬を探っていないわけではない。
事実、源蔵が飯時に飲む薬は 俺が幾つか調合した特製だ>>159]
(163) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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それにしても、この歳になって 俺より年上の男の恋の話を聞かされるなんぞ 思ってもみなかった。
[吐いた軽口はなんぞ源蔵に閃きでももたらしたか。 得心し、お墨付きを貰った言葉は後々記録に残るのだろう。
その姿は一時無くした名の時代を思わせて。
その頃から変わらぬ姿で変わらぬ毒を 楽し気に吐くお前こそ 魔女のようだと笑うには不意を突かれた]
(164) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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あ……もう無くなったか?
…………悪い、後で持っていく。
[不意を突かれて、仮面を被り損ねて 返すのに一拍空いた。 してやられたと思うより先に、 具合がそんなに悪かったかと少し真顔の色が濃くなる。
わざと殿に力を込められた事も含めて 続く言葉を見つけられず、去るのも続けるのも 源蔵の言葉次第となっていた**]
(165) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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[ほんの少し。
ほんの少しだけ。
揺れる時がある。
この一時。
本当に不要なのだろうかと。
だが風が吹けばそれに乗って飛んでしまうほどの軽さ。
この村は不要な家畜が生まれる不要な村、だと]
ああ、本当にこの村はもう無くなった方がいい。
[呟きも風に紛れて何処かへと**]
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なに、それが仕事だからな。大丈夫だよ 確かに押しててもちょっと重いな
医者先生の所か、早く足が良くなるといいな
[錠さんから詳しい状況を聞きつつ>>>>145、車椅子の車輪をみる 大工仕事のそれと違い、部品が複雑に絡み合うその構造は難解ではあるものの大変興味深く]
毎回思うけど、すごいカラクリだよなぁ……
[なんて呟きながら原因を探す 外の世界にはあまり興味のない男も車椅子のようなカラクリや技術にはとても興味があるのだった]
(166) 2017/11/24(Fri) 01時半頃
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お礼か……そうだな 医者先生にご無沙汰してますって伝言と、先生にまた暇な時にいろいろ教えてくれって伝言でどうかな
俺はあんまり会う機会がないからさ
[男的には滅多に見られない車椅子をこうして見せて貰えているだけでも満足なのだが、流石にそれだと困るかもしれないと、そう提案する>>152]
(167) 2017/11/24(Fri) 01時半頃
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[ちなみに、男がミナカタを医者先生と呼ぶのは親父の影響だ 親父が生きていた時には良く薬を貰いに行ったものだが、親父が死んでからは特に怪我もなく疎遠になってしまっていた そして石動を先生と呼ぶのは文字通り昔は進のように教えを受けていたからだ]
(168) 2017/11/24(Fri) 01時半頃
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[返ってきたススムの申し出>>162に、一瞬眉がふわりと上がる ススムは今、学んだものを、与える立場になろうとしている 少年の成長を感じ、ゆっくりと頷いた]
ごめんなさい 殿方としては、もう磨かれていたようですね とても、立派な志(こころざし)だと思います 断る理由はございません ぜひ、よろしくお願いいたします
[私ももう、歳ですし、なんて余計な事を付け加えたのは、 彼から感じたような気がする、眩しさのせいだったのかもしれない 櫻子はどうしたか 江津子の方は、学び舎へと向かうのならばこちらも頭を下げ返し、 彼を見送ったことだろう*]
(169) 2017/11/24(Fri) 01時半頃
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そっかあ。 おそろい、良かったね!
猫さんと、おそろい。 私も、おそろい、なれるかなあ。
[江津子の返答に何かしら納得したように言い、腕の中の猫の顔をじっと見つめた。 猫に移った赤は、更に娘の襟元にも少しく移って、だがそれを気にする様子はなく――そもそも最初から猫に付いていた泥やら葉やらについても、意は介さずと]
おべんきょう。 頑張ってね。
[ふと焦り出す進の様子には、そう微笑みに応援の挨拶を向けた。彼が向かう、通う其処に、娘はいた事がない。無論、不要、無意味、と判ぜられたからだ]
(170) 2017/11/24(Fri) 01時半頃
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――…お、こいつか?
[車椅子としばらくの格闘の末 奥に引っかかっていた小石を取り除くと車輪はスムーズに動き出して]
よし、お待たせ。錠さん、直ったよ。 ……錠さん?
[縁側で待つ錠さんに声を掛けるが、疲れていたのか寝てしまったようで]
んー、とりあえず仕事はシノちゃんの家の雨漏りぐらいだけど
[客人を置いて行くわけにもいかず少し悩む]
とはいえ、ここまで来るだけでも一苦労だったろうし、もう少しぐらいならいいか
[結局は家から動くのを諦めて、家の中から毛布を持ってくると、風邪をひかないように錠さんに毛布を掛ける そして自らも縁側に座るとしばしの日向ぼっこ**]
(171) 2017/11/24(Fri) 01時半頃
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そうですね 大好きな方と、なれるといいですね 長く連れ添うお方とは、色も交わると申しますし
[櫻子>>170にそう相槌を打ちながら、 赤く色移りしていく姿に、こほんと小さくせきをつく]
お腹、空いていらっしゃいますよね 容さんのお家へ向かうか、神社で馳走になりましょうか
大事な大事な お体ですから、 もしよければ、お付き添いいたしますよ
[そう付け加えることも忘れずに]
(172) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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[櫻子が望んでくれるなら、身重な彼女を気遣い、 せめてその場までついていくつもりだ 1人で大丈夫というならば、無理にはついていかないが この申し出だけは、添えておいたことだろう]
……そのお召し物については、お洗濯をさせてください 後日でも結構ですので、その間は、私の古着をお持ちしますから
[自分に端を発し、次々と伝播していく赤い色を、 せめて、落としてあげたいと**]
(173) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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――無くなった方が良い……?
[学び舎へと向かう道すがら、先程と同じ声を聴いた。
風が運んだ其れを辿り視線を向ければ大人たちの姿
その中にミナカタを見つけ、記憶に残っている仕草
人差し指を口元へ立てて見せる。
群れを乱すような話を、しても良いのかと
問いかけるような眼差し一つ置いて*]
[学校へ向かうまでの道のりに
彼からの返事は聞けたろうか。
学び舎へたどり着いたススムを待っていたのは
教え子のいない教室だった。
この分では、石動と二人で授業をこなす事になるんだろう]
……先生、質問があるのですが。
[今日の授業が終わる頃
独りしか居らぬ生徒が律儀に手を上げ、問いを発する]
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[神社に――ゆりに、 容に、 「ごはんをくれる」あてについて二人が話すのは、ふんふんと頷いて聞いていた。実際のところ、村の誰に彼に世話を焼かれるのが当たり前な中でも、その二人は特に娘に施してくれる相手ではあった]
えつおばさまは、お仕事?
[お肉を作る、お仕事。それがおばさまは、とてもうまい。皆が話すのを聞いて、それはよく知っていた、それが娘の認識だった。その勇姿を見る機会こそ、そうあるものではなかったけれど。 何とはないように聞いてみなどして、]
(174) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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もし、この村が無くなったら
先生は、どうしますか?
[唐突ともいえる問いかけだったかもしれない。
この村が無くなったら
朝聞いた狂ったような囁き声が、
どうしても頭から離れない。
自分だけが家畜に混じる人として生きていかねばならない
そうではなく
食べもしない家畜なら、いっそ全部処分してしまったら
群れに怯える必要も、なくなるのではないかと**]
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うん。 一緒に、行く。 えつおばさまと、一緒に行く。
[向けられた提案に、こくこくと頷いた。娘にとっては、江津子も、今しがた去った進も、大好きな村の、大好き、の一つだ]
おせんたく、する?
わかった。 おせんたく。
[続く言葉にも、頷いて。 猫を抱えたまま、江津子が向かうに従った*だろう*]
(175) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 02時頃
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[ ―― これが 可愛げだろう。 ちいさなもみじ開いたたなごころ、 思惑に沿って――添いすぎたきらいはあるが―― ころりと掌の上に転がってくれるなら、 こうも表情の変わる>>165なら、 それこそがなりばかり玩具の男がもたない「可愛げ」で “ミナカタ”の名前の奥にいる男がもつ、 拭えない「憐み」の発露で、その男の、貌ではないか。
満足げにぎゅうと細まった眼も、その下の口元も、 真相を明るみに引き出すに十分な悪童のそれ
たっぷり間を、 それこそ相手の遅れた一拍も飲み込むほどの間をあけて]
(176) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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うん、そうだな
まだ備えがあるからだいじょうぶだよ
(177) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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[ことさら子供じみた音程で言ったのは、 あまり怒られないように、との打算もあったが]
ああ よかった おまえはどんどんミナカタ殿になってしまって、 つまらないと思っていたが まだいるな まだいるなあ
[確かに子供の時分を思い出して、 思い起こしてもいたもので。]
(178) 2017/11/24(Fri) 02時頃
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……だから、 まだ薬湯はあるから、 熱冷ましと咳止めだけ頼みたい……頼めるか、 遊びが過ぎてしまったが
[相手の生業に付け込んだ、 薬にはなりようもない毒をなめる遊びだ。 怒られるなら楽し気に、けれど、 神妙に受け止める用意はできている。 その怒られるのを次回以降に活かせるのかは、また、違う話だが。
とかく享受するべく物は享受し、 遊びが毎日だった時分を懐かしむ顔ぶれとは別れがあるのだろう*]
(179) 2017/11/24(Fri) 02時半頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 02時半頃
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[遊ぶが毎日だった頃には、 書き記さんと思って筆を執ったことはなかった。
かたちの変わらない原因を、 それが原因だと思われる言葉を聞き、 母といえる女がいなくなったあと、筆先を墨に染めた。
とはいえ、始めた時分は、なにも考えず、 単に紙の上に線を引く程度、書き記したものをどう保管するのかなど考えもせず。 であるから、今も残る当時の紙は少ない。 血の緋色の似合う女が身籠る時期>>22>>25が 書き起こしのそれと重なったとしても、 紙面が残っていたとしても、それは紙片のようにみすぼらしい記録の塵芥になって読み解けるかは、それを行う者によるところが大きい。]
(180) 2017/11/24(Fri) 03時頃
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[それと同じ話だ。 口伝により守られた、薬師が薬師である所以の知の薬棚>>3>>71 得意げに指し示し語られた、受け継がれた知識は。 記憶に残れどもかすかな残滓、 ――文字に残れば墨の色あせるまで。紙のほどけるまで。 書き起こし、記し、子供の手習いの文字の踊った古い頁になった*]
(181) 2017/11/24(Fri) 03時頃
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[まだ備えがあると聞いて>>177 まだいる、と言われて>>178 詰まったのは躊躇いからではなく、 もっと胸の奥を刺された気がしたから]
……源蔵こそ本当に変わってないな。
[やっと絞り出せたのはほっと吐き出した安堵か 溜息かは俺の胸の内のみ]
判った判った。
今手持ちはこれ位だが、十分だろう。 ミナカタ様からだ、大事に大事に使えよ?
[空いた間と同じだけ息を整え、望み>>179を渡し]
(182) 2017/11/24(Fri) 07時頃
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まだ渋が抜ける前の干し柿盗み食って 腹壊すんじゃねえぞ?
[先ほど丞さんが見せてくれた干し柿を引き合いに、 懐かしい幻は駆け抜け終わる。 変わったのか変わらないのか。 度を越す源蔵に呆れた表情で、見ていたなら 石動さんにも恥ずかしいところを見せたと 笑ってから離れよう**]
(183) 2017/11/24(Fri) 07時頃
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[これでも憐れむ心は持っている。
憐れむからこそ、この村自体不要なのだと得心する。
この村に戻ってくるからこんな事が起きるのだ]
この村は、もう要らない。
そうは思わないか?
[人差し指を立てた眼差しに
唇だけを動かして。
問う目は細く、狂気を隠さず。
さて彼に届いたか**]
[唇を読む事が上手く出来たかはわからない。
むらは、いらない――か?
彼への返事は瞬き一つ。
きょとん、と
かんがえたこともなかった、という風。
けれどその直後
その先を考え実行に移す事が出来るだけの術が過ぎる。
ミナカタの薬の知識があれば
己が教わった技術で少しずつ間引いて――
ススムは思わず足を止め、彼にもの言いたげな眼差しを向けた。
如何すれば良い?
そう問いたげに。
音は無く。
会釈一つでその場を去るが]
[植え付けられた新たな知識が頭の中を埋めていて
授業が終わったその後に
石動へと思わず問うてしまったのだった。
彼になら、話しても大丈夫
確信が何処かにあった
異端な思考を他者へ漏らさずにいてくれた相手であり
己に知識を授けた相手
弟という家畜を大事に飼って居る
ミナカタから教わった基準で言うなれば
彼もまた群れに紛れた人間に違いない
それに、うまくゆけば
彼にも協力が得られたら等と打算をひとつ。
昨日彼の兄弟の結びつきは見聞きして学んでいる
其処から交渉の余地があるかもしれない**]
[物問う視線はやはり彼が人間の証。
だが此処で長々と話すものでもないし、考える力も充分養われているはず]
お ん な。
[解を求めるような眼差しに、人差し指は唇から去って行った娘の音がする方へ。
女を間引けば仔は産まれぬ。
解まで辿り着けたら。
褒めてやろうか、それとも手を取ろうか。
距離を縮めず愉しげに目だけが細くなる**]
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拗らせてなど……。
[ない、と言えなかった。 後を追って欲しい、後の世もまた一緒になどと、どの口で言えようか。 そう願った女は置いて先に逝ったというのに。
何も言えず口籠っていれば薬師がやって来て、恋の薬などと言い出す始末。 弟は大事だしそこに確かな情はあれども。 それに名前を付けるのならば恋ではないだろう。 付けるとするならば。]
私に薬はいらん。 この歳になって恋などと馬鹿馬鹿しい、あまり私を揶揄わないでくれないか。
私はただ弟の行く末が心配なだけだよ。
[愛だろうと思う。 恋し狂う激しさなどなく、しかし静かに絡みつく妄執は愛情の一つの形。 どちらにせよ付ける薬などあるまい**]
(184) 2017/11/24(Fri) 13時半頃
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―― 神社 / 朝食の席にて>>156 ――
[命をいただく。骨の髄まで。
薄らと湯気を立てるご飯と、頬肉の味噌汁。 先月亡くなり、塩漬けにしていた氏子の肉だ。
志乃とも親交のあった壮年の男ではあったが、 私がそれを彼女に告げることはない。
何度も“お清め”で私の胎に精を吐き出した男が、 今は私の腹に収まろうとしている。 これほどめでたいことがあるだろうか]
何か変わったこと、ね。 私は相変わらずよ。
[私は困ったように笑うことしかできない]
(185) 2017/11/24(Fri) 19時半頃
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[姉さんは帰ってこない。 男女を問わず村人たちと日々交わり、 その心と体を慰める毎日。 取り立て話すようなことはない。
沈黙が気まずくなった私は、 矛先を志乃に変えることにしたのだった]
……で。 志乃はミナカタさんの子はもう孕んだの?
[ミナカタのところに 志乃が度々出入りしているのは聞いていた。 “そういう間柄”と邪推する気持ちが半分、 旧友をからかう気持ちが半分**]
(186) 2017/11/24(Fri) 19時半頃
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―出立の時―
お仕事は、もう済んでいますから
[櫻子の問いかけに>>174そう微笑んで、 だから、と同行を持ちかけた>>172 自分の仕事について少し話すべきかと思うも、それは思いとどまった 屠殺の話を伝えたところで、櫻子の足しになるとは思えない お洗濯の契りを交わし、『一緒に行く』>>175と託されたなら、 行先は、江津子の選択では、1つしかない]
では、『ゆり様のもと』へ参りましょうか――――
[奔放に村を駆けることのある姉の元 社を鎮守する妹の元 異なる在り様の姉妹を思えば、 すれ違いなく櫻子の腹を満たせるのは、きっと後者だ
猫と卵を抱いた2人で、神の麓をゆっくりと目指した*]
(187) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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―道中・壱―
[櫻子が退屈しないよう、所々で言葉を交わした
途中でふと卵を手にとり、こつんとおでこでひびを入れ、 片手で割ると舌の上へと中身を乗せて、 ごくんと呑み込んで見せる]
櫻子さんも、召し上がりますか? あまり、お行儀はよくありませんが……
[腹の足しにもなろうかと、1つ取り出し問いかけた 産みたての卵は、濃厚ですよ そんな言葉も、言い添えて。
櫻子が望むなら、彼女のおでこでこつんとやって、 その舌先へと落としてあげたことだろう]
(188) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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卵の白ぃろいところからは、 メレンゲという菓子ができるんですよ
[どちらにしろ、抱いた卵を撫でながら、 どこか遠くに微笑みを送る]
甘くて、雲のようにふんわりしていて 焼けば、香ばしい風味も帯びて――――
[そこまで言って、口をつぐむ この村で、あの菓子を作れたものなど、いたことか 村の多くの者が、まだ生まれおちる前のもの、 遠く彼方の地の記憶をもとに、話してしまうことも、ままにある]
ときに、櫻子さん――――
[だから、強引に話をすりかえ、 はぐらかすように、問いかけたのだった*]
(189) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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―道中・弐―
お腹の赤子はどなたの子種か、 目星はついていらっしゃるんですか
[急いで用意してしまったせいで、はぐらかしの問いかけは、 我ながら節操のないものとなってしまった 櫻子からは、どんな答えが返ってきたのか 江津子は そうですか と受け止めて、 やがては、こう伝えたことだろう]
お産にあたり、不安になったり、怖くなったりしたときは、 遠慮なく、誰かの傍に、寄り添ってくださいね
[もしかしたら、これはゆりの言葉>>0:22の言い換えで、 すでに、さしたる心配はなかったことかもしれないが]
(190) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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ご近所の方でも、ゆり様でも、私でもいいですが できれば、殿方の傍らに…………
[出産とは切り離せない、つきまとう『死』の影に、2度、怯えていた自身を思う 薬師の力でも打ち消せないあの不安も、 寄り添ってくれる誰かがいれば、少しは和らいだだろうか 『力になる人』>>162や『愛』>>184を交わせる人が、 もし、傍らにいてくれたなら
それに――――と、付け加えたのは、 少し、言い訳めいた言葉だったのかもしれない]
育まれていく過程に立ち会えぬことは、 殿方にとっても、寂しいことのように、思うんです
[子に愛着を抱かない櫻子>>0:108には難しかったかもしれないし、 実際この村の男たちがどう思っているのかまでは、 江津子にはうかがい知れぬことだけど
遠くに見えた社の姿は、徐々に大きくなっていく*]
(191) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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―たどり着いた神社―
ゆり様 櫻子さんに朝餉を馳走いただけないでしょうか
[神社にたどり着き、声を送る 奉納として、丞に渡す1つ以外の卵を添えて、願い出る ゆりや、志乃は、まだここにいただろうか 1人となった志乃がこの場にいたならば、 誰かとともにいる姿に、微笑みと目礼は送ろうが それ以上、声をかけることはない]
櫻子さん 猫さんは先に洗って差し上げますね
[猫を受け取り、櫻子を託す
たとえ、江津子も一緒にとのご慈悲をもらえたとしても、 それは、こう辞していたはずだ]
(192) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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『容さんが、本日も料理をされています>>0:238から 感想をお伝えする、お約束をしていますから』
[ゆりの姉であることを思えば、 こんなことも、口にしていたかもしれない]
『容さんのお料理からは、 いつも幸せを授かっておりますよ』
[もっとも、この約束に固執しているわけではない 出会えなくとも、石女>>93の自分が食事を抜いて、 それがなんだというのだろう ただ、交わした言葉を覚えていたから きっと、多分、それだけだ
血濡れた猫は預かって、手水で流して整える 濡れた猫をその場に残せば、神社を立ち去ったことだろう**]
(193) 2017/11/24(Fri) 20時頃
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――>>85>>86ユリと――
そっか、相変わらずか…… 変わりなくて良かったのかな。
[一人で神社にいるユリさんにお姉さんの話でも切り出そうかと考えたけれど、その前に質問がきてケホっと一咳で言葉を濁す。]
けほ、けほ…… え、えっと。 私、孕むどころか共にしたこともないよ。
[拒否と言うよりは不安や恐れと言った感情だけれど、初めてでの痛い記憶は健常な時も拒み、今は火傷痕でさらに拍車をかけてる。 巫女の務めを果たしているだろうゆりさんと比べれば私はまだまだ子供、それならと志乃は食べながらゆりに聞き返す。]
(194) 2017/11/24(Fri) 20時半頃
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ゆりさんは、するときどんなこと考えてるの? 今もだけれど… 私最初の時からもう終わってとしか考えられなかったから、 子供のためでもしたくないなって考えてしまう。
[自分から頼んでおいて原因になってしまっているリツ兄には悪いとは思っている。後をずっとひいてはいるけれど、それだけに経験がないから彼女に聞いてみる。 ミナカタさんは幸いにも求めてはこなかった、迫ってこなかったのはある意味良かったと思っている。 荒れてた時期に見返りのない治療が今の信頼につながったのだから。*]
(195) 2017/11/24(Fri) 20時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 20時半頃
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[>>194咳き込む志乃の反応があまりにも可愛らしくて 私は思わず食事の手を止めて、微笑むのだった]
あらあら。 志乃はまだお子さまなのですね。
[旧友をおちょくる姿は、 尊敬を集める巫女の欠片もない。 おかわりはいりますか、と志乃の膳を受け取る。 誰かと食事を共にするのは久しぶりだ。 だから私は、胸の内に過った疑問に蓋をする]
(196) 2017/11/24(Fri) 21時頃
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[志乃の答えを聞いて、安堵したのはなぜだろう]
(197) 2017/11/24(Fri) 21時頃
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[考えてはいけない。私は巫女なのだから]
どんなことを、考えている。ね。
[首を振って志乃との会話に集中する。 思い出すのは、先日のミナカタとのまぐわいであった。 そっと胎をひと撫でする。 子種を注がれる熱い感覚が、鮮やかによみがえる]
誰かに必要とされて嬉しい、かな。 村人のみんなが、私の“お清め”を望んで 夜な夜な神社を訪れるの。
私がこの身をささげることで、 誰かの悦びにつながる。
それに勝る幸せはないわ。
(198) 2017/11/24(Fri) 21時頃
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[巫女としての模範解答を述べてから、少し間をおいて]
巫女としての勤めもあるけれど、 私は誰かと“ひとつになる”瞬間がとても幸せなの。 自分はひとりじゃない、と感じられる。
[そうして志乃の言葉に、少し口を尖らせて>>195]
あらあら、子孫繁栄を司る巫女からすれば 聞き捨てならない台詞ですね。
[冗談めかして言ってから、頬を緩めた]
(199) 2017/11/24(Fri) 21時頃
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例えば……そうね。 志乃に分かりやすく言うと。
自分を求めてくれる男性に抱かれて 子を為すことができたら、女として幸せでしょう?
きっとそういう単純な話よ、これは。
[孕み子を産む自分を想像する。 昨日のミナカタとの行為で私が孕めば、 きっと焦茶色の髪を持つ可愛らしい子が生まれるのだろう。
――頭に浮かぶのはなぜか、幼い日の姉の姿だった*]
(200) 2017/11/24(Fri) 21時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 21時頃
特効薬になるのならば本当に食わせるが。
[肝臓を食わせて治るのならば食わせてもいい。
しかし本音を言うのならばこの身を食らう様を生きて眺めていたいのだ。
目玉ならばその望みも叶いそうだが。
このような事を考えているから薬師に見世物小屋の見世物のように思われているのだろう。
だが幸いな事にそう思われている事に気付いていない。
だから思考は好き勝手に散らかって脳内を巡る。
どうせ実行に移す事はないのだから好きに考えるくらい許されるだろうか。]
[恋の病などありはしない。
在るのは只執着に似た愛情だけだ。
薬師の言う通りこの願いが叶うなど考えてはいけない。
この思考を持つ事が既に咎人だと断罪されかねないのだから。]
……もし村を出て、
[兄弟二人で。]
……――――――――。
[誰にも邪魔されずに互いを食らい死ねるだろうか。
そう考える事が罪なのだと理解してはいても。
思考に刻まれてしまったその想いは脳にこびり付いて離れない*]
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―― 村の路を歩く ――
[歩に合わせて袂が揺れた。 >>182“ミナカタ様”よりの賜りものが布の合間で跳ねる。 「変わらない」との言葉、 分別のない悪童>>183にかけられるような言葉へも まとめて呵々と後ろ手をふるう。
路傍の邂逅はかたや過ぎた昔を思わせて、 かたや>>184「この歳になって」の現実を引き戻し。]
あれがそう言うなら 悪巫山戯でも墨に残すはしないがね
[恋でなかろが思い強いは事実だろう。 どちらにせよ記録に残す類の、生きた、死んだ、流れたではないのだ。帳面の賑わいになることはないだろう]
(201) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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[たった、 た、 小気味いい足音は常通り。 >>107小屋に下がった干し柿の横を過ぎる。 歩みの滞ることはない、 手を伸ばせども自分の背丈ではどうせ届かぬことは知っているし、 ―― おにの吊るした柿の首だ。 手を伸ばしでもすればお零れに預かっている子供らが騒ぐ。]
(202) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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[餓鬼か幽鬼か。
骨の浮き出ているに違いない体躯で刃研ぎの音をさせるその姿は、硝子板越し遠目に見て、そう思わせたもの。 男が見た目相応の年齢であった時分に刃研ぎの姿をみていれば、それこそ地獄の餓鬼だと口にしていたのだろう。
「きさらぎ」を、名にし負わば、かくもありなん。 あれが研いだものに何がこめられてようと不思議だに思わないが、とかくよく切れる。肉を断ち、骨を断ち、――あるいはそれ以上を断ち切ろう。その手腕が一目置かれているのは周知のことだ。
見上げた干し柿を通りこし、そしてまた歩んだところで]
(203) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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―― 村の路で ――
[>>154 なにやら探し人のある姿。 風呂敷下げてむらなかを歩き回る容の姿は 珍しいものじゃない。]
おはようさん、容の嬢ちゃん 櫻子でも探してんのかね
[そう声をかけた。 >>191>>192遠めに見かけた姿――声をかけるほど近くはなく、だから、眼鏡越しの人違いの可能性もあるだろうが*]
見間違いじゃなけりゃあ さっき神社のほうへ江津子さんと歩いてんの見たぜ
(204) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 21時半頃
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[必死に否定しようとする様こそ>>184 言葉よりも如実に肯定の証だと 当の本人は気付いているのかいないのか。
既に村の教えを習うのではなく、 教えを施す側だと言うのに。
初心な生娘でもあるまいし]
ああ、ハイハイ。 揶揄って……まぁいいや。 どうでもいいけど、今の顔。 あんまり他の人前で晒していいもんじゃねぇな。 村の女が泣くぞ。
[これは重症。 馬に蹴られるなら兎も角、子を成さぬ想い等 この村では異端だと判っているだろうから。 そっと距離を縮めて忠告ぶった*]
(205) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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行く末が心配?違うだろ?心配じゃない、怒りだろ。
自分がいなくても生きていけるなんて、許せない。
自分がいないのに
生かしてやる相手がいればそれも許せない。
そんな綺麗な言葉で着飾るなよ。
[このままを良しと出来ない癖に。
動けぬ姿を煽る言葉に年長への敬意の欠片もない]
[教え子の問いかけに笑いもせず叱りもせず。
暫し真面目に考える。]
もし、この村が無くなったとすれば。
私は私の好きなようにするでしょう。
誰にも渡したくないモノを私の懐に抱えて。
誰の目にも触れさせずに大事に、大事に、一人で食らい。
そして私も大事なモノに食われて。
[死ぬのならば本望だ。
しかしこれは叶わぬ願いであり、また罪である。
誰かに聞かれでもしたら明日には元教師の肉が村に振る舞われる事になるだろう。]
[彼になら話してもいいと思った。
根拠があるわけではない、だが彼はこの村の人々とは違う。
無為に話を広めたりしないだろうし嫌悪を示したり笑い飛ばす事もないだろう。
賛同してくれるとも思ってはいないが。]
進君、私も君も罪人だ。
こんな会話聞かれでもしたらそう裁かれるでしょう。
どうしてこのような事を聞くのです?
君はどうしたいのですか。
[ただ、疑問を口に出しただけならばそれを諫めるべきだ。
教師として生徒の道を正さなければならない。
では正しい道とは何か。
咎人を殺し、食らい、子種を撒いてただ家畜のように生きる事。
本当にそれでいいのか、分からなくなってきた。
一度湧いた疑念は胸の内を巣食い蝕んでいく*]
ま、この村にいる限り。
丸ごと全て2人だけで。
なんて夢のまた夢って感じだろうがな。
[肝臓だって差し出せる
兄として素晴らしい献身だ。
その裏にどんな感情があろうとも、
表に出なければ良いのだから。
だが秘めた想い全てを表に出したいのなら。
願いを叶えたいのなら]
あの脚を抱いて村から出る事が出来るかどうかは
自分で考えろ。
ああ。
でも、芽があるとすれば。
この村に残るのが2人だけって言う方が。
余程現実的かもな。
[見世物を覗きながら、適当にばら撒く言の葉は
とても傷を癒す薬の葉からは程遠い。
傷に付けばじくじくと染みて腐らす毒の葉が。
貼り付いたかどうかを確かめるつもりはなかった]
もし。
村の人間が目減りし始めたら。
あんたはどうする気だ?
[問うた癖に。
言葉だけ残してさっさと離れ、振り返りはしなかった*]
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―――>>196>>197>>198>>199>>200――
[志乃はゆりの言葉を黙って聞いた。志乃が子供と言われればそれもまた恥ずかしい気持ちにもなるけれど。 嬉しい幸せと並ぶ言葉には肩身の狭い思いと疑問を感じてしまう複雑な気持ちが半々となって溶けていく。 それでも箸は止めずに静かに食べながら聞いているけれど、最後の言葉で箸を置いた。]
ゆりさんは、羨ましい。 求められるから嬉しくて一つになれるのは幸せで それは女としても巫女としてもだよね? 私と違うね……、 幸せ感じるよりも嬉しく感じるよりも どうしてこんなことしなければいけないの? ってあの時思ってしまったの。
例えばこんな私に子が授かったら、 その子は幸せなのかな。 やっぱり私が間違っているのかな?
(206) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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[ゆりは自分とは違う、話の途中で感じてしまった差。 気兼ねなく行為に臨める環境と使命が彼女にはあって私には何もない。 子を育むだけの環境もなければその気概もなく、子を意識してしまったら、何だかその子を不幸にしてしまうそんな気持ちが志乃を襲う。]
‥…昨日 話の流れでリツ兄に条件付きで良いよってね
向こうは冗談かもしれないけど…… 何だか少し不安になって……
[子どもと大人の狭間に揺れて何が幸せなのかわからなくなってしまった、
ただ確かなのはそれをリツ兄に伝えたとしたらきっとがっかりさせてしまうこと、そしてあろうことか子孫繁栄の巫女の意向にきっと沿わない考え方をしてしまっていることを伝えたこと。*]
(207) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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[ぱたぱたと足音高らかに村を駆ける。 何処からか聞こえた、元気だねぇ、という 苦笑交じりの呟きにも、笑顔で手を振り返した。
さて、どこかに困った村人はいるまいか、と、 きょろりと周囲を見回したところで、小さな影が目に留まる。
子供のような背格好の男。 いつだったか、自分の父の存在を意識し始めた時、 手がかりを求めて、さり気無く彼に話を 聞きに行ったこともあったっけ。 成果が得られたかどうかは、さておいて。]
(208) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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おはよ、源蔵さん。 うーん、さくちゃ……櫻子でもいいんだけど。
[櫻子を探すことも多い。とはいえ、大方の場合は 腹を空かせている人間を求めているだけ。 加えて、続いた言葉>>204に、 ――神社の方に行ったというそれに、表情は陰る。
とはいえ、それも一瞬のこと。 ぱっと顔を輝かせて、風呂敷包みを探る。]
(209) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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―― ―― [村の衆になにかを聞かれるのは、男にとってそう珍しいことじゃない。 あの婆さんが鍋になったのは何年前のことだ。 今年はにおい虫がよく飛ぶが、なにに関連したことだったか。
記録された頁を開いて、4回前の夏だとか、前に多かった年は雪がひどかっただとか。必要であるなら、勝手に調べればいいと積んだ紙束に触れるのを許しもした。 けれど、昔話>>88とは、そうそう聞かれる類ではなかったから 手元の記述――子供がながれたと記していた――と、進の顔とを往復して眺めた。]
……それは、ここ20年のあいだに誰が一番ややこ孕んだか――て類の話では、ないな ないよな だろうな
(210) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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……今日、サツマイモ収穫したから、 早速料理してみたの。 だから、誰かに食べてほしくて。
源蔵さんも、良かったら。
[そうして、お弁当>>153>>154を一つ差し出す。 彼が受け取ったにせよ、受け取らなかったにせよ、 視線が向くのは、彼が示した神社の方向だ。]
源蔵さん、最近神社に行った? あの子……ゆり様とお会いしたかな、って、思って。
[ぽつ、と、世間話のように問う。 その中に混じる他人行儀の敬称は、 巫女と成った者、成れなかった者の現れ。*]
(211) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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[昔話。 そう、幼げな口元でつむぎ、]
――そこらの紙束の中にあるだろうが、 見ての通り未整理だ 三,四日後にまたくれば用意しておこう ……いまさら寝物語が必要な坊には見えないが、 それくらいは待てるだろう?
[最後の軽口は、理由を耳にしないうちの、 年嵩ぶる付け加え。 数日後に進が訪れるときには伝え語られる“御伽囃”の類が並んだ紙を渡すのだが、その墨も、紙も、新しいものであることの理由を口にはしない。一度「ある」とついた嘘を真実にせんと努める、年長の、*ただの見栄だ*]
―― **――
(212) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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―自宅― [日向ぼっこを初めてしばらく、錠さんが起きたのなら無事直った事を告げて送り出しただろうし、寝たままなのなら起こすのも悪い気がしてそのままで]
そういえば、腹へったな…
[朝から作業ばかりで何も食べていなかった事を思い出すと、改めてそれを主張するようにグーと腹が鳴った]
(213) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 22時頃
抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 22時頃
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あ、錠が俺のとこ訪ねてくるんだっけ。
[女が集まれば姦しいが傍目にはまぁ目に良いだろう。 しかしこの年代の男が集まっても うっとおしいだけだ。
何よりちゃんと患者として訪れる者がいると言うなら 取敢えず戻っておいた方が良いだろうか。
行く先で出会えればそのまま連れて。 他の人に会えば、簡単な立ち話でもして 錠を見なかったか位は訊くだろう*]
(214) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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―学び舎へ―
[過分な江津子の評価を得た>>169ススムは 幾らか頬を赤くして、頷きを二度三度返した。 立派である、是非に 子種の元として、以外の求めを得る事が これ程表情を明るくさせるのかと、そんな風]
では。 ああ、櫻子さんも
[>>170微笑みかけられ、手を上げて返す]
面白い話が出来るようになったらまた 聞かせに行くよ。
[彼女にとって勉学の話が面白いかどうかはわからない。 昔話が必要かもしれぬ 学校が終わったら源蔵の元にでも向かうとしよう]
(215) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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[最初>>210訪れた際には、ススムも知るような出来事ばかりだった。 困ったように俯いて 幼子に話して聞かせられるような、寝物語が欲しい その為の昔話だ。 必要な話の詳細を告げると、>>212次までには用意が出来るという。
約束通りきっちり三日後に訪れた際 渡された御伽噺の紙の束 自分も目にするのは初めてで、内容にばかり気を取られ 真新しい紙に墨のにおいがする事を、気付かぬまま 夢中でその場で読みふけってしまった。
――以来。 思い出したような頃合いで、ススムは彼の元へ通う。 別の話は、まだありますか? と]
(216) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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─ リツの家の縁側 ─
そんなことでいいなら、いつでも。 僕は年中、彼に世話になってるからね。
[>>167それにしても、面白い呼び方をするな。 リツがミナカタを「医者先生」と呼ぶたび、思っていた。
そうして。 カタカタ、カンカンと響く鉄の音を聞いているうちに。 いつのまにか、浅い眠りにおちていて……]
(217) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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[今、どんな顔をしているのか。 村の女が泣く程怖い、というわけではないだろう。]
薬師殿は女子供のように恋話に浮かれたいのか。 本当に、本当に恋など忘れてしまったんだ。
愛する人と子を成しても私の恋は成就しなかった。 ……お前も、知っているだろうに。
[その忘れ形見を抱いているのだから。
あまりこの話題を引っ張ってもいい事はない。 迂闊な事を口に出して不振をばら撒くつもりもない。 話題を切り上げて逃げるように二人から離れ、学校へと向かう。
二人から離れ、ふと足を止めて。 いつの間にか握り締めていた手を開けばじっとりと汗が滲んでいた*]
(218) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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[学び舎への道のりで、誰ぞに出会えば会釈をし。 辿り着いた校舎に居た生徒は自分だけだった]
……先生まで、来なかったら
[石動に、授業を進める気持ちがあったかどうか。 朝の出来事をススムは知らない。 きちんと今日の授業が始まったなら 一対一の勉強は何時もより捗って 早くに今日の分を終えてしまう事になるだろう*]
(219) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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志乃のような母親を持つことができたら とてもその子は幸せだと思うわ。
[>>206ゆるりと玄米茶をすする。 発した言葉は、噓偽りのない真実だ]
困ったときは私を頼りなさい、志乃。 こんな私だけれど、巫女としての立場で あなたを支えることはできる。
[頼る家族のいない志乃がひとりで子育てをするのは 容易な行為ではないだろう。 自分の立場なら、彼女を援助することはできる]
(220) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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……頼ってもらえないと、 友人としては寂しいものなのよ。
[ぽつり、と告げて。 それから志乃の言葉>>207に目を丸くして ふっと相好を崩すのだった]
あらあら。隅に置けないわね、志乃。 リツは私を抱いても、いつもつまらなそうにするの。
そのリツがあなたと褥を共にしたいと言ったのは、 たとえ冗談だとしても、 あなたが女として魅力的ってことよ。
[巫女としてリツを満足させられない不甲斐なさには そっと蓋をする]
(221) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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自信を持って。志乃。
[巫女は理解できない。 友人の抱える不安を。
巫女は理解しようとしない。 女は男に抱かれ子を為す存在なのだから。
凝り固まった価値観は変えようがなく。 だから私は離れて行った人々と和解することはない*]
(222) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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―― 神社 / 朝餉を終えて ――
[志乃が朝餉を平らげた頃合いだっただろうか。 それとも彼女が帰った後であろうか。 神社を訪ねてくる者たちがあった>>192]
……まあ、朝餉? 困ったわね。
[お櫃のお米はすでに空であった。 まさか1日にふたりの来客があるとは考えておらず。 少し思案してから、櫻子に私はこう提案しただろう]
櫻子、一緒にごはんを作りましょう。 お手伝いを頼めるかしら。
[台所へといざなおうとする]
(223) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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宜しければ江津子さんも。
[卵を受け取り、微笑みを浮かべながら提案してみる。 ……その笑顔が瞬間、凍り付いた>>193]
そう、ですか、姉さんと。
[ちく、ちくり。胸が痛む。 姉との約束。確かに江津子はそう言った。
私はもう何年も、姉の料理を口にしていないというのに!
理不尽な怒りが。 突き動かされるような悲しみが。 そして、寂しさが。 私の全身を駆け巡る。笑顔を浮かべることを拒否する]
(224) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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[そう、これは……“嫉妬”だ]
(225) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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[それも、一瞬のことだった。 すぐに私は巫女の仮面をかぶる。 たおやかな笑顔を、その顔面に貼り付ける]
神社を出た後も、姉は皆さんを笑顔にしているのですね。 安心いたしました。容は私の自慢の姉ですから。
[さらりと言って、櫻子の手を引き台所へ歩き出す。 ひどく惨めだった。 どうやったら昔のように戻れるのか、分からない。
もしも志乃がまだその場にいたならば 「ごめんなさい」と言って顔を伏せただろう。
旧友にこの黒い心根を、隠し通せる自信はなかった*]
(226) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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…………はっ!
[ようやく意識が戻ったのは、リツが腹を鳴らすちょっと前。]
あ、あぁ、ごめん! 陽気がいいもんだから、つい。
[目元を軽く擦りながら、傍らのリツに照れ笑いなどしてみせる。 車椅子は、とうに修理が終わっていたようだ。]
えぇと……今何時くらいだろう。 助かったよ、これでミナカタさんのところへ行くにも不自由しなくて済むや。 ありがとう。
で、ついでにもうひとつ、悪いんだけど……。
[礼を言い、ついでに直ったばかりの車椅子に乗せてくれと、手を伸ばした。*]
(227) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 22時半頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 22時半頃
ミナカタは、源蔵の今日の記録には何が載るだろうと考えていた。
2017/11/24(Fri) 22時半頃
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―― 村の路 :容に ――
[より必要とする人間にいきわたるがよかろうと 常々思う、容の習性ともいえる“餌付け”。 口からついて出た櫻子が、白痴のおんなが、 源蔵にとってはその筆頭だ。 あれは放っておいたら 腹を減らしたときに鼠でも猫でも食いかねやしないし、逆にそいつらに食われてもおかしくないだろうよ――とはくちさがない物言いだ。]
さつまいも。 時期のもんだなぁ 一番うまい時期 容の畑も、炊事場のとこも、近く通るたび鼻ぁ利かせちまう
[しみじみと口にしながら 弁当箱を受け取る手は惑うたもの。 「より必要」な分類に己は入らず、子を産めるもの――でなければ何か生み出す者が食うべきの飯だ。 容の“餌付け”の基準がそこにない と知れてから受け取るようになったが]
(228) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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[薬師の言葉が頭から離れない。
心配ではなく、怒りであると言葉にされてしまえばそれを否定は出来ない。
醜い執着心の成れの果てだ、これは。
恋よりもなお質の悪い感情。]
村の人間が目減りしたら。
そうしたら。
[どうするのだろう、どうしたいのだろう。
その答えはその後、今日の授業を終えた後。
教え子へと吐露する事で出る事になる*]
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[ついだ問いかけに]
こんなちびが巫女様にお会いしてどうするてこともない まれに行っても、お目通りの機会もそうそうないよ
[会っていない と冗句じみた物言いにしながら >>209刹那 陰のかかった表情と >>211神社へ向けられる視線、 日頃のむらなかを足音高く駆ける溌剌さが翳るのだから。 口に仕掛けた巫女様への懸念事も引っ込めて、]
まだ、容は神社に行けないかい
[容の足運ぶが絶えたことを知らずにいる人は、 きっとそう多くはいまい。問いかけ返しをし*]
(229) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 22時半頃
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─ 道中 ─
[修理してもらったばかりの車椅子は、先程までとは比べ物にならないほど、車輪が滑らかに動いてくれた。 リツに改めて礼を言い、カラカラと、軽い音を立てて、彼の家を離れよう。]
医者先生、いてくれるといいんだけどなぁ。
[なんとなく、リツと同じ言い回しなど。 なにせミナカタは、運が悪いと、やれ往診だやれ薬草採取だで、入れ違いになったりするのだ。]
(230) 2017/11/24(Fri) 22時半頃
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― 学校 ―
[学校へと辿り着き、教材を持ち教室へと入ればそこにいたのは生徒一人だけ>>219]
おはよう進君。 君は勉強熱心で優秀は生徒だ。
さて、今日は何を教えようか。 君一人であるし好きな教科を教えよう。
解体方法は昨日やったし内臓の処理、肉の保存方法。 それとも調理の仕方がいいか。
望むのならば計算や歴史でも構わないが。
[簡単な算数から国語に歴史ならば教える事は出来る。 それらは初歩も初歩の本当に簡単なものであるけれど*]
(231) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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[「巫女様にお会いしてどうこうすることもない」 その言葉の通りだから、 子種の主に関する書き起こしの話が出た>>208いつか、 大仰に目玉を動かして見せた。
「褥のよこにはりついて、種まき見ていろとでいうか? 寝所のわきの襖ごしに覗くわけでもない、 胎のでかいおんなは知れても、 子種まき散らした男の顔はそうそう分からないだろ」
年下の女に下卑た物言いをした、とばかり眉根を寄せて けれど年相応の体でないから険がのったのはとりけせない。
源蔵はやおら立ち上がって、古ぼけた紙束―― 一種のごみめいた紙片とも言えたそれを持て来ると容に渡した。]
(232) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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[問いかけに対する反応は
この村の誰からも得られぬだろう応えだ
矢張り、彼は家畜ではない]
――渡したくない、というのは錠さんでしょう?
昨日、僕が錠さんと一緒に居たのを見た時の、先生の顔
覚えています。
知っていましたか?
錠さんも、口にするのは先生の事ばかり。
[錠もまた、石動に依存していた。
彼の言葉をそのまま目前の相手へと伝えよう。
お互いに、想い合っている。
故に、遠慮は必要ない。
誰にも渡さなくていい、世界がないのなら
作れば良いのだ
そうでしょう、と声が高くなる]
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[ 「容の生まれる年近くの書き起こしだが 保管をしくじって塵芥も一緒 これで探してなければ、どうもできないがね
できること少なくて悪いが、いつもの礼だ しばらく貸そう」
それは宣言の通り、種まく男衆の名前はないが。 孕んだ女の、名前は載っている。 ぐずぐずになった紙束のなかに、>>180身籠る時期があったとして、それを見出せるかはわからないし、 孕んだ女として書かれるべき、先代の巫女の名前がないことも、拾い上げられるかは、書いて以来見返すことの薄い男にはわからないこと*]
(233) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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この村があるから、僕らは皆で分かち合う必要がある
習わしに沿って、またこの村へ正しい形で生まれる為に
でも、僕はわかりません
本当にこの村は、正しいものですか?
――――孕ませ、用が済めば肉となる
そんな家畜のような一生は送りたくない
何より僕は、人を美味いと思えない
臭くて硬い不味い肉を
赤の他人が無事に転生するために喰わねばならないのは
苦痛です。
そもそも、喰った相手が本当に正しくまた村に生まれてきたかどうかなんて、どうやって証明するんでしょう。
[今日は校舎の中に家畜はいない
故に、ススムの言葉が止まる事はない]
村が無くなれば、
先生は先生の思うように生きられます。
僕は――――誰にも喰われたくない。
家畜じゃなく、人間として生きたい
[口にしてしまう
ススムの小さな願望は]
だから、この村を――滅ぼそうと思います。
[外の世界を知らぬ故に
叶える為に幾多もの犠牲が必要になるものだった]
方法を、ひとつ考えました。
[助言を思い出す。
種馬として期待されていたススムにわかる答えは]
――仔を産む腹が無ければ
これ以上増えません
先ずは女を
後は、一つずつ
順番に潰してゆけば
ね?
[模範解答になったか、さて。
判断相手は、今は此処に居らぬけれど*]
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[耳を澄ませば村の音があちこちから聞こえてくる。 煮炊きする音、薪を割る音、牛や鶏と言った家畜が鳴く音。
混じって唄>>#2>>#3も聴こえてくる]
何唄ってんだ、あいつは。
[そう言えば櫻子ちゃんとは違う方面で 愛理にも手を出した記憶はなかった。
若い女の肌は絶品だが、どうも『女』の 品を感じられそうになくて]
(234) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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[>>220>>221の言葉は初め他人事のようにも思えたけれど、頼ってと言われたときは少しだけユリが大きく見えて、申し訳ない気持ちなっていく。]
ごめんね…… ご飯も貰ったのにそんなことまで言って貰えて 私嬉しいよ リツ兄、つまらなそうはやだな‥…・ [魅力なんて無いよと言い返したかったけど、自信もってと言われると口に出来ないでいる。しかしユリの言葉に心は少し楽になったようで食事を終えると少しばかり顔に明るさは戻っていく。]
もし、その日が来たら一度報告にくるね! ふふ、頼りにしてる。 また来るよ。
[そう告げてお礼を伝えたなら志乃は神社を後にする途中ですれ違う訪れた人たち>>192にペコリと挨拶だけしてボロ屋敷へと向かって離れていった*]
(235) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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― 道中 ―
わ! すごい、すごーい!
[猫と江津子と行く、道中。江津子が器用に片手で卵を割り食べるのを見ると、目を丸くして感嘆を零した。 きらきらとした眼差しで江津子の手を、顔を、卵を、見やり]
うん、食べる!
[問われればすぐ頷いて、彼女に卵を食べさせて貰う。楽しみと味わうのが入り混じる、満足げな顔で飲み下した]
(236) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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めれんげ?
[ふいに江津子の口から出た、初めて聞く言葉、聞き慣れない響きに、首を傾ける]
甘くて、雲みたい…… めれんげ。めれんげー?
[その説明には興味を惹かれたし、響き自体も気に入って、娘はそれを何度か繰り返し。 ただ、話が変われば、そのまま]
(237) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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牛や雌鶏の孔に突っ込みたいほど餓えてもねぇし。
[俺にとって、女と呼べる存在も。
母と呼びたかった者ももういない。
慈しむ様に抱いたゆりでさえ。
群れを成すのに必要な胎は傷付けぬのが道理。
それに傷付いて、世話をするのは結局俺になるのだから。
薬草の無駄遣いになる事はしない*]
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―学び舎―
……好きな教科で良いんですか?
[>>231予定が変わった。 解体方法は昨日学んだばかり。 その先を聞いておかねばと思うものの、 続いた言葉に心が揺れる]
歴史、を。 知りたいです。
[これならば、きっと 櫻子に語って聞かせる事が出来るだろう。 読み書き算術以外の教科で、しかも食肉に関する話でもない となれば、目新しいものが出てくるに違いないと顔を明るくして*]
(238) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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[出鱈目な唄の意味なんて考えても仕方ない。 女が何故お喋りが好きなのか。 その答えを求める位難しいものだろう]
……あれ。 錠?
過保護なお兄ちゃんが心配していたが 具合はどうだ?
[唄に掻き消されることなく、 車輪の回る音はしっかりと聞こえて来た>>230 どうやら行違う事なく済んでよかったと 兄の様子を揶揄いながら]
(239) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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―回想・自宅― 良いって良いって、こんな陽気だ。眠くもなるさ
[目を覚ました錠さんにそう答えつつも、時間を聞かれると空を見上げ]
そうだな。お日様があの位置だし、昼過ぎって所か 今からならゆっくり行ったって十分医者先生の所には間に合うよ
[時間を告げて、錠さんを手伝い車椅子へと移動させる]
まあ、また調子が悪くなったらいつでも来てくれ それと、伝言。改めてよろしくな
[そう言って、錠さんを送り出した*]
(240) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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そういやお前の家こっちの方角じゃないだろ?
[どうした? と聞けば、父親が亡くなってから縁遠くなった リツの話も聞けただろうか。
俺にとっては縁遠いのは健康な証拠。 喜ばしいことこの上ない*]
(241) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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おなかの、? …… ととさま? おなかの、ととさま。
[向けられた問い。先程よりも大きく首を傾け、まずは何を問われたのから、ゆっくりと考える間があって、そうぽつりと返し]
ううん。知らない。
[ふるり、首を横に振って答えた]
不安? こわい? 不安。こわい。 誰かのそば。
[それから。継がれた娘への慮りには、一つ一つ、あるいは考えるように、あるいは覚えるように、繰り返して]
(242) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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とのがた。とのがた。 ……とのがたは、さびしい? そば、いないから、さびしい?
[殿方、との一連には、一層悩むように、首を傾げ傾げしつつ。娘は江津子と共に、目的地へと辿り着いた]
(243) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 23時頃
[弟が想うのは己の事ばかり。
それは随分と甘美な言葉であった。
互いに想い合っているのならば遠慮は必要はなく。
誰にも渡さずにすむ世界がないのならば作ればよい。
そうでしょう、と興奮したかのように高くなる声に僅か圧倒された。]
あ……、ああ、
[人を美味いと思わぬという。
それが苦痛だという。
ならば、彼はずっと苦痛に塗れて生きてきたのだろうか。]
そうか、そうだな君の言う事は正しい。
人を喰って、その相手が転生した事を知る術はない。
[知る術があるのならば、私は愛した女を迎える事が出来るのに。
それが出来ない事を知っていて、理解しているからそれを望んだ事はなかった。]
……孕む腹がなければ増えない、が。
[真っ先に脳裏に浮かんだのは娘のゆりだった。
愛する女の腹から生まれた女は嫉妬の対象であり、親としての僅かばかりの情を攫う女。
彼女を殺すのならば、せめてこの手でなどと。]
私は錠がいればそれでいい。
だからその為に、
君に手を貸そう、この村を滅ぼそうという君に。
[この話を聞いた時からもう後には引けぬ。
人が減れば私は何をするのか。
私は私のしたようにしよう。
そこに弟の意思が存在しない事に気付かぬまま心を決めた*]
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[刃を研ぐ時は様々なことを考える。 白昼夢の如く、過去の出来事、成しえなかったこと、噂話、知らないはずの出来事、泡のように通り過ぎ、思考が無になる前に辿り着くのは 「この刃は次に誰を切るのか―――」
瞬き一つせず、ただまっすぐに陽光を跳ね返す刃の見つめる。 朽ちかけた「鬼」の文字に似つかわしい姿は、人を切るを知らぬ子供にはやはり恐れられていた]
………、と やりすぎたか
[普段使いの包丁にしては、どうにも切れすぎるほどの出来となる。試し切りは、リツのところでいいだろう。手ぬぐいを巻き付け、外側からさらに鮮やかな赤い布を巻き、届けようと作業台を土間にしまいこむ]
(244) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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[からからと進む道中、どこからか、出鱈目な歌>>#2>>#3が聞こえてきた。 愛理だろうか、変な歌だなと思いはしたが、そちらへそれ以上の意識を向けることはなく。 ミナカタの家へと、急いでいたが]
あ。
[>>239どうやら今日は、運の良い日のようだ。]
ちょうど良かったミナカタさん。 これから、薬を貰いに行こうと……
んん? 兄さんが? あぁ兄さんなら今日も学校なはずだけど、なんか言ってた?
[ミナカタと兄、そして源蔵が、道中で何を話していたかなどは知らないから。 何だろうと、きょとりと。]
(245) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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―― 少し前 / 志乃が去ったあと ――
その日が来たら、ね。
[>>235友人が子を産む姿を想像して、口元が緩んだ。 次代に血を繋いでゆくことは、喜ばしいことだ。 それが大切な友人なら猶更だ。 家族を亡くした分、彼女が新しい家族に恵まれればいい。 本気で、そう思った]
……志乃。 また、来るって。言ってくれた。
[小さく微笑む。 その去り際の言葉が、嬉しくて、嬉しくて。 心が、晴れやかになったような気がした*]
(246) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 23時半頃
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― 神社 ―
ゆりさま! おはよう! あっ、シノ! おはよう!
[神社に辿り着く、と、ゆりの姿を見つけるなり元気良く腕を上げて挨拶し――もう一人の姿、シノにも同じように挨拶を向けた。すれ違いに去る姿、手を振り続けて見送り]
うん。 猫さん、きれいきれい、だね。
[江津子の申し出には、手の内の猫を明け渡して]
(247) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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いやそろそろ薬が心許なくなってきたんでね。 切らさないうちに、もらっとこうと思って。 それと時間あるようなら、治療もお願いしたいんだけど。
[>>241これから向かうところだったと伝え]
それから、リツから伝言を預かってるんだ。 「医者先生、ご無沙汰してます」だそうだよ。 僕と違って、彼はあんまりミナカタさんの世話になることはないからねぇ。
そうそう、車椅子をみてもらったんだよ、リツに。 この間までひどく動きが悪かったんだけど、おかげでずいぶん軽くなったよ。
[そしてちょっと嬉しげに、車輪を撫でた。]
(248) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 23時半頃
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ごはん、作る、おてつだい?
する! おてつだい、私、する!
[ゆりの提案を聞くと、手を上げてぴょんぴょんと小さく二度、その場で跳ねた。 江津子と語る様子には、その顔を、じっと黙って見つめていた、けれど。手を引かれれば、たったとついていっただろう]
(249) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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歴史ですか、よいでしょう。 詳しい歴史は残念ながら残された文献も少なく教える事は適いませんが。 口伝から読み取れるものもありますから。
[村に伝わる言い伝えを中心に授業は進む。 その話の大半は歴史というよりは御伽噺の類だった。]
これらの話を統括すると神話の時代まで遡ります。 進君は古事記はご存知でしょうか?
太古の昔、神々の物語です。
[神話について、そしてこの村で祀られている神についてを語る。 それらに交えて語られるのは食人について。 食人について語る時は僅かばかり不自然に淡々としていた*]
(250) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 23時半頃
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[最初の頃は受け取られなかった箱>>228は、 この頃は小さな手にすんなりと渡るようになったと思う。
食べたい、と、望んでくれた相手に 喜んでもらえるのが、私の幸せであり、 目の前の小さな男も、勿論、そのうちの一人だった。
その礼に、と、いつぞや>>233に借りた資料は、 夜な夜な行燈の下で読んではいるけれど、 日中の作業で疲れた身は、すぐ睡眠を求めてしまう。 元々、本などを読むのも不得手なのだ。
神社の方向に視線を遣る。短い沈黙の後、 返された問いに私は眉を下げて笑った。]
(251) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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……敵わないなぁ。
[彼にも、誰にも、 あの夜の事を、態々話してなどいない。 けれど、行かない、でなく“行けない”と、 そう問うてくる男は、一体どこまで察しているのだろう。]
あそこは、巫女様の場所だもん。 私みたいなのは、おいそれと行っちゃいけないよ。
[しきたりと血のつながり。どちらが上に在るか。 頭を過るのは母の冷たい眼差しだ。 答えなんて分かりきっている。 自嘲気味に言葉を吐く。笑う。涙など出ない。]
(252) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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……ごめんね、暗くなっちゃって。
[は、と息をひとつ吐けば、もう普段通りだ。 片手の風呂敷包みを持ち直して、さて、と気を取り直す。]
引き留めちゃった。そろそろ行くね。 この間の書き起こし、今度返しに行くから。
[じゃあね、と手を振って、再び私は駆け出した。
因みに、件の書き起こしを借りてから 軽く季節が一回りはしているかもしれないけれど、 それはまた別の話。*]
(253) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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―社から離れるまで―
[櫻子との道中は賑やか>>236>>237で、江津子の頬を緩ませる 種の知れない、お腹の子>>242 首を振り、江津子の言葉を飲み込めなさげ>>243に共にゆく彼女は、 幸せなのだろうかと、ふと思う
……考えるなんて、おこがましい 子の幸せすら他者にゆだねた己には、 考える資格すらない気もする
神社を離れる志乃>>235に、すれ違いに頭を下げて、 巫女へと馳走の施しを請うた>>192 暫時、神社も困窮しているのだろうか>>223と、不安を抱くも 一緒に作るというのなら、それも杞憂なのだろう 卵を差し出し、慈悲を辞して――――>>193]
(254) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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はい、村のものたちみな、笑顔を頂戴しております
[恐れ多くて、目を伏せているから、 江津子はゆりの変化>>224>>225>>226を感じてはいなかったかもしれない]
櫻子さん、ゆり様のお手伝い、頑張ってくださいね
[櫻子から猫を受け取る>>247と、 飛び跳ね去り行く姿>>249を、見送ったのだった*]
(255) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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[最初にミナカタを訪れた時、 錠の脚はまだそれほど悪いように思えなかった。
先代の後ろで錠とその兄を交互に見やり、 錠を心配そうに見ている石動がいつもの石動には 見えなかったと、今にして思い返す。
脚は治るのかどうか、先代はどちらの可能性も 口にせずただ薬を調合し続ける背に。 何となく悟るものはあったけれど]
(256) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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薬だろ? 心配性の兄君にさっき出会って頼まれたんだ。
村を巡る予定だったから、行違ったら 尻叩かれそうだから慌てて戻ってきた。
[きょとんとする姿に、怖い怖いと笑いながら。 訪れるつもりだった旨も、知っていると種明かし]
(257) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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俺もそろそろ診て薬の量を変えなきゃなと 思ってたんだから丁度良い。
[どれ、と車椅子を押すために背の方へ回れば なるほど、リツの手入れがされた車輪はよく回りそうだ>>248]
医者先生って、そんな大層なもんじゃねえけど。 確かにリツは元気の塊だ。
それに仕事もこの車椅子を見れば安心だ。
流行り病も諦めそうな頑丈さだから。 俺の出番がないのは村にとっても良いことだ。
[直接会う事は無いが、関わる人から 彼がどんなに村の助けになっているか知っている。 縁がない癖に、まるで成長したのは 俺のお陰と言わんばかりに少し得意げに]
(258) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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道すがら最近の気になる所を聞かせてもらおうか。
[錠が拒まなければ、そのままよく回る車椅子を押しながら 出て来た自宅へと戻ろうか*]
(259) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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―― 神社 / 台所 ――
[とんとんとん。規則的な包丁の音。 骨から削ぎ落すのは、人間の太腿の肉]
これは明之進くんの足よ。 櫻子、よく一緒に遊んでいたでしょう。 塩漬けにして取っておいたの。
若くして亡くなったのは気の毒だけれど 櫻子に食べられるのは幸せ者ねえ。 良かったわねえ。
[削ぎ落した肉を、櫻子に差し出して]
(260) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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櫻子、肉を小さく手で割いてくれるかしら。 茹でてホウレン草と和えましょう。
[包丁を櫻子に持たせるのは危ないだろう。 それに、肉を削ぎ落すのは重労働だ]
明之進くんがとても悲しむから 食べ残しは駄目だからね。
[幼子に諭すように、櫻子にそう伝えるだろう]
(261) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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[やがて、卓袱台には知己の肉を使った料理が並ぶ。 櫻子に食べるのならば、彼の肉が良いと思った。 貯蔵してある肉の中から、 わざわざ明之進を選んだのだ]
櫻子が孕んだのと 明之進くんが亡くなったのは 同じ時期だったわね。
その胎の子、 生まれ変わりだったら素敵ね。
[いただきます、と手を合わせた*]
(262) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 00時頃
[同意を得てススムは勢いづいた。
手を貸してくれるという。
嗚呼矢張り、彼に話してよかったと
口元を綻ばせる]
有難う御座います、先生
先生やミナカタさんが知識をくれたから
僕は良い方法を思いつく事が出来ました。
お陰で、漸くこの苦痛から解放される
[殺して、潰して
全部処分してしまったらもう
家畜どもの群れに、人であることを気取られぬように
怯えて暮らす必要は無くなるのだ]
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 00時頃
ねぇ、先生
最初に間引く女は櫻子が良いでしょうか。
あれは子を宿していますし、早く潰さねば増えてしまいます。
それとも、巫女を先に縊りましょうか
あれは数々の男を宛がわれていますから
[先ずは誰から始末しようか。
家畜の順序を指折りながら淡々と並べていく]
巫女様、櫻子さん、愛理さん……
[混じらぬ名は、仔を産み渋る女たち*]
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―閑話/神社の手水で―
[猫が、激しく暴れている 水はやめろと、のたうち回る]
……………………
[小さな首筋に指を当て、くっ、と力を込めてやれば 瞬間、ぴっと、動きが止まり、 後はふるふる震えて、大人しくなった]
少し、やりすぎてしまいましたね ごめんなさい
[洗い終わりの湿った猫は、 少しだけ、怯えた様子だったかもしれない
猫を境内にそっと話すと、神社を後にしたのだった*]
(263) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 00時頃
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なんだ、聞いてたのか。 それにしても兄さんは心配症だなぁ。
[>>257言伝などなくとも、ちゃんと貰いに行くのに、と。 しかしすれ違わないで済んだのは、ありがたい。]
寒くなってくると、特に膝がひどく痛みだすことが多くって。 昨日も、道中だいぶ病んだし……
たしかに。 僕が行ったときも、リツは元気そうだったし、とても丁寧に修理してくれたよ。 兄さんからも、また色んなことを教わりたがってたし。 進もだけど、リツも勤勉だよねぇ。
[学びに関してあまり積極的でない青年には、ふたりは、少し眩しくも思えた。]
(264) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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―自宅― [錠さんを見送ってしばらく、今日も今日とて干し飯を煮込み遅めの昼食を食べる]
んむ、腹は膨れるけど、流石に飽きるな
[料理は出来る。出来るものの作れる物と言えば、こうして干し飯と野菜を煮込んだものぐらいで、男の食事には圧倒的にバリエーションが欠けていた]
たまには容さんのお世話になるか……
[食べ慣れすぎた昼飯を食べながらそんなことを考える 容さんの振る舞う料理には男も度々世話になっていた]
(265) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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―歴史の授業― ……古事記? この国の一番古い歴史書ですね。
[合っていますか、と視線を向ける。 存在を教えられてはいるが、内容は教えられていない。 古事記というものがある、という事実を知っているだけだ。 進む授業内容は、この村の言い伝え。 人の転生にまつわる、村の神の話。 これが、この村の歴史である]
だから、皆でひとりの身体を分け合うんですね。 [素直に謂われた通りの歴史を紙に書き込む。 食人についての話になると、何処か聞き辛い気がしたが その辺りは何度も聞いて知っている話だ。問題なかろうと、見過ごして]
先生、有難う御座いました。 今日の授業は、とても楽しかったです。
[一通りの内容が終わると、起立して頭を下げる]
(266) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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……先生。 例えば、なんですが
弔いの肉を一人で全部食べてしまったら 食べられた人はどうなってしまうんでしょうか。
[授業後の質問は、昨日錠の言葉を思い出したから*]
(267) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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[>>251>>252人の口に戸はない。 伝え聞く端々の繋ぎ合わせがどこまで事実なのか確証を得られるものでもなければ、帳面に記されることでもない。 「行けない」と口にしたそれに、多分に含まれた推測がのる。]
巫女様の場所に相違ない、が
[否定の言葉が続きかけて、 >>253仕切り直しの一息に口をつぐんだ]
(268) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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―― ゴミと間違えて畑の肥やしにしないなら 返すのだっていつでもいいよ
[駆ける背をそんな返事を送る。]
……一度拗れりゃ長引くかねえ
[石動とこみたいに。 などと朝の、方向性の違うだろうが、おもいを思い返して、聞こえぬとしりつつごちた*]
(269) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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最近の気になるところ……かぁ。
さっきも言ったけど、冷えてきたせいか、特に関節が痛むことが多いかな。 あと、つま先の感覚が、少し薄い。
ほかは、尻と背中に、少し床擦れができかけてるみたいなんで、軟膏とかあったら助かるなぁ。
[車椅子の背後をミナカタに預け、現在の症状をぽつぽつと話していこうか。*]
(270) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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―丞の自宅―
[残った卵は、たった1つ。 脆いそれを片手に納めて、目的の場所へと進んでいく 鶏を捕まえてくれた丞>>47へのお礼 こんこんと戸を叩けば、中から返事はあるだろうか]
丞さん 江津子です 卵をお届けにあがりましたよ 1つだけではありますが……
[また開けてみようかと、 戸に手を触れながら、呼びかけた]
(271) 2017/11/25(Sat) 00時頃
|
ミナカタさんが……?
彼奴も何を考えているのか。
[彼には随分と焚き付けるような事を言われた。
何か目的があるのだろうか。
気を許していいのか分からない。
少し警戒をしていた方がいいのだろうか。
警戒も何も、彼が村の誰かに告げ口をすればそれで終わってしまうのだが。]
ゆり…巫女は周りに人が多いから櫻子か愛理。
そうだな愛理あたりがいいんじゃないか。
[愛理は一人でよく村をうろついているから。
人目に付かないように殺す事は容易いだろう。
教え子の上げる名に混じらぬ名前がある事に気付いてはいた。
何故、若い女を外すのか問い詰める気はないが*]
|
[これは兄の心、弟知らずと言うべきか。 それとも判っていて言っているのか>>264 先程の石動さんを見た後では 惚気にしか見えず、はいはいはい、と間の抜けた返事]
あの様子だと心配通り越して 目の中、口の中、腹の中入れても痛くない勢いだったぞ。
[間違ったことは言ってないはずだ。 弟の錠がどんな感情を持つかは考えない。 拗れるならそれはそれで見世物が増えて楽しいだけと 源蔵よりも随分性根の悪さを車椅子の背後で見せる]
(272) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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エツコは、丞が留守であれば、この場に置いていくつもりだ
2017/11/25(Sat) 00時頃
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そうか、楽しかったのならよかった。
[黒板を消しながらそう答える。 その手も続く言葉に止まるのだけど。]
それは例えばの話にすぎて答えにくい。 弔い肉は村人で分け合うのが習わしだから、一人で独占する事など出来ない。
だが、一人で食べ尽くすのなら。 その想いがそれだけ強いのなら。
きちんと転生出来るのではないか。
[一人で肉を独占したならば。 その魂ごと身体に閉じ込めて、きっと転生などさせはすまい**]
(273) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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[この村は、死人が多い。それでもなんとか村として成り立っているのは、産まれる数も多いからだろう。 若者が多いように思えるのは、年寄が少ないからか。あまり長生き出来ないのは、残された者が食べるには都合がいいのかもしれない。勿論、年寄が死ぬこともある。煮込み料理というのは偉大だ。時間をかければ、なんとか柔らかくなる。
筋を切って、骨を断って……]
ああ、 また会ったね、江津子さん
[作業台から顔をあげ、そうだ、と包丁を抱えたまま戸を開けば、声かけがあったもののばったり、という体だろうか。 ちょうど出ようとしたところだ、という顔で、少し不思議そうにその手にある卵を見る]
(274) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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あけのしん。
[厨に響く、小気味好い音。とんとんというそれは聞いていると娘には面白く、それにやはり、「かかさま」を思わせるものでもあって。聞き入っていた中に、紡がれた名。 明之進、その少年と、娘はゆりが言う通りよく遊んでいた。齢の割に物憂く大人しい、だが優しい気質だった少年に、娘が遊んで貰うという形ではあったのだが]
あけのしん、足、速かったから。 足、美味しそう、だね。
[蘇る記憶を口にしながら、その肉を眺めた]
(275) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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ああ、 そうか 卵
はあ、どうにも律儀だね あんたは
[頭を掻いて、さて。 手を差し出せば、その手にころん、と転がるだろうか]
でも、 そうだな 卵は良い。精をつけるにはぴったりだ
[そうだ、太らなければ。満腹ということをあまり知らないけれども、卵も、鶏肉も、出来れば人の肉も。沢山食べなければ*]
(276) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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やはり季節の変わり目は悪くなる奴は悪くなるな。
[しかし最近の具合については真面目に耳を傾ける>>270 最初の対応を間違えると長引くから。 悪ふざけは止めて暫し唸り声]
うーん。 冷えのせいで血の巡りが悪くなってるんだな。
そこから腐りだされてはかなわんな。
体の向きを良く変えて、乾燥させぬようにしないと。
[家に戻れば早々に床擦れの個所を見せてもらわないと。 考えながら、ガタゴト揺れる道が床擦れに 響かぬように少し速度を落としてゆるりと進む]
(277) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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強めのを使うと肌がかぶれるから。 こまめに変えて貰えよ?
[念を入れなくても、あの兄ならしつこい位に 変えそうだから、思っているよりは控えめに変えろと 言った方がいいのだろうか] 足の指の色は大丈夫か? よく摩ってやれよ。
(278) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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リツや進じゃなくても。 あんたにはあんたが いなくちゃならない事もあるだろうから。
[五体満足な若者を見て歯痒いだろうが、 自棄は起こすなと忠告して。 家はすぐ。
背中と尻を見せてもらう前に火を起こし、 赤みを通り越して肉が見えそうな手前。
皮膚を盛り上げ、血行を良くする軟膏を 練り上げる間、なんぞ最近面白いことは無かったかと 尋ねる間もゴリゴリと、薬を潰す音を響かせる*]
(279) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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[丞とは、戸を開けようとしたところで、 鉢合わせた形>>274となっただろうか 出した手を引っ込めて、はい お会いしましたねと言葉を返す]
経緯があって、1つだけになってしまいましたが、 せめて、お渡ししておきたいと
[差し出された手に>>276卵を、ころり 鮮度は確かめ済みである]
(280) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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丞さんには、またお仕事をお願いすることもあるかと思いますから 心ばかしですが、召し上がってください
[ただ、手ぬぐいが巻き付けられた包丁を見れば、 なんとはなしに察しがつく]
外出される途中だったんでしょうか お邪魔してしまったら、申し訳ありませんでした
[きっと、研ぎあがった獲物を届けに行こうとしていのだろうと そのまま向かうならば体を端に寄せ、見送りの体制に入っただろう*]
(281) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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あけのしん、しあわせ? 私が食べたら、しあわせ? だったら、いいなあ。
[ゆりの言葉にゆるりと笑みつつ、指示されるに従い、肉を千切った。一手、一手、それは糧へと昇華されていく]
うん。残さない。 あけのしん、ぜんぶ、食べるよ。 食べてあげるよ。
[言い聞かせにはしっかりと肯定を返す。 終わりは、彼自身にでも向けるかのように]
(282) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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|
―― 源蔵の自宅にて ―― [家にたどり着いたのは小男と、一人分の弁当。 玩具じみた胃の腑に押し込むのはどうにも量が多いだろう。 誰ぞに分けられれば良かったけれど、 帰る道中、会えなば仕方ない。
薬湯のため湯を沸かしながら、食うべき、の顔を思い返す。 たとえば、たとえば。 子を望めなくとも生み出すことのあるものは。 薄ぺらい体に肉をつけ、食らえるように、するべきものは。]
容でないが、探しに行けばよかったか
[しゅんしゅんと薬缶が鳴き出すのを切っ掛けに 思考を止めたが、そう考える時間があったからだろうか、 容の弁当をもて向かったのは食卓でなく、外歩く人をみることのできる、縁側の、陽だまりの中*]
(283) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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ミナカタは、エツコにも体調を聞くべきか考えていた。
2017/11/25(Sat) 00時半頃
この村は、不要だと
僕が考えるよりももっとずっと先の事を
考えられる”人間”です。
[ススムは彼を随分と買っていた。
家畜と人の違いがわかる者だ。
信頼しても良いと、思っている]
――――愛理さん。
何時もひとりだから……
確かに、最初の相手としては手ごろですね。
嗚呼、早速にも始めましょう
僕、教わった捌き方を早く試してみたかったんです!*
|
[源蔵と別れた後、片手の風呂敷包みの中身は 瞬く間に無くなっただろう。 人気だったというより、出会った者が それなりに親しい間柄であったことが幸いしたのだと思う。
そうして、自宅に戻った私は、 鍋の中を覗き込んでいる。 昨日貰った、牛の舌の味噌煮込み。 まだ完成ではないけれども、葡萄酒や香草も加えたそれは、 かなりいい出来になりそうであった。 一口食すだけでも、酒や白米がかなり減るのでは、というほど。
これなら、きっと、喜んでもらえるに違いない。 浮かんだのは、昨日のやり取り>>20。 口元が緩むのが分かる。もう少し、葡萄酒を足そうか。
窓の外、日は、沈み始めている。*]
(284) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
|
|
ハハッ、そんな大袈裟な。 けど、僕が死んだときは、まず兄さんに、満足するまで食べて欲しいと思ってる。 兄さんが死んだら、僕が……本当は、すべて食べてしまいたいけど、それは無理だろうからね。
[>>272軽口に乗せはするが、あながち、嘘ではない。 兄は、自分だけのものなのだ。 強い執着心は、周囲には、冗談交じりで零すことが多いけれど、兄と二人のときには隠すことはない。]
膝掛けをかけたり、火に当たったり、なるべく冷やさないようにとは思っているんだけどね。 あぁ、腐ってしまったら大変だ。 兄さんに食べてもらえなくなってしまうよ。
[>>277気遣うように押される車椅子。 床擦れの原因、今思えば、あの軋む車椅子で無理やり動いていたせいもあるかもしれない。]
(285) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
|
|
[そうして。食卓には、彼が並ぶ]
おなじ。
[同じ時期だと、己が孕んだのと同じ時期に彼が死んだのだと、言われれば娘は記憶を辿る。少し前。明之進が死んだ頃。――あの頃が「三月前」なのだと、さかしまに考える]
あけのしん。 あけのしん?
[生まれ変わり、語られる言葉に。娘は珍しく己の腹を見下ろし、また撫でる、そんな仕草をして。語りかけるように、呟いた]
――いただきます!
[後。挨拶と共に掌を合わせて]
(286) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 00時半頃
|
[手の中でころりころりと不安定な卵。 このまま割って丸のみにしてやろうか、とも思うが額を使うという想い付きはなく、結局は土間の片隅、風通しの良い暗所へ一旦仕舞われることとなる]
あぁ、 前払いってぇやつだな、承知した
[分かった、と頷いて鍵のかからない戸を後ろ手に閉める。 視界の隅、研ぐのに使った水が桶の中に溜まっているのが見えた。片付け損ねたが、誰がとるも躓くもないだろう。放っておくことにしよう]
いや、ちょいとリツにね 椅子を頼んでおいたのさ
踏ん張らなきゃ力も出ないってね
[連れ立って歩くもないだろう。 隣人とは、時折すれ違って話すくらいがちょうどいい。 背中を向けるのも、向けられるのも慣れている。 またな、の声がないのも朝と同じく。やはりすぐに会うものだ]
(287) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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―学び舎― ……ただ食べればいい、というだけなら 一人でもいいのではと思ったんですが
[>>273もし可能なら。 錠が死んだ時には、自分は貰いものの約束をしたけれど そっくりそのまま石動に譲ろうと思ったのだ。 彼は兄に少しでも多くを食べてもらいたいだろう。 折角自分に声をかけてくれたけれど]
想い……ええと、それは 食べる方の想いでしょうか 食べられる方の想いでしょうか。
[さて、どちらにしろ彼ら兄弟については問題もなかろう。 ならば彼らの片方が亡くなった時には 自分は口にすることを控えようと心に決めた。
ススムが魂に近い場所を食べられる機会は 僅か一日で潰えた*]
(288) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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─ ミナカタの家 ─
だいじょうぶ、寝返りくらいなら自力でもできる。 兄さんには毎朝早くからの仕事があるんだし、あまり無理はさせられないよ。
指も……ん、わかった。
[>>278薬が処方されるのを待つ間、言われたとおり、足の指先を擦るのだが。 やはり、以前よりだいぶ感覚が薄い。 色も少し黒ずんできているし、なにより、皮膚が硬いのだ。]
いやぁ、僕なんかに役に立てることがあるのかね。 まぁでも、こうやって、人より多く施しを受けているのだし、できることはなるべくやろうとは思っているけどね。
[>>279忠告には笑って頷き、暫し、薬をすり潰す音に耳を傾ける。]
(289) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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―村の中― [一対一の授業は、歴史に変わったことで思いのほか長引いた。 夢中になっていた所為で食事を忘れていた事を 学び舎を後にしてから、初めて気づく]
……おなか、すいたなぁ
[腹を抑えて俯いたススムの耳に届く詩>>#2。 思わず足を止めて、愛理の行く先を視線で追う]
どうして、やめちゃうの? どうして? 何を……
(290) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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[歌、というよりも 呼びかけのように聞こえた。
眉を寄せて 奇異なものを見る眼を向ける]
(291) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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[離れた場所で教師と教え子が共犯者へと
絆を変えていく。
それを知る事は今は出来ないが、
悪く転ぶことはないだろうと踏んでいた。
進は聡い。
きっと答えを見つけ……そこから動くかどうかは置いて。
仔を生む女を殺せば、これ以上は増えない
それは正解だが、もう1つ長い意味で意味がある]
[雌のいなくなった群れは滅びるしかなくなるのだ。
例え他の雄が屈強で間引くことが出来なくても。
志半ばで倒れても。
群れは滅びる。
この村に返りたくはないから、早々に潰してしまえれば
それが一番だが。
出来なくても、いつか必ず滅びる計算を立て。
密かに仔が成せぬ身体になる薬も探していた。
機を窺っていたが、運が向いてきた気がして。
焚き付けた教師と、道を示した教え子がどうなるか
楽しみにしていたのは事実*]
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最近の面白い話かぁ。 面白いかどうかは分からないけど、昨日、畦で難儀していたところを、進くんに助けてもらってね。 そのときに話したんだけど、進くんはまだ脳髄を食べたことがないらしいね。 あぁあと、櫻子がまた孕んでたって、僕初耳だったなぁ。
[ごろんと寝転んだままで話すのは、昨日のこと。 それと……]
そういえばミナカタさんも聞いたかな。 愛理が、また変な歌を歌いながら歩いてたねぇ。
[あの歌は何なのだろうと、ぼんやりと**]
(292) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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[さて、包丁と椅子の交換に出向けば、風にのってどこからか出鱈目な歌が聞こえてくる。 この村には若者が多い。 若いまま死んでいく者も多い。
美味しく食べられることは幸せなのか。 食べるならば、美味しく食べるのが弔いなのか。
最近どうにも、そんなことばかり考える。 死ぬことばかり、考えている**]
(293) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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[そのまま、見送って。 ススムは踵を返し、家へと戻る事にした。 途中農家の傍を通った時に、一度足を止めて 家の戸を叩く]
……容さん、ごめん まだ残ってたら、一口だけ……
食事、貰っても良いかな。
[出来れば 何か手伝える事でお返しがしたいけど、と 歯切れ悪く告げれば、 今日最初で最後の食事にはありつけたろうか*]
(294) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 01時頃
真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 01時頃
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前払いいただいたのは、私の方ですよ 前払いというのなら、田畑を荒らす猪でも、 駆除しなければなりませんね 何かございましたら、いつでも、なんなりと
[捕まえてくれた鶏の件を思い、くすりと笑う 事情を聞けば>>287、リツとの経緯もだいたいは読み取れて]
リツさんの仕上がりで力が出れば、 なお、素晴らしい業も生まれるかもしれませんね それは、とても楽しみです
[背中を向けるなら朝方と同じく、 礼で見送ったことだろう**]
(295) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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